JPH0438455B2 - - Google Patents

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JPH0438455B2
JPH0438455B2 JP62213146A JP21314687A JPH0438455B2 JP H0438455 B2 JPH0438455 B2 JP H0438455B2 JP 62213146 A JP62213146 A JP 62213146A JP 21314687 A JP21314687 A JP 21314687A JP H0438455 B2 JPH0438455 B2 JP H0438455B2
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titanium oxide
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【発明の詳細な説明】
本発明は各種ボイラーから排出される排ガス中
の窒素酸化物をアンモニアの存在下で触媒還元除
去する窒素酸化物除去用触媒の製造法に関するも
のでる。 従来、各種ボイラー等から排出される排ガス中
の窒素酸化物をアンモニアの存在下で接触還元
し、窒素と水に分解する触媒として例えばV,
W,Fe,Cu,Sn,Ce,Ti,Co等の金属酸化物
を組み合わせた触媒が知られているが、中でも
V,W,Tiよりなる成分系の触媒は脱硝率に優
れ特に注目されている。 しかしながら、従来の酸化バナジウム、酸化タ
ングステン、酸化チタンからなる触媒は、還元剤
として添加するアンモニアの分解によつて高温時
の脱硝率が低くなる欠点や、触媒活性成分による
排ガス中のSO2の酸化によつて生成するSO3が、
還元剤として排ガスに混合するアンモニアと反応
して硫酸アンモニウム塩を生成し、その硫酸アン
モニウム塩が例えばボイラーのエアーヒーター、
煙道ダクト等の機材に付着してそれらを腐食した
り、時には目詰りを起す等の欠点があつた。 更にK,Na等のアルカリ金属塩を含むダスト
が触媒表面に付着すると、徐々に触媒活性が低下
し、同時にSO2のSO3への酸化が増大するという
欠点があつた。 すなわち、酸化バナジウム、酸化タングステ
ン、酸化チタンから成る従来の脱硝用触媒は、触
媒中に含まれているバナジウムと酸素との結合力
が弱いため酸化力が大きく、従つて、触媒中の格
子酸素が簡単に解離し、本来は脱硝反応に使われ
るべきアンモニアを酸化するために、脱硝反応に
必要なアンモニアが不足し、特にアンモニアの脱
硝反応に対する選択率が小さくなり高温時の脱硝
率が低下するものである。 また、K,Na等のアルカリ金属塩が触媒中の
酸化バナジウムと反応する酸化バナジウムの格子
がゆるみ、バナジウムと酸素との結合力が弱くな
つて活性が低下し、SO2転化率が増大するもので
ある。 本発明は従来のこのような欠点を解決するため
になされたもので、酸化バナジウム、酸化タング
ステン、酸化チタンからなる触媒であり、特に酸
化バナジウムの強すぎる酸化作用を緩和するた
め、触媒反応に関与する酸素とバナジウムとの結
合力を強めるようにバナジウムの周囲の構造を変
化させたもので、従来の触媒に見られない高温高
活性と低いSO2転化率およびダスト中のアルカリ
金属成分による活性低下とSO2転化率の増加が極
めて小さい触媒であつて、硫酸根を内包するチタ
ン酸、硫酸チタンあるいは硫酸チタニルを500℃
以下の温度で焼成し結晶面間隔3.52Åのピーク半
価幅が0.5deg以上で、かつ硫酸根を内包する酸化
チタンを得る第1工程と、得られた酸化チタンに
バナジウム化合物とタングステン化合物を担持し
て焼成し酸化チタンと酸化バナジウムと酸化タン
グステンとからなる触媒中のバナジルイオンのg
因子(g⊥−g)が0.055以上で、かつ、高温
高活性と低いSO2転化率およびダスト中のアルカ
リ金属成分による活性低下と、SO2転化率の増加
が極めて小さい触媒を得る第2工程からなること
を特徴とする窒素酸化物除去用触媒の製造法であ
る。 なお酸化バナジウム内のバナジルイオンのg因
子(g⊥−g)の値は、配位子場理論によつて
酸化バナジウム内のバナジウムの周囲の酸素の配
位の歪みや対称性を示す物性値であり、g⊥,g
はg因子の直角および平行成分でバナジルイン
オの軸対称性により定義され、g⊥はパーペンデ
イキユラー、gはパラレルを表し、g⊥=gxx
=gyy,g=gzzを示す。すなわち、この酸化バ
ナジウム内のバナジルイオンのg因子(g⊥−g
)の値が0.055以上好ましくは0.065以上を満足
する本発明の触媒中のバナジウムの周囲の構造は
g因子(g⊥−g)の値が0.055以下である従
来触媒のバナジウムの周囲の構造と比べて正八面
体の対称性から大きく歪み、その結果触媒作用に
直接に関与する酸素とバナジウムとの間の結合力
が強いものである。 換言すれば、通常の正八面体の対称性を持つ酸
化バナジウムを含有した従来の酸化チタン、酸化
タングステン、酸化バナジウムからなる複合酸化
物に比べて、バナジルイオンのg因子(g⊥−g
)の物性値が異なり正八面体の対称性から大き
く歪んだ構造の酸化バナジウムを含有した新規の
複合酸化物である本発明の脱硝用触媒は、同一組
成にもかかわらず触媒作用に直接に関与する酸素
とバナジウムとの間の結合力が強いため特に高温
時の脱硝率が高く、また、アンモニアの分解が少
なく、しかもSO2転化率が小さく、ダスト成分に
よる経時劣化がなく長期にわたり安定した使用で
きる触媒である。そして、このg因子(g⊥−g
)の0.055以上の値は五酸化バナジウムと酸化
チタンの間の表面相互作用を利用し、前述した複
合酸化物中の、酸化バナジウムの周囲の構造を歪
ませることによつて得られる。 すなわち、本発明の触媒の製造法は、従来の窒
素酸化物除去用触媒に使われているようなアナタ
ーゼ型あるいはルチル型に固定した酸化チタンで
なく、X線回折において結晶面間隔3.52Åのピー
ク半価幅(β101)が広く、0.5deg以上好ましくは
0.85deg以上と結晶化度が低くかつ硫酸根をSO3
に換算して3〜10重量%内包する特定の酸化チタ
ンにバナジウム化合物とタングステン化合物を担
持し焼成する工程を経ることにより得られる。 そして、この製造法によつて得られた触媒は特
定の酸化チタンと接触している酸化バナジウムが
特定の酸化チタン表面から影響を受けて前述した
ようなバナジウムの周囲の対称性が歪んだ複合酸
化物になる。なお、結晶面間隔3.52Åのピーク半
価幅0.5deg以上と結晶化度が低く、硫酸根をSO3
に換算して3〜10重量%内包する化学的に安定化
されていない特定の酸化チタンは硫酸根を内包す
る酸化チタンにバナジウム化合物とタングステン
化合物を担持し焼成する工程によつて得られる。
そして本発明の触媒組成物は前述の特定の酸化チ
タン、酸化バナジウム、酸化タングステンの混合
物を触媒形状に形成したもの、酸化チタンのみで
触媒形状に形成しその表面に酸化バナジウムと酸
化タングステンを担持したもの、更にアルミナ、
ムライト、コージエライト等のセラミツク基材上
に前記必須成分の混合物を被覆担持したもの、又
セラミツク基材上に前記の酸化チタンを被覆しそ
の表面に酸化バナジウムと酸化タングステンを担
持したもの等のいずれでもよい。そして本発明の
触媒の調製法は通常触媒の構造に一般に利用され
る共沈法、酸化物混合法、含浸法、混練法などい
ずれの調製法を用いてもよい。 又、触媒の成型法としては通常の押し出し成型
法、打錠成型法、転動造粒法など目的に応じて任
意の成型法を採用できる。また触媒の形状は球
状、粒状、棒状、板状、パイプ状または孔の形状
が三角形、四角形、六角形等いずれのハニカム状
であつてもよい。 また本発明に使用する酸化チタン原料としては
500℃以下の温度で焼成することにより特定の酸
化チタンを生成する硫酸根を内包するチタン酸、
硫酸チタン、硫酸チタニルなどを用いることがで
きる。酸化バナジウム、酸化タングステンの原料
としてはそれらの酸化物、硫酸塩、硝酸塩、アン
モニウム塩、ハロゲン化合物などを用いることが
できるが水、有機溶媒、アルカリ、酸などに溶解
した溶液の形態で前述した特定の酸化チタンに担
持することが好ましい。そして触媒成分は触媒焼
成完了時においていずれも酸化物の形態で含有さ
れていることが必要である。 なお、本発明の触媒の成分である酸化バナジウ
ム中のバナジルイオンの磁気的物性値であるg因
子(g⊥−g)の値が0.055以上であることが
重要である。 その理由はg因子(g⊥−g)の値が0.055
以上の条件を満足することによつて、はじめて初
期の高温時の脱硝率が特に高く、SO2転化率が小
さく、更にアルカリ金属塩による活性低下とSO2
転化率の増加が極めて小さい触媒が得られるのに
対し、g因子(g⊥−g)の値が0.055以下で
あると、初期の高温時の脱硝率が低く、SO2転化
率が大きく、更にアルカリ金属塩による活性低下
およびSO2転化率の増加が大きいからである。 また酸化バナジウムの重量百分率は、好ましく
は酸化チタンに対して10重量%以下または酸化タ
ングステンの重量比は、好ましくは酸化バナジウ
ムに対して0.1〜40である。なお本発明中の酸化
バナジウム内のバナジルイオンのg因子(g⊥−
g)の測定は試料触媒を150℃で4時間排気し
た後、室温でESRスペクトロメーターを用いて
測定し、gおよびg⊥値はMnマーカーを用い
て求めたものである。 また、硫酸根を内包するチタン酸等を500℃以
上の温度で焼成することは、硫酸根がSO3に換算
して3重量%未満となり、かつ、結晶面間隔3.52
Åのピーク半価幅が0.5deg未満となるため、バナ
ジルイオンのg因子が0.055未満となり、前述の
とおり各種の触媒特性の扛上が認められない。一
方硫酸根を内包するチタン酸等を500℃以下の温
度で焼成することは、硫酸根がSO3に換算して3
重量%以上となり、かつ結晶面間隔3.52Åのピー
ク半価幅が0.5deg以上となるため、バナジルイオ
ンのg因子が0.055以上となるが、酸化チタン中
の硫酸根の内包量がSO3に換算して10重量%を超
えるとバナジルイオンのg因子は、一定の値を示
すことから、硫酸根の内包量がSO3に換算して3
〜10重量%であれば、充分に前述のとおり各種の
触媒特性の向上が認められる。 また結晶面間隔3.52Åのピーク半価幅(β101)
の測定はX線回折により次の条件で行つた。使用
ビームはCu−Kα線を用い、フイルターはNiフイ
ルターである。入射スリツト幅は1/2°、受光ス
リツト幅は0.3mm、ゴニオメーター半径は188mmで
ある。また、本発明の触媒組成物を用いて具体的
に排ガス中の窒素酸化物を除去するには、排ガス
へのアンモニアの添加は窒素酸化物0.5モル倍以
上、好ましくは1〜2モル倍程度加え、また得ら
れた混合ガスは触媒上を空塔速度を準備として空
間速度で2000〜100000/時間、好ましくは5000〜
50000時間の範囲内で通過させ、反応時の温度は
200℃〜650℃程度で実施するのが最もよいのであ
る。 本発明の触媒の成分である酸化バナジウム中の
バナジルイオンのg因子の値を0.055以上とする
ためには、硫酸根を内包する特定の酸化チタンを
原料とし、これにバナジウム化合物をタングステ
ン化合物を担持して焼成して得られた触媒である
ことが必要である。この理由を本発明の窒素酸化
物除去用触媒を利用してNH3によるNOxの選択
的接触触媒還元除去法の反応メカニズムにより
NH3とNOが等モル反応をすると仮定して反応式
で示せば次のようになる。 (1) 主反応(NH3によるNOxの接触還元除去反
応) NO+NH3+1/4O2→N2+3/2H2O ……(1) (2) 副反応(NH3の酸化反応) NH3+5/4O2→NO+3/2H2O ……(2) この副反応が生ずることは脱硝に必要な
NH3が多く消費されるために好ましくない。 (3) 副反応(SO2の酸化反応) SO2+1/2O2→SO3 ……(3) SO3+NH3+H2O→NH4・HSO4……(4) SO2が酸化して、SO3が生成し、このSO3
NH3と反応して硫酸アンモニウム塩を生成する
ためボイラーのエアヒーター等に付着し、腐食の
原因となるので好ましくない。 主反応(1)式のみが生起する場合は理想的であ
り、副反応(2)式、(3)式〜(4)式が生起するのは好ま
しくない場合であり、(1)〜(3)式の何れになるかは
触媒中の触媒反応に関与するバナジウムと酸素イ
オンとの結合力が大きいか小さいかに関係してい
る。 従来法では原料の酸化チタンに硫酸根が含んで
いないので、酸化チタンにバナジウム化合物とタ
ングステン化合物を担持し、焼成すると触媒中の
バナジルイオンのバナジウムと酸素との結合力が
弱いので、主反応(1)に副反応(2),(3)が並発し、結
果として主反応(1)が選択的に生起しなくなる。 ここでダスト中のアルカリ金属成分が触媒の酸
化バナジウムと反応すると、酸化バナジウムの格
子がゆるみバナジウムと酸素との結合力が更に弱
まり、触媒は耐久性の弱いものとなる。 本発明では硫酸根を内包する特定の酸化チタン
を使用し、これにバナジウム化合物とタングステ
ン化合物とを担持して焼成して得られる触媒であ
ると、そのバナジルイオンのg因子の値が0.055
以上となり、バナジウムと酸素との結合力が大き
くなり、NH3とSO2に対する酸化力が低減するた
め副反応(2),(3)が生じ難くなり、主反応(1)が選択
的におこるのである。 ここでアルカリ金属塩が触媒の酸化バナジウム
と反応してもバナジウムと酸素との結合力は強固
のままであるので、本発明の触媒の耐久性が大き
いのである。 (1) 本発明触媒の脱硝反応機構;− 第4図に本発明の酸化バナジウム系窒素酸化物
除去用触媒の脱硝反応機構を示す。脱硝反応は、
触媒反応に関与する酸素とバナジウム、即ちV=
O(二重結合性を有する)と隣接するVS−OH上
で起こる。まず、還元剤であるNH3がVs−OH上
に吸着し、NOが吸着したNH3をアタツクし、有
害なN2とH2Oが生成し、V=OはV−OHとな
る。生成したV−OHは酸化され、V=Oへ再成
される。かかる反応機構によつてNH3による
NOxの接触還元除去反応(主反応)が上述の(1)
式の如く進行する。 (主反応)NO+NH3+1/4O2→N2+3/2H2O ……(1) (2) 本発明触媒のV−Ti相互作用とアルカリ金
属成分による活性劣化機構;− 第5図に触媒反応に関与する酸素とバナジウ
ム、即ちV=Oと、担体の酸化チタンの相互作用
及びダクト中のアルカリ金属成分による活性劣化
機構を示す。第5図中(B)のルートに示す如く、硫
酸根を内包する特定の酸化チタン上に、酸化バナ
ジウムが担持されると、特定の酸化チタンによつ
て強く影響を受け、正八面体の対称性から大きく
歪んだ構造の酸化バナジウムとなり、触媒反応に
関与する酸素とバナジウムの結合力は強まる(即
ちV−Ti相互作用の大きな触媒である)ここで、
ダスト中の被毒物質であるアルカリ成分(第5図
中例としてK成分を表記している)がバナジウム
成分に付着してもアルカリ成分は、解離しやす
く、したがつて第4図で述べたNH3のVS−OH上
への吸着が円滑に起こり、脱硝反応スキームが進
行し、高活性を維持する。さらに触媒反応に関与
するバナジウムと酸素の結合力は強い為に、副反
応であるNH3の酸化反応、SO2の酸化反応が抑制
され、選択的に主反応である脱硝反応が進行す
る。 一方、第5図中Aのルートに示す如く、従来の
酸化チタン上に酸化バナジウムが担持されると、
従来の酸化チタンからの影響力は小さく、正八面
体構造に近い構造の酸化バナジウムとなり、触媒
反応に関与する酸素とバナジウムの結合力は弱
い。(即ちV−Ti相互作用の小さな触媒である。)
ここで、ダスト中の被毒物質であるアルカリ成分
がバナジウム成分に付着すると、解離しにくい化
合物となり、したがつて第4図で述べたNH3
VS−OHへの吸着が阻害され、脱硝反応が進行し
なくなり、活性が低下する。加えて触媒反応に関
与するバナジウムと酸素の結合力が弱い為に副反
応であるNH3の酸化反応、SO2の酸化反応が促進
され、活性が低下するばかりか、硫酸アンモニウ
ム塩の生成をひき起こし、ボイラーのエアーヒー
ターの腐食、目詰り等の原因ともなり、実用上不
都合な触媒である。 尚、第4図、第5図のモデル図は、説明を簡略
化する為、酸化タングステンを除外してあるが、
酸化バナジウム上での反応メカニズム及び酸化チ
タンとの相互作用、相互作用が及ぼす劣化メカニ
ズムは、酸化タングステンを添加しても変らな
い。 (3) 本発明触媒と従来触媒とのESR解析結果;
− 本発明の重要な骨子は、第5図に示す如く、特
定の酸化チタン上に担持された、正八面体の対象
性から大きく歪み、触媒反応に関与する酸素とバ
ナジウムの結合力の強い酸化バナジウム構造を有
する触媒にあり、このことを証明する確立した手
法としは、ESR測定がある。 第6図には、V−Ti相互作用の小さなA触媒
(従来触媒)、V−Ti相互作用の大きなB触媒
(本発明)のESRスペクトルを示す。A,B両触
媒ともに異なつたスペクトルパターンを与える。
そこで、これらのスペクトルより、バナジルイオ
ンに対する酸素の配位状態、即ち歪み割合より
(g⊥−g)なるg因子の値を求めることがで
き、このg因子を適正な値にすることが、本発明
の触媒の重要な構成要件となる。 (4) 以上の理由で、本発明において、水酸化チタ
ンの代わりに硫酸チタン等を500℃以下の温度
で焼成して得られる硫酸根を内包する酸化チタ
ンを使用してバナジルイオンのg因子(g⊥−
g)を0.055以上とすることは新規重要な構
成要件であります。 次に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。 実施例 1 五酸化バナジウムとパラタングステン酸アンモ
ニウムをモノエタノールアミンと水とに溶解した
混合液を、硫酸根をSO3に換算して6.5重量%内
包したメタチタン酸を500℃で5時間で焼成して
得られたもののX線回折において、結晶面間隔
3.52Åのピーク半価幅(β101)が0.57deg、SO3
有量4.0重量%である酸化チタンと共に湿式ボー
ルミルを用いて混合し、第1表に示すNo.1〜No.5
の酸化バナジウムと酸化タングステンの含有量よ
りなる混合物をそれぞれ調製した。この調製した
それぞれの混合物のスラリーの中に孔形状、四角
形、孔相当直径6mm、肉厚1mmのムライト質より
なるハニカム状のセラミツク基材を浸漬し、表面
に触媒物質を担持した後、120℃の熱風で30分乾
燥し500℃で3時間空気中で焼成して第1表に記
載するNo.1〜No.5の本発明の触媒を得た。 実施例 2 メタチタン酸を400℃で5時間焼成して得られ
た結晶面間隔3.52Åのピーク半価幅(β101)が
0.89deg、SO3含有量7.0重量%である酸化チタン
を用い、実施例1と同じ調製方法で調製し、第1
表に示す酸化バナジウムと酸化タングステンの含
有量よりなる第1表に記載するNo.6〜No.10の本発
明の触媒を得た。 実施例 3 メタチタン酸を500℃で5時間焼成して得られ
た結晶面間隔3.52Åのピーク半価幅(β101)が
0.57deg、SO3含有量4.0重量%である酸化チタン
を主成分とする孔形状、四角形、孔相当直径6
mm、肉厚1mmのハニカム担体を、五酸化バナジウ
ムとパラタングステン酸アンモニウムをモノエタ
ノールアミンと水とに溶解し、第1表のNo.16〜No.
19に示す酸化バナジウムと酸化タングステンの含
有量になるように調製した溶液中に浸漬した後、
120℃の熱風で60分乾燥し、ついで500℃で3時間
焼成を行い、第1表に示すNo.16〜No.19の本発明の
触媒を得た。 比較例 1 メタチタン酸を700℃で5時間焼成して得られ
た結晶面間隔3.52Åのピーク半価幅(β101)が
0.25deg、SO3含有量0.5重量%である酸化チタン
を用い、実施例1と同じ方法により第1表に示す
No.20〜No.24の比較例の触媒を得た。 比較例 2 実施例1と同じ方法で調製したにもかかわらず
触媒成分として酸化バナジウム又は酸化タングス
テンを欠くためg因子(g⊥−g)の値が本発
明の規定外の物性値を有する第1表No.25〜No.26の
比較例の触媒を得た。そして実施例1,2,3お
よび比較例1,2で得た触媒を内径80mmφ、長さ
100mmのステンレス製反応器を用い重油焚ボイラ
ー排ガスと下記条件で接触させて350℃、400℃、
450℃の脱硝率とSO2のSO3への転化率を測定し
た。 次にこれらの触媒を350℃で8000時間耐久試験
を行つた後再び350℃、400℃、450℃の脱硝率と
SO2のSO3への転化率を測定した。それらの結果
は第1表に示すとおりである。
【表】
【表】 なお試験ガス組成はNOx:150〜200ppm、
SOx:400〜500ppm、O23〜6%、ダスト100
mg/Nm3であり、ダスト中のアルカリ金属成分は
30重量%である。脱硝率測定条件はSV値
10000Hr-1;NH3/NO=1.1;SO2転化率測定条
件はSV=10000Hr-1である。なおNOxの測定は
化学蛍光方式減圧型のNO/NOx分析計(柳本製
作所ECL−77A型)で行つた。 またSO2のSO3への転化率はアンモニアの注入
を止めNDI方式のSO2分析計で反応器の入口と出
口のSO2濃度を測定し次式により求めた。 SO2転化率(%)=入口SO2濃度−出口SO2濃度/入
口SO2濃度×100 また第1表の本発明の触媒例No.3と比較例の触
媒No.20の初期3a,20aおよび耐久試験8000時
間後3b,20bについての脱硝率と反応温度と
の関係を第1図にSO2のSO3への転化率と反応温
度との関係を第2図に、またはNaおよびKの蓄
積量値を第2表に示す。
【表】
【表】 第1図および第2図の結果より明らかなように
本発明の範囲外の触媒の脱硝率とSO2転化率に比
べて、本発明の触媒は高温時の脱硝率が高く、ま
た、SO2転化率が低いことがわかる。 第3図は本発明において酸化チタンのSO3含有
量と得られた製品のg因子(g⊥−g)との関
係を実施例(No.3……○,No.5……□で示した)
の数値をプロツトして作成した特性図で、これよ
り本発明の第1工程により得られた酸化チタンは
内包される硫酸根がSO3に換算して3〜10重量%
のときに、得られる製品のg値が0.055以上を満
足することを示すものである。 従つて、SO3重量%以下では本発明の目的とす
るg値が0.055以上の性能が得られないので不適
当であり、SO310重量%以上ではg値がそれ以上
大きくならないので、必要ないものとしSO3の内
包は10重量%までを限定とした。 更に本発明の範囲外の触媒の脱硝率およびSO2
転化率の経時劣化が極めて大きいのに比べて、
NaおよびKの蓄積量が同じにもかかわらず本発
明の触媒の脱硝率およびSO2転化率の経時劣化が
極めて小さいことが確認された。 以上述べたとおり本発明の窒素酸化物除去用触
媒は、特にダスト成分としてK,Na等のアルカ
リ金属塩を多く含む排ガス中の窒素酸化物除去に
使用しても広い温度範囲にわたつてアルカリ金属
成分による劣化の極めて少ない、換言すれば広い
温度範囲において被毒による脱硝率の経時変化の
極めて少ないものであり、さらにSO2のSO3への
転化率も著るしく低いので、硫酸アンモニウム等
の生成が少なく長時間安定して使用できる窒素酸
化物除去用触媒である。 従つて、各種ボイラー等から排出される排ガス
中の窒素酸化物をアンモニアの存在下で接触還元
除去する触媒として極めて有用であり、大気汚染
防止に極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明触媒および比較触媒の一具体例
の初期および8000時間後の反応温度と脱硝率の関
係を示す説明図、第2図は初期および8000時間後
の反応温度とSO2のSO3への転化率との関係を示
す説明図、第3図は本発明触媒による酸化チタン
のSO3含有量とg因子(g⊥−g)との関係を
実施例の数値より作成した特性図、第4図は本発
明触媒の脱硝反応機構を示す説明図、第5図は本
発明触媒のV−Ti相互作用とアルカリ金属成分
による活性劣化機構の説明図、第6図は従来触媒
(A触媒)と本発明触媒(B触媒)とのESR解析
結果を示す説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 硫酸根を内包するチタン酸、硫酸チタンある
    いは硫酸チタニルを500℃以下の温度で焼成し結
    晶面間隔3.52Åのピーク半価幅が0.5deg以上で、
    かつ硫酸根を内包する酸化チタンを得る第1工程
    と、得られた酸化チタンにバナジウム化合物とタ
    ングステン化合物を担持して焼成し酸化チタンと
    酸化バナジウムと酸化タングステンとからなる触
    媒中のバナジルイオンのg因子(g⊥−g)が
    0.055以上で、かつ、高温高活性と低いSO2転化
    率およびダスト中のアルカリ金属成分による活性
    低下と、SO2転化率の増加が極めて小さい触媒を
    得る第2工程からなることを特徴とする窒素酸化
    物除去用触媒の製造法。
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