JP3824921B2 - 回転陽極型x線管装置およびその制御方法 - Google Patents

回転陽極型x線管装置およびその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転陽極型X線管装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転陽極型X線管は、真空容器内に配置した陽極ターゲットに向って電子ビームを照射し、陽極ターゲットからX線を放出させる構造になっている。X線の放出時、陽極ターゲットは高速で回転できるように、回転支持機構によって回転可能に支持されている。回転支持機構は陽極ターゲットと一体で回転する回転部分およびこの回転部分に嵌合する固定部分などから構成され、両者の嵌合部分に軸受機構たとえば動圧式すべり軸受が設けられている。動圧式すべり軸受は、一般に、回転部分および固定部分の両方あるいはその一方の軸受面にらせん溝を形成し、らせん溝などの部分に液体金属潤滑材を充填して構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
回転陽極型X線管に動圧式すべり軸受を用いた場合、回転部分が回転していない状態では、回転部分と固定部分の軸受面どうしが一部で固体接触する。また、陽極ターゲットが回転を始める起動時や回転を終了する停止時など、回転部分の回転数が低い場合、回転部分と固定部分の軸受面どうしが接触状態になったり、非接触状態になったりする、いわゆる境界潤滑状態になる。
【0004】
そのため、陽極ターゲットおよび回転部分など回転体全体の重量が大きい場合、あるいは、回転支持機構の軸受部分で受ける加速度が大きい場合など、回転部分と固定部分の軸受面どうしが接触する応力が大きくなる。その結果、起動時や停止時に、軸受面の摩耗や焼き付き、かじりなどの不具合が発生する。また、陽極ターゲットや回転部分など回転体の慣性モーメントが大きい場合も、停止時の最終段階において軸受面どうしが接触する回転エネルギーが大きくなり、上記の不具合が発生しやすくなる。
【0005】
また、動圧式すべり軸受は、通常、ラジアル方向の動圧式すべり軸受が管軸方向に離れた2つの領域に設けられている。このとき、陽極ターゲットおよび回転部分など回転体全体の重心が2つの動圧式すべり軸受の間にないと、回転体の実際の重量よりも大きい力が接触部分に局所的に加わり、上記の不具合が発生しやすくなる。
【0006】
本発明は、上記した欠点を解決し、回転の起動時や停止時などに発生する摩耗および焼き付き、かじりを防止し、信頼性の高い回転陽極型X線管装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分と、鉄心およびコイルを有し前記ロータ部分に回転磁界を付与するステータとを具備した回転陽極型X線管装置において、前記回転部分と前記固定部分の嵌合部分に設けられ、かつ前記ロータ部分と重ならないように管軸方向にずらされ少なくとも一部が前記鉄心の部分に囲まれ、前記動圧式すべり軸受部分よりも嵌合隙間が大きい逃げ部と、一端が前記逃げ部の一部区間よりも外側に位置する嵌合部分に開口し、他端が前記一端と相違する領域の前記嵌合部分に開口するダクトを設けたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明は、上記の回転陽極型X線管において、液体金属潤滑材に付与する回転磁界およびロータ部分に付与する回転磁界を共通に発生するステータを設けた回転陽極型X線管装置である。
【0009】
また、この発明は、上記の回転陽極型X線管において、陽極ターゲットの回転開始時または回転停止時に、液体金属潤滑材の回転角速度がロータ部分の回転角速度よりも大きくなるように制御するする回転陽極型X線管の制御方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図1を参照して説明する。符号10は回転陽極型X線管を構成する真空容器で、図1ではその一部が示されている。真空容器10内に陽極ターゲット11が配置され、陽極ターゲット11は回転支持機構によって回転可能に支持されている。回転支持機構は陽極ターゲット11と一体で回転する回転部分およびこの回転部分に嵌合する固定部分から構成され、陽極ターゲット11はその回転部分たとえば有底円筒状の回転円筒12に連結されている。
【0011】
回転円筒12は、たとえば陽極ターゲット11側に位置する径小部12aおよびこの径小部12aよりも内径が大きい筒状の径大部12b、径小部12aと径大部12bを結ぶフランジ状の段差部12cから構成されている。径大部12bの図示下方の開口はスラストリング13で封止されている。スラストリング13および回転円筒12は機械的に連結され、回転支持機構の回転部分を構成している。また、スラストリング13の外周側壁部分に円筒ロータ14が固定されている。
【0012】
円筒ロータ14は熱および電気の伝導度が高い銅などで形成され、外部から付与される回転磁界によって回転力を発生するロータとして機能する。円筒ロータ14の回転はスラストリング13および回転円筒12を介して陽極ターゲット11に伝達し、陽極ターゲット11を回転させる。また、回転円筒12やスラストリング13などの回転部分で囲まれた内部空間に円柱状の固定体15が嵌合している。
【0013】
固定体15は回転支持機構の固定部分を構成し、たとえば回転円筒12の径小部12aに嵌合する第1径小部15aおよびこの第1径小部15aよりも外径が大きく回転円筒12の径大部12bに嵌合する径大部15b、この径大部15bよりも外径が小さくスラストリング13の部分を貫通する第2径小部15cから構成されている。第2径小部15cの図示下方に筒状の陽極支持部16が連結している。
【0014】
回転部分と固定部分の嵌合部分、たとえば回転円筒12やスラストリング13と固定体15との嵌合部分に動圧式すべり軸受が形成されている。たとえば固定体15の第1径小部15aの中間位置に環状の凹部17が形成され、凹部17を挟んだその上方領域および下方領域に、それぞれヘリンボンパターンのらせん溝A1、A2が形成されている。また、径大部15bの管軸mに垂直なその上下両面にヘリンボンパターンのらせん溝B1、B2が形成されている。
【0015】
らせん溝A1、A2、B1、B2の部分および回転円筒12やスラストリング13と固定体14との嵌合部分の隙間にGa合金などの液体金属潤滑材が充填され、らせん溝A1、A2の部分に軸受面が管軸mに平行なラジアル方向の動圧式すべり軸受Ra、Rbが形成されている。また、らせん溝B1、B2の部分に軸受面が管軸mに垂直なスラスト方向の動圧式すべり軸受Sa、Sbが形成されている。
【0016】
固定体15の径大部15bに形成されたらせん溝B1、B2の外側に、らせん溝B1、B2の部分よりも嵌合隙間が大きい第1逃げ部181および第2逃げ部182が形成されている。この場合、固定体15の径大部15bは、らせん溝B1、B2の部分は管軸m方向の厚さが厚い肉厚に形成され、その外側の逃げ部181、182は厚さが薄い肉薄に形成されている。逃げ部181、182の部分には液体金属潤滑材が充填され、液体金属潤滑材の溜め部になっている。
【0017】
また、固定体15の第1径小部15aから径大部15bの部分にかけてダクト19が形成されている。ダクト19の一端19aは、回転円筒12の径大部12bと固定体15の径大部15bとが管軸mに平行な面どうしで嵌合する領域、たとえば管軸mを中心とする半径方向において、第1および第2の逃げ部181、182よりも遠くに位置する径大部15bの外周側壁部に開口している。ダクト19の他端19bはたとえばらせん溝A1が形成された動圧式すべり軸受Raの領域に開口している。
【0018】
この場合、他端19bの開口は、軸受面どうしの摩耗や焼き付、かじりなどが発生しやすい位置たとえば凹部17よりも上端面の方に近い位置に設けられる。ダクト19の中間部分は管軸mに平行で、上端および下端で垂直に折れ曲がり、それぞれの開口に連結している。ダクト19は、管軸mに対し回転対称となる位置に複数たとえば3個設けられる。
【0019】
また、真空容器10の外側で、第1および第2の逃げ部181、182や円筒ロータ14の近傍に回転磁界を発生するステータ20が配置されている。ステータ20は環状の鉄心20aおよびコイル20bなどから構成され、鉄心20aの部分が逃げ部181、182や円筒ロータ14の少なくとも一部を囲むように配置されている。この場合、逃げ部181、182および円筒ロータ14は重ならないように管軸方向にずらしている。
【0020】
上記した構成において、ステータ20のコイル20bにたとえば交流電圧を加え、鉄心20a内に回転磁界を発生させ、円筒ロータ14を回転させ、さらに陽極ターゲット11を回転させる。この状態で、陽極ターゲット11に電子ビームを照射し、陽極ターゲット11からX線が放出する。
【0021】
回転陽極型X線管の動作時、ステータ20が発生する回転磁界により、たとえば逃げ部181、182の液体金属潤滑材が管軸を中心に回転する。このとき、液体金属潤滑材のたとえば管軸mから離れた遠い部分に遠心力に基づく圧力Pが発生する。
【0022】
この圧力Pはダクト19内の液体金属潤滑材を介して、ダクト19の他端19b開口に伝達し、らせん溝A1が形成された領域に静圧ラジアル軸受機能を発生する。したがって、回転部分の起動時や停止時など、動圧式すべり軸受の負荷能力が低下した場合、あるいは負荷能力がほとんどなくなった場合にも、静圧ラジアル軸受機能が作用し、回転部分と固定部分の接触が防止される。また、接触する際の圧力が軽減する。
【0023】
たとえば図1で、逃げ部の外径が38mm(半径r2 =0.019m)、内径が32mm(半径r1 =0.016m)で、逃げ部の隙間に溜まった液体金属潤滑材が200rpsで回転する場合、逃げ部の外周部に遠心力で発生する圧力Pは、
P=(ρω2 /3r2 )(r2 3 −r1 3)…(1)
となる。
(1)式に、ρ=6200(kg/m3 )、ω=2π・200(rad/sec)、r2 =0.019(m)、r1 =0.016(m)を代入すると、P=474589Pa=4.84kgf/cm2 となる。
【0024】
図1の場合、ダクト19の一端19aが逃げ部181、182よりも管軸mから遠い位置に開口している。この場合、その一端19aは、逃げ部181、182の全体よりも外側に位置する必要はなく、逃げ部181、182の一部区間よりも外側に位置する場合でも圧力が発生する。しかし、逃げ部181、182全体よりも管軸mから遠い外側に位置する方が静圧軸受機能が大きくなる。
【0025】
また、図1では、嵌合隙間の大きい逃げ部181、182がない場合でも、ダクト19の一端19aを、管軸に直交する嵌合部分の所定長さ区間の外側に設ければ静圧ラジアル軸受機能を発生させることができる。しかし、逃げ部181、182を設けた場合、逃げ部181、182に溜まった液体金属潤滑材がダクト19部分に補給されるという効果がある。
【0026】
次に、本発明の他の実施形態について図2を参照して説明する。図2は、図1に対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0027】
この実施形態の場合、固定体15の径大部15bは全体が同じ厚さに形成され、回転円筒12の段差部12cおよびスラストリング13と対向する領域のほぼ全体にらせん溝B1、B2が形成されている。また、固定体15の径大部15bの中央に、液体金属潤滑材の溜め部となる空洞部21が形成されている。この場合、空洞部21は回転ロータ14に対し管軸方向に位置をずらして設けられている。また、空洞部21と固定体15の上端面の間に管軸mに沿って、液体金属潤滑材を収納する収納室22が設けられ、収納室22から直角に分岐し液体金属潤滑材を凹部17に供給する通路23が設けられている。そして、固定体15の第1径小部15aに第1および第2の2つのダクト24、25が設けられている。
【0028】
第1のダクト24の一端24aは空洞部21内の管軸mから遠い側に開口し、他端24bは動圧式すべり軸受Raが形成された領域よりも上方すなわち動圧式すべり軸受Raでない領域に開口している。第2のダクト25の一端25aは空洞部21の管軸mから遠い位置に開口し、他端25bはたとえば動圧式すべり軸受Rbが形成された領域よりも下方に開口している。
【0029】
ステータ20は、たとえばその鉄心20a部分が回転ロータ14や空洞部21の少なくとも一部を囲むような関係に配置されている。
【0030】
上記した構成によれば、ステータ20が発生する回転磁界が円筒ロータ14で遮断されることなく空洞部21に溜まった液体金属潤滑材に付与され、空洞部21内の液体金属潤滑材が回転する。これにより、2つのダクト24、25の他端24a、25aの開口に静圧のラジアル軸受機能が発生する。
【0031】
たとえば図2で、空洞部21の外径が30mm(半径r2 =0.015m)、液体金属潤滑材の内側の径が20mm(半径r1 =0.010m)で、空洞部21の隙間に溜まった液体金属潤滑材が200rpsで回転する場合、空洞部21の外周部(φ2 =30mm)に遠心力で発生する圧力Pは、
P=(ρω2 /3r2 )(r2 3 −r1 3 )…(1)
となる。
(1)式に、ρ=6200(kg/m3 )、ω=2π・200(rad/sec)、r2 =0.015(m)、r1 =0.010(m)を代入すると、P=516729Pa=5.27kgf/cm2 となる。
【0032】
図2は、2つのダクト24、25が動圧式すべり軸受Ra、Rbを避けた領域に開口している。この場合、ダクト24、25の開口によって動圧式すべり軸受の軸圧が低下しないという効果がある。
【0033】
次に、本発明の他の実施形態について図3を参照して説明する。符号30は回転陽極型X線管を構成する真空容器で、図3ではその一部が示されている。真空容器30の図示下端に封止リング31が封着され、封止リング31の内側にリング状の封止部材32が接合されている。また、真空容器30内に陽極ターゲット33が配置されている。
【0034】
陽極ターゲット33は固定ねじ34で回転支柱35に固定され、回転支柱35は回転支持機構に固定されている。回転支持機構は互いの嵌合部分に軸受機構が設けられた回転部分や固定部分などから構成され、陽極ターゲット33を回転可能に支持している。回転支柱35は回転支持機構の回転部分たとえば回転円筒36に連結されている。
【0035】
回転円筒36は、たとえば回転支柱35が直接連結された中間円筒36aおよび中間円筒36aの内側に接合された有底円筒状の内側円筒36bなどから構成されている。中間円筒36aは陽極ターゲット33が発生した熱の伝達を抑える機能を有し、内側円筒36bはその内側に軸受面が形成されている。また、中間円筒36aの外側に外側円筒37が接合されている。外側円筒37は銅製で、外部から付与される回転磁界により回転力を発生する円筒ロータとして機能する。なお、中間円筒36aおよび内側円筒36b、そして外側円筒37は同軸に配置され、たとえば3層構造になっている。
【0036】
内側円筒36bの図示上方たとえば陽極ターゲット33側は肉厚が厚い肉厚部b1に形成され、図示下方は肉厚が薄い肉薄部b2に形成されている。肉厚部b1と肉薄部b2の境界に段差面Aが形成されている。肉厚部b1は肉厚が厚い分だけ肉薄部b2よりも内径が小さくなっている。内側円筒36bの図示下端の開口はスラストリング38で封止されている。内側円筒36bおよびスラストリング38はねじ39で一体に固定され、両者はともに回転支持機構の回転部分を構成している。また、内側円筒36bおよびスラストリング38で囲まれた内側空間に固定体40が嵌合されている。
【0037】
固定体40は回転支持機構の固定部分を構成し、その図示下端401はスラストリング38および封止部材32を貫通し、真空容器30の外側まで伸び、封止部材32の部分で気密接合されている。固定体40は、内側円筒36bとの嵌合領域に、外径が小さい径小部40aおよびこの径小部40aよりも外径が大きい径大部40bが設けられ、径小部40aと径大部40bの境界に段差面Bが形成されている。径小部40bの一部が内側円筒36bの肉厚部b1に嵌合し、径大部40aの一部が内側円筒36bの肉薄部b2に嵌合している。段差面Bは、管軸m方向において外側円筒37からずれた位置たとえばその下端37aよりも図示下方に位置している。
【0038】
また、内側円筒36bと固定体40が嵌合する部分、たとえば固定体40の径小部40aの外周面および固定体40の径大部40bの外周面にらせん溝(図示せず)が形成され、このらせん溝の部分に液体金属潤滑材が充填され、軸受面が管軸mと平行なラジアル方向の動圧式すべり軸受Ra、Rbが形成されている。また、内側円筒36bの底部と対向する固定体40の上端面およびスラストリング38の上面と対向する固定体40の段部に、それぞれらせん溝(図示せず)が形成され、このらせん溝の部分に液体金属潤滑材が充填され、軸受面が管軸に直交するスラスト方向の動圧式すべり軸受Sa、Sbが形成されている。
【0039】
内側円筒36bの段差面Aと固定体40の段差面Bは管軸mの延長方向において位置がずれ、段差面Aと段差面Bとの間に、ラジアル方向の動圧式すべり軸受Ra、Rbの部分よりも、管軸mを中心にしたその半径方向おける嵌合隙間が大きい筒状嵌合部、いわゆる液体金属潤滑材の溜め部となる逃げ部45が形成されている。逃げ部45に液体金属潤滑材が充填され、また、その液体金属潤滑材中に固定体40を取り巻く浮動体たとえば円筒状スリーブ46が配置されている。円筒状スリーブ46はたとえば内側円筒36bや固定体40の軸受面と同じ材料で形成され、液体金属潤滑材に浸漬され浮いた状態になっている。
【0040】
また、内側円筒36bの肉厚部b1に、内側円筒36bおよび固定体40の嵌合部分と逃げ部45とを結んでダクト47が形成されている。ダクト47の一端47aはたとえば段差面Aの管軸から遠い側の端に開口し、他端47bは肉厚部b1と固定体40の径小部40aが嵌合する部分、たとえば動圧式すべり軸受Raが形成された領域に開口し、このダクト47内に液体金属潤滑材が充填されている。
【0041】
固定体40の径大部40bには、液体金属潤滑材を逃げ部45に戻すための戻り通路48が形成されている。戻り通路48の一端48aは内側円筒36bの肉薄部b2内面のスラストリング38に近い下端に開口し、他端48bは段差面Bの管軸mに近い側の端に開口している。
【0042】
また、真空容器30の外側に、回転磁界を発生するステータ49が円筒ロータ37の近傍に配置されている。ステータ49は鉄心49aやコイル49bなどから構成され、たとえばその鉄心49aの部分が外側円筒37および逃げ部の少なくとも一部を囲む位置に配置されている。
【0043】
上記した構成において、ステータ49が発生する回転磁界によって円筒ロータ37が回転する。円筒ロータ37の回転は陽極ターゲット33に伝達され陽極ターゲット33が回転する。この状態で、陽極ターゲット33に電子ビームが照射され、陽極ターゲット33からX線が放出される。
【0044】
上記した構成の場合、回転陽極型X線管が動作状態に入ると、逃げ部45のたとえば段差面B近傍の液体金属潤滑材が回転する。このとき、液体金属潤滑材の外周部たとえば管軸mから離れた部分に遠心力に基づく圧力Pが発生し、たとえば逃げ部45の液体金属潤滑材に圧力Pが発生する。
【0045】
この圧力Pはたとえば円筒状スリーブ46外側の隙間やダクト47内の液体金属潤滑材を介して、ダクト47の他端47bに伝達され、たとえばらせん溝41aが形成された動圧式すべり軸受の領域に静圧ラジアル軸受機能を発生する。したがって、起動時や停止時に、動圧式すべり軸受の負荷能力が低下し、あるいは負荷能力がほとんどなくなった場合にも、静圧ラジアル軸受機能によって回転部分と固定部分の接触が防止される。また、接触する際の圧力が軽減される。なお、軸受部分に送り出された液体金属潤滑材は、たとえば戻り通路48から逃げ部45に戻る構成になっている。
【0046】
上記した構成は、逃げ部45に円筒状スリーブ46を設け、液体金属潤滑材に浸漬させている。浮動スリーブ46を配置した場合、内側円筒36bと円筒状スリーブ46間、および、円筒状スリーブ46と固定体40間の回転速度差が小さく、逃げ部45における乱流の発生が抑えられ発熱が低下する。
【0047】
また、内側円筒36bが回転状態であっても、非回転状態であっても、円筒状スリーブ46に荷重がかからない。したがって、大重量の陽極ターゲットを用いる場合や、CT装置などに搭載され陽極ターゲットに高い加速度が加わる場合でも、円筒状スリーブ46は変形しない。そのため、円筒状スリーブ46によって回転特性が不良になったり、かじりが発生したりすることがない。
【0048】
次に、本発明の他の実施形態について図4を参照して説明する。図4は、図3に対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0049】
この実施形態の場合、固定体40内部に空洞部51いわゆる液体金属潤滑材の溜め部が形成されている。空洞部51と固定体40の上端面との間に管軸mに沿って、液体金属潤滑材を収納する収納室52が設けられている。また、収納室52から分岐し嵌合部分に向って液体金属潤滑材を供給する通路53が設けられている。また、固定体40内部に第1および第2の2つのダクト54、55が設けれている。
【0050】
第1のダクト54の一端54aは空洞部51内の管軸mから遠い位置に開口し、他端54bはたとえば動圧式すべり軸受Raが形成された領域よりも上方に開口している。第2のダクト55の一端55aは空洞部51内の管軸mから遠い位置に開口し、その他端55bはたとえば動圧式すべり軸受Rbが形成された領域よりも下方に開口している。
【0051】
ステータ49は、たとえばその鉄心49a部分が円筒ロータ37および空洞部51の少なくとも一部を囲むように配置されている。この場合、円筒ロータ37および空洞部51の位置が管軸方向にずれているため、ステータ49が発生する回転磁界が円筒ロータ37に遮断されることなく空洞部51に付与される。
【0052】
上記した構成によれば、ステータ49から付与される回転磁界で空洞部51の液体金属潤滑材が回転し、2つのダクト54、55の他端たとえば内側円筒36bと固定体40の嵌合部分側の開口に静圧のラジアル軸受機能が発生する。この場合、2つのダクト54、55の他端開口は、たとえば動圧式すべり軸受Ra、Rbの領域を避け、動圧式すべり軸受の軸圧が低下しないようにしている。
【0053】
次に、本発明の他の実施形態について図5を参照して説明する。図5は、図4に対応する部分に同じ符号を付し重複する説明を一部省略する。
【0054】
この実施形態の場合、回転磁界によって回転する液体金属潤滑材を溜める空洞部51を固定体40の内部でなく、真空容器30の外側に設けている。また、内側円筒36bおよび固定体40の嵌合部分と空洞部51との間に第1および第2の2つのダクト54、55を設け、液体金属潤滑材を回転させる潤滑材用ステータ61を円筒ロータ37用のステータ49とは別に設けている。
【0055】
図5では、空洞部51を真空容器30の外側に設けている。しかし、真空容器30内に陽極部分を封止する封止部材32の部分に設けることもできる。
【0056】
上記の各実施形態では、液体金属潤滑材に働く遠心力を利用して静圧ラジアル軸受機能を発生させる場合で説明している。しかし、液体金属潤滑材の回転で発生する圧力が伝達されるダクトの開口を、嵌合部分の管軸に垂直なスラスト面に設けることもできる。この場合、静圧スラスト軸受機能が発生する。
【0057】
また、図1ないし図4の実施形態では1つのステータを配置している。しかし、図5の場合と同様に、円筒ロータに回転力を発生させるロータ用ステータと、溜め部の液体金属潤滑材に回転力を発生させる潤滑材用ステータを独立に設けることができる。ロータ用ステータおよび潤滑材用ステータを別に設けた場合、円筒ロータの回転と液体金属潤滑材の回転を独立して制御できる。
【0058】
たとえば、陽極ターゲットの回転を0から上昇させる起動時または陽極ターゲットの回転を降下し停止させる停止時に、たとえば溜め部の液体金属潤滑材の回転角速度を円筒ロータの回転角速度よりも高くなるように制御できる。この場合、静圧軸受機能が発生した状態で、回転体の回転速度が上昇し、停止するため、軸受面どうしの摩耗や焼き付、かじりなどが防止される。
【0059】
また、陽極ターゲットの起動時、円筒ロータの回転数が実質上高くならないように、たとえば円筒ロータを回転させずに、溜め部の液体金属潤滑材の回転角速度だけを高くし、その後、円筒ロータの回転角速度を高くするように制御できる。この場合、静圧軸受機能が働いている状態で、陽極ターゲットが回転を始め、あるいは回転速度が上昇するため、軸受面の摩耗や焼き付、かじりなどを防止できる。
【0060】
また、陽極ターゲットの停止時、円筒ロータの回転数が実質上高くならないように抑え、溜め部の液体金属潤滑材の回転数のみを高めるように制御することもできる。この場合も、静圧軸受機能が働く状態で陽極ターゲットが停止に向う。そのため、停止時に、軸受面どうしの摩耗や焼き付、かじりなどを防止できる。また、陽極ターゲットの起動時や停止時に、溜め部の液体金属潤滑材の回転角速度が、ロータ部分の回転角速度よりも高くなるように制御できる。この場合も、同様の効果が得られる。なお、円筒ロータや溜め部の液体金属潤滑材の回転制御はコイルに加える駆動信号の周波数や電圧によって調整される。
【0061】
円筒ロータおよび溜め部の液体金属潤滑材に共通のステータを用いる場合でも、たとえばコイルに印加する駆動信号の電圧を小さくし、発生する回転磁界の強度を弱くすれば、起動時、摩擦が大きい円筒ロータの回転を起動させず、摩擦が小さい溜め部の液体金属潤滑材のみを回転させ、その後、円筒ロータを回転させることができる。また、停止時には、溜め部の液体金属潤滑材の回転角速度を円筒ロータよりも大きくできる。
【0062】
なお、上記の各実施形態は、固定部分にらせん溝を形成している。しかし、動圧式すべり軸受を設ける場合、固定部分と対向する回転部分にらせん溝を形成してもよく、両方にらせん溝を形成してもよい。
【0063】
また、軸受面どうしの摩耗などの問題は、陽極ターゲットや回転部分、円筒ロータなど回転体全体の重心が2つのラジアル方向の動圧式すべり軸受の間にない場合に多く発生する。したがって、本発明は、回転体全体の重心が2つのラジアル方向の動圧式すべり軸受の間にない構造の回転陽極型X線管に有効である。
【0064】
上記した構成によれば、起動時や停止時などに発生する摩耗や焼き付、かじりが防止され、長期に亙り安定な回転特性を維持できる回転陽極型X線管および回転陽極型X線管装置並びにその制御方法を提供できる。
【0065】
【発明の効果】
この発明によれば、長期にわたり安定な回転特性を維持できる回転陽極型X線管および回転陽極型X線管装置並びにその制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態を説明するための断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を説明するための断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を説明するための断面図である。
【符号の説明】
10…真空容器
11…回転陽極型X線管
12…回転円筒
13…スラストリング
14…円筒ロータ
15…固定体
16…陽極支持部
17…凹部
181、182…逃げ部
19…ダクト
19a…ダクトの一端
19b…ダクトの他端
20…ステータ
Ra、Rb…ラジアル方向の動圧式すべり軸受
Sa、Sb…スラスト方向の動圧式すべり軸受

Claims (16)

  1. 真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分と、鉄心およびコイルを有し前記ロータ部分に回転磁界を付与するステータとを具備した回転陽極型X線管装置において、前記回転部分と前記固定部分の嵌合部分に設けられ、かつ前記ロータ部分と重ならないように管軸方向にずらされ少なくとも一部が前記鉄心の部分に囲まれ、前記動圧式すべり軸受部分よりも嵌合隙間が大きい逃げ部と、一端が前記逃げ部の一部区間よりも外側に位置する嵌合部分に開口し、他端が前記一端と相違する領域の前記嵌合部分に開口するダクトを設けたことを特徴とする回転陽極型X線管装置
  2. 真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分と、鉄心およびコイルを有し前記ロータ部分に回転磁界を付与するロータ用ステータとを具備した回転陽極型X線管装置において、前記回転部分と前記固定部分の嵌合部分に設けられ、かつ前記ロータ部分と重ならないように管軸方向にずらされ前記動圧式すべり軸受部分よりも嵌合隙間が大きい逃げ部と、一端が前記逃げ部の一部区間よりも外側に位置する前記回転部分と前記固定部分の嵌合部分に開口し、他端が前記一端とは相違する前記嵌合部分に開口するダクトと、前記逃げ部に回転磁界を付与する潤滑材用ステータとを設けたことを特徴とする回転陽極型X線管装置
  3. 真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分と、鉄心およびコイルを有し前記ロータ部分に回転磁界を付与するステータとを具備した回転陽極型X線管装置において、前記固定部分に、前記ロータ部分に対し管軸方向に位置をずらし、少なくとも一部が前記鉄心の部分で囲まれた空洞部を設け、一端が前記空洞部に開口し、他端が前記嵌合部分に開口するダクトを設けたことを特徴とする回転陽極型X線管装置
  4. 真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分と、鉄心およびコイルを有し前記ロータ部分に回転磁界を付与するロータ用ステータとを具備した回転陽極型X線管装置において、前記固定部分に、前記ロータ部分に対し管軸方向に位置をずらした空洞部と、一端が前記空洞部に開口し、他端が前記嵌合部分に開口するダクトと、前記空洞部に回転磁界を付与する潤滑材用ステータとを設けたことを特徴とする回転陽極型X線管装置
  5. 真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分と、鉄心およびコイルを有し前記ロータ部分に回転磁界を付与するステータとを具備した回転陽極型X線管装置において、前記回転部分と前記固定部分の嵌合部分に設けられ、かつ前記ロータ部分と重ならないように管軸方向にずらされ少なくとも一部が前記鉄心の部分に囲まれ、前記動圧式すべり軸受部分よりも嵌合隙間が大きい逃げ部と、一端が前記逃げ部に開口し他端が前記逃げ部を除いた領域の前記嵌合部分に開口するダクトとを設けたことを特徴とする回転陽極型X線管装置
  6. 真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分と、鉄心およびコイルを有し前記ロータ部分に回転磁界を付与するロータ用ステータとを具備した回転陽極型X線管装置において、前記回転部分と前記固定部分の嵌合部分に設けられ 、かつ前記ロータ部分と重ならないように管軸方向にずらされ、前記動圧式すべり軸受部分よりも嵌合隙間が大きい逃げ部と、一端が前記逃げ部に開口し他端が前記逃げ部を除いた領域の前記嵌合部分に開口するダクトと、前記逃げ部内の液体金属潤滑材に回転磁界を付与する潤滑材用ステータとを設けたことを特徴とする回転陽極型X線管装置
  7. 真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分と、前記ロータ部分に回転磁界を付与するロータ用ステータとを具備した回転陽極型X線管装置において、液体金属潤滑材を溜める空洞部と、前記回転部分と前記固定部分の嵌合部分と前記空洞部との間に設けたダクトと、前記液体金属潤滑材を回転させる潤滑材用ステータとを設けたことを特徴とする回転陽極型X線管装置
  8. 真空容器内に配置した陽極ターゲットと、この陽極ターゲットと一体で回転する回転部分と、この回転部分と嵌合しその嵌合部分の一部に動圧式すべり軸受が設けられた固定部分と、外部から付与される回転磁界により前記陽極ターゲットを回転させる回転力を発生するロータ部分とを具備した回転陽極型X線管装置において、前記ロータ部分に対し管軸方向に位置がずらされ回転磁界を発生するステータの鉄心に囲まれた所定領域に溜まった液体金属潤滑材の回転に伴う遠心力で発生する圧力を、前記固定部分に形成したダクト内の前記液体金属潤滑材を介して前記嵌合部分に伝達し、軸受機能として利用することを特徴とした回転陽極型X線管装置。
  9. ロータ部分に回転磁界を付与するロータ用ステータと、液体金属潤滑材に回転磁界を付与する潤滑材用ステータとを設けた請求項8記載の回転陽極型X線管装置。
  10. 空洞部を固定部分に設け、かつ、ダクトの一端が前記空洞部の管軸から離れた部分に開口する請求項3、4、7のいずれか1つに記載の回転陽極型X線管装置
  11. 管軸に直交する嵌合部分に動圧式すべり軸受を設け、かつ、この動圧式すべり軸受の外側に、前記動圧式すべり軸受部分よりも嵌合隙間が大きい逃げ部を設けた請求項1または2記載の回転陽極型X線管装置
  12. ダクトの他端が動圧式すべり軸受が設けられていない領域に開口する請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の回転陽極型X線管装置。
  13. 液体金属潤滑材に浸漬する浮動体を逃げ部に配置した請求項5または請求項6記載の回転陽極型X線管装置
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の回転陽極型X線管装置において、陽極ターゲットの回転開始時または回転停止時に、逃げ部または空洞部または所定領域の液体金属潤滑材の回転角速度がロータ部分の回転角速度よりも大きくなるように制御することを特徴とする回転陽極型X線管装置の制御方法。
  15. 請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の回転陽極型X線管装置において、陽極ターゲットの回転開始時に、ロータ部分の回転を起動させずに逃げ部または空洞部または所定領域の液体金属潤滑材を回転させる第1工程と、この第1工程の後、前記ロータ部分の回転を起動させる第2工程とを有することを特徴とする回転陽極型X線管装置の制御方法
  16. 請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の回転陽極型X線管装置において、陽極ターゲットの回転停止時に、逃げ部または空洞部または所定領域の液体金属潤滑材の回転角速度を高める工程を有することを特徴とする回転陽極型X線管装置の制御方法。
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