JP4544690B2 - カソードスキャン型x線発生器及びx線ctスキャナ - Google Patents

カソードスキャン型x線発生器及びx線ctスキャナ Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、小型でありながら、高速度で周回するX線焦点からX線を放射して超高速スキャンができるX線CTスキャナ用のカソードスキャン型X線発生器及びこれを使った超高速スキャンができるのX線CTスキャナに関する。X線焦点を周回させる機構を真空容器内の小型の部品に限定することにより、大気中における機械的な回転機構を持たずにX線焦点を披検体の周囲に高速度で安定して周回させて被検体を瞬時に撮影して3次元の画像が得られる小型のX線CTスキャナを提供する。液体金属を潤滑剤とする動圧滑り軸受を使って真空容器内で電子銃組立を周回させると共に、真空容器内で回転している部品に真空容器の外から通電している。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線CTスキャナについて、概略の断面を表している図1を参照して説明する。従来のX線CTスキャナは、固定架台1001と、軸受1003を介し回転する回転架台1002とを有している。回転架台1002は制御器1008を用いて制御された回転駆動機構1009によって空気中において回転させられる。X線を発生する為のX線管1004や、これに高電圧を供給する為の高電圧電源(図示せず)や、X線を受け取る為の検出器1006や、その他の電子回路1007等をこの回転架台1002に取り付けた構造になっている。回転架台1002に取り付けられた電子回路の信号は図示しないスリップリングを介して固定架台1001に伝達される。この為に回転架台1002に取り付けられた部品の質量の和が大きくなって、X線CTスキャナのスキャン速度を増そうとすると大きな遠心力が働き、回転架台1002に取り付けられた部品や回転架台1002自体が過大な応力に耐えられないのでスキャン速度を高めることができない欠点を持っている。
【0003】
従来構造のX線CTスキャナに使われるX線管1004は、直径が10cm程度の円板状のX線ターゲットをシリンダー状の真空容器の中で3000rpm程度の高速度で回転させ、これに電子銃組立の陰極から放射された電子を衝突させてX線1005を一方向に放出するものであり、全体が円柱状に構成されている。多量のX線を発生させる必要があるX線CTスキャナ用のX線管では冷却器が必要であり、両者の質量の和は100Kg程度に大きくなり、体積も大きくなり、これを取り付けて空気中で回転させる為の回転架台1002は大型になり、X線CTスキャナ全体が大きくなって取り扱いが不便であるだけでなく、設置スペースも大きくなり、運転費用も多額であった。更に、近年になってX線CTスキャナの用途が広がるにしたがって血液や造影剤の瞬時的な観測が求められてきた。これに応える為には、X線管1004を高速度で被検体の周りで周回させる必要が生じている。これまでの最高の周回速度は2rpsであり、これが限度と考えられている。一方では、X線量を増して画質を高めて診断能を高めたいとの要求があり、従来のX線管1004の寸法と質量がますます増大する必要がある。
この相反する要求を同時に満たすことは従来の構造のX線CTスキャナでは不可能であった。
【0004】
一方で、スキャン速度を増す為に電子スキャン方式のX線CTスキャナが過去に開発された。これは、横倒しにおいた魔法瓶の形をした真空容器の底の位置に固定した電子銃組立から電子を取り出し、電子を真空容器内でおよそ100cm走行させながら、電磁的に電子の位置を制御して被検体の周りを周回させた後に、この電子を円弧状のX線ターゲットに入射させて半周回するX線を取り出すようになっている。この構造では、スキャン時間が0.1秒程度の高速スキャンができるが、十分なX線量が得られないこと等に起因して画質が劣悪であることや、X線の焦点が大き過ぎることや、安定な動作を維持し難いことや、装置全体が大きくて取り扱い難いことや、高価であること等の欠点を持ち、特殊な用途に使用されているにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、X線CTスキャナのスキャン時間を大幅に短縮して動きが速い被検体の撮影においてモーションアーチファクトを無くするとともに十分なレベルのX線量を確保してフォトンノイズが少ない良質な画像を得ることができ、装置全体が小型であって取り扱い易いX線CTスキャナを提供することである。特に、これを実現する為に真空中で信頼性よく使える軸受機構、及び真空中で回転している部品に給電できる給電機構として、動作時に液体である金属を潤滑剤として使用した環状の動圧滑り軸受を開発し、この軸受の直径が大きくて軸受の開口の高低落差が大きいにもかかわらず、液体金属潤滑剤が軸受機構の外に漏出せず、且つスラスト軸受の動圧力がいつも適正な値に保たれる機構を有するカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャナを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、X線CTスキャナの全ての回転部分をドーナツ状の真空容器の中に取り付けて最小限度まで小さくし、空気中での機械的な回転部分を無くすることにより超高速スキャンができるX線CTスキャナを実現している。真空容器はドーナツ状に作られており、真空容器の中心軸近傍の大気中に在る寝台上に被検体が置かれている。真空容器の中で周回する電子銃組立の陰極から電子が放出され、陰極の周回軌道に対向して真空容器内に取り付けてある環状のX線ターゲットに加速された電子が衝突してX線を発生させる。発生したX線は真空容器の小径側の壁に設けられたX線放出窓を通って大気中の被検体に照射される。被検体を通過したX線は前記の真空容器と同軸状に大気中において配設された環状のX線検出器で検出され、コンピュータで断層像に再構成されて表示装置に表示される。真空容器内のX線焦点を周回させる為の回転部分は軽量な電子銃組立などに限定されておりその体積が小さく、全体としてほぼ対称な形状であるので回転周期が0.1秒以下の高速回転をしても回転体にかかる応力が十分に小さくでき、安定して高速回転を続けることができる。また、同一の陰極側回転体組立に3個程度の電子銃組立が取り付けられるのでスキャン時間が0.03秒程度の超高速スキャンが行える。
【0007】
ドーナツ型の真空容器の内部で電子銃部分を周回させる方式のX線CTスキャナは過去に提案されているがこれまでに実現していない。その理由の一つは真空中において安定した回転を続ける手段と、回転体の電位を安定して一定値に設定する確かな手段が見出されなかった為である。本発明では真空中で信頼性よく使える軸受機構として、動作時に液体である液体金属を潤滑剤として使用した環状の動圧滑り軸受を採用し、この軸受の直径が大きくて軸受の開口部の周方向における高低落差が大きいにもかかわらず液体金属潤滑剤が軸受機構の外に漏出せず、且つスラスト軸受の動圧力がいつも適正な値に保たれるように軸受ギャップのサイズが変化できるギャップサイズ可変機構を提供している。また、液体金属潤滑剤を介して回転体の電位を一定値に設定している。
【0008】
軸受機構CBGの回転部分を構成する軸受回転体が回転しているときには軸受の表面に設けた軸受溝の吸引作用で液体金属潤滑剤が軸受の内部に閉じ込められる。一般的に、軸受回転体が回転を停止した時には、軸受機構内の液体金属潤滑剤が存在する領域と真空空間との実質的な境界を成す軸受開口において生じる液体金属潤滑剤の表面張力によって液体金属潤滑剤の漏出が防止される。しかるに、本発明のX線CTスキャナでは軸受回転体の回転中心軸が実質的に水平方向にあり、軸受開口の直径がおよそ100cmと大きい為に軸受開口の周方向における高低落差が大きく、軸受開口の鉛直下方に位置する部分にある液体金属潤滑剤は重力加速度によって大きな静圧力を受ける。この静圧力に打ち勝つ大きさの表面張力を得る為には軸受開口のギャップを極めて小さくするとともに、この部分に前記の液体金属潤滑剤で濡れない表面を持たせることが必要である。これを実現する為に、軸受開口に隣接する軸受をスラスト軸受に限定し、このスラスト軸受のギャップを十分に狭くした。スラスト軸受間の距離は短い為に熱膨張の影響が少ないし、回転に伴う遠心力による膨張もほとんど無いのでこの狭いギャップを保持することができる。また、このスラスト軸受を構成する対向面の内少なくとも一方の面は弾力性を持つ部分を介して軸受回転体又は軸受固定体に接続された環状の可動環板に構成されている。この部分の圧力調整作用で、軸受回転体が回転を停止した場合には軸受ギャップのサイズが小さくなって軸受開口における表面張力が大きくなり、軸受回転体が高速度で回転をしている場合にはスラスト軸受の軸受ギャップが広がり過大な動圧力が生じるのが防止される。従って、過大な軸受損失が生じることが無い。また、軸受回転体が高速度で回転をしている場合には液体金属潤滑剤は軸受溝の効果で軸受内に吸い込む作用が生じるので軸受ギャップが広げられても液体金属潤滑剤が軸受開口から真空領域に漏出することは無い。
【0009】
しかるに、予期し得ない理由により液体金属潤滑剤が上記の軸受開口よりも真空空間側にはみ出した場合に、この液体金属潤滑剤を再びスラスト軸受内に戻すことが好ましい。これを達成する手段として、前記のスラスト軸受と実質的に同じ平面内に在り、前記のスラスト軸受の軸受ギャップよりもわずかばかり大きなサイズのギャップを有しており、前記の液体金属潤滑剤で濡れない面を持つ液体金属潤滑剤漏出防止機構を取り付けている。この部分のギャップは軸受回転体と軸受固定体との対向した面から成っており、例えば1μm程度だけスラスト軸受の軸受ギャップのサイズよりも大きいので、いかなる場合にも機械的な接触をすることが無い。好適には、液体金属潤滑剤漏出防止機構は前記の軸受開口よりも直径が小さい側に在る。この場合、この位置に出てきた液体金属潤滑剤は軸受回転体の面の遠心力によって軸受内に戻す効果が生じる。更に好適には液体金属潤滑剤漏出防止機構に環状の窪みと環状の突起を同心状に設けておくと環状の窪みの中に捕獲される等で液体金属潤滑剤が軸受機構の外側の真空空間に達するのが妨げられる。
【0010】
本発明を採用すれば、軸受面は真空容器に熱的に連通しており、真空容器は外部から強制冷却されているので軸受での発熱があるにもかかわらず、軸受面の温度が上がらず、熱膨張が少なく、長時間にわたって安定な動作を行うことができる。さらに、電子銃組立やX線ターゲットなどのように発熱する部品も軸受ギャップ内にある液体金属潤滑剤を介して強制冷却され、熱膨張等が抑制される。
【0011】
【発明の実施の形態】
カソードスキャン型X線発生器はドーナツ型の真空容器で包まれており、この真空容器は中心軸がほぼ水平になるように設置してあり、その中心軸の近くの大気中に被検体(人体)が置かれており、真空容器は被検体を取り囲むように配置されている。真空容器は回転せずに固定されており、被検体との角度及び水平方向の位置は変えることができるようになっている。この真空容器の内部の真空空間においてX線焦点が被検体の周りを周回するように、X線焦点が移動しながら被検体に向ってX線が発生される。この周回するX線を使用することにより大気中に回転機構を持たないX線CTスキャナを実現している。従来の構造のX線CTスキャナでは実現が不可能であった超高速スキャンが行えるとともに大出力が得られるX線CTスキャナ用のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使った超高速X線CTスキャナを簡単な構造で安価にしかも信頼性良く実現した。
【0012】
【実施例】
以下に、図面を参照して、本発明の一実施例によるカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャナの実施例を説明する。図2は本発明のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャナの全体構造体の概略の断面図であり、図3は原理図であり、図4は本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器の、ある瞬間に鉛直上方に位置する一部分の断面を拡大した図であり、ある瞬間に鉛直上方に位置した状態における電子銃組立周辺の断面の一部を拡大して示している。同じ部分は同じ記号を付している。図5は本発明のカソードスキャン型X線発生器の主要部である陰極側回転体組立の部分を拡大した断面図である。図6は図5の主要部を更に拡大した断面図である。図7から図10は他の実施例の図6に相当する部分を示した断面図である。
【0013】
図2に示すように、ドーナツ型の真空容器VVは中心軸がほぼ水平になるように設置してあり、図示しない真空ポンプによって排気口VCから高真空状態にいつも排気されている。図2又は図4に示すように、この真空容器VVの内部の真空空間に円筒状の陰極側回転体組立CRがあり、陰極側回転体組立CRは常温で液体である液体金属を潤滑剤とした動圧滑り軸受から成る軸受機構CBGによって真空中で回転自在に支承されており、これらの中心軸はCC’に一致している。陰極側回転体組立CRには電子銃組立EGが周方向に分離して3個取り付けてある。図2又は図4に示すように、陰極側回転体組立CRには銅でできた円筒状のロータRT2が同軸状に取り付けられており、これと同軸状に磁性体から成る磁路円筒が取り付けられている。ロータRT2に対向した状態で真空容器VVの外側において真空容器壁に沿って円弧状のステータLM2が取り付けられている。前記のロータRT2は前記の磁路円筒とステータLM2で挟まれた状態に配設されている。ロータRT2はステータLM2から真空容器VVの非磁性の材質で出来た壁を通して電磁誘導作用を受けて回転トルクを与えられるので陰極側回転体組立CRは回転する。陰極側回転体組立CRは動圧滑り軸受から成る軸受機構CBG内の液体金属潤滑剤を通して電気的にも熱的にも真空容器VVに接続されている。
【0014】
図4に示すように、電子銃組立EGの先端部には熱電子2を放出する陰極1が取り付けられている。この陰極1の周回軌道に対向した状態で環状のX線ターゲットTGが取り付けられている。図2に示すように、X線ターゲットTGは円筒状の陽極側回転体組立ARに機械的に結合されている。陽極側回転体組立ARは常温で液体である液体金属を潤滑剤とした動圧滑り軸受から成る軸受機構ABGを介して真空容器VVの一部に回転自在に取り付けられている。陽極側回転体組立ARには銅管でできたロータRT1が取り付けられており、これと同軸状に磁性体から成る磁路円筒が取り付けられている。ロータRT1に対向した状態で真空容器VVの外側において真空容器壁に沿って円弧状のステータLM1が取り付けられている。前記のロータRT1は前記の磁路円筒とステータLM1で挟まれた状態に配設されている。ロータRT1はステータLM1から真空容器VVの非磁性の材質で出来た壁を通して電磁誘導作用を受けて回転トルクを与えられるので陽極側回転体組立ARは回転する。X線ターゲットTGの回転中心軸と前記電子銃組立EGの陰極1の周回中心軸CC’とは一致しており、陰極1は常にX線ターゲットTGの表面と対向した状態で両者は互いに反対方向に回転する。
【0015】
図2又は図4を参照して陰極給電機構SL1について説明する。図2又は図4に示す実施例では3個の陰極給電機構SL1が同軸状に取り付けられており、3本の独立した電流通路を形成している。これらの図では陰極給電機構SL1の内部構造は簡略化して表している。電子銃組立EGの陰極1は、真空容器VV内の真空空間で電子銃組立EGの周回中心軸CC’と実質的に同じ中心軸を持つ環状の陰極給電機構SL1を通して高電圧端子HTに電気的に接続されている。高電圧端子HTには真空容器VVの外に在る図示しない高電圧電源からおよそー150KVの負の高電圧と電子銃組立EGの陰極1を加熱する電力が供給される。それぞれの陰極給電機構SL1は固定部と回転部を有し、固定部は絶縁体220を介して電気絶縁を保ちながら真空容器VVの一部に機械的に固定されている。陰極給電機構SL1の回転部と固定部は、液体金属を潤滑剤とする動圧滑り軸受を構成しており、液体金属潤滑剤を介して両者間で通電される。陰極給電機構SL1の回転部が電子銃組立EGに弾力性のある回転トルク伝達機構217で機械的に連結されており、陰極給電機構SL1は、ある程度の偏芯及び軸方向の変位を許容しながら電子銃組立EGと共に回転する。
【0016】
X線ターゲットTGは陽極側回転体組立ARの軸受機構ABG内に在る液体金属潤滑剤を介して電気的にも熱的にも真空容器VVに接続されている。真空容器VVは接地電位になっており、冷却水等で強制冷却されている。従って、X線ターゲットTGは接地電位に設定されると共に、X線ターゲットTGから発生した多量の熱は液体金属潤滑剤を介して真空容器VVの壁の部分を流れる冷却水で効率良く取り去られる。X線ターゲットTGと冷却水との間の熱抵抗は十分に小さいのでX線ターゲットTGの温度は低く保たれる為に大電力の入力が許容され、極めて多量のX線を短時間に発生することができる。
【0017】
電子銃組立EGは、図3に示すF1,F2,F3のように陰極側回転体組立CRの周囲に等配に3個取り付けられている。ここで、F1,F2,F3は前記の電子2が加速されてX線ターゲットTGに衝突してできるX線の3つの焦点を示している。X線焦点F1,F2,F3は同時にX線を発生させながら図3に示すように同時に同じ方向に周回する。これらのX線焦点の現在位置は陰極側回転体組立CRに取り付けられた角度検出機構(図示せず)によって検出される。X線焦点F1,F2,F3から放射されたX線は、図2又は図4に示すようにX線ターゲットTGの内側にあるX線分布制限機構によってファン状に整形され、陰極側回転体組立CRに取り付けられたファン方向分布整形器WF(図4参照)を通過してファン方向のX線強度分布を適正化された後に真空容器VVのX線放出窓XW(図4参照)を通過し、外部の環状のスリットSLTを通過した後に、被検体Mを通過してX線ターゲットTGと同軸状に取り付けられた2個の環状のX線検出器DF,DBのそれぞれの対向面に到達する。
【0018】
図3に示すように、X線焦点F1,F2,F3から出たX線は、それぞれが検出器の対向する部分D1,D2,D3にある細分化された検出素子で受信される。検出器の部分D1,D2,D3は互いに重ならないように照射野範囲などが決められている。検出器の部分D1,D2,D3の合計は環状検出器のほとんど全体を占めるのでX線検出器DF,DB内の全ての検出素子が有効に活用され、コスト対性能比が改善される。環状の検出器DF,DBはそれぞれが中心軸CC’の方向にも多数の検出素子列に分けられており、それぞれの検出素子で検出された信号は図示しない電子回路でデジタル信号に変換され、図示しないコンピュータで断層像に再構成され、図示しない画像表示装置に表示されてマルチスライスのCT画像を得ることができるようになっている。
【0019】
ある瞬間に鉛直上方に位置した状態における電子銃組立周辺の断面の一部を拡大して図4に示しており、同じ部分は同じ記号を付している。図4において、軸受機構CBGの内部構造は簡略化して表している。陰極側回転体組立CRは全体的に見ると概略回転対称構造であり、これに取り付けられた電子銃組立EG等の部品は小型で軽量であるので10rps程度の高速回転に十分耐えることができる。この場合、X線焦点が3個であるのでスキャン時間は0.03秒まで短縮することができる。X線ターゲットTGは直径が120cmと大型であり、X線焦点F1,F2,F3と反対方向に回転しており、前記のように強制冷却されているのでX線ターゲットTGの表面温度が高くなり難く、大電力の入力が許容されるので短時間に十分な量のX線を発生することができ、超高速スキャンであるにもかかわらずフォトンノイズが少ない良質なCT画像を得ることができる。また、マルチスライススキャンを実現しているのでX線の有効利用ができ、中心軸CC’と平行な方向の解像度を高めることもできるだけでなく、広い範囲の撮影を短時間で完了して3次元のリアルタイムCT画像を得ることができる。
【0020】
上記の構成のX線CTスキャナを実現する為に避けて通れないのは、前記の機器構成で実用できる軸受機構CBG、ABG、及び前記の陰極給電機構SL1の回転部分を真空中で回転自在に支承する動圧滑り軸受を実現させることである。従来は、直径が5cm以下である小型で且つ軸受の開口が片側のみにある動圧滑り軸受は実用化されている。この場合には、動圧滑り軸受の内部に挿入された液体金属潤滑剤は軸受の開口における表面張力の作用で軸受の開口より内側に留められていた。動圧滑り軸受の十分な軸受圧力を得る為には回転部分と固定部分のギャップのサイズは数十μmに限定されていた。例えば開口部におけるギャップのサイズが50μmの場合には液体金属潤滑剤の高低落差がおよそ18cmを超えると、重力加速度による液体金属潤滑剤の静圧力が軸受の開口における表面張力に打ち勝って液体金属潤滑剤が外部に漏出する。このことは、軸受の回転部分が回転を停止したときに深刻な問題となる。特に、本発明の場合のように軸受の開口の周方向における高低落差が100cm程度の動圧滑り軸受は従来の技術では実現不可能であった。
【0021】
図5と図6とを参照して動圧滑り軸受から成る軸受機構CBGの実施例について説明する。図5は陰極側回転体組立CRと陰極側の軸受機構CBGの断面の一部を拡大して表しており、図5の上方の部分は実使用時において、ある瞬間に鉛直上方に位置する部分を示し、下方の部分は同じ瞬間に鉛直下方に位置する部分を示している。図5においては中央部を省略して短縮して表示している。図6は図5の下方に位置する一部分の拡大図であり、軸受機構CBGの断面を表している。陰極側回転体組立CRには軸受機構CBGの回転部分である軸受回転体102が同軸状に取り付けてある。軸受回転体102には軸受機構CBGの固定部分である軸受固定体101がギャップを有して嵌め合わせてある。軸受固定体101の一部は真空容器VVに機械的及び熱的に結合されている。真空容器VVは図示しない支持架台に取り付けられており、設置床に対して適正な姿勢及び水平方向の位置が保てるようになっている。軸受固定体101と軸受回転体102とは互いに対向した面を有し、この対向した面は第一の軸受ギャップ103、108、第二の軸受ギャップ104,109、第三の軸受ギャップ106、111を有している。これらの軸受ギャップを構成する対向面の少なくとも一方にはヘリンボーン状の軸受溝がある。第一、第二、第三の軸受ギャップ内には常温で液体である液体金属、好適にはガリウム、インジューム、鈴の合金からなる潤滑剤が充填されており、それぞれの軸受ギャップは、ラジアル軸受と、これを挟んで互いに距離をもって対向して取り付けられた第一のスラスト軸受、及び第二のスラスト軸受のそれぞれの軸受ギャップと一致している。軸受ギャップ103と108、軸受ギャップ104と109、軸受ギャップ106と111とはそれぞれ同一のものであり、異なる番号は示す位置の違いを表している。ここで、軸受ギャップとは対向する面の少なくとも一方に前記の軸受溝を有していることを示している。
【0022】
陰極側回転体組立CRに回転トルクが与えられた場合には、これらの軸受内に動圧力が生じるので回転部分を浮上させて回転自在に支承することができる。軸受回転体102が回転している場合にはそれぞれのギャップ内の液体金属潤滑剤は、軸受の内部に閉じ込める作用を受けるので軸受のギャップから外部の真空空間に漏出することは無い。
【0023】
図5及び図6に示すように、前記の軸受固定体101と軸受回転体102が構成する対向面には第一の端部ギャップ105、110、第二の端部ギャップ107、112があり、ラジアル軸受の軸受ギャップ103,108と、第一の端部ギャップ105,110、及び第二の端部ギャップ107,112とを構成する対向面の中心軸は概略水平方向になった状態でCC’に一致している。前記の第一のスラスト軸受の軸受ギャップ104,109、及び第二スラスト軸受の軸受ギャップ106,111を構成するそれぞれの対向面は平面状になっており、第一のスラスト軸受の軸受ギャップ104,109はラジアル軸受の軸受ギャップ103,108と第一の端部ギャップ105,110とに、第二のスラスト軸受の軸受ギャップ106,111はラジアル軸受の軸受ギャップ103,108と第二の端部ギャップ107,112とに連通している。第一の端部ギャップ105,110と第二の端部ギャップ107,112を構成するそれぞれの対向面の直径はラジアル軸受の軸受ギャップ103,108を構成する対向面の直径より小さくなっている。第一の端部ギャップ105,110のサイズと第二の端部ギャップ107,112のサイズはラジアル軸受の軸受ギャップ103、108のサイズよりも大きくなっており、第一の端部ギャップ105,110と第二の端部ギャップ107,112は両方とも真空空間と連通しており、それらを構成する対向面には前記の液体金属潤滑剤で濡れない表面(図示せず)を持っている。第一のスラスト軸受の軸受ギャップ104,109と第一の端部ギャップ105、110との間には環状の軸受開口121、121’があり、第二のスラスト軸受の軸受ギャップ106、111と第二の端部ギャップ107、112との間には環状の軸受開口120、120’がある。これらの軸受開口は、前記の液体金属潤滑剤で濡れない表面とこれで挟まれたギャップを持っており、前記の液体金属潤滑剤が存在する領域と真空空間との実質的な境界を形成している。軸受開口120、120’と軸受開口121、121’を構成するそれぞれの対向面の直径は、ラジアル軸受の軸受ギャップ103,108を構成する対向面の直径より小さくなっている。端部ギャップ105と110、端部ギャップ107と112、軸受開口120と120’、軸受開口121と121’とはそれぞれ同一のものであり、異なる番号は示す位置の違いを表している。軸受開口120’、121’はそれぞれ軸受開口120,121の鉛直上方に位置する部分を意味しているが図面では表示していない。ここで、端部ギャップとは対向する面の少なくとも一方に前記の濡れない面を有していることを示している。
【0024】
図6を参照してギャップサイズ可変機構の構造について説明する。ここでは、図示されている鉛直下方のみについて述べるが、回転対称の構造であることを理解されたい。軸受固定体101には、環状の薄板で出来ており弾力性がある接続機構195、196があり、この接続機構には可動環板140,141が取り付けられており、この可動環板140,141は、それぞれ第二のスラスト軸受及び第一のスラスト軸受の、軸受回転体102に在る軸受面に対向して取り付けられている。第一のスラスト軸受の軸受ギャップ109を構成する対向面の内の一つの面は軸受回転体102の表面にあり、回転中心軸CC’に垂直な面で構成されており、対向面の他の一つの面は前記の可動環板141の表面上に在ってこれらの両方の面は軸受ギャップ109を構成して対面している。前記の可動環板141が回転中心軸CC’の方向に移動することにより第一スラスト軸受の軸受ギャップ109のサイズが変化出来るようになっている。第二のスラスト軸受の軸受ギャップ111を構成する対向面の内の一つの面は、軸受回転体102の表面に在って回転中心軸CC’に垂直な面で構成されており、対向面の内の他の一つの面は、前記の可動環板140の表面上にあり、これらの両方の面は軸受ギャップ111を構成して対面している。前記の可動環板140が回転中心軸CC’の方向に移動することにより第二スラスト軸受の軸受ギャップ111のサイズが変化出来るようになっている。前記のように、可動環板140,141は弾力性がある接続機構195、196によって軸受固定体101に接続されているので可動環板140,141に回転軸CC’の方向の力が働くと容易に回転中心軸CC’の方向に移動できるが半径方向には移動し難いように作られている。図6の実施例では可動環板140,141が軸受固定体に環状の接続機構で繋がっており、回転しないようになっている。また、軸受機構内の液体金属潤滑剤は可動環板140,141及び接続機構195、196の部分では前記の軸受開口120,121以外には真空容器の真空空間に連通しない構造と成っている。
【0025】
次に、図6を参照してギャップサイズ可変機構の作用について説明する。手始めとして、ギャップサイズ可変機構をスラスト軸受に取り付けた理由について説明する。軸受開口120では、液体金属潤滑剤で濡れない表面において液体金属潤滑剤に表面張力が作用し、前記の軸受回転体102が回転を停止した場合にも液体金属潤滑剤が外部に漏出するのが防止される。重力加速度による液体金属潤滑剤内の静圧力は液体金属潤滑剤の喫水線からの深さに比例する。言い換えると、鉛直下方に位置するに従って液体金属潤滑剤内の静圧力が、より大きいことになる。一方、前記の表面張力による圧力効果は軸受ギャップのサイズに反比例する。従って、軸受開口120のギャップのサイズを十分に小さくしておくと大きな直径を持つ動圧滑り軸受の内部から液体金属潤滑剤が漏出するのを防止することができる。
【0026】
しかるに、本発明に使用される軸受の直径が100cm程度と大きい為にラジアル軸受のギャップのサイズは十分に小さな値に保つことが困難である。その一つの理由は、軸受回転体が10rps程度の高速回転をすると、この部分の遠心力による膨張が20μm程度生じる為に軸受ギャップのサイズを17μm程度に保つことは極めて困難であることである。第二の理由は、直径が大きい為に回転部分の熱膨張差が大きくなり、軸受ギャップのサイズを精度良く保つのが困難であることである。従って、ラジアル軸受に軸受開口があるとこの部分のギャップのサイズが大きくなるので大きな表面張力を発生させることが極めて困難であり、軸受機構内の液体金属潤滑剤が軸受機構から真空空間に漏出するのを防止するのは極めて困難である。
【0027】
本発明に使用される第一のスラスト軸受と第二のスラスト軸受の間隔は10cm以下であり、熱膨張の影響を小さく保つことができる。また、軸受ギャップを構成する面は回転軸CC’方向に垂直であるので遠心力の影響を無視できる。更に、スラスト軸受の軸受面は平面であるので加工精度を十分に高めることも容易であり、軸受ギャップのサイズを高精度に保つことは容易にできる。従って、スラスト軸受の軸受ギャップのサイズを十分に小さく保つことができる。例えば、軸受ギャップのサイズを17μmに保った場合には120cm以上の高低落差がある液体金属潤滑剤内の静圧力に打ち勝つ表面張力の圧力効果を発生させることができる。従って、真空空間との全ての実質的な境界をこのようにギャップのサイズが小さいスラスト軸受の端部に設けた軸受開口120,及び軸受開口121に限定することにより簡単に前記の液体金属潤滑剤をこれらの軸受開口の内部に閉じ込めることができ、液体金属潤滑剤が漏出しない動圧滑り軸受を実現することができる。
【0028】
上記のように、軸受回転体102が静止している場合にはスラスト軸受の軸受ギャップ111のサイズ、及びスラスト軸受の軸受ギャップ109のサイズを17μm以下に小さくすることで、液体金属潤滑剤が軸受開口120、及び軸受開口121よりも真空空間側に漏れないようにできる。しかしながら、スラスト軸受の軸受ギャップのサイズが一定値である場合には、軸受回転体102が高速度で回転しているときには、軸受ギャップのサイズが小さ過ぎて回転トルクが過大となって軸受損失が過大となることがある。これを避ける為に予めスラスト軸受の軸受ギャップのサイズを例えば50μm程度の大きな値に一定にしておくと、前記の軸受開口120、及び軸受開口121での液体金属潤滑剤の表面張力の圧力効果が液体金属潤滑剤内の静圧力よりも小さくなって軸受開口120、及び軸受開口121から真空空間側に液体金属潤滑剤が漏出する。軸受の動圧力は軸受回転体の回転速度に大きく影響を受けるので、軸受ギャップのサイズを一定にした場合には、軸受ギャップのサイズの高度な精度管理が必要となり、高価となるだけでなく例えば液体金属潤滑剤との反応や熱膨張などに起因する軸受ギャップのサイズの変化によって軸受機構の回転特性に悪影響が生じる。
【0029】
本発明を採用すると、前記のようにスラスト軸受の軸受ギャップのサイズは容易に回転中心軸CC’方向に変化するので軸受回転体102の回転速度が大きく変化してもスラスト軸受における動圧力は弾力性がある接続機構195、196の回転中心軸CC’方向の剛性のみに依存する。この接続機構195、196の回転中心軸CC’方向の剛性を小さくしておくとスラスト軸受の動圧力はいつもほぼ一定の値に出来る。また、他の実施例で示すように接続機構195、196の剛性を調整できるようにしておくとスラスト軸受の動圧力は任意の値に決めることが出来る。本発明のX線CTスキャナでは回転中心軸CC’は実質的に水平方向にあるのでスラスト軸受は重力加速度の影響が小さく、スラスト軸受の動圧力を小さな値に保っていても問題ない。スラスト軸受に動圧力が生じているときには液体金属潤滑剤を軸受内に引き込む作用があり、軸受開口120、及び軸受開口121から液体金属潤滑剤が漏出することは無い。
【0030】
上記のように、この発明を採用すると、真空空間と連通する前記の軸受開口120、及び軸受開口121の直径が100cmを超える場合において、軸受回転体102が静止している時にも回転している時にも液体金属潤滑剤が軸受機構CBGの外部の真空空間に漏出しないで安定な動作をする動圧滑り軸受を提供することができる。陽極側回転体組立ARに使用している動圧滑り軸受から成る軸受機構ABGも同様の構造と成っている。また、本発明を実施する場合に必須である陰極給電機構SL1に使われている動圧滑り軸受から成る軸受機構も同様の構造と成っている。
【0031】
軸受固定体101は外部から強制冷却されている真空容器VVに熱的にも結合してあるのでこの部分は低い温度に保つことができる。軸受回転体102は、ラジアル軸受、第一、第二のスラスト軸受の軸受ギャップ内にある液体金属潤滑剤を介して軸受固定体101に熱的に結合されており、十分に低い温度に保つことができる。また、軸受回転体102には陰極側回転体組立CRが機械的に結合してあり、陰極側回転体組立CRには電子銃組立EGなどの発熱体が取り付けてある。特に、陽極側の軸受機構AGBでは多量の熱を発生するX線ターゲットTGから多量の熱が流入する。これらの場合でも、上記の理由により、軸受部分の温度を十分に低く保つことができる。
【0032】
他の実施例について図7と図8を参照して説明する。図7に示す実施例では、スラスト軸受の軸受ギャップ111,109を構成する対向面の一つを可動環板201,202の表面とし、可動環板201,202は弾力性がある接続機構195、196を介して軸受回転体102に繋がっている。図7の場合には接続機構195、196が軸受回転体102の半径が大きい側の端部に結合されており、剛性が小さく成っているので動圧力が小さい場合、例えば軸受面積が小さい場合や回転速度が小さい場合に適する。図8の場合には接続機構195、196が軸受回転体102の半径が小さい側の端部に結合されており、剛性が比較的大きく成っているので動圧力が大きい場合、例えば軸受面積が大きい場合や回転速度が大きい場合に適する。いずれの場合にも、可動環板201,202は軸受回転体と共に回転しており遠心力の影響を受ける。遠心力によって軸受ギャップが広がるように成っているので、回転速度が大きくなった場合にも動圧力の増大を防げる。また、図7又は図8の構造では、スラスト軸受の動圧力が大きくなって軸受ギャップ111、109のサイズが大きくなった場合には、軸受開口120,121のギャップのサイズよりも真空空間側のギャップのサイズの方が小さく、この部分では液体金属潤滑剤に濡れない表面を持っているので液体金属潤滑剤の表面張力が大きく、液体金属潤滑剤の漏出防止効果が大きい。
【0033】
更に他の実施例について図9を参照して説明する。これは、図8の場合の改良であり、可動環板201,202は軸受回転体102から突き出たギャップ制限機構207,208によって移動範囲が制限されている。この結果、スラスト軸受を構成する最小の軸受ギャップのサイズが決められ、これよりも軸受ギャップのサイズが小さくならないのでスラスト軸受の動圧力が非線形に制御されることに成る。従って、回転立ち上がり時に回転トルクが大きくなり過ぎないように出来る。
【0034】
更に他の実施例について図10を参照して説明する。これは、図6の場合の改良であり、前記の接続機構195、196の剛性を任意に調整する機能を持っている。前記の軸受固定体101にはギャップサイズ調整機構204,206が設けてあり、これらは例えばスプリングで出来た圧力伝達機構203,205を介して可動環板201,202に繋がっている。ギャップサイズ調整機構204,206は例えばネジで出来ており、これの出し入れによって可動環板201,202に加えられる圧力が調整される。また、他の実施例としてギャップサイズ調整機構204,206を例えば電磁石で構成し、真空容器VVの外にある制御器(図示せず)に電気的に接続してあり、この制御器で可動環板201,202にかかる圧力を遠隔調整することが出来る。この場合には回転特性が最適になるように外部から調整できるので好ましい状態に出来る。また、前記の制御器から交流の電流を供給してギャップサイズ調整機構204,206から可動環板201,202に微小振動を与えると軸受ギャップに液体金属潤滑剤が供給されやすくなり、軸受回転体102の始動時の回転トルクが減少して更に好ましい状態になる。
【0035】
本発明を実施例に関連して説明したが、本発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いろいろな実施形態が可能であり、いろいろな変更及び改変を加えることができることを理解されたい。例えば、この発明では電子銃組立が3個取り付けてあるが1個でも3個以上でも良い。また、この発明では陰極側回転体組立CRとX線ターゲットTGの両方を回転させる構造を示しているが、X線ターゲットTG及びこれに繋がっている部分を固定にした構造のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャナを含む事は勿論である。また、軸受固定体101は真空容器の一部として構成しても良いことは勿論である。更に、上記の実施例では常温で液体である液体金属を潤滑剤として使用した例を示しているが、やや高い融点を持っており常温で固体であっても動作の前に加熱して液化させてから動作させれば同じ効果が得られることは勿論である。更に、前記のX線ターゲットから発生したX線を前記の真空容器の外に取り出す為のX線放出窓は真空容器と一体になっていても、真空容器の一部として構成されていてもこの部分でのX線の減衰率が小さければX線放出窓と見なすことが出来るのは勿論である。真空容器VVは回転対称な形状でなくても良い事は勿論である。真空容器の中心軸と陰極側回転体組立又は陽極側回転体組立の中心軸がある程度ずれていても良い事は勿論である。X線ターゲットが分割して構成されており、それぞれの分割された部分に隙間があっても良い事は勿論である。陰極給電機構の回転部分は、この陰極給電機構の軸受機構を構成する軸受回転体そのものであっても良い事は勿論である。陰極給電機構は、軸受機構CBGと一体に構成されていても良い事は勿論である。尚、本発明では、ギャップのサイズとは、ギャップを構成する対向面の一方の面上の任意の点から、このギャップを構成する対向面の他方の面への最短の距離を意味している。
【0036】
この発明は、これまで述べてきたように超高速スキャンができるX線CTスキャナを実現させるものであるが、次のように小変更することにより周回中心軸方向に向かって全周囲方向から電子線を照射する電子線照射装置に応用することができる。即ち、前記の実施例で説明した機器構成からX線ターゲット及びこれに関する部分と、X線のX線分布制限機構及びファン方向分布整形器WF及びその他のX線に関する部品を省略して、X線放出窓XWを薄いチタン板から成る電子線放出窓に変更し、電子銃組立EGから電子を放出する方向を電子線放出窓の方向に変えるだけでそのまま実用になる。これを使用すると、プラスチックやガラスやその他の改質処理に使用できて工業的に大きな効果を得る電子線照射装置を提供することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカソードスキャン型X線発生器を採用すると、回転する部分を真空容器内部の概略回転対称な構造体に軽い部品を取り付けた構造にできるので遠心力の影響が少なくなり、例えばスキャン時間が0.03秒の超高速スキャン型X線CTスキャナを簡単な構造で安価に実現させることができる。特に、複数のX線焦点から同時に短時間に多量のX線を発生することができ、フォトンノイズが少ない十分に良質な画像を得ることができる。発生したX線は環状の面検出器で有効に受信され、広い範囲の領域における多数の断面を瞬時に撮影することができ、このデータを使用して被検体の3次元の内部構造を瞬時に検査できるようになる。その為に例えば人間の心臓のように動きが速い部分が被検体の内部にあっても、これを忠実に即時性をもって撮影できる超高速X線CTスキャナを提供することができる。軸受機構には液体金属を潤滑剤とした動圧滑り軸受を採用しているので真空中で長時間にわたって安定に使用できるだけでなく、回転している部分の電位を一定に保つことができて微小放電などの不安定な現象の発生を防止できる。さらに、動圧滑り軸受を通して内部で発生した熱を有効に真空容器の外部に導いて冷却することができる。動圧滑り軸受から液体金属潤滑剤が漏出することなく軸受の動圧力を適正化できるので、真空容器内での回転部分は良好な回転特性を長時間にわたって維持することが出来る。外部に機械的な回転機構がなく、これに関連した電源や電子回路は静止状態で使用できるので全体として信頼性がよく、X線CTスキャナ全体がコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のX線CTスキャナの概略の断面を表す図である。
【図2】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャナの全体構造体の主要部の概略の断面である。
【図3】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャナの原理を説明する図である。
【図4】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器の、ある瞬間に鉛直上方に位置する一部分の断面を拡大した図である。
【図5】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器の主要部である陰極側回転体組立の部分を拡大した断面図である。
【図6】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器の主要部を表す図5の一部を更に拡大した断面図である。
【図7】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器の他の実施例に関する、図6に相当する断面図である。
【図8】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器の他の実施例に関する、図6に相当する断面図である。
【図9】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器の他の実施例に関する、図6に相当する断面図である。
【図10】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器の他の実施例に関する、図6に相当する断面図である。
【符号の説明】
ABG 陽極側の軸受機構
AR 陽極側回転体組立
B 寝台
CBG 陰極側の軸受機構
CR 陰極側回転体組立
DB 後方検出器組立
DF 前方検出器組立
D1 検出器DF,DBの一部
D2 検出器DF,DBの一部
D3 検出器DF,DBの一部
EG 電子銃組立
F1 X線焦点
F2 X線焦点
F3 X線焦点
HT 高電圧端子
LM1 円弧状のステータ
LM2 円弧状のステータ
M 被検体
RT1 円筒状のロータ
RT2 円筒状のロータ
SL1 陰極給電機構
SLT スリット
TG X線ターゲット
VC 排気口
VV 真空容器
WF ファン方向分布整形器
XW X線放出窓
1 陰極
2 電子ビーム
101 軸受固定体
102 軸受回転体
103 ラジアル軸受ギャップの鉛直上方部分
104 第一スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直上方部分
105 端部ギャップの鉛直上方部分
106 第二スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直上方部分
107 端部ギャップの鉛直上方部分
108 ラジアル軸受ギャップの鉛直下方部分
109 第一スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直下方部分
110 端部ギャップの鉛直下方部分
111 第二スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直下方部分
112 端部ギャップの鉛直下方部分
120 第二スラスト軸受の軸受開口
121 第一スラスト軸受の軸受開口
140 可動環板
141 可動環板
190 環状の窪み
191 環状の突起
193 環状の窪み
194 環状の突起
195 接続機構
196 接続機構
197 環状の窪み
198 環状の空洞
199 環状の窪み
200 環状の空洞
201 可動環板
202 可動環板
203 圧力伝達機構
204 ギャップサイズ調整機構
205 圧力伝達機構
206 ギャップサイズ調整機構
207 ギャップ制限機構
208 ギャップ制限機構
217 回転トルク伝達機構
220 絶縁体
1001 従来のX線CTスキャナの固定架台
1002 従来のX線CTスキャナの回転架台
1003 従来のX線CTスキャナの軸受
1004 従来のX線CTスキャナのX線管
1005 従来のX線CTスキャナのX線
1006 従来のX線CTスキャナの検出器
1007 従来のX線CTスキャナの電子回路
1008 従来のX線CTスキャナの制御器
1009 従来のX線CTスキャナの回転駆動機構

Claims (15)

  1. 内部を真空の状態に保持して真空空間を形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内部の真空空間において前記の真空容器の中心軸と同軸的に回転できるように支承された陰極側回転体組立と、この陰極側回転体組立の一部に取り付けられた電子銃組立と、この電子銃組立に取り付けられており電子を放出する陰極と、この陰極に前記の真空容器の外部から給電する為の陰極給電機構の回転部分と、前記の陰極の周回軌道を含む面と対面して取り付けられた環状のX線ターゲットと、このX線ターゲットの表面で発生したX線を前記の真空容器の外に取り出す為のX線放出窓と、前記の陰極側回転体組立に回転力を与える回転駆動機構と、前記の陰極側回転体組立を前記の真空容器内で回転自在に支承する軸受機構と、前記の陰極給電機構の回転部分を前記の真空容器内で回転自在に支承する軸受機構とを有して構成されており、
    これらの軸受機構は環状であってその中心軸に沿って前記真空容器の一部分が貫通して構成されており、
    これらの軸受機構の内の少なくとも一方の軸受機構は、この軸受機構を固定する部分である環状の軸受固定体と、この軸受固定体に嵌め合わされて回転する環状の軸受回転体とを有し、これらの軸受固定体と軸受回転体との間には動作時に液体である液体金属を潤滑剤とした複数の動圧滑り軸受が構成されており、
    それぞれの動圧滑り軸受はギャップを有して対向する軸受面を有しており、これらの軸受面の少なくとも一方にはヘリンボーン状の軸受溝が設けられており、
    前記の動圧滑り軸受には回転軸方向に動圧力を生じるスラスト軸受が含まれており、このスラスト軸受の軸受面間のギャップのサイズを変化させられるように構成されたギャップサイズ可変機構前記の軸受機構に設けられており、
    前記軸受機構には前記軸受機構内の液体金属潤滑剤が存在する領域と前記真空空間との実質的な境界を成す環状の軸受開口があり、
    この軸受開口はその直径が18cmを超えており、前記軸受開口に経路的に隣接する前記動圧滑り軸受は前記スラスト軸受に限定されており、
    前記ギャップサイズ可変機構は、前記軸受回転体が回転を停止した場合には前記スラスト軸受の前記軸受ギャップのサイズを小さくして前記軸受開口における前記液体金属潤滑剤の表面張力を大きくし、前記軸受回転体が高速度で回転している場合には前記スラスト軸受の前記軸受ギャップを広げて過大な動圧力が生じるのを防止するように構成されていることを特徴とするカソードスキャン型X線発生器
  2. 内部を真空の状態に保持して真空空間を形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内部の真空空間において前記の真空容器の中心軸と同軸的に回転できるように支承された陽極側回転体組立と、この陽極側回転体組立に取り付けられた環状のX線ターゲットと、このX線ターゲットの表面に対向した軌道を成して周回できるように取り付けられた電子銃組立と、この電子銃組立に取り付けられており電子を放出する陰極と、この陰極に前記の真空容器の外部から給電する為の陰極給電機構と、前記のX線ターゲットの表面で発生したX線を前記の真空容器の外に取り出す為のX線放出窓と、前記の陽極側回転体組立に回転力を与える回転駆動機構と、前記の陽極側回転体組立を前記の真空容器内で回転自在に支承する軸受機構とを有して構成されており、
    この軸受機構は環状であってその中心軸に沿って前記真空容器の一部分が貫通して構成されており、
    この軸受機構は、この軸受機構を固定する部分である環状の軸受固定体と、この軸受固定体に嵌め合わされて回転する環状の軸受回転体とを有し、これらの軸受固定体と軸受回転体との間には動作時に液体である液体金属を潤滑剤とした複数の動圧滑り軸受が構成されており、
    それぞれの動圧滑り軸受はギャップを有して対向する軸受面を有しており、これらの軸受面の少なくとも一方にはヘリンボーン状の軸受溝が設けられており、
    前記の動圧滑り軸受には回転軸方向に動圧力を生じるスラスト軸受が含まれており、このスラスト軸受の軸受面間のギャップのサイズを変化させられるように構成されたギャップサイズ可変機構前記の軸受機構に設けられており、
    前記軸受機構には前記軸受機構内の液体金属潤滑剤が存在する領域と前記真空空間との実質的な境界を成す環状の軸受開口があり、
    この軸受開口はその直径が18cmを超えており、前記軸受開口に経路的に隣接する前記動圧滑り軸受は前記スラスト軸受に限定されており、
    前記ギャップサイズ可変機構は、前記軸受回転体が回転を停止した場合には前記スラスト軸受の前記軸受ギャップのサイズを小さくして前記軸受開口における前記液体金属潤滑剤の表面張力を大きくし、前記軸受回転体が高速度で回転している場合には前記スラスト軸受の前記軸受ギャップを広げて過大な動圧力が生じるのを防止するように構成されていることを特徴とするカソードスキャン型X線発生器
  3. 前記のギャップサイズ可変機構は、前記の軸受固定体又は前記の軸受回転体の少なくとも一方に接続して設けられた弾性体と、この弾性体に接続して設けられた環状の可動環板と、この環状の可動環板に設けられた第一の軸受面と、前記の軸受固定体または軸受回転体の内でこの環状の可動環板に対向している方に設けられた第二の軸受面とから構成されており、
    これらの第一の軸受面及び第二の軸受面はギャップを有して対向して前記の動圧滑り軸受を構成していることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1つに記載したカソードスキャン型X線発生器
  4. 前記の軸受機構は、この軸受機構の外部から前記の可動環板の軸方向位置を変えることにより軸受面間のギャップのサイズが調整できるように構成されたギャップサイズ調整機構を具備していることを特徴とする請求項3に記載したカソードスキャン型X線発生器
  5. 前記のギャップサイズ調整機構はスプリングを含んで構成されていることを特徴とする請求項4に記載したカソードスキャン型X線発生器
  6. 前記のギャップサイズ調整機構は、電磁石を有しており、前記の可動環板の軸方向位置が電気的に制御できるようになっていることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれか1項に記載したカソードスキャン型X線発生器
  7. 前記のギャップサイズ調整機構は、前記の可動環板の軸方向位置の非線形な制御ができるように構成されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載したカソードスキャン型X線発生器
  8. 前記のギャップサイズ調整機構は前記の可動環板に振動を与えることができるようになっていることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1つに記載したカソードスキャン型X線発生器
  9. 前記のスラスト軸受は前記の液体金属潤滑剤が存在する領域と前記の真空空間との実質的な境界となる環状の軸受開口に隣接しており、前記の軸受回転体が回転を停止したときには、この環状の軸受開口のギャップが狭くなって前記の環状の軸受開口における前記の液体金属潤滑剤の表面張力の圧力効果が前記の液体金属潤滑剤の重力加速度に起因する静圧力よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載したカソードスキャン型X線発生器
  10. 前記のスラスト軸受は、前記の軸受回転体の回転速度が大きい場合には前記のスラスト軸受の軸受ギャップのサイズが大きくなり、前記の軸受回転体の回転速度が小さい場合には前記のスラスト軸受の軸受ギャップのサイズが小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載したカソードスキャン型X線発生器
  11. 前記のスラスト軸受における軸受ギャップのサイズの可変範囲は上限または下限を設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載したカソードスキャン型X線発生器
  12. 前記の液体金属潤滑剤が存在する領域と前記の真空空間との実質的な境界となる環状の軸受開口に経路的に連通している軸受は前記のスラスト軸受に限定されており、
    前記のギャップサイズ可変機構は前記のスラスト軸受に隣接する前記の環状の軸受開口のギャップサイズを変化できるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載したカソードスキャン型X線発生器
  13. 前記のスラスト軸受は、前記の軸受機構内に在る前記の液体金属潤滑剤が存在する領域と前記の真空空間との実質的な境界を成す環状の軸受開口に隣接しており、
    この環状の軸受開口は、この環状の軸受開口よりも半径が小さい方向に環状に伸びて設けられた、前記の液体金属潤滑剤が前記真空空間に漏出するのを防止する液体金属潤滑剤漏出防止機構を経由して前記の真空空間に連通していることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載したカソードスキャン型X線発生器
  14. 前記の陰極給電機構の少なくとも一部分は、前記の陰極側回転体組立を前記の真空容器内で回転自在に支承する前記の陰極側の軸受機構と一体的に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載したカソードスキャン型X線発生器
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載したカソードスキャン型X線発生器と、このカソードスキャン型X線発生器から放射されて被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを含んで構成され、この検出器で検出された信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号を前記被検体の断層像に再構成し、この断層像を画像表示装置に表示するようにしたことを特徴とするX線CTスキャナ
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