JP2000093420A - X線スキャン装置及びx線ctスキャナ - Google Patents

X線スキャン装置及びx線ctスキャナ

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JP2000093420A
JP2000093420A JP10286077A JP28607798A JP2000093420A JP 2000093420 A JP2000093420 A JP 2000093420A JP 10286077 A JP10286077 A JP 10286077A JP 28607798 A JP28607798 A JP 28607798A JP 2000093420 A JP2000093420 A JP 2000093420A
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annular
liquid metal
metal lubricant
cathode
rotating frame
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Kazuhide Urabe
和英 占部
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 構造が簡単で信頼性があり、超高速スキャン
型CTスキャナに使用できる小形で低価格のX線スキャ
ン装置及びこのX線スキャン装置を用いて構成されるX
線CTスキャナを提供すること。 【解決手段】 ドーナツ形の真空外囲器Aと、該ドーナ
ツ形真空外囲器Aの排気された環状空間に取り付けられ
た環状X線ターゲット100と、該ドーナツ形真空外囲
器Aの排気された環状空間に取り付けられた環状陰極固
定フレーム222と、この環状陰極固定フレーム222
の回りに回転自在に取り付けられた環状陰極回転フレー
ム221と、該環状陰極回転フレーム221に機械的に
連結され、該環状陰極回転フレーム221が回転するに
つれて環状の軌道に沿って前記環状X線ターゲット10
0に衝突してX線を発生させる電子ビームを発生するた
めの少くとも1 つの電子放出源200とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CTスキャナ(コン
ピュータ断層撮影)のためのX線発生点を円形軌道上で
高速度で周回させる装置に好適なX線スキャン装置及び
このX線スキャン装置を用いて構成される超高速スキャ
ン型CTスキャナ等のX線CTスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、CTスキャナを使った検査では被
検体(患者)は、CTスキャナの中心孔に配置された水平
な寝台の上に仰向けに寝かされる。CTスキャナ用の従
来のX線管装置全体が回転自在の回転架台部分に取り付
けられて被検体の周りに2〜0.75秒のスキャン時間
で周回される。従来使われていたX線管は、いわゆる回
転陽極X線管といわれるものであり、真空に封じ切られ
た直径が20cm程度以下の柱状の真空外囲器の中でデ
スク状のX線ターゲットを回転させ、これに対向した位
置に固定された陰極から電子を取り出し、この間の高電
圧で加速してX線ターゲットに衝突させることによって
X線を取り出すものである。
【0003】このX線管で単位時間当りに発生するX線
量を多くするためにはX線ターゲットの熱容量を大きく
する必要があり、益々大きなX線ターゲットを備えたX
線管が作られるようになっていおり、その直径は12.
5〜20cmであり、重量は11Kgに達するものもあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、X線タ
ーゲットを大きくすれば、それだけX線管全体を大きく
しなければならないだけでなく、X線管用の冷却器も大
きくしなければならないので、例えばそのX線管装置合
計の重量は100Kg近くになるものもある。従って、
このX線管装置全体を被検体の周りに周回させるにはそ
の速度に限界があるだけでなく、X線管装置が、既存の
CTスキャナの架台の狭いスペースに搭載できにくくなっ
てきている。
【0005】特に、大型のX線管装置と、大型の支持構
造体を組み入れた第4 世代のスキャナは、X線検出器の
直径を大きくする必要がある。その結果、X線管装置と
検出器との間のX線パスの長さを長くしなければならな
い。X線パスの長さを長くすると、X線検出器が所要の
立体角をカバーするようにこれを物理的に大きくしなけ
ればならない。X線検出器を大型化すれば、それだけコ
スト高になる。
【0006】CTスキャナのスキャン速度(1断面画像
のためのデータを採取する速度)を高めるには、X線管
装置をより高速度で周回させるが、X線管装置の周回速
度を高くすると、1 画像当りの正味のX線量が減少する
ので単位時間当りに発生するX線量を高める必要があ
り、より大型のX線管装置が開発されてきている。X線
管装置が大型になると、高速周回時の遠心力が大きくな
り、架台が大型になり高価となってきた。例えば、スキ
ャン時間を0.5秒にするためにはおよそ12Gの加速
度を受けるのでこれが限度と考えられている。
【0007】この改善のために、被検体の周りに環状に
配列された複数個の、例えば5 、6本の切挽可能なX線
管装置の配列体を用いる方式のCTスキャナが、例えば
米国特許第4 ,274 ,005 号等によって提案されてい
る。しかしながら、それらのX線管装置の配列体を静止
して使用した場合にはX線発生点の数が少なく、得られ
るCT画像の空間解像度が不足する。その改善のために
これらの多数のX線管装置をすばやく周回させてこの間
に発生する熱をすべて除去しようとすると、やはり上述
したのと同じ機械的な間題が避けられない。
【0008】更に、釣鐘状の真空外囲器を有し、被検体
をこの凹部内に横たわらせることができるようにした電
子ビームスキャン装置が、例えば、米国特許第4 ,122
,346 号及び4 ,135 ,095 号等によって提案されて
いる。X線ビーム発生用X線ターゲットは釣鐘状の真空
外囲器の頂部に配置されており、X線ターゲットに衝突
する電子ビームは釣鐘状の電子ビームスキャン用真空外
囲器の根元のところで発生される。電子ビームを釣鐘状
の電子ビームスキャン用真空外囲器の周りに走査させる
ための電子装置が設けられている。この電子ビームスキ
ャン装置の問題点の1 つは、電子ビームを長距離に渡っ
て走行させるので焦点内のX線強度分布を好ましい形に
保つのが困難であることである。また、真空容器が大型
になり、大きなスペースが必要となる問題もある。
【0009】特開昭52−50186号公報には、ドー
ナツ型の真空外囲器内に環状のX線ターゲットを取付
け、該真空外囲器内で該環状のX線ターゲットに対向す
る位置に陰極を設け、この陰極はトローリーに取り付け
られており、このトローリーには3つのホイールが取り
付けられている。そして、これらのホイールは前記ドー
ナツ型の真空外囲器内に取り付けたレールでガイドさ
れ、このレールに沿って前記陰極は移動可能となってお
り、該陰極には前記レールとホイールを通じて通電され
る構造のX線スキャン装置が開示されている。
【0010】陰極への通電はこのレールとホイールを通
して行われる。この構造では真空中で固体同士がが機械
的に接触しながら周回するので摩耗が発生するなどで高
い信頼性が得られず、電気的には接触抵抗の変化があり
安定しない。また、環状のX線ターゲットは固定されて
おり、調整時等のように陰極が周回しないときに多量の
X線を発生させようとするとX線ターゲットの表面の温
度が高くなり過ぎて溶融するなどの不具合が生じる。
【0011】更に別のタイプのX線発生装置として、例
えば米国特許第5 ,179 ,583 号等によって陰極スキャ
ン型X線管が提案されている。
【0012】これはドーナツ状の真空容器内に大きな径
の環状の固定されたX線ターゲットを持っており、これ
に対向した位置で陰極構体を周回させてX線の焦点を周
回させるものであり、電子の走行距離を短くしている。
この陰極構体は磁気軸受を使って非接触で回転自在に支
承された回転フレームに取り付けられている。陰極への
給電は別の通電用陰極を追加して非接触で行う構造にな
っている。このX線発生装置は構造が複雑であり、磁気
軸受を使用しているので高価になる。また、陰極への給
電が不安定となり、信頼性の確保が困難である。また、
X線ターゲットが固定されているので上記の問題があ
る。
【0013】特公昭63―22407号公報には、ドー
ナツ型の真空外囲器内に環状のX線ターゲットを磁気軸
受によって非接触で回転自在に取付け、該真空外囲器内
で該環状のX線ターゲットに対向する位置に陰極構体を
磁気軸受によって非接触で回転自在に同軸状に取付け、
回転している環状のX線ターゲットの周上を該陰極構体
を周回させることによってX線発生点を周回させるX線
スキャン装置が開示されている。しかし、このもので
は、周回する陰極のフィラメントへの通電は真空中で使
用するスリップリングが取り付けられており、信頼性の
確保が困難である。また、この構造では磁気軸受を使用
しているので高価であり、価格上問題となると共に、X
線の発生時に停電が起こった場合の安全性の確保が難し
い等の問題がある。
【0014】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
なされたものであり、構造が簡単で信頼性があり、スキ
ャン時間が0.1秒以下である超高速スキャン型CTス
キャナに使用できる小形で低価格のX線スキャン装置及
びこのX線スキャン装置を用いて構成されるX線CTス
キャナを提供することを課題としており、特に、その達
成のために機械的に回転する部分を真空外囲器内部の軽
量な部分に限定し、これに使用する軸受は、構造が簡単
で、電気的及び熱的に真空外囲器に連通していて動作が
安定で、回転時に固体部分の接触が無く、低振動で低騒
音で、かつ長寿命であり、停電時にも安全が確保される
ようにすることを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明のX線スキャン装置は、排気された環状空間を画
定するドーナツ形の真空外囲器と、該ドーナツ形真空外
囲器の排気された環状空間に取り付けられた環状X線タ
ーゲットと、該ドーナツ形真空外囲器の排気された環状
空間に取り付けられた環状陰極固定フレームと、この環
状陰極固定フレームの回りに回転自在に取り付けられた
環状陰極回転フレームと、該環状陰極回転フレームに機
械的に連結され、該環状陰極回転フレームが回転するに
つれて環状の軌道に沿って移動しながら前記環状X線タ
ーゲットに衝突してX線を発生させる電子ビームを発生
するための少くとも1 つの電子放出源と、を含んで構成
されるX線スキャン装置であって、前記環状陰極固定フ
レームと前記環状陰極回転フレームの相対する面の少な
くとも一部がギャップを有する軸受面を構成し、前記軸
受面間のギャップの少なくとも一部に常温で液体の金属
でなる液体金属潤滑剤が充填され、前記軸受面の少なく
とも一方の面にはヘリンボン状の溝が形成され、これら
は動圧滑り軸受を構成しており、前記環状陰極回転フレ
ームの一部はまたは該環状陰極回転フレームに取り付け
られた回転部材の少なくとも一部は前記液体金属潤滑剤
で濡れていない表面を有し、該表面で前記液体金属潤滑
剤の表面張力が作用して該環状陰極回転フレームが回転
を停止した時にも前記液体金属潤滑剤が真空外囲器の排
気された環状空間に漏出するのを防止することを特徴と
する。
【0016】請求項2に係る発明は、前記環状陰極回転
フレームの少なくとも一部は、または該環状陰極回転フ
レームに取り付けられた回転部材の少なくとも一部は前
記液体金属潤滑剤で濡れていない第1の表面を有してお
り、該第1の表面に対向した前記環状陰極固定フレーム
上の面の少なくとも一部にあり、または該環状陰極固定
フレームに取り付けた固定部材にあり、前記第1の表面
に対向した少なくとも一部の面を構成する第2の表面は
前記液体金属潤滑剤で濡れていない表面を有し、回転を
停止した時の前記第1の表面と第2の表面の濡れていな
い表面の下方の半径方向のギャップをdx、該両濡れな
い表面の直径のうち大きい方をDg、前記両軸受面の直
径のうち大きい方をDb,前記液体金属潤滑剤の密度を
ρ、この液体金属潤滑剤の前記第1及び第2の表面の濡
れない表面における表面張力をγ、重力加速度をgとす
るとき、dx・(Db+Dg)<4・γ/(ρ・g)なる
関係があることを特徴とする。
【0017】請求項3に係る発明は、前記環状陰極回転
フレームを回転自在に支承するための前記動圧滑り軸受
を含んでおりかつ液体金属潤滑剤の存在が許容される環
状の領域内に位置する環状陰極回転フレームの表面部分
とこれと対向する前記環状陰極固定フレームの表面とで
挟まれた部分の容積をVg、この環状の領域内に充填さ
れた液体金属潤滑剤の体積をV1とするとき、V1<Vg
なる関係があることを特徴とする。
【0018】請求項4に係る発明は、前記環状陰極回転
フレームが回転を停止したときに液体金属潤滑剤の存在
が許容される環状の領域の境界部分にある濡れない環状
の面の最下面からの前記液体金属潤滑剤の平衡液面の鉛
直高さをH1、回転を停止した時の前記第1の表面と第
2の表面の濡れていない表面の下方の半径方向のギャッ
プをdx、前記環状の領域の境界部に於いて液体金属潤
滑剤に濡れない表面での液体金属潤滑剤の表面張力を
γ、液体金属潤滑剤の密度をρ、重力加速度をgとする
とき、dx・H1<2・γ/(ρ・g)なる関係があるこ
とを特徴とする。
【0019】請求項5に係る発明は、前記環状陰極回転
フレーム上で液体金属潤滑剤が広がれる環状の領域に少
なくとも1個の窪みを設け、該窪みの容積の総和V
sと、該環状の領域内にあり該窪み部分を除く前記環状
陰極回転フレームの表面とこれに対向する前記環状陰極
固定フレームの表面とで挟まれた環状の領域の容積Vg
との和の容積V2tよりもこの環状の領域内に挿入された
液体金属潤滑剤の体積V2が小であり、前記窪みは前記
環状の領域内に開口し、該環状陰極回転フレームが回転
を停止している時には鉛直下方に位置する窪みの中に液
体金属潤滑剤が収納され、回転時には該窪みによって液
体金属潤滑剤が上方に持ち上げられて軸受面内に供給さ
れることを特徴とする。
【0020】請求項6に係る発明は、前記環状陰極回転
フレームの液体金属潤滑剤が広がれる環状の領域内に環
状の溝を設け、該環状の溝の容積Vfと、該環状の領域
内にあり該環状の溝を除く前記環状の領陰極回転フレー
ムの表面とこれに対向する前記環状陰極固定フレームの
表面とで挟まれた環状の領域の容積Vgとの和の容積V
3tよりも該環状の領域内に挿入された液体金属潤滑剤の
体積V3を小とし、前記環状の溝は該環状の領域内にお
いて当該環状の領域と連通しており、前記環状陰極回転
フレームが回転を停止している時には鉛直下方の部分に
液体金属潤滑剤が満たされて前記濡れない表面の最下部
からの平衡液面の鉛直高さH2が前記軸受面の直径のう
ち大きい方の直径Dbと前記濡れない表面の直径のうち
大きい方の直径Dgの平均値より小であり、前記環状陰
極回転フレームの回転時には該環状の溝に沿って鉛直上
方に持ち上げられてこの液体金属潤滑剤が軸受内に供給
されることを特徴とする。
【0021】請求項7に係る発明は、前記環状陰極回転
フレームの液体金属潤滑剤が広がれる環状の領域と分離
した位置に液体金属潤滑剤の貯蔵スペースを設け、該貯
蔵スペースの内部と該環状の領域内とが連通されてお
り、前記貯蔵スペースの容積V4と、環状の領域内にあ
り貯蔵スペースを除く環状陰極回転フレームの表面とこ
れと対向する前記環状陰極固定フレームで挟まれた環状
の領域の容積Vgとの和の容積V4tよりも該環状の領域
内に挿入された液体金属潤滑剤の体積Vm4を小さくし、
環状陰極回転フレームが回転を停止している時には貯蔵
スペースの鉛直下方の部分に液体金属潤滑剤が収納さ
れ、前記環状陰極回転フレームの回転時には液体金属潤
滑剤が上方に持ち上げられて前記連結穴を通じて軸受面
内に供給されることを特徴とする。
【0022】請求項8に係る発明は、排気された環状空
間を画定するドーナツ形の真空外囲器と、該ドーナツ形
真空外囲器の排気された環状空間に取り付けられた環状
X線ターゲットと、該ドーナツ形真空外囲器の排気され
た環状空間に取り付けられた環状陰極固定フレームと、
この環状陰極固定フレームの回りに回転自在に取り付け
られた環状陰極回転フレームと、該環状陰極回転フレー
ムに機械的に連結され、該環状陰極回転フレームが回転
するにつれて環状の軌道に沿って移動しながら前記環状
X線ターゲットに衝突してX線を発生させる電子ビーム
を発生するための少くとも1 つの電子放出源と、を含ん
で構成されるX線スキャン装置であって、前記環状X線
ターゲットは前記排気された環状空間に取り付けられた
環状陽極固定フレームの回りに回転自在に取り付けられ
た環状陽極回転フレームに機械的に連結され、前記環状
陽極固定フレームの少なくとも一部と該環状陽極回転フ
レームの相対する面の少なくとも一部がギャップを有す
る軸受面を構成し、前記軸受面間のギャップの少なくと
も一部に液体金属潤滑剤が充填されると共に、該軸受面
の少なくとも一方の面にはヘリンボン状の溝が形成さ
れ、これらは動圧滑り軸受を構成しており、前記環状陽
極回転フレームの一部はまたは該環状陽極回転フレーム
に取り付けられた回転部材の少なくとも一部は前記液体
金属潤滑剤で濡れていない表面を有し、該表面で液体金
属潤滑剤の表面張力が作用して該環状陽極回転フレーム
が回転を停止した時にも液体金属潤滑剤が真空外囲器の
排気された環状空間に漏出するのが防止されることを特
徴とする。
【0023】請求項9に係る発明は、前記陰極回転フレ
ームの前記軸受面が、該陰極回転フレームが高速度で回
転した場合に拡大し、前記軸受面間のギャップが静止時
の値の1.5倍以上に大きくなり、軸受損失の増大を防
いでいることを特徴とする。
【0024】請求項10に係る発明は、前記環状陰極固
定フレームと前記環状陰極回転フレームの間にギャップ
が構成され、該ギャップ内に液体金属潤滑剤が挿入され
ており、該液体金属潤滑剤の表面と前記真空外囲器内部
と真空空間とが連通するパスが該真空間に開口する部分
が、前記環状陰極固定フレームと前記環状陰極回転フレ
ームのそれぞれに取り付けられたカバーで交互に覆われ
ていることを特徴とする。
【0025】請求項11に係る発明は、前記液体金属潤
滑剤で濡れない表面は、金属酸化物であることを特徴と
する。
【0026】請求項12に係る発明のX線CTスキャナ
は、請求項1〜11のうちいずれか1つに記載のX線ス
キャン装置と、前記環状X線ターゲットの表面から放出
されるX線ビームを検出するためのX線検出器と、前記
X線検出器の出力信号を再構成処理するための演算装置
と、前記演算装置により再構成された断面像を表示する
ための表示装置と、を含んで構成されることを特徴とす
る。
【0027】かかる本発明の作用について説明する。請
求項1及び8に係る発明のX線スキャン装置において
は、軸受の直径が例えば1.2mと大きいので回転を停
止したときの液体金属潤滑剤内の重力による圧力が高く
なり、通常の構造では液体金属潤滑剤が漏出するが、環
状陰極回転フレームの一部はまたは該環状陰極回転フレ
ームに取り付けられた回転部材の少なくとも一部は前記
液体金属潤滑剤で濡れていない表面を有し、この表面で
前記液体金属潤滑剤の表面張力が作用してこの表面張力
が液体金属の重力による圧力に打ち勝つ構造になってい
るため、該環状陰極回転フレームが回転を停止した時に
も上記の液体金属潤滑剤が真空外囲器の排気された環状
空間に漏出するのを防止することができる。
【0028】また、軸受面は液体金属潤滑剤を通じて電
気的にも熱的にも真空外囲器と連通しており、動作が安
定している。この回転機構を採用すると、スキャン時間
を0.1秒以下まで短縮した超高速スキャン型CTスキ
ャナを実現できるX線スキャン装置を簡単な構造で安価
にしかも信頼性良く提供することができる。特に、作動
中に停電になっても安全が確保できることが特筆でき
る。また、環状のX線ターゲットを同様な回転機構を介
して回転させておくと、前記電子ビームが入射する部分
の温度上昇を低めることができるので、陰極が周回を停
止した場合でも十分なX線量を得ることができる。
【0029】請求項2〜7及び9〜11に係る発明にお
いは、回転停止時の液体金属潤滑剤の平衡液面が低くな
る工夫により、静止時には液体金属潤滑剤と軸受部材の
少なくとも一部との表面張力を作用させて液体金属潤滑
剤が軸受外の真空外囲器内に漏出するのが防止される。
【0030】請求項12に係る発明のX線CTスキャナ
は、請求項1〜11のうちいずれか1つのX線スキャン
装置を採用することで、小型で低価格で信頼性の高い超
高速スキャン型のCTスキャナを提供することができ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の一実施形態によるX線スキャン装置びその使用方法を
説明する。図1 には本発明によるCTスキャナが示されて
いる。このCTスキャナは、架台IIと、架台IIに取り
付けられたドーナツ形のX線スキャン装置Iと、電子装
置部IIIと、表示装置IVと、寝台Vで構成されてい
る。電子装置部IIIは、架台に作動電力及び制御信号
を供給し、架台からデータを受け取り、受け取ったデー
タを電子画像表示として再構成し、電子画像を人間が読
み取ることができる形に変換し、表示装置IVで表示す
る。
【0032】図2は図1のX線スキャン装置Iの概略断
面図を表している。かかる図2を参照してX線スキャン
装置Iの構造について説明する。X線スキャン装置Iに
は、ドーナツ状の真空空間を作るドーナツ形の真空外囲
器A があり、該ドーナツ状の真空外囲器A の内部空間
に、その円周方向に沿って環状陽極組立体B が取り付け
られている。この環状陽極組立体Bには環状X線ターゲ
ット100が取り付けてある。
【0033】ドーナツ形の真空外囲器A 内部で環状陽極
組立体Bに対面した位置に環状陰極組立体Cが配設され
ている。この環状陰極組立体Cには電子銃組立体200
が取り付けられてあり、電子銃組立体200は環状X線
ターゲット100の表面に電子ビームを照射するための
熱電子を取り出す働きをする。
【0034】環状陽極組立体B及び環状陰極組立体Cは
中心軸がほぼ水平で互いに同心状にになる様に取り付け
られており、それらのうち少なくとも環状陰極組立体C
が回転自在に取り付けられている。好適には両方が回転
自在であり、互いに反対方向に回転するのが好適であ
る。環状陰極組立体Cは陰極回転駆動組立体Dから、環
状陽極組立体Bは回転駆動組立体Eから回転トルクを受
けてドーナツ形の真空外囲器A の内部で回転する。この
とき、電子銃組立体200は環状X線ターゲット100
の周辺の表面に対向した状態で環状X線ターゲット10
0の表面に沿って周回する。
【0035】この電子銃組立体200から放出された電
子はこれらの間に印加されているおよそ150KVの高
電圧で加速されて環状X線ターゲット100の外周部の
X線発生点に入射されて制動輻射によってX線を発生す
る。このようにしてX線発生点即ちX線焦点は環状X線
ターゲット100の外周部分を周回することにより全周
方向から回転中心軸の方向に向かったX線でほぼ回転中
心部分に位置された被検体を全周方向からにスキャンす
ることができる。
【0036】電子ビーム10が環状X線ターゲット100
の表面に入射してX線焦点で制動輻射によってX線束が
創生され、X線束は環状陰極組立体Cに取り付けられた
スリットFとウェッジフィルタGを通過した後、真空外
囲器AのアルミニュームでできたX線放射窓Hを通過
し、選択された環状のスリットSで分布が薄いファンビ
ーム状に制限されたX線が中央部の図示しない被検体
(患者)を通過した後、環状に配設されたX線検出器セ
グメントJ1,J2に入射する。このX線検出器セグメ
ントJ1,J2は、例えば光学的に結合されたシンチレ
ーション結晶とホトダイオードから成る複数のX線検出
器の環配列体でできており、前置増幅器、フィルタ及び
A /D 変挽器等を含む検出器電子装置部(図示せず)を
備えている。
【0037】先ず、環状陽極組立体Bについて図2の一
部を拡大したX線スキャン装置Iの一部の概略断面図で
ある図3を参照して詳述する。環状陽極組立体B には、
環状陽極固定フレーム124に環状の陽極軸受128を
介して回転自在に支えられた環状陽極回転フレーム12
1が取り付けられている。環状陽極回転フレーム121
には環状の陽極ロータ122を取り付けている。
【0038】この陽極ロータ122には銅でできた環状
の陽極回転トルク発生部123と透磁率が高い板、例え
ば珪素鋼板を積層した環状の陽極透磁体132が取付け
られている。この回転トルク発生部123と面した位置
の真空外囲器Aの外に円弧状のステータ130が取り付
けてあり、これらがリニアモータを構成して環状陽極組
立体B に回転トルクを与える。陽極透磁体132に対向
し、ドーナツ状の真空容器Aの外側の位置に陽極移動用
電磁石131が取り付けてあり、これにコイル133、
134が巻かれている。
【0039】コイル133、134の一方に流す電流を
他方の電流よりも多くすることで陽極透磁体132を一
方向により強く吸引して環状陽極組立体B を陽極軸受1
28の回転中心軸に平行方向に移動することができる。
陽極軸受128は液体金属潤滑剤で潤滑された動圧滑り
軸受であり、この軸受面の少なくとも一方の対向面に図
5〜図9に示すようなヘリンボン状の溝がついている。
【0040】この陽極軸受が真空外囲器Aの内部の真空
空間と連通するパスを有し、該パスが真空空間に開口す
る部分が前記環状陽極固定フレーム124と前記環状陽
極回転フレーム121のそれぞれから交互にオーバーラ
ップする様に取付けられた複数個の環状のカバー12
5、135、127、136が設けてあり、そのカバー
の内部の少なくとも一部の面が液体金属潤滑剤と濡れた
表面となっており、この部分で液体金属潤滑剤をトラッ
プする効果を持たせて突発事故があった場合にも液体金
属潤滑剤が真空外囲器Aの真空空間に漏出、飛散するの
を防止している。
【0041】環状陽極回転フレーム121には両端に金
属板111、113を接合した柱状絶縁体112が複数
個放射状に取り付けられている。この柱状絶縁体を介し
て環状陽極回転フレーム121と同心状に第2の陽極環
状フレーム104が取り付けてある。この陽極環状フレ
ーム104の一端には熱伝導率が極端に小さな金属でで
きた第3の陽極環状フレーム103が折り返して取り付
けてある。
【0042】第3の陽極環状フレーム103の他端には
同心状に折り返して第4の陽極環状フレーム102が取
り付けてある。第4の陽極環状フレーム102の他端に
は環状のターゲット支持体101を介して環状X線ター
ゲット100が取り付けてある。環状X線ターゲット1
00はモリブデンまたはその合金でできた円弧状のブロ
ックを組立てて環状に構成されている。これは必ずしも
円形になっていなくてもよく、例えば多角形に構成され
ていてもよい。
【0043】それぞれののブロックの表面にはタングス
テンまたはその合金でできた耐熱性が高い電子入射面を
持っている。陽極環状フレーム104の他端には環状通
電機構組立体140が取り付けてある。この環状通電機
構組立体140の他端には図2に示す複数の伝熱体15
1が取り付けてあり、これは絶縁体152によって支え
られている。絶縁体152は真空隔壁をも構成してお
り、冷却領域153には絶縁油が図示しないポンプによ
って循環されており、これは伝熱体151を冷却する機
能と、これを高電圧に絶縁する機能を有する。
【0044】環状X線ターゲット100、ターゲット支
持体101、陽極環状フレーム102、103、10
4、環状通電機構組立体140、伝熱体151は電気的
にも熱的にも連通しており、これらは高電圧端子148
を通してたとえば+75KVの高電圧が外部の高電圧電
源(図1のIIIの一部)から印加されている。また、
環状陽極回転フレーム121、環状陽極固定フレーム1
24、陽極ロータ122はアース電位に保たれた真空外
囲器Aに電気的、熱的にに連通しており、真空外囲器A
を冷却することによって冷却されている。柱状絶縁体1
12の周囲には導電リング114、115が取り付けて
あり、柱状絶縁体112への帯電防止と電界強度の緩和
が行われている。
【0045】次に、環状陰極組立体Cについて同じく図
3を参照して詳述する。環状陰極組立体Cは、環状陰極
固定フレーム222に環状の陰極軸受227を介して回
転自在に支えられた環状陰極回転フレーム221を配設
している。環状陰極回転フレーム221には環状の陰極
ロータ223が取り付けられている。この陰極ロータ2
23には環状の銅でできた陰極回転トルク発生部224
と透磁率が高い板、例えば珪素鋼板で積層した陰極透磁
体271が取付けられている。
【0046】この陰極回転トルク発生部材224と面し
た真空外囲器のより半径が小さい外側に陰極ステータ3
00が取り付けてあり、これらがリニアモータを構成し
て環状陰極組立体Cに回転トルクを与える。複数個の陰
極ステータは円弧状構造体となっている。陰極透磁体2
71に対向し、真空容器Aの外側の位置に陰極移動用電
磁石272が取り付けてあり、これにコイル273、2
74が巻かれている。
【0047】コイル273、274の一方に流す電流を
他方の電流よりも多くすることで陰極透磁体271を一
方により強く吸引して環状陰極組立体Cを軸受227の
中心軸に平行方向に移動することができる。環状の陰極
軸受227は液体金属潤滑剤で潤滑された動圧滑り軸受
であり、この軸受面の少なくとも一方の対向面に図5〜
図9に示す様なヘリンボン状の溝がついている。
【0048】この軸受の開口端が真空外囲器A内の真空
空間に連通するパスの開口端部にはこれらを覆う環状カ
バー234、235、236、225、陰極ロータ22
3がお互いにオーバラップするように設けてあり、突発
事故があった場合にも液体金属潤滑剤が軸受外で真空外
囲器A内の真空空間に漏出、飛散するのを防止してい
る。この環状カバーの回転部と固定部のギャップの小さ
い対向面のいずれかの部分にスパイラル状の溝が作られ
ており、万一液体金属潤滑剤が到達した場合に環状カバ
ーの内部に押し込む力を生じるようになっている。
【0049】環状陰極回転フレーム221には両端に金
属211、215を接合した柱状絶縁体212が複数個
放射状に取り付けられている。この柱状絶縁体212の
他端には環状陰極回転フレーム221と同心状に第2の
陰極環状フレーム203が取り付けている。この陰極環
状フレーム203の一端には電子ビーム10を放出する陰
極フィラメント201、集束電極を含んだ電子銃組立体
200が取付金具202を介して取り付けてあり、他端
には環状通電機構組立体230、240が同心状に取り
付けてある。
【0050】この環状通電機構組立体230、240の
他端には図2に示す複数の伝熱体245が取り付けてあ
り、これは絶縁体236、237によって支えられてい
る。絶縁体236、237は真空隔壁をも構成してお
り、領域238には絶縁油が図示しないポンプによって
循環されており、これは伝熱体245を冷却する効果を
有する。電子銃組立体200、陰極環状フレーム20
3、環状通電機構組立体230、240、伝熱体245
及び冷却領域238の絶縁油は熱的に連通しており、絶
縁油を循環させることにより高温になるのを防止してい
る。
【0051】伝熱体245はこれに電気的に連通した高
電圧端子239、249を通して外部の高電圧電源(図
1のIII の一部)によっておよそー75KVの高電圧が
印加されている。高電圧端子239と249の間にはお
よそ15Vの電位差が上記の外部の高電圧電源から供給
されており、これらは環状通電機構組立体230、24
0を通じて前記した陰極フィラメント201の両端に接
続されており、およそ5アンペアの電流が流されて陰極
フィラメント201を加熱し、陰極フィラメント201
は熱電子を放出する。
【0052】また、環状陰極回転フレーム221、環状
陰極固定フレーム222、陰極ロータ223は陰極軸受
227内に充填された液体金属潤滑剤を通じてアース電
位に保たれた真空外囲器Aに電気的、熱的に連通してい
る。柱状絶縁体212の周囲には導電リング213、2
14が取り付けてあり、柱状絶縁体212への帯電防止
と電界強度の緩和が行われている。
【0053】環状陰極回転フレーム221には環状の角
度表示板232が取り付けてあり、これは電子銃組立体
200と共に周回するようになっている。この角度表示
板232の表面には放射状のスリットまたは反射率が交
互に異なる表面の集まりを作っておき、真空外囲器の壁
701の一部に設けた透明なガラスでできた覗き窓25
3の外部に発光源と受光器とを設けてある。前記電子銃
極組立体200が所定の角度になった時には前記スリッ
トまたは反射表面の形状を他と異なる形にしておき、電
子銃組立体200が回転したときにこの角度を基点とし
て反射光のパルスを計測して電子銃の現在位置をモニタ
できるようになっている。
【0054】環状陰極回転フレーム221には中性点接
地電極組立体260が取り付けられている。この中性点
接地電極組立体260は、環状陰極回転フレーム221
とは絶縁体261で絶縁され、環状通電機構組立体25
0と電気的に連通しており、絶縁体251で真空外囲器
Aとは絶縁された中性点接地端子252に接続されてい
る。動作時に、環状X線ターゲット100に電子ビーム
10が入射した際に生じる反跳電子が入射した場合の通
路を形成する。中性点接地端子252は高電圧電源(図
1のIIIの一部)の中性点に接続されて中性点電流の
通路を形成している。
【0055】前記中性点接地電極組立体260及び環状
陰極回転フレーム221にはX線を通過させるスリット
262、226が開いている。これに対して内側(ター
ゲットと反対側)に複数のウェッジフィルタ401、4
02、403が選択可能に取り付けられている。これら
は、予め決められた角度に来たときに真空外囲器Aの外
部に取り付けられたモータ414に電磁クラッチ41
0、411によって機械的に連結されてスリット226
との相対位置を変えられて選択される。
【0056】これにより被検体の大きさに従ってX線フ
ァンビームの広がりが被検体の大きさに応じて選択的に
制限でき、被検体を通過したX線強度の差の最大値を小
さくすることができる。これらのウェッジフィルタ40
1、402、403は環状陰極組立体Cと一体となって
周回する。スリット262、226と選択されたウェッ
ジフィルタ402を通過したファン状のX線ビームはア
ルミニウム合金でできた真空窓704を通過する。
【0057】その内側の真空外囲器Aの外部には環状ス
リット組立体500が取り付けてあり、選択されたスリ
ット501によって被検体に照射されるX線ビームの幅
を制限する。環状スリット組立体500はモータ503
によって回転中心軸方向に移動されて使用する環状スリ
ット501が選択できる。この環状スリット501を通
過したX線ビームは被検体を通過した後に図2に示すX
線検出器セグメントJ1,J2に入射して電気信号に変
換される。X線検出器セグメントJ1,J2の出力は演
算装置(図1のIIIの一部)に送られて、断面像とし
て画像表示装置(図1のIV)に表示される。
【0058】X線検出器セグメントJ1,J2は対向す
るX線検出器セグメントJ3,J4と共に環状の全周の
検出器組立体に形成されているが、円周方向に沿って分
割された複数個のセグメントの一部となっている。各X
線検出器セグメントは多数の検出器配列で構成されてい
る。X線焦点とほぼ180度異なる角度の位置にあるセ
グメントJ1,J2は横方向にスライドされてお互いに
密着することにより入射するX線ファンビームを有効に
複数のスライスのデータとして検出できるようになって
いる。
【0059】他方、これに対向する方向に位置するセグ
メントJ3,J4は互いに離れてギャップを構成し、こ
のギャップをX線が通過する様に構成されている。これ
らの検出器のセグメントの移動はX線焦点の周回に同期
して図示しない制御器によって自動的に行われる。
【0060】次に、陽極軸受128について図4〜図9
を参照して詳述する。本発明は陰極軸受227を必須と
しており、その構造は陽極軸受128と同じであるので
先ず陽極軸受128について説明するが、陰極軸受22
7の場合にはそれぞれの部分の番号を読み替えて対応さ
れたい。図4は環状陽極固定フレーム124の平面図と
側面図を表しており、その一部(K部)を拡大して図5
に示している。図5〜図9は軸受部分の一部を拡大した
図であり、陽極回転フレーム121、環状カバー12
5、127、135は断面の一部を表し、陽極固定フレ
ーム124は一部の外観を表している。
【0061】陽極軸受128では、環状陽極固定フレー
ム124の外面とその外側に回転自在に取り付けられ環
状陽極回転フレーム121の内面とが対面しておりこれ
らの面のギャップは数十ミクロンとなっている。このギ
ャップの間には液体金属潤滑剤、例えばガリウムとイン
ジュームと鈴の合金が充填してある。環状陽極固定フレ
ーム124の表面にはヘリンボン状の溝、124−a、
124―b、124―c、124―dが設けてあり、こ
れらの溝は数十ミクロンの深さである。環状陽極回転フ
レーム121が前記した方法で回転トルクを受けて回転
した場合に液体金属潤滑剤に動圧が発生して環状陽極回
転フレーム121を浮上させてスムースな回転ができる
ようになる。
【0062】回転軸に垂直な軸受面124―c、124
―dは、それぞれの対向面と共働してスラスト軸受を構
成する。この実施形態ではそれぞれの対向面とのギャッ
プを大きくしており、スラスト方向に移動できるように
なっているが、どちらか一方に接近した場合には動圧が
大きくなり、大きな面圧を発生する。軸受面124−
a、124―bとその対向面は一対のラジアル軸受を構
成している。軸受面124−aと軸受面124―bの各
両端部分には溝の無い環状の領域124−e、124―
f、124―gがあり、隣の軸受面との結合を弱めると
共に以下に述べる液体金属潤滑剤の漏出防止の効果を持
たせている。
【0063】更に、軸受面124−aと軸受面124―
bの中央部にはギャップの大きい環状の領域124−h
を作っており、異物の捕獲等の働きをしている。軸受面
124−a、124―b、124―c、124―d及び
その対向面は液体金属潤滑剤で濡れた状態になってい
る。これを達成するためには、これらの面をあらかじめ
液体金属潤滑剤で反応させておくのも一つの方法であ
り、また、液体金属潤滑剤と反応しやすい金属、例えば
金やインジュームや銀等をメッキしたりイオンプレーテ
イングするなども一つの方法である。
【0064】他の方法として、液体金属潤滑剤で濡れた
状態にしたい領域に液体金属潤滑剤を付けた状態で表面
研磨手段を使って研磨することにより表面を清浄化する
ことによって濡れ性を確保することもできる。更に、予
め液体金属潤滑剤で濡れる材質で作成した薄板を軸受の
表面に巻き付けてもよい。また、これらの軸受面と液体
金属潤滑剤との反応が進んでギャップが変化すると軸受
の特性が変化するので、この部分の温度を十分に低くし
たり、反応の進行が遅い材質を選択することでこれは防
止されている。これらの軸受面のいずれかは対向する面
に溝をつけておいても良いことは当然である。
【0065】この実施形態では環状の固定フレーム12
4の表面に彫刻等で直接ヘリンボン状の溝を作っている
が、0.1mm程度の薄い金属の板に数十ミクロンの深
さの溝をあらかじめ作っておき、この薄板を固定フレー
ム124の表面に巻き付ける等でも同じ効果を生じさせ
ることができる。この薄板は、モリブデンやタングステ
ンで作っておくとガリウム合金の液体金属潤滑剤との反
応を遅くすることができるが、この部分の温度を低くし
ておくと鉄合金でも差し支えない。
【0066】これらの軸受の内部に製造途中に取り込ま
れまたは完成後に発生したガスの膨張等で液体金属潤滑
剤を軸受の領域外に押し出すのを防止するために軸受領
域の内部に、真空外囲器の真空空間に連通する図示しな
い通路を設けている。これにより、軸受領域が加熱され
ても発生ガス等によって部分的に圧力が高くなることが
無く、液体金属潤滑剤が所定の場所から漏出するのを防
ぐことができる。
【0067】この実施形態ではスラスト軸受はギャップ
を広くして環状陽極回転フレームがスラスト方向に移動
できる場合を示しているが、特に低価格化等のためにこ
の機構を取り去り、スラスト軸受のギャップをラジアル
軸受と同程度にしてもよいのは勿論である。また、特別
な場合として軸受の中央部を平行な軸受面としその外側
にはギャップが次第に広がる部分を設け、回転を開始し
たときに軸受の中央部から順次液体金属潤滑剤が満たさ
れてゆく構造にすると、液体金属潤滑剤が漏出するのを
防ぎながら軸受の損失を小さくすることができる。
【0068】また、軸受が少し傾斜した場合にも機械的
な接触が起こらない。さて動作時には、軸受面内の液体
金属潤滑剤は軸受面内の軸受溝(124−a、124―
b)によって液体金属潤滑剤を軸受面の中央部に押し込
む作用が働き、液体金属潤滑剤が軸受面の外に漏出する
のが防がれている。しかしながら、環状陽極回転フレー
ム121が回転を停止した場合には対向する軸受面12
4−a、124―bと対向面の相対速度がゼロになって
この吸引作用がなくなり、軸受ギャップ内にある液体金
属潤滑剤は重力加速度の影響で液面の高さが低くなろう
とし、軸受面から漏出しようとする。
【0069】これを防ぐための一つの方法は境界面に液
体金属潤滑剤と濡れない対向する面124―m、127
―c、121―n、124―nを作り、この境界面で液
体金属潤滑剤の表面に表面張力γを作用させることであ
る。この濡れない面は、軸受面を濡れない材質でコーテ
イングしても良いし、この部分の材質そのものを濡れな
い材質で作っても良いが、表面にできる酸化膜を利用す
ると製造が容易になる。また、液体金属潤滑剤で濡れな
い表面を持つ薄板を環状陽極回転フレーム121または
環状陽極固定フレーム124の一部に巻き付けても同様
の効果を得ることができる。
【0070】以後、各軸受の液体金属潤滑剤の漏出防止
の工夫について説明する。一般に、ギャップがx(c
m)の平行平板に働く表面張力γ0(dyn/cm)
は、 γ0=ρ・g・x・y/2 (1) で表わされる。ここで、ρは液体金属潤滑剤の密度(g
/cm3)であり、gは重力加速度(cm/sec2)で
あり、yは釣り合う液体金属潤滑剤の液面の高さの差
(cm)である。本発明の軸受の半径は十分に大きいの
で近似的に(1)式が成り立つ。
【0071】実施形態を具体的に考えるために図10を
参照する。図10は、前記陽極回転フレームが回転を停
止した場合の液体金属潤滑剤の分布の様子を模式的に表
している。ここで、NWSは、液体金属潤滑剤に濡れな
い面、WSは、液体金属潤滑剤に濡れる面、Liqui
d Metalは、液体金属潤滑剤である。円筒状の軸
受面の大きい方の直径Dbは小型にするためにできる限
り小さくしたいがこの種のX線スキャン装置ではDb
18cm以下では実用にならない。少なくとも50cm
は必要であり、好適にはおよそ120cmであり、周方
向で平均した軸受ギャップの値dbはおよそ50μmで
ある。環状陽極回転フレーム121が正規の速度で回転
している状態では軸受面に強い動圧が作用するために軸
受ギャップは全周にわたってほぼ平均化されてどの部分
でもギャップはおよそdbに等しくなる。
【0072】しかるに環状陽極回転フレーム121が回
転を停止した場合には動圧がなくなるので鉛直下方の部
分での軸受面間のギャップxは2dbとなる。軸受ギャ
ップの平均値dbを小さくすると動圧が増えるが軸受損
失が過大となり、軸受面の温度が高くなり過ぎる。例え
ば124−aの幅Wを25mmとし、環状陽極回転フレ
ーム121の回転速度を600rpmとすると、軸受面
での損失はおよそ800Wに達する。これを防ぐために
必要な動圧を得る最小限度の損失に押さえるためにdb
をできる限り大きくすることが好ましい。
【0073】上記の実施形態では液体金属潤滑剤として
Ga,In,Snの合金を使用しているので表面張力γ
はおよそ500dyn/cm、密度ρはおよそ5.6g
/cm3、重力加速度gは980cm/sec 2、x=2d
b=100μmであるので(1)式を満たすyの値はお
よそ18cmとなる。つまり、開口部よりも18cm以
上高い液面があれば液体金属潤滑剤が漏出することを意
味している。一方、この値yを軸受面の直径120cm
よりも大きくするためにはxの値をおよそ15μm以下
にする必要があり、軸受ギャップの平均値dbは7.5
μm以下である必要がある。
【0074】この場合、軸受損失が過大とならないよう
に回転時に液体金属潤滑剤が分布する面積Srを小さく
する必要がある。前記した濡れない面124―m、12
7−c、121―n、124−nの対向面間の回転時の
半径方向のギャップの全周方向の平均値dgは機械的な
接触を予防するために軸受面の半径方向のギャップの全
周にわたる平均値dbよりも大きくしてある。回転停止
時には上記の濡れない面の下方のギャップdxは(dg
b)となる。ところが、前記濡れない面の回転中心
が、前記通電軸受の回転中心から移動できる構造にする
と、前記濡れない面間のギャップdxはこれよりも小さ
くできる。また、濡れない表面の直径のうち大きい方を
g、軸受面の直径のうち大きい方をDbとするとき、濡
れない面の最下端から軸受面の最上端までの高さは(D
g+Db)/2となる。
【0075】回転停止時にこの環状の領域Seのギャッ
プ内に貯えられた液体金属潤滑剤が予め定められた環状
の領域Seの外に漏出しないためには、(1)式のxに
xを、yに(Dg+Db)/2を代入して得られる値が
環状の領域Seの境界部分における液体金属潤滑剤の表
面張力γよりも小さくなければならないので dx・(Dg+Db)< 4・γ/(ρ・g) (2) の関係が成り立つ必要がある。ここで、γは温度によっ
て変化するので動作温度範囲での最小値としなければな
らないのは勿論である。
【0076】環状陰極回転フレーム121の回転速度が
十分に小さい場合または環状陽極回転フレーム121に
取り付けてある部品の質量の総和が十分に小さい場合に
は回転時に液体金属潤滑剤が分布する面積Srを十分に
小さくして軸受損失の増大を防げるので(2)式を満た
す軸受を実現することができる。しかるに、環状陽極回
転フレーム121の回転速度が大きい場合または回転部
の質量の総和が大きい場合には十分な軸受圧力を得るた
めに軸受面124−a、124―bの面積が大きくな
り、軸受損失が大きくなる。これを防ごうとすると上記
のギャップの平均値dbが過大となって液体金属潤滑剤
が漏出するなどの不都合があるので更なる工夫が必要と
なる。
【0077】前記濡れない面124―m、127−c、
121―n、124―nにおける液体金属潤滑剤の表面
張力γによって液体金属潤滑剤の漏出を防止するために
は環状陽極回転フレーム121の回転停止時の前記濡れ
ない面124―m、127−c、121―n、124―
nの鉛直最下面からの液体金属潤滑剤の平衡液面の高さ
をH(cm)とするとき、 dx・H<2・γ/(ρ・g) (3) が成り立つ必要がある。言い換えるとH<(Db+Dg
/2であり、液体金属潤滑剤の存在が許されている環状
の領域Seの環状陽極回転フレーム121の表面と環状
陽極固定フレーム124の表面で囲まれた部分の容積V
g(cm3)よりも環状の領域Seに封入された液体金属
潤滑剤の体積V1(cm3)は小さい必要がある。
【0078】これを実現させる具体的な方法は、この軸
受ギャップの平均値dbを適正な値に保っておき、環状
陽極回転フレーム121が回転を停止した時には軸受面
外の別の環状の領域Seへの移動を許容し、濡れない面
の最下面からの液体金属潤滑剤の平衡高さHを低くする
ことである。環状の領域Seの境界の濡れない面におけ
る液体金属潤滑剤の表面張力γによって液体金属潤滑剤
の漏出を防止するためのまず第1の方法は、図4及び図
5に示している様に、軸受面124―a、124―bの
横に液体金属潤滑剤で濡れており、その存在が許される
環状の領域124―e、124―g、124―fを設け
ておき、液体金属潤滑剤の存在が許される環状の領域S
eを増すことである。
【0079】環状陽極回転フレーム121の回転時には
軸受面124―a、124―bの吸引作用により液体金
属潤滑剤は環状の領域124―e、124―g、124
―fから軸受面124―a、124―bに移動し、環状
の領域124―e、124―g、124―fの少なくと
も一部は液体金属潤滑剤が存在しない領域ができる。一
方、環状陽極回転フレーム121が回転を停止した場合
には重力加速度gの影響で液体金属潤滑剤は環状の領域
124―e、124―g、124―fの鉛直下方の端部
方向に広がりながら鉛直下方から満たされてゆく。
【0080】環状の領域124―e、124―g、12
4―fを十分に大きな容積にしておくと液体金属潤滑剤
の平衡液面の軸受最下面からの高さH1を(3)式が成
り立つH以下にすることができる。
【0081】第2の方法について図6を参照して説明す
ると、前記環状陽極固定フレーム124を前記陽極軸受
面128の径より径が小さい側に、該陽極軸受面128
の径より径が大きい側に位置する部分を前記環状陽極回
転フレーム121に設け、該環状陽極回転フレーム12
1にあり、軸受面124―a、124―bまたは環状の
領域124―e、124―g、124―fに対向する面
に図6に示す様に窪み121−a、121―b、121
―c、121―dを複数個円周方向に分布させて取り付
ける。環状陽極回転フレーム121が回転を停止した場
合には該窪みの内の鉛直最下方にあるものから順次液体
金属潤滑剤が満たされてゆき、環状の領域Seの境界の
濡れない面の最下面からの平衡液面の高さH2は、平衡
液面より鉛直下方にある窪みの容積の合計Vsを大きく
しておくと、前記した環状の領域124―e、124―
g、124―fの面積を大きくしなくてもH2を(3)
式が成り立つHより小さくすることができる。環状陽極
回転フレーム121が回転を開始すると下方にあった窪
みが上方に移動し、その中に溜まっていた液体金属潤滑
剤が上方に移動させられると共に軸受面124−a、1
24―bに供給される。
【0082】それらの液体金属潤滑剤は軸受面124―
a、124―bの吸引作用によりこれらの面内に満たさ
れ、十分な軸受荷重を生じさせることができる。この場
合、平衡液面の下方にある窪みの容積の総和Vsと、該
液体金属潤滑剤が広がれる環状の領域Se内にあり、該
窪み部分を除く環状陽極固定フレーム124の表面とこ
れと対向した環状陽極回転フレーム121の表面とで挟
まれた環状の領域の容積Vgとの和の容積V2tよりもこ
の環状の領域のギャップの間に挿入された液体金属潤滑
剤の体積V2が小さくなっている。
【0083】更に第3の方法について図7を参照して述
べる。前記環状陽極固定フレーム124を前記陽極軸受
面128の径より径が小さい側に、該陽極軸受面128
の径より径が大きい側に位置する部分を前記環状陽極回
転フレーム121に設け、該環状陽極回転フレーム12
1の軸受面124―a、124―bまたは環状の領域1
24―e、124―g、124―fの対向面に図7に示
す様に環状の溝121−a' 、121―b' 、121―
c' 、121―d' を円周方向に沿って設ける。
【0084】この環状の溝の容積の合計Vfと、液体金
属潤滑剤の分布が許容されている環状の領域Se内にあ
り、該環状の溝の部分を除く環状陽極固定フレーム12
4の表面とこれと対向する環状陽極回転フレーム121
の表面とで挟まれた環状の領域の容積Vgとの和の容積
3tよりもこの環状の領域Seのギャップ間に挿入され
た液体金属潤滑剤の体積V3を小さくしてあり、この環
状の溝は該環状の領域Se内、好適にはヘリンボン状の
溝を有する軸受面124−a、124―bの周辺部で該
環状の領域Seと連通しており、環状陽極回転フレーム
121が回転を停止した場合には鉛直最下方にある環状
の溝の部分から液体金属潤滑剤が満たされてゆき、平衡
液面の軸受最下面からの高さH3(cm)は、平衡液面
より鉛直下方にある環状の溝の容積の合計Vsを大きく
しておくと、前記した環状の領域124―e、124―
g、124―fの表面積を大きくしなくてもH3
(3)式が満たされるHよりも小さくできる。環状陽極
回転フレーム121が回転を開始すると環状の溝121
−a' 、121―b' 、121―c' 、121―d' の
下方にあった部分が上方に移動し、その壁の移動に伴っ
てその中に溜まっていた液体金属潤滑剤が鉛直上方に移
動すると共に環状の領域Seの鉛直上部に供給される。
【0085】それらの液体金属潤滑剤は軸受面124―
a、124―bの吸引作用によりこれらの面内に満たさ
れ、十分な軸受荷重を発揮することができる。更に、図
8に示すように上記の環状の溝121−a' 、121―
b' 、121―c' 、121―d' には液体金属潤滑剤
と共に回転自在に装着した潤滑リング129−a、12
9―b、129―c、129―dを有し、回転時に液体
金属潤滑剤を汲み上げて軸受面124−a,124―b
に供給する作用を持たせると上記の液体金属潤滑剤の供
給効果は改善される。
【0086】更に他の方法について図9を参照して述べ
る。前記環状陽極固定フレーム124を陽極軸受面12
8の径より径が小さい側に、該陽極軸受面128の径よ
り径が大きい側に位置する部分を前記環状陽極回転フレ
ーム121に設け、図9に示すように該環状陽極回転フ
レーム121の軸受面と分離した位置に液体金属潤滑剤
の貯蔵スペース121−eを設け、この貯蔵スペース1
21−eの内部と液体金属潤滑剤の存在が許容されてい
る環状の領域Se内、好適には軸受溝124−a、12
4―bがある環状の領域の周辺部とが連通孔121−
a" 、121―b" 、121―c" 、121―d" で連
通されており、この貯蔵スペース121−eの容積V4
と、液体金属潤滑剤の分布が許容されている環状の領域
e内にあり環状陽極固定フレーム124の表面とこれ
と対向する環状陽極回転フレーム121の表面で挟まれ
た環状の領域の容積Vgとの和の容積V4tよりもこの環
状の領域Se内に挿入された液体金属潤滑剤の体積Vm4
を小さくしてあり、環状陽極回転フレーム121が回転
を停止している時には鉛直下方にある貯蔵スペース12
1−eの鉛直下方の部分に液体金属潤滑剤が収納されて
環状の領域Seの境界の濡れない面の最下面からの液体
金属潤滑剤の平衡液面の高さH4(cm)が該軸受の直
径Db(cm)より小さくなり、さらに、平衡液面より
鉛直下方にある貯蔵スペース121−eの容積の合計V
sを大きくしておくと、前記した環状の領域124―
e、124―g、124―fの面積を大きくしなくても
4を(3)式が満たされるHより小さくすることがで
きる。前記環状陽極回転フレーム121の回転時には液
体金属潤滑剤が上方に持ち上げられて前記連結穴121
−a" 、121―b" 、121―c" 、121―d"を
通じて軸受内に供給される。
【0087】次に、前記環状陽極回転フレーム121が
高速に回転する時の軸受の損失を過大にすることなく、
該環状陽極回転フレーム121が回転を停止した時に液
体金属潤滑剤が漏出するのを防止する他の方法について
述べる。前記陽極回転フレーム121の材質と形状を適
正にすると高速回転時に強い遠心加速度を受けて該陽極
回転フレーム121の直径が大きくなり軸受のギャップ
が大きくなる。例えば該陽極回転フレーム121の材質
としてステンレス鋼を採用すると回転速度が600rp
mの場合に軸受ギャップはおよそ50μm増大する。該
陽極回転フレームが回転を停止した時の軸受面のギャッ
プを7μm程度にしておくと前記した領域Seの境界部
分の濡れない対向面のギャップを十分に小さくすること
ができるので(2)式を容易に満たすことができて液体
金属潤滑剤の漏出を防止することができる。
【0088】一方、陽極回転フレーム121の回転速度
が増大するに従って軸受ギャップが広がるので軸受の損
失が許容値内に収められる。この軸受ギャップの回転に
よる拡大の程度はパラメータの選び方で異なるが拡大率
を1.5倍以上にするのが好ましい。
【0089】次に陰極軸受227について図3を参照し
て述べる。環状陰極固定フレーム222の外表面には図
5に示すヘリンボン状の溝124−a、124―bのよ
うな軸受溝がこれらとは180°異なった角度をもって
つけられている。陰極軸受227は、環状陰極回転フレ
ーム221の回転方向が環状陽極回転フレーム121と
反対方向であること以外は陽極軸受128と同様の動作
を行うように作られているのでこれ以上の説明を省略す
る。
【0090】次に、陽極回転駆動機構Eについて図3を
参照して述べる。真空外囲器壁702の外側の径が大き
い側で回転トルク発生部123と対向する位置に円弧状
の陽極ステータ130が取り付けてある。陽極ステータ
130は回転トルク発生部123に沿った円弧状のセグ
メントでできており円周方向に複数の磁極とスロットを
持っており、これと対向する回転トルク発生部123の
部分と共にリニアモータを構成して回転トルクを発生す
る。
【0091】陽極ステータ130は複数個を周方向に取
り付けると回転トルクを大きくすることができる。この
場合、真空外囲器壁702は非磁性の材質、例えば厚さ
が1mm程度の薄いステンレス板で作られている。環状
カバー125は磁性体でできており、磁束の漏洩を防止
して回転トルクの増大を行っている。
【0092】次に、陽極位置移動機構について図3を参
照して述べる。陽極ロータ122には磁性体でできた陽
極透磁体132が取り付けられている。これに対向した
位置で真空外囲器壁702の外側に磁極131−a、1
31―b、131―cを持つ陽極移動用電磁石131が
あり、磁極131−aにはコイル134が、磁極131
−bにはコイル133が、巻かれており、それぞれの磁
極は透磁体132を通して磁路を形成する。通常は両方
の吸引力がバランスするので透磁体132は特定の位置
に固定される。
【0093】例えばコイル134に流れる電流を増す
と、透磁体132は磁極131−aの方向に移動し、コ
イル134にの電流を増せば反対方向に移動する。この
ようにして陽極ロータ122の位置調整が行えるように
なっている。これによって環状X線ターゲット100の
位置を任意に制御できる様にしてある。これは、これを
用いたCTスキャナのX線焦点の位置をすばやく正確に
制御できることを意味している。
【0094】次に、陰極回転駆動機構Dについて図3を
参照して述べる。真空外囲器壁705の外側で径が小さ
い側に回転トルク発生部224と対向する位置に陰極ス
テータ300が取り付けてある。陰極ステータ300は
回転トルク発生部224に沿った円弧状のセグメントで
できており円周方向に複数の磁極とスロットを持ってお
り、これと対向する回転トルク発生部224の部分と共
にリニアモータを構成して回転トルクを発生する。陰極
ステータ300は複数個を円周状に取り付けると回転ト
ルクを大きくすることができる。この場合、真空外囲器
壁705は非磁性の材質、例えば薄いステンレス板で作
られている。環状陰極固定フレーム222は磁性体でで
きており、磁束の漏洩を防止して回転トルクの増大を行
っている。
【0095】次に、陰極位置移動機構について図3を参
照して述べる。陰極ロータ223には磁性体でできた透
磁体271が取り付けられている。
【0096】これに対向した位置で真空外壁705の外
側に磁極272−a、272―b、272―cを持った
陰極移動用電磁石があり、磁極272−aにはコイル2
73が、磁極272−bにはコイル274が巻かれてお
り、それぞれの磁極は透磁体271を通して磁路を形成
する。通常は両方の吸引力がバランスするので透磁体2
71は特定の位置に固定される。例えばコイル273に
流れる電流を増すと、透磁体271は磁極272−aの
方向に移動し、コイル274の電流を増せば反対方向に
移動する。このようにして陰極ロータ223の位置調整
が行えるようになっている。これによって電子銃組立体
200の位置を任意に制御できる様にしてある。これ
は、これを用いたCTスキャナのX線焦点の位置を移動
させた時にその相対関係をいつも同一に保つことができ
ることを意味し、焦点の大きさやインピーダンスをいつ
も一定に保てることを意味している。
【0097】反対に、環状X線ターゲット100との相
対位置をあらかじめ決められた関係で制御することによ
り、X線焦点の大きさを任意に制御することができる。
次に、中性点接地電極組立体260について図3を参照
して述べる。環状陰極回転フレーム221には絶縁体2
61を介して中性点接地電極組立体260が取り付けて
あり、これは中性点接地電極用の環状通電機構組立体2
50によって端子252に接続されている。この端子は
高電圧電源(図1のIIIの一部)の中性点に接続され
ており、環状X線ターゲット100から飛び出した反挑
電子の通路を形成し、真空外囲器705の電位が変動す
るのを防止している。
【0098】また、中性点接地電極組立体260にはス
リット262が取り付けてあり、発生したX線の通路の
妨げになるのを防止している。中性点接地電極用の環状
通電機構組立体250はその構造と動作が陽極用の環状
通電機構組立体140と同様の構造となっている。
【0099】以上、本発明を実施形態に関連して説明し
たが、本発明は、ここに例示した実施形態の構造及び形
態に限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲か
ら逸脱することなく、種々の実施形態が可能であり、い
ろいろな変更及げ改変を加えることができることを理解
されたい。例えば、この発明では陽極構造体と陰極構造
体の両方を回転させる構造を示しているが、陽極構造体
及びこれに繋がっている部分を固定にした構造のX線ス
キャン装置を含むことは勿論である。
【0100】
【発明の効果】請求項1及び8に係る発明によれば、構
造が簡単で信頼性があり、超高速スキャン型CTスキャ
ナに使用できる小形で低価格のX線スキャン装置を提供
することができ、特に機械的に回転する部分を真空外囲
器内部の軽量な部分に限定し、これに使用する軸受は、
構造が簡単で、電気的及び熱的に真空外囲器に連通して
いて動作が安定で、回転時に固体部分の接触が無く、低
振動で低騒音で、かつ長寿命であり、停電時にも安全が
確保される利点がある。
【0101】請求項2〜7及び9〜11に係る発明によ
れば、回転停止時の液体金属潤滑剤の平衡液面が低くな
る工夫により、液体金属潤滑剤が軸受外の真空外囲器内
に漏出するのを効果的に防止することができる。
【0102】請求項12に係る発明のX線CTスキャナ
によれば、請求項1〜11のうちいずれか1つのX線ス
キャン装置を採用することで、小型で低価格で信頼性の
高い超高速スキャン型のCTスキャナを提供することが
できる。
【0103】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のX線スキャン装置を組み入
れたCTスキャナの斜視図である。
【図2】 図3は、本発明のX線スキャン装置の概略断
面図である。
【図3】 図3は、本発明のX線スキャン装置の概略断
面図の一部の拡大図である。
【図4】 図4は、陽極固定フレームの正面図(a)と
その側面図(b)である。
【図5】 図5は、図4の一部の拡大図である。
【図6】 図6は、本発明の軸受部分の拡大図である。
【図7】 図7は、本発明の他の実施形態の軸受部分の
拡大図である。
【図8】 図8は、本発明の他の実施形態の軸受部分の
拡大図である。
【図9】 図9は、本発明の他の実施形態の軸受部分の
拡大図である。
【図10】 図10は、液体金属潤滑剤の分布説明図で
あり、(a)は、軸受の正面図、(b)は、その断面図
を示す。
【符号の説明】
A 真空外囲器 100 環状X線ターゲット 221 環状陰極回転フレーム 222 環状陰極固定フレーム 200 電子放出源 227 軸受面

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気された環状空間を画定するドーナツ
    形の真空外囲器と、該ドーナツ形真空外囲器の排気され
    た環状空間に取り付けられた環状X線ターゲットと、該
    ドーナツ形真空外囲器の排気された環状空間に取り付け
    られた環状陰極固定フレームと、この環状陰極固定フレ
    ームの回りに回転自在に取り付けられた環状陰極回転フ
    レームと、該環状陰極回転フレームに機械的に連結さ
    れ、該環状陰極回転フレームが回転するにつれて環状の
    軌道に沿って移動しながら前記環状X線ターゲットに衝
    突してX線を発生させる電子ビームを発生するための少
    くとも1 つの電子放出源と、を含んで構成されるX線ス
    キャン装置であって、 前記環状陰極固定フレームと前記環状陰極回転フレーム
    の相対する面の少なくとも一部がギャップを有する軸受
    面を構成し、 前記軸受面間のギャップの少なくとも一部に常温で液体
    の金属でなる液体金属潤滑剤が充填され、 前記軸受面の少なくとも一方の面にはヘリンボン状の溝
    が形成され、これらは動圧滑り軸受を構成しており、 前記環状陰極回転フレームの一部はまたは該環状陰極回
    転フレームに取り付けられた回転部材の少なくとも一部
    は前記液体金属潤滑剤で濡れていない表面を有し、 該表面で前記液体金属潤滑剤の表面張力が作用して該環
    状陰極回転フレームが回転を停止した時にも前記液体金
    属潤滑剤が真空外囲器の排気された環状空間に漏出する
    のを防止することを特徴とするX線スキャン装置。
  2. 【請求項2】 前記環状陰極回転フレームの少なくとも
    一部は、または該環状陰極回転フレームに取り付けられ
    た回転部材の少なくとも一部は前記液体金属潤滑剤で濡
    れていない第1の表面を有しており、該第1の表面に対
    向した前記環状陰極固定フレーム上の面の少なくとも一
    部にあり、または該環状陰極固定フレームに取り付けた
    固定部材にあり、前記第1の表面に対向した少なくとも
    一部の面を構成する第2の表面は前記液体金属潤滑剤で
    濡れていない表面を有し、回転を停止した時の前記第1
    の表面と第2の表面の濡れていない表面の下方の半径方
    向のギャップをdx、該両濡れない表面の直径のうち大
    きい方をDg、前記両軸受面の直径のうち大きい方を
    b,前記液体金属潤滑剤の密度をρ、この液体金属潤
    滑剤の前記第1及び第2の表面の濡れない表面における
    表面張力をγ、重力加速度をgとするとき、 dx・(Db+Dg)<4・γ/(ρ・g)なる関係があ
    ることを特徴とする請求項1記載のX線スキャン装置。
  3. 【請求項3】 前記環状陰極回転フレームを回転自在に
    支承するための前記動圧滑り軸受を含んでおりかつ液体
    金属潤滑剤の存在が許容される環状の領域内に位置する
    環状陰極回転フレームの表面部分とこれと対向する前記
    環状陰極固定フレームの表面とで挟まれた部分の容積を
    g、この環状の領域内に充填された液体金属潤滑剤の
    体積をV1とするとき、 V1<Vgなる関係があることを特徴とする請求項1また
    は2記載のX線スキャン装置。
  4. 【請求項4】 前記環状陰極回転フレームが回転を停止
    したときに液体金属潤滑剤の存在が許容される環状の領
    域の境界部分にある濡れない環状の面の最下面からの前
    記液体金属潤滑剤の平衡液面の鉛直高さをH1、回転を
    停止した時の前記第1の表面と第2の表面の濡れていな
    い表面の下方の半径方向のギャップをdx、前記環状の
    領域の境界部に於いて液体金属潤滑剤に濡れない表面で
    の液体金属潤滑剤の表面張力をγ、液体金属潤滑剤の密
    度をρ、重力加速度をgとするとき、 dx・H1<2・γ/(ρ・g)なる関係があることを特
    徴とする請求項1記載のX線スキャン装置。
  5. 【請求項5】 前記環状陰極回転フレーム上で液体金属
    潤滑剤が広がれる環状の領域に少なくとも1個の窪みを
    設け、該窪みの容積の総和Vsと、該環状の領域内にあ
    り該窪み部分を除く前記環状陰極回転フレームの表面と
    これに対向する前記環状陰極固定フレームの表面とで挟
    まれた環状の領域の容積Vgとの和の容積V2tよりもこ
    の環状の領域内に挿入された液体金属潤滑剤の体積V2
    が小であり、前記窪みは前記環状の領域内に開口し、該
    環状陰極回転フレームが回転を停止している時には鉛直
    下方に位置する窪みの中に液体金属潤滑剤が収納され、
    回転時には該窪みによって液体金属潤滑剤が上方に持ち
    上げられて軸受面内に供給されることを特徴とする請求
    項1記載のX線スキャン装置。
  6. 【請求項6】 前記環状陰極回転フレームの液体金属潤
    滑剤が広がれる環状の領域内に環状の溝を設け、該環状
    の溝の容積Vfと、該環状の領域内にあり該環状の溝を
    除く前記環状の領陰極回転フレームの表面とこれに対向
    する前記環状陰極固定フレームの表面とで挟まれた環状
    の領域の容積Vgとの和の容積V3tよりも該環状の領域
    内に挿入された液体金属潤滑剤の体積V3を小とし、前
    記環状の溝は該環状の領域内において当該環状の領域と
    連通しており、前記環状陰極回転フレームが回転を停止
    している時には鉛直下方の部分に液体金属潤滑剤が満た
    されて前記濡れない表面の最下部からの平衡液面の鉛直
    高さH2が前記軸受面の直径のうち大きい方の直径Db
    前記濡れない表面の直径のうち大きい方の直径Dgの平
    均値より小であり、前記環状陰極回転フレームの回転時
    には該環状の溝に沿って鉛直上方に持ち上げられてこの
    液体金属潤滑剤が軸受内に供給されることを特徴とする
    請求項1記載のX線スキャン装置。
  7. 【請求項7】 前記環状陰極回転フレームの液体金属潤
    滑剤が広がれる環状の領域と分離した位置に液体金属潤
    滑剤の貯蔵スペースを設け、該貯蔵スペースの内部と該
    環状の領域内とが連通されており、前記貯蔵スペースの
    容積V4と、環状の領域内にあり貯蔵スペースを除く環
    状陰極回転フレームの表面とこれと対向する前記環状陰
    極固定フレームで挟まれた環状の領域の容積Vgとの和
    の容積V4tよりも該環状の領域内に挿入された液体金属
    潤滑剤の体積Vm4を小さくし、環状陰極回転フレームが
    回転を停止している時には貯蔵スペースの鉛直下方の部
    分に液体金属潤滑剤が収納され、前記環状陰極回転フレ
    ームの回転時には液体金属潤滑剤が上方に持ち上げられ
    て前記連結穴を通じて軸受面内に供給されることを特徴
    とする請求項1記載のX線スキャン装置。
  8. 【請求項8】 排気された環状空間を画定するドーナツ
    形の真空外囲器と、該ドーナツ形真空外囲器の排気され
    た環状空間に取り付けられた環状X線ターゲットと、該
    ドーナツ形真空外囲器の排気された環状空間に取り付け
    られた環状陰極固定フレームと、この環状陰極固定フレ
    ームの回りに回転自在に取り付けられた環状陰極回転フ
    レームと、該環状陰極回転フレームに機械的に連結さ
    れ、該環状陰極回転フレームが回転するにつれて環状の
    軌道に沿って移動しながら前記環状X線ターゲットに衝
    突してX線を発生させる電子ビームを発生するための少
    くとも1 つの電子放出源と、を含んで構成されるX線ス
    キャン装置であって、 前記環状X線ターゲットは前記排気された環状空間に取
    り付けられた環状陽極固定フレームの回りに回転自在に
    取り付けられた環状陽極回転フレームに機械的に連結さ
    れ、 前記環状陽極固定フレームの少なくとも一部と該環状陽
    極回転フレームの相対する面の少なくとも一部がギャッ
    プを有する軸受面を構成し、 前記軸受面間のギャップの少なくとも一部に液体金属潤
    滑剤が充填されると共に、該軸受面の少なくとも一方の
    面にはヘリンボン状の溝が形成され、これらは動圧滑り
    軸受を構成しており、 前記環状陽極回転フレームの一部はまたは該環状陽極回
    転フレームに取り付けられた回転部材の少なくとも一部
    は前記液体金属潤滑剤で濡れていない表面を有し、 該表面で液体金属潤滑剤の表面張力が作用して該環状陽
    極回転フレームが回転を停止した時にも液体金属潤滑剤
    が真空外囲器の排気された環状空間に漏出するのが防止
    されることを特徴とするX線スキャン装置。
  9. 【請求項9】 前記陰極回転フレームの前記軸受面が、
    該陰極回転フレームが高速度で回転した場合に拡大し、
    前記軸受面間のギャップが静止時の値の1.5倍以上に
    大きくなり、軸受損失の増大を防いでいることを特徴と
    する請求項1記載のX線スキャン装置。
  10. 【請求項10】 前記環状陰極固定フレームと前記環状
    陰極回転フレームの間にギャップが構成され、該ギャッ
    プ内に液体金属潤滑剤が挿入されており、該液体金属潤
    滑剤の表面と前記真空外囲器内部の真空空間とが連通す
    るパスが該真空間に開口する部分が、前記環状陰極固定
    フレームと前記環状陰極回転フレームのそれぞれに取り
    付けられたカバーで交互に覆われていることを特徴とす
    る請求項1〜8のうちいずれか1つに記載のX線スキャ
    ン装置。
  11. 【請求項11】 前記液体金属潤滑剤で濡れない表面
    は、金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜10
    のうちいずれか1つに記載のX線スキャン装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のうちいずれか1つに
    記載のX線スキャン装置と、 前記環状X線ターゲットの表面から放出されるX線ビー
    ムを検出するためのX線検出器と、 前記X線検出器の出力信号を再構成処理するための演算
    装置と、 前記演算装置により再構成された断面像を表示するため
    の表示装置と、 を含んで構成されることを特徴とするX線CTスキャ
    ナ。
JP10286077A 1998-09-22 1998-09-22 X線スキャン装置及びx線ctスキャナ Pending JP2000093420A (ja)

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