JP2930272B2 - 回転陽極型x線管 - Google Patents

回転陽極型x線管

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JP2930272B2
JP2930272B2 JP5008716A JP871693A JP2930272B2 JP 2930272 B2 JP2930272 B2 JP 2930272B2 JP 5008716 A JP5008716 A JP 5008716A JP 871693 A JP871693 A JP 871693A JP 2930272 B2 JP2930272 B2 JP 2930272B2
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liquid metal
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ray tube
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弘行 杉浦
勝弘 小野
秀郎 阿武
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2235/00X-ray tubes
    • H01J2235/10Drive means for anode (target) substrate
    • H01J2235/1046Bearings and bearing contact surfaces
    • H01J2235/106Dynamic pressure bearings, e.g. helical groove type

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転陽極型X線管に
係わり、とくにその軸受構体に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、周知のように、軸
受部を有する回転体および固定体で円盤状の陽極ターゲ
ットを支え、真空容器外に配置したステータの電磁コイ
ルを付勢し高速回転させながら、陰極から放出した電子
ビームを陽極ターゲット面上に当ててX線を放射させ
る。軸受部は、ボールベアリングのようなころがり軸受
や、軸受面にらせん溝を形成するとともにガリウム(G
a)、又はガリウム−インジウム−錫(Ga−In−S
n)合金のような液体金属潤滑剤を軸受間隙に満たした
動圧式すべり軸受で構成される。後者のすべり軸受を用
いた例は、たとえば特公昭60-21463号、特開昭60-97536
号、特開昭 60-117531号、特開昭 62-287555号、あるい
は特開平2-227948号の各公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各公報に開示され
ている回転陽極型X線管では、らせん溝を有する動圧す
べり軸受部の相対向する軸受面が、例えば20マイクロ
メートル程度の軸受間隙を保つように構成され、らせん
溝および軸受間隙に液体金属潤滑剤が充填される。この
潤滑剤の充填量が少なすぎると、当然のことながらすべ
り軸受の動圧が十分得られず、安定な動圧すべり軸受の
動作が維持できなくなる。一方、潤滑剤が多すぎると、
軸受部から外部に漏出しやすい。とくに、X線管の組立
時や実動作時に軸受構成部材や潤滑剤からガス放出が起
こると、ガス気泡とともに潤滑剤の一部が軸受部から外
部に吹き出してしまう場合がある。このような現象が生
じると、すべり軸受の長時間の安定な動圧軸受作用が得
られず、さらにX線管容器内空間に飛散した液体金属潤
滑剤により、耐電圧性能が著しく損なわれるという致命
的な障害をもたらす。
【0004】この発明は、以上のような不都合を解消
し、液体金属潤滑剤の漏出を防止でき、安定な軸受動作
を維持することができる回転陽極型X線管を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、回転体およ
び固定体の軸受部に供給されるように充填した液体金属
潤滑剤の量が、らせん溝及びこのらせん溝部の軸受間隙
を満たす量を下限とし、且つ真空容器内空間に空間経路
的に最も近いらせん溝すべり軸受部の端部から他の軸受
部側の液体金属潤滑剤が流動し得る内部空間の容積の7
0%を上限とする範囲の体積である回転陽極型X線管で
ある。
【0006】
【作用】この発明によれば、軸受構成部材や液体金属潤
滑剤からガス放出が起っても、軸受部に連通する軸受側
内部空間の容積の30%又はそれ以上の容積の内部空間
でガスが体積膨脹して圧力低下するので、ガス気泡とと
もに潤滑剤が真空容器内空間に漏出する不都合な現象が
ほとんど生じない。したがって、長時間にわたり安定な
軸受動作が維持される。
【0007】
【実施例】以下その実施例を図面を参照して説明する。
なお同一部分は同一符号であらわす。図1乃至図8に示
す実施例は、次の構成を有する。すなわち、組立て完成
後のX線管は、図1に示すように、重金属からなる円盤
状陽極ターゲット11が有底円筒状の回転体12の一端に突
設された回転軸13にナット14により一体的に固定されて
いる。回転体12は、その外周部に強磁性体円筒12a およ
び良導電体円筒12bからなる二重のロータ円筒が同軸的
に嵌合固着されている。この回転体12の内側には、円柱
状の固定体15が挿入されている。固定体15の図示下端部
すなわち回転体開口部12c の近傍には、外径が縮小され
た固定体径小部15a が形成されている。そして回転体開
口部12c には、固定体径小部15a を近接して包囲し、こ
の開口部を実質的に閉塞するリング状の開口部閉塞体16
が複数個のボルト16a により固着されている。固定体径
小部15a には、これら回転体12および固定体15を機械的
に支える鉄材製の陽極支持部17がろう接により固着さ
れ、これはガラス製の真空容器18に気密接合されてい
る。
【0008】円筒状回転体12と固定体15との嵌合部分に
は、前述の各公報に示されるような動圧式のらせん溝す
べり軸受部が構成されている。すなわち、固定体15の外
周壁に、軸方向に所定間隔をおいてヘリンボン・パター
ンのらせん溝19a,19b が形成されており、2つのラジア
ルすべり軸受部20a,20b が構成されている。また、固定
体15の図示上端壁には、図2に示すサークル状のヘリン
ボン・パターンらせん溝21a が形成され、一方のスラス
トすべり軸受部22a が構成されている。開口部閉塞体16
の上面16c には、同様に図3に示すサークル状のヘリン
ボン・パターンらせん溝21b が形成され、他方のスラス
トすべり軸受部22b が構成されている。これら回転体及
び固定体の両軸受面は、およそ20マイクロメートルの
軸受間隙Gをもって対面するようになっている。
【0009】固定体15には、その中心部が軸方向に沿っ
て一対のスラスト軸受部22a,22b の間隔距離に相当する
領域までくり抜かれた孔からなる潤滑剤収容室23が設け
られている。この潤滑剤収容室23の図示上端開口23a
は、図示上部のサークル状らせん溝21a の内側中心部に
位置し、このスラスト軸受部22a の軸受間隙Gに連通し
ている。また、この固定体15には、その中間部外周壁が
削られて径小部24が形成され、潤滑剤収容室23からこの
径小部24に通じる4つの放射方向通路25が90度間隔で
対称的に形成されている。それによって、潤滑剤収容室
23は、軸方向の中間部に設けられた放射方向通路25を経
て径小部24による円周状空間S1 に通じ、さらにそれを
経て図示上下にある2組のラジアル軸受部20a,20b の軸
受間隙Gに連通している。なお、潤滑剤収容室23の図示
下端部23b は、下部のスラストらせん溝すべり軸受部22
b の近傍位置まで延長されて終端となっている。開口部
閉塞体16と固定体径小部15a との間には、固定体径小部
の一部が円周状に切削されて構成された円周状凹部26が
設けられている。閉塞体の円筒部16b は、内側の固定体
径小部15a との間に潤滑剤漏出防止用の微小隙間Qをつ
くり、内周面にスクリューポンプ溝27を有している。こ
のスクリューポンプ溝27は、潤滑剤漏出防止作用を高め
るものである。円周状凹部26は、隙間Qの半径方向寸法
よりも十分大きい寸法を有している。
【0010】そして、各軸受部20a,20b,22a,22b のらせ
ん溝、軸受間隙、およびこれに連通する潤滑剤収容室23
や放射方向通路25、径小部24による空間S1 には、後述
する充填方法によりGa合金のような液体金属潤滑剤L
が所定量充填されている。この潤滑剤Lの充填量は、微
小隙間Qを経て真空容器内空間に通じる空間経路的に最
も真空容器内空間に近いらせん溝すべり軸受部の端部、
すなわち図示下部のスラスト軸受部22b から他の軸受部
側の内部空間、すなわちらせん溝や軸受間隙、潤滑剤収
容室、放射方向通路、および径小部による空間S1 を含
む潤滑剤が流動可能な内部空間容積の約50%に相当す
る体積の量である。つまり、放射方向通路25が上下のス
ラスト軸受部22a,22b の中間にあり、上下の各部の空間
容積が略同等であるこの実施例では、潤滑剤の充填量
は、図1に示すように回転軸を垂直にして潤滑剤がすべ
て図示下方にある場合に、下部のスラスト軸受部22b か
ら放射方向通路25の中心位置までの範囲Vに相当する体
積の量である。したがって、潤滑剤の喫水線Hは、放射
方向通路25の中心線にほぼ一致する。このことは、図1
を天地逆にして隙間Qを上にして回転軸を垂直にした場
合、潤滑剤Lはやはり放射方向通路25の約半分まで満た
され、潤滑剤収容室23および放射方向通路25の上半分は
潤滑剤で塞がれず、一方のラジアル軸受部20b 、スラス
ト軸受部22b の軸受間隙Gおよび隙間Qの隙間を経て真
空容器内空間に連通する。
【0011】この液体金属潤滑剤の充填にあたっては、
図4に示すように、加熱ヒータ31を有し、一部に排気ポ
ンプ32が接続された真空ベルジャ33の内部に、各軸受構
成部材を配置する。回転体12は、その開口部12c が上に
向けられて、保持台を兼ねる超音波振動器34の上に載せ
られる。この真空ベルジャ33の内部には、固定体15を上
方に吊り下げて保持する固定体保持器35が設けられ、こ
れは固定体15を回転体の上方に位置決めして吊り下げて
いる。固定体の上方外周には、開口部閉塞体16が図示
しない保持体により保持されており、またそれを固定す
るための複数個のボルト16a が締結具36によって所
定位置に位置決めされて保持されている。さらにまた、
Ga合金のような液体金属潤滑剤を内蔵する潤滑剤注入
器37が設けられており、ベルジャ外の図示しない制御装
置によって図示のように注入ノズルの先端37a を回転体
開口部12a の内側に差し込み、所定量の潤滑剤を回転体
内部に注入できるようになっている。なお、図示しない
が、軸受構成部材12,15,…の温度を検出する温度検出器
が設けられている。
【0012】まず、同図に示すように各部品や制御装置
を配置し、排気ポンプ32によってベルジャ内を例えば1
-3Pa程度又はそれ以下の高真空にする。そして加熱
ヒータ31により少なくとも各軸受部材を200℃以上の
温度、例えば約450℃まで上昇させ、一定時間維持す
る。それによって、各部品、及び液体金属潤滑剤から内
蔵ガスが放出され、ポンプ32で排気される。この真空加
熱処理によって、各軸受部材は清浄化される。
【0013】次に、潤滑剤注入ノズル37a の先端を同図
示のように回転体開口部内に差し込み、上述の如く計量
された液体金属潤滑剤を回転体内部に注入する。同図に
おいて、符号Lが注入された液体金属潤滑剤を示す。超
音波振動により、この液体金属潤滑剤Lの内部やそれと
接触する回転体内壁から出るガスは、ベルジャ内空間に
効果的に出され、排気される。
【0014】次に、ベルジャ外から制御装置を駆動制御
して、潤滑剤注入器37を元の位置に移動し、上方から固
定体15をゆっくり下降させて、図5に示すように、回転
体12の内側に挿入する。それによって、回転体の底部に
ある液体金属潤滑剤Lは、両者の軸受間隙、らせん溝、
さらに放射方向通路を経て固定体中心部の潤滑剤収容室
内に流動して行き、図示下部のスラスト軸受部21a から
軸方向中間に位置する放射方向通路25までの範囲Vに這
い上がる。この範囲の軸受面は、潤滑剤で濡らされる。
なお、この状態で固定体15を上下にピストン移動、ある
いは同時にゆっくり回転させてもよい。それによって、
潤滑剤は図示上方の軸受面をも濡らし、軸受部にほぼ保
持される。その際、もし各部から内蔵ガスが放出されて
気泡が生じた場合は、気泡が上方に移動して軸受部材外
に排出され、ポンプで排気される。それに置き換わって
潤滑剤が各部に浸透する。超音波振動は、このガスの排
出およびこのガス気泡と潤滑剤との置換作用を一層増進
する。
【0015】このように両者を嵌合した状態で、図6に
示すように、開口部閉塞体16を回転体開口部12c に適合
し、複数個のボルト16a を締結具36で締付けて固定す
る。この状態においては、潤滑剤Lが放射方向通路25の
約半分まで位置し、潤滑剤収容室23および放射方向通路
25の上半分は潤滑剤で塞がれず、一方のラジアル軸受部
20b 、スラスト軸受部22b の軸受間隙Gおよび隙間Qを
経て真空排気空間に連通する。この状態で引き続き真空
中での加熱を続け、さらにまたそれに超音波振動を加え
続けると、軸受部材および潤滑剤からのガス抜きをより
一層完全にできる。そして、所定時間真空加熱処理をし
た後、真空中で25℃程度の室温まで徐冷する。その
後、回転軸13に陽極ターゲット11をナット14で固定す
る。続いて、陽極支持部17をガラス真空容器18の端部の
金属リングに嵌めて気密溶接する。このようにX線管球
であるガラス真空容器18の内部に陽極構造体を組込み、
X線管球の排気工程に移る。この排気工程では、隙間Q
を上向きにしながら陽極ターゲットを3000rpm程
度で連続回転させながら電子衝撃あるいは高周波誘導加
熱により例えば450℃に加熱しつつ、各部品からガス
放出させて排気し、チップオフしてX線管を完成する。
なお、排気工程では、後述するように陽極構体を水平又
は斜めに横倒しし、また、回転体を回転させながらガス
放出させて排気すれば、潤滑剤の漏出を伴うことなく一
層確実に軸受構成部材や潤滑剤からガスを放出させて排
気することができる。その際、潤滑剤のない内部空間で
放出ガスの体積膨脹、圧力低下が起こるので、ガス気泡
が外部に出てくるときの圧力が低く、したがって潤滑剤
を一緒に押し出すことがない。こうして、潤滑剤の漏出
を伴うことなく内部のガスを軸受部の外に排出させるこ
とができる。
【0016】こうして組立てられた軸受構造体において
は、液体金属潤滑剤Lがらせん溝を含む軸受間隙及び潤
滑剤収容室等に充填されるとともに軸受面が潤滑剤でよ
く濡れた表面状態になる。潤滑剤の充填量が内部の潤滑
剤が流動し得る空間容積の約半分であるので、図7に示
すように、回転軸を水平状態にした場合に、潤滑剤Lは
重力により図示下部軸受面から中心軸上の潤滑剤収容室
23のほぼ中心までの範囲Vにある。なお、上方のらせん
溝および軸受間隙に残る潤滑剤もあるので、潤滑剤の滞
留範囲Vは少し減少するが、説明上これを無視する。も
し軸受部からガスが出ても、そのガス気泡は潤滑剤収容
室23の上部空間や通路25の上部、径小部24による空間の
約半分などの、潤滑剤がない約50%の容積の空間で体
積膨脹し、圧力低下する。そして潤滑剤が少なくて通路
ができやすい上部軸受間隙、らせん溝を矢印の如く通っ
て閉塞体16の隙間Qから外部に出る。したがって、潤滑
剤を軸受の外部に押出すことがほとんどなく、ガス気泡
のみが排出される。なお、隙間Qに近いスラスト軸受部
22b の下部の潤滑剤は、その表面張力によりその軸受間
隙に保持され、隙間Qの方に漏れ出ることはない。
【0017】同様に、図8に示すように、閉塞体16を
斜め上方に傾けた状態でも、潤滑剤は潤滑剤収容室23
および放射方向通路のほぼ半分を埋める範囲Vに滞留す
る。したがって、放出ガスは、潤滑剤のない内部空間
体積膨脹して圧力低下し、潤滑剤の漏出を伴うことなく
確実容易に排出される。このようにして、万一軸受部や
内部空間でガス放出が起っても、潤滑剤の軸受外への漏
出は防止され、安定な動圧式すべり軸受動作を有する回
転陽極構体が得られる。
【0018】この回転陽極型X線管の動作においては、
真空容器18の外側の回転体12に対応する位置に、図示し
ないステータ即ち電磁コイルを配置して回転磁界を生じ
させ、回転陽極を矢印Pの如く高速回転させる。液状に
なった金属潤滑剤は、らせん溝すべり軸受部を十分満た
し、円滑な動圧軸受動作を可能にする。そしてこの液体
金属潤滑剤は、動作に伴う部分的な圧力差により、中心
の潤滑剤収容室、放射方向通路およびらせん溝を有する
軸受間隙を移動、循環して軸受部に達し、安定な動圧軸
受作用に供される。図示しない陰極から放出された電子
ビームが陽極ターゲットに射突してX線を発生する。タ
ーゲットに生じた熱は、その多くが輻射により放散され
るとともに、一部は回転体12から軸受部の液体金属潤滑
剤を通り、固定体15を経て外部に放散される。
【0019】図9に示す実施例は、潤滑剤漏出防止用の
微小隙間Qを上向きにして回転軸を垂直にした場合、2
つのラジアルすべり軸受部20a,20b の間に位置する放射
方向通路25を、中心軸上の潤滑剤収容室23の軸方向長さ
の下から約1/3の位置に形成し、潤滑剤Lをスラスト
軸受部22a から通路25までの範囲Vに相当する量だけ充
填したものである。この潤滑剤充填量は、真空容器内空
間に通路的に最も近いスラスト軸受部22b から他の軸受
部側の潤滑剤が流動し得る内部空間容積の約30%に相
当する体積量である。これによって、内部空間の約2/
3に相当する容積の空間が、潤滑剤のない空間として確
保される。したがって、この潤滑剤がない空間は、軸受
部から出るガスの体積膨脹、圧力低下を生じる空間およ
びガスの排出通路としても機能し、潤滑剤漏出がほとん
ど生じないない回転陽極型X線管が得られる。
【0020】図10に示す実施例は、同じく隙間Qを上
向きにし回転軸を垂直にした場合、中心軸上の潤滑剤収
容室23を、軸方向中間の放射方向通路25から片側にのみ
形成し、潤滑剤Lを放射方向通路25に達しない範囲Va
となるように充填したものである。この潤滑剤充填量
は、真空容器内空間に最も近いスラスト軸受部22b から
内部の潤滑剤流動可能空間容積の約50%に相当する体
積である。この状態で、放射方向通路25は潤滑剤で塞が
れない。
【0021】また、図10と同様の構造で、潤滑剤Lを
スラスト軸受部22a から通路25までの範囲Vb に相当す
る量だけ充填してもよく、この場合の潤滑剤充填量は、
真空容器内空間に最も近いスラスト軸受部22b から内部
の潤滑剤流動可能空間容積の約70%に相当する体積で
ある。これによって、潤滑剤漏出がほとんど生じない回
転陽極型X線管が得られる。
【0022】図11に示す実施例は、固定体に潤滑剤収
容室および放射方向通路を形成しないものである。この
場合も、潤滑剤充填量はそれが流動し得るらせん溝、軸
受間隙、および中間径小部の円周状空間S1 の合計の内
部空間容積の約40%に相当する体積である。
【0023】以上の実施例は円筒状の回転体に陽極ター
ゲットを固定したものであるが、それに限らず、図12
に示すように、陽極ターゲットが一体結合されて回転す
る円柱状の回転体12を回転中心軸上に配置したものにも
この発明を適用できる。すなわち、円柱状回転体12の図
示上部には、パイプ製の回転軸13が固着され、それに陽
極ターゲット11が固定されている。そして、回転体12を
包囲して有底円筒状の固定体15が設けられている。この
固定体15の図示上端開口部15b には、開口部閉塞体16が
複数個のボルト16a により締結されている。固定体15の
外周には、モータのロータ円筒として機能する強磁性体
円筒41およびその外側に嵌合された銅製の最外側円筒42
が同軸状に配置されている。なお、強磁性体円筒41の上
端部41aが回転軸13に機械的に強固に固着されている。
開口部閉塞体16は、回転体12の上端面に接しており、そ
の接触面にらせん溝21が形成されている。この開口部閉
塞体16の回転軸に近接する内周壁の下半部及び回転体12
の回転軸まわりに、円周状にくり抜かれた空胴26が形成
されている。この空胴26は、スラスト軸受部22b の軸受
間隙Gの内端に連通して設けられている。また、この空
胴26から固定体外周壁と強磁性体円筒内周壁との間の隙
間を経て真空容器内空間に通じる途中に、潤滑剤漏出防
止のための微小隙間Q及び半径方向の折返し部43が設け
られている。なお、この折返し部43の内面に、液体金属
潤滑剤が付着して反応する被膜を形成してもよい。それ
によって、万一この付近まで潤滑剤の一部が漏れ出て
も、折返し部43の内面に付着してそれよりも外部には漏
出しない。そして、液体金属潤滑剤Lは、真空容器内空
間に最も近いスラスト軸受部22b から内部の潤滑剤が流
動可能な空間容積の約50%に相当する体積である。こ
れによって、潤滑剤収容室23および放射方向通路25は、
潤滑剤で塞がれず、軸受部から出るガスの体積膨脹及び
減圧、並びにガス排出通路としても機能し、潤滑剤漏出
のない軸受構体を有する回転陽極型X線管が得られる。
【0024】図13に示す実施例は、固定体15の陽極タ
ーゲット11に近い位置に径大部15cを構成し、その両
端面にサークル状ヘリンボン・パターンのらせん溝21
a,21b をもつ2つのスラスト軸受部22a,22b を形
成したものである。2つのラジアル軸受部20a,20b は、
径大部15c の図示下方に延長された固定体15に形成した
らせん溝19a,19b により、微小隙間Qに近い方に構成し
ている。固定体15に形成された潤滑剤収容室23の開口23
a は、固定体端面と回転体底面でつくる隙間S2 に開口
している。1つの放射方向通路25は、径大部15c の外周
の隙間S3 に開口しており、この面と回転体内周面との
間の隙間S3 を介してスラスト軸受の軸受間隙Gおよび
らせん溝に連通している。これら潤滑剤収容室23および
通路25が開口している隙間S2,S3 は、回転動作中、潤
滑剤による動圧力が相対的に低くなる領域にある。ま
た、もう1つの半径方向通路25は、2組のラジアル軸受
の間の径小部24がつくる隙間S1 に向かって開口してい
る。潤滑剤Lは、真空容器内空間に最も近いらせん溝す
べり軸受部20b の外方端部から、軸受構体内部のらせん
溝、軸受間隙、各空間、潤滑剤収容室及び各通路を含む
潤滑剤流動可能空間容積の約20%に相当する体積が充
填されている。したがって、隙間Qを上向きに置いた状
態において、2つの放射方向通路25,25 は、いずれも潤
滑剤で塞がれない。これによって、ガスの排出が確実容
易になり、潤滑剤漏出のない軸受構体を有する回転陽極
型X線管が得られる。
【0025】図14に示す実施例は、2つのスラスト軸
受部22a,22b を隙間Qの近くに設け、2つのラジアル軸
受部20a,20b をターゲット11に近い方に設けたものであ
る。そして、各軸受部の間に放射方向通路25,25 を形成
してある。潤滑剤Lは、真空容器内空間に最も近いすべ
り軸受部22b の位置から、軸受構体内部の潤滑剤流動可
能空間容積の約50%に相当する体積V相当量が充填さ
れている。それによって、隙間Qを上向きに置いた状態
において、2つのスラスト軸受部22a,22b の間にある放
射方向通路25は、潤滑剤で塞がれない。これによって、
ガスの排出が確実容易になり、潤滑剤漏出のない軸受構
体を有する回転陽極型X線管が得られる。
【0026】なお、潤滑剤収容室から放射方向に延びる
通路を、軸方向の3カ所以上に設け、隙間Qを上向きに
し回転軸を垂直にした状態で、それらの少なくとも1つ
の放射方向通路が潤滑剤で塞がれないようにしてもよ
い。
【0027】図15に示す実施例は、固定体15の先端近
くの中心部を比較的大きくくりぬいて空胴51を形成した
ものである。そしてこの空胴51の中心部を通るようにに
パイプ52を配置して区画し、パイプの両端部をろう接に
より固定体15に接合してある。パイプ52は、固定体中心
部の潤滑剤収容室23に連結され、同じく潤滑剤収容室と
して機能する。また、このパイプ52の2ケ所には、微小
な透孔53が複数個設けられている。これらの微小透孔53
は、液体金属潤滑剤が通過できない寸法に形成してもよ
く、その場合の空胴51は真空空間になり、内部にガスが
発生した時の一時的な体積膨脹、減圧の空間として機能
する。あるいはまた、透孔53を液体金属潤滑剤が通過す
る比較的大きな寸法に形成してもよい。その場合は空胴
51も潤滑剤が流動し得る潤滑剤収容室並びに内部にガス
が発生した時の一時的な体積膨脹、減圧の空間として機
能する。いずれの場合も、潤滑剤の充填量は潤滑剤が流
動し得る内部空間容積の70%相当、より好ましくは5
0%相当を上限とする。
【0028】以上説明したように潤滑剤の充填量は、ら
せん溝とこのらせん溝のある領域の軸受間隙Gを満たす
量を下限とする必要がある。そして充填量の上限は、真
空容器内空間に最も近いらせん溝すべり軸受部の端部か
ら内部の潤滑剤が流動可能な空間容積すなわち軸受構体
内部のらせん溝、軸受間隙、各空間、潤滑剤収容室及び
各通路を含む空間容積の70%相当の体積である。潤滑
剤の充填量が内部空間容積の70%を越えると、放出ガ
スの体積膨脹、減圧が不十分となって、潤滑剤を押出し
てしまうおそれが強まり、真空容器内空間に液体金属を
飛散させてX線管の管内放電を誘発する致命的な損傷を
生じやすい。
【0029】なおこの潤滑剤の充填量は、上述のよう
に、より好ましくは潤滑剤が流動可能な内部空間容積の
50%を上限とする。さらに最も好ましくは、充填量が
潤滑剤が流動可能な内部空間容積の20%乃至50%の
範囲の体積である。
【0030】なおまた、各軸受構成部材の少なくともら
せん溝をもつすべり軸受面に、予め、軸受母材と潤滑剤
との反応層を薄く形成しておいてもよい。あるいは、前
述の図4乃至図6に示した潤滑剤充填工程における真空
加熱処理で各軸受面に軸受母材と潤滑剤との反応層を薄
く形成させてもよい。この場合、潤滑剤の充填量は、反
応層の形成に消耗される量だけ余分に多く、注入してお
くことが望ましい。
【0031】なおまた、金属潤滑剤は、Ga、Ga−I
n合金、あるいはGa−In−Sn合金のようなGaを
主体とするものが使用できるが、それに限らず、例えば
ビスマス(Bi)を相対的に多く含むBi−In−Pb
−Sn合金、あるいはInを相対的に多く含むIn−B
i合金、又はIn−Bi−Sn合金を使用し得る。これ
らは融点が室温以上であるので、陽極ターゲットを回転
させる前に金属潤滑剤をその融点以上の温度に予熱した
うえで回転させることが望ましい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
軸受構成部材や液体金属潤滑剤からガス放出が起って
も、内部空間でガス気泡の体積膨脹を生じさせて減圧さ
せ、潤滑剤の漏出を未然に防止できて安定な軸受動作を
維持する回転陽極型X線管が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の要部を示す上面図である。
【図3】図1の要部を示す上面図である。
【図4】組立工程における状態を示す要部縦断面図であ
る。
【図5】組立工程における状態を示す要部拡大縦断面図
である。
【図6】組立工程における状態を示す縦断面図である。
【図7】図1のものの組立又は使用状態の要部を示す縦
断面図である。
【図8】図1のものの組立又は使用状態の要部を示す縦
断面図である。
【図9】この発明の他の実施例を示す要部縦断面図であ
る。
【図10】この発明のさらに他の実施例を示す縦断面図
である。
【図11】この発明のさらに他の実施例を示す縦断面図
である。
【図12】この発明のさらに他の実施例を示す縦断面図
である。
【図13】この発明のさらに他の実施例を示す縦断面図
である。
【図14】この発明のさらに他の実施例を示す縦断面図
である。
【図15】この発明のさらに他の実施例を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
11…陽極ターゲット、 12…回転体、 15…固定体、 18…真空容器、 20a,20b …ラジアルすべり軸受部、 22a,22b …スラストすべり軸受部、 23…潤滑剤収容室、 25…放射方向通路、 50…空胴、 G…軸受間隙、 L…液体金属潤滑剤、 Q…微小隙間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 35/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器の内側に配置された陽極ターゲ
    ットと、この陽極ターゲットが固定された回転体と、こ
    の回転体を回転可能に保持する固定体と、前記回転体お
    よび固定体の相互近接部の一部に設けられた複数のらせ
    ん溝すべり軸受部と、前記すべり軸受部の前記らせん溝
    及び軸受間隙に供給された液体金属潤滑剤とを具備する
    回転陽極型X線管において、 上記液体金属潤滑剤の充填量は、上記らせん溝及び該ら
    せん溝部の軸受間隙を満たす量を下限とし、且つ上記真
    空容器内空間に空間経路的に最も近いらせん溝すべり軸
    受部の端部から他の軸受部側の上記液体金属潤滑剤が流
    動し得る内部空間の容積の70%を上限とする範囲の体
    積であることを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 【請求項2】 液体金属潤滑剤の充填量は、上記液体金
    属潤滑剤が流動し得る内部空間容積の50%を上限とす
    る範囲の体積である請求項1記載の回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】 液体金属潤滑剤の充填量は、上記液体金
    属潤滑剤が流動し得る内部空間容積の20%乃至50%
    の範囲の体積である請求項1記載の回転陽極型X線管。
  4. 【請求項4】 真空容器の内側に配置された陽極ターゲ
    ットと、この陽極ターゲットが固定された回転体と、こ
    の回転体を回転可能に保持する固定体と、前記回転体お
    よび固定体の相互近接部の一部に設けられた複数のらせ
    ん溝すべり軸受部と、前記すべり軸受部の前記らせん溝
    及び軸受間隙に供給された液体金属潤滑剤とを具備する
    回転陽極型X線管において、 回転軸上に位置する上記固定体又は回転体に軸方向に延
    びる潤滑剤収容室が設けられるとともに、この潤滑剤収
    容室の軸方向の少なくとも1箇所に前記潤滑剤収容室か
    ら放射方向に延びて軸受間隙に連通する放射方向通路が
    形成され、液体金属潤滑剤の充填量は上記回転軸を垂直
    にした時に前記液体金属潤滑剤が上記少なくとも1箇所
    の放射方向通路を塞がない量であることを特徴とする回
    転陽極型X線管。
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