JP3030069B2 - X線管 - Google Patents

X線管

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JP3030069B2
JP3030069B2 JP2243663A JP24366390A JP3030069B2 JP 3030069 B2 JP3030069 B2 JP 3030069B2 JP 2243663 A JP2243663 A JP 2243663A JP 24366390 A JP24366390 A JP 24366390A JP 3030069 B2 JP3030069 B2 JP 3030069B2
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【発明の詳細な説明】 本発明はX線管に関し、より詳しくは、平均電力消費
(average power dissipation)の大きな高出力X線管
に関する。
X線管は、2つの分野、すなわち、医療用X線診断撮
像及び技術用X線撮像に使用されている。医療用撮像を
行うX線管は、低デューティサイクルで高輝度フォーカ
ルスポットからX線を発生するという特徴がある。例え
ば、非破壊試験(NDT)に使用される技術用X線管は、
低輝度ではあるが高デューティサイクルで焦点(フォー
カス)からX線を発生するという特徴がある。殆どのX
線管は、真空エンベロープ内に密閉された回転ターゲッ
トアノードを用いていて、高ピーク輝度が得られるよう
になっている。回転アノードは、しばしば高融点金属で
作られたディスクで構成されていて、高温放射冷却によ
り冷却される。X線は、電子を加速してターゲット(ア
ノード)に衝突させることにより発生される。X線発生
の歩留りは非常に低く、電子ビーム出力の約99%は無駄
な熱エネルギに変換されてしまう。この熱を放散できな
い場合には温度上昇を招き、このため、高価なX線管の
コンポーネンツが回復できない程に損傷され又は破壊さ
れてしまう。高温においては放射冷却の効率が極度に向
上する。このため、効率の良い放射冷却を行うために
は、高温でアノードを作動させることが必要であり、こ
れにより、X線管が損傷され又は故障する条件及び傾向
が増大する。これに対し、技術用X線管は、冷却流体と
の直接接触により冷却される固定のターゲットアノード
を使用していて、低エネルギでの高デューティサイクル
が可能である。
医療用X線管は、減衰データを正確に測定する高輝度
狭焦点形X線(high brightness,narrowly focused x−
rays)の発生源として、コンピュータ化した断層CT撮像
装置(computerized−tomography CT imaging system)
に使用されている。減衰データは、次に、医療的診断を
行う像を形成すべく「再構成」される。しかしながら、
CT撮像装置(すなわちスキャナ)は、該装置に使用され
ている回転アノード形X線管の制限されたデューティサ
イクルのために、過酷な作動上の制限が課せられてい
る。CT装置に使用されている市販のX線管のデューティ
サイクルは非常に小さいので、作動に際し、これらのCT
装置は、間歇的に使用して、X線管が安全作動温度に冷
却されるようにしなければならない。例えば、一般的な
腹部スキャンを行うには、20,000ワットの電子ビーム出
力が必要である。また、一般的な回転アノード形X線管
の最大電力消費量は100ワットの範囲内にあり、オイル
再循環形熱交換器を用いた或るX線管では2,000ワット
の電力消費量が得られる。この結果、最大電力消費温度
制限(maximum power dissipation temperature limit
s)を超えないように注意すれば、0.005〜0.1の有効デ
ューティサイクルを得ることができる。
特に損傷及び故障を受け易い1つのコンポーネント
は、真空エンベロープ内でX線管の回転アノードを支持
しているベアリングである。一般に、アノードディスク
は、ベアリングにより支持された回転自在の構造体の橋
部に取り付けられている。また、ベアリング面はX線管
の真空内に収容されている。一般的な潤滑剤では真空エ
ンベロープを汚損してしまうため、そのような潤滑剤を
使用することはできない。高負荷状態でのX線管からの
熱放散は、主として、熱放射エネルギ及び光学放射エネ
ルギを、回転アノードディスクから、X線管の真空を収
容しているエンベロープの壁に放射することにより行わ
れている。真空エンベロープの壁は、ガラス、金属及び
/又はセラミック材料で構成されていて、誘電オイル浴
で包囲することができる。放射冷却を有効に行うには、
アノードディスクを高温にしておく必要がある。高負荷
状態においては、アノードディスクは高温になってお
り、より効率の良い冷却を行うことができる。しかしな
がら、アノードが長時間に亘って高温状態にあると、ベ
アリングが過熱され、その寿命を極めて短くなる。CTの
出現と共に、既存の回転X線管の幾つかの設計に挑戦が
なされている。例えば、X線管の温度が変化するときに
X線管のコンポーネンツが伸縮するので、ベアリング
は、フォーカルスポット(すなわち、電子ビームが衝突
するアノード上の領域)の移動を防止できるように設計
変更がなされている。CT装置は、ターゲットアノード上
でのフォーカルスポットの移動に対しては特に敏感であ
る。
X線管の設計に対するもう1つの挑戦は、冷却すべく
X線管を休止させる前に、CTスキャンの数を増大させる
ことである。この問題に対して、殆どのX線管製造業者
及びCT装置製造業者は同じ解決方法を選択した。アノー
ドに最大限まで蓄えることのできる熱量は、一般に、X
線管の「熱負荷能力(heat−loadability)」と呼ばれ
ている。一般に、その値はワット−秒(ジュール)又は
「熱単位(heat units)」で与えられる(1ジュール
は、約1.3熱単位である)。これらの解決方法として、
回転アノードディスクの直径、サイズ、重量及び表面放
射力(surface emittance)を増大させること、並び
に、X線管の真空エンベロープを包囲するオイル誘電体
の熱交換を行うこと等の方法がある。真空中に収容され
ているベアリングに関しては、それ程多くの方法が試み
られているわけではない。
現在商業的に製造されている、最新で最大の熱容量を
もつ回転X線管は、熱交換器を用いていて、約3,000ワ
ットの熱量を放散させることができる。20〜30,000ワッ
トの連続入力が依然として要求されているので、これら
のX線管は約10%のデューティサイクルを有しており、
従って、依然として90%以上の時間を休止させておく必
要がある。3,000ワットの出力レベルで実際に作動させ
ると、これらのX線管のベアリングの寿命は、数日(数
時間のこともある)に短縮されてしまうであろう。ま
た、熱交換器を備えたX線管は、非常に嵩張るものであ
りかつ非常に高価でもある。
X線管の設計は飛躍的に向上しているが、CTに要求さ
れるX線管の形式は、コールドスタートからの始動より
ひとたびそれらの熱容量が負荷された場合には休止させ
る必要があるという問題が依然として存在している。CT
装置の作動においては、この形式の休止時間の或は長さ
は、デジタルデータ処理及び撮像再構成(image recons
truction)にどれ程時間が要求されても部分的にマスキ
ングすることができる。コンピュータ処理装置はより高
速化されかつ安価になっているので、撮像再構成時間は
短縮化されており、やがては実際のX線スキャニング時
間と同じになるであろう。従って、例えば、設備の経済
的バランスシートを改善したり、市民の緊急事態に対処
したり、戦場での負傷兵の状況を取り扱う場合のよう
に、大きな患者対処能力(higher patient throughpu
t)が必要とされるときに、X線管が制限ファクタとな
る。
殆どの技術用撮像装置は、回転アノード形X線管を使
用していない。技術用撮像装置は、いわゆる静止アノー
ド形X線管を使用している。該X線管は通常100%まで
のデューティサイクルで作動する丈夫なX線管であり、
長い耐久寿命を有している。フォーカルスポットがター
ゲットアノード上で静止状態に維持されるので、一般
に、静止アノード形X線管の出力は、1×1mmの有効フ
ォーカルスポットサイズに対して300ワット、直径50マ
イクロメートル(μm)のフォーカルスポットサイズに
対しては50ワットに制限される。大きな空間分解能(sp
atial resolution)が要求される適用例の場合には、小
さなフォーカルスポットが必要とされ、従って、X線管
の出力もそれに応じて小さくなければならない。これら
のX線管のピーク出力(peak power)は小さいので、こ
れらのX線管は、それらの空間分解能に関して厳しい制
限があることに加え、試験すべき目的物の最大許容厚さ
についても制限がある。一方、この15年間に亘って、医
療用撮像の分野には、デジタル撮像プロセシング/ディ
スプレイ法(digital image acquisition processing a
nd displaymethods)が導入されてきたが、技術用X線
撮像は、依然としてその殆どが銀基材写真フィルムを用
いて行われている。技術的用途の場合にデジタルX線撮
像法が殆ど使用されていない理由の1つは、静止形X線
管のフォーカルスポットの輝度が低いからであると考え
られている。X線フィルムの場合にはこのことは問題と
ならない。なぜならば、X線フィルムは、X線光子にと
って理想的なインテグレータであり、簡単に露出時間を
延長することによって(場合によっては、数時間以
上)、技術的用X線管の低輝度を補うことができるから
である。しかしながら、最近のデジタル(電子)撮像装
置は、記録をするのに、或る最小X線フラックスを必要
とする。これは、信号レベルを電子X線検出装置のノイ
ズ床より大きくする必要があるからである。回転形X線
管の高フラックスと静止形X線管の高デューティサイク
ルとを組み合わせたX線管を得ることができれば、技術
用X線撮像の分野にデジタル撮像を取り入れることが可
能になるであろう。
回転アノード形X線管に使用できる改善されたベアリ
ングが多数提案されている。また、回転アノードの流体
冷却を使用している回転形X線管を入手することがで
き、例えば、英国のElliot社及び日本のRigaku社から市
販されている。これらのX線管は、回転アノード形X線
管の優れた点(ピーク出力が大きいこと)と、固定アノ
ード形X線管の優れた点(アノードを直接流体冷却する
こと)とを組み合わせたものである。しかしながら、こ
れらのX線管は医療用撮像装置には使用されていない。
なぜならば、これらのX線管のピーク性能が、現在使用
されている回転アノード形X線管により与えられるピー
ク性能に匹敵するものではないからである。また、これ
らのX線管は、密封シールされた構造ではないという別
の欠点を有している。アノードの回転シャフトは、低蒸
気圧力の磁性流体を用いた回転シールを介して、真空エ
ンベロープに導かれている。このため、X線管を真空ポ
ンプに連結しておき、X線管の真空エンベロープ内に高
圧を維持し及び/又は確立する必要があり、従って、信
頼性が低いことに加え、撮像装置の複雑さ及びコストが
著しく大きくしている。
従って本発明の目的は、平均電力消費能力が改善され
たX線管を提供することにある。
本発明の他の目的は、輝度、出力密度(power densit
y)及び瞬間ピーク出力が改善されたX線管を提供する
ことにある。
本発明の更に他の目的は、X線管の真空エンベロープ
内にベアリング構造体を設ける必要のないX線管を提供
することにある。
本発明の上記目的及び他の目的に従って、X線を放出
するターゲットアノードが取り付けられた真空エンベロ
ープを備えたX線管が提供される。このX線管の真空エ
ンベロープ内には、電子ビームを放出するための電子銃
も設けられている。真空エンベロープは、運動できるよ
うに外部から支持されている。本発明の好ましい実施例
によれば、この運動は回転運動である。また、真空エン
ベロープが回転するときに、所定の固定経路に沿って電
子ビームを偏向させる手段も設けられている。真空エン
ベロープが、該エンベロープ内に取り付けられたターゲ
ットアノードと共に回転するとき、固定経路を横切る電
子ビームがターゲットアノードの多くの部分に衝突し、
これにより、ターゲット領域における熱負荷が分散され
る。本発明の好ましい実施例においては、固定経路に沿
う電子ビームの偏向は、固定経路に沿ってビームを磁気
偏向することにより行われる。本発明の特定の実施例に
おいては、この磁気偏向はダイポールマグネット(dipo
le magnet)を用いて行われ、このダイポールマグネッ
トは、例えば、真空エンベロープの外部に1対の磁気コ
イルを配置して、電子ビームを横切る偏向磁界を形成す
ることにより得ることができる。電子ビームを偏向させ
る他の可能性ある手段として、永久磁石を用いる方法又
は静電偏向装置を用いる方法がある。本発明によれば、
ターゲットアノードは真空エンベロープの一部であるの
で、かなり容易にターゲットアノードを冷却することが
できる。ターゲット手段は、例えば、真空エンベロープ
の一部を形成すべく取り付けられたTZM基材にブレージ
ングされたタングステンラミネートで構成することがで
きる。
以下、添付図面に示す本発明の好ましい実施例につい
て詳細に説明する。本発明は、この好ましい実施例につ
いて説明するけれども、該実施例に限定されるものでは
なく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範
囲内に包含される種々の変更及び均等物をも含むもので
ある。
第1図は、良く知られた従来技術によるX線管10を示
すものである。該X線管10はガラス製の真空エンベロー
プ11を有しており、該真空エンベロープ11内には、電子
発生源13を備えたカソード組立体12が取り付けられてい
る。電子発生源13は、回転アノード14に電子ビームを供
給する。回転アノード14は僅かに傾斜したターゲット面
15を備えたディスクとして形成されており、ターゲット
面15には電子ビームが衝突してX線を放出するようにな
っている。電子ビームの幾分かは真空エンベロープ11を
出て、外部で使用される。回転アノードディスク(回転
アノード)14は、モータ−ベアリング組立体17により真
空内で回転自在に支持されたロッド16の一端に取り付け
られている。
第2図は、本発明による回転X線管20の一実施例を示
すものである。空気が抜かれた真空エンベロープ22が設
けられており、この真空エンベロープ22は、本発明の好
ましい実施例においては軸線24の回りの回転対称形状を
なしている。
真空エンベロープ22は、中空円筒状のガラスネック部
分26を備えている。円筒状部分(ガラスネック部分)26
の一端には、金属製のベル形アノードハウジング30から
なる中空円筒状の金属ネック部分28が取り付けられてい
る。ベル形のアノードハウジング30は回転対称形をなし
ていて、その円筒状ネック部分(金属ネック部分)28か
ら離れる方向に向かって直径が徐々に増大している。ベ
ル形アノード(ベル形アノードハウジング)30は、例え
ばステンレス鋼のような適当な金属で形成されている。
ベル形アノード30は円筒状リップ32に終端しており、該
リップ32には円筒状のX線窓リング34の一方の縁部が固
定されている。X線窓(X線窓リング)34は実質的に一
定の厚さに形成するのが好ましく、ステンレス鋼又はガ
ラス、或いは鉄、ニッケル及びコバルトの組成物で形成
されている。ベル形アノードハウジング30及びターゲッ
トアノード36の両者は、接地電位に維持されている。タ
ーゲットアノード36は、例えばタングステンのような適
当な材料、或いはX線を放出できる材料として従来知ら
れている複合構造物により形成されている。ターゲット
アノード36内には、冷却流体を通すための中空の内部チ
ャンバ38が形成されている。ターゲットアノード36の後
部外壁40には軸線方向に延在している中空円筒状部材42
固定されている。この中空円筒状部材42内には、ターゲ
ットアノード36の前記中空内部チャンバ38に冷却流体を
出入りさせる通路としての2つの同心状チャンバ44、46
が形成されている。
真空エンベロープ22は、軸線24の回りで回転できるよ
うに、支持フレーム50により支持されている。真空エン
ベロープ22の一端は、第1ベアリング組立体52にり回転
自在に支持されており、第1ベアリング組立体52は、支
持フレーム50の一端に形成された孔56内に固定されたア
ウタレース54を有している。ベアリング組立体52のイン
ナレース58は、真空エンベロープ22の円筒状のガラスネ
ック部分26の外面に固定されている。
真空エンベロープ22の他端部は、支持フレーム50内で
回転できるように第2ベアリング組立体62により支持さ
れている。この第2ベアリング組立体62のアウタレース
64は、支持フレーム50の他端部に形成された別の孔66内
に固定されている。第2ベアリング組立体62のインナレ
ース68は、軸線方向に延在している円筒状部材42の外面
68に固定されている。
真空エンベロープ22の一端におけるガラスネック部分
26は、その凹み形リップ部分(reentrant lip portio
n)70の内縁部が、プラグ72に固定されている。プラグ7
2には電子銃組立体74が取り付けられており、該電子銃
組立体74は、電子ビーム78を発生するための間接加熱形
カソード76を有している。集束電極80により、電子ビー
ム78のための均一な加速場が形成されるようになってい
る。真空エンベロープ22内のカソード76には、プラグ72
を通ってカソード76に導かれている導体を介して、負の
高電位が印加される。導体にはスリップリング82が連結
されていて、高電圧供給ケーブル86に接続された1対の
接点ボタン84、85と滑り接触するようになっている。ケ
ーブル86の端部は、真空エンベロープ22のガラスネック
部分26内に形成された外部キャビティ88内に支持されて
いて、真空エンベロープ22がフレーム50内で回転すると
きに、負の高電圧が、スリップリング82を介してカソー
ド76に供給されるようになっている。この負の高電圧
は、例えば、電子ビーム78を所望のままに迅速にオン/
オフすべく制御される高速スイッチングモード電力供給
装置(図示せず)により供給することができる。中央の
スリップ連結パッド90により、接点ボタン92と滑り接触
できるようになっている。接点ボタン92は、ケーブル86
を介してフィラメント電位(該フィラメント電位は、負
の高電圧で浮動している)に接続されている。パッド90
は、プラグ72を介してカソードフィラメント92の一端に
接続されており、該カソードフィラメント92の他端はカ
ソード電圧に接続されている。
電子は、カソード76の近くの領域から引き出され、カ
ソード76とアノードハウジング30との間に創出される電
界により加速される。カソード76の近くに位置する円筒
状の金属ネック部分28の端部には、真空エンベロープ22
の軸線24に対して垂直に配置された端プレート100が設
けられている。この端プレート100には中央の孔102が形
成されていて、加速された電子ビームが該孔102を通り
得るようになっいる。電子ビームは、この孔102を通る
直前に、締まったウエスト状に集束させることができ
る。孔102の近くには、軸線24に沿って集束ソレノイド
コイル110を配置して、電子ビームをターゲットアノー
ド上に合焦させることができる。金属製のアノードハウ
ジング30は接地電位にあるので、アノードハウジング30
の内部空間には電界が存在しない。従って、電子ビーム
の加速された電子は、ターゲットアノード36に向かって
高速でドリフトする。
第4図及び第2図には、アノードハウジング30の円筒
状ネック部分(金属ネック部分)28の両側に配置されて
おりかつ支持フレーム50に固定された1対の偏向コイル
により形成される固定偏向磁界Bが示されている。これ
らの偏向コイルは定電流源(図示せず)に接続されてい
て、X線管の軸線24に対して横方向の定磁界Bを発生す
る。この定磁界Bは、軸線24の回りでX線管が回転する
とき、電子ビーム78が常に固定経路124に沿って進行す
るように電子ビーム78を偏向させる。この固定経路124
は、偏向コイル120、122が垂直平面内にあって水平方向
に定磁界Bを発生させるものと考える場合には、垂直平
面内にあるものと想定することができる。偏向コイルに
は、4重コイル(quadruple coils)を組み込んで、タ
ーゲットアノード36上に電子ビームのフォーカルスポッ
トが形成されるようにしてもよい。
より一般的には、偏向コイル120により形成される磁
界を変化させて、固定経路124を含む種々の選択された
経路に沿って電子ビームを偏向させ、ターゲットアノー
ド36の他の選択された部分に電子ビームを衝突させるこ
ともできる。永久磁石を用いた別の磁界偏向手段及び静
電偏向手段を含む他の技術を用いて、電子ビームを固定
経路に沿って偏向させることもできる。
固定経路124に沿って進行する高エネルギ電子ビーム
は、X線管の真空エンベロープ22が回転するとき、ター
ゲットアノード36の傾斜面に衝突する。これによりX線
が発生され、X線の或るものは、X線窓(X線窓リン
グ)34及びフレーム50に形成された孔126を通ってX線
管の外に出る。
垂直からオフセットした平面内には、別の組の偏向コ
イル128、129が設けられている。これらの偏向コイル12
8、129は、第4図に示すような別の定磁界B1を発生させ
るのに用いられる。両偏向コイル128、129は、垂直から
オフセットした平面内にあり、第4図に示すように、水
平からオフセットした方向の磁界B1を形成する。従っ
て、磁界B1を通って進行する電子ビームの経路は、垂直
に対して或る角度をなす平面内にある。
第3図には、ターゲットアノード36に向けて電子ビー
ムを発射する電子銃74が概略的に示されている。電子ビ
ームは、1対の偏向コイル(第3図には、一方の偏向コ
イル120が示されている)により形成される横方向の磁
界Bによる偏向手段によって、固定経路124に沿って偏
向される。第2図には、ターゲットアノード36に衝突す
る電子ビームにより発生される熱を、チャンバ44から流
入し、接地されたターゲットアノード36の裏側に沿って
流れ、チャンバ46から流出する水、オイル又はガス等の
冷却流体により除去する様子が示されている。円筒状部
材42の遠い側の端部は、回転シール132を介して、冷却
流体の入口/出口導管130に連結されている。
第5図には、ターゲットアノード36を正面から見たと
ころが示されている。第1フォーカルスポットの位置14
0は、第1組の集束コイル(偏向コイル)120、122を用
いた場合に、電子ビームがターゲットアノード36に衝突
するときの電子ビームの位置を示すものである。別の組
の集束コイル128、129を用いた場合には、オフセットし
たフォーカルスポットの位置142が形成される。これに
より、フォーカルスポットの位置を移動させることがで
きる。可動焦点(フォーカルポイント)を用いることに
より、例えば、CTスキャナの空間分解能を向上させるの
に、2つの別々のフォーカルスポットすなわちX線放射
源を使用できるようになる。
作動に際し、真空エンベロープ22は、ターゲットアノ
ード36の設計及び作動熱負荷に基づいて適当な速度で回
転される。真空エンベロープ22は、フレーム50に固定さ
れた適当な駆動モータ150を用いて回転される。モータ1
50は、例えばベルト154を駆動するプーリ152又はギアト
レイン(図示せず)等の適当なカップリング手段によ
り、円筒状部材42の外端部に連結されている。別の方法
として、アノードの流体チャンバ44、46内に適当なベー
ン(図示せず)を設け、冷却流体により該ベーンを駆動
することによって、真空エンベロープ22を回転させるこ
ともできる。
本発明の特定の実施例についての上記開示は、本発明
を図示しかつ説明するためのものである。従って、本発
明は、開示された正確な形態に限定されるものではな
く、本発明の教示に基づき種々の変更を施すことができ
る。図示の実施例は、本発明の原理及びその実用性を最
も良く説明するために選択されたものであり、当業者な
らば、意図する特定の用途に適合するように、本発明に
種々の変更を加えて使用できるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来技術による回転アノード形X線管を示す
ものである。 第2図は、本発明によるX線管であって、X線管が固定
磁界に対して回転するときに、固定磁界により固定経路
に沿って電子ビームを偏向させるように構成されたハウ
ジング内に回転自在に取り付けられたX線管の断面図で
ある。 第3図は、本発明によるX線発生装置の主要コンポーネ
ンツを示す概略図である。 第4図は、第2図の4−4線に沿う本発明のX線管の概
略断面図であり、2対のコイル巻線の各々が、それぞれ
の固定経路に沿って電子ビームを偏向させるダイポール
磁界を形成するところを示すものである。 第5図は、ターゲットアノードの表面を示すものであ
る。 20…回転X線管、22…真空エンベロープ、26…ガラスネ
ック部分、28…金属ネック部分、30…アノードハウジン
グ、34…X線窓リング、36…ターゲットアノード、42…
円筒状部材、44、46…同心状チャンバ、50…支持フレー
ム、52…第1ベアリング組立体、62…第2ベアリング組
立体、70…凹みリップ部分、72…プラグ、74…電子銃組
立体、76…カソード、80…集束電極、82…スリップリン
グ、84、85…接点ボタン、86…高電圧供給ケーブル、90
…スリップ連結パッド、100…端プレート、110…集束ソ
レノイドコイル、120、122…偏向コイル(集束コイ
ル)、124…固定経路、128、129…偏向コイル(集束コ
イル)、130…冷却流体の入口/出口導管、150…駆動モ
ータ、152…プーリ、154…ベルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダグラス ピー ボイド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94010 ヒルズボロー レイクヴィュー ドライヴ 1115 (72)発明者 クリスチャン エル ペシュマン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94112 サンフランシスコ マドリッド ストリート 762 (56)参考文献 実開 昭61−11299(JP,U) 実開 昭61−91898(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 35/30 H01J 35/14 H01J 35/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空を収容するエンベロープと、 該エンベロープ内に取り付けられた、X線を放出するタ
    ーゲット手段と、 電子ビーム加速装置組立体であって、電子ビームを放出
    する間接加熱形カソード手段と、電子ビームを通して加
    速する孔が形成されている1次アノードプレートとを備
    えた電子ビーム加速装置組立体と、 前記電子ビームを前記ターゲット手段上に合焦させる手
    段と、 前記エンベロープの外部で、該エンベロープが回転運動
    できるように支持する支持手段と、 前記エンベロープが回転するときに、該エンベロープ内
    に取り付けられた前記ターゲット手段の選択された部分
    に前記電子ビームが衝突するように、前記エンベロープ
    が回転するときに前記電子ビームを選択された経路に沿
    って偏向させる手段とを有していることを特徴とするX
    線管。
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