JPH0438680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンバインに搭載の脱穀機又は定置
式脱穀機の揺動選別装置に設けられるチヤフシー
ブの改良に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に脱穀機における揺動選別装置において
は、例えば実開昭54−152068号公報に開示されて
いるように、脱穀機における扱室のクリンプ網の
下方位置に、横桟を適宜間隔多数本並設して成る
横桟式のチヤフシーブを設け、その各横桟の傾斜
角度を変更することにより、脱穀物の量の変動に
対して選別性能を調節することが行われている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが前記公開公報のチヤフシーブにおいて
は、その各横桟における傾斜角度の調節を、揺動
選別機構に設けたハンドル等の操作具によつて行
うようにしているので、各横桟の傾斜角度を、揺
動選別機構が揺動しているときつまり脱穀作業中
において調節することができず、各横桟の角度調
節に際しては、脱穀作業を一々中断しなければな
らないから、各横桟の傾斜角度を脱穀物量の変動
に対して迅速且つ的確に対応することができない
のであつた。

本考案は、揺動選別機構のチヤフシーブにおけ
る各横桟の傾斜角度を、脱穀作業中においても調
節できるようにすることによつて、前記の問題を
解決するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

このため、本考案は、脱穀機の扱室の下部に設
けた揺動選別機構における左右側枠板間に複数の
横桟を適宜間隔で配設し、該各横桟の傾斜角度を
調節できるように構成して成るチヤフシーブにお
いて、前記揺動選別機構には、前記チヤフシーブ
における各横桟の傾斜角度を一斉に調節するため
の角度調節杆を設け、該角度調節杆には、各横桟
の傾斜角度を最小にする方向に付勢するばねを設
ける一方、この角度調節杆と、前記脱穀機の運転
操作部に設けた調節レバーとを、一端を前記揺動
選別機構に他端を脱穀機に各々係着の索導管内に
挿通したワイヤーを介して連結した構成にしたも
のである。

〔考案の作用・効果〕

このように揺動選別機構における角度調節杆
と、脱穀機の運転操作部に設けた調節レバーとを
ワイヤーを介して連結したことにより、調節レバ
ーを手で持つてばねに抗する方向に回動操作する
とチヤフシーブにおける各横桟の傾斜角度は大き
くなり、調節レバーのばねに抗する方向の保持を
解くことで各横桟の傾斜角度はばねにて小さくな
ると言うように、各横桟の傾斜角度を、調節レバ
ーによつて任意に調節できるのであり、この場合
において、前記ワイヤーを挿通した索導管の一端
を揺動選別機構に、他端を脱穀機に各々係着した
ことにより、当該索導管の一端が、揺動選別機構
に取付く角度調節杆と共に揺動運動して、索導管
の一端と角度調節杆との相対位置関係が、揺動選
別機構に揺動によつて変化することがないから、
各横桟における傾斜角度は、揺動選別機構の揺動
運動によつて変化することなく、脱穀作業中にお
いても調節レバーにて自在に調節できるのであ
る。

従つて本考案によると次の効果を奏する。

揺動選別機構のチヤフシーブにおける各横桟
の傾斜角度を、脱穀作業中において自在に調節
できるから、脱穀作業中における脱穀量の変動
に対して各横桟の傾斜角度を最適の状態に任意
に調節できて、脱穀量の変化に対する選別状態
を、脱穀作業を中断することなく略一定に維持
できる。

揺動選別機構における角度調節杆に、各横桟
を閉じる方向に付勢するばねを設けたことによ
り、脱穀機の扱室内で穀稈が詰る等の異常が発
生した場合に、調節レバーの保持を解いた途
端、各横桟は、前記ばね力にて自動的に最小の
傾斜角度の方向に動くので、各横桟間の間隔を
狭めて、チヤフシーブを通過して落下する脱穀
物の量を小量に規制するから、脱穀機の扱室内
での穀稈が詰る等の異常の発生に伴つて、揺動
選別機構の下部に設けられている各種スクリユ
ウコンベアに生じる詰りの誘発を迅速且つ的確
に防止できる。

揺動選別機構における角度調節杆と、脱穀機
の運転操作における調節レバーとを、索導管内
に挿通したワイヤーにて連結した構成であるか
ら、その構造は、この間をリンク機構に構成す
る場合よりもはるかに簡単になると共に、軽量
化できる。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面について説明する
に、図において１は扱胴２を内蔵した扱室で、そ
の下部には排塵口３を除いてクリンプ網４が張設
されている。５はリンク６にて支持された揺動選
別機構を示し、該揺動選別機構５は、左右側板
６，６、該両側板６，６の前部間に設けたフイー
ドパン７及び後部間に設けた流穀板８とからな
り、前記クリンプ網４の途中部から排塵口３にか
けての下方には後述する横桟の傾斜角度を調節で
きるようにしたチヤフシーブ９を、排塵口３の下
部には断面傾斜状の固定横桟１０を複数本傾斜角
度調節不能に並設して成る固定チヤフシーブ１１
を、固定チヤフシーブ１１の後部には先端が排塵
フアン１２の方向に延びるふるい線１３を、そし
て両チヤフシーブ９，１１の下部には選別網１４
を各々備え、揺動選別機構５の下方には、従来か
ら周知のように選別網１４に向つて風を吹き出す
唐箕フアン１５、流穀樋１６付き１番スクリユー
コンベア１７及び流穀樋１８付き２番スクリユー
コンベア１９が配設されている。

そして、前記横桟式チヤフシーブ９は以下のよ
うに構成されている。すなわち該チヤフシーブ９
は、揺動選別機構５における左右側板６，６の内
側にこれと平行にボルト２０等にて着脱自在に取
付く左右一対の側枠板２１，２１と、この側枠板
２１，２１間に適宜間隔で多数枚並設した細巾板
製の横桟２２とからなり、両側枠板２１，２１に
は、その上部に各横桟２２の取付間隔でピン孔２
３を、下部に同じく各横桟２２の取付間隔で前記
ピン孔２３を中心とする円弧状の長溝孔２４を
各々穿設する一方、前記各横桟２２はその下端縁
を上向き又は下向きに折曲げて断面Ｌ字型に形成
し、その長手両端には合成樹脂製の横桟取付片２
５を取付け、該取付片２５の上端外側面に突設し
た上部ピン２６を、前記両側枠板２１，２１にお
けるピン孔２３に回転自在に挿入し、各取付片２
５の下端外側面に突設した下部ピン２７を前記両
側枠板２１，２１における円弧状長溝孔２４に挿
入して両側枠板２１，２１の外側に突出し、これ
ら各下部ピン２７の突出端を、両側枠板２１，２
１の外側面にその長手方向に略平行に配設した角
度調節杆２８，２８に各々係合することにより、
両角度調節杆２８，２８の長手方向の摺動によつ
て各横桟２２が一斉に角度調節できるように構成
する。

一方、前記側枠板２１，２１間には、調節軸２
９を横桟２２と平行に軸支し、該調節軸２９の両
端に固着したアーム３０，３０に、前記角度調節
杆２８，２８をピン３１，３１止めして、調節軸
２９の回動により両角度調節杆２８，２８が同方
向に同時に動くように構成し、この調節軸２９に
着脱自在にボルト３２締結したパイプ３３の一端
にはレバー３４を固着し、該レバー３４の一端と
ブラケツト板２１との間には、各横桟２２を水平
方向つまり各横桟２２の傾斜角度を最小にする方
向に付勢するばね３５を装架する一方、レバー３
４の他端を、コンバインの操縦座席等の運転操作
部に設けた調節レバー３６にワイヤー３７を介し
て連動連結し、該ワイヤー３７を挿通した索導管
３８の一端３８′を、前記揺動選別機構５におけ
る側板６に、他端３８″を脱穀機側に各々係着す
る。

この構成において、クリンプ網４より漏下する
脱穀物はフイードパン７及びチヤフシーブ９上に
落下し、フイードパン７上から揺動運動で順次チ
ヤフシーブ９上に送られ、チヤフシーブ９におけ
る各横桟２２の間から選別網１４に落下し、当該
選別網１４上において唐箕フアン１５からの唐箕
風によつて塵埃が排塵フアン１２に吸引されるよ
うに風選別され、流穀樋１６を介して１番スクリ
ユーコンベア１７に至つて機外に送り出される一
方、クリンプ網４を漏下し得なかつた大きな排塵
等は、扱室１の排塵口３からその下方に固定チヤ
フシーブ１１上に落下し、その揺動及び唐箕風に
て順次ふるい線１３上に沿つて送られる途次、籾
の付いた重いものは２番スクリユーコンベア１９
に落下し、この２番スクリユーコンベア１９一端
部に設けた図示しない還元スワローにて扱室１に
還元される一方、軽くて大きなものはふるい線１
３の先端から排塵フアン１２に吸い込まれたり、
或いはそのまま機外に排出されるのである。

そして、この脱穀選別作業に際して、調節レバ
ー３６を手で持つて、ばね３５に抗する矢印ａ方
向に回動操作すればチヤフシーブ９における各横
桟２２の傾斜角度が一斉に大きくなり、また、調
節レバー３６の保持を解くと、前記ばね３５力に
て調節レバー３６が矢印ｂ方向に回動すると同時
にチヤフシーブ９における各横桟２２は水平に近
づくように傾斜角が一斉に小さくなるから、これ
によつて選別性能を任意に調節できるのである。

この場合において、前記のように揺動選別機構
５における角度調節杆２８と、調節レバー３６を
連結するワイヤー３７を挿通した索導管３８の一
端３８′を揺動選別機構５に、他端３８″を脱穀機
に各々係着したことにより、当該索導管３８の一
端３８′が、揺動選別機構５に取付く角度調節杆
２８と共に揺動運動して、索導管３８の一端３
８′と角度調節杆２８との相対位置関係が、揺動
選別機構５の揺動によつて変化することがないか
ら、各横桟２２における傾斜角度は、揺動選別機
構５の揺動運動によつて変化することなく、脱穀
作業中においても調節レバー３６にて自在に調節
できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は脱穀機
の要部断面図、第２図はチヤフシーブの一部切欠
拡大図、第３図は第２図の−視拡大断面図、
第４図は第２図の−視断面図、第５図は第２
図の−視断面図、第６図は第５図の−視
側面図である。 １……扱室、２……扱胴、４……クリンプ網、
５……揺動選別機構、６……左右側板、９……チ
ヤフシーブ、２１……側枠板、２２……横桟、２
６……上部ピン、２７……下部ピン、２８……角
度調節杆、３５……ばね、３６……調節レバー、
３７……ワイヤー、３８……索導管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀機の扱室の下部に設けた揺動選別機構にお
   ける左右側枠板間に複数の横桟を適宜間隔で配設
   し、該各横桟の傾斜角度を調節できるように構成
   して成るチヤフシーブにおいて、前記揺動選別機
   構には、前記チヤフシーブにおける各横桟の傾斜
   角度を一斉に調節するための角度調節杆を設け、
   該角度調節杆には、各横桟の傾斜角度を最小にす
   る方向に付勢するばねを設ける一方、この角度調
   節杆と、前記脱穀機の運転操作部に設けた調節レ
   バーとを、一端を前記揺動選別機構に他端を脱穀
   機に各々係着の索導管内に挿通したワイヤーを介
   して連結したことを特徴とする脱穀機の揺動選別
   装置におけるチヤフシーブ。