JP2001276043A - カソードスキャン型x線発生器及びx線ctスキャナ - Google Patents

カソードスキャン型x線発生器及びx線ctスキャナ

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JP2001276043A
JP2001276043A JP2000100163A JP2000100163A JP2001276043A JP 2001276043 A JP2001276043 A JP 2001276043A JP 2000100163 A JP2000100163 A JP 2000100163A JP 2000100163 A JP2000100163 A JP 2000100163A JP 2001276043 A JP2001276043 A JP 2001276043A
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cathode
scanner
target
vacuum vessel
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Katsuhiro Ono
勝弘 小野
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2300/00Application independent of particular apparatuses
    • F16C2300/10Application independent of particular apparatuses related to size
    • F16C2300/14Large applications, e.g. bearings having an inner diameter exceeding 500 mm
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2316/00Apparatus in health or amusement
    • F16C2316/10Apparatus in health or amusement in medical appliances, e.g. in diagnosis, dentistry, instruments, prostheses, medical imaging appliances

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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】小型で信頼性が良い超高速X線CTスキャナ用
のカソードスキャン型X線発生器と超高速X線CTスキ
ャナを提供する。 【解決手段】ドーナツ型の真空容器VVと、陰極側回転
体組立ARと、少なくとも1個の電子銃組立EGと、熱
電子放出用の陰極と、環状の陰極給電機構SL1とを有
し、この陰極給電機構を通して上記の陰極に給電しなが
らこの陰極を被検体の周りで周回させ、X線ターゲット
TGの表面に電子ビームを入射して高速度で周回するX
線を発生させることが出来る超高速スキャン型X線CT
スキャナ用のカソードスキャン型X線発生器、及びこれ
を使ったX線CTスキャナであって、X線ターゲットの
表面を覆うようにX線ターゲットと同軸状に作られた第
一の熱吸収電極または第二の熱吸収電極を設けて、X線
ターゲットから出てくる二次電子と輻射熱を吸収させて
周囲の部品の温度上昇を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、小型でありなが
ら、高速度で周回するX線焦点からX線を放射して超高
速スキャンができるX線CTスキャナ用のカソードスキ
ャン型X線発生器及びこれを使った超高速スキャンがで
きるX線CTスキャナに関する。X線焦点を周回させる
為の回転部分を真空容器内の小型の部品に限定すること
により、大気中における機械的な回転機構を持たずにX
線焦点を披検体の周囲に高速度で安定して周回させて被
検体を瞬時に撮影して3次元の画像が得られる小型のX
線CTスキャナを提供する。液体金属を潤滑剤とする動
圧滑り軸受を使って真空容器内で電子銃組立を周回させ
ると共に、真空容器内で周回している部品に真空容器外
から通電している。真空容器内において、X線ターゲッ
トに隣接した状態で、二次電子及びX線ターゲットから
の輻射熱を吸収する熱吸収電極を、絶縁体を介して真空
容器に取り付けて、安定な動作が維持できるとともに良
好な画像が得られるようにしている。
【0002】
【従来の技術】従来のX線CTスキャナについて、概略
の断面を表している図1を参照して説明する。従来のX
線CTスキャナは、固定架台1001と、軸受1003
を介して回転する回転架台1002とを有している。回
転架台1002は制御器1008を用いて制御された回
転駆動機構1009によって空気中において回転させら
れる。X線を発生する為のX線管1004や、これに高
電圧を供給する為の高電圧電源(図示せず)や、X線を
受け取る為の検出器1006や、その他の電子回路10
07等をこの回転架台1002に取り付けた構造になっ
ている。回転架台1002に取り付けられた電子回路の
信号は図示しないスリップリングで固定架台1001に
伝達される。この為に回転架台1002に取り付けられ
た部品の質量の和が大きくなって、X線CTスキャナの
スキャン速度を増そうとすると大きな遠心力が働き、回
転架台1002に取り付けられた部品や回転架台100
2自体が過大な応力に耐えられないのでスキャン速度を
高めることができない欠点を持っている。
【0003】従来構造のX線CTスキャナに使われるX
線管1004は、直径が10cm程度の円板状のX線タ
ーゲットをシリンダー状の真空容器の中で3000rp
m程度の高速度で回転させ、これに電子銃組立の陰極か
ら放射された電子を衝突させてX線1005を一方向に
放出するものであり、全体が円柱状に構成されている。
多量のX線を発生させる必要があるX線CTスキャナ用
のX線管では冷却器が必要であり、両者の質量の和は1
00Kg程度に大きくなり、体積も大きくなり、これを
取り付けて空気中で回転させる為の回転架台1002は
大型になり、X線CTスキャナ全体が大きくなって取り
扱いが不便であるだけでなく、設置スペースも大きくな
り、運転費用も多額であった。更に、近年になってX線
CTスキャナの用途が広がるにしたがって血液や造影剤
の瞬時的な観測が求められてきた。これに応える為に
は、X線管1004を高速度で被検体の周りで周回させ
る必要が生じている。これまでの最高の周回速度は2r
psであり、これが限度と考えられている。一方では、
X線量を増して画質を高めて診断能を高めたいとの要求
があり、従来のX線管1004の寸法と質量がますます
増大する必要がある。この相反する要求を同時に満たす
ことは従来の構造のX線CTスキャナでは不可能であっ
た。
【0004】一方で、スキャン速度を増す為に電子スキ
ャン方式のX線CTスキャナが過去に開発された。これ
は、横倒しに置いた魔法瓶の形をした真空容器の底の位
置に固定した電子銃組立から電子を取り出し、電子を真
空容器内でおよそ100cm走行させながら電磁的に電
子の位置を制御して被検体の周りを周回させた後に、こ
の電子を円弧状のX線ターゲットに入射させて半周回す
るX線を取り出すようになっている。この構造では、ス
キャン時間が0.1秒程度の高速スキャンができるが、
十分なX線量が得られないこと等に起因して画質が劣悪
であることや、X線の焦点が大き過ぎることや、安定な
動作を維持し難いことや、装置全体が大きくて取り扱い
難いことや、高価であること等の欠点を持ち、特殊な用
途に使用されているにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、X線CTスキャナのスキャン時間を大幅に短縮し
て動きが速い被検体の撮影においてモーションアーチフ
ァクトを無くするとともに十分なレベルのX線量を確保
してフォトンノイズが少ない良質な画像を得ることがで
き、装置全体が小型であって取り扱い易いX線CTスキ
ャナを提供することである。特に、電子銃組立から出た
電子がX線ターゲットに衝突したときに発生する二次電
子の軌道を制御して二次電子の悪影響を軽減することに
より真空中での放電を防止して安定な動作を維持するこ
とができ、二次電子に起因する焦点外X線を無くするこ
とができ、X線ターゲットから輻射される熱を効率良く
真空容器の外に導いて冷却できるカソードスキャン型X
線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャナを提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、X線CTス
キャナの全ての回転部分をドーナツ状の真空容器の中に
取り付けて最小限度まで小さくし、空気中での機械的な
回転部分を無くすることにより超高速スキャンができる
X線CTスキャナを実現している。真空容器はドーナツ
状に作られており、真空容器の中心軸近傍の大気中に在
る寝台上に被検体が置かれている。真空容器の中で周回
する電子銃組立の陰極から電子が放出され、陰極の周回
軌道に対向して真空容器内に取り付けてある環状のX線
ターゲットに加速された電子が衝突してX線を発生させ
る。発生したX線は真空容器の小径側の壁に設けられた
X線放出窓を通って大気中に在る被検体に照射される。
被検体を通過したX線は前記の真空容器と同軸状に大気
中において取り付けられた環状のX線検出器で検出さ
れ、コンピュータで断層像に再構成されて表示装置に表
示される。真空容器内のX線焦点を周回させる為の回転
部分は軽量な電子銃組立などに限定されておりその体積
が小さく、全体としてほぼ対称な形状であるので回転周
期が0.1秒以下の高速回転をしても回転体にかかる応
力が十分に小さくでき、安定して高速回転を続けること
ができる。また、同一の陰極側回転体組立に3個程度の
電子銃組立が取り付けられるのでスキャン時間が0.0
3秒程度の超高速スキャンが行える。
【0007】ドーナツ型の真空容器の内部で電子銃組立
部分を周回させる方式のX線CTスキャナは過去に提案
されているがこれまでに実現していない。その理由の一
つは真空中において放電を防止して安定な動作をさせる
手段と、X線ターゲットから出てくる二次電子に起因す
る焦点外X線を無くする確かな手段が見出されなかった
為である。特に、前記の電子銃組立から出た電子が前記
のX線ターゲットに衝突したときに発生する二次電子の
軌道を制御することができなかった。例えば、X線ター
ゲットを接地電位に、電子銃組立の陰極の電位をー15
0KVに決めた場合、X線の放射方向に配設した集電電
極の電位をー75KVに設定しても前記のX線ターゲッ
トに入射した電子のおよそ10%の二次電子がこの集電
電極内に流れ込む。まして、この集電電極が無い場合に
はおよそ3倍にも達する極めて多量の二次電子がX線タ
ーゲットの周辺の部品、例えば前記の陰極側回転体組立
に流入して過熱してガスを放出させ、放電の原因となっ
て動作が不安定となる。また、これらの二次電子は焦点
外X線を発生させ、これを使ったX線CTスキャナの画
質が劣化する問題があった。
【0008】本発明では、前記のX線ターゲットの表面
に在るX線発生点と対面するような状態で前記の集電電
極を、前記の電子銃組立を周回させる為の陰極側回転体
組立に取り付け、この集電電極の電位を設定する為の、
真空中で信頼性よく使える通電機構として、液体金属を
潤滑剤とする環状の動圧滑り軸受を開発して、この潤滑
剤を介して前記の真空中で回転する集電電極の電位を真
空容器の外部から定められるようにした。更に、前記の
X線ターゲットの内周側表面と前記の集電電極との間に
位置し、環状の突出部を持つ第一の熱吸収電極を、絶縁
物を介して真空容器に固定し、この第一の熱吸収電極に
真空容器の外部から特定の電位を付与して、これらの集
電電極と第一の熱吸収電極に付与する電位の組み合わせ
を変えることによって、前記の集電電極に入射する二次
電子を最小にすることができた。特に、前記の集電電極
の電位を負の高電位に、前記の第一の熱吸収電極を前記
のX線ターゲットの電位よりも高い電位に設定すると、
前記のX線ターゲットから出てきた二次電子の殆んど全
てが前記の第一の熱吸収電極に吸収され、前記の集電電
極に入射する二次電子を減少させることができた。前記
の第一の熱吸収電極は回転する必要がないので十分に大
きな熱容量にすることができ、さらに、熱伝導率が大き
い絶縁体例えば窒化アルミニュームを介して真空容器の
壁に熱的に連通させることができ、低温度に保つことが
できる。
【0009】前記のX線ターゲットの外周側の表面を包
むように環状の第二の熱吸収電極を取り付け、これによ
って前記のX線ターゲットに流入する二次電子を更に減
少することができた。この第二の熱吸収電極は回転する
必要がないので十分に大きな熱容量にすることができ、
さらに、熱伝導率が大きい絶縁体例えば窒化アルミニュ
ームを介して真空容器の壁に熱的に連通させることがで
き、低温度に保つことができる。従って、ターゲットの
過熱を防止でき、安定な動作ができるようになった。
【0010】
【発明の実施の形態】カソードスキャン型X線発生器は
ドーナツ型の真空容器で包まれており、この真空容器は
中心軸がほぼ水平になるように設置してあり、その中心
軸の近くの大気中に被検体(人体)が置かれており、真
空容器は被検体を取り囲むように配置されている。真空
容器は回転せずに固定されており、被検体との角度及び
水平方向の位置は変えることができるようになってい
る。この真空容器の内部でX線焦点が被検体の周りを周
回するように、X線焦点が移動しながら被検体に向かっ
てX線が発生される。この周回するX線を使用すること
により大気中に回転機構を持たないX線CTスキャナを
実現している。また、二次電子の影響を排除して安定な
動作を維持し、しかも画質が良いCT画像を得ることが
できた。更に、X線ターゲットから輻射される熱を効率
良く真空容器の外に導き、より安定な動作が行えるよう
にしている。従来の構造のX線CTスキャナでは実現が
不可能であった超高速スキャンが行えて且つ大出力が得
られるX線CTスキャナ用のカソードスキャン型X線発
生器、及びこれを使った超高速X線CTスキャナを簡単
な構造で安価にしかも信頼性良く実現した。
【0011】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の一実施例
によるカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使っ
たX線CTスキャナの実施例を説明する。図2(A)は
本発明のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使
ったX線CTスキャナの全体構造体の概略の断面図であ
り、図2(B)は本発明のカソードスキャン型X線発生
器、及びこれを使ったX線CTスキャナの全体構造体を
図2(A)のC’からCの方向に見た概略の図面であ
る。図3は図2(A)の拡大図であり、図4は本発明に
係わるカソードスキャン型X線発生器の、ある瞬間に鉛
直上方に位置する一部分の断面を拡大した図であり、あ
る瞬間に鉛直上方に位置した状態における電子銃組立周
辺の断面の一部を拡大して示している。同じ部分は同じ
記号を付している。
【0012】図2又は図3に示すように、ドーナツ型の
真空容器VVは中心軸がほぼ水平になるように設置して
あり、図示しない真空ポンプによって排気口VCから高
真空状態にいつも排気されている。図3又は図4に示す
ように、この真空容器VVの内部の真空空間に円筒状の
陰極側回転体組立CRがあり、陰極側回転体組立CRは
常温で液体である液体金属を潤滑剤とした動圧滑り軸受
から成る軸受機構CBGによって真空中で回転自在に支
承されており、これらの中心軸はCC’に一致してい
る。図2(B)のF1,F2,F3で示すように、陰極
側回転体組立CRには電子銃組立EGが周方向に分離し
て3個取り付けてある。図3及び図4に示すように、陰
極側回転体組立CRには銅でできた円筒状のロータRT
2が同軸状に取り付けられており、これと同軸状に磁性
体から成る磁路円筒MT2が取り付けられている。図2
(B)に示すように、ロータRT2に対向した状態で真
空容器VVの外側において真空容器壁に沿って円弧状の
ステータLM2が3個取り付けられている。前記のロー
タRT2は前記の磁路円筒MT2とステータLM2で挟
まれた状態に配設されている。ロータRT2はステータ
LM2から真空容器VVの非磁性の材質で出来た壁を通
して電磁誘導作用を受けて回転トルクを与えられるので
陰極側回転体組立CRは回転する。陰極側回転体組立C
Rは動圧滑り軸受から成る軸受機構CBG内の液体金属
潤滑剤を通して電気的にも熱的にも真空容器VVに接続
されている。
【0013】図4に示すように、電子銃組立EGの先端
部には熱電子2を放出する陰極1が取り付けられてい
る。この陰極1の周回軌道に対向した状態で環状のX線
ターゲットTGが熱容量が大きいターゲット支持機構3
01を介して取り付けられている。図3又は図4に示す
ように、X線ターゲットTGは円筒状の陽極側回転体組
立ARに機械的に結合されている。陽極側回転体組立A
Rは常温で液体である液体金属を潤滑剤とした動圧滑り
軸受から成る軸受機構ABGを介して真空容器VVの一
部に回転自在に取り付けられている。陽極側回転体組立
ARには銅管でできたロータRT1が取り付けられてお
り、これと同軸状に磁性体から成る磁路円筒MT1が取
り付けられている。ロータRT1に対向した状態で真空
容器VVの外側において真空容器壁に沿って円弧状のス
テータLM1が3個取り付けられている。前記のロータ
RT1は前記の磁路円筒MT1とステータLM1で挟ま
れた状態に配設されている。ロータRT1はステータL
M1から真空容器VVの非磁性の材質で出来た壁を通し
て電磁誘導作用を受けて回転トルクを与えられるので陽
極側回転体組立ARは回転する。X線ターゲットTGの
回転中心軸と前記の電子銃組立EGに含まれる陰極1の
周回中心軸CC’とは一致しており、陰極1は常にX線
ターゲットTGの表面と対向した状態で両者は互いに反
対方向に回転する。
【0014】図3又は図4を参照して陰極給電機構SL
1について説明する。図3又は図4に示す実施例では3
個の陰極給電機構SL1が同軸状に取り付けられてお
り、3本の独立した電流通路を形成している。これらの
図では陰極給電機構SL1の内部構造は簡略化して表し
ている。電子銃組立EGの陰極1は、真空容器VV内で
電子銃組立EGの周回中心軸CC’と同じ中心軸を持つ
環状の陰極給電機構SL1を通して高電圧端子HTに電
気的に接続されている。高電圧端子HTには真空容器V
Vの外に在る図示しない高電圧電源からおよそー150
KVの負の高電圧と電子銃組立EGの陰極1を加熱する
電力が供給される。それぞれの陰極給電機構SL1は固
定部と回転部を有し、固定部は絶縁体220を介して電
気絶縁を保ちながら真空容器VVの一部に機械的に固定
されている。陰極給電機構SL1の回転部と固定部は液
体金属を潤滑剤とする動圧滑り軸受を構成しており、液
体金属潤滑剤を介して両者間で通電される。陰極給電機
構SL1の回転部が電子銃組立EGに弾力性のある回転
トルク伝達機構217で機械的に連結されており、陰極
給電機構SL1はある程度の偏芯及び軸方向の変位を許
容した状態で電子銃組立EGと共に回転する。
【0015】X線ターゲットTGは陽極側回転体組立A
Rの動圧滑り軸受から成る軸受機構ABG内に在る液体
金属潤滑剤を介して電気的にも熱的にも真空容器VVに
接続されている。真空容器VVは接地電位になってお
り、冷却水等で強制冷却されている。従って、X線ター
ゲットTGは接地電位に設定されると共に、X線ターゲ
ットTGから発生した多量の熱は液体金属潤滑剤を介し
て真空容器VVの壁の部分を流れる冷却水で効率良く取
り去られる。X線ターゲットTGと冷却水との間の熱抵
抗は十分に小さいのでX線ターゲットTGの温度は低く
保たれる為に大きな入力が許容され、極めて多量のX線
を短時間に発生することができる。
【0016】電子銃組立EGは、図2(B)に示すF
1,F2,F3のように陰極側回転体組立CRの周囲に
等配に3個取り付けられている。ここで、F1,F2,
F3は前記の電子2が加速されてX線ターゲットTGに
衝突してできるX線の3つの焦点を示している。X線焦
点F1,F2,F3は同時にX線を発生させながら図2
(B)に示すように同時に同じ方向に周回する。これら
のX線焦点の現在位置は陰極側回転体組立CRに取り付
けられた角度検出機構(図示せず)によって検出され
る。X線焦点F1,F2,F3から放射されたX線は、
図3又は図4に示すようにX線ターゲットTGの内側に
ある集電電極403,404によってファン状に整形さ
れ、陰極側回転体組立CRに取り付けられたファン方向
分布整形器WF(図4参照)を通過した後に真空容器V
VのX線放出窓XW(図4参照)を通過し、外部の環状
のスリットSLTを通過した後に、被検体Mを通過して
X線ターゲットTGと同軸状に取り付けられた2個の環
状のX線検出器DF,DBのそれぞれの対向面に到達す
る。
【0017】図2(B)に示すように、X線焦点F1,
F2,F3から出たX線は、それぞれが検出器の対向す
る部分D1,D2,D3にある細分化された検出素子で
受信される。検出器の部分D1,D2,D3が互いに重
ならないように照射野範囲などが決められている。検出
器の部分D1,D2,D3の合計は環状検出器のほとん
ど全体を占めるのでX線検出器DF,DB内の全ての検
出素子が有効に活用され、コスト対性能比が改善され
る。環状の検出器DF,DBはそれぞれが中心軸CC’
の方向にも多数の検出素子列に分けられており、それぞ
れの検出素子で検出された信号は図示しない電子回路で
デジタル信号に変換され、図示しないコンピュータで断
層像に再構成され、図示しない画像表示装置に表示され
てマルチスライスのCT画像を得ることができるように
なっている。
【0018】ある瞬間に鉛直上方に位置した状態におけ
る電子銃組立組立周辺の断面の一部を拡大して図4に示
しており、同じ部分は同じ記号を付している。陰極側回
転体組立CRは全体的に見ると概略回転対称構造であ
り、これに取り付けられた電子銃組立EG等の部品は小
型で軽量であるので10rps程度の高速回転に十分耐
えることができる。この場合、X線焦点が3個であるの
でスキャン時間は0.03秒まで短縮することができ
る。X線ターゲットTGは直径が120cmと大型であ
り、X線焦点F1,F2,F3と反対方向に回転してお
り、前記のように強制冷却されているのでX線ターゲッ
トTGの表面温度が高くなり難く、大電力の入力が許容
されるので短時間に十分な量のX線を発生することがで
き、超高速スキャンであるにもかかわらずフォトンノイ
ズが少ない良質なCT画像を得ることができる。また、
マルチスライスを実現しているのでX線の有効利用がで
き、中心軸CC’と平行な方向の解像度を高めることも
できるだけでなく、広い範囲の撮影を短時間で完了して
3次元のリアルタイムCT画像を得ることができる。
【0019】上記の構成のX線CTスキャナを実現する
為に避けて通れないのは、X線ターゲットTGから放出
される二次電子の悪影響を除去することである。陰極1
から放出された電子2は陰極1とX線ターゲットTGと
の電位差によっておよそ150KeVのエネルギーに加
速されてX線ターゲットTGに入射する。X線ターゲッ
トTGの表面では最高150KeVのエネルギーを持つ
反跳電子をはじめとしてより低いエネルギーを持つ多量
の二次電子が飛び出す。本実施例ではX線ターゲットT
Gの電位を接地電位に設定しており、真空容器VV等の
周囲の部品の電位と同一である。この場合、X線ターゲ
ットから運動エネルギーを持って放出された電子は容易
に周辺の部品に流入する。これらの電子は周辺の部品に
入射して加熱し、特に、熱容量が小さな部品では高温に
なりすぎるという不都合が生じる。その結果、部品内の
ガスが放出され、放電が発生して安定な動作が得られな
い。特に、前記のX線焦点F1,F2,F3と陰極1の
周回中心軸CC’とを結ぶ方向に進む電子は前記の陰極
側回転体組立CRに入射するが、陰極側回転体組立CR
の熱容量を大きくするのは困難であるのでここに入射す
る電子をできる限り減少させる必要がある。また、これ
らの電子は焦点外X線を発生させる原因となりCT画像
が劣化する問題があるので、X線の放射方向ではこれら
二次電子の入射を減少させることが不可欠である。
【0020】上記の二次電子の悪影響を除去する為に、
図4に示すように前記の陰極側回転体組立CRの上に集
電電極403,404を、絶縁体401,402を介し
て取り付けた。集電電極403,404は前記のX線焦
点F1,F2,F3と前記の陰極側回転体組立CRとの
間に位置しており、これらは通電機構SL3に電気的に
結合されている。この通電機構SL3は回転体と固定体
を含んでおり、回転体は前記の陰極側回転体組立CRと
共に同軸的に回転し、固定体は絶縁物を介して真空容器
VVの一部に固定されている。この固定体は、真空容器
VVに取り付けられた図示しない電流導入端子を介して
真空容器の外に導かれる。この電流導入端子には図示し
ない電源が取り付けてあり、この電源から予め決められ
た電位が与えられる。このようにして前記の集電電極4
03,404の電位を特定の値に設定されている。これ
らの電位は前記の陽極の電位よりも低いほうが好まし
い。例えば、前記の電位配分の場合にはこれらの電位を
ー75KVに固定すると、ここに入射する電子は陰極1
からX線ターゲットTGに入射する電子の10%程度に
減少させることができる。さらに、前記のX線ターゲッ
トTGの側に位置する集電電極404と前記の陰極1の
側に位置する集電電極403とを分離し、これらに別々
の通電機構SL3を介して異なる電位を与えると前記の
二次電子の軌道を適正に定めることができて、より良質
のCT画像を得ることができる。本実施例ではこの場合
を示している。
【0021】上記の二次電子の悪影響をより少なくする
とともに、前記のX線ターゲットTGの輻射熱が前記の
陰極側回転体組立CR又は前記の集電電極403,40
4に入射するのを防止する為に、前記のX線ターゲット
TGの内側表面を覆うようにこのX線ターゲットTGと
同軸状に環状の形状をした第一の熱吸収電極305を、
絶縁体306を介して真空容器VVに取り付けている。
第一の熱吸収電極305のX線ターゲットTGに対向す
る面及びこれに対向するX線ターゲットの表面は例えば
酸化チタン等で黒化表面処理を施しており、ターゲット
からの輻射熱を効率良く吸収するようにしてある。第一
の熱吸収電極305は熱容量が大きくしてあり、過度な
温度上昇は起こらないようになっている。さらに、絶縁
体306は例えば窒化アルミニュームのように熱伝導率
が大きな材質でできており、第一の熱吸収電極305の
熱を効率良く真空容器VVに伝達する。真空容器VVは
水冷管で強制冷却されており、第一の熱吸収電極305
の温度を低く保つことができる。従って、第一の熱吸収
電極305には多量の二次電子が流入しても多量の輻射
熱が流入しても温度上昇を低く抑えることができるよう
になっている。
【0022】一方、前記の集電電極403,404及び
前記の陰極側回転体組立CRは高速度で回転するのでで
きる限り熱容量を小さくしてあり、温度上昇を起こしや
すい。これらの温度が上昇すると、ガスの放出に起因す
る放電が発生しやすいことのほかに回転部分の部分的な
熱膨張に起因して回転のアンバランスが生じる。さら
に、X線焦点F1,F2,F3と回転中心軸CC’を結
ぶ線に近いところに入射した二次電子はCT画像の画質
に悪影響を与える焦点外X線を発生させる。従って、こ
れらの回転する部品や主X線の放射方向にある部品に入
射する前記の二次電子をできる限り減少することが重要
である。
【0023】上記を実現する為に、前記の集電電極40
3,404の電位を前記のX線ターゲットTGの電位よ
りも低く設定し、前記の第一の熱吸収電極305の電位
を集電電極403,404の電位よりも高くして前記の
集電電極403,404に向かう二次電子を積極的に第
一の熱吸収電極305で吸収するようにした。これらの
電極の電位は第一の熱吸収電極305に流れ込む電流が
最大に成るように真空容器VVの外部に置かれた図示し
ない電源によって決められる。
【0024】前記のX線ターゲットTGの外周部には環
状の第二の熱吸収電極302がX線ターゲットTGと同
軸状に位置して絶縁体303を介して真空容器VVに取
り付けてある。第二の熱吸収電極302は前記の第一の
熱吸収電極305と同様にして真空容器VVの外部から
電位を設定できるようになっている。第二の熱吸収電極
302のX線ターゲットTGに対向する面及びこれに対
向するX線ターゲットTGの表面は例えば酸化チタン等
で黒化表面処理を施しており、X線ターゲットTGから
の輻射熱を効率良く吸収するようにしてある。第二の熱
吸収電極302は大きな熱容量を持っており、過度な温
度上昇は起こらないようになっている。さらに、絶縁体
303は例えば窒化アルミニュームのように熱伝導率が
大きな材質でできており、第二の熱吸収電極302の熱
を効率良く真空容器VVに伝達する。真空容器VVは水
冷管で強制冷却されており、第二の熱吸収電極302の
温度を低く保つことができる。従って、第二の熱吸収電
極302には多量の二次電子が流入しても多量の輻射熱
が流入しても温度上昇を低く抑えることができるように
なっている。
【0025】他の実施例について説明する。前記の実施
例では集電電極403,404は両方とも陰極側回転構
造体CR上に取り付けられていたが、前記のX線ターゲ
ット上のX線発生点F1,F2,F3の周回軌道を含む
面に対してX線ターゲット側に在るターゲット側集電電
極404を環状の構造にしてX線ターゲットEGと同軸
状に絶縁体を介して真空容器VVに固定してある。前記
のX線ターゲット上のX線発生点F1,F2,F3の周
回軌道を含む面に対して陰極側に在るカソード側集電電
極403は、前記の陰極側回転構造体CR上に取り付け
られており、前記のターゲット側集電電極404の一部
と対面した状態で同軸的に回転する。真空容器VVに取
り付けた導入端子を通して真空容器VVの外からターゲ
ット側集電電極404の電位を設定するようにすると、
陰極側回転構造体CRを軽量化できると共にターゲット
側集電電極404の熱容量を大きくできるのでより大き
な効果を得ることができる。
【0026】また、他の実施例として前記の集電電極4
03,404の両方とも、又はどちらか一方を省略して
も、前記の第一の熱吸収電極305に与える電位を最適
化して二次電子の多くが第一の熱吸収電極305に入射
するようにすることにより同様の効果を持たせることが
できる。この場合、陰極側回転構造体CRが軽量になり
高速回転時の応力が軽減する効果が生じる。さらに、前
記の第一の熱吸収電極305又はは第二の熱吸収電極3
02の少なくとも一方の電位を真空容器VVの電位と同
じにした場合でも程度は異なるが同様の効果をもたせる
ことができる。この場合には前記の絶縁体303、30
6を省略でき、冷却効果を高めることができる。
【0027】本発明を実施例に関連して説明したが、本
発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に限定さ
れるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱する
ことなく、いろいろな実施形態が可能であり、いろいろ
な変更及び改変を加えることができることを理解された
い。例えば、この発明では電子銃組立が3個取り付けて
あるが1個でも3個以上でも良い。また、この発明では
陰極側回転体組立CRとX線ターゲットTGの両方を回
転させる構造を示しているが、X線ターゲットTG及び
これに繋がっている部分を固定にした構造のカソードス
キャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャ
ナを含む事は勿論である。また、上記の実施例では常温
で液体である液体金属を潤滑剤として使用した例を示し
ているが、やや高い融点を持っており常温で固体であっ
ても動作の前に加熱して液化させてから動作させれば同
じ効果が得られることは勿論である。更に、前記のX線
ターゲットから発生したX線を前記の真空容器の外に取
り出す為のX線放出窓は真空容器と一体になっていて
も、真空容器の一部として構成されていてもこの部分で
のX線の減衰率が小さければX線放出窓と見なすことが
出来るのは勿論である。真空容器VVは回転対称な形状
でなくても良い事は勿論である。真空容器の中心軸と陰
極側回転体組立又は陽極側回転体組立の中心軸がある程
度ずれていても良い事は勿論である。X線ターゲットが
分割して構成されており、それぞれの分割された部分に
隙間があっても良い事は勿論である。又、前記の第一の
熱吸収電極、第二の熱吸収電極、集電電極は周方向に分
割されていても良い事は勿論である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカソード
スキャン型X線発生器を採用すると、回転する部分を真
空容器内部の概略回転対称な構造体に軽い部品を取り付
けた構造にできるので遠心力の影響が少なくなり、例え
ばスキャン時間が0.03秒の超高速スキャン型X線C
Tスキャナを簡単な構造で安価に実現させることができ
る。特に、複数のX線焦点から同時に短時間に多量のX
線を発生することができ、フォトンノイズが少ない十分
に良質な画像を得ることができる。発生したX線は環状
の面検出器で有効に受信され、広い範囲の領域における
多数の断面を瞬時に撮影することができ、このデータを
使用して被検体の3次元の内部構造を瞬時に検査できる
ようになる。その為に例えば人間の心臓のように動きが
速い部分が被検体の内部にあってもこれを忠実に即時性
をもって撮影できるX線CTスキャナを提供することが
できる。X線ターゲットから放出される多量の二次電子
が、X線の放射方向の熱容量が小さい部品に入射しなく
なるので、この部品の温度上昇が抑制されて安定な動作
をさせることができるだけでなく、主X線の放射方向へ
向う焦点外X線の発生が防止できて良好な画質を得るこ
とができる。また、X線ターゲットから輻射される熱を
有効に真空容器の外部に導いて冷却することができる。
外部に機械的な回転機構がなく、これに関連した電源や
電子回路は静止状態で使用できるので全体として信頼性
がよく、X線CTスキャナ全体がコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のX線CTスキャナの概略の断面を表す図
である。
【図2】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生
器、及びこれを使ったX線CTスキャナの全体構造体の
主要部を表す概略の断面図及び正面図である。
【図3】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生
器、及びこれを使ったX線CTスキャナの全体構造体を
表す概略の断面図であり、図2(A)の拡大図である。
【図4】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器
の、ある瞬間に鉛直上方に位置する一部分の概略の断面
を拡大した図である。
【符号の説明】
ABG 陽極側の軸受機構 AR 陽極側回転体組立 B 寝台 CBG 陰極側の軸受機構 CR 陰極側回転体組立 DB 後方検出器組立 DF 前方検出器組立 D1 検出器DF,DBの一部 D2 検出器DF,DBの一部 D3 検出器DF,DBの一部 EG 電子銃組立 F1 X線焦点 F2 X線焦点 F3 X線焦点 HT 高電圧端子 LM1 円弧状のステータ LM2 円弧状のステータ M 被検体 MT1 磁路円筒 MT2 磁路円筒 RT1 ロータ RT2 ロータ SL1 陰極給電機構 SL3 通電機構 SLT スリット TG X線ターゲット VC 排気口 VV 真空容器 WF ファン方向分布整形器 XW X線放出窓 1 陰極 2 電子ビーム 217 回転トルク伝達機構 220 絶縁体 301 ターゲット支持機構 302 第二の熱吸収電極 303 絶縁体 305 第一の熱吸収電極 306 絶縁体 401 絶縁体 402 絶縁体 403 集電電極 404 集電電極 1001 従来のX線CTスキャナの固定架台 1002 従来のX線CTスキャナの回転架台 1003 従来のX線CTスキャナの軸受 1004 従来のX線CTスキャナのX線管 1005 従来のX線CTスキャナのX線 1006 従来のX線CTスキャナの検出器 1007 従来のX線CTスキャナの電子回路 1008 従来のX線CTスキャナの制御器 1009 従来のX線CTスキャナの回転駆動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21K 5/02 G21K 5/02 X 5/08 5/08 X 5/10 5/10 M H01J 35/26 H01J 35/26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を真空の状態に保持して真空空間を
    形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内
    部の真空空間において真空容器の中心軸と同軸的に回転
    できるように支承された陰極側回転体組立と、この陰極
    側回転体組立の一部に取り付けられた電子銃組立と、こ
    の電子銃組立に取り付けられており電子を放出する陰極
    と、この陰極に前記の真空容器の外部から給電する為の
    陰極給電機構と、前記の陰極の周回軌道と対向して取り
    付けられた環状のX線ターゲットと、このX線ターゲッ
    トの表面で発生したX線を前記の真空容器の外に取り出
    す為のX線放出窓と、前記の陰極側回転体組立に回転力
    を与える回転駆動機構と、前記の陰極側回転体組立を真
    空容器内で回転自在に支承する軸受機構と、前記のX線
    ターゲットと前記のX線放出窓の間に同軸状に配設され
    た第一の熱吸収電極とを有して構成されており、この第
    一の熱吸収電極は前記のX線ターゲットから放出された
    熱と二次電子とを吸収する作用をすることを特徴とする
    カソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線
    CTスキャナ。
  2. 【請求項2】 前記の軸受機構は、動作時に液体である
    液体金属を潤滑剤とした動圧滑り軸受からできており、
    この液体金属潤滑剤を介して前記の真空容器の外に電気
    的に通じていることを特徴とする特許請求項1に記載の
    カソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線
    CTスキャナ。
  3. 【請求項3】 前記のX線ターゲットの外周側に位置し
    た状態で、前記のX線ターゲットの外周表面と対面した
    表面を持つように配設された第二の熱吸収電極が設けら
    れており、この第二の熱吸収電極は前記のX線ターゲッ
    トから放出された熱と二次電子とを吸収する作用をする
    ことを特徴とする特許請求項1又は2のいずれか1つに
    記載のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使っ
    たX線CTスキャナ。
  4. 【請求項4】 前記の第一の熱吸収電極又は前記の第二
    の熱吸収電極の少なくともいずれか一方が電気絶縁体を
    介して前記の真空容器に固定されており、これらの第一
    の熱吸収電極又は第二の熱吸収電極の電位を真空容器の
    外から設定する為の手段を有することを特徴とする特許
    請求項1〜3のいずれか1つに記載のカソードスキャン
    型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャナ。
  5. 【請求項5】 前記の第一の熱吸収電極又は前記の第二
    の熱吸収電極の少なくともいずれか一方が前記の絶縁体
    を通じて冷却されていることを特徴とする特許請求項4
    に記載のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使
    ったX線CTスキャナ。
  6. 【請求項6】 前記の第一の熱吸収電極又は前記の第二
    の熱吸収電極の少なくともいずれか一方が前記のX線タ
    ーゲット又はこのX線ターゲットに結合された部品に対
    向する面を有しており、この面が黒化処理されているこ
    とを特徴とする特許請求項1〜5のいずれか1つに記載
    のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX
    線CTスキャナ。
  7. 【請求項7】 前記のX線ターゲットの表面におけるX
    線発生点と前記の陰極側回転体組立との間に位置する状
    態で、この陰極側回転体組立に取り付けられた集電電極
    と、この集電電極の電位を真空容器の外から設定する為
    の通電機構とを有し、この集電電極の電位よりもより高
    い電位を前記の第一の熱吸収電極に与えたことを特徴と
    する特許請求項1〜4のいずれか1つに記載のカソード
    スキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキ
    ャナ。
  8. 【請求項8】 前記の第一の熱吸収電極に付与されて電
    位又は前記の第二の熱吸収電極に付与された電位は前記
    のX線ターゲットに付与された電位よりも低くないこと
    を特徴とする特許請求項1〜4のいずれか1つに記載の
    カソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線
    CTスキャナ。
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