JP2001276053A - カソードスキャン型x線発生器及びx線ctスキャナ - Google Patents

カソードスキャン型x線発生器及びx線ctスキャナ

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JP2001276053A
JP2001276053A JP2000100234A JP2000100234A JP2001276053A JP 2001276053 A JP2001276053 A JP 2001276053A JP 2000100234 A JP2000100234 A JP 2000100234A JP 2000100234 A JP2000100234 A JP 2000100234A JP 2001276053 A JP2001276053 A JP 2001276053A
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cathode
ray
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Katsuhiro Ono
勝弘 小野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】X線CTスキャナのスキャン時間を大幅に短縮
した超高速CTスキャナ、及びこれを実現する為にカソ
ードスキャン型X線発生器を提供する。 【解決手段】ドーナツ型の真空容器VV内に、陰極側回
転体組立ARと、電子銃組立EGと、電子放出用陰極
と、環状の陰極給電機構SL1とを有し、上記陰極に給
電しながら陰極を被検体の周りで周回させ、環状のX線
ターゲットTGの表面に、加速電子ビームを入射して高
速度で周回するX線を発生させることができる超高速C
Tスキャナ、及びこれを実現する為のカソードスキャン
型X線発生器であって、陰極側回転体組立は液体金属潤
滑剤で潤滑した動圧滑り軸受から成る軸受機構CBGで
回転自在に支承されている。動圧滑り軸受には軸受の開
口部と真空空間の途中に液体金属潤滑剤吸収機構を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、小型でありなが
ら、高速度で周回するX線焦点からX線を放射して超高
速スキャンができるX線CTスキャナ用のカソードスキ
ャン型X線発生器、及びこれを使った超高速スキャンが
できるのX線CTスキャナに関する。X線焦点を周回さ
せる為の回転部分を真空容器内の小型の部品に限定する
ことにより、大気中における機械的な回転機構を持たず
にX線焦点を披検体の周囲に高速度で安定して周回させ
て被検体を瞬時に撮影して3次元の画像が得られる小型
のX線CTスキャナを提供する。液体金属を潤滑剤とす
る動圧滑り軸受を使って真空容器内で電子銃組立を周回
させると共に、真空容器内で周回している電子銃組立や
他の部品に真空容器の外から通電している。
【0002】
【従来の技術】従来のX線CTスキャナについて、概略
の断面を表している図1を参照して説明する。従来のX
線CTスキャナは、固定架台1001と、軸受1003
を介して回転する回転架台1002とを有している。回
転架台1002は制御器1008を用いて制御された回
転駆動機構1009によって空気中において回転させら
れる。X線を発生する為のX線管1004や、これに高
電圧を供給する為の高電圧電源(図示せず)や、X線を
受け取る為の検出器1006や、その他の電子回路10
07等をこの回転架台1002に取り付けた構造になっ
ている。回転架台1002に取り付けられた電子回路の
信号は図示しないスリップリングを介して固定架台10
01に伝達される。この為に回転架台1002に取り付
けられた部品の質量の和が大きくなって、X線CTスキ
ャナのスキャン速度を増そうとすると大きな遠心力が働
き、回転架台1002に取り付けられた部品や回転架台
1002自体が過大な応力に耐えられないのでスキャン
速度を高めることができない欠点を持っている。
【0003】従来構造のX線CTスキャナに使われるX
線管1004は、直径が10cm程度の円板状のX線タ
ーゲットをシリンダー状の真空容器の中で3000rp
m程度の高速度で回転させ、これに電子銃組立の陰極か
ら放射された電子を衝突させてX線1005を一方向に
放出するものであり、全体が円柱状に構成されている。
多量のX線を発生させる必要があるX線CTスキャナ用
のX線管では冷却器が必要であり、両者の質量の和は1
00Kg程度に大きくなり、体積も大きくなり、これを
取り付けて空気中で回転させる為の回転架台1002は
大型になり、X線CTスキャナ全体が大きくなって取り
扱いが不便であるだけでなく、設置スペースも大きくな
り、運転費用も多額であった。更に、近年になってX線
CTスキャナの用途が広がるにしたがって血液や造影剤
の瞬時的な観測が求められてきた。これに応える為に
は、X線管1004を高速度で被検体の周りで周回させ
る必要が生じている。これまでの最高の周回速度は2r
psであり、これが限度と考えられている。一方では、
X線量を増して画質を高めて診断能を高めたいとの要求
があり、従来のX線管1004の寸法と質量がますます
増大する必要がある。この相反する要求を同時に満たす
ことは従来の構造のX線CTスキャナでは不可能であっ
た。
【0004】一方で、スキャン速度を増す為に電子スキ
ャン方式のX線CTスキャナが過去に開発された。これ
は、横倒しに置いた魔法瓶の形をした真空容器の底の位
置に固定した電子銃組立から電子を取り出し、電子を真
空容器内でおよそ100cm走行させながら電磁的に電
子の位置を制御して被検体の周りを周回させた後に、こ
の電子を円弧状のX線ターゲットに入射させて半周回す
るX線を取り出すようになっている。この構造では、ス
キャン時間が0.1秒程度の高速スキャンができるが、
十分なX線量が得られないこと等に起因して画質が劣悪
であることや、X線の焦点が大き過ぎることや、安定な
動作を維持し難いことや、装置全体が大きくて取り扱い
難いことや、高価であること等の欠点を持ち、特殊な用
途に使用されているにすぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、X線CTスキャナのスキャン時間を大幅に短縮し
て動きが速い被検体の撮影におうてモーションアーチフ
ァクトを無くするとともに十分なレベルのX線量を確保
してフォトンノイズが少ない良質な画像を得ることがで
き、装置全体が小型であって取り扱い易いX線CTスキ
ャナを提供することである。特に、これを実現する為に
真空中で信頼性よく使える軸受機構、及び真空中で回転
している部品に給電できる給電機構として、動作時に液
体である金属を潤滑剤として使用した環状の動圧滑り軸
受を開発し、この軸受の直径が大きく、軸受の開口部の
周方向における高低落差が大きいにもかかわらず、液体
金属潤滑剤が軸受機構の外部の真空空間に漏出するのを
防止する機構を設けることにより安定に動作するカソー
ドスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTス
キャナを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、X線CTス
キャナの全ての回転部分をドーナツ状の真空容器の中に
取り付けて最小限度まで小さくし、空気中での機械的な
回転部分を無くすることにより超高速スキャンができる
X線CTスキャナを実現している。真空容器はドーナツ
状に作られており、真空容器の中心軸近傍の大気中に在
る寝台上に被検体が置かれている。真空容器の中で周回
する電子銃組立の陰極から電子が放出され、陰極の周回
軌道に対向して真空容器内に取り付けてある環状のX線
ターゲットに加速された電子が衝突してX線を発生させ
る。発生したX線は真空容器の小径側の壁に設けられた
X線放出窓を通って大気中の被検体に照射される。被検
体を通過したX線は前記の真空容器と同軸状に大気中に
おいて配設された環状のX線検出器で検出され、コンピ
ュータで断層像に再構成されて表示装置に表示される。
真空容器内のX線焦点を周回させる為の回転部分は軽量
な電子銃組立などに限定されておりその体積が小さく、
全体としてほぼ対称な形状であるので回転周期が0.1
秒以下の高速回転をしても回転体にかかる応力が十分に
小さくでき、安定して高速回転を続けることができる。
また、同一の陰極側回転体組立に3個程度の電子銃組立
が取り付けられるのでスキャン時間が0.03秒程度の
超高速スキャンが行える。
【0007】ドーナツ型の真空容器の内部で電子銃部分
を周回させる方式のX線CTスキャナは過去に提案され
ているがこれまでに実現していない。その理由の一つは
真空中において安定した回転を続ける手段と、回転体の
電位を安定して一定値に設定する確かな手段が見出され
なかった為である。本発明では真空中で信頼性よく使え
る軸受機構として、動作時に液体である液体金属を潤滑
剤として使用した環状の動圧滑り軸受を採用し、この軸
受の直径が大きくて軸受の開口部の周方向における高低
落差が大きいにもかかわらず、液体金属潤滑剤が軸受機
構の外部の真空空間に漏出するのを防止する手段を提供
している。また、液体金属潤滑剤を介して回転体の電位
を一定値に設定している。
【0008】本発明のX線CTスキャナでは回転中心軸
が実質的に水平方向にあり、軸受の直径がおよそ100
cmと大きい為に軸受ギャップ内の高低落差が大きいの
で、重力加速度の影響で前記の軸受ギャップの鉛直下方
に位置する部分における液体金属潤滑剤内の静圧力が大
きくなり、軸受の回転部分が回転を停止した場合には液
体金属潤滑剤が軸受の外部に漏出し易くなる。これを防
止する為に、液体金属潤滑剤が通常に存在する領域の実
質的な境界である軸受開口にさまざまな工夫を施してお
り、この軸受開口で液体金属潤滑剤の漏出が防止されて
いるが、予期し得ない理由により、液体金属潤滑剤がこ
の軸受開口から真空空間に近づくように移動した場合で
も、前記の陰極が周回する真空空間には液体金属潤滑剤
が到達しないようにする必要がある。本発明のX線CT
スキャナでは、前記の軸受開口と前記の真空空間との間
に、前記の軸受の回転部分である軸受回転体と前記の軸
受の固定部分である軸受固定体とで挟まれた出口通路を
設け、この出口通路の途中に、前記の液体金属潤滑剤を
吸収して閉じ込める液体金属潤滑剤吸収機構を設け、こ
の位置まで出てきた液体金属潤滑剤を軸受機構の内部に
閉じ込めるようにしている。従って、本発明を採用する
と、予期し得ない理由により軸受開口から出てきた液体
金属潤滑剤が軸受機構の外部の真空空間に出ないように
なっている。
【0009】上記の液体金属潤滑剤吸収機構は、前記の
出口通路と、前記の軸受回転体に設けられた、入り口を
有する空洞と、この空洞の入り口と前記の出口通路とを
繋ぐ液体金属潤滑剤吸収路を有している。この液体金属
潤滑剤吸収路は、液体金属潤滑剤で濡れない表面を持つ
ギャップ又は細孔でできており、前記の空洞の入り口は
前記の出口通路よりも半径が大きな位置に在るように構
成されている。前記の空洞の入り口に達した液体金属潤
滑剤は、前記の軸受回転体が回転している場合に遠心力
を受けて前記の空洞内に押し込まれるようになってい
る。前記の空洞内に入った液体金属潤滑剤は、この空洞
の入り口における表面張力が作用して、この空洞の外部
に出られないようになっている。
【0010】軸受面は真空容器に熱的に接続されてお
り、真空容器は外部から強制冷却されているので軸受で
の発熱があるにもかかわらず、軸受面の温度が上がら
ず、熱膨張が少なく、長時間にわたって安定な動作を行
うことができる。さらに、電子銃組立やX線ターゲット
などのように発熱する部品も軸受ギャップ内にある液体
金属潤滑剤を介して強制冷却され、熱膨張等が抑制され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】カソードスキャン型X線発生器は
ドーナツ型の真空容器で包まれており、この真空容器は
中心軸がほぼ水平になるように設置してあり、その中心
軸の近くの大気中に被検体(人体)が置かれており、真
空容器は被検体を取り囲むように配置されている。真空
容器は回転せずに固定されており、被検体との角度及び
水平方向の位置は変えることができるようになってい
る。この真空容器の内部でX線焦点が被検体の周りを周
回するように、X線焦点が移動しながら被検体に向って
X線が発生される。この周回するX線を使用することに
より大気中に回転機構を持たないX線CTスキャナを実
現している。従来の構造のX線CTスキャナでは実現が
不可能であった超高速スキャンが行えるとともに大出力
が得られるX線CTスキャナ用のカソードスキャン型X
線発生器、及びこれを使った超高速X線CTスキャナを
簡単な構造で安価にしかも信頼性良く実現した。
【0012】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の一実施例
によるカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使っ
たX線CTスキャナの実施例を説明する。図2は本発明
のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX
線CTスキャナの全体構造体の概略の断面図であり、図
3は原理図であり、図4は本発明に係わるカソードスキ
ャン型X線発生器の、ある瞬間において鉛直上方に位置
する一部分の断面を拡大した図であり、ある瞬間に鉛直
上方に位置した状態における電子銃組立周辺の断面の一
部を拡大して示している。図5は本発明のカソードスキ
ャン型X線発生器の軸受機構CBGの一部を拡大した断
面図であり、図6は図5の下方の一部を拡大した断面図
である。
【0013】図2に示すように、ドーナツ型の真空容器
VVは中心軸がほぼ水平になるように設置してあり、図
示しない真空ポンプによって排気口VCから高真空状態
にいつも排気されている。図2又は図4に示すように、
この真空容器VVの内部の真空空間に円筒状の陰極側回
転体組立CRがあり、陰極側回転体組立CRは常温で液
体である液体金属を潤滑剤とした動圧滑り軸受から成る
軸受機構CBGによって真空中で回転自在に支承されて
おり、これらの中心軸はCC’に一致している。陰極側
回転体組立CRには電子銃組立EGが周方向に分離して
3個取り付けてある。図2と図4に示すように、陰極側
回転体組立CRには銅でできた円筒状のロータRT2が
同軸状に取り付けられており、これと同軸状に磁性体か
ら成る磁路円筒が取り付けられている。ロータRT2に
対向した状態で真空容器VVの外側において真空容器壁
に沿って円弧状のステータLM2が取り付けられてい
る。前記のロータRT2は前記の磁路円筒とステータL
M2で挟まれた状態に配設されている。ロータRT2は
ステータLM2から真空容器VVの非磁性の材質で出来
た壁を通して電磁誘導作用を受けて回転トルクを与えら
れるので陰極側回転体組立CRは回転する。陰極側回転
体組立CRは動圧滑り軸受から成る軸受機構CBG内の
液体金属潤滑剤を通して電気的にも熱的にも真空容器V
Vに接続されている。
【0014】図4に示すように、電子銃組立EGの先端
部には熱電子2を放出する陰極1が取り付けられてい
る。この陰極1の回転軌道に対向した状態で環状のX線
ターゲットTGが取り付けられている。図2又は図4に
示すように、X線ターゲットTGは円筒状の陽極側回転
体組立ARに機械的に結合されている。陽極側回転体組
立ARは常温で液体である液体金属を潤滑剤とした動圧
滑り軸受から成る軸受機構ABGを介して真空容器VV
の一部に回転自在に取り付けられている。陽極側回転体
組立ARには銅管でできたロータRT1が取り付けられ
ており、これと同軸状に磁性体から成る磁路円筒が取り
付けられている。ロータRT1に対向した状態で真空容
器VVの外側において真空容器壁に沿って円弧状のステ
ータLM1が取り付けられている。前記のロータRT1
は前記の磁路円筒とステータLM1で挟まれた状態に配
設されている。ロータRT1はステータLM1から真空
容器VVの非磁性の材質でできた壁を通して電磁誘導作
用を受けることによって回転トルクを与えられるので、
陽極側回転体組立ARは回転する。X線ターゲットTG
の回転中心軸と前記の電子銃組立EGに含まれる陰極1
の周回中心軸CC’とは一致しており、陰極1は常にX
線ターゲットTGの表面と対向した状態で両者は互いに
反対方向に回転する。
【0015】図2又は図4を参照して陰極給電機構SL
1について説明する。図2又は図4に示す実施例では3
個の陰極給電機構SL1が同軸状に取り付けられてお
り、3本の独立した電流通路を形成している。これらの
図では陰極給電機構SL1の内部構造は簡略化して表し
ている。電子銃組立EGの陰極1は、真空容器VV内の
真空空間で電子銃組立EGの周回中心軸CC’と実質的
に同じ中心軸を持つ環状の陰極給電機構SL1を通して
高電圧端子HTに電気的に接続されている。高電圧端子
HTには真空容器VVの外に在る図示しない高電圧電源
からおよそー150KVの負の高電圧と電子銃組立EG
の陰極1を加熱する電力が供給される。それぞれの陰極
給電機構SL1は固定部と回転部を有し、固定部は絶縁
体220を介して電気絶縁を保ちながら真空容器VVの
一部に機械的に固定されている。陰極給電機構SL1の
回転部と固定部は、液体金属を潤滑剤とする動圧滑り軸
受を構成しており、液体金属潤滑剤を介して両者間で通
電される。陰極給電機構SL1の回転部が電子銃組立E
Gに弾力性のある回転トルク伝達機構217で機械的に
連結されており、陰極給電機構SL1は、ある程度の偏
芯及び軸方向の変位を許容した状態で電子銃組立と共に
回転する。
【0016】X線ターゲットTGは陽極側回転体組立A
Rの軸受機構ABG内に在る液体金属潤滑剤を介して電
気的にも熱的にも真空容器VVに接続されている。真空
容器VVは接地電位になっており、冷却水等で強制冷却
されている。従って、X線ターゲットTGは接地電位に
設定されると共に、X線ターゲットTGから発生した多
量の熱は液体金属潤滑剤を介して真空容器VVの壁の部
分を流れる冷却水で効率良く取り去られる。X線ターゲ
ットTGと冷却水との間の熱抵抗は十分に小さいのでX
線ターゲットTGの温度は低く保たれる為に大電力の入
力が許容され、極めて多量のX線を短時間に発生するこ
とができる。
【0017】電子銃組立EGは、図3に示すF1,F
2,F3のように陰極側回転体組立CRの周囲に等配に
3個取り付けられている。ここで、F1,F2,F3は
前記の電子2が加速されてX線ターゲットTGに衝突し
てできるX線の3つの焦点を示している。X線焦点F
1,F2,F3は同時にX線を発生させながら図3に示
すように同時に同じ方向に周回する。これらのX線焦点
の現在位置は陰極側回転体組立CRに取り付けられた角
度検出機構(図示せず)によって検出される。X線焦点
F1,F2,F3から放射されたX線は、図2又は図4
に示すようにX線ターゲットTGの内側にあるX線分布
制限機構によってファン状に整形され、陰極側回転体組
立CRに取り付けられたファン方向分布整形器WF(図
4参照)を通過してファン方向のX線強度分布を適正化
された後に真空容器VVのX線放出窓XW(図4参照)
を通過し、外部の環状のスリットSLTを通過した後
に、被検体Mを通過してX線ターゲットTGと同軸状に
取り付けられた2個の環状のX線検出器DF,DBのそ
れぞれの対向面に到達する。
【0018】図3に示すように、X線焦点F1,F2,
F3から出たX線は、それぞれが検出器の対向する部分
D1,D2,D3に在る細分化された検出素子で受信さ
れる。検出器の部分D1,D2,D3は互いに重ならな
いように照射野範囲などが決められている。検出器の部
分D1,D2,D3の合計は環状検出器のほとんど全体
を占めるのでX線検出器DF,DB内の全ての検出素子
が有効に活用され、コスト対性能比が改善される。環状
の検出器DF,DBはそれぞれが中心軸CC’の方向に
も多数の検出素子列に分けられており、それぞれの検出
素子で検出された信号は図示しない電子回路でデジタル
信号に変換され、図示しないコンピュータで断層像に再
構成され、図示しない画像表示装置に表示されてマルチ
スライスのCT画像を得ることができるようになってい
る。
【0019】ある瞬間に鉛直上方に位置した状態におけ
る電子銃組立周辺の断面の一部を拡大して図4に示して
おり、同じ部分は同じ記号を付している。図4におい
て、軸受機構CBGの内部構造は簡略化して表してい
る。陰極側回転体組立CRは全体的に見ると概略回転対
称構造であり、これに取り付けられた電子銃組立EG等
の部品は小型で軽量であるので10rps程度の高速回
転に十分耐えることができる。この場合、X線焦点が3
個であるのでスキャン時間は0.03秒まで短縮するこ
とができる。X線ターゲットTGは直径が120cmと
大型であり、X線焦点F1,F2,F3と反対方向に回
転しており、前記のように強制冷却されているのでX線
ターゲットTGの表面温度が高くなり難く、大電力の入
力が許容されるので短時間に十分な量のX線を発生する
ことができ、超高速スキャンであるにもかかわらずフォ
トンノイズが少ない良質なCT画像を得ることができ
る。また、マルチスライススキャンを実現しているので
X線の有効利用ができ、中心軸CC’と平行な方向の解
像度を高めることもできるだけでなく、広い範囲の撮影
を短時間で完了して3次元のリアルタイムCT画像を得
ることができる。
【0020】上記の構成のX線CTスキャナを実現する
為に避けて通れないのは、前記の機器構成で実用できる
軸受機構CBG、ABG、及び前記の陰極給電機構SL
1の回転部分を真空中で回転自在に支承する動圧滑り軸
受を実現させることである。従来は、直径が5cm以下
である小型で且つ軸受の開口が片側のみにある動圧滑り
軸受は実用化されている。この場合には、動圧滑り軸受
の内部に挿入された液体金属潤滑剤は軸受の開口におけ
る表面張力の作用で軸受の開口より内側に留められてい
た。動圧滑り軸受の十分な軸受圧力を得る為には回転部
分と固定部分のギャップのサイズは数十μmに限定され
ていた。例えば開口部におけるギャップのサイズが50
μmの場合には液体金属潤滑剤の高低差がおよそ18c
mを超えると、重力加速度による液体金属潤滑剤の静圧
力が軸受の開口における表面張力に打ち勝って液体金属
潤滑剤が外部に漏出する。このことは、軸受の回転部分
が回転を停止したときに深刻な問題となる。特に、本発
明の場合のように軸受の開口の周方向における高低落差
が100cm程度の動圧滑り軸受は従来の技術では実現
不可能であった。
【0021】図5と図6とを参照して動圧滑り軸受から
成る軸受機構CBGの実施例について説明する。図5は
陰極側回転体組立CRと陰極側の軸受機構CBGの断面
の一部を拡大して表しており、図5の上方の部分は実使
用時において、ある瞬間において鉛直上方に位置する部
分を示し、下方の部分は同じ瞬間において鉛直下方に位
置する部分を示している。図5においては中央部を省略
して短縮して表示している。図6は図5の下方に位置す
る一部分の拡大図であり、軸受機構CBGの断面を表し
ている。図6の説明は、図示されている鉛直下方の部分
のみについて番号を示す。陰極側回転体組立CRには軸
受機構CBGの回転部分である軸受回転体102が同軸
状に取り付けてある。軸受回転体102には軸受機構C
BGの固定部分である軸受固定体101がギャップを有
して嵌め合わせてある。軸受固定体101の一部は真空
容器VVに機械的及び熱的に結合されている。真空容器
VVは図示しない支持架台に取り付けられており、設置
床に対して適正な姿勢及び水平方向の位置が保てるよう
になっている。軸受固定体101と軸受回転体102と
は互いに対向した面を有し、この対向した面は第一の軸
受ギャップ103、108、第二の軸受ギャップ10
4,109、第三の軸受ギャップ106、111を有し
ている。これらの軸受ギャップを構成する対向面の少な
くとも一方にはヘリンボーン状の軸受溝がある。第一、
第二、第三の軸受ギャップ内には常温で液体である液体
金属、好適にはガリウム、インジューム、鈴の合金から
なる潤滑剤が充填されており、それぞれの軸受ギャップ
は、ラジアル軸受と、これを挟んで互いに距離をもって
対向して取り付けられた第一のスラスト軸受、及び第二
のスラスト軸受のそれぞれの軸受ギャップに一致してい
る。軸受ギャップ103と108、軸受ギャップ104
と109、軸受ギャップ106と111とはそれぞれ同
一のものであり、異なる番号は示す位置の違いを表して
いる。ここで、軸受ギャップとは対向する面の少なくと
も一方に前記の軸受溝を有していることを示している。
【0022】陰極側回転体組立CRに回転トルクが与え
られた場合には、これらの軸受内に動圧力が生じるので
回転部分を浮上させて回転自在に支承することができ
る。軸受回転体102が回転している場合にはそれぞれ
の軸受ギャップ内の液体金属潤滑剤は、軸受の内部に閉
じ込める作用を受けるので軸受のギャップから外部の真
空空間に漏出することは無い。
【0023】図5及び図6に示すように、前記の軸受固
定体101と軸受回転体102が構成する軸受ギャップ
の端部には、液体金属潤滑剤が存在する領域と真空空間
との実質的な境界となる環状の軸受開口120、及び軸
受開口121があり、軸受開口120、及び軸受開口1
21における液体金属潤滑剤の表面張力の圧力効果によ
って液体金属潤滑剤は軸受の内部に閉じ込められるの
で、通常は軸受開口120、及び軸受開口121を境と
してこれよりも真空空間側には前記の液体金属潤滑剤が
実質的に存在しないようになっている。軸受開口12
0、及び軸受開口121よりも真空空間側では、軸受固
定体101と軸受回転体102の表面で挟まれた出口通
路300,301が構成されており、この出口通路30
0、301は軸受機構CBGの外部の真空空間に連通し
ている。前記の第一のスラスト軸受の軸受ギャップ10
9と第二のスラスト軸受の軸受ギャップ111を構成す
るそれぞれの対向面は平面状になっており、第一のスラ
スト軸受の軸受ギャップ109はラジアル軸受の軸受ギ
ャップ108と軸受開口121とに、第二のスラスト軸
受の軸受ギャップ111はラジアル軸受の軸受ギャップ
108と軸受開口120とに連通している。軸受開口1
20、及び軸受開口121を構成する面の直径は第一の
軸受ギャップ108を構成する対向面の直径より小さく
なっている。
【0024】予期し得ない理由により液体金属潤滑剤が
軸受開口120、又は軸受開口121よりも真空空間側
に移動した場合でも、前記の陰極が周回する真空空間に
は液体金属潤滑剤が到達しないようにする必要がある。
この為に以下の工夫がされている。前記の出口通路30
0、301には液体金属潤滑剤吸収路505,507,
503,501が設けられている。これらの液体金属潤
滑剤吸収路505,507,503,501は液体金属
潤滑剤で濡れない表面を持っており、大きな表面張力の
圧力効果を生じるように狭いギャップ又は小さな孔から
出来ている。これらの液体金属潤滑剤吸収路505,5
07,503,501はこれらよりも半径が大きい側に
液体金属潤滑剤を吸収する為の空洞506,508,5
04,502にそれぞれ繋がっている。液体金属潤滑剤
を吸収する為の空洞506,508,504,502の
内部は液体金属潤滑剤で濡れる表面となっていることが
好ましい。出口通路300、301を構成する表面の内
で、軸受回転体102側に在る表面は液体金属潤滑剤吸
収路505,507,503,501の位置で半径が大
きくなるように傾斜した面を持っている。
【0025】次にこの部分の作用について述べる。軸受
機構CBG内の液体金属潤滑剤が予期しない理由で軸受
開口部120、及び軸受開口121から軸受の外に出た
場合には、軸受回転体102が回転しているときに、遠
心力により液体金属潤滑剤吸収路505,507,50
3,501の入り口に移動する。ここでは強い遠心力を
受けて液体金属潤滑剤吸収路505,507,503,
501を通過して空洞506,508,504,502
内に押し込まれる。前記のように液体金属潤滑剤吸収路
505,507,503,501では大きな表面張力が
作用するが、遠心力が勝るように通路の幅が決められて
おり、空洞506,508,504,502内には液体
金属潤滑剤が移動するが、軸受回転体102が回転を停
止した場合には液体金属潤滑剤吸収路505,507,
503,501の表面張力が大きいので外に出られない
ようになっている。更に、好適には、空洞506,50
8,504,502内は液体金属潤滑剤で濡れる表面を
持っているのでこの面に張り付いた状態になる。
【0026】このようにして、液体金属潤滑剤の漏出に
関して多重安全策がとられているので、液体金属潤滑剤
が軸受機構CBGの外部の真空空間に出て本発明のX線
CTスキャナの特性に悪影響を与える事もないし、真空
容器内の回転部分の回転特性に悪影響を及ぼさないよう
になっている。また、移動する液体金属潤滑剤の質量は
陰極側回転体組立CR全体の質量に比べると小さいので
回転バランスに対する影響は無視できる。
【0027】以上は陰極側回転体組立CRに使用してい
る動圧滑り軸受から成る軸受機構CBGについての説明
であるが、陽極側回転体組立ARに使用している動圧滑
り軸受から成る軸受機構ABGも、前記の陰極給電機構
SL1の回転部分に使用している動圧滑り軸受から成る
軸受機構も同様の構造と成っている。
【0028】軸受回転体102が十分な高速度で回転し
ている場合には前記のそれぞれの軸受ギャップにおいて
比較的大きな軸受損失が発生するが、軸受固定体101
は、外部から強制冷却されている真空容器VVに熱的に
も結合されているので、低い温度に保たれる。軸受回転
体102は、前記のそれぞれの軸受ギャップ内に在る液
体金属潤滑剤を介して軸受固定体101に熱的に結合さ
れており、十分に低い温度に保たれる。また、軸受回転
体102には陰極側回転体組立CRが機械的に結合して
あり、陰極側回転体組立CRには電子銃組立EGなどの
発熱体が取り付けてある。特に、陽極側の軸受機構AG
Bでは多量の熱を発生するX線ターゲットTGから多量
の熱が流入する。これらの場合でも、上記の理由により
軸受部分の温度を十分に低く保つことができる。
【0029】本発明を実施例に関連して説明したが、本
発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に限定さ
れるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱する
ことなく、いろいろな実施形態が可能であり、いろいろ
な変更及び改変を加えることができることを理解された
い。例えば、この発明では電子銃組立が3個取り付けて
あるが1個でも3個以上でも良い。また、この発明では
陰極側回転体組立CRとX線ターゲットTGの両方を回
転させる構造を示しているが、X線ターゲットTG及び
これに繋がっている部分を固定にした構造のカソードス
キャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTスキャ
ナを含む事は勿論である。また、空洞506,508,
504,502内や液体金属潤滑剤吸収路505,50
7,503,501はいくつかを省略できることは勿論
である。また、これらは環状構造であることが好ましい
が、周方向に配設された多数の有底の穴で構成しても良
い。軸受固定体101は真空容器の一部として構成して
も良いことは勿論である。更に、上記の実施例では常温
で液体である液体金属を潤滑剤として使用した例を示し
ているが、やや高い融点を持っており常温で固体であっ
ても動作の前に加熱して液化させてから動作させれば同
じ効果が得られることは勿論である。更に、前記のX線
ターゲットから発生したX線を前記の真空容器の外に取
り出す為のX線放出窓は真空容器と一体になっていて
も、真空容器の一部として構成されていてもこの部分で
のX線の減衰率が小さければX線放出窓と見なすことが
出来るのは勿論である。真空容器VVは回転対称な形状
でなくても良い事は勿論である。真空容器VVの中心軸
と陰極側回転体組立CR又は陽極側回転体組立ARの中
心軸がある程度ずれていても良い事は勿論である。X線
ターゲットTGが分割して構成されており、それぞれの
分割された部分に隙間があっても良い事は勿論である。
陰極給電機構SL1の回転部分は、この陰極給電機構S
L1の軸受機構を構成する軸受回転体そのものであって
も良い事は勿論である。陰極給電機構SL1は、軸受機
構CBGと一体に構成されていても良い事は勿論であ
る。尚、本発明では、ギャップのサイズとは、ギャップ
を構成する対向面の一方の面上の任意の点から、このギ
ャップを構成する対向面の他方の面への最短の距離を意
味している。
【0030】この発明は、これまで述べてきたように超
高速スキャンができるX線CTスキャナを実現させるも
のであるが、次のように小変更することにより周回中心
軸方向に向かって全周囲方向から電子線を照射する電子
線照射装置に応用することができる。即ち、前記の実施
例で説明した機器構成からX線ターゲット及びこれに関
する部分と、X線のX線分布制限機構及びファン方向分
布整形器WF及びその他のX線に関する部品を省略し
て、X線放出窓XWを薄いチタン板から成る電子線放出
窓に変更し、電子銃組立EGから電子を放出する方向を
電子線放出窓の方向に変えるだけでそのまま実用にな
る。これを使用すると、プラスチックやガラスやその他
の改質処理に使用できて工業的に大きな効果を得る電子
線照射装置を供給することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカソード
スキャン型X線発生器を採用すると、回転する部分を真
空容器内部の概略回転対称な構造体に軽い部品を取り付
けた構造にできるので遠心力の影響が少なくなり、例え
ばスキャン時間が0.03秒の超高速スキャン型X線C
Tスキャナを簡単な構造で安価に実現させることができ
る。特に、複数のX線焦点から同時に短時間に多量のX
線を発生することができ、フォトンノイズが少ない十分
に良質な画像を得ることができる。発生したX線は環状
の面検出器で有効に受信され、広い範囲の領域における
多数の断面を瞬時に撮影することができ、このデータを
使用して被検体の3次元の内部構造を瞬時に検査できる
ようになる。その為に例えば人間の心臓のように動きが
速い部分が被検体の内部にあっても、これを忠実に即時
性をもって撮影できるX線CTスキャナを提供すること
ができる。軸受機構には液体金属を潤滑剤とした動圧滑
り軸受を採用しているので真空中で長時間にわたって安
定に使用できるだけでなく、回転している部分の電位を
一定に保つことができて微小放電などの不安定な現象の
発生を防止できる。さらに、動圧滑り軸受を通して内部
で発生した熱を有効に真空容器の外部に導いて冷却する
ことができる。軸受の内部から出てきた液体金属潤滑剤
は多重安全の為の液体金属潤滑剤吸収機構に閉じ込めら
れることにより軸受機構の外部の真空空間に飛散しない
ので本発明のX線CTスキャナは十分な信頼性を保って
安定に動作することができる。外部に機械的な回転機構
がなく、これに関連した電源や電子回路は静止状態で使
用できるので全体として信頼性がよく、X線CTスキャ
ナ全体がコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のX線CTスキャナの概略の断面を表す図
である。
【図2】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生
器、及びこれを使ったX線CTスキャナの全体構造体の
主要部の断面である。
【図3】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生
器、及びこれを使ったX線CTスキャナの原理を説明す
る図である。
【図4】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器
の、ある瞬間において鉛直上方に位置する一部分の断面
を拡大した図である。
【図5】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器
の主要部である軸受機構の部分を拡大した断面図であ
る。
【図6】本発明に係わるカソードスキャン型X線発生器
に関する図5の一部を更に拡大した断面図である。
【符号の説明】
ABG 陽極側の軸受機構 AR 陽極側回転体組立 B 寝台 CBG 陰極側の軸受機構 CR 陰極側回転体組立 DB 後方検出器組立 DF 前方検出器組立 D1 検出器DF,DBの一部 D2 検出器DF,DBの一部 D3 検出器DF,DBの一部 EG 電子銃組立 F1 X線焦点 F2 X線焦点 F3 X線焦点 HT 高電圧端子 LM1 円弧状のステータ LM2 円弧状のステータ M 被検体 RT1 ロータ RT2 ロータ SL1 陰極給電機構 SLT スリット TG X線ターゲット VC 排気口 VV 真空容器 WF ファン方向分布整形器 XW X線放出窓 1 陰極 2 電子ビーム 101 軸受固定体 102 軸受回転体 103 ラジアル軸受ギャップの鉛直上方部分 104 第一スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直上
方部分 105 端部ギャップの鉛直上方部分 106 第二スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直上
方部分 107 端部ギャップの鉛直上方部分 108 ラジアル軸受ギャップの鉛直下方部分 109 第一スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直下
方部分 110 端部ギャップの鉛直下方部分 111 第二スラスト軸受の軸受ギャップの鉛直下
方部分 112 端部ギャップの鉛直下方部分 120 環状の軸受開口 121 環状の軸受開口 217 回転トルク伝達機構 220 絶縁体 300 出口通路 301 出口通路 501 液体金属潤滑剤吸収路 502 空洞 503 液体金属潤滑剤吸収路 504 空洞 505 液体金属潤滑剤吸収路 506 空洞 507 液体金属潤滑剤吸収路 508 空洞 1001 従来のX線CTスキャナの固定架台 1002 従来のX線CTスキャナの回転架台 1003 従来のX線CTスキャナの軸受 1004 従来のX線CTスキャナのX線管 1005 従来のX線CTスキャナのX線 1006 従来のX線CTスキャナの検出器 1007 従来のX線CTスキャナの電子回路 1008 従来のX線CTスキャナの制御器 1009 従来のX線CTスキャナの回転駆動機構

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を真空の状態に保持して真空空間を
    形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内
    部の真空空間において真空容器の中心軸と同軸的に回転
    できるように支承された陰極側回転体組立と、この陰極
    側回転体組立の一部に取り付けられた電子銃組立と、こ
    の電子銃組立に取り付けられており電子を放出する陰極
    と、この陰極に前記の真空容器の外部から給電する為の
    陰極給電機構の回転部分と、前記の陰極の周回軌道を含
    む面と対面して取り付けられた環状のX線ターゲット
    と、このX線ターゲットの表面で発生したX線を前記の
    真空容器の外に取り出す為のX線放出窓と、前記の陰極
    側回転体組立に回転力を与える回転駆動機構と、前記の
    陰極側回転体組立を真空容器内で回転自在に支承する軸
    受機構と、前記の陰極給電機構の回転部分を真空容器内
    で回転自在に支承する軸受機構とを有して構成されてお
    り、これらの軸受機構の内の少なくとも一方の軸受機構
    は、この軸受機構を固定する部分である軸受固定体と、
    この軸受固定体に嵌め合わされて回転する軸受回転体と
    を有し、これらの軸受固定体と軸受回転体との間には動
    作時に液体である液体金属を潤滑剤とした複数の動圧滑
    り軸受が構成されており、これらの動圧滑り軸受はギャ
    ップを有して対向する軸受面を有しており、これらの軸
    受面の少なくとも一方にはヘリンボーン状の軸受溝が設
    けられており、前記の動圧滑り軸受のいずれか2個は、
    前記の軸受回転体と前記の軸受固定体とに挟まれて出来
    ている出口通路を通じて前記の真空空間に通じており、
    この出口通路の途中に、前記の液体金属潤滑剤を非可逆
    的に閉じ込める液体金属潤滑剤吸収機構が設けられたこ
    とを特徴とするカソードスキャン型X線発生器、及びこ
    れを使ったX線CTスキャナ。
  2. 【請求項2】 内部を真空の状態に保持して真空空間を
    形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内
    部の真空空間において真空容器の中心軸と同軸的に回転
    できるように支承された陽極側回転体組立と、この陽極
    側回転体組立に取り付けられた環状のX線ターゲット
    と、このX線ターゲットの表面に対向した軌道を成して
    周回できるように取り付けられた電子銃組立と、この電
    子銃組立に取り付けられており電子を放出する陰極と、
    この陰極に前記の真空容器の外部から給電する為の陰極
    給電機構と、前記のX線ターゲットの表面から発生した
    X線を前記の真空容器の外に取り出す為のX線放出窓
    と、前記の陽極側回転体組立に回転力を与える回転駆動
    機構と、前記の陽極側回転体組立を真空容器内で回転自
    在に支承する軸受機構とを有して構成されており、この
    軸受機構は、この軸受機構を固定する部分である軸受固
    定体と、この軸受固定体に嵌め合わされて回転する軸受
    回転体とを有し、これらの軸受固定体と軸受回転体との
    間には動作時に液体である液体金属を潤滑剤とした複数
    の動圧滑り軸受が構成されており、これらの動圧滑り軸
    受はギャップを有して対向する軸受面を有しており、こ
    れらの軸受面の少なくとも一方にはヘリンボーン状の軸
    受溝が設けられており、前記の動圧滑り軸受のいずれか
    2個は、前記の軸受回転体と前記の軸受固定体に挟まれ
    て出来ている出口通路を通じて前記の真空空間に通じて
    おり、この出口通路の途中に前記の液体金属潤滑剤を非
    可逆的に閉じ込める液体金属潤滑剤吸収機構が設けられ
    たことを特徴とするカソードスキャン型X線発生器、及
    びこれを使ったX線CTスキャナ。
  3. 【請求項3】 前記の液体金属潤滑剤吸収機構は、前記
    の出口通路よりも半径が大きい位置に入り口を持ち、こ
    の入り口よりも半径が大きい方向に閉じた状態で前記の
    軸受回転体に設けられた空洞と、この空洞の入り口と前
    記の出口通路とを連結する液体金属潤滑剤吸収路とで構
    成されており、この液体金属潤滑剤吸収路は前記の液体
    金属潤滑剤で濡れない表面を持っていることを特徴とす
    る特許請求項1または2のいずれか1つに記載のカソー
    ドスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTス
    キャナ。
  4. 【請求項4】 前記の液体金属潤滑剤吸収路は、ギャッ
    プまたは細孔から成っており、前記の空洞内に溜まった
    液体金属潤滑剤が外部に出るのを妨げる大きさの表面張
    力が働くことを特徴とする特許請求項3に記載のカソー
    ドスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX線CTス
    キャナ。
  5. 【請求項5】 前記の液体金属潤滑剤吸収路は、前記の
    軸受回転体が回転したときに、前記の空洞の外にある液
    体金属潤滑剤を遠心力で前記の空洞の中に移動させるよ
    うに作られていることを特徴とする特許請求項4に記載
    のカソードスキャン型X線発生器、及びこれを使ったX
    線CTスキャナ。
  6. 【請求項6】 前記の空洞の内表面は前記の液体金属潤
    滑剤で濡れる面をもっていることを特徴とする特許請求
    項3又は4のいずれか1つに記載のカソードスキャン型
    X線発生器及びこれを使ったX線CTスキャナ。
  7. 【請求項7】 内部を真空の状態に保持して真空空間を
    形成するドーナツ形状の真空容器と、この真空容器の内
    部の真空空間において真空容器の中心軸と同軸的に回転
    できるように支承された陰極側回転体組立と、この陰極
    側回転体組立の一部に取り付けられた電子銃組立と、こ
    の電子銃組立に取り付けられており電子を放出する陰極
    と、この陰極に前記の真空容器の外部から給電する為の
    陰極給電機構の回転部分と、前記の陰極から放出されて
    加速された電子を取り出す為の電子線放出窓と、前記の
    陰極側回転体組立に回転力を与える回転駆動機構と、前
    記の陰極側回転体組立を真空容器内で回転自在に支承す
    る軸受機構と、前記の陰極給電機構の回転部分を真空容
    器内で回転自在に支承する軸受機構とを有して構成され
    ており、これらの軸受機構の内の少なくとも一方の軸受
    機構は、この軸受機構を固定する部分である軸受固定体
    と、この軸受固定体に嵌め合わされて回転する軸受回転
    体とを有し、これらの軸受固定体と軸受回転体との間に
    は動作時に液体である液体金属を潤滑剤とした複数の動
    圧滑り軸受が構成されており、これらの動圧滑り軸受は
    ギャップを有して対向する軸受面を有しており、これら
    の軸受面の少なくとも一方にはヘリンボーン状の軸受溝
    が設けられており、前記の動圧滑り軸受のいずれか2個
    は、前記の軸受回転体と前記の軸受固定体とに挟まれて
    出来ている出口通路を通じて前記の真空空間に通じてお
    り、この出口通路の途中に、前記の液体金属潤滑剤を非
    可逆的に閉じ込める液体金属潤滑剤吸収機構が設けられ
    たことを特徴とする電子線照射装置。
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