JP2735417B2 - 回転陽極型x線管 - Google Patents

回転陽極型x線管

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JP2735417B2 JP24589691A JP24589691A JP2735417B2 JP 2735417 B2 JP2735417 B2 JP 2735417B2 JP 24589691 A JP24589691 A JP 24589691A JP 24589691 A JP24589691 A JP 24589691A JP 2735417 B2 JP2735417 B2 JP 2735417B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転陽極型X線管に
係わり、とくに軸受構体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、周知のように、円
板状の陽極ターゲットを相互間に軸受部を有する回転体
および固定体で支え、真空容器外に配置した電磁コイル
を付勢し高速回転させながら陰極から電子ビームを放出
して陽極ターゲット面上に当て、X線を放射する。軸受
部は、ボールベアリングのようなころがり軸受や、軸受
面にらせん溝を形成するとともにガリウム(Ga)、又
はガリウム−インジウム−錫((Ga−In−Sn)合
金のような液体金属潤滑剤を用いた動圧式すべり軸受で
構成される。後者のすべり軸受を用いた例は、たとえば
特公昭60- 21463号、特開昭60-97536号、特開昭 60-117
531号、特開昭 62-287555号、特開平2-227947号、ある
いは特開平2-227948号等の各公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報に開示され
ている回転陽極型X線管では、らせん溝を有する動圧す
べり軸受部の相対向する軸受面が、例えば20マイクロ
メートル程度のわずかな軸受間隙もつように構成され、
この間隙やらせん溝内に液体金属潤滑剤が充填、介在さ
れる。この回転陽極構体を組立てる際、軸受間隙やらせ
ん溝の一部に空気が残っていたり、あるいは構成部品か
らガス放出が起こると、それらによる気泡のため局部的
に液体金属潤滑剤の存在しない部分が生じてしまう。あ
るいは、ガス気泡の圧力でこのガスとともに潤滑剤の一
部が軸受面から外部に吹き出してしまうおそれがある。
このような現象が生じると、当然ながら、すべり軸受の
長時間の安定な動圧軸受作用が得られず、さらにX線管
の真空容器内空間に漏出、飛散した液体金属潤滑剤によ
り、耐電圧性能が著しく損なわれるという致命的な障害
をもたらす。
【0004】この発明は、以上のような不都合を解消
し、万一、回転体と固定体との間のすべり軸受部等にガ
ス気泡が生じても、液体金属潤滑剤を軸受間隙から真空
容器内空間へ押し出し飛散させる現象を伴わずにガスを
軸受間隙から外部にスムースに排出でき、安定な動圧す
べり軸受動作が維持される回転陽極型X線管を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、回転体およ
び固定体の一部に設けられ且つらせん溝をもつすべり軸
受面が真空容器の内部空間に通じる終端付近に容積の大
きい空胴が設けられ、この空胴から上記真空容器の内部
空間に至る途中に金属潤滑剤の通過を抑制するための潤
滑剤漏出防止手段が設けられてなる回転陽極型X線管で
ある。
【0006】
【作用】この発明によれば、回転陽極構体の組立て時、
あるいは実際のX線管の動作時に、万一、すべり軸受の
内側領域でガスが発生しても、ガス気泡は軸受間隙を通
って円周状空胴に到達する。その際、ガス気泡は軸受間
隙内の液体金属潤滑剤を空胴25まで押し出す場合があ
る。しかし、ガスの圧力は、容積が大きい円周状空胴に
達して急激に低下する。その結果、潤滑剤は空胴内に達
したガスによって潤滑剤漏出防止手段の狭い間隙を通し
て真空容器内空間に押し出されることがない。そして、
ガスは徐々に真空容器内空間に排出され、潤滑剤は軸受
間隙の方に引き戻される。したがって、軸受部等にガス
が発生してもこのガス気泡と潤滑剤とが円周状空胴でス
ムースに置換され、潤滑剤の一部が真空容器内空間に漏
出することは抑制される。こうして、液体金属潤滑剤の
漏れがなく安定な動圧すべり軸受動作が維持される。
【0007】
【実施例】以下その実施例を図面を参照して説明する。
なお同一部分は同一符号であらわす。図1乃至図3に示
す実施例は、次の構成を有する。すなわち、重金属から
なる円盤状陽極ターゲット11は、有底円筒状の回転体12
の一端の底部に突設された回転軸部13に、ナット14によ
り一体的に固定されている。回転体12の内側には、円柱
状の固定体15が回転体の図示下端開口部12a 側から挿入
され嵌合されている。固定体15の図示下端部すなわち回
転体開口部の近傍には、外径が縮小された固定体径小部
15a が形成されている。そして回転体12の開口部12a に
は、固定体径小部15a を近接して包囲し、開口部を実質
的に閉塞するリング状の開口部閉塞体16が複数個のボル
ト16a により固着されている。固定体径小部15a には、
これら回転体12および固定体15を機械的に支える鉄材製
の陽極支持部17がろう接により固着され、これはガラス
製の真空容器18に気密接合されている。
【0008】回転体12と固定体15との嵌合部分は、前述
の各公報に示されるような動圧式すべり軸受部19を構成
している。そのため、固定体側のすべり軸受面となる固
定体外周壁及び両端壁には、前述の各公報に記載されて
いるような2組のラジアル軸受用ヘリンボン・パターン
らせん溝20,20、およびスラスト軸受用のサークル状ヘ
リンボン・パターンらせん溝21,21 が形成されている。
これと対面する回転体側のすべり軸受面は、単なる平滑
な面でもよく、あるいは必要に応じてらせん溝を形成し
たものでもよい。これら回転体及び固定体の両軸受面
は、およそ20マイクロメートルの軸受間隙Gをもって
近接している。
【0009】固定体15には、その中心部が軸方向にくり
抜かれた孔からなる潤滑剤収容室22が設けられている。
この潤滑剤収容室22の図示上端開口22a は、図示上部の
らせん溝21をもつすべり軸受部19の軸受間隙Gに連通し
ている。また、この固定体15の中間部の外周壁がわずか
にテーパ状に削られて径小部23が形成され、潤滑剤収容
室22からこの径小部23に通じる3つの放射方向通路24が
120度間隔で軸対称的に形成されている。これら通路24
は、径小部23による空間を経て固定体外周のらせん溝20
を有するすべり軸受部19の軸受間隙Gに連通している。
【0010】そこで、回転体12の開口部に設けられた開
口部閉塞体16と、それで近接包囲される固定体径小部15
a との間には、固定体径小部の一部が円周状に切削され
て構成された円周状の空胴25が設けられている。こうし
て、回転体12及び固定体15のすべり軸受部と真空容器内
空間との境となるところに、軸受間隙Gの半径方向間隙
寸法よりも十分大きい半径方向の幅寸法で且つ容積の十
分大きい円周状空胴25が設けられている。さらに、開口
部閉塞体16には固定体径小部15a を近接してとりまく円
筒部16b が一体形成されている。この円筒部16b には、
潤滑剤漏出防止手段26が設けられていて、これは円周状
空胴25から真空容器内空間に至る途中に位置している。
この潤滑剤漏出防止手段26は、開口部閉塞体の円筒部16
b の内周に配置された、アルミナ(Al2 O3 ) 、窒化
ボロン(BN)、あるいは窒化シリコン(Si3 N4 )
のセラミックスのような、液体金属潤滑剤がほとんど濡
れず、実質的にこの潤滑剤を弾く材料からなる潤滑剤漏
出防止リング27を備えている。また、このリング27と固
定体径小部15a との間の隙間Qは、10マイクロメート
ル以下の狭い半径方向間隙寸法である。
【0011】この回転陽極構体の組立てにあたっては、
図4に示すように、加熱ヒータ31を有し、一部に排気ポ
ンプ32が接続された真空ベルジャ33の内部に、回転体12
をその開口部12a を上に向けて一点鎖線で示す保持台34
の上に載置する。さらにこの真空ベルジャ33の内部に
は、固定体15を上方に吊り下げて保持する固定体保持器
35が設けられ、これは固定体15を回転体の上方に位置決
めして吊り下げている。固定体15の上方外周には、開口
部閉塞体16が図示しない保持体により保持されており、
またそれを固定するための複数個のねじ16a が締結具36
によって所定位置に保持されている。さらにまた、Ga
合金のような金属潤滑剤を内蔵する潤滑剤注入器37が配
置されており、ベルジャ外の図示しない制御装置によっ
て図示のように注入孔を回転体開口部内に移動し、所定
量の潤滑剤を回転体内部に注入できるようになってい
る。まず同図のように各部品や装置を配置し、ベルジャ
内を例えば10-3Pa程度の高真空にする。そして加熱
ヒータ31により少なくとも各軸受部材を200℃以上の
温度、例えば約250℃まで上昇させ、一定時間保持す
る。それによって、各部品、及び液体金属潤滑剤から内
蔵ガスが放出され、排気される。次に、潤滑剤注入器37
を同図示のように回転体開口部内に移動し、所定量に計
量された液体金属潤滑剤Lを回転体の内部に注入する。
次に、ベルジャ外の制御装置を駆動制御して、潤滑剤注
入器37を元の位置に移動し、上方から固定体15をゆっく
り下降させて回転体12の内側に挿入する。それによっ
て、回転体の底部にある液体金属潤滑剤Lは、両者の軸
受面相互間の隙間、固定体中心部の潤滑剤収容室、およ
び放射方向通路に流動して行き、充満する。そしてその
際、もし各部に残留した気泡や内蔵ガスが放出された場
合は、ガス気泡が軸受間隙を通って上方に移動して円周
状空胴のある回転体開口部に達し、排気される。この気
泡に置き換わって潤滑剤が軸受内部に浸透する。なお、
潤滑剤のごく一部は、円周状空胴25の部分にも溢れる。
【0012】このように両者を嵌合した状態でガス置換
処理を行い、その後、図5に示すように、開口部閉塞体
16を回転体開口部12a に適合し、複数個のボルト16a を
締結具36で締付けて固定する。そして、真空中で徐冷す
る。こうして、らせん溝を含む軸受部の軸受面間隙G、
およびこれに連通する潤滑剤通路、潤滑剤収容室に液体
金属潤滑剤がくまなく充填された回転陽極構体が得られ
る。この回転陽極構体を、ガラス製真空容器18内に装着
し、容器内を排気してX線管を完成する。
【0013】この回転陽極型X線管の動作においては、
真空容器18の外側の回転体12に対応する位置に、図示し
ないステータ即ち電磁コイルを配置して回転磁界を生じ
させ、回転陽極を矢印Pの如く高速回転させる。液体金
属潤滑剤は、すべり軸受部に満たされていて、円滑な動
圧軸受動作を可能にする。そしてこの液体金属潤滑剤
は、動作に伴う部分的な圧力差により、中心の潤滑剤収
容室22、放射方向通路24、軸受間隙Gおよびらせん溝2
0,21に移動あるいは循環して、安定な動圧すべり軸受動
作に供される。潤滑剤は、動作に伴って回転体開口部側
にしみ出しても、この開口部近傍に設けられた大容積の
円周状空胴に滞留し、再び軸受部へ直接または各潤滑剤
通路を経て循環される。図示しない陰極から放出された
電子ビームが陽極ターゲット面上に射突してX線が発生
させられる。このターゲットに生じた熱はその多くが輻
射により放散されるとともに、一部は回転体からすべり
軸受部の液体金属潤滑剤を通り固定体を経て外部に放散
される。
【0014】図6および図7に示す実施例は、開口部閉
塞体16のスラスト軸受面16c にヘリンボン・パターンの
らせん溝21を形成したものである。らせん溝21は、くの
字に折り返した位置Rを基準にして、その内側領域の溝
21a の半径方向寸法Di が、外側領域の溝21b の半径方
向寸法Do よりも大きいパターンである。そして、固定
体の軸受面は円周状空胴25の一部を構成している。ま
た、内側領域の溝21aは空胴25に連続している。
【0015】この実施例によれば、回転体の回転時に、
内側領域の溝21a による潤滑剤の引き込み力が、外側領
域の溝21b による潤滑剤の引き込み力よりも大きい。し
たがってこの構造体は、もし、円周状空胴25に潤滑剤が
溜まっても、この潤滑剤をスラストおよびラジアル軸受
19の軸受間隙に引き戻す作用を発揮する。なお、これと
同様の作用は、内側領域の溝21a の溝深さまたは溝幅
を、外側領域の溝21b の溝深さまたは溝幅よりも大きく
しても、得られる。また、それらの組み合わせによって
も得られる。
【0016】図8に示す実施例は、開口部閉塞体16の内
周壁にポンプ用らせん溝28を形成し、これを潤滑剤漏出
防止部材26としたものである。ポンプ用らせん溝28は、
円周状空胴25の領域から円筒部16bの途中まで形成して
あり、この溝28が形成された円筒部16b が回転すること
によるポンプ作用で、液体金属潤滑剤の真空容器内空間
への漏出が防止される。
【0017】図9に示す実施例は、固定体径小部15a に
3個の円周状空胴25,25 …が縦列に形成されたものであ
る。そしてこれら円周状空胴25,25 …の相互間、および
最端の空胴から真空容器内空間に至る領域の円筒部内周
壁と固定体径小部との間の間隙Qは、各空胴の半径方向
寸法よりも十分狭い寸法になっており、且つこの円筒部
内周壁にポンプ用らせん溝28がそれぞれ形成されて複数
段の潤滑剤漏出防止手段26を構成している。
【0018】それによって、万一、すべり軸受部に気泡
が生じてもこの気泡と液体金属潤滑剤とがスムースに置
換される。しかも、もしも潤滑剤が軸受部から出てきて
も、複数の空胴内に溜められるとともに狭い各間隙の潤
滑剤漏出防止手段により、真空容器内空間に漏出するこ
とがより一層確実に抑制される。
【0019】図10に示す実施例は、開口部閉塞体円筒
部16b の内周に軸方向に沿って3組の円周状空胴25,25
…および狭い間隙のらせんポンプ溝28をもつ潤滑剤漏出
防止手段26,26 …を形成したものである。なお、複数の
円周状空胴を構成する場合、一部の空胴を固定体径小部
に形成し、他を回転体の開口部閉塞体に形成する組合わ
せ構造にすることもできる。
【0020】図11に示す実施例は、回転中心軸上に、
陽極ターゲットが一体結合されて回転する円柱状の回転
体12を配置したものである。この回転体12の図示上部に
は、パイプ製の回転軸13が固着され、それに陽極ターゲ
ット11が固定されている。そして、回転体12を包囲して
有底円筒状の固定体15が設けられている。この固定体15
の図示上端開口部15b には、開口部閉塞体16がボルトに
より締結されている。固定体15の外周には、モータのロ
ータとして機能する強磁性体円筒41およびその外側に嵌
合された銅製の最外側円筒42が同軸状に配置されてい
る。なお、強磁性体円筒41の上端部41a が回転軸13に機
械的に強固に固着されている。開口部閉塞体16は、回転
体12の上端面に接しており、その接触面にらせん溝21が
形成されている。そこで、この開口部閉塞体16の回転軸
に近接する内周壁の下半部及び回転体12の回転軸まわり
に、円周状にくり抜かれた空胴25が形成されている。こ
の空胴25は、らせん溝21をもつ軸受部19の軸受間隙Gの
内端に連通して設けられている。また、この空胴25から
固定体外周壁と強磁性体円筒内周壁との間の隙間を経て
真空容器内空間に通じる途中に、潤滑剤漏出防止のため
の微小隙間Q及び半径方向の折返し部43が設けられてい
る。なお、この折返し部43の内面に、潤滑剤の付着を確
実にする被膜を形成してもよい。
【0021】この回転陽極構体の組立てにあたっては、
図12に示すように、固定体15の開口部15b を上に向け
て図示しない真空ベルジャ内に載置する。この固定体15
の上方に、陽極ターゲットを固定しない状態の回転体1
2、及び開口部閉塞体16、複数のボルト16a を位置決め
して吊り下げてある。ベルジャ内を高真空にするととも
に、加熱手段により各軸受部材を加熱し、内蔵ガスを放
出させて排気する。その後、液体金属潤滑剤Lを固定体
15の内部に注入する。次に、上方から回転体12を下降さ
せて固定体15の内側に挿入し、開口閉塞体16をボルト16
a で締結する。潤滑剤Lは、両者の軸受隙間、及び潤滑
剤収容室22内に流動する。その際、もし軸受部や潤滑剤
収容室にガス発生した場合は、ガス気泡が軸受間隙を通
って上方に移動して円周状空胴25に達し、そこで急激に
圧力低下し、外部に排出される。軸受間隙や潤滑剤収容
室に生じた気泡に置き換って潤滑剤が浸透する。したが
って、液体金属潤滑剤は、潤滑剤漏出防止のための微小
隙間Qを経て真空容器内空間に漏出ことが抑制される。
【0022】なお、金属潤滑剤は、Ga、Ga−In合
金、あるいはGa−In−Sn合金のようなGaを主体
とするものが使用できるが、それに限らず、例えばビス
マス(Bi)を相対的に多く含むBi−In−Pb−S
n合金、あるいはInを相対的に多く含むIn−Bi合
金、又はIn−Bi−Sn合金を使用し得る。これらは
融点が室温以上であるので、陽極ターゲットを回転させ
る前に金属潤滑剤をその融点以上の温度に予熱したうえ
で回転させることが望ましい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
すべり軸受面が真空容器の内部空間に通じる終端付近に
大容積の円周状の空胴が設けられ、この空胴から真空容
器内空間に至る途中に狭い間隙の潤滑剤漏出防止手段が
設けられてなるため、回転陽極構体の組立て時、あるい
は実際のX線管の動作時に、万一、すべり軸受部等にガ
スが発生しても、円周状空胴によってガスは圧力が急激
に低下して液体金属潤滑剤をそこから外へ押し出すこと
なくガスだけが排出される。そして、軸受部等のガスと
潤滑剤とがスムースに置換される。したがって、潤滑剤
は軸受間隙から真空容器内空間に漏出することが防止さ
れ、安定な動圧すべり軸受動作が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の3−3における横断面図である。
【図4】図1のものの組立て工程における要部を示す縦
断面図である。
【図5】図4の後の組立て工程における要部を示す縦断
面図である。
【図6】この発明の他の実施例を示す要部縦断面図であ
る。
【図7】図6の7−7における横断面図である。
【図8】この発明のさらに他の実施例を示す要部縦断面
図である。
【図9】この発明のさらに他の実施例を示す要部縦断面
図である。
【図10】この発明のさらに他の実施例を示す要部縦断
面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施例を示す縦断面図
である。
【図12】図11のものの組立て工程における要部を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
11…陽極ターゲット、 12…回転体、 18…真空容器、 15…固定体、 16…開口閉塞体、 19…すべり軸受部、 20,21 …らせん溝、 G…軸受間隙、 25…空胴 26…潤滑剤漏出防止手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北見 隆幸 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式 会社東芝 那須電子管工場内 (72)発明者 田沢 宏明 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式 会社東芝 那須電子管工場内

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器の内部に設けられ陽極ターゲッ
    トを一体的に支える回転体と、この 回転体を回転可能
    に保持する固定体と、前記回転体および固定体の一部に
    設けられ且つらせん溝をもつすべり軸受面の相互間に液
    体金属潤滑剤が介在されてなるすべり軸受部とを具備す
    る回転陽極型X線管において、 上記すべり軸受部が上記真空容器の内部空間に通じる終
    端付近に容積の大きい空胴が設けられ、該空胴から上記
    真空容器の内部空間に至る途中に上記金属潤滑剤の通過
    を抑制するための潤滑剤漏出防止手段が設けられてなる
    ことを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 【請求項2】 上記空胴は、上記すべり軸受部と潤滑剤
    漏出防止手段との間に縦列に複数設けられている請求項
    1記載の回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】 上記潤滑剤漏出防止手段は、上記空胴の
    半径方向の幅寸法よりも狭い上記固定体と回転体との間
    の隙間を有して構成されている請求項1記載の回転陽極
    型X線管。
  4. 【請求項4】 上記潤滑剤漏出防止手段は、上記金属潤
    滑剤で濡れない表面材料を有して構成されている請求項
    1記載の回転陽極型X線管。
  5. 【請求項5】 上記潤滑剤漏出防止手段は、回転体の内
    周壁に形成されたポンプ用らせん溝を有している請求項
    1記載の回転陽極型X線管。
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