JPH0435391B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車等のステアリングホイールの
製造方法に関するものである。

（従来の技術） 従来のステアリングホイールでは、たとえば特
開昭59−120565号公報に記載されているように、
ステアリングシヤフトに嵌着される金属製のボス
の外側部に凹部を形成し、この凹部内に金属製の
スポーク芯金を嵌合し、凹部の外縁部分とスポー
ク芯金とをアーク溶接するようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述したような従来のステアリングホイールで
は、アーク溶接によつて、スポーク芯金をボスに
固定しているので、強度が安定せず、溶接作業の
自動化も困難であつた。

このため、強度の安定及び溶接作業の自動化等
を目的として、電気抵抗溶接を用いることも考え
られたが、電気抵抗の溶接の場合、溶接機の電極
によりスポーク芯金とボスを圧接するので、その
ままでは、スポーク芯金とボスの溶け込み代が一
定にならず寸法精度が安定しないため、溶接機に
よる電極の加圧ストロークを一定として、電極の
消耗による溶け込み代の変化を少なくするため
に、電極の交換を頻繁に行なう必要がある。

本発明は、このような点に鑑みてなされたもの
で、電気抵抗溶接を用い、電極の加圧ストローク
をフリーにしてスポーク芯金をボスに溶接して
も、スポーク芯金とボスとの間の寸法精度が安定
するステアリングホイールの製造方法を提供する
ことを目的とするものである。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明は、ステアリングシヤフト４に嵌着され
る金属製のボス５の外側部に金属製のスポーク芯
金６を固定したステアリングホイールの製造方法
であつて、上記ボス５の外側部に凹部１１ａ，１
１ｂ，１１ｃ，１１ｄを形成するとともに、この
凹部１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ内の側部１
２は上記スポーク芯金６が凹部１１ａ，１１ｂ，
１１ｃ，１１ｄ内の底部１３に当接する前に当接
するように形成し、この凹部１１ａ，１１ｂ，１
１ｃ，１１ｄ内の側部１２に対してスポーク芯金
６を加圧した状態で電気抵抗溶接し、凹部１１
ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ内の底部１３とスポ
ーク芯金６との当接による電気抵抗の減少によつ
て溶接を終了させるものである。

（作用） 本発明のステアリングホイールの製造方法で
は、電気抵抗溶接によりスポーク芯金６をボス５
の凹部１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ内の側部
１２に溶接する際に、スポーク芯金６がボス５の
凹部１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ内の底部１
３に当接することで電気抵抗が減少して溶接を終
了させる事ができるので、この底部１３が溶接時
のストツパとなつてスポーク芯金６とボス５の間
の寸法精度が安定するものである。

（実施例） 本発明の実施例の構成を第１図ないし第６図を
参照して説明する。

第１図及び第２図はステアリングホイールを示
し、このステアリングホイールは、ボス部１とそ
の周囲の円環状のリブ部２をスポーク部３で連結
した形状で、ボス部１は自動車等のステアリング
シヤフト４に嵌着される金属製のボス５を備え、
このボス５の外側部に上記スポーク部３の金属製
のスポーク芯金６が溶接により固定され、このス
ポーク芯金６の端部に上記リム部２のリム芯金７
が溶接により固定されている。

なお、８はリム芯金７を被覆したリム部２の軟
質合成樹脂製の外被、９，１０はボス部１及びス
ポーク部３の合成樹脂製のカバーである。

そうして、上記ボス５とスポーク芯金６の固定
に際しては、第３図に示すように、ボス５の外側
部に円形断面のスポーク芯金６よりも幅の狭いＵ
字形状の凹部１１ａを形成し、この凹部１１ａ内
の側部１２の開口縁部はスポーク芯金６が凹部１
１ａ内の底部１３に当接する前に当接するように
形成しておく。そして、凹部１１ａ内の側部１２
の開口縁部にスポーク芯金６を当接し、図示しな
い電気抵抗溶接機の電極により、スポーク芯金６
を凹部１１ａ内の底部１３に向かつて所定の圧力
で加圧しながら電気抵抗溶接を行なう。

すると、スポーク芯金６とボス５の接触部に溶
接電流が流れて互いに熔融し、加圧力によりスポ
ーク芯金６が凹部１１ａ内の円弧状の底部１３に
向かつて移動し、スポーク芯金６が凹部１１ａ内
の側部１２に対して溶接され、最後に、スポーク
芯金６が凹部１１ａ内の底部１３に対して当接し
て溶接が完了する。

この場合、電極の加圧ストロークは一定とせず
にフリーとし、電極の加圧力及び溶接電流を調整
して溶接を行なうが、スポーク芯金６が凹部１１
ａ内の底部１３に対して当接するまでは、第４図
Ａに示すように、スポーク芯金６とボス５の接触
部の面積が比較的に小さいので、溶接電流に対す
る電気抵抗が比較的に大きく、溶接電流により接
触部が発熱して熔融し、スポーク芯金６とボス５
の溶接及びスポーク芯金６の移動が継続し、そし
て、スポーク芯金６が凹部１１ａ内の底部１３に
対して当接した状態では、第４図Ｂに示すよう
に、スポーク芯金６とボス５の接触部の面積が急
激に増大するので、溶接電流に対する電気抵抗が
急激に減少し、溶接電流による接触部の発熱が少
なくなるとともに、凹部１１ａ内の底部１３がス
ポーク芯金６の移動に対する機械的な抵抗すなわ
ちストツパとなり、スポーク芯金６とボス５の熔
融及びスポーク芯金６の移動が行なわれなくな
る。

したがつて、スポーク芯金６とボス５との間の
寸法精度が安定し、しかも、電極が多少消耗した
場合でも寸法精度が常に一定になるので、電極を
本来の寿命まで使用することが可能となる。

なお、第５図及び第６図はそれぞれボス５の構
造が異なる変形例を示すもので、ボス５をセレー
シヨン孔１４を備えた部分５ａとテーパ孔１５を
備えた部分５ｂとに分けて形成し、この両方の部
分５ａ，５ｂを溶接等により一体化した後に、こ
の両方の部分５ａ，５ｂから成るボス５にスポー
ク芯金６を電気抵抗溶接するものである。

そして、第７図ないし第９図はそれぞれボス５
に形成する凹部の形状が異なる変形例を示すもの
で、第７図の変形例は矩形の底辺に円弧状の窪み
を設けた形状の凹部１１ｂを形成した例、第８図
の変形例は矩形状の凹部１１ｃを形成した例、第
９図の変形例はＶ字形に円弧状の底部１３を設け
た形状の凹部１１ｄを形成した例であり、第７図
及び第８図の変形例の場合、凹部１１ｂ，１１ｃ
の底部１３の両側角隅部が熔融したボス５及びス
ポーク芯金６の金属の逃げ空間となり、第８図及
び第９図の変形例の場合、凹部１１ｃ，１１ｄの
形状が単純でその形成が比較的に容易となる。

なお、以上に説明した実施例及び各変形例のう
ち、第１図ないし第４図に示した実施例第５図な
いし第７図に示した各変形例では、凹部１１ａ，
１１ｂ内の側部１２の開口縁部に面取り加工を施
してある。

また、第１０図ないし第１４図はそれぞれボス
５とスポーク芯金６の配置関係を示す例で、本発
明を様々なステアリングホイールに適用できるこ
とを示すものである。

〔発明の効果〕

本発明によれば、電気抵抗溶接によりスポーク
芯金をボスの凹部内の側部に溶接する際に、スポ
ーク芯金がボスの凹部内の底部に当接することで
電気抵抗が減少して溶接を終了させることができ
るので、この底部が溶接時のストツパとなつてス
ポーク芯金とボスの間の寸法精度が安定し、しか
も、電極の加圧力を調整するだけで、電極の加圧
ストロークは一定とせずにフリーとすることがで
きるので、電極が多少消耗した場合でも寸法精度
が常に一定となり、電極を本来の寿命まで使用す
ることが可能となり、その上、溶接強度も安定
し、溶接作業の自動化も容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明のステアリングホ
イールの製造方法の一実施例を示し、第１図は第
２図の−視に対応するステアリングホイール
の縦断面図、第２図はその平面図、第３図はその
一部の組立時の状態の縦断面図、第４図は第３図
の説明図であり、そして、第５図及び第６図はそ
れぞれボスの構造が異なる変形例を示す第３図に
対応する図、第７図ないし第９図はそれぞれボス
に形成する凹部の形状が異なる変形例を示す第４
図に対応する図、第１０図ないし第１４図はそれ
ぞれボス５とスポーク芯金６の配置関係の例を示
す平面図である。 ４……ステアリングシヤフト、５……ボス、６
……スポーク芯金、１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１
１ｄ……凹部、１２……側部、１３……底部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ステアリングシヤフトに嵌着される金属製の
   ボスの外側部に金属製のスポーク芯金を固定した
   ステアリングホイールの製造方法であつて、 上記ボスの外側部に凹部を形成するとともに、
   この凹部内の側部は上記スポーク芯金が凹部内の
   底部に当接する前に当接するように形成し、この
   凹部内の側部に対してスポーク芯金を加圧した状
   態で電気抵抗溶接し、凹部内の底部とスポーク芯
   金との当接による電気抵抗の減少によつて溶接を
   終了させる ことを特徴とするステアリングホイールの製造方
   法。