JP2001080548A - ウイング車両におけるウイング昇降用シリンダのシリンダーピン取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダピンの取付作業を容易化し、作業性
を向上させると共に、それによる作業時間の短縮を図る
ことのできる構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 後部門構に取付けた油圧シリンダ２３の
先端金具２６に挿入したシリンダピン３７と、ルーフレ
ール３４内に平行に固着され、シリンダピン３７の両端
を支持するＵ字溝３６を備えた一対のシリンダトップブ
ラケット３５と、前記シリンダピン３７をシリンダトッ
プブラケット３５のＵ字溝３６内に入れたのち、下側か
らこれを押えるボトムプレート３８と、該ボトムプレー
ト３８をシリンダトップブラケット３５に対し固着する
ボルト３９より構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はウイングルーフに於
けるウイング開閉駆動用シリンダのシリンダ取付ピンの
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】雨露による損傷を防止する必要がある貨
物の運搬用に、いわゆるウイング車両（図４）が利用さ
れている。この種の車両は、荷台床面の上方に、車体の
長手方向中心線に対して実質的に平行に、通常センター
ビームと呼ばれる四角形断面の中空梁部材を架設し、そ
の梁部材の両側面に車幅方向の断面が断面Ｌ字状をなす
一対のウイングをヒンジによって上下動可能に枢着し、
油圧アクチュエータによって、ウイングを上下に枢動さ
せ、荷台上の貨物室を開閉するように構成されている。
そして上記センタービームは、通常荷台の前後端に設け
た門構の中央に、その両端を固着して車体長手方向に差
し渡されている。

【０００３】図４は、公知ウイング車両の斜視図であ
る。１８は車幅方向の断面形状がＬ字状をなす一対のウ
イングルーフであって、通常は重量軽減のためアルミニ
ウム合金等で作られる。そして車体内方の側縁をヒンジ
１８によってセンタービーム１５に蝶着されている。１
９はその下端縁を荷台１２の側縁にヒンジ２０によって
蝶着された側あおりである。２１は夫々の側縁をヒンジ
２２によって後方の門構部側柱に取着られた後扉、２１
´は前方の門構に固着された前壁である。従って、前・
後部門構の上部に設けた油圧シリンダ２３等により、ウ
イングルーフ１８をヒンジ１６の周りに下向きに回動さ
せると共に、側方あおり１９を上に立て、後扉２１を閉
鎖することによって、荷台１２上に実質的に密閉された
貨物室を形成することができる。

【０００４】従来このようなウイング車両において、ウ
イング昇降用の油圧シリンダ２３の取付けは、図２及び
図３に示すごとく、ルーフレール２４の庫内側に設けた
シリンダトップブラケット２５にシリンダ２３の先端金
具２６のピン穴と同心軸の穴２７を明け、シリンダ先端
金具２６側のピンとトップブラケット２５側の穴２７と
芯合せしたのち、ルーフレール２４の穴２８からシリン
ダピン２９を差し込み、ピン２９の両端にＣリングをつ
け固定する構造であった。これであると穴２７，２８等
の芯が少しでもずれると、ピン２９，３０（図３）が非
常に入れにくくなり、作業が極めて困難となり、それに
より作業時間も余計にかかっていた。なお、図２で２４
ａはウイングルーフのサイドポストで、ルーフレール２
４と略直交している。３１はルーフレールブラケット、
３２はシリンダトップブラケットスペーサである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】シリンダピンの取付作
業を容易化し、作業性を向上させると共に、それによる
作業時間の短縮を図ることのできる構造を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】後部門構に取付けた油圧
シリンダ２３の先端金具２６に挿入したシリンダピン３
７と、ルーフレール３４内に平行に固着され、シリンダ
ピン３７の両端を支持するＵ字溝３６を備えた一対のシ
リンダトップブラケット３５と、前記シリンダピン３７
をシリンダトップブラケット３５のＵ字溝３６内に入れ
たのち、下側からこれを押えるボトムプレート３８と、
該ボトムプレート３８をシリンダトップブラケット３５
に対し固着するボルト３９より構成した。そして、シリ
ンダピン３７に半月状切欠部３７ａを設け、該半月状切
欠部３７ａをボトムプレート３８に対向させて回り止め
構造とした。また、シリンダピン３７の嵌まるＵ字溝３
６をボトムプレート３８側に設けた。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１にもとづいて説明する。３４
はルーフレールで、油圧シリンダ２３の先端金具２６は
このルーフレール３４内に以下の構造でピン結合され
る。まず、一対のシリンダトップブラケット３５はそれ
ぞれ平鋼製で、中央部にＵ字溝３６が設けられている。
なおこのＵ字溝３６はピン３７の回り止めとしてピンの
両端部２５mm程度を深さ４mm程度でピン軸と平行に削っ
て半月状切欠部３７ａを形成している。

【０００８】まずシリンダ２３の先端金具２６側にシリ
ンダピン３７を差し込み、ピン３７の半月状切欠部３７
ａをシリンダトップブラケット３５の下面と平行にし、
シリンダトップブラケット３５の前記Ｕ字溝３６にシリ
ンダピン３７を入れたのち、下側からボトムプレート３
８を当てがい、ボルト３９でボトムプレート３８をシリ
ンダトップブラケット３５に対し固着する（図１，
Ｃ）。以上の構成であるから、シリンダピン３７はその
半月状切欠部３７ａがボトムプレート３８と接している
ので回転止めされ、一対のシリンダトップブラケット３
５に対しシリンダ先端金具２６を回動自在に固定するこ
とができる。

【０００９】従って油圧シリンダ２３が伸びると先端金
具２６、シリンダピン３７を介し、ルーフレール３４を
押し上げ、ウイングルーフを開けることができ、逆に油
圧シリンダ２３を縮めると、ウイングルーフは閉じる。
なお以上の構成で、ボトムプレート３８側にＵ字形溝を
設けたものでもよい。

【００１０】

【発明の効果】以上のごとく、油圧シリンダの先端金具
２６にシリンダピン３７を取付けたのち、ウイングレー
ル側に固着したシリンダトップブラケット３５に設けた
Ｕ字溝３６にシリンダピン３７の両端部を入れ、庫内側
からボトムプレート３８を当てがい、４本のボルト３９
をねじ込めば完了である。このようにシリンダピンをブ
ラケット側の穴あるいは油圧シリンダの先端金具の穴に
芯合せする作業を必要としないので、従来の取付作業に
比し、取付が極めて容易に行えるようになった。従って
作業能率も一段と向上し、作業の安全性の面からも好ま
しい構成となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシリンダピン取付部の構造を示し、
（ａ）は斜視図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は平面図、
（ｄ）は分解図である。

【図２】公知シリンダピンの取付部構造を示す斜視図。

【図３】（ａ）は公知シリンダピン取付部の平面図、
（ｂ）は（ａ）の右側面図、(ｃ)は（ａ）の上面図。

【図４】ウイング車両の全体斜視図。

【符号の説明】

12 荷台 15 センタービーム 16 蝶番 18 ウイングルーフ 20 ヒンジ 21 後扉 21' 前壁 22 蝶番 23 油圧シリンダ 24 ルーフレール 24a サイドポスト 25 シリンダトップ
ブラケット 26 先端金具 27・28 穴 29・30 シリンダピン 31 ルーフレールブ
ラケット 32 シリンダトップブラケットスペーサ 34 ルーフレール 35 シリンダトップ
ブラケット 36 Ｕ字溝 37 シリンダピン 37a 半月状切欠部 38 ボトムプレート 39 ボルト

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 後部門構に取付けた油圧シリンダ（２
   ３）の先端金具(２６)に挿入したシリンダピン（３７）
   と、ルーフレール（３４）内に平行に固着され、シリン
   ダピン（３７）の両端を支持するＵ字溝（３６）を備え
   た一対のシリンダトップブラケット（３５）と、前記シ
   リンダピン（３７）をシリンダトップブラケット（３
   ５）のＵ字溝（３６）内に入れたのち、下側からこれを
   押えるボトムプレート（３８）と、該ボトムプレート
   （３８）をシリンダトップブラケット（３５）に対し固
   着するボルト（３９）よりなる、ウイング車両における
   ウイング昇降用シリンダのシリンダーピン取付構造。
2. 【請求項２】 シリンダピン（３７）に半月状切欠部
   （３７ａ）を設け、該半月状切欠部（３７ａ）をボトム
   プレート（３８）に対向させて回り止め構造とした請求
   項１記載のウイング車両におけるウイング昇降用シリン
   ダのシリンダーピン取付構造。
3. 【請求項３】 請求項１におけるシリンダピン（３７）
   の嵌まるＵ字溝（３６）をボトムプレート（３８）側に
   設けた請求項１記載のウイング車両におけるウイング昇
   降用シリンダのシリンダーピン取付構造。