JPH04363846A - 回転陽極型x線管 - Google Patents

回転陽極型x線管

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JPH04363846A
JPH04363846A JP24639191A JP24639191A JPH04363846A JP H04363846 A JPH04363846 A JP H04363846A JP 24639191 A JP24639191 A JP 24639191A JP 24639191 A JP24639191 A JP 24639191A JP H04363846 A JPH04363846 A JP H04363846A
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rotating
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spiral groove
rotating body
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Katsuhiro Ono
勝弘 小野
Hideo Abu
秀郎 阿武
Hiroyuki Sugiura
弘行 杉浦
Takayuki Kitami
隆幸 北見
Hiroaki Tazawa
田沢 宏明
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2235/00X-ray tubes
    • H01J2235/10Drive means for anode (target) substrate
    • H01J2235/1046Bearings and bearing contact surfaces
    • H01J2235/106Dynamic pressure bearings, e.g. helical groove type

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転陽極型X線管に
係わり、とくにその回転機構部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、周知のように、円
盤状の陽極ターゲットを、相互間に軸受部を有する回転
体および固定体で支え、真空容器外に配置した電磁コイ
ルを付勢し高速回転させながら陰極から電子ビームを放
出して陽極ターゲット面上に当て、X線を放射する。軸
受部は、ボールベアリングのようなころがり軸受や、軸
受面にらせん溝を形成するとともに、ガリウム(Ga)
、又はガリウム−インジウム−錫(Ga−In−Sn)
合金のような少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤
を用いた動圧式すべり軸受で構成される。後者のすべり
軸受を用いた例は、たとえば特公昭60−21463号
、特開昭60−97536号、特開昭 60−1175
31号、特開昭62−287555号、特開平2−22
7947号、あるいは特開平2−227948号の各公
報や、「フィリップス  テクニカル  レビュー  
第44巻、第11/12 号(1989 年11月)」
等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の例えば特開昭 
60−117531号公報には、円柱状固定体の外周壁
にヘリンボン・パターンのらせん溝が形成されてなる動
圧式のラジアル方向すべり軸受部が設けられ、同じく固
定体の両端面にそれぞれサークル状ヘリンボン・パター
ンのらせん溝が形成されてなる一対の動圧式スラスト方
向すべり軸受部が設けられた回転陽極型X線管が開示さ
れている。 また、特開平2−227948号公報には、固定体の一
部に直径の大きい部分を設け、この径大部の表裏両垂直
面にそれぞれヘリンボン・パターンのらせん溝が形成さ
れたX線管が開示されている。
【0004】しかしながら、スラスト方向すべり軸受部
のらせん溝を、固定体の先端面すなわち陽極ターゲット
に近い方の端面に形成することは、この面が他に突出物
のない平坦な面になっているので容易であるが、反対側
の面にらせん溝を形成することは困難である。すなわち
、固定体の陽極ターゲットから遠い方の陽極支持部では
、軸受面とする肩状部を構成するために固定部の少なく
とも一部を切削して径小部を設けるが、この径小部が突
出しているために、軸受面となる肩状部端面に切削やエ
ッチングでらせん溝を形成することは実際上困難である
。それ故また、突出部のある垂直軸受面に形成したこの
らせん溝は、精度が十分なものにならないおそれがある
【0005】この発明は、以上のような不都合を解消し
、動圧式のスラスト方向すべり軸受部のらせん溝の製作
が容易であり、且つ高精度のらせん溝を有するスラスト
方向すべり軸受部を備える回転陽極型X線管を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、回転体及び
固定体の一方が内側に位置し他方が円筒状をなして外側
に位置し、一対のスラスト方向すべり軸受部のうち、一
方は内側に位置する回転体又は固定体の垂直軸受面にら
せん溝が形成されてなり、他方は外側に位置する円筒状
固定体又は回転体の開口部に固着された円板状の開口部
閉塞体の平坦な垂直軸受面にらせん溝が形成されてなる
回転陽極型X線管である。
【0007】
【作用】この発明によれば、一対のスラスト方向すべり
軸受部のうち一方は内側に位置する回転体又は固定体の
垂直軸受面にらせん溝が形成されてなり、他方は外側に
位置する円筒状固定体又は回転体の開口部に固着された
円板状開口部閉塞体の平坦な垂直軸受面にらせん溝が形
成されたものであるため、開口部閉塞体に単体の状態で
らせん溝を製作でき、したがって高精度のらせん溝を容
易に製作することができる。こうして、高精度で安定な
動圧式すべり軸受性能を有する回転陽極型X線管を得る
ことができる。
【0008】
【実施例】以下その実施例を図面を参照して説明する。 なお同一部分は同一符号であらわす。図1乃至図5に示
す実施例は、次の構成を有する。すなわち、重金属から
なる円盤状陽極ターゲット11は、有底円筒状の回転体
12の一端に突設された回転軸部13に、ナット14に
より一体的に固定されている。なお、有底円筒状の回転
体12は、全体を単一の構成にするものに限らず、例え
ば回転軸13に連続する円板状部12m と、円筒部1
2n とを別部品で構成し、それらをねじ止めあるいは
溶接により固着したものであってもよく、実質的に有底
円筒状の回転体を構成すればよい。なお、円筒部12n
 は、外側に鉄のような強磁性体円筒および銅のような
良導体円筒を同軸状に密嵌合したロータ円筒を備えるが
、同図では記載を省略した。この有底円筒状回転体12
の内側には、円柱状の固定体15が回転体開口部12a
 側から挿入され嵌合されている。陽極ターゲットから
遠い方の固定体15の図示下端部すなわち回転体開口部
12a の近傍には、外径が縮小された固定体径小部1
5a が形成されている。そして回転体開口部12a 
には、固定体径小部15a を近接して包囲し、固定体
肩状端面15b に接し、実質的に回転体開口部を閉塞
するリング状の開口部閉塞体16が、複数個のボルト1
6d により固着されている。固定体径小部15a に
は、これら回転体12および固定体15を機械的に支え
る鉄材製の陽極支持部17がろう接により固着され、こ
れはガラス製の真空容器18に気密接合されている。
【0009】円筒状回転体12と固定体15との嵌合部
分には、前述の各公報に示されるような、2組の動圧式
ラジアル方向すべり軸受部19a,19a が設けられ
ている。そのために、固定体のすべり軸受面となる外周
面には、前記各公報に記載されているような2組のヘリ
ンボン・パターンからなるらせん溝20,20 が形成
されている。このらせん溝を有する固定体外周面と、こ
れに外接する平坦な回転体内周軸受面との間には、およ
そ20マイクロメートルの微小な軸受間隙Gが設けられ
る。
【0010】そこで、回転体12の内側底壁12b に
接する固定体15の先端の垂直軸受面15c には、図
3に示すようなサークル状のヘリンボン・パターンから
なるらせん溝21aが形成されている。このらせん溝2
1a を有する固定体先端軸受面15c と、これに近
接する平坦な回転体底面からなる軸受面との間には、同
様におよそ20マイクロメートルの微小な軸受間隙Gが
設けられ、一方の動圧式スラスト方向すべり軸受部19
bが構成されている。
【0011】これに対し、陽極ターゲットから遠い方す
なわち陽極支持部17の方の動圧式スラスト方向すべり
軸受部19c は、固定体に径小部15a を形成する
ことにより構成される肩状端面15b からなる垂直軸
受面と、これに接する開口部閉塞体16の平坦な垂直軸
受面16a とで構成される。そして、この垂直軸受面
16a に、図5に示すようなサークル状のヘリンボン
・パターンからなるらせん溝21b が形成されている
。この開口部閉塞体16の軸受面16a に形成したヘ
リンボン・パターンのらせん溝21b は、同一方向す
なわち陽極ターゲット11の方からみた溝の向きが、図
3に示した他方の固定体先端面15c のらせん溝21
a の向きと逆になっている。しかも、このらせん溝2
1b は、くの字に折り返した位置Cを基準にして、そ
こから内側領域の溝の半径方向寸法Wi が、外側領域
の溝の半径方向寸法Wo よりも大きいパターンで構成
されている。それによって、内側領域の溝による潤滑剤
の引き込み力が、外側領域の溝による潤滑剤の引き込み
力よりも大きくなる。そして、内側領域のらせん溝21
b は、中央透孔16b まで連続して形成されている
。また、内側領域のらせん溝21b は、ラジアル方向
すべり軸受部19a の軸受間隙に連通するように、こ
のすべり軸受部19a の半径と同等またはそれよりも
わずか大きい半径の位置まで形成されている。各らせん
溝は、およそ20マイクロメートルの深さを有しており
、化学的エッチングによって形成できる。なお、開口部
閉塞体16には、ボルト挿入用の複数個の透孔16c 
が形成されており、複数個のボルト16d によって回
転体開口部12a に固定されている。閉塞体円筒部1
6e と固定体径小部15a との間の隙間Qは、回転
に支障が生じない範囲で小さい寸法にして、ここから潤
滑剤が外部に漏出しないようにしてある。
【0012】なお、固定体15には、その中心部が軸方
向にくり抜かれて透孔とされた軸方向の潤滑剤収容室2
2が設けられている。この軸方向潤滑剤収容室22の図
示上端開口は、固定体先端面のらせん溝21a のパタ
ーンの内側に位置し、スラスト軸受部19b の軸受間
隙に連通している。また、この固定体15にはその中間
部外周壁がわずかにテーパ状に削られた径小部23が形
成されていて、潤滑剤収容室22からこの径小部23に
通じる3つの放射方向通路24が 120度間隔で軸対
称的に形成されている。さらに、中心の潤滑剤収容室2
2の図示下端開口部は、固定体15と同じ材料の栓25
によって密閉されており、その近傍に径小な円周状空胴
26が形成されている。そして、この円周状空胴26か
ら中心の潤滑剤収容室22に通じる同じく3つの放射方
向通路27が 120度間隔で軸対称的に形成されてい
る。それにより、円周状空胴26は、放射方向の孔27
を通して潤滑剤収容室22に連通するとともに、スラス
ト軸受部19c のらせん溝21b およびそこの軸受
間隙に連通している。各軸受部の軸受間隙や、らせん溝
、これらに連通する潤滑剤収容室および各通路には、こ
れらの空間を埋める量の液体金属潤滑剤が充填、収容さ
れる。
【0013】このX線管の動作にあたっては、真空容器
18の外側の回転体12に対応する位置に、図示しない
ステータの電磁コイルを配置して回転磁界を生じさせ、
回転陽極を矢印Pの如く高速回転させる。それによって
、各すべり軸受部に生じる動圧により、回転体は固定体
の軸受面からラジアル方向およびスラスト方向ともおよ
そ20マイクロメートルの軸受間隙Gを維持したまま回
転させられる。そして、図示しない陰極から放出された
電子ビームが陽極ターゲット11の面上に射突してX線
が発生させられる。このターゲットに生じた熱はその多
くが輻射により放散されるとともに一部が回転体12か
ら軸受部の液体金属潤滑剤を通り固定体15を経て外部
に放散される。
【0014】この実施例によれば、2つのスラスト方向
すべり軸受部の各らせん溝を、一方は固定体の先端面に
、他方は回転体の開口部閉塞体16に形成しているので
、いずれも平坦な面に形成でき、製作が容易であるとと
もに高精度の溝を形成できる。なぜならば、溝パターン
に対応するマスク材料を光学的に各軸受面に焼き付け、
エッチングする場合、固定体の肩状面に形成するのはこ
の綿花ら突出する固定体径小部があるために困難で且つ
高精度の溝が得にくい。それに対して、この実施例によ
れば、平坦な面のみに溝パターンを形成するので、容易
に且つ高精度の溝を形成できる。
【0015】また、この実施例によれば、次のような理
由によって、X線管の製造中に軸受の内部で発生するガ
スを潤滑剤の漏出を伴わずに排出することができる利点
がある。すなわち、この液体金属潤滑式動圧すべり軸受
を備えるX線管の製造においては、図6に示すような潤
滑剤注入工程を経る。まず、加熱ヒータ31および排気
ポンプ32を有する真空ベルジャ33の内部に、回転体
12をその開口部12a を上に向けて保持台34の上
に載せる。真空ベルジャ内に設けられた固定体保持器3
5で、固定体15を回転体の上方に位置決めして吊り下
げる。固定体15の上方外周には、開口部閉塞体16が
図示しない保持器により保持されており、またそれを固
定するための複数個のボルト16d が締結具36によ
って所定位置に保持されている。ベルジャ内を例えば1
0−3Pa程度の高真空にし、加熱ヒータ31で各軸受
部材を例えば約250℃まで加熱し、各部品から内蔵ガ
スを放出させて排気する。次に、潤滑剤注入器37から
回転体の内側に、所定の量だけ計量された液体金属潤滑
剤Lを注入する。次いで、上方から固定体15をゆっく
り下降させて回転体12の内側に挿入する。それによっ
て、回転体の底部にある液体金属潤滑剤Lは、両者の軸
受間隙、固定体中心部の潤滑剤収容室、および放射方向
通路等に流動して行き、充満する。その後、開口部閉塞
体16を回転体開口部12a に適合し、複数個のボル
ト16dを締結具36で締付けて固定する。
【0016】このような潤滑剤注入工程、あるいはその
後のX線管排気工程では、図7に示すように、固定体1
5の自重によって図示しない一方のスラスト軸受部19
b の軸受間隙はその間隙寸法がほとんど零となる。そ
のため、他方のスラスト軸受部19cでは、開口部閉塞
体16の軸受面と固定体肩状面との間の間隙gが約40
マイクロメートルと2倍に拡がる。潤滑剤Lは、この間
隙gまで達するが、開口部閉塞体16に形成したらせん
溝21b には充満しない。この状態で各部を加熱しな
がら排気すれば、もし、軸受部の内部でガスが発生する
と、ガス気泡xは矢印の如くラジアル軸受部19aの軸
受間隙Gを移動して開口部閉塞体のらせん溝21b に
達してこの溝を通り、大きい空間容積の円周状空胴26
のところに出てそこで急激に圧力低下し、閉塞体円筒部
16e と固定体径小部15a との間の隙間Qから外
部に出て排気される。このガス気泡xに置き換わって、
固定体肩状面上の間隙gにある潤滑剤が軸受内部に浸透
する。潤滑剤で満たされていないこの開口部閉塞体のら
せん溝21b は、ガスをスムースに通過させるので、
潤滑剤が外部に押し出されることがない。したがって、
このような製造工程で軸受内部のガスを放出させ切って
から、徐冷し、真空容器を封止切りしてX線管を完成す
る。このように、開口部閉塞体16にらせん溝21b 
を形成することによって、X線管の製造中に軸受内部に
発生するガスを、潤滑剤の漏出を伴わずに排気すること
ができる。
【0017】また、開口部閉塞体16のらせん溝21b
 の内周端が円周状空胴26に直接連通しているので、
回転体の回転時に、円周状空胴26にある潤滑剤をこの
スラスト軸受部19c の軸受間隙に引き戻す作用を発
揮する。しかも、このらせん溝21b の内側領域の溝
による潤滑剤の引き込み力が、外側領域の溝による潤滑
剤の引き込み力よりも大きくなるように構成されている
ことによって、円周状空胴26にある潤滑剤を軸受間隙
Gに引き戻す作用が強く、潤滑剤の外部漏出がより一層
抑制される。なお、これと同様の作用は、内側領域の溝
の深さまたは溝幅を、外側領域の溝深さまたは溝幅より
も大きくしても、得られる。また、それらの組み合わせ
によっても得られる。
【0018】図8に示す実施例は、開口部閉塞体16の
内周壁にポンプ用らせん溝28を形成し、これを潤滑剤
漏出防止手段としたものである。ポンプ用らせん溝28
は、円周状空胴26の領域から円筒部16e の途中ま
で形成してある。このポンプ用らせん溝28が形成され
た開口部閉塞体16が回転することによるポンプ作用で
、隙間Qから出ようとする液体金属潤滑剤は円周状空胴
26の方に押し戻され、さらにスラスト軸受部のらせん
溝21b による潤滑剤引き込み作用により軸受間隙の
方へ押し込まれる。したがって、液体金属潤滑剤が真空
容器内空間へ漏出することが抑制される。
【0019】図9に示す実施例は、円周状空胴26を開
口部閉塞体16に形成したものである。そして、開口部
閉塞体16のらせん溝21b の内周端を円周状空胴2
6に連通させている。また、開口部閉塞体16の円筒部
16e の内周壁にポンプ用らせん溝28を形成してあ
る。さらにその外方に、潤滑剤漏出防止を確実にするた
めのリング29,30 を離隔近接して取り付けてある
。これらリング29,30 は、窒化珪素あるいは酸化
チタンのような、液体金属潤滑剤を弾く材料で構成され
、隙間Qに達する潤滑剤を円周状空胴26の方に弾いて
、真空容器内空間に出さないように機能する。
【0020】なお、円周状空胴26は、軸方向に沿って
複数個設けてもよい。また、複数の円周状空胴を構成す
る場合、一部の空胴を固定体径小部に形成し、他を回転
体の開口部閉塞体に形成する組合わせ構造にすることも
できる。
【0021】図10に示す実施例は、回転中心軸上に、
陽極ターゲットが一体結合されて回転する円柱状の回転
体12を配置したものである。この回転体12の図示上
部には、パイプ製の回転軸13が固着され、それに陽極
ターゲット11が固定されている。そして、回転体12
を包囲して有底円筒状の固定体15が設けられている。 この固定体15の図示上端開口部15d には、円板状
の開口部閉塞体16が複数個のボルト16d により締
結されている。固定体15の図示下端は、陽極支持部1
7であって、真空容器18に気密接合されている。固定
体15の外周には、モータのロータとして機能する強磁
性体円筒41およびその外側に嵌合された銅製の最外側
円筒42が同軸状に配置されている。なお、強磁性体円
筒41の上端部41a が回転軸13に機械的に強固に
固着されている。そこで、一方のスラスト方向軸受部1
9b のサークル状ヘリンボン・パターンらせん溝21
a は、円柱状回転体12の図示下端の平坦な垂直軸受
面に形成されている。他方のスラスト方向軸受部19c
 のサークル状ヘリンボン・パターンらせん溝21b 
は、固定体15の開口部閉塞体16の平坦な垂直軸受面
に形成されている。この開口部閉塞体16の回転軸に離
隔近接する内周壁16f の下半部及び回転体12の回
転軸まわりに、円周状にくり抜かれた円周状空胴26が
形成されている。また、開口部閉塞体16のらせん溝2
1b の内周端は、円周状空胴26に直接連通している
。この空胴26から固定体外周壁と強磁性体円筒内周壁
との間の隙間を経て真空容器内空間に通じる途中に、潤
滑剤漏出防止のための微小隙間Q及び半径方向の折返し
部43が開口部閉塞体16に設けられている。なお、こ
の折返し部43の内面に、潤滑剤とよく反応して合金化
する被膜を形成してもよい。
【0022】この回転陽極構体の組立てにあたっては、
図11に示すように、固定体15の開口部15b を上
に向けて図示しない真空ベルジャ内に載置する。この固
定体15の上方に、陽極ターゲットを固定しない状態の
回転体12、及び開口部閉塞体16、複数のボルト16
d を位置決めして吊り下げてある。ベルジャ内を高真
空にするとともに、加熱手段により各軸受部材を加熱し
、内蔵ガスを放出させて排気する。その後、液体金属潤
滑剤Lを固定体15の内部に所定量注入する。次に、上
方から回転体12を下降させて固定体15の内側に挿入
し、開口閉塞体16をボルト16d で締結する。潤滑
剤Lは、両者の軸受隙間G、各らせん溝及び潤滑剤収容
室22内等に流動する。その際、もし軸受部や潤滑剤収
容室にガス発生した場合は、ガス気泡が軸受間隙Gおよ
び開口部閉塞体16のらせん溝21d の内部を通って
上方に移動して円周状空胴26に達し、そこで急激に圧
力低下し、外部に排出される。軸受間隙や潤滑剤収容室
に生じた気泡に置き換わって潤滑剤が内部に浸透する。 したがって、液体金属潤滑剤がガスで真空容器内空間に
押し出される現象は殆ど生じない。
【0023】なお、開口部閉塞体16のらせん溝21d
 は、内周端を中央孔16b まで形成して円周状空胴
に直接連通させることなく、軸受面の途中で終端する構
成であってもよい。なおまた、使用する液体金属潤滑剤
は、Ga、Ga−In合金、又はGa−In−Sn合金
のようなGaを主体とするものが使用できるが、それに
限らず、例えばビスマス(Bi)を相対的に多く含むB
i−In−Pb−Sn合金、あるいはInを相対的に多
く含むIn−Bi合金、又はIn−Bi−Sn合金等を
使用し得る。これらは融点が室温以上であるので、陽極
ターゲットを回転させる前に、金属潤滑剤をその融点以
上の温度に予熱したうえで、回転を始めるようにするこ
とが望ましい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
スラスト方向すべり軸受部のらせん溝を、容易に且つ高
精度に製作することができる。また、組立中のガス排気
が確実で且つ潤滑剤が漏出し難く、したがって、高精度
で安定な動圧式すべり軸受性能を有する回転陽極型X線
管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す要部縦断面図である
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の3−3における上面図である。
【図4】図1の要部縦断面図である。
【図5】図4の5−5における上面図である。
【図6】この発明の利点を説明するための潤滑剤注入工
程を示す概略縦断面図である。
【図7】同じく潤滑剤注入工程での状態を示す要部拡大
縦断面図である。
【図8】この発明の他の実施例を示す要部縦断面図であ
る。
【図9】この発明のさらに他の実施例を示す要部縦断面
図である。
【図10】この発明のさらに他の実施例を示す要部縦断
面図である。
【図11】図10のものの組立工程を示す概略縦断面図
である。
【符号の説明】
11…陽極ターゲット、 12…回転体、 15…固定体、 16…開口部閉塞体、 18…真空容器、 19a …ラジアル方向すべり軸受部、19b,19c
 …スラスト方向すべり軸受部、20,21a,21b
…らせん溝、 26…円周状空胴。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  陽極ターゲットが固定された回転体と
    、この回転体に同軸状に嵌合されて該回転体を回転可能
    に保持し且つ端部が真空容器の一部に接続された固定体
    と、前記回転体及び固定体の嵌合部に設けられ且つその
    軸受面にらせん溝を有する動圧式ラジアル方向すべり軸
    受部と、前記回転体及び固定体の回転中心軸に対して垂
    直な軸受面に形成されたサークル状のらせん溝を有する
    一対の動圧式スラスト方向すべり軸受部と、前記各軸受
    部に介在され少なくとも動作中は液状である金属潤滑剤
    とを具備する回転陽極型X線管において、上記回転体及
    び固定体の一方が内側に位置し他方が円筒状をなしてそ
    の外側に位置し、上記一対のスラスト方向すべり軸受部
    のうちの一方は内側に位置する回転体又は固定体の垂直
    軸受面にらせん溝が形成されてなり、他方は外側に位置
    する円筒状固定体又は回転体の開口部に固着された円板
    状の開口部閉塞体の垂直軸受面にらせん溝が形成されて
    なることを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 【請求項2】  開口部閉塞体の内側に円周状空胴が形
    成され、前記開口部閉塞体の垂直軸受面のらせん溝の内
    周端が前記円周状空胴に連通している請求項1記載の回
    転陽極型X線管。
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