JPH0437123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は下地壁に外壁を取付ける構造に関
し、特に縦方向に延長する外壁取付用スタツド
と、このスタツドの両端を保持するランナーと、
このランナーを下地壁に取付けるランナー取付部
から成るスタツド保持ランナーの取付構造に関す
る。

〔従来の技術〕

従来は、下地壁に外面に、縦横両方向に所定ピ
ツチを整列させてボルトを植設し、このボルト列
の各ボルトにスタツドを溶接等により配設し、こ
のスタツドに外壁を取付けた構造であつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかして、コンクリート壁の建物に於けるコン
クリート亀裂の補修を数年毎に行わねばならぬた
め経費節減と美観上の問題からボードやタイルで
外壁を作つてしまいたい要望が近年強く、或いは
断熱効果を得る為にコンクリート壁より一定空間
をあけて空気を流通させ、更にはその空間に断熱
材を入れる外断熱を目的とする外壁を設ける工法
の開発が強く求められている。

然し乍ら、一般にコンクリート壁は、垂直方向
及び水平方向の精度が保たれて居らず、或程度の
傾きや不陸は否めない。

従つて、精度の高い外壁を得るには、コンクリ
ート壁の面からスタツドまでの距離の調整を行う
ことにより、外壁ボード等の取付面を同一平面上
に設定することが必要となる。

この必要条件を満たすために、上記の従来の構
造では、外壁取付スタツドの位置を調整しながら
溶接しなければならず、スタツド配設作業に時間
を要し、その上、溶接後はスタツドの位置調整が
できないという欠点があつた。また溶接に耐え得
る肉厚の枠材を必要とするという欠点もあつた。

更に左右の間隔400〜500mm置きにスタツドを設
置するために雄大な数のボルト植設が必要であ
り、又コンクリート内にかくれている鉄筋にボル
ト受けアンカーが当たる場合鉄筋を避けてこれを
埋設するためボルトの列が一線とならず、スタツ
ドにボルトが接しない箇所が頻発するため溶接す
ら不可能な事態が起きている。

この考案は上記欠点を解消し、ランナーの使用
によりボルト受けアンカーの埋設数を大幅に減少
させると共に、外壁取付け作用が短時間にでき、
スタツドの位置調整が可能であり、かつ薄肉にス
タツドが使用可能なスタツド取付け構造を提供す
ることを目的とする。

更に又、外壁を同一平面上に形成させるための
下げ振りや糸を張ることによるレベル出し作業
を、スタツド１本１本に対して行わずランナーの
みに対して行えばよいので、作業効率を高めるこ
とが出来る。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記欠点解消のためのスタツド保持
ランナーの取付構造であり、下地壁１より一定間
隔隔てて水平方向に延長する如く取付けられ、か
つ互いに対向する如く位置される断面コ字状のラ
イナー２ａ，２ｂと、垂直方向に延長してこれ等
上下ランナー２ａ，２ｂに上下端が嵌合された外
壁取付用のスタツド３と、上記ランナー２ａ，２
ｂを上記下地壁１に取付けるランナー取付部４と
を備え、上記ランナー取付部４を、上記下地壁１
に固定される基片６と、この基片６の側縁６ａ，
６ｂより下地壁１に対し直角方向に折曲された保
持片７と、この保持片７の前縁を切欠くことによ
り得られるランナー収納用凹部８と、この凹部８
の下部により形成されるランナー載置片９と、上
記保持片７に取付けられランナー方向に突出する
とともにランナーの凹部１３ａ，１３ｂに嵌合す
る嵌合片１４を有するランナー止着片１５とより
構成した。

〔作用〕

この考案のスタツド保持ランナーの取付構造は
上記の構造から成るので、先ず下地壁１に保持片
７を取付け、次にランナーの断面コ字状凹部１３
ａ，１３ｂに嵌合片１４を嵌合した後、ランナー
２ａ，２ｂの位置を調整してランナー止着片１５
を保持片７に固定し、ランナー取付部４にランナ
ー２ａ，２ｂを取付ける。上記の如く、ランナー
取付部４に対するランナー止着片１５の位置、即
ち下地壁１とランナー止着片１５との間隔を調整
することができ、ランナー２ａ，２ｂを同一平面
上に設置できる。これにより、ランナー２ａ，２
ｂに両端を保持されているスタツド３も同一平面
上に設置でき、このスタツド３に外壁を取付ける
ことにより、外壁は嵌合して一平面を形成する。
又、全てのスタツドを下地壁１に直接取付けるの
でなく、上下ランナーの間に嵌合させる構造のた
め、上下ランナーのみを固定させるので、下地壁
１に埋設するボルト受けアンカーの数を大幅に減
らしてその材料費と手間代を削減できる。

上記スタツド保持ランナーの取付構造は、溶接
個所がないことから、スタツド、ランナー等は薄
肉材でよく、又ランナーの位置、従つてスタツド
の位置の調整ができ、作業時間も短くて済む。更
に又、外壁を同一平面上に形成させるための下げ
振りや糸を張ることによるレベル出し作業は、ス
タツド１本１本に対して行う必要がなく、ランナ
ーのみに対して行えば自動的に精度の高い平面を
形成出来作業効率を高めることが出来る。

〔実施例〕

以下にこの考案の一実施例を図面第１図乃至第
１１図により説明する。各図において、４はラン
ナー取付部を示し、このランナー取付部４によ
り、下地壁１より一定間隔ｌを隔てて水平方向に
延長しかつ互いに対向する如く位置する断面コ字
状のランナー２ａ，２ｂは下地壁１に取付けら
れ、このランナー２ａ，２ｂの、垂直方向に延長
してこれ等ランナー２ａ，２ｂに上、下端３ａ，
３ｂが嵌合された外壁取付用スタツド３を保持す
る。

而して、ランナー取付部４は、スタツドの下端
３ｂが嵌合し断面コ字状が上向きになつているラ
ンナー２ｂを保持するときには、第２，３，４図
に示すように、下地壁１に植設されたボルト受け
アンカー５に固定される基片６と、この基片６の
両側縁６ａ，６ｂより下地壁１に対して直角方向
に折曲された保持片７，７と、この保持片７，７
の前縁を切欠いて設けたランナー収納用凹部８，
８と、前記切欠きにより当該凹部８，８の下に形
成されるランナー載置片９，９と、前記基片６と
平行な連結片１０の両側縁１０ａ，１０ｂより直
角に折曲されて２個設けられ、それぞれが前記保
持片７，７の内側に対接する対接片１１，１１及
びこの対接片１１，１１に連結していてランナー
挿通スリツト１２，１２によりランナー方向に突
出する如く区分されランナーの凹部１３ａに嵌合
する嵌合片１４，１４を有するランナー止着片１
５とより構成される。

このランナー取付部４を介してランナー２ｂを
下地壁１に取付けるには、ランナー止着片１５が
取外された基片６の貫通孔１６にねじボルト１７
を挿通して前記ボルト受けアンカー５と螺合し保
持片７，７を下地壁１に固定し、次にランナーに
嵌合されたランナー止着片１５の対接片１１，１
１に設けた雌ねじ孔１８，１８の何れか片方に、
ランナー載置片９，９に設けた長孔１９，１９を
介して雄ねじボルト２０，２０を螺着してランナ
ー止着片１５を保持片７，７に取付ける。

この際、保持片７，７の下縁に、保持片の内側
方向にＵ字状に折返されてランナー止着止１５の
下縁を保持する支持片２１，２１を設けてランナ
ー止着片１５の取付けを容易にしている。

尚ランナー止着片１５のランナーへの嵌合は、
ランナー止着片１５のランナー挿通孔１２，１２
にランナーを挿通しランナーの凹部１３ａに嵌合
片１４，１４を嵌合する。この際、ランナーはラ
ンナー載置片９，９及び対接片１１，１１上に載
置する。

一方スタツドの上端３ａに下向きに凹部１３ａ
が嵌合しているランナー２ａを保持するときに
は、このランナー取付部４には第５，６，７図に
示す保持片７とランナー止着片１５とが用いられ
る。このランナー取付部と第２〜４図に示したラ
ンナー取付部４との相違点は用いられるランナー
止着片１５のランナー挿通スリツト２２，２２が
上下逆になつていて、従つて嵌合片１４，１４が
対接片１１，１１に連続して上方にあることのみ
である。その他の構成は第２〜４図のものと同一
である。このランナー取付部４には第１図に示す
如く、凹１３ａが下向きのランナー２ａがランナ
ー挿通スリツト２２，２２を貫通して保持され
る。

なお、垂直方向にスタツドを接続する際には、
上向の凹部１３ｂになるランナー２ｂと下向きの
凹部１３ａになるランナー２ａとが背中合せにな
る。このランナー２ａ，２ｂを一緒に保持すると
きには、ランナー取付部４には第８，９，１０，
１１図に示す保持片７とランナー止着片１５とが
用いられる。このランナー止着片１５は上下に分
割されたランナー止着片１５Ａ，１５Ｂより成
る。上記ランナー取付部４に用いられる保持片７
は基片６の両側縁より直角方向に折曲された保持
片７，７の前縁を切欠いて設けたランナー収納用
凹部８，８の上、下にランナー規制片９Ｂ，ラン
ナー載置片９Ａを有している。またこの上、下ラ
ンナー規制片９Ｂ，ランナー載置片９Ａにそれぞ
れ取付けられるランナー止着片１５Ｂ，１５Ａは
連結片１０の両側縁より直角に折曲されて設けた
対接片１１，１１と、この対接片１１より突成さ
れランナー凹部１３ａ，１３ｂに嵌合する嵌合片
１４Ａ，１４Ｂを有しており、上、下それぞれの
ランナー止着片１５Ｂ，１５Ａは、その嵌合片１
４Ａ，１４Ｂの先端１４ａ，１４ａが互いに対向
する如く上、下のランナー規制片９Ｂ，ランナー
載置片９Ａに取付けることができる。

〔考案の効果〕

この考案のスタツド保持ランナーの取付構造
は、上記ランナー保持部を具有しているから、ラ
ンナーの凹部にランナー保持部の嵌合片を嵌合し
ランナー取付部にランナーの取付けができる。こ
の作業により、ランナー及びスタツドを配設で
き、スタツドの配設作業が短時間にできる。

ランナー止着片と下地壁との間隔はランナー止
着片の移動により調整できるから、スタツドを同
一平面上に置く調整が容易、短時間にできる。

又、下地壁に埋設するボルト受けアンカーはラ
ンナーのみを固定させるためのものであるから、
ボルト受けアンカーの埋設数を大幅に減少出来る
と共に、外壁を同一平面に形成させるためのレベ
ル出し作業もランナーのみに対して行えばよいの
で作業効率が大いに高まる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す斜視図、第
２〜４図はランナー保持部の１例を示すもので、
第２，３図は分解斜視図、第４図は組立斜視図、
第５〜７図はランナー保持部の他例を示すもので
第５，６図は分解斜視図、第７図は組立斜視図、
第８〜１１図はランナー保持部のもう１つの例を
示すもので第８，９，１０図は分解斜視図、第１
１図は組立斜視図である。 １……下地壁、２ａ，２ｂ……ランナー、３…
…スタツド、４……ランナー取付部、６……基
片、７……保持片、９……ランナー載置片、１４
……嵌合片、１５……ランナー止着片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下地壁１より一定間隔隔てて水平方向に延長
   する如く取付けられ、かつ互いに対向する如く
   位置される断面コ字状のライナー２ａ，２ｂ
   と、垂直方向に延長してこれ等上下ランナー２
   ａ，２ｂに上下端が嵌合された外壁取付用のス
   タツド３と、上記ランナー２ａ，２ｂを上記下
   地壁１に取付けるランナー取付部４とを備え、
   上記ランナー取付部４を上記下地壁１に固定さ
   れ下地壁１と平行となる基片６と、この基片６
   の側縁６ａ，６ｂより下地壁１に対し直角方向
   に折曲された保持片７と、この保持片７の前縁
   を切欠くことにより得られるランナー収納用凹
   部８と、この凹部８の下部により形成されるラ
   ンナー載置片９と、上記保持片７に取付けられ
   てしかもランナーの凹部１３ａ，１３ｂに嵌合
   する嵌合片１４を有するランナー止着片１５と
   より構成したことを特徴とするスタツド保持ラ
   ンナーの取付構造。 (2) 保持片７は、基片６の両側縁６ａ，６ｂより
   折曲されて２個形成されて成り、両保持片７，
   ７にランナー収納用凹部８，８とランナー載置
   片９，９とが形成されていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のスタツド
   保持ランナーの取付構造。 (3) ランナー止着片１５は上記基片６と平行な連
   絡片１０の両側縁１０ａ，１０ｂより直角に折
   曲されて２個設けられ、それぞれが各保持片
   ７，７の内側に対接することを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第２項記載のスタツド保持
   ランナーの取付構造。 (4) 保持片７，７の下縁に、保持片７，７の内側
   方向にＵ字状に折返されてランナー止着片１
   ５，１５の下縁を保持する支持片２１，２１を
   有することを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第３項記載のスタツド保持ランナーの取付構
   造。