JPH0439656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、試料像が露光されるフイルムの一部
領域に表示装置に表示された各種データを投影す
るための電子顕微鏡等の撮影装置の改良に関す
る。

［従来の技術］ 電子顕微鏡等の試料像をフイルム上に露光する
装置では、該フイルムの一部領域に表示装置に表
示されたフイルム番号、拡大倍率、試料名等の各
種データをプリズム、光学レンズ等を介して投影
する装置が使用されている。第３図はこのような
装置の従来例を示すもので、１はデータが表示さ
れる陰極線管（CRT）で、該CRT１の画面上に
表示されたデータに基づく光線２はCRT１に固
定された初段プリズム３、焦点合せ用の光学レン
ズ４及び終段プリズム５を介してフイルム６上に
投影される。７は初段プリズム３、光学レンズ
４、終段プリズム５等が収納されたプリズム用筒
であり、該プリズム用筒７とCRT１は一体とし
て形成されている。８はフイルムに照射される透
過電子線等の電子線EBの一部を遮蔽する電子線
遮蔽板であり、該電子線遮蔽板８は前記フイルム
６の一部領域Ａにデータを投影するためのプリズ
ム用筒７に固定されている。該プリズム用筒７は
電子顕微鏡等のカメラ室壁９に真空を保持して水
平方向に移動可能に設けられている。

［考案が解決しようとする問題点］ このように構成された装置では、フイルムの大
きさ（サイズ）を例えば６から6L等に変えて試
料像を露光する場合がある。この様な場合にも前
記データを一部領域Ａに投影するため、第４図で
示すようにフイルムサイズ6Lに合せて、例えば
CRT１の位置をフイルムサイズの増加量だけ、
即ち第３図イから第４図ロまで移動させたとする
と、電子線遮蔽板８とプリズム用筒７が固定され
て同時に移動するため、電子線遮蔽板８で遮蔽で
きる電子線EBは第４図で示すようになり、一部
領域Ａ内に電子線EBが照射されてしまう。その
ため、従来装置においては、第５図に示すように
電子線遮蔽板８をCRT１等と一体的に第４図の
位置より僅かに移動させると共に、CRT１の画
面に表示されるデータの位置を変化させ、更に、
光学レンズ４を微妙に移動してフイルム６Ｌ上に
画面の像がフオーカスされるようにしてフオーカ
ス合せを行つている。そのため、フイルムサイズ
が変る度に電子線遮蔽板８の移動、CRT画面に
表示されるデータ位置の移動、フオーカス合せの
ための光学レンズの移動と繁雑な調整操作をしな
ければならない欠点があつた。

本考案は以上の欠点を解消して、フイルムサイ
ズが変つた場合でもフイルムサイズを指定するこ
とにより、前記データを常に一部領域Ａ内に露光
できる操作性の向上した装置を提供することを目
的としている。

［問題点を解決するための手段］ 本問題点に解決するための本考案の構成は、フ
イルム番号、拡大倍率、試料名等のデータを表示
する表示装置と、該表示装置に表示されたデータ
を光反射素子を介して電子顕微鏡等のフイルム上
に投影する手段と、該フイルムのデータを投影す
るための領域への試料像の露光を防止するために
移動可能に設けられた遮蔽手段とを備えた装置に
おいて、該遮蔽手段及び光反射素子を移動させる
ための移動手段と、フイルムの大きさを指定する
手段と、該フイルムの大きさを指定する手段より
の信号に基づいて該移動手段を制御し該遮蔽手段
及び光反射素子を独立にフイルムサイズに応じた
位置まで移動させる制御手段とを備えたことを特
徴としている。

［実施例］ 以下本考案の実施例を図面に基づき詳述する。

第１図は本考案の一実施例の構成図であり、第
３図の従来装置と同一の構成要素には同一番号を
付してその説明を省略する。第１図において、１
０は移動用プリズム筒１１及び電子線遮蔽板１２
をそれぞれ真空外より移動するための駆動装置で
あり、該駆動装置１０には前記移動用プリズム筒
１１を移動するためのモータ１３及び電子線遮蔽
板１２を移動するためのモータ１４が取りつけら
れている。１５はモータ１３，１４を制御するた
めの制御回路であり、該制御回路１５にはフイル
ムサイズを指定する操作ボタン１６よりフイルム
サイズ信号Ｓが入力される。

このように構成された装置において、第２図に
示すように電子線EBによる試料像をフイルムサ
イズを６から6Lに変えて露光する場合には、操
作ボタンイをそしてフイルムサイズ6Lを入力す
る。この操作により、操作ボタン１６よりのフイ
ルムサイズ信号Ｓが制御回路１５入力される。こ
のフイルムサイズ信号Ｓにより制御回路１５は、
駆動装置１０内のモータ１３及び１４を制御し
て、電子線遮蔽板１２の移動する距離L₁を移動
用プリズム筒１０の移動する距離L₂よりΔLだけ
多くなるように制御する。つまり、第１図の場合
よりΔL′より多く移動するように制御される。そ
のため、第２図に示す様にフイルム6Lを使用し
た場合にも電子線遮蔽板８で遮蔽できる一部領域
Ａは、第１図のフイルム６を使用した場合の一部
領域Ａと同じとなり、電子線EBの照射が阻止さ
れる一部領域は、フイルムサイズを変えた場合に
も常に一定となる。従つて、フイルムサイズをか
えて試料像を露光する場合でも、常に一部領域Ａ
内の電子線EBの照射は阻止されデータを投影す
ることができる。

尚、上述した実施例においては、光反射素子と
してプリズムを使用したが、反射鏡でも良い。

［考案の効果］ 以上の様に本考案によれば、試料像が露光れさ
るフイルムの一部領域に表示装置に表示された各
種データを投影して同時に露光する装置におい
て、試料像を露光するフイルムの大きさを変えた
場合でも簡単な操作で常に一部領域にデータを投
影することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の構成図、第２図は
上記一実施例装置の動作を説明するための図、第
３図は従来装置の構成図、第４図及び第５図は従
来装置の動作状態を説明するための図である。 １……陰極線管、２……光線、３……初段プリ
ズム、４……光学レンズ、５……終段プリズム、
６……フイルム、８……カメラ室壁、１０……駆
動装置、１１……移動用プリズム筒、１２……電
子線遮蔽板、１３，１４……モータ、１５……制
御回路、１６……操作ボタン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルム番号、拡大倍率、試料名等のデータを
   表示する表示装置と、該表示装置に表示されたデ
   ータを光反射素子を介して電子顕微鏡等のフイル
   ム上に投影する手段と、該フイルムのデータを投
   影するための領域への試料像の露光を防止するた
   めに移動可能に設けられた遮蔽手段とを備えた装
   置において、該遮蔽手段及び光反射素子を移動さ
   せるための移動手段と、フイルムの大きさを指定
   する手段と、該フイルムの大きさを指定する手段
   よりの信号に基づいて該移動手段を制御し該遮蔽
   手段及び光反射素子を独立にフイルムサイズに応
   じた位置まで移動させる制御手段とを備えたこと
   を特徴とする電子顕微鏡等の撮影装置。