JPH0436286B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、バーナの始動によつて燃焼室内に発
生した燃焼熱気の一部により燃焼筒全体を積極的
に加熱昇温せしめて気化燃焼の始動時は勿論のこ
と気化燃焼への移行後にあつても発生した混気ガ
スが冷却作用によりガス室内において液化され赤
焔のもとに燃焼されるのを確実に防止し、常に青
焔気化燃焼を安定よく継続させることができる気
化バーナにおける燃焼促進装置に関する。

従来技術 従来、内周にガス室を設けた燃焼筒の先端開放
側外周底部に生燃料蒸発皿を装着し、上記生燃料
蒸発皿の内部には、仕切壁を介し、中央に燃焼熱
気および生燃料が進入できる彎曲状の案内蒸発通
路を、又案内蒸発皿の左右両側には発生気化ガス
を燃焼筒の開放側と同一方向へ向け噴出せしめる
ガス噴出通路とを夫々連通状に設けて、例え生燃
焼或は気化燃焼の始動時に、燃焼筒全体の冷え込
みにより飛散燃料の一部が生燃焼しないまま、燃
焼筒外に流出して焔上したり或は発生した混気ガ
スの一部が冷えたガス室との接触で液化され、ガ
ス室内に貯留された後、燃焼筒の先端から赤焔と
なつて青焔の気化燃焼焔中に混合し、完全な青焔
状態が維持できなくなることを防止せしめた気化
バーナにおける燃焼促進装置は本出願前例えば実
公昭55−22331号公報に記載されて公知である。

発明が解決しようとする問題点 ところで、上記公知の気化バーナにおいては、
生燃焼或は気化燃焼の始動時に、燃焼筒やガス室
の冷却作用によつて発生した未燃焼燃料の一部或
は液化燃料の一部が例え燃焼筒外に流出しても、
該燃料が赤焔状態のもとに燃焼することなく気化
燃焼させるようにしたものであつて、かかる技術
内容のものでは、燃焼筒やガス室を生燃焼の始動
以後積極的に加熱して、気化燃焼への移行時にガ
ス室内に液化燃料が発生するのを積極的に防止し
て常に気化燃焼の始動時より青焔の気化燃焼を達
成させることができない問題が生じた。

そして上記のような問題は、気化バーナを寒冷
地或は冬期において運転した場合に多く発生する
ものである。

そこで本発明は、気化バーナの燃焼始動によつ
て燃焼室内に発生した燃焼熱気の一部を燃焼筒の
底壁側に開口した熱気送出口より燃焼筒の底壁外
側に配設した熱気送出路内に導入せしめた後前記
燃焼熱気をガス室外周に沿い前方に噴流せしめて
ガス室および燃焼筒全体を積極的に加熱昇温せし
め、もつて気化燃焼への移行時は勿論のこと気化
燃焼への移行後にあつても液化ガスの発生を確実
になくして、気化燃焼の始動時より青焔気化燃焼
を安定よく継続させることができるという目的を
もつた気化バーナにおける燃焼促進装置を提供し
て、上記の問題を解決したものである。

問題を解決するための手段 従つて、本発明の技術的課題は、バーナの始動
によつて発生した燃焼熱気の一部を使用してガス
室および燃焼筒全体を積極的に加熱昇温せしめ
て、気化燃焼への移行後はガス室内部において液
化燃料が発生するのを確実に防止し、常に青焔の
気化燃焼が安定して継続できることにある。

この技術的課題を解決するため、特にその構成
を、先端を開放した有底筒状の燃焼筒内周にガス
室を配設し、該燃焼筒内に基端側がガス室と連通
する気化筒を回転自在に配設して燃焼筒内周面と
気化筒外周面との間に燃焼室を設けたものにおい
て、前記燃焼筒の底壁外側に、燃焼室内に発生し
た燃焼熱気の一部を燃焼筒の底壁側に開口した熱
気送出口を経てガス室外周に沿いながら前方に噴
流せしめる熱気送出路を配設したことを特徴とす
る気化バーナにおける燃焼促進装置としたもので
ある。

作 用 上記技術的手段は次のように作用する（第１図
および第２図参照）。

今、気化バーナ１を加熱機器の焚口筒２３と燃
焼筒２との間に、熱気送出路１７に通ずる熱気流
通路２５が形成されるように焚口筒２３内へ挿入
した後バーナの始動操作をすれば、気化筒８が高
速回転されると共に気化筒８内に燃焼用空気が送
風される。そして前記燃焼用空気は気化筒８内を
通つてガス室６に至り、次いでガス室６より勢い
よく燃焼室５内に噴気される。

この状態のもとで燃油を回転中の気化筒８内周
面に給油すれば、該燃油は気化筒８の回転遠心作
用と流通する燃焼用空気の噴送作用とにより薄膜
状に拡散移行された後、気化筒８の基端開放側よ
り燃焼室５内に微粒状に噴散され点火で生燃焼さ
れる。さすれば、燃焼室５内において発生した生
燃焼焔により気化筒８全体が速かに加熱されると
同時に燃焼室５より前方に噴焔された燃焼熱気の
一部は、燃焼筒２の底壁側に開口した複数の熱気
送出口１８を経て燃焼筒２の底壁外側に配設され
た熱気送出路１７に導入され、次いで熱気送出路
１７より噴出した燃焼熱気はガス室６外周に沿い
ながら熱気流通路２５中を前方に向け噴流され
る。その結果、燃焼筒２は勿論のことガス室６全
体は噴流する燃焼熱気により包まれて加熱され昇
温せられる。

それ故、生燃焼焔の発生以後にあつては、気化
筒８内に送油された燃油は拡散移行中に速かに蒸
発気化され、発生した気化ガスは流通する燃焼用
空気と攪拌混合され完全な混気ガスとなつてガス
室６内に圧入され、最後にガス室６より勢いよく
燃焼室５内に噴気して気化燃焼される。

ところで、上述のような気化燃焼の始動時にあ
つてはガス室６および燃焼筒２全体は流通する燃
焼熱気により包むように加熱昇温されているの
で、気化筒８内において発生した混気ガスがガス
室６内に圧入蓄気されたとしても、従来気化バー
ナの様に冷却作用により液化されるという現象も
発生させず、ガス室６内に蓄気した混気ガスの総
てをガス室５より燃焼室５内へ勢い良く噴気燃焼
し、気化筒８を強烈に加熱して、混気ガスの発生
を連続して行わせることができ、その結果、気化
燃焼の点火始動時より完全な青焔状態のもとで気
化燃焼を行うことができる。又、第３図および第
４図に示された気化バーナ１においては、燃焼筒
２の筒壁側外側に外筒２７を設けて、燃焼筒２と
外筒２７との間に基端側が熱気送出路１７に接続
した熱気流通路２５′を一体に設けて、燃焼室５
より熱気送出口１８を経て熱気送出路１７内に導
入された燃焼熱気を、さらに熱気流通路２５′に
沿い前方に噴出させて燃焼筒２およびガス室６を
第１図および第２図に示された気化バーナのよう
に、加熱機器の焚口筒２３を使用することなく気
化バーナ１単体であつても加熱昇温ができるよう
にして寒冷地において、バーナの運転を行つて
も、混気ガスの液化発生を未然に防止し、気化燃
焼の始動時から燃油を青焔状態のもとに気化燃焼
させることができる。

実施例 本発明に係る気化バーナおける燃焼促進装置を
添附図面に示された好適な各実施例について説明
する。

第１図および第２図において、１は燃油を生燃
焼状態より自動的に気化燃焼状態に移行させるこ
とができる気化バーナであつて、該気化バーナ１
は次の様に構成されている。すなわち、先端側を
開放し、基端底壁側の中央に開口部を設けた有底
筒状の燃焼筒２の底壁側には送風室３を隣接する
と共に、燃焼筒２の内周面側には内部を燃焼室５
に形成し、かつ底壁中央位置には、前記燃焼筒２
の開口部よりも大径の開口部を開口した有底筒状
の燃焼盤４を張設して、燃焼筒２と燃焼盤４との
間にガス室６を形成し、又燃焼盤４の先端側筒壁
には多数のガス噴出孔７……を穿孔せしめる。

８は、先端を閉じ、基端を開放した筒状の気化
筒であつて、該気化筒８は送風室３側から燃焼筒
２内に挿通した回転軸９の先端に、該回転軸９に
冠せた状態で取付けられており、気化筒８の基端
開放側端部には先端側周端を燃料飛散端１１とし
た中空筒状の混気体１０を燃料飛散間隙１２をお
いて一体に装着せしめてある。

前述した燃焼盤４の中央開口部の周囲には環状
の噴気室１３を混気体１０と対向するよう膨出状
に燃焼盤４に設けると共に、混気体１０と噴気室
１３との間に、基端側が噴気室１３の内側に環状
をもつて開口された噴気口１４と接続した噴気通
路１５を設けて噴気口１４より噴気された燃焼用
空気を燃焼室５内に噴気せしめる。

なお上記の噴気室１３は複数本の導風管１６…
…により送風室３と接続されて、燃焼用空気の一
部を噴気室１３内に送風せしめる。１７は燃焼筒
２の底壁外側にガス室６の底部側を包むように配
設された熱気送出路であつて、該熱気送出路１７
はガス室６を貫通する複数本の熱気送出口１８…
…により燃焼室５と接続されており、しかも熱気
送出路１７の吐出側は燃焼筒１の底壁側周囲に向
け燃焼熱気が噴気されるように開口されている。
そして気化筒８の内部には燃焼筒２の中央開口部
から気化筒８の先端側へ深く挿通した送風筒１９
を配設すると共に、気化筒８内の先端には送風筒
１９の先端開口に対向して中空逆円錐状の燃油拡
散体２０が固着され、該燃油拡散体２０の内面に
は送油管２１の先端開口部を近接せしめてある。
２２は燃焼室５内に配設した点火栓である。２３
はボイラー、温水器その他の加熱機器の焚口筒で
あつて、該焚口筒２３内には、前述した気化バー
ナ１がバーナ取付フランヂ２４を介して取外し自
在に嵌装されており、しかも前記気化バーナ１の
燃焼筒２外周面と焚口筒２３の内周面との間には
基端側が熱気送出路１７に接続した適当幅の熱気
流通路２５を設けて、熱気送出路１７より噴気さ
れた燃焼熱気が適確に熱気流通路２５を通つて加
熱機器の燃焼室２６内に噴出されるようにしてガ
ス室６および燃焼筒２全体を周囲より包むように
加熱してガス室６内での混気ガスの液化現象の発
生を未然に防止せしめる。

従つて、第１図および第２図に示された気化バ
ーナ１にあつては、加熱機器の焚口筒２３を有効
的に使用することで、気化バーナ１の径を極力小
径として燃焼熱気を燃焼筒２の底部側より先端側
に向け噴流させて、燃焼筒２およびガス室６全体
を加熱昇温できるように構成したものである。

第３図および第４図に示された第２実施例の気
化バーナ１は、燃焼筒２の筒壁側外側に外筒２７
を設けて、燃焼筒２と外筒２７との間に基端側が
熱気送出路１７に接続した熱気流通路２５′を一
体に設けて、燃焼室５より熱気送出口１８を経て
熱気送出路１７内に導入された燃焼熱気を、さら
に熱気流通路２５′に沿い前方に噴出させて燃焼
筒２およびガス室６を気化バーナ１単体であつて
も加熱昇温ができるようにして寒冷地において、
バーナの運転を行つても、混気ガスの液化発生を
未然に防止し、気化燃焼の始動時から燃油を青焔
状態のもとに気化燃焼できるようにしたものであ
り、他の構成は第１図および第２図に示された気
化バーナ１と同一である。

発明の効果 要するに本発明は前述の如き技術手段および作
用を有するので、バーナの運転により、燃焼室５
内で発生した燃焼熱気の一部を、燃焼筒２の底壁
側に開口した熱気送出口１８を経てガス室６の底
部に配設した熱気送出路１７内に導入させた後、
ガス室６の外周に沿い前方に向け噴流させること
ができ、その結果、燃焼筒１は勿論のことガス室
６全体を燃焼熱気により加熱昇温せしめて気化燃
焼の始動時に発生した混気ガスが冷却作用で液化
され何時迄も赤火燃焼されるのを未然に防止し、
気化燃焼の始動時より燃油を青焔状態のもとに気
化燃焼させることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナにおける燃焼促
進装置の実施例を示すものであつて、第１図は一
部を切欠した第１実施例の縦断正面図、第２図は
第１図Ａ−Ａ線矢視方向における平断面図、第３
図は第２実施例の一部切欠した縦断正面図、第４
図は第３図Ｂ−Ｂ線矢視方向における平断面図で
ある。 １……気化バーナ、２……燃焼筒、５……燃焼
室、６……ガス室、８……気化筒、１７……熱気
送出路、１８……熱気送出口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端を開放した有底筒状の燃焼筒内周にガス
   室を配設し、該燃焼筒内に基端開放側がガス室と
   連通する気化筒を回転自在に配設して燃焼筒内周
   面と気化筒外周面との間に燃焼室を設けたものに
   おいて、前記燃焼筒の底壁外側に、燃焼室内に発
   生した燃焼熱気の一部を燃焼筒の底壁に開口した
   熱気送出口を経てガス室外周に沿いながら前方に
   噴流せしめる熱気送出路を配設したことを特徴と
   する気化バーナにおける燃焼促進装置。