JPH0439782Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ウイングボデイ形トラツクにおける
ウイングと側煽板の自動ロツク装置に関する。

（従来の技術） トラツクには荷台に形成した荷箱の側壁を天井
部にかけて一度に開放できるタイプのトラツク、
いわゆるウイングボデイ形トラツクがある。

このウイングボデイ形トラツクは、一般に荷箱
が六面体に形成され、後壁に観音開き状の扉を設
けるとともに、左右側壁に側煽板とウイングをそ
れぞれ設けて左右側面も開閉できるようになつて
いる。

また各ウイングは両端を荷箱の前壁と後壁の上
部にそれぞれ固定した梁に、左右対称な状態で回
動開閉可能に設けている。そして各ウイングは二
つの面を有して断面形状が略Ｌ字状をなし、この
内の一辺が荷箱における天壁の片側半分を、他辺
が片側側壁の上部をそれぞれ形成する状態で設け
られている。また各ウイングが閉じたときは、回
動端部が側煽板の回動端部に当接して連ながり一
つの側壁になる。

このようにウイングと側煽板とが互いに分離さ
れた構造では、閉じられた状態でウイングと側煽
板をそれぞれロツクしておく必要がある。

従来のロツク装置はウイングのロツク手段と側
煽板のロツク手段とを別々に設けて個々に操作す
るようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） このためウイングと側煽板のロツク手段の操作
を手動で個々にしなくてはならないので、操作が
煩雑になり作業性が悪い問題があつた。

本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的はウイングボデイ形トラツクにおけ
るウイングのロツクおよび解除と側煽板のロツク
および解除操作を簡単に行なうことのできるウイ
ングと側煽板の自動ロツク装置を提供することに
ある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案はヒンジを介
して開閉自在に荷台に取り付けた側煽板と、前記
側煽板の上方で前記荷台に回動開閉自在に取り付
けたウイングとで荷箱を形成してなるウイングボ
デイ形トラツクのウイングと側煽板の自動ロツク
装置であつて、前記ウイングと前記側煽板の側端
部に各々被係合部材を設けるとともに、前記ウイ
ングと前側煽板の前記側端部と隣接して前記荷台
に設けた支柱に前記被係合部材に各々対応してい
る複数の係合ロツク部材と、上下に摺動して前記
係合ロツク部材を前記被係合部材に係脱させる摺
動部材と、前記摺動部材に前記摺動動作力を与え
る復動シリンダーとを設けてなる構成にしたもの
である。

（作用） 上記構成によれば、復動シリンダーを介して摺
動部材を摺動操作させると、ウイングのロツクお
よび解除と側煽板のロツクおよび解除の一連の操
作を同一場所で動かずに行なうことができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例について図面を参照して
詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例に係るウイングと側
煽板の自動ロツク装置を適用したウイングボデイ
形トラツクの正面部を左半分側に示し、後面部を
右半分側に示した平面図、第２図は同上トラツク
の上面を示した平面図、第３図は同上トラツクの
側面を示した平面図、第４図は第３図のＡ部を拡
大し一部を破断したもので同上自動ロツク装置の
部分に相当する拡大側面図、第５図は第４図のＢ
−Ｂ線に沿う断面図、第６図は第４図のＣ−Ｃ線
に沿つて見た断面図、第７図は第４図の要部を拡
大して示した拡大平面図である。

第１図乃至第７図において、ウイングボデイ形
トラツク１は、キヤビン２の後部におけるシヤー
シ３上に設けた荷台４に荷箱５を形成している。

そして荷箱５は、荷台４の前部にキヤビン２と
隣接して設けた前壁６と、荷台４の後部に設けた
後壁７と、荷台４の左右にヒンジ８を介して回動
開閉可能にそれぞれ取り付けた側煽板９と、両端
を前壁６および後壁７の上部にそれぞれ固定して
荷箱５の略中央に横たわつた状態に設けた梁１０
に左右対称な状態で取り付けた一対のウイング１
１などで構成している。また後壁７には観音開き
状に形成した左右一対の扉１２を設けている。

そして各ウイング１１は、二つの辺１３，１４
を有して、断面形状が略Ｌ字状に形成され、この
内の一辺１３が天壁の片側半分を、他辺１４が荷
箱５の一側壁の上部をそれぞれ形成している。ま
た各ウイング１１は後述する自動ロツク装置１６
でロツクを解除した状態において梁１０とウイン
グ１１に取り付けた油圧シリンダー装置１５の制
御により、この梁１０を支点に回動開閉可能に設
けられている。そして開放時は第１図中に一点鎖
線で示すように天井部にかけて一度に開き、閉じ
た時は実線で示しているように側煽板９と面一状
態になる。

一方、側煽板９も各ウイング１１が開放されて
いる状態で自動ロツク装置１６のロツクの解除を
行なうと、第１図中に一点鎖線で示すようにヒン
ジ８を支点に荷台４の下側へ垂れ下げた状態にま
で開放できるようになつている。

このウイング１１と側煽板９の自動ロツク装置
１６は、第４図乃至第７図に詳細な構造として示
している。

第４図乃至第７図において自動ロツク装置１６
は、摺動部材１７、復動シリンダー１８、ウイン
グ用係合ロツク部材１９、側煽板用係合ロツク部
材２０、ウイング用被係合部材２１、側煽板用被
係合部材２２（第５図参照）などで構成してい
る。

また自動ロツク装置１６は上記前壁６の左右に
位置して荷台４に固定した支柱２３を使用し、ウ
イング１１の側端面と側煽板９の側端面の各隣接
部分に設けている。この支柱２３には側煽板９の
側端面と対応している側面に上下方向に延びた状
態で隙間２５（第５図参照）を設け、またウイン
グ１１と対応している部分は内壁２４を表出させ
た状態になつている。

そして摺動部材１７は支柱２３の上下方向に延
びた状態で配置され、複数のブラケツト２６を介
して内壁２４に摺動自在に取り付けている。また
摺動部材１７の下端は復動シリンダー１８の摺動
アーム３５に連結されている。この復動シリンダ
ー１８は運転席などから操作すると摺動アーム３
５を進退出させ、この進退出で摺動部材１７の摺
動を行なわせる。そして復動シリンダー１８の駆
動態様は、摺動アーム３５を最大に引き込みウイ
ング１１と側煽板９を共にロツク状態に保持する
第１の位置と、摺動アーム３５を中間まで突出さ
せてウイング１１のロツクだけを解除状態にし側
煽板９はロツク状態に保持する第２の位置と、摺
動アーム３５を最大限に突出させてウイング１１
のロツクと側煽板９のロツクを同時に解除できる
第３の位置にそれぞれ前記摺動アーム３５を保持
できる態様になつている。

一方、摺動部材１７の上端側における中間部分
には板状の上記ウイング用係合ロツク部材１９の
一端を固定し、この係合ロツク部材１９の他端を
ウイング１１の側端面側に突出させた状態にして
いる。そしてウイング１１の側端面側にはウイン
グ１１の内面に第６図に示すように、係合ロツク
部材１９が係合できる係合溝２７を設けたウイン
グ用被係合部材２１を取り付けている。この係合
ロツク部材１９が被係合部材２１の係合溝２７に
係合ロツクされる状態は、摺動部材１７が摺動ア
ーム３５とともに上記第１の位置に摺動変位した
ときになされ、また第２、第３の位置に摺動変位
した状態では抜け出て係合されずロツク解除状態
になる。

さらに摺動部材１７において、側煽板９の側端
面と対応する摺動部材１７の中間部分には、上記
側煽板用係合ロツク部材２０を連結させるための
連結片２８を設けている。この連結片２８には支
軸３０を介してリンク片２９の一端が回動自在に
連結されている。そして、このリンク片２９の他
端は支軸３１を介して係合ロツク部材２０の一端
に回動自在に連結されており、これにより連結片
２８と係合ロツク部材２０との間がリンク結合状
態になつている。また係合ロツク部材２０は支軸
３２を介して支柱２３の内壁２４に回動自在に取
り付けており、摺動部材１７の摺動変位をリンク
片２９を介して受けることによつて回動し、この
回動で他端側の係合片部３４が側煽板９の側端面
側へ進退出するようになつている。そして側煽板
９の側端面側には側煽板９の内面に第５図に示す
ように、係合ロツク部材２０の係合片部３４が係
合できる係合溝３３を設けた上記側煽板用被係合
部材２２を取り付けている。また係合ロツク部材
２０が被係合部材２２の係合溝３３に係合ロツク
される状態は、摺動部材１７が摺動アーム３５と
ともに上記第２、第３の位置に摺動変位したとき
になされてロツク状態になり、また第１の位置に
摺動変位した状態では抜け出てロツク解除状態に
なる。

このように構成した自動ロツク装置１６では、
運転席から復動シリンダー１８を制御し、摺動部
材１７が第１の位置に摺動変位された状態にして
おくと、被係合ロツク部材２１に係合ロツク部材
１９が係合されてウイング１１をロツク状態にす
るとともに、被係合ロツク部材２２に係合ロツク
部材２０が係合されて側煽板９をロツク状態にで
きる。そして、次に摺動部材１７が第２の位置に
摺動変位された状態にさせると、係合ロツク部材
２０と被係合ロツク部材２２との係合は解除させ
ずにそのままの状態にして、被係合ロツク部材２
１から係合ロツク部材２０を外してウイング１１
のロツク解除を行なうことができ、これによりウ
イング１１だけを開放させることができる。また
摺動部材１７が第３の位置に摺動変位された状態
にさせると、さらに係合ロツク部材２０を被係合
ロツク部材２２から外してウイング１１と並行し
て側煽板９のロツクも解除することができる。そ
して、またロツク解除からロツク状態に戻す場合
は、逆に側煽板９を先にロツク状態にさせ、次い
でウイング１１をロツク状態にすると側煽板９と
並行してロツク状態になる。

したがつて、この自動ロツク装置を適用したウ
イングボデイ形トラツクにおいては、ウイング１
１と側煽板９におけるロツクおよび解除操作を
個々に行なわなくても、同一場所において同時に
操作することができ、操作が簡単に行なえる。

（考案の効果） 以上説明したとおり、本考案に係るウイングと
側煽板の自動ロツク装置によれば、ウイングと側
煽板のロツクおよび解除操作を個々に行なわなく
ても、同一場所において操作することができるの
で操作が簡単になり作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るウイングと側
煽板の自動ロツク装置を適用したウイングボデイ
形トラツクの正面部を左半分側に示し、後面部を
右半分側に示した平面図、第２図は同上トラツク
の上面を示した平面図、第３図は同上トラツクの
側面を示した平面図、第４図は第３図のＡ部を拡
大し一部を破断したもので同上自動ロツク装置の
部分に相当する拡大側面図、第５図は第４図のＢ
−Ｂ線に沿う断面図、第６図は第４図のＣ−Ｃ線
に沿つて見た断面図、第７図は第４図の要部を拡
大して示した拡大平面図である。 １……ウイングボデイ形トラツク、４……荷
台、５……荷箱、６……前壁、７……後壁、８…
…ヒンジ、９……側煽板、１１……ウイング、１
６……自動ロツク装置、１７……摺動部材、１８
……復動シリンダー、１９……ウイング用係合ロ
ツク部材、２０……側煽板用係合ロツク部材、２
１……ウイング用被係合ロツク部材、２２……側
煽板用被係合ロツク部材、２３……支柱。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ヒンジを介して開閉自在に荷台に取り付けた
   側煽板と、前記側煽板の上方で前記荷台に回動
   開閉自在に取り付けたウイングとで荷箱を形成
   してなるウイングボデイ形トラツクのウイング
   と側煽板の自動ロツク装置であつて、前記ウイ
   ングと前記側煽板の側端部に各々被係合部材を
   設けるとともに、前記ウイングと前側煽板の前
   記側端部と隣接して前記荷台に設けた支柱に前
   記被係合部材に各々対応している複数の係合ロ
   ツク部材と、上下に摺動して前記係合ロツク部
   材を前記被係合部材に係脱させる摺動部材と、
   前記摺動部材に前記摺動動作力を付与する復動
   シリンダーとを設けてなることを特徴とするウ
   イングと側煽板の自動ロツク装置。 (2) 前記ウイング側の前記被係合部材に前記係合
   ロツク部材が係脱するタイミングと前記側煽板
   側の前記被係合部材に前記係合ロツク部材が係
   脱するタイミングとの間にずれを持たせたこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項記
   載のウイングと側煽板の自動ロツク装置。