JPH0436282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、テープ用カセツト、詳しくは未使用
時、不使用時における巻き取りロールの回転防止
の手段を講じたカセツトに関するものである。

（従来の技術） 従来は、画像を紙面にプリンするプリンタ用カ
セツトには、OA機器用のものとしてシリアルプ
リンタ用カセツトがあるが、これの転写テープは
幅狭にしてカラーテレビの画像をプリントするに
は不向であるため、研究の結果、本出願人は、さ
きに実願昭59−95873号として幅広の転写テープ
用カセツトについて出願をした。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の本出願人が出願をした実願昭59−95873
号の考案は、従来の転写テープが幅狭なOA機器
用のシリアルプリンタ用カセツトからみれば、転
写テープの幅広のものが使用でき、カラーテレビ
の画像をプリンタする感熱転写用カセツトとして
は改良されたものである。

しかし、この改良されたカセツトにあつても、
そのカセツトが未使用時、あるいはプリンタから
取り外した不使用時等においては、カセツトケー
ス内の幅広転写テープの巻き取りロールは、その
回転阻止の手段が講じられていないため、転写テ
ープが緩んで損傷を受け易く、また使用時に即応
できないという不便があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記のような欠点に鑑みて案出され
たもので、カセツトが未使用時、あるいはプリン
タから取り外した不使用時等において、転写テー
プ用の巻き取りロールの回転を阻止する手段を講
じたものである。

すなわち、本考案は、身部と蓋部とで構成され
るカセツトケースにおいて、身部の両側に設けた
収納溝に、転写テープ用巻き取りロールを納置す
るとともに、この巻き取りロールを嵌挿してその
回転を阻止するための弾性の切欠締環を、身部の
ロール受部側、あるいは蓋部のロール受板側の何
れかより突設し、このカセツトをプリンタに装着
した時、上記の弾性の切欠締環の切欠部を押開し
て、転写テープ用巻き取りロールの回転の阻止を
解くためのプリンタ側からの突出部材用案内溝を
蓋部のロール受板、あるいは身部のロール受部に
設けた構成をとつている。

（実施例） 以下、本考案の１実施例である感熱転写テープ
用カセツトを図面について説明する。

本考案の１実施例である感熱転写用カセツトＡ
は、身部ａと蓋部ｂとよりなるケースＢと、この
ケースＢ内に納置される転写テープｃとこれを巻
き取る巻き取りロールｄ，d′とから構成されてい
る。身部ａ、蓋部ｂ、巻き取りロールｄ，d′は合
成樹脂で射出成形されたものである。身部ａは、
外側寄りに巻き取りロールｄ，d′が納置される収
納溝１，１′があり、その前後端には、巻き取り
ロールｄ，d′のロール受部２，２′が設けられて
いる。

このロール受部２，２′の内側の収納溝１，
１′は、巻き取りロールｄ，d′に転写テープｃが
巻き取られた時に差し支えない程度のゆとりのあ
る広さとなつている。

収納溝１，１′間には、窓孔３が透設されてい
る。

また収納溝１，１′の内側壁４，４′の頂部５，
５′は、外側壁６，６′の頂部７，７′より低く、
且つ丸みを有する転写テープｃの案内面をなして
おり、外側壁６，６′の外側には、蓋部ｂのため
の係止段部８，８′が設けられている。

蓋部ｂには、前後端の外側寄りの、身部ａのロ
ール受部２，２′の対応する位置にロール受板９，
９′が下方に突設されており、外側辺縁には、身
部ａの係止段部８，８′に係合する係止片１０，
１０′が下方に突設されている。中央部には、身
部ａの窓孔３に対応する位置に同一大きさの窓孔
１１が透設されている。

このような構成の身部ａに対し、転写テープｃ
を巻回した巻き取りロールｄ，d′を収納溝１，
１′に納置し、蓋部ｂをその係止片１０，１０′を
もつて、身部ａの係止段部８，８′に係止すると
共に、ロール受部２，２′とロール受板９，９′と
にて巻き取りロールｄ，d′の端部を支承して、身
部ａと蓋部ｂとを溶着、あるいは接着してカセツ
トＡとしている。

このカセツトＡは、本出願人がさきに出願をし
たものであるが、本考案は、このようなカセツト
Ａに対して、未使用時、あるいはプリンタより取
り外した不使用時等において、巻き取りロール
ｄ，d′の回転が阻止され、プリンタに装着した時
には、その阻止が解かれて回転できるような回転
阻止手段を講じたところに、その特徴があり、そ
の手段は、身部ａ、蓋部ｂの何れの側にあつても
よいが、身部ａ側から説明をする。

身部ａのロール受部２の内側には、例えば上方
に切欠部１２を有する弾性の締環１３が突設され
ており、巻き取りロールｄが、この切欠締環１３
に嵌挿されて、ロール受部２で支承され、ロール
ｄの回転が阻止されるようになつている。このよ
うに切欠締環１３が身部ａ側にあるときは、この
切欠締環１３の切欠部１２に対応する位置にある
蓋部ｂのロール受板９に案内溝１４が設けられて
いる。この案内溝１４は、カセツトＡをプリンタ
（図示せず）に装着した際に、このプリンタ側よ
りの突出部材ｅの案内のためのものである。この
ような装置は他の収納溝１′側にも設けられてい
ることは勿論である。

次に、蓋部ｂ側の場合は、ロール受板９の内側
に、下方に切欠部１５を有する弾性の締環１６が
突設されていて、巻き取りロールｄがこの切欠締
環１６に嵌挿され、ロール受部２とロール受板９
とにて支承される。

この締環１６の切欠部１５に対応する位置に
は、ロール受部２に案内溝１７が設けられてい
る。この案内溝１７は、カセツトＡをプリンタ
（図示せず）に装着したとき、プリンタ側よりの
突出部材ｆを案内するためのものである。このよ
うな装置は、他のロール受板９′側にも設けられ
ていることは勿論である。

以上のような巻き取りロールｄ，d′の回転阻止
手段が施された感熱転写テープ用カセツトＡは、
未使用時、あるいはプリンタより取り外した不使
用時等には、身部ａのロール受部２側の弾性のあ
る切欠締環１３が巻き取りロールｄの本体をその
弾性にて締付けてその回転を阻止するが、カセツ
トＡをプリンタに装着して使用するときは、プリ
ンタ側からの突出部材ｅが、ロール受部２の案内
溝１４を通して弾性の切欠締環１３の切欠部１２
に進入してこれを押開し、巻き取りロールｄに対
する締環１３の締付けを解くから、巻き取りロー
ルｄの回転は自由となる。カセツトＡをプリンタ
より取り外すと、弾性の切欠締環１３は元に戻つ
て巻き取りロールｄを締付けてその回転を阻止す
る。

この回転阻止手段は、ロール受部２′側にも講
じられているから同時に行われる。

また、蓋部ｂのロール受板９，９′側における
弾性の切欠締環１６の切欠部１５とプリンタ側か
らの突出部材ｆとの関係は、身部ａ側の場合と全
く同様である。

このようなカセツトＡをプリンタに装着する
と、第６図に示すようにケースＢの蓋部ｂの窓孔
１１に感熱ヘツドｇが、また身部ａの窓孔３には
プリントするための白紙ｈを巻き付けたドラムｉ
がそれぞれ臨接して、転写テープｃに対面するよ
うになる。

プリンタ側からの駆動機構（図示せず）によ
り、巻き取りロールｄを回転させると、転写テー
プｃは、内側壁４及び４′の丸味の頂部５及び
５′を案内として巻き取りロールd′側から巻き取
りロールｄ側に巻き取られる。この転写テープｃ
は、例えばポリエステルフイルム（2μ〜10μ）を
用い、これに昇華性染料とエチルセルローズのよ
うな樹脂とを混合した染料等を色材として塗着し
たもので、感熱ヘツドｇの作用によつてドラムｉ
上の白紙ｈに転写テープｃの染料が転写される。
この転写テープｃ上の染料は、イエローＹ、マゼ
ンダＭ、シアンＣ等の色駒に分かれており、色駒
毎に間歇的に移動するが、これと共にドラムｉ
も、色駒毎に１往復回転するようになつているか
ら、転写テープｃがイエローＹ、マゼンダＭ、シ
アンＣと間歇的な移動が終わると、白紙ｈには、
これの塗料が転写されて天然色の画像がプリント
される。

このカセツトＡをカラーテレビ用のプリンタに
使用すると、プリンタはカラーテレビの画像を記
憶し、白紙ｈはドラムｉに巻回され、記憶された
画像は色分解されて、これが電気信号に変えら
れ、この電気信号により感熱ヘツドｇは制御さ
れ、転写テープｃの巻き取りロールｄを間歇的に
回転させると共にドラムｉを１回転させる。これ
により先ずドラムｉ上の白紙ｈにイエローＹが転
写され、次いで転写テープｃが、停止しているの
間に、ドラムｉは逆転して元の位置に戻り、再び
ドラムｉが１回転する間に転写テープｃも移動す
るから、感熱ヘツドｇの作用で転写テープｃのマ
ゼンダＭが白紙ｈ上に転写される。同様にして、
シアンＣが転写されて、白紙ｈ上には天然色の画
像がプリントされる。

なお、感熱性転写テープとしては、上記した昇
華性染料によるものの外に、ワツクスを塗着した
溶融性転写テープがあり、また転写テープとして
は、インクリボン等のインパクト方式のものがあ
るが、何れもテープがカセツトの未使用時、ある
いは不使用時に緩むことを防止するという点で同
様に処理することができるものである。

（考案の効果） 本考案は、カセツトのケースを構成する身部あ
るいは蓋部に、ケース内の内側に納置されたテー
プ用の巻き取りロールに嵌挿される弾性の切欠締
環を突設すると共に、これの切欠部に対応する蓋
部のロール受板、あるいは身部のロール受部の位
置に、プリンタ側からの突出部材用の案内溝を設
けることにより、カセツトの未使用時、あるいは
プリンタより取り外した不使用時等には、切欠締
環の弾性にて巻き取りロールが締付けられてその
回転が阻止され、プリンタに装着して使用する時
には、プリンタ側からの突出部材が締環の切欠部
に進入してこれを押開し、その締付けを解いて回
転が自由となるようにしたから、未使用時、不使
用時には、転写テープの緩みによる損傷を受ける
ことがなく、使用時には、直ちに対応することが
でき、不便をきたすことがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる１実施例を示すもので、
第１図イ、ロ、第２図イ、ロは要部の断面図及び
正面図、第３図イ、ロは切欠締環の断面図、第４
図は全体の斜視図、第５図は同上の分解斜視図、
第６図は使用状態の一部を拡大した説明的断面
図、第７図は転写テープの一部平面図である。 符号、Ａ……感熱転写テープ用カセツト、Ｂ…
…ケース、ａ……身部、ｂ……蓋部、ｃ……転写
テープ、ｄ，d′……巻き取りロール、ｅ，ｆ……
突出部材、ｇ……感熱ヘツド、ｈ……白紙、ｉ…
…ドラム、１，１′……収納溝、２，２′……ロー
ル受部、３，１１……窓孔、４，４′……内側壁、
５，５′，７，７′……頂部、６，６′……外側壁、
８，８′……係止段部、９，９′……ロール受板、
１０，１０′……係止片、１２，１５……切欠部、
１３，１６……切欠締環、１４，１７……案内
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 身部と蓋部とで構成されるカセツトケースにお
   いて、身部の両側に設けた収納溝に、転写テープ
   用巻き取りロールを納置するとともに、この巻き
   取りロールを嵌挿してその回転を阻止するための
   弾性の切欠締環を、身部のロール受部側、あるい
   は蓋部のロール受板側の何れかより突設し、この
   カセツトをプリンタに装着した時、上記の弾性の
   切欠締環の切欠部を押開して、転写テープ用巻き
   取りロールの回転の阻止を解くためのプリンタ側
   からの突出部材用案内溝を蓋部のロール受板、あ
   るいは身部のロール受部に設けたことを特徴とす
   るカセツト。