JPH0440510Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、化粧棚等壁に固定される壁固定部
材の取付構造に関する。

（従来の技術） 例えば化粧棚の場合、これを壁面に固定するに
は、棚板保持部材をビスにて壁面に固定し、その
保持部材にて棚板を支持するようにするのが一般
的である。この場合、重量軽減のため或いは材料
節減のためにその保持部材は内部中空構造とし、
その中空内部に補強用のリブを設けるのが好都合
である。

（考案が解決しようとする課題） ところで、従来、この種壁取付部材をビス等に
て壁面に固定する際、ビス等が締付け途中で落下
しないように、或いはビス等を壁面に対して真直
ぐに打ち込むために、これを手に持つた状態でね
じ込み操作することが必要であつた。

また壁取付部材に荷重がかかつたとき、ビス等
による壁面への取付個所に大きな力が作用するこ
とから、かかるビス等による止め付け個所として
はリブの近傍部位であるのが都合が良いが、この
場合、リブが邪魔となつて取付作業がし難くなる
恐れがある。

（課題を解決するための手段） 本考案はこのような課題を解決するために為さ
れたものであり、而して本願の第一の解決手段
は、水平な天板と該天板の後端より直角に延びる
後板とを有する内部中空形態の壁固定部材を、該
後板においてビス等ねじ部材により壁面に固定す
る構造であつて、該壁固定部材の中空内部に且つ
長手方向に適宜の間隔で前記天板及び後板を一体
に連結する補強リブを設けるとともに、それらリ
ブに前記ねじ部材を挿入するための水平な取付穴
を形成し、該リブの配設個所において該取付穴よ
り挿入したねじ部材により壁固定部材を壁面に止
め付けるようにしたことにある。

（第一解決手段の作用及び効果） このように本解決手段では、リブ自身に取付穴
を形成してここで壁固定部材を壁面に止め付ける
ようにしているため、壁固定部材を強固に固定で
きるし、また壁固定部材に作用する荷重をしつか
りと受け止めることができる。

またこの取付穴は水平な穴とされているため、
ビス等ねじ部材を壁面にねじ込む際にこれを水平
且つ真直ぐに案内することができ、またねじ部材
は取付穴により支持されて落下しないために、ね
じ部材を壁面にねじ込む際、手でこれを持つてい
なくても良く、壁固定部材の取付作業が容易にな
る利点が生ずる。

（第二解決手段の作用及び効果） ところで壁固定部材が中空構造である場合、こ
れを本体とカバーとに分割し、該本体を壁面に固
定した後にカバーを本体に組み付けるようにする
のが望ましい。このとき本体へのカバーの一般的
な組付方法は、カバーをビスにて本体に止め付け
る方法であるが、この場合ビスが外面に露出して
しまうし、また本体を壁面に固定する作業とは別
に、カバーを本体に対してビス等により止め付け
る作業が必要となつて、全体としての作業が煩雑
且つ面倒となつてしまう。

そこで本願の第二の解決手段においては、上記
本体におけるビス等ねじ部材を挿入するための取
付穴をカバーの固定用の穴として利用するように
し、そしてカバーの裏面側に嵌合突起を水平方向
に形成して、これを取付穴に嵌合することによつ
て、かかるカバーを本体に組み付けるようにし
た。

このようにすれば、ビス等を用いなくてもカバ
ーを本体に組み付けることができ、従つて部品点
数、作業工数が節減されると同時に、ビス等が外
部に露出して外観を損ねる問題も回避できる。し
かも取付穴及び嵌合突起は水平に形成されている
から、カバーが重力によつて本体から脱落する恐
れがなく、加えて本体の取付穴はカバーの嵌合突
起にて閉塞された状態となるため、かかる本体を
壁面に固定しているビス等ねじ部材がたとえ緩ん
だとしても完全には壁面から脱落しない利点が生
ずる。

（実施例） 次に本考案を化粧棚の取付構造に適用した場合
の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。

第２図において１０は棚板であつて、１２及び
１４は夫々樹脂製の支持体（壁固定部材）及び棚
押えである。支持体１２は、第１図、第３図及び
第４図に示しているように、本体１６とカバー１
８とに分割されている。本体１６は、第４図に示
しているように水平な天板２０と後板２２とが長
手方向両端において連結板２４により連結された
形態の中空形状のものであつて、長さ方向に適宜
の間隔で補強リブ２６が設けられている。各リブ
２６には、第１図に詳しく示しているように水平
方向に取付穴２８が形成されており、かかる取付
穴２８の前端開口よりビス４４を挿入してこれを
壁面にねじ込むことによつて、本体１６を壁面に
固定し得るようになつている。尚天板２０には、
長手方向両端近傍部位において、棚板１０固定用
のビス穴３２（第４図参照）が形成されている。

一方カバー１８は板状の部材であつて、裏面側
に、上記リブ２６の取付穴２８に対応して嵌合突
起３４が水平に且つ一体に形成されている。この
嵌合突起３４は、取付穴２８と同じく断面円形状
を成し且つ外径が取付穴２８にほぼ隙間なく嵌合
し得る径とされている。

前記棚板１０はガラス製の部材であつて、長手
方向両端近傍部位、即ち前記支持体１２のビス穴
３２に対応する位置に貫通穴３６（第１図）が形
成されている。また棚板押え１４は断面三角形状
の細長い棒状の部材であつて、上記ビス穴３２及
び棚板１０の貫通穴３６に対応する位置におい
て、その下面側に雌ねじ穴４０が形成されてい
る。

次に本例の取付構造において、支持体１２及び
棚板１０の取付手順を説明する。

先ず支持体１２の本体１６を、カバー１８を外
した状態において壁面に当てがい、そしてリブ２
６の取付穴２８より挿入したビス４４を壁面にね
じ込んで固定する。次に本体１６の天板２０上に
棚板１０を載せ、更にその上側に棚板押え１４を
載せて、天板２０下面側よりビス４２を天板２０
のビス穴３２及び棚板１０の貫通穴３６に通した
上、その先端を棚板押え１４の雌ねじ穴４０にね
じ込む。そしてビス４２を強く締め込めば、支持
体１２と棚板押え１４とが強く締結され、棚板１
０がそれらにより上下両面側から挟み込まれて固
定される。

棚板１０の固定が済んだら、次にカバー１８の
嵌合突起３４を本体１６の取付穴２８に嵌め込
み、そしてカバー１８を前面側から押し込めば、
突起３４が取付穴２８内に根元まで入り込んで、
カバー１８が本体１６の前面開口を閉塞する状態
に組み付けられる。

このように本例の取付構造によれば、補強リブ
２６の設けられた個所において支持体１２が壁面
に止め付けられるため、かかる支持体１２を壁面
に強固に固定できるとともに、棚板１０に荷重が
かかつたとき、これをしつかりと受け止めること
ができる。

また支持体１２を壁面に止め付ける際、取付穴
２８の案内作用によつてビス４４を壁面に真直ぐ
に打ち込むことができ、しかもビス４４を手に持
つていなくてもビス４４が落下する恐れがない。

また一方この取付穴２８はカバー１８の取付穴
としても利用されていて、この取付穴２８にカバ
ー１８の嵌合突起３４を嵌め込むだけで、かかる
カバー１８を本体１６に組み付けることができる
ため、カバー１８の組付作業が簡単であるととも
に、ビス等を用いてカバー１８を本体１６に固定
する場合と異なつて、ビス等止め付け具が外部に
露出して外観を損ねる問題も生じない。

以上本考案の実施例を詳述したが、本考案はそ
の他の形態で構成することも可能である。

例えば上例では化粧棚を壁面に取り付ける場合
を例として説明したが、本考案はタオル掛けその
他壁面に固定される部材に対して一般的に適用可
能であるなど、その主旨を逸脱しない範囲におい
て、様々な変更を加えた形態で構成することが可
能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である化粧棚の取付
構造の一部分解断面図であり、第２図はその化粧
棚の取付完了状態の斜視図、第３図は第１図、第
２図の化粧棚を各要素に分解して示す分解斜視
図、第４図は第１図乃至第３図の支持体を本体と
カバーとに分解して示す斜視図である。 １０……棚板、１２……支持体、１４……棚板
押え、１６……本体、１８……カバー、２６……
補強リブ、２８……取付穴、３４……嵌合突起、
３６……貫通穴、４４……ビス。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 水平な天板と該天板の後端より直角に延びる
   後板とを有する内部中空形態の壁固定部材を、
   該後板においてビス等ねじ部材により壁面に固
   定する構造であつて、該壁固定部材の中空内部
   に且つ長手方向に適宜の間隔で前記天板及び後
   板を一体に連結する補強リブを設けるととも
   に、それらリブに前記ねじ部材を挿入するため
   の水平な取付穴を形成し、該リブの配設個所に
   おいて該取付穴より挿入したねじ部材により壁
   固定部材を壁面に止め付けるようにしたことを
   特徴とする壁固定部材の取付構造。 (2) 前記壁固定部材が、壁面に直接固定される本
   体とカバーとに分割されるとともに該カバーの
   裏面側に嵌合突起が形成され、該嵌合突起の前
   記取付穴への嵌合に基づいて、該カバーが本体
   に取り付けられるようにされている請求項(1)に
   記載の壁固定部材の取付構造。