JP2002251971A - 回転陽極型x線管 - Google Patents
回転陽極型x線管Info
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Abstract
おける動圧式すべり軸受の温度上昇を抑え、長期にわた
り安定な回転特性を維持できる回転陽極型X線管を提供
すること。 【解決手段】 真空外囲器11内に設けられた陽極ター
ゲット12と、相互間に動圧式すべり軸受A〜Dが設け
られた内側回転体18および固定体19を有し陽極ター
ゲット12を回転可能に支持する回転機構15と、陽極
ターゲット12および回転機構15を収納する真空外囲
器11とを具備した回転陽極型X線管において、動圧式
すべり軸受A〜Dが設けられていない逃げ部24の固定
体19に突出部24を設け、液体金属潤滑剤を流すダク
ト23の開口部分23bを突出部24に開口させてい
る。
Description
を回転可能に支持する回転機構の発熱を少なくした回転
陽極型X線管に関する。
管で、医療用診断装置などに多く使用されている。
て、その主要部を断面で示した図5を参照して説明す
る。符号41は収容容器で、収容容器41内の所定位置
に回転陽極型X線管42が収納されている。収容容器4
1にはX線を外に取り出すX線放射窓43および絶縁油
を導入する導入口44などが設けられ、また、その内側
の一部にX線を遮蔽する遮蔽部材45が設けられてい
る。
どから構成され、真空外囲器46の外側にステータコイ
ルSCが配置されている。真空外囲器46は径大部46
aおよび径小部46bを有し、径大部46aはたとえば
金属で形成され、径小部46bはたとえばガラスで形成
されている。
放出する陽極タ一ゲット47が配置されている。陽極タ
ーゲット47は固定ねじ48で支持シャフト49に固定
され、支持シャフト49は回転機構50に連結されてい
る。回転機構50は、回転体部分51およびその内側空
間に嵌合された固定体部分52などから構成され、回転
体部分51と固定体部分52との間に動圧式すべり軸受
が設けられている。
ん溝53を形成し、らせん溝53および軸受間隙など
に、動作中に液状となる液体金属潤滑剤が送り込まれ、
ラジアル方向の動圧式すべり軸受が形成されている。
4、55が環状に形成されている。固定体部分52の外
径はそれぞれの段部54、55で変化し、いずれも図示
下方の先端側が小さくなっている。下方に位置する段部
55の外周部分に突出部55aが環状に形成されてい
る。
真空外囲器46の外まで伸びている。2つの段部54、
55間に位置する固定体部分52を囲んで封止リング5
6が配置されている。封止リング56の内縁部分と外縁
部分にそれぞれ環状の突出部56a、56bが設けられ
ている。
段部55に形成された突出部55aが気密溶接され、ま
た、封止リング56外縁部分の突出部56bと真空外囲
器46の径小部46bの端部との間に薄肉金属のシール
リング57が固定され、固定体部分52および真空外囲
器46は気密に封着されている。
端部52aを被固定部として利用し、保持部材58など
によって回転陽極型X線管が収容容器41内の所定位置
に取り付けられている。たとえば、固定体部分52の端
部52aを保持部材58の下端部に固定し、保持部材5
8の上端部を収容容器41の一部にボルト59で固定し
ている。
縁体の壷状部分58aおよびその開口部分に固定された
中央に孔のある独楽(こま)状の金属リング58bなど
から構成されている。保持部材58の壺状部分58aに
は絶縁油などの絶縁媒体を循環させる透孔60が形成さ
れている。金属リング58bの図示下端の外周部分はほ
ぼ一定厚さの平坦部分に形成され、その平坦部分が壷状
部分58aの開口周辺にボルト61で固定されている。
部分52が貫通している。金属リング58bの外径は図
示上方に向ってテーパ状に細くなり、その上端の内周部
分に環状の突出部62が形成されている。金属リング5
8bで固定体部分52を支持する場合、その突出部62
の先端が突き当てで固定体部分52の段部55と接触
し、固定体部分52を支持する。
成された雄ねじ63に、金属リング58bの図示下方の
外側から固定用ねじ部品であるナット64を螺合して締
め付け、固定体部分52を固定している。
体部分52が図示下方に引っ張られ、突出部62の先端
と固定体部分52の段部55との接触が強固になり、回
転陽極型X線管42が保持部材58などによって確実に
固定される。
絶縁油は矢印Yで示す方向に流れ、真空外囲器46と収
容容器41の間隙に送り込まれる。
熱は金属リング58bやナット64などを経て絶縁油に
放散され、軸受部分における温度上昇が抑えられる。
機構部分を構成する回転体部分および固定体部分の嵌合
隙間の構造を中心に図6を参照して説明する。図6は図
5に対応する部分には同じ部号を付し重複する説明を一
部省略する。
49が直接連結した中間回転体51aおよび中間回転体
51aの外側に接合された外側回転体51b、中間回転
体51aの内側に接合された内側回転体51cの3層構
造になっている。
えば2つの領域にそれぞれらせん溝が対に形成され、ラ
ジアル方向の動圧式すべり軸受A、Bが設けられてい
る。また、動圧式すべり軸受A、Bに挟まれた領域の一
部に逃げ部67が環状に設けられている。逃げ部67
は、固定体部分52の外径が動圧式すべり軸受A、B部
分よりも小さく形成され、嵌合隙間の幅が動圧式すべり
軸受A、B部分よりも大きくなっている。
を貯蔵するリザーバ68が管軸方向に形成され、また、
リザーバ68と逃げ部67との間に液体金属潤滑剤が流
れるダクト69が半径方向に形成されている。
管は、陽極ターゲットに発生する熱は、主として陽極タ
ーゲット表面から輻射されて真空外囲器に達し、絶縁油
に伝導されて放散される。このとき、陽極ターゲットの
熱の一部は、動圧式すべり軸受で発生する自己発熱とと
もに回転機構に伝導し、さらにその固定体部分に伝導し
真空外囲器外に位置する端部などから放散される。
液体金属潤滑剤は活性があり、高温時、回転体部分や固
定体部分の軸受面を構成する材料と反応して金属間化合
物層を軸受面上に堆積させる。その結果、軸受隙間が徐
々に減少し回転特性を劣化させる。
部分と固定体部分との間にラジアル方向およびスラスト
方向の動圧式すべり軸受が設けられ、また、ラジアル方
向の2つの動圧式すべり軸受間に嵌合隙間の大きい逃げ
部が設けられている。
には液体金属潤滑剤が供給されており、これら嵌合隙間
に満たされた液体金属潤滑剤は、回転体部分の回転に伴
いその粘性に起因する熱が発生する。
間の大きい逃げ部における発熱は少なくほとんど問題に
ならない。回転体部分の回転が高速になると、逃げ部に
おける液体金属潤滑剤の発熱が大きくなり無視できなく
なる。
合、回転に伴う液体金属潤滑剤の流れはほぼ層流状態
で、粘性による発熱は嵌合隙間の逆数にほぼ比例し、回
転数のほぼ2乗に比例する。回転体部分が高速で回転す
る場合は、回転に伴う液体金属潤滑剤の流れはほとんど
が乱流状態で、発熱は層流状態に比べて大きくなり、回
転数の3〜3.5乗に比例する。なお、層流状態から乱
流状態に遷移する回転数は嵌合隙間Gの逆数にほぼ比例
する。
上げていく場合、回転数が低い間は、軸受部分および逃
げ部はいずれも層流状態で、嵌合隙間が大きい逃げ部に
おける発熱は少なく無視できる。回転体部分の回転数が
高くなると、嵌合隙間が大きい逃げ部の方が、回転数の
低い状態から乱流に遷移し、逃げ部における発熱が相対
的に大きくなる。
m、逃げ部の嵌合隙間がほぼ400μm、軸受部や逃げ
部の嵌合隙間に液体金属潤滑剤で満たされているという
条件における本発明者の実験結果について説明する。
sと低速の場合、軸受部Jの発熱Pjと逃げ部Kの発熱
Pkの関係Pj/Pkの値は約1/10で、逃げ部Kの
発熱Pkはほとんど問題にならなかった。回転体部分の
回転数が100rpsと高速の場合、Pj/Pkの値は
約1となり、逃げ部Kの発熱Pkが相対的に大きくな
り、無視できない値になることが確かめられた。
で、逃げ部の発熱を少なくし、高速回転時などにおける
動圧式すべり軸受の温度上昇を抑え、長期にわたり安定
な回転特性を維持できる回転陽極型X線管を提供するこ
とを目的とする。
内に設けられた陽極ターゲットと、この陽極ターゲット
が固定された回転体部分と、この回転体部分とラジアル
方向に隙間をもって嵌合し、前記隙間の一部にラジアル
方向の動圧式すべり軸受が設けられ、かつ、液体金属潤
滑剤を収容するリザーバおよびこのリザーバと前記回転
体部分との隙間間を結ぶダクトが設けられた固定体部分
と、前記陽極ターゲットおよび前記回転体部分、前記固
定体部分を収納する真空外囲器とを具備した回転陽極型
X線管において、ラジアル方向の前記動圧式すべり軸受
が設けられていない前記隙間領域の前記固定体部分の一
部に突出部を設け、前記回転体部分と前記固定体部分と
の隙間側に位置する前記ダクトの開口部分の少なくとも
一部が前記突出部に開口していることを特徴としてい
る。
参照して説明する。符号11は回転陽極型X線管を構成
する真空外囲器で、図ではその一部が示されている。真
空外囲器11内に陽極ターゲット12が配置されてい
る。陽極ターゲット12は支持シャフト13にネジ14
で固定されている。支持シャフト13は回転機構15に
連結され、陽極ターゲット12は回転機構15によって
回転可能に支持されている。
構成され、回転体部分はたとえば円筒状の中間回転体1
6および中間回転体16の外周面に接合された円筒状の
外側回転体17、中間回転体16の内周面に接合された
円筒状の内側回転体18などから構成され、支持シャフ
ト13は中間回転体16と直接連結されている。
5の固定体部分を構成するほぼ円柱状の固定体19が挿
入され、回転体部分たとえば内側回転体18の下端開口
は円盤状のスラストリング20で封止されている。ま
た、回転機構を構成する回転体部分と固定体部分との間
に、ラジアル方向およびスラスト方向の動圧式すべり軸
受が設けられている。
表面の管軸方向に離れた2つの領域にそれぞれらせん溝
が対に形成され、ラジアル方向の動圧式すべり軸受A、
Bが設けられている。固定体19の図示上端面にサーク
ル状のヘリンボンパターンらせん溝が形成され、スラス
ト方向の動圧式すべり軸受Cが設けられている。固定体
19の段部19aと対向するスラストリング20の上面
にも、サークル状のヘリンボンパターンらせん溝が形成
され、もう1つのスラスト方向の動圧式すべり軸受Dが
設けられている。
A、Bに挟まれた領域の一部に逃げ部21が設けられて
いる。逃げ部21は、固定体19の外径が動圧式すべり
軸受A、B部分よりも小さく形成されている。したがっ
て、内側回転体18と固定体19の嵌合隙間の幅は、逃
げ部21の幅gの方が、これと隣接する動圧式すべり軸
受A、B部分の嵌合隙間の幅よりも大きくなっている。
を貯蔵するリザーバ22がたとえば管軸方向に形成され
ている。また、リザーバ22と逃げ部21の間にダクト
23が半径方向に形成されている。ダクト23は、リザ
ーバ22に貯蔵された液体金属潤滑剤を動圧式すべり軸
受A〜Dに供給するためのもので、一方の開口部分23
aはリザーバ22内に開口し、他方の開口部分23bは
逃げ部21内に開口している。
に、固定体19の外周に沿って突出部24がたとえば環
状に形成され、ダクト23の他方の開口部分23bが突
出部24の部分に開口している。
25が接合されている。封止リング25と真空外囲器1
1との間にシールリング26が固定され、固定体部分1
9および真空外囲器11は気密に封着されている。
と固定体部分の隙間たとえば動圧式すべり軸受A〜Dの
軸受間隙や逃げ部21の各部分、および、リザーバ22
やダクト23の各部分に液体金属潤滑剤が充填される。
は、真空外囲器11内の空間11aに最も近くに位置す
る動圧式すべり軸受Dのその真空外囲器11内の空間1
1a側の端部Deから真空外囲器11内の空間11aか
ら遠い側で液体金属潤滑剤が流動できる空間、たとえば
内側回転体18やスラストリング20などの回転体部分
と固定体19との隙間部分およびリザーバ22やダクト
23の各部分の全空間の容積の70%を上限とする範囲
の体積に設定されている。
場合は、液体金属潤滑剤を充填する量は、管軸を垂直に
した場合に、少なくとも1つのダクトの回転体部分と固
定体部分との隙間側に位置する開口部分を液体金属潤滑
剤が塞がない体積、あるいは、管軸を水平にした場合
に、少なくとも1つのダクトの回転体部分と固定体部分
との隙間側に位置する開口部分を液体金属潤滑剤が塞が
ない体積に設定されている。
流動できる内部空間の一部に、液体金属潤滑剤が充填さ
れていない空間が残っている。したがって、回転陽極型
X線管が動作状態に入り、回転機構の回転部分が回転す
ると、嵌合隙間の大きい逃げ部では、液体金属潤滑剤が
遠心力によって回転体の壁面方向に移動し、液体金属潤
滑剤が固定体の表面から離れる。液体金属潤滑剤が固定
体の表面から離れると、このような部分の液体金属潤滑
剤はほとんど同じ回転速度となる。その結果、回転速度
差がある場合にその粘性で生じる発熱が少なくなる。
している。この場合、逃げ部内の突出部から離れた部分
に位置する液体金属潤滑剤とダクトの開口部分に位置す
る液体金属潤滑剤との間に圧力差が生じ、突出部から離
れた部分に位置する液体金属潤滑剤の一部がダクトに流
れ込む。この流れ込みで、逃げ部の部分に含まれる液体
金属潤滑剤の量が少なくなり、その結果、液体金属潤滑
剤が固定体から離れやすくなり、発熱を抑制する効果が
助長される。
に、液体金属潤滑剤の発熱が抑えられる動作について図
2の概略の断面図を参照して説明する。
転機構の断面図、図2(b)は図2(a)の線b−bに
おける逃げ部の断面図、図2(c)は図2(a)の線c
−cにおける逃げ部の断面図、図2(d)は逃げ部が設
けられた部分の回転機構の断面図で、回転体部分が回転
する場合の液体金属潤滑剤の分布状態を示している。
1と固定体102の隙間たとえば逃げ部103に液体金
属潤滑剤Lが充填され、また、固定体102の中心にリ
ザーバ104が設けられている。この状態で、筒状回転
体101が回転すると、図2(b)の固定体側Laと回
転体側Lbとで液体金属潤滑剤Lに回転の速度差が生
じ、粘性ロスによって発熱が起る。
金属潤滑剤Lに遠心力が作用する。このとき、管軸mか
ら同じ半径上に位置する図2(b)の点bと図2(c)
の点cとで、液体金属潤滑剤Lに圧力差が生じる。たと
えば点bではそれよりも固定体102側に位置する液体
金属潤滑剤Lの圧力を受け、一方、点cでは液体金属潤
滑剤Lの圧力を受けない。そのため、点bの圧力をP
b、点cの圧力をPcとするとPb>Pcとなる。この
圧力差によって、図2(d)に示すように、逃げ部10
3の液体金属潤滑剤Lの一部がダクト105に流れ込
み、逃げ部103内の液体金属潤滑剤Lが固定体102
から離れる。このとき、液体金属潤滑剤Lが固定体10
2から離れた部分では、液体金属潤滑剤Lに回転速度差
がなくなり、回転速度差に起因する発熱が抑えられる。
環器診断装置用などに使用される回転陽極型X線管を例
にとり図3を参照して説明する。循環器診断装置用など
に使用される回転陽極型X線管は、撮影方向の素早い転
換などによって陽極ターゲットに大きな加速度が作用す
るため、固定体の外径が大きく形成されている。
で、陽極ターゲット31は図1の場合と同様に真空外囲
器(図示せず)内に配置されている。陽極ターゲット3
1は第1回転体32に連結されている。第1回転体32
は有底円筒状に形成され、上方部分は径の小さい径小部
32aに形成され、下方部分は径の大きい径大部32b
に形成されている。径大部32bの外周面に、熱および
電気の伝導度の高い銅で形成された円筒状の第2回転体
33が連結されている。また、第1回転体32の内部空
間に円柱状の固定体34が嵌合され、固定体34は円筒
状の陽極支持部35に連結されている。
ば外径の小さい径小部34aおよび外径の大きい径大部
34b、外径の小さい連結部34cから構成され、連結
部34が第1回転体32の図示下端の開口部分を封止す
るスラストリング37を貫通して陽極支持部35に連結
されている。
状の凹部36を挟んで2つの領域に分けられ、2つの領
域にそれぞれらせん溝が形成され、ラジアル方向の動圧
式すべり軸受A、Bが形成されている。径大部34bに
は、図示上下の両面にそれぞれサークル状のらせん溝が
形成され、スラスト方向の動圧式すべり軸受C、Dが形
成されている。
C、Dに挟まれた領域たとえば径大部34bの側面に逃
げ部38が設けられている。逃げ部38は、第1回転体
32と固定体34間の隙間が、これと隣接する動圧式す
べり軸受たとえば動圧式すべり軸受C、Dの部分よりも
大きく形成されている。
潤滑剤を貯蔵するリザーバ39がたとえば管軸方向に形
成されている。リザーバ39に貯蔵された液体金属潤滑
剤を動圧式すべり軸受A〜Dに供給するために、リザー
バ39と逃げ部38間にダクト40が半径方向に形成さ
れている。ダクト40の一方の開口部分40aはリザー
バ39の一部に開口し、他方の開口部分40bは逃げ部
38に開口している。逃げ部38には、固定体34の外
周面に突出部341が環状に形成され、ダクト49の他
方の開口部分40bは突出部341の部分に開口してい
る。
と固定体部分の隙間たとえば動圧式すべり軸受A〜Dや
逃げ部38などの部分、さらにリザーバ39やダクト4
0の各部分に液体金属潤滑剤が充填される。
は、真空外囲器内の空間に最も近くに位置する動圧式す
べり軸受Dのその真空外囲器内の空間側の端部Deから
真空外囲器内の空間から遠い側で液体金属潤滑剤が流動
できる空間、たとえば第1回転体32やスラストリング
36などの回転体部分と固定体34との隙間部分および
リザーバ39やダクト40の各部分の全空間の容積の7
0%を上限とする範囲の体積に設定されている。
場合は、液体金属潤滑剤を充填する量は、管軸を垂直に
した場合に、少なくとも1つのダクトの回転体部分と固
定体部分の隙間側に位置する開口部分を液体金属潤滑剤
が塞がない体積、あるいは、管軸を水平にした場合に、
少なくとも1つのダクトの回転体部分と固定体部分の隙
間側に位置する開口部分を液体金属潤滑剤が塞がない体
積に設定されている。
が動作状態に入ると、図1の実施形態の場合と同様、逃
げ部では、液体金属潤滑剤が固定体から離れる。また、
突出部に開口するダクトに液体金属潤滑剤が流れ込み、
液体金属潤滑剤が固定体から離れやすくなり、逃げ部に
おける発熱が抑えられる。
図4を参照して説明する。図4(a)〜(c)は、対応
する部分には同じ符号を付し重複する説明は一部省略す
る。
体部分を構成する固定体で、固定体71の管軸方向にリ
ザーバ72が設けられ、また、固定体71の外周面に突
出部73が環状に形成されている。そして、3個のダク
ト74が円周方向に等間隔に設けられ、それぞれの一方
の開口部分がリザーバ72に開口し、他方の端開口部分
75が突出部73の部分に開口している。
面に1つの突出部73を島状に形成し、リザーバ72と
突出部73間にダクト74を設けている。
面に1つの突出部73を島状に形成し、ダクト74の一
方の開口部分がリザーバ72に開口し、他方の開口部分
はその一部が突出部73に開口している。このようにダ
クト74の開口部分の一部だけが突出部73に開口する
場合にも同様の効果が実現される。
定体部分に1個のリザーバと1個のダクトを設ける場合
で説明している。しかし、リザーバは管軸方向に複数設
けることもできる。また、ダクトも複数設けることもで
きる。この場合、リザーバの管軸方向における同じ位置
から半径方向に複数設けてもよく、また、リザーバの管
軸方向に離れた位置にそれぞれ半径方向に伸びるダクト
を1個ずつ設けてもよく、また、それぞれの位置に半径
方向に伸びるダクトを複数ずつ設けてもよい。
の回転体部分が高速で回転する場合などにおいて、軸受
部分の自己発熱が低減される。その結果、軸受部分の温
度上昇が抑えられ、らせん溝や軸受隙間の寸法変化が防
止され、長期に亙り安定した回転特性が維持される。
回転特性を維持できる回転陽極型X線管装置を実現でき
る。
る。
動作を説明するための概略の構造図である。
である。
例を説明するための概略の構造図である。
構造を説明するための断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 真空外囲器内に設けられた陽極ターゲッ
トと、この陽極ターゲットが固定された回転体部分と、
この回転体部分とラジアル方向に隙間をもって嵌合し、
前記隙間の一部にラジアル方向の動圧式すべり軸受が設
けられ、かつ、液体金属潤滑剤を収容するリザーバおよ
びこのリザーバと前記回転体部分との隙間間を結ぶダク
トが設けられた固定体部分と、前記陽極ターゲットおよ
び前記回転体部分、前記固定体部分を収納する真空外囲
器とを具備した回転陽極型X線管において、ラジアル方
向の前記動圧式すべり軸受が設けられていない前記隙間
の領域の前記固定体部分の一部に突出部を設け、前記回
転体部分と前記固定体部分との隙間側に位置する前記ダ
クトの開口部分の少なくとも一部が前記突出部に開口し
ていることを特徴とする回転陽極型X線管。 - 【請求項2】 ダクトの開口部分のすべてが突出部に開
口している請求項1記載の回転陽極型X線管。 - 【請求項3】 突出部と管軸方向で隣接する部分の回転
体部分と固定体部分の隙間は、この隙間に隣接するラジ
アル方向の動圧式すべり軸受部分の前記回転体部分と前
記固定体部分の隙間よりも大きい請求項1記載の回転陽
極型X線管。 - 【請求項4】 液体金属潤滑剤を充填する量は、真空外
囲器内の空間に最も近くに位置する動圧式すべり軸受の
端部から前記真空外囲器内の空間から遠い側で前記液体
金属潤滑剤が流動できる空間の容積の70%を上限とす
る範囲の体積である請求項1ないし請求項3のいずれか
1つに記載の回転陽極型X線管。 - 【請求項5】 液体金属潤滑剤を充填する量は、管軸を
垂直に配置した場合に、前記液体金属潤滑剤が、回転体
部分と固定体部分との隙間側に開口する少なくとも1つ
のダクトの開口部分を塞がない体積である請求項1ない
し請求項3のいずれか1つに記載の回転陽極型X線管。 - 【請求項6】 液体金属潤滑剤を充填する量は、管軸を
水平に配置した場合に、前記液体金属潤滑剤が、回転体
部分と固定体部分との隙間側に開口する少なくとも1つ
のダクトの開口部分を塞がない体積である請求項1ない
し請求項3のいずれか1つに記載の回転陽極型X線管。
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