JPH04351962A - 特異結合分析方法および特異結合分析装置 - Google Patents

特異結合分析方法および特異結合分析装置

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JPH04351962A
JPH04351962A JP12618991A JP12618991A JPH04351962A JP H04351962 A JPH04351962 A JP H04351962A JP 12618991 A JP12618991 A JP 12618991A JP 12618991 A JP12618991 A JP 12618991A JP H04351962 A JPH04351962 A JP H04351962A
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JP12618991A
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Chuichi Yamauchi
山 内 忠 一
Yoshiaki Sugihara
杉 原 圭 亮
Hiroshi Sato
佐 藤  浩
Toshiyuki Kanamori
金 森 利 至
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Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
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    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
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    • G01N33/74Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving hormones or other non-cytokine intercellular protein regulatory factors such as growth factors, including receptors to hormones and growth factors
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    • G01N33/74Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving hormones or other non-cytokine intercellular protein regulatory factors such as growth factors, including receptors to hormones and growth factors
    • G01N33/76Human chorionic gonadotropin including luteinising hormone, follicle stimulating hormone, thyroid stimulating hormone or their receptors

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中の分析対象物を
、試料の希釈を行なうことなく、広範囲の測定感度の中
から所望の測定感度を選んで測定することが可能な分析
方法、および、該方法を行なうのに好適な分析装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】特異結合反応の一つとして、抗原とその
抗原に対する抗体との免疫反応があげられる。この免疫
反応は、生体内の微量成分を分析対象物とする測定に幅
広く応用されている。具体的には、定量的検出方法とし
て、ラジオイムノアッセイ法、蛍光免疫測定法、化学発
光免疫測定法および酵素免疫測定法等が知られており、
定性的検出方法としては、赤血球凝集法またはラテック
ス凝集法等が知られている。そして、これらの方法は、
各種疾患の診断や治療効果の判定等のために、臨床面で
大いに活用されている。
【0003】このような免疫測定法の分野は、その発展
が目覚ましく、近年では、様々な簡易測定法やそれに使
用されるキットが発表されている。一例をあげると、特
開平01−299464号公報、特表昭61−5022
14号公報等がある。そして、免疫測定法の医療現場で
の実施の観点からは、測定機器を用いずに、目視のみに
よって、試料中の分析対象物を定量または半定量できる
方法やキットが好ましい。
【0004】ところで、従来における免疫反応の原理を
応用した生体内微量成分の検出においては、前記した簡
易測定法の場合も含め、分析対象物が微量成分であると
いう事実から当然のことであるが、その感度上昇に専ら
力が注がれていた。従って、分析対象物を含有する試料
は、特に必要がある場合以外は、そのままあるいは濃縮
されてから使用されていた。なお、特に必要がある場合
とは、試料の量が少なすぎる場合等であり、その場合は
、試料の希釈が行なわれていた。
【0005】しかし、検査において、試料の濃縮や希釈
の工程があると、試料が例えばHBウイルス等を含む場
合等では、検査を行なう医療従事者等の健康を害するお
それを増幅させるので、このような工程は省略できるこ
とが好ましい。
【0006】また、試料の濃縮や希釈工程を省いて測定
感度の調整を行なうために、免疫測定キットを構成する
不溶化物質量(濃度)、標識物質量(濃度)、あるいは
それらの分析対象物に対する結合親和力を変えるという
技術もある。一例をあげると、特開昭60−19226
1号公報(半定量)、特開平01−245157号公報
(半定量)、特表平01−503174号公報(定性)
、特開平01−244370号公報(定性、定量)等が
ある。
【0007】しかし、このような方法で測定感度を調整
すると、下記のような問題が生じる。これについて、図
10に基づいて説明する。図10(I)は、サンドイッ
チ法の原理に基づく免疫測定法を行なった際の、分析対
象物量(または濃度)と信号強度との関係を模式的に示
した図である。同図中の軌跡1〜3は、互いに標識物質
量のみが異なる測定系を用いた場合を示し、測定感度は
、高い方から順に、軌跡1、軌跡2、軌跡3の順である
【0008】この測定系において、信号強度Xを境界と
して、分析対象物有(信号強度≧X)あるいは分析対象
物無(信号強度<X)の定性的な判定を行なうとする。 その場合、軌跡1を描くように測定感度調整を行なった
キットでは、分析対象物量Y1を境界として、分析対象
物量がY1以上では分析対象物有、Y1未満では分析対
象物無の判定がなされる。また、軌跡2を描くように測
定感度調整を行なったキットでは、分析対象物量Y2を
境界として、さらに、軌跡3を描くように測定感度調整
を行なったキットでは、分析対象物量Y3を境界として
、分析対象物の有無の判定がなされる。
【0009】ここで、測定感度の低下(境界となる分析
対象物量の増加)を行なうということは、同図において
、軌跡1ではなく、軌跡2または軌跡3を描くように測
定感度調整を行なうことである。その場合、同図から明
らかなように、試料中の分析対象物量を示す信号の最大
強度の低下は免れ得ず、それが、結果の判定に不正確さ
を招く要因となる。さらに、プロゾーン現象の出現域が
、分析対象物の低濃度側にシフトするという問題もある
【0010】一方、競合法では、サンドイッチ法とは逆
に、分析対象物量(または濃度)の増大と共に信号強度
が低下する。この競合法において、測定感度の低下のた
めの一手段として、分析対象物と競合する標識物質量を
増大させる方法が挙げられる。これを、図10(III
) に模式的に示した。なお、同図において、測定感度
は、高い方から順に、軌跡1、軌跡2、軌跡3となる。
【0011】同図から明らかなように、この場合は、測
定感度の低下を行なおうとすると、信号の最大強度の増
大が免れ得ず、それが判定を不正確とする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記の如く、免疫測定
法の分野では、様々な簡易測定法やキットが開発されて
いる。しかし、試料中の分析対象物量の変動にあわせて
感度調整を行なっても、測定される信号の最大強度の低
下がなく、プロゾーン現象の出現域の変動がなく、かつ
、このような測定法の開始前やキットに試料を供する前
に、試料の希釈の工程を設けなくても、結果として試料
が希釈されて用いられたと同様の検出結果を示す簡易測
定法や、そのような簡易測定法の実施に好適な、試料を
添加するだけで試料中の分析対象物の定性あるいは定量
的測定を行なえるキットは、未だ知られていない。
【0013】本発明は、このような事実に鑑みてなされ
たものであり、特に半定量を高感度で行なうに際して有
用な分析方法および分析装置であって、試料をそのまま
用いても、結果として、試料が希釈されて用いられたと
同様の検出結果を得ることができ、かつ、信号の最大強
度の変動を招かずに、広範囲の測定感度の中から所望の
測定感度を設定できる分析方法と、その方法を行なうの
に好適な分析装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明第一の態様は、試
料中の分析対象物を定性または定量するに際し、測定系
に特定物質を存在させ、該特定物質の存在により、分析
対象物量の指標として測定される標識物質量を小さくす
ることを特徴とする特異結合分析方法であり、本発明第
二の態様は、試料中の分析対象物を定性または定量する
に際し、測定系に特定物質を存在させ、該特定物質の存
在により、分析対象物量の指標として測定される標識物
質量を大きくすることを特徴とする特異結合分析方法で
ある。
【0015】また、本発明第三の態様は、本発明第一の
態様および第二の態様の特異結合分析方法を実施するた
めの、試料添加部(A)、特異結合物質存在部(B)、
検出部存在部(C)および吸収部(D)を順次有するク
ロマトグラフ型の特異結合分析装置である。
【0016】以下に、本発明を詳細に説明する。はじめ
に、この明細書中の用語を説明する。
【0017】分析対象物とは、本発明の方法または装置
により、定性的あるいは定量的に検出される物質である
。具体的には、抗原あるいは抗体として機能する各種蛋
白質やペプチド、核酸、エフェクター分子、レセプター
分子、酵素、インヒビター、アビジン、ビオチン、糖鎖
を有する化合物、レクチン等が例示され、さらに具体的
には、HBs抗原、抗HBs抗体、エストリオール(E
3 )、アルファフェトプロテイン(AFP)、ヒト絨
毛性性腺刺激ホルモン(hCG)、黄体形成ホルモン(
LH)、癌胎児性抗原(CEA)、ベータ2ミクログロ
ブリン(β2 m)、フェリチン、ヒト胎盤ラクトゲン
(hPL)等が例示される。
【0018】また、分析対象物類縁物質とは、ある物質
との結合反応において、分析対象物と同様の挙動を示す
物質をいう。具体的には、前記分析対象物の各種アナロ
グが例示される。
【0019】試料とは、分析対象物が含まれるかまたは
含まれると予想される液体のことであり、具体的には、
尿、血漿、血清、全血、唾液、涙液、髄液等が例示され
るが、固形またはゲル状物を緩衝液等の液体に溶解させ
たものであってもよい。
【0020】特異結合物質とは、ある特定の構造を有す
る物質に特異的に結合する物質である。本明細書におい
ては、前記分析対象物やその類縁物質に対する特異結合
物質I、および、該特異結合物質Iに対する特異結合物
質IIについて言及している。
【0021】ある特定の構造を有する物質とそれに対す
る特異結合物質Iとの組合せとしては、抗原とそれに対
する抗体、相補的核酸配列、エフェクター分子とレセプ
ター分子、酵素とインヒビター、アビジンとビオチン、
糖鎖を有する化合物とレクチン等が例示される。また、
特異結合物質Iと特異結合物質IIとの組合せとしては
、抗体とそれに対する抗体等が例示される。
【0022】干渉するとは、例えば分析対象物と特異結
合物質Iのような一組の結合反応を立体障害や競合的結
合等の何らかの方法で阻害することをいう。
【0023】標識物とは、試料中の分析対象物の有無あ
るいは濃度を、直接的または間接的に示す物質である。 具体的には、直接的に示すものとして、各種染料や各種
顔料等の色素類、 125I、32P、 3H、14C
等の放射性物質、ルミノール誘導体、アクリジニウムエ
ステル等の化学発光物質、ホタルルシフェリン、ウミホ
タルルシフェリン等の生物発光物質、フルオレセイン、
ローダミン等の蛍光物質、着色ラテックス、金コロイド
等が例示され、間接的に示すものとして、各種の酵素類
が例示される。
【0024】なお、標識物として酵素を選択した場合に
は、酵素の働きによって基質あるいはクロモーゲンを変
化させ、その変化の結果として得られる物質の色濃度、
発光強度、蛍光強度等を測定する。
【0025】このような酵素と基質(およびクロモーゲ
ン)の組合せを例示すると、ホースラディッシュペルオ
キシターゼ−H2 O2 (3,3´,5,5´−テト
ラメチルベンジジン)、アルカリフォスファターゼ−5
−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフォスフェート
、ガラクトシダーゼ−2−ニトロフェニル−β−D−ガ
ラクトシド等の酵素と発色基質との組合せ、アルカリフ
ォスファターゼ−3−(2´−スピロアダマンテン)−
4−メトキシ−4−(3″−フォスフォリルオキシフェ
ニル−1,2−ジオキセタン(AMPPD)、ホースラ
ディッシュペルオキシダーゼ−ルミノール、ルシフェラ
ーゼ−ルシフェリン等の酵素と発光基質との組合せ、ア
ルカリフォスファターゼ−ウンベリフェリルフォスフェ
ート、ホースラディッシュペルオキシダーゼ−p−ハイ
ドロキシフェニルプロピオン酸等の酵素と蛍光基質との
組合せ等がある。
【0026】信号強度とは、前記標識物が直接または間
接的に示す色濃度、放射能強度、発光強度、蛍光強度等
をいう。
【0027】標識物質とは、前記標識物部分を有する物
質をいう。
【0028】試料添加部とは、測定する試料を注入する
部位であり、特異結合物質存在部とは、前記特異結合物
質等が存在している部位である。
【0029】検出部とは、分析対象物、分析対象物類縁
物質、特異結合物質等が不溶化されており、実際に、前
記標識物に由来する信号を測定する部位であり、検出部
存在部とは、検出部およびその周辺部である。なお、検
出部存在部=検出部であってもよい。
【0030】吸収部とは、装置に注入された試料等の液
体を吸収、保持する部位である。
【0031】以上のように定義された用語により、本発
明第一の態様、第二の態様および第三の態様を順次説明
する。
【0032】本発明第一の態様は、試料中の分析対象物
を定性または定量するに際し、測定系に特定物質を存在
させ、該特定物質の存在により、分析対象物量の指標と
して測定される標識物質量を小さくすることを特徴とす
る特異結合分析方法である。
【0033】ここで、特定物質とは、試料中の分析対象
物の量もしくは濃度に対応する、測定される標識物質量
を制御するに寄与する物質を指し、測定系ごとに、適切
な物質が選択されるが、具体的には、分析対象物に対す
る特異結合物質、分析対象物類縁物質等が例示される。
【0034】また、標識物質も、測定系ごとに適切な物
質が選択されるが、具体的には、分析対象物に対する特
異結合物質を標識してなる物質、分析対象物に対する特
異結合物質に結合する物質を標識してなる物質、分析対
象物を標識してなる物質、分析対象物類縁物質を標識し
てなる物質等が例示される。なお、「標識してなる」と
は、ある物質に標識物が直接または間接的に結合してい
る状態を指す。
【0035】次に、図面に基づいて、本発明第一の態様
に相当する具体例を説明する。
【0036】まず初めに、図1に基づいて説明する。図
1に示された例は、特定物質が、分析対象物(a)と特
異的に結合する特異結合物質(b)であり、標識物質が
、分析対象物(a)と特異結合物質(b)との結合に干
渉せずに分析対象物(a)と特異的に結合する特異結合
物質(c)に標識物(d)が結合してなる標識特異結合
物質(e)である測定系である。
【0037】そして、図1に示された例は、分析対象物
(a)を、特異結合物質(b)および/または標識特異
結合物質(e)と同時または順に結合反応させ、次いで
、前記分析対象物(a)と前記標識特異結合物質(e)
との結合物質(f)を、不溶化されている前記特異結合
物質(b)、または、前記分析対象物(a)との結合に
際し、前記標識特異結合物質(e)とは干渉しないが、
前記特異結合物質(b)とは干渉する不溶化されている
特異結合物質(g)と結合反応をさせて固定し、その後
、固定された前記結合物質(f)中の標識物(d)に由
来する信号を読みとるものである(以下、方法1という
)。
【0038】なお、特異結合物質(b)と特異結合物質
(g)との関係は、分析対象物(a)との結合に関して
干渉しあう関係であり、例えば分析対象物(a)が抗原
として機能する物質である場合、同じ抗原決定部位に対
して特異的に結合する異なる種類の抗体同士、あるいは
、結合する抗原決定部位は異なるが、特異結合物質(b
)が分析対象物(a)に結合すると、特異結合物質(g
)は分析対象物(a)に結合できなくなる関係にある物
質同士等である。
【0039】また、方法1を行なった場合の、この測定
系に関与する各物質の結合状態の典型例は、図1に示す
通りである。
【0040】この方法1では、不溶化されていない特異
結合物質(b)が結合した分析対象物(a)は、不溶化
されている特異結合物質(b)または特異結合物質(g
)に結合できない。そのために、不溶化されていない特
異結合物質(b)が結合した分析対象物(a)に結合し
た標識特異結合物質(e)は、測定系外に排除されるの
である。そして、この排除の程度(希釈の程度)は、主
に、不溶化されていない特異結合物質(b)と、不溶化
されている特異結合物質(b)または不溶化されている
特異結合物質(g)との量比、および/または、それら
と分析対象物(a)との結合親和力によって制御される
【0041】方法1では、標識特異結合物質(e)と、
不溶化されている特異結合物質(b)または不溶化され
ている特異結合物質(g)の量を一定にした場合、不溶
化されていない特異結合物質(b)の量を増加させるに
従い、測定系外に排除される標識特異結合物質(e)量
が増加し、反応後に読みとる標識物(d)由来の信号強
度が低下する。そして、試料を希釈することによって、
分析対象物(a)量を低下させて用いた場合の信号強度
と同レベルとすることができる。
【0042】従って、試料をそのまま用いたにもかかわ
らず、希釈して用いた場合と同様の効果(希釈効果とい
う)が得られ、かつ、所望の測定感度に対して適切な信
号強度での測定が可能となる。
【0043】また、不溶化物質として、特異結合物質(
g)を選択した場合は、分析対象物(a)に対する、不
溶化されていない特異結合物質(b)と不溶化されてい
る特異結合物質(g)との結合親和力を調整することに
よっても、同様に、所望の適切な希釈効果を得ることが
できる。
【0044】次に、図2に基づいて説明する。図2に示
された例は、分析対象物(h)が、1種類の特異的結合
に係わる部位を複数有することが明らかである場合に実
施する方法であり、特定物質は、分析対象物(h)と特
異的に結合する特異結合物質(i)であり、標識物質は
、分析対象物(h)と特異結合物質(i)との結合に干
渉して分析対象物(h)と特異的に結合する特異結合物
質(j)に標識物(d)が結合してなる標識特異結合物
質(k)である測定系である。
【0045】この測定系では、分析対象物(h)を、該
分析対象物(h)に特異的に結合する特異結合物質(i
)、同じく該分析対象物(h)に特異的に結合する特異
結合物質(j)に標識物(d)が結合したものである標
識特異結合物質(k)、および、不溶化されている、同
じく該分析対象物(h)に特異的に結合する特異結合物
質(l)と、同時または順に結合させ、前記分析対象物
(h)の少なくとも一部を固定し、その後、固定された
分析対象物(h)に結合した標識特異結合物質(k)中
の標識物(d)に由来する信号を読みとるものである(
以下、方法2という)。
【0046】なお、特異結合物質(i)、標識特異結合
物質(k)を構成している特異結合物質(j)、不溶化
されている特異結合物質(l)は、分析対象物(h)の
1種類の特異結合に係わる部位への結合に際し、互いに
干渉する物質であれば、同じであっても異なるものであ
ってもよい。
【0047】また、方法2を行なった場合の、この測定
系に関与する各物質の結合状態の典型例は、図2に示す
通りである。
【0048】この方法2では、分析対象物(h)の1種
類の特異的結合に係わる部位全てに特異結合物質(i)
および/または標識特異結合物質(k)が結合した分析
対象物(h)は、不溶化されている特異結合物質(l)
に結合できないので、そのような状態で分析対象物(h
)に結合した標識特異結合物質(k)は、測定系外に排
除されるのである。そして、この排除の程度は、特異結
合物質(i)、標識特異結合物質(k)および不溶化さ
れている特異結合物質(l)の量比、および/または、
それらと分析対象物(h)との結合親和力によって制御
される。その結果、方法1の場合と同様に、希釈効果が
得られ、かつ、所望の測定感度で適切な信号強度を示す
ようにすることができる。
【0049】図3に基づいて説明する。図3に示された
例は、特定物質が、不溶化された特異結合物質(o)と
の結合に際し、分析対象物(a)と干渉する分析対象物
類縁物質(q)であり、標識物質が、分析対象物(a)
と不溶化された特異結合物質(o)との結合に干渉せず
に分析対象物(a)と特異的に結合する特異結合物質(
m)に標識物(d)が結合してなる標識特異結合物質(
n)である測定系である。
【0050】この測定系では、分析対象物(a)を、標
識特異結合物質(n)と結合させ、次いで、前記分析対
象物(a)と前記標識特異結合物質(n)との結合には
干渉されずに前記分析対象物(a)と特異的に結合する
不溶化されている特異結合物質(o)に、前記分析対象
物(a)と前記標識特異結合物質(n)との結合物質(
p)、前記標識特異結合物質(n)とは結合しないが前
記特異結合物質(o)とは結合する分析対象物類縁物質
(q)を結合反応させて固定し、その後、固定された前
記結合物質(p)中の標識物(d)に由来する信号を読
みとるものである(以下、方法3という)。
【0051】また、この方法3を行なった場合の、この
測定系に関与する各物質の結合状態の典型例は、図3に
示す通りである。
【0052】この方法3では、不溶化されている特異結
合物質(o)に、結合物質(p)および分析対象物類縁
物質(q)が競合して結合するので、結合物質(p)と
して、標識特異結合物質(n)の一部が測定系外に排除
されるのである。そして、この排除の程度は、標識特異
結合物質(n)、分析対象物類縁物質(q)および不溶
化されている特異結合物質(o)の量比、および/また
は、分析対象物(a)、分析対象物類縁物質(q)と不
溶化されている特異結合物質(o)との結合親和力によ
って制御される。その結果、方法1の場合と同様に、希
釈効果が得られ、かつ、所望の測定感度で適切な信号強
度を示すようにすることができる。
【0053】図4に示された例は、特定物質が、不溶化
された特異結合物質(v)とは結合しない分析対象物類
縁物質(t)であり、標識物質が、分析対象物(a)お
よび分析対象物類縁物質(t)と特異的に結合する特異
結合物質(r)に標識物(d)が結合してなる標識特異
結合物質(s)である測定系である。
【0054】この測定系では、標識特異結合物質(s)
を、試料中の分析対象物(a)、および、該標識特異結
合物質(s)と分析対象物(a)との結合に干渉する分
析対象物類縁物質(t)と、同時または順に結合反応さ
せ、次いで、前記分析対象物(a)と前記標識特異結合
物質(s)との結合物質(u)および存在する場合は未
結合の分析対象物(a)を、前記分析対象物(a)との
結合に際し、前記標識特異結合物質(s)とは干渉せず
、かつ、前記分析対象物類縁物質(t)とは結合しない
、不溶化されている特異結合物質(v)と結合反応させ
て固定し、その後、固定された前記結合物質(u)中の
標識物(d)に由来する信号を読みとるものである(以
下、方法4という)。
【0055】また、この方法4を行なった場合の、この
測定系に関与する各物質の結合状態の典型例は、図4に
示す通りである。
【0056】この方法では、標識特異結合物質(s)に
、分析対象物(a)と分析対象物類縁物質(t)が競合
して結合する。その結果、標識特異結合物質(s)の一
部(分析対象物類縁物質(t)と結合したもの)は、不
溶化されている特異結合物質(v)に結合せずに、測定
系外に排除される。そして、この排除の程度は、標識特
異結合物質(s)、分析対象物類縁物質(t)および不
溶化されている特異結合物質(v)の量比、および/ま
たは、標識特異結合物質(s)に対する、分析対象物(
a)と分析対象物類縁物質(t)との結合親和力によっ
て制御される。その結果、方法1の場合と同様に、希釈
効果が得られ、かつ、所望の測定感度で適切な信号強度
を示すようにすることができる。
【0057】なお、この方法の実施に際しては、不溶化
されている特異結合物質(v)の量は、分析対象物(a
)の量に対して大過剰用いることが好ましい。
【0058】図5に示された例は、特定物質が、分析対
象物(a)との特異的に結合する特異結合物質(w)で
あり、標識物質が、分析対象物(a)と特異結合物質(
w)との結合に干渉して分析対象物(a)と特異的に結
合する特異結合物質(x)に標識物(d)が結合してな
る標識特異結合物質(y)である測定系である。
【0059】この測定系では、試料中の分析対象物(a
)を、特異結合物質(w)、および、前記分析対象物(
a)との結合に際し、前記特異結合物質(w)と干渉す
る標識特異結合物質(y)と、同時または順に結合反応
させ、次いで、前記分析対象物(a)と前記特異結合物
質(w)との結合物質(z)、および、前記分析対象物
(a)と前記標識特異結合物質(y)との結合物質(α
)を、前記分析対象物(a)との結合に際し、前記特異
結合物質(w)および前記標識特異結合物質(y)とは
干渉しない不溶化されている特異結合物質(β)と結合
反応をさせて固定し、その後、固定された前記結合物質
(α)中の標識物(d)に由来する信号を読みとるもの
である(以下、方法5という)。
【0060】また、この方法5を行なった場合の、この
測定系に関与する各物質の結合状態の典型例は、図5に
示す通りである。
【0061】この方法では、分析対象物(a)に、特異
結合物質(w)と標識特異結合物質(y)とが競合して
結合する。その結果、分析対象物(a)に結合できない
標識特異結合物質(y)が生じる。そして、この分析対
象物(a)に結合できなかった標識特異結合物質(y)
が測定系外に排除される。この排除の程度は、主に、標
識特異結合物質(y)と特異結合物質(w)との量比、
および/または、それらと分析対象物(a)との結合親
和力によって制御される。その結果、方法1の場合と同
様に、希釈効果が得られ、かつ、所望の測定感度で適切
な信号強度を示すようにすることができる。
【0062】以上の具体例(方法1〜5)は、いずれも
、標識物質が分析対象物に対する特異結合物質を標識し
てなる物質である例であった。次に、標識物質が、分析
対象物に対する特異結合物質に対して、分析対象物と特
異結合物質との結合には干渉せずに結合する物質を標識
してなる物質である例について述べる。
【0063】図6に示された例は、特定物質が、分析対
象物(a)と特異的に結合する特異結合物質(γ)であ
り、標識物質が、分析対象物(a)と特異結合物質(γ
)との結合には干渉せずに特異結合物質(γ)に特異的
に結合する特異結合物質(δ)に標識物(d)が結合し
てなる標識特異結合物質(ε)である測定系である。
【0064】この測定系では、分析対象物(a)と特異
的に結合する特異結合物質(γ)を、試料中の分析対象
物(a)、および、前記特異結合物質(γ)との結合に
際し、前記分析対象物(a)とは干渉しない標識特異結
合物質(ε)と、同時または順に結合反応させ、次いで
、前記分析対象物(a)、前記特異結合物質(γ)およ
び前記標識特異結合物質(ε)の三者の結合物質(ζ)
、および、前記分析対象物(a)と前記特異結合物質(
γ)との結合物質(η)を、前記分析対象物(a)と前
記特異結合物質(γ)との結合には干渉されずに前記分
析対象物(a)と特異的に結合する不溶化されている特
異結合物質(θ)と結合反応をさせて固定し、その後、
固定された前記三者の結合物質(ζ)中の標識物(d)
に由来する信号を読みとるものである(以下、方法6)
という)。
【0065】また、この方法6を行なった場合の、この
測定系に関与する各物質の結合状態の典型例は、図6に
示す通りである。
【0066】この方法では、特異結合物質(γ)≧標識
特異結合物質(ε)である場合には、標識特異結合物質
(ε)の一部が特異結合物質(γ)と結合して測定系外
に排除される。そして、この排除の程度は、主に、特異
結合物質(γ)と標識特異結合物質(ε)との量比によ
って制御される。従って、方法1の場合と同様に、希釈
効果が得られ、かつ、所望の測定感度で適切な信号強度
を示すようにすることができる。
【0067】以上説明した具体例(方法1〜6)は、不
溶化されている物質への結合には競合法の原理が働かな
いものである。そして、方法1〜6では、標識物由来の
信号は、分析対象物の量が増すに従って大となってはい
くが、希釈効果がない方法に比べて小であり、かつ、信
号の最大強度は、希釈効果がない方法とほぼ同じである
という点に特徴がある。
【0068】すなわち、前記したように、従来の測定感
度の低下方法は、図10(I)に示すように、信号の最
大強度の低下を招く方法であった。しかし、上記した本
発明の方法(例えば方法1〜6)は、図10(II)に
示すように、適切な信号強度がMである場合に、例えば
定性的判定において、分析対象物量が境界値(N1、N
2、N3、N4)である時に信号強度をMに設定するこ
とが容易であり、かつ、そのように設定したときに、特
定物質の寄与による希釈効果のない場合(軌跡1)に比
べ、信号の最大強度は殆ど低下しないので、結果の判定
は正確となる。なお、同図中の軌跡2〜4は、本発明に
よるものである。
【0069】次に、本発明第二の態様、すなわち、不溶
化されている物質への結合が競合法によるものである特
異結合分析方法の具体例について説明する。
【0070】本発明第二の態様は、試料中の分析対象物
を定性または定量するに際し、測定系に特定物質を存在
させ、該特定物質の存在により、分析対象物量の指標と
して測定される標識物質量を大きくすることを特徴とす
る特異結合分析方法である。
【0071】特定物質、標識物質は、先に、本発明第一
の態様についての説明で述べたとおりである。
【0072】以下に、図面に基づいて、本発明第二の態
様に相当する具体例を説明する。これらの具体例では、
標識物由来の信号は、分析対象物の量が増すに従って小
となっていくが、希釈効果がない方法に比べて大であり
、かつ、信号の最大強度は、希釈効果がない方法とほぼ
同じであるという点に特徴がある。
【0073】図7に示された例は、特定物質が、分析対
象物(a)と特異的に結合する特異結合物質(κ)であ
り、標識物質が、分析対象物(a)と特異結合物質(κ
)との結合に干渉して分析対象物(a)と特異的に結合
する特異結合物質(λ)に標識物(d)が結合してなる
標識特異結合物質(μ)である測定系である。
【0074】この測定系では、分析対象物(a)および
分析対象物類縁物質(ι)と特異的に結合する特異結合
物質(κ)と、該分析対象物(a)および該分析対象物
類縁物質(ι)との結合に際し、前記特異結合物質(κ
)と干渉する標識特異結合物質(μ)とを、試料中の分
析対象物(a)、および、不溶化されている分析対象物
(a)または分析対象物類縁物質(ι)と、同時または
順に結合反応させ、該標識特異結合物質(μ)の少なく
とも一部を、不溶化されている分析対象物(a)または
分析対象物類縁物質(ι)に固定し、その後、固定され
た標識特異結合物質(μ)中の標識物(d)に由来する
信号を読みとるものである(以下、方法7という)。
【0075】なお、不溶化物質として分析対象物類縁物
質(ι)を選択した場合、分析対象物類縁物質(ι)は
、特異結合物質(κ)および標識特異結合物質(μ)の
1種類の特異結合に係わる部位への結合に際し、分析対
象物(a)と互いに干渉する物質であればよい。
【0076】また、方法7を行なった場合の、この測定
系に関与する各物質の結合状態の典型例は、図7に示す
通りである。
【0077】この方法7では、試料中の分析対象物(a
)と不溶化されている分析対象物類縁物質(ι)または
不溶化されている分析対象物(a)に、特異結合物質(
κ)と標識特異結合物質(μ)とが競合して結合する。 その結果、試料中の分析対象物(a)と結合した標識特
異結合物質(μ)は測定系から排除されるが、その排除
される量は、特異結合物質(κ)と試料中の分析対象物
(a)との結合物質の存在のために、標識特異結合物質
(μ)に、試料中の分析対象物(a)と不溶化されてい
る分析対象物類縁物質(ι)または不溶化されている分
析対象物(a)とが競合して結合する測定系に比べて小
となる。よって、不溶化されている分析対象物類縁物質
(ι)または不溶化されている分析対象物(a)自体に
結合する標識特異結合物質(μ)の量が、希釈効果がな
い場合に比べて大となり、希釈効果が得られ、かつ、所
望の測定感度で適切な信号強度を示すようにすることが
できるのである。
【0078】このように、この系では、二重に競合的結
合が行なわれる。そして、特異結合物質(κ)と標識特
異結合物質(μ)との量比、および/または、分析対象
物類縁物質(ι)、分析対象物(a)と、特異結合物質
(κ)、標識特異結合物質(μ)との結合親和力により
、希釈効果の程度を制御する。
【0079】なお、この方法7の実施に際しては、不溶
化されている分析対象物類縁物質(a)または不溶化さ
れている分析対象物(a)の量は、特異結合物質(κ)
に対して大過剰に用いることが好ましい。
【0080】図8に示された例は、特定物質が、分析対
象物(a)および分析対象物質類縁物質(ν)と特異的
に結合する特異結合物質(ξ)であり、標識物質が、分
析対象物(a)と特異結合物質(ξ)との結合には干渉
せずに特異結合物質(ξ)に特異的に結合する特異結合
物質(π)に標識物(d)が結合してなる標識特異結合
物質(ρ)である測定系である。
【0081】この測定系では、分析対象物(a)および
分析対象物類縁物質(ν)と特異的に結合する特異結合
物質(ξ)を、試料中の分析対象物(a)、不溶化され
ている分析対象物(a)または分析対象物類縁物質(ν
)、および、前記特異結合物質(ξ)との結合に際し、
前記分析対象物(a)、前記分析対象物類縁物質(ν)
とは干渉しない標識特異結合物質(ρ)と、同時または
順に結合反応させ、該標識特異結合物質(ρ)の少なく
とも一部を、前記特異結合物質(ξ)を介して不溶化さ
れている分析対象物(a)または分析対象物類縁物質(
ν)に固定し、その後、固定された標識特異結合物質(
ρ)中の標識物(d)に由来する信号を読みとるもので
ある(以下、方法8という)。
【0082】なお、不溶化物質として分析対象物類縁物
質(ν)を選択した場合、分析対象物類縁物質(ν)は
、特異結合物質(ξ)の1種類の特異結合に係わる部位
への結合に際し、分析対象物(a)と互いに干渉する物
質であればよい。
【0083】方法8を行なった場合の、この測定系に関
与する各物質の結合状態の典型例は、図8に示す通りで
ある。
【0084】この方法8では、特異結合物質(ξ)に、
試料中の分析対象物(a)と不溶化されている分析対象
物類縁物質(ν)または不溶化されている分析対象物(
a)自体が競合して結合する。その際に用いられる特異
結合物質(ξ)には、標識特異結合物質(ρ)と結合し
ているあるいはするものと、未結合のものとがある。 そして、その結果、特異結合物質(ξ)を介して試料中
の分析対象物(a)と結合して測定系から排除される標
識特異結合物質(ρ)の量は、特異結合物質(κ)の量
を標識特異結合物質(ρ)の量に対して多量とすればす
るほど小となる。よって、不溶化されている分析対象物
類縁物質(ν)または不溶化されている分析対象物(a
)自体に結合する標識特異結合物質(ρ)の量が、希釈
効果がない場合に比べて大となり、希釈効果が得られ、
かつ、所望の測定感度で適切な信号強度を示すようにす
ることができるのである。
【0085】このように、この系では、通常は、特異結
合物質(ξ)標識特異結合物質(ρ)よりも多量に用い
る。そして、特異結合物質(ξ)と標識特異結合物質(
ρ)との量比、および/または、分析対象物類縁物質(
ν)と特異結合物質(ξ)との結合親和力により、希釈
効果の程度を制御する。
【0086】なお、この方法8の実施に際しては、不溶
化されている分析対象物類縁物質(ν)あるいは不溶化
されている分析対象物(a)の量は、特異結合物質(κ
)に対して大過剰に用いることが好ましい。
【0087】図9に示された例は、特定物質が、分析対
象物(a)に対する特異結合物質(ψ)であり、標識物
質が、分析対象物(a)自体に標識物(d)が結合して
なる標識分析対象物(σ)、または、分析対象物類縁物
質(τ)に標識物(d)が結合してなる標識分析対象物
類縁物質(φ)である測定系である。
【0088】この測定系では、試料中の分析対象物(a
)と、標識分析対象物(σ)または標識分析対象物類縁
物質(φ)を、前記分析対象物(a)および前記標識分
析対象物類縁物質(τ)と特異的に結合する特異結合物
質(ψ)、および、不溶化されている特異結合物質(ψ
)、または、前記分析対象物(a)および前記標識分析
対象物類縁物質(φ)と前記特異結合物質(ψ)との結
合に干渉する不溶化されている特異結合物質(ω)と、
同時または順に結合反応させ、前記標識分析対象物(σ
)または前記標識分析対象物類縁物質(φ)の少なくと
も一部を固定し、その後、固定された標識分析対象物(
σ)または標識分析対象物類縁物質(φ)中の標識物(
d)に由来する信号を読みとるものである(以下、方法
9という)。
【0089】なお、特異結合物質(ψ)と特異結合物質
(ω)との関係は、分析対象物(a)および標識分析対
象物類縁物質(φ)との結合に関して干渉しあう関係で
あり、例えば分析対象物(a)が抗原として機能する物
質であり、標識分析対象物類縁物質(φ)が、分析対象
物(a)と同じ抗原決定部位を有するアナログに標識物
(d)が結合したものである場合、その同じ抗原決定部
位に対して特異的に結合する異なる種類の抗体同士、あ
るいは、結合する抗原決定部位は異なるが、特異結合物
質(ψ)が分析対象物(a)または標識分析対象物類縁
物質(φ)に結合すると、特異結合物質(ω)はそれら
に結合できなくなる関係にある物質同士等である。
【0090】また、方法9を行なった場合の、この測定
系に関与する各物質の結合状態の典型例は、図9に示す
通りである。
【0091】この方法9では、不溶化されていない特異
結合物質(ψ)と、不溶化されている特異結合物質(ψ
)または不溶化されている特異結合物質(ω)に、試料
中の分析対象物(a)と、標識分析対象物(σ)または
標識分析対象物類縁物質(φ)が競合して結合する。そ
の結果、不溶化されていない特異結合物質(ψ)と結合
した標識分析対象物(σ)または標識分析対象物類縁物
質(φ)は測定系から排除されるが、その排除される量
は、不溶化されていない特異結合物質(ψ)と試料中の
分析対象物(a)との結合物質の存在のために、試料中
の分析対象物(a)と、標識分析対象物(σ)または標
識分析対象物類縁物質(φ)とが、直接的に、不溶化さ
れている特異結合物質(ψ)または不溶化されている特
異結合物質(ω)に競合して結合する測定系に比べて小
となる。よって、不溶化されている特異結合物質(ψ)
または不溶化されている特異結合物質(ω)に結合する
標識分析対象物(σ)または標識分析対象物類縁物質(
φ)の量が、希釈効果がない場合に比べて大となり、希
釈効果が得られ、かつ、所望の測定感度で適切な信号強
度を示すようにすることができるのである。
【0092】このように、この系では、二重に競合的結
合が行なわれる。そして、不溶化されていない特異結合
物質(ψ)と、不溶化されている特異結合物質(ψ)ま
たは不溶化されている特異結合物質(ω)との量比、お
よび/または、分析対象物(a)、標識分析対象物類縁
物質(φ)と、特異結合物質(ψ)、特異結合物質(ω
)との結合親和力により、希釈効果の程度を制御する。
【0093】以上説明した具体例(方法7、8、9)は
、前記したように、不溶化されている物質への結合が競
合法によるものである。そして、この方法によると、従
来の競合法の原理による方法に比べ、広範囲かつ適切に
測定感度を低下させることができる。
【0094】すなわち、前記したように、従来の競合法
における測定感度の低下方法は、図10(III) に
示すように、信号の最大強度の増大を招く方法であった
。しかし、上記した本発明の方法(例えば方法7、8、
9)は、図10(IV)に示すように、所望の分析対象
物量のときに適切な信号強度となるように設定すること
が容易であり、かつ、そのように設定したときに、特定
物質の寄与による希釈効果のない場合(軌跡1)に比べ
、信号の最大強度は殆ど増大しないので、結果の判定は
正確となる。なお、同図中の軌跡2、3は、本発明によ
るものである。
【0095】以上が、本発明第一の態様および第二の態
様の特異結合分析方法である。これらにおいて、B/F
分離や標識物に由来する信号の読みとりは、公知方法に
よればよい。
【0096】このように、本発明の特異結合分析方法の
具体例には、様々な形態があるので、本発明において、
試料中の分析対象物(a)の特性、および、用いる特異
結合物質の特異性および親和力に応じて、特定物質およ
び方法(例えば方法1から方法9)を選択することがで
きる。
【0097】分析対象物(a)に対する2種類の特異結
合物質の一方を不溶化し、他方を標識化して用いる測定
系に関して、方法1、方法5を例にして説明する。
【0098】例えば、分析対象物(a)に対する特異性
が標識特異結合物質よりも不溶化特異結合物質の方が高
い場合、方法1を行なう、すなわち、特定物質は不溶化
特異結合物質(b)を用いることが望ましい。また逆に
、分析対象物(a)に対する特異性が不溶化特異結合物
質よりも標識特異結合物質の方が高い場合、方法5を行
なう、すなわち、特定物質として特異結合物質(w)を
用いる方法が望ましい。
【0099】特に、試料中に、分析対象物(a)の他に
分析対象物(a)の構造的類似物質が存在している場合
には、このように、適当な不溶化物質、標識物質および
特定物質を選択することによって初めて、目的とする分
析対象物(a)の信号強度を特異的に制御できる
【01
00】すなわち、例えば、試料中のhCGを定量する際
、本発明によれば、試料中に存在するhCGの構造的類
似物質であるLHまたはFSHと区別して測定すること
ができるが、方法1、方法5を選択した場合の特定物質
等は、下記の通りである。
【0101】hCG測定系に用いる不溶化物質および標
識物質として、抗hCGβ抗体および抗hCGα抗体を
用いる場合、抗hCGβ抗体の方がhCGα抗体よりも
hCGに対する特異性が高いため、不溶化抗体を抗hC
Gβ抗体とし、標識側の抗体を抗hCGα抗体とした場
合、方法1を行なう、すなわち、特定物質を抗hCGβ
抗体とすることが望ましい。また、不溶化抗体を抗hC
Gα抗体とし、標識側の抗体を抗hCGβ抗体とした場
合、方法5を行なう、すなわち、特定物質を抗hCGβ
抗体とすることが望ましい。
【0102】このように、方法1、方法5のいずれによ
っても、hCGの測定は可能であるが、2種類の特異結
合物質のうちの一方が分析対象物(a)に対して特異性
が高く、他方が試料中の分析対象物(a)以外とも反応
する可能性がある場合、一般的には、分析対象物(a)
に対して高い特異性を有する特異結合物質を不溶化する
方が望ましいので、上記のhCG測定の場合は方法1の
方が望ましい。
【0103】同様に、CEAに特有のエピトープと反応
する抗体、および、CEA以外のCEA関連抗原とも反
応し得る抗体を用いたCEA測定系の場合には、CEA
に対して特異性の高い抗CEA抗体を不溶化特異結合物
質として用い、CEA以外のCEA関連抗原とも反応し
うる抗体を標識特異結合物質として用い、特定物質は、
不溶化した抗CEA抗体の同等物を用いることが望まし
い。
【0104】また、特定のウイルスに対するIgG抗体
価測定の場合には、ウイルス特異抗原を不溶化特異結合
物質として用い、抗ヒトIgG抗体を標識特異結合物質
として用いるのが一般的である。そして、この場合、抗
ヒトIgG抗体は、抗ウイルス抗体以外のヒトIgGに
も結合するため、方法1、すなわち、特定物質として不
溶化したウイルス特異抗原と同等物を用いる方法が望ま
しい。
【0105】続いて、これら本発明第一の態様、第二の
態様の方法を実施する際に好適な、本発明第三の態様の
特異結合分析装置について説明する。
【0106】本発明第三の態様の特異結合分析装置は、
少なくとも1つの試料添加部(A)、少なくとも1つの
特異結合物質存在部(B)、少なくとも1つの検出部存
在部(C)、および、少なくとも1つの吸収部(D)を
この順に有し、かつ、特異結合物質存在部(B)には、
前記したような特定物質が存在し、さらに、検出部存在
部(C)には、試料中の分析対象物(a)の量もしくは
濃度の指標となる標識物(d)を間接的に固定するため
の物質が不溶化された検出部(E)が存在する。
【0107】その詳細については下記するが、このよう
な本発明第三の態様の装置を使用することにより、試料
の添加のみで、試料中の分析対象物(a)以外の成分と
共に特異結合物質存在部(B)へ流れ込んだ分析対象物
(a)を、好適な順序で、特定物質、標識物質等と反応
させることが可能となり、さらに、それらの反応生成物
(結合物質)等を含む試料を、人為的な操作を加えずに
検出部存在部(C)へ導き、必要なものを検出部(E)
に固定すると共に、不必要なものは吸収部(D)に導く
ことが可能となったものである。
【0108】以下に、本発明第三の態様を、図面に基づ
いて説明する。
【0109】図11は、本発明第三の態様の分析装置の
典型例を示し、(I)は平面図、(II)は側面図であ
る。すなわち、試料添加部(A)、特異結合物質存在部
(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)を順次
有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置である。な
お、検出部(E)は、検出部存在部(C)中にあり、F
は支持体である。
【0110】このような分析装置は、プラスチック板、
フィルム等、より好ましくは、両面粘着テープを貼った
プラスチック板等の支持体(F)上に、試料添加部(A
)、特異結合物質存在部(B)、検出部存在部(C)お
よび吸収部(D)の各々を構成する材料を、各材料中を
流れる液体が毛管現象で均一に移動可能な状態で接する
ように配置すればよい。
【0111】ここで、試料添加部(A)は、まさに試料
を添加する部位であるので、後述する特異結合物質(B
)が試料添加部(A)を兼ねてもよい。
【0112】しかし、試料添加部(A)を独立した部位
として設ければ、下記の利点がある。
【0113】すなわち、独立した部位としての試料添加
部(A)は、試料中の一部の成分のみを特異結合物質存
在部(B)および検出部存在部(C)へ導くための試料
の前処理の場として、あるいは、液流速の調節、液流の
均一化などの場として働き、特異結合物質存在部(B)
での特異結合物質(特定物質、標識物質等)の溶解およ
び結合反応、および、検出部(E)での結合反応が適正
に行なわれるようにする役割を果たし得る。
【0114】本発明では、特異結合物質存在部(B)で
の特異結合物質(特定物質、標識物質等)の溶解および
結合反応が不適正であると、希釈効果の精度が低下する
ことがある。
【0115】なお、前記不適性さを来す原因としては、
■試料中に含まれる粒子(例えば、生体成分の非特異的
会合物、粘液成分、血球成分、微生物、外来性のゴミ粒
子など)が毛管現象を阻害し、液流の停滞、液流速度の
低下もしくは増大、液流前線(フロントライン)の乱れ
が生じることによるもの、■試料添加部(A)へ添加さ
れた試料量の変動や試料性状(粘度など)の変動により
、液流速度が変動することによるもの、および、■後述
する複数ユニットを有する特異結合分析装置において、
各ユニットに配分される試料液量の変動により、各ユニ
ットの液流速度が異なってしまうことによるものなどが
挙げられる。
【0116】試料中の分析対象物(a)の材質への非特
異的吸着の極小化および安定した液性成分吸収能を備え
ていることなどを考慮すると、試料添加部(A)の材質
として、セルロース濾紙、ガラス繊維製濾紙、布、不織
布、多孔性セラミックスなどが好ましく、クロマトグラ
フ用セルロース濾紙が特に好ましい。これは、クロマト
グラフ用セルロース濾紙が均質な紙質、均一な吸水速度
、およびセルロース繊維の適度な配向性を有しているた
めである。
【0117】このようなクロマトグラフ用濾紙の中で、
比較的吸水性が優れている濾紙、例えばNo.526(
アドバンテック東洋社)などは、厚さが均一であるため
、カットする大きさを規定することにより、試料添加部
(A)を試料量に再現性良く対応させることができる。
【0118】また、この濾紙を方形の断片にカットして
試料添加部(A)とする場合、その配向方向を液流方向
と一致させ、液流方向に垂直な1つの断端を特異結合物
質存在部(B)の断端に均等に接触させるか、もしくは
、液流方向に0.5〜2.0mmの重なりをもって均等
に接触させると、液流の均一性が保たれ、前記■〜■に
記述した現象の解消に効果が認められるため好ましい。
【0119】さらに、後述する複数ユニットを有する装
置の場合であって、特異結合物質存在部(B)への試料
中の液性成分の分配を必要とする場合、複数の特異結合
物質存在部(B)に接触している複数のもしくは1つの
前記方形濾紙断片上に、もう1つの濾紙断片をその配向
方向が互いに垂直となるように重積して試料添加部(A
)を形成すると、前記■に記述した現象の解消に好まし
い効果がある。
【0120】ところで、試料添加部(A)は、前記した
ような濾紙のみで形成してもよいが、それらの濾紙に、
種々の添加剤を含浸せしめて乾燥させたものを用いても
よい。
【0121】例えば、界面活性剤は、前記■〜■に記述
した現象の解消に効果が認められる。なかでも特に効果
的なのは、非イオン性界面活性剤、例えば0.01〜0
.5%ツィーン20もしくは0.01〜0.5%トリト
ン×−100を、濾紙等にその材料の最大吸収量添加し
、乾燥させた場合である。
【0122】また、添加試料の性状の変動の影響を抑制
する効果が認められるのは、蛋白成分であり、例えば0
.05〜0.5%のウシ血清アルブミンもしくは0.0
5〜0.5%のゼラチンの0.067Mリン酸緩衝液(
pH5.5〜7.5)溶液もしくは0.1Mトリス緩衝
液(pH6.0〜8.0)溶液を、濾紙等にその材質の
最大吸収量添加し、乾燥させた場合に特に効果的である
【0123】ただし、試料添加部(A)の材質、連通性
もしくは添加剤によって、特異結合物質存在部(B)以
降で行なわれる反応等を制御する方法は、上記したこれ
らの方法に限定されるものではない。また、試料添加部
(A)と、特異結合物質存在部(B)および/または検
出部存在部(C)の特性との組み合わせによっても、さ
らに効果を高めうる。そのような組み合わせに係る効果
については、後述する。
【0124】特異結合物質存在部(B)は、試料添加部
(A)と同様、均質な特性を有し、厳密な大きさの加工
が可能で、試料中の分析対象物(a)、および、特異結
合物質、分析対象物、分析対象物類縁物質、標識物質等
の非特異的吸着が極小化できる材料、例えば、セルロー
ス濾紙、ガラス繊維製濾紙、布、不織布、多孔性セラミ
ックスなどで作製することが好ましい。そして、適当な
特異結合物質、分析対象物、分析対象物類縁物質、標識
物質等を、添加剤(非特異吸着防止成分、安定か成分、
溶解調節成分等)と共に、前記材料、特にガラス繊維製
濾紙、ポリエステル系不織布へ含浸、乾燥させたもので
構成するとよい。
【0125】特定物質、標識物質および分析対象物等の
非特異的吸着による特異結合物質存在部(B)の材料へ
の不動化が、測定の不正確さを来すことは自明である。 しかし、不動化に至らなくても、特定物質と前記材料、
標識物質と前記材料もしくは分析対象物と前記材料との
間の弱い相互作用は差があるので、標識物質および特定
物質が前記材料内を移動する際にその移動速度に差が生
じ、そのために、希釈効果の制御が困難となり、測定感
度設定の不正確さを来すことがある。例えば、特定物質
が標識物質よりも先に移動してしまう傾向があると、前
記方法3、方法5および方法6の場合は、特定物質の効
果が高まり、信号強度が低くなりすぎてしまう場合があ
る。
【0126】分析対象物、標識物質、特異結合物質等の
移動速度のズレを極小化し、このような現象を防ぐには
、前記した添加剤、特に非特異吸着防止成分を用いるこ
とが好ましく、蛋白質成分、特に0.1〜1%ウシ血清
アルブミンもしくは0.1〜1%ゼラチン、および/ま
たは、界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤、
例えば0.01〜0.5%ツィーン20もしくは0.0
1〜0.5%トリトン×−100を、その材料の最大吸
収量添加し、洗浄後もしくはそのまま乾燥させたものを
、特異結合物質存在部(B)の形成に用いるとよい。
【0127】また、本発明の装置においては、その保存
過程において、特異結合物質存在部(B)に存在する特
定物質、標識物質等の活性が低下することがあるが、そ
の活性の低下率が物質ごとに異なると、装置製造時に設
定した測定感度が示され得なくなる。これを解消するた
めには、安定化成分である、糖類、特に0.5〜8%の
サッカライドもしくはラクトースを、その材料の最大吸
収量添加し、乾燥させたものを、特異結合物質存在部(
B)の形成に用いるとよい。
【0128】さらに、本発明の装置においては、特異結
合物質存在部(B)中の特定物質および標識物質等の溶
解速度の差も、測定感度制御に影響を与える場合がある
。この溶解速度の差は、試料の性状、特定物質および標
識物質等の種類および量に依存し、また、特定物質によ
る分析対象物量の指標として測定される標識物質量の制
御方法によってその影響の大きさが異なる。
【0129】そこで、溶解調節成分として、糖類、特に
0.5〜8%のサッカライドを用いて特異結合物質存在
部(B)を形成すると、溶解速度の差を解消する効果が
一般的に得られる。また、標識物(d)が疎水性の高い
物質、例えば染料などである場合には、界面活性剤、特
に非イオン性界面活性剤がその溶解速度の上昇に効果が
ある。ただし、特異結合物質等と標識物(d)との結合
が非共有結合によってなされている場合には、溶解調節
成分、特に界面活性剤が、保存中の不安定化成分として
作用してしまい、標識物(d)と特異結合物質等との解
離を来たし、好ましくない場合がある。この場合には、
特異結合物質存在部(B)へは溶解調節成分を存在させ
ず、試料添加部(A)にこの溶解調節成分を存在させれ
ば、特異結合物質存在部(B)での種々の物質の溶解性
向上に同等の効果が得られる。
【0130】検出部存在部(C)の構成は、物質の不溶
化の方法により、二種類に分けられる。すなわち、特定
の物質を、検出部存在部(C)を構成する材料の一部に
物理的または化学的結合様式にて不溶化させれば、不溶
化された部分が検出部(E)となる(直接不溶化)。あ
るいは、特定の物質を、微粒子に物理的または化学的結
合様式にて不溶化させ、次に、その微粒子を、検出部存
在部(C)を構成する多孔性の材料にトラップさせると
、微粒子(検出部(E))がトラップされた検出部存在
部(C)が形成される(間接不溶化)。
【0131】なお、検出部存在部(C)を構成する材料
として、直接不溶化の場合は、多孔性セルロース誘導体
の膜、多孔性ニトロセルロース膜、ガラスキャピラリー
、多孔性セラミックス、ガラス繊維製濾紙、不織布、布
、プラスチックネット等か、またはそれらに結合用の活
性基がついたものが好ましく、間接不溶化の場合は、ポ
リスチレン微粒子、ラテックス、ガラス微粒子等の微粒
子か、またはそれらに結合用の活性基がついたものと、
ガラス繊維製濾紙、不織布、布、プラスチックネット、
多孔性セルロース誘導体の膜、多孔性ニトロセルロース
膜、多孔性セラミックス等(前記微粒子をトラップする
材料)とを用いることが好ましい。
【0132】また、検出部存在部(C)の形成に際し、
添加剤を用いてもよく、その場合の添加剤の役割等につ
いては、先に特異結合物質存在部(B)についての説明
で述べた通りである。
【0133】さらに、その詳細は後記するが、前記特異
結合物質存在部(B)と検出部存在部(C)とは、同じ
領域であってもよい。
【0134】吸収部(D)は、試料等の添加された液体
を吸収、保持する部位であるので、吸水性ポリマーを不
織布、織布、プラスチックネット等にトラップさせた材
料や、セルロース濾紙等の吸水性材料等で構成する。
【0135】吸収部(D)は、検出部(E)に残存すべ
きでない余剰の標識物質等を、液流量を増量することに
より検出部(E)から吸収除去する作用があり、検出部
(E)における信号強度の測定の精度を高める効果が認
められる。しかし、同時に、液流量の変動が信号強度の
変動につながる場合もある。従って、そのような場合に
は、吸収部(D)を独立の部位とすることなく、検出部
存在部(C)の検出部(E)よりも下流側を吸収部(D
)とすればよい。
【0136】以上、本発明第三の態様の装置の各部位に
ついて説明したが、これら各部位の構成は、相互に関連
して測定感度の調整に寄与する。以下に、本発明第三の
態様の装置について、部位間の関連性の観点からさらに
説明する。
【0137】本発明第三の態様の装置は、その製造に際
し、試料添加部(A)の材質、大きさ、厚さおよび添加
物など、特異結合物質存在部(B)の材質、大きさ、厚
さおよび添加物など、および、試料添加部(A)と特異
結合物質存在部(B)との連通性(接合線の長さ、重ね
合わせの面積、接触圧など)を任意に組合わせることに
より、試料中の液性成分が特異結合物質存在部(B)へ
流れ込む速度(液流速度)を自由に設定できる。これに
よって、特異結合物質存在部(B)以降で生じる特異結
合反応を、その反応方法に応じて最も好適に行ないうる
ように制御可能である。
【0138】また、同様に、特異結合物質存在部(B)
の材質、大きさ、厚さ、添加物など、検出部存在部(C
)の材質、大きさ、厚さ、添加物など、および、特異結
合物質存在部(B)と検出部存在部(C)との連通性(
重ね合わせの面積、接触圧等)を任意に組合わせること
により、試料中の液性成分が検出部存在部(C)へ流れ
込む速度(液流速度)を自由に設定できる。これによっ
て、検出部(E)で生じる反応を、その反応方法に応じ
て最も好適に行ないうるように制御可能である。
【0139】特に、検出部(E)における信号強度は、
検出部(E)における特異結合反応によって結合、蓄積
する標識物質量によって決まり、一般には、検出部(E
)を通過する液量の増大と共に、信号強度も増大する。 また、信号強度は、液流の停止によって一定値に達する
。従って、特定物質の存在による測定感度制御を精度よ
く実現するためには、検出部(E)通過液量の制御もし
くは液流の停止を制御する必要があるが、本発明第三の
態様の装置では、試料添加部(A)、特異結合物質存在
部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)の材
質、大きさ、厚さなどの選択、組合わせにより、試料中
の液性成分の検出部(E)の通過液量を任意に設定でき
、また、液流の停止も自由にかつ精度よく制御可能であ
る。
【0140】まず、各部位の材質の組合せについて述べ
ると、各部位についての説明で述べた材料を、任意に組
合せて用いればよいが、試料添加部(A)、特異結合物
質存在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D
)のうちのいずれか2つの部位ないしは4つの部位を同
一の材質とすることが好適である場合は、共通の材料を
使用でき、あるいは、2つまたは3つの部位を兼ねる領
域を設けてもよい。
【0141】次に、各部位の大きさについて述べる。本
発明第三の態様の装置を用いた場合における希釈効果の
程度、有効性および精度は、試料添加部(A)、特異結
合物質存在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部
(D)の各部位の材質および添加剤を規定した場合であ
っても、各部位の大きさの影響を受ける。これは、主と
して次のような要因で、検出部(E)における信号強度
が各部位の大きさに依存することによるものである。■
特定物質により、試料中の分析対象物(a)の量もしく
は濃度に対応する検出部(E)における信号強度を制御
する工程に係る反応時間は、液流速度とその液流距離に
依存し、これは、主として、試料添加部(A)から検出
部(E)までの液流方向の長さおよび厚み、特に、特定
物質が存在する特異結合物質存在部(B)の試料添加部
(A)側の断端から、検出部(E)までの長さおよび厚
みに依存する。■検出部(E)における信号強度は、検
出部(E)を通過する液性成分量に依存し、この量は、
主として、検出部(E)以降の検出部存在部(C)およ
び吸収部(D)の長さおよび厚みに依存する。
【0142】従って、試料添加部(A)の大きさは、そ
の形成に用いる材料の最大吸収液量を考慮して決定する
とよい。特に、用いる材料の最大吸収液量が、添加試料
の液性成分量の20〜80%の液量に相当するように、
試料添加部(A)の大きさを選択することが好ましい。
【0143】具体的に述べると、試料添加部(A)の形
成に、例えば、クロマトグラフ用セルロース濾紙No.
526(アドバンテック東洋社)を用いる場合であって
、添加試料の液量が200μlである場合には、0.6
〜2.3平方cmが好適である。
【0144】特異結合物質存在部(B)および検出部存
在部(C)の大きさは、前記試料添加部(A)の大きさ
と関連して決定される。
【0145】例えば、試料液量を200μlとし、各部
位の幅を10mmとし、試料添加部(A)にはクロマト
グラフ用セルロース濾紙No.526(アドバンテック
東洋社)を用い、長さ10mm×幅10mm×厚さ0.
7mmに設定した場合、上述した検出部(E)における
信号強度が特異結合物質存在部(B)および検出部存在
部(C)の大きさに依存することを考慮しなければ、特
異結合物質存在部(B)用の材料および大きさとして、
例えばポリエステル不織布であって、長さ2〜50mm
、厚さ0.1〜2mmのもの、もしくは、ガラス繊維製
濾紙であって、長さ2〜50mm、厚さ0.1〜2mm
のものが、そして、検出部存在部(C)用の材料および
大きさとしては、例えばニトロセルロース膜であって、
長さ2〜100mm、厚さ0.05〜0.2mmのもの
が好適である。
【0146】しかし、上述した検出部(E)における信
号強度が特異結合物質存在部(B)および検出部存在部
(C)の大きさに依存することを考慮すると、検出部(
E)における信号強度の制御の有効性および精度を好適
にする。すなわち、試料中の分析対象物(a)の量の指
標となる信号の最大強度の低下を招かないためには、特
異結合物質存在部(B)は、例えば厚さ0.5mmのポ
リエステル不織布を用いる場合は長さ10mm以下、そ
して検出部存在部(C)は、例えば厚さ0.16mmの
ニトロセルロース膜を用いる場合を特異結合物質存在部
(B)側の断端から検出部(E)までの長さを50mm
以下とすることが特に好ましい。
【0147】さらに、特異結合物質存在部(B)の大き
さは、そこに存在させる特異結合物質(特定物質および
標識物質等)の量に応じて変化する。すなわち、多量の
物質を小さい面積に乾燥状態で存在させると、その溶解
性が悪くなる場合が多い。従って、特異結合物質の性質
および存在させる量に応じて、好適な面積を選択する必
要がある。
【0148】続いて、各部位の連通性について述べる。 本発明第三の態様の装置において、各部位間の連通を各
々の部位を構成する材料の断面の接合で行なわせる場合
には、断面を一定とすると、この接合線の長さが大きい
ほど、液性成分の移動効率が増大し、その結果、液流速
度は増加する。実際には、各部位を構成する材料の材質
および厚みなどによって条件は変わるが、一般的には、
接合線の長さは3〜20mmが好適である。
【0149】各部位間の連通性は、液流速度および液流
前線(フロントライン)の均一性などに影響を与え、そ
の結果、信号強度の制御に影響を及ぼす。従って、均一
な接触、より確実には、0.5〜2mmの重なりをもっ
て接合させることが好ましい。
【0150】以上説明したように、本発明第三の態様の
装置の各部位は、相互に関連して信号強度の制御を司る
【0151】このような本発明第三の態様の装置におい
て、特異結合物質存在部(B)や検出部(C)に付着あ
るいは不溶化される物質は、どのような方法で得られた
ものでもよい。精製品でも遺伝子工学的手法で作製され
たものであってもよく、また、それが抗体である場合に
は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体
であってもよい。さらに、標識物(d)とある物質との
結合物質も、どのような方法で得られたものであっても
よい。
【0152】また、本発明第三の態様の装置は、各部位
を各々形成後、各部位を所定の位置に配置し、その上か
ら、厚さ100μm以下の透明粘着テープを、毛細現象
を阻害しない均質な圧力で貼付けて製造することが好ま
しい。
【0153】以上、本発明の特異結合分析装置の構成に
ついて説明したが、次に、前記本発明第一の態様、第二
の態様についての説明の項で示した具体例を実施するた
めの各装置について述べる。
【0154】前記方法1を実施するための装置は、前記
特異結合物質存在部(B)には、前記特異結合物質(b
)および前記標識特異結合物質(e)が存在し、前記検
出部(E)には、前記特異結合物質(b)または前記特
異結合物質(g)が不溶化されている。ここで、前記特
異結合物質存在部(B)において、前記特異結合物質(
b)および前記標識特異結合物質(e)は、試料の流れ
方向(図12(I)中の矢印方向)に沿って順に(図1
2(I)および(II)参照)存在してもよいし、混在
(図12(III) 参照)してもよい。あるいは、前
記特異結合物質存在部(B)と前記検出部(C)とが同
じ領域であってもよい(図12(IV)参照)。さらに
は、前記試料添加部(A)と前記特異結合物質存在部(
B)とが同じ領域である(図12(V)参照)とか、前
記試料添加部(A)、前記特異結合物質存在部(B)お
よび前記検出部存在部(C)が同じ領域である装置(図
12(VI)参照)も、本発明第三の態様に包含される
【0155】また、前記方法2を実施するための装置は
、前記特異結合物質存在部(B)には、前記特異結合物
質(i)および前記標識特異結合物質(k)が存在し、
前記検出部(E)には、前記特異結合物質(l)が不溶
化されている。ここで、前記特異結合物質存在部(B)
において、前記特異結合物質(i)および前記標識特異
結合物質(k)は混在してもよい。あるいは、前記特異
結合物質存在部(B)と前記検出部存在部(C)とが同
じ領域であり、そこに、前記特異結合物質(i)、前記
標識特異結合物質(k)および不溶化されている前記特
異結合物質(l)が混在していてもよいし、前記試料添
加部(A)と前記特異結合物質存在部(B)とが同じ領
域であってもよいし、さらには、前記試料添加部(A)
、前記特異結合物質存在部(B)および前記検出部存在
部(C)が同じ領域であってもよい。 しかし、なかでも、前記特異結合物質存在部(B)が独
立した部位として存在し、そこに、前記特異結合物質(
i)と前記標識特異結合物質(k)とが、試料の流れ方
向に沿ってこの順に存在しているのがよい。
【0156】前記方法3を実施するための装置は、前記
特異結合物質存在部(B)には、前記標識特異結合物質
(n)および前記分析対象物類縁物質(q)が存在し、
前記検出部(E)には、前記特異結合物質(o)が不溶
化されている。ここで、前記特異結合物質存在部(B)
において、前記標識特異結合物質(n)および前記分析
対象物類縁物質(q)は、試料の流れ方向に沿って任意
の順に存在しても混在してもよく、また、前記特異結合
物質存在部(B)と前記検出部存在部(C)とが同じ領
域であってもよい。あるいは、方法1、方法2を実施す
るための装置についての説明の欄に述べたようなその他
の変形例であってもよい。
【0157】前記方法4を実施するための装置は、前記
特異結合物質存在部(B)には、前記標識特異結合物質
(s)および前記分析対象物類縁物質(t)が存在し、
前記検出部(E)には、前記特異結合物質(v)が不溶
化されている。ここで、前記特異結合物質存在部(B)
において、前記標識特異結合物質(s)および前記分析
対象物類縁物質(t)は、混在していてもよい。あるい
は、前記特異結合物質存在部(B)と前記検出部存在部
(C)とが同じ領域であってもよい。さらには、前記し
たその他の変形例の構成であってもよいが、特異結合物
質存在部(B)が独立した部位として存在し、そこに、
前記分析対象物類縁物質(t)と前記標識特異結合物質
(s)とが、試料の流れ方向に沿ってこの順に存在して
いるのがよい。
【0158】前記方法5を実施するための装置は、前記
特異結合物質存在部(B)には、前記特異結合物質(w
)および前記標識特異結合物質(y)が存在し、前記検
出部(E)には、前記特異結合物質(β)が不溶化され
ている。ここで、前記特異結合物質存在部(B)におい
て、前記特異結合物質(w)および前記標識特異結合物
質(y)は、混在していてもよい。あるいは、前記特異
結合物質存在部(B)と前記検出部(C)とが同じ領域
であってもよい。さらには、前記したその他の変形例の
構成であってもよいが、特異結合物質存在部(B)が独
立した部位として存在し、そこに、前記特異結合物質(
w)と前記標識特異結合物質(y)とが、試料の流れ方
向に沿ってこの順に存在しているのがよい。
【0159】前記方法6を実施するための装置は、前記
特異結合物質存在部(B)には、前記特異結合物質(γ
)および前記標識特異結合物質(ε)が存在し、前記検
出部(E)には、前記特異結合物質(θ)が不溶化され
ている。ここで、前記特異結合物質存在部(B)におい
て、前記特異結合物質(γ)および前記標識特異結合物
質(ε)は、試料の流れ方向に沿って任意の順に存在し
てもよいし、混在していてもよい。あるいは、前記特異
結合物質存在部(B)と前記検出部存在部(C)とが同
じ領域であってもよい。さらには、前記したその他の変
形例の構成であってもよい。
【0160】前記方法7を実施するための装置は、前記
特異結合物質存在部(B)には、前記特異結合物質(κ
)および前記標識特異結合物質(μ)が存在し、前記検
出部(E)には、前記分析対象物(a)または前記分析
対象物類縁物質(ι)が不溶化されている。ここで、前
記特異結合物質(κ)および前記標識特異結合物質(μ
)は、特異結合物質存在部(B)において、試料の流れ
方向に沿って順に存在してもよいし、混在していてもよ
い。あるいは、前記特異結合物質存在部(B)と前記検
出部存在部(C)とが同じ領域であり、そこに、前記特
異結合物質(κ)、前記標識特異結合物質(μ)および
不溶化されている前記分析対象物(a)または分析対象
物類縁物質(ι)が混在していてもよい。さらには、前
記したその他の変形例の構成であってもよい。
【0161】前記方法8を実施するための装置は、前記
特異結合物質存在部(B)には、前記特異結合物質(ξ
)および前記標識特異結合物質(ρ)が存在し、前記検
出部(E)には、前記分析対象物(a)または分析対象
物類縁物質(ν)が不溶化されている。ここで、前記特
異結合物質(ξ)および前記標識特異結合物質(ρ)は
、特異結合物質存在部(B)において、試料の流れ方向
に沿って順に存在してもよいし、混在してもよい。ある
いは、前記特異結合物質存在部(B)と前記検出部存在
部(C)とが同じ領域であり、そこに、前記特異結合物
質(ξ)、前記標識特異結合物質(ρ)および不溶化さ
れている前記分析対象物(a)または分析対象物類縁物
質(ν)が混在していてもよい。さらには、前記したそ
の他の構成の変形例であってもよい。
【0162】前記方法9を実施するための装置は、前記
特異結合物質存在部(B)には、前記標識分析対象物(
σ)または前記標識分析対象物類縁物質(φ)と、前記
特異結合物質(ψ)が存在し、前記検出部(E)には、
前記特異結合物質(ψ)または前記特異結合物質(ω)
が不溶化されている。ここで、前記特異結合物質存在部
(B)において、前記標識分析対象物(σ)または前記
標識分析対象物類縁物質(φ)と、前記特異結合物質(
ψ)とが混在してもよい。あるいは、前記特異結合物質
存在部(B)と前記検出部存在部(C)とが同じ領域で
あってもよい。さらには、前記したその他の構成の変形
例であってもよい。しかし、特異結合物質存在部(B)
が独立した部位として存在し、そこに、前記特異結合物
質(ψ)と前記標識分析対象物(σ)または前記標識分
析対象物類縁物質(φ)とが、試料の流れ方向に沿って
この順に存在しているのがよい。
【0163】まとめとして、表1に、図1〜図9に基づ
いて説明した方法1〜方法9の各方法の、特異結合反応
に関与する物質相互の結合性を示した。表1に記載の通
り、方法1〜方法9を実施するに際し、本発明第三の態
様の装置を用いる場合、特異結合物質存在部(B)にお
ける標識物質と特定物質との配置により、発明の効果の
程度が変化する場合がある。すなわち、方法2、方法4
、方法5、方法9においては、特定物質の存在部を標識
物質存在部よりも試料添加部(A)側に配置することが
好ましい。
【0164】特異結合物質存在部(B)で液流方向に対
して順序をつけて、特定物質と標識物質とを配置するに
は、例えば、特異結合物質存在部(B)を二領域にわけ
、それぞれに特定物質もしくは標識物質を存在させるか
、あるいは、特定物質を存在させた特異結合物質存在部
(B−1)と標識物質を存在させた特異結合物質存在部
(B−2)とを作製し、それらを好ましい順序で連通配
置させればよい。
【0165】
【表1】
【0166】ところで、本発明第三の態様の装置は、前
記したような1レーンのものに限定されない。方法1を
実施するための装置を例に説明すると、試料中の分析対
象物を半定量することが可能な特異結合分析装置であっ
て、共通の前記試料添加部(A)と、複数の、前記特異
結合物質存在部(B)および前記検出部存在部(C)を
含むユニットが存在し、各ユニットは互いに独立してお
り、前記吸収部(D)は、共通部分として存在するか、
あるいは、前記ユニット各々に含まれ、かつ、前記特異
結合物質存在部(B)に存在する前記特異結合物質(b
)および前記標識特異結合物質(e)と、前記検出部(
E)に存在する前記特異結合物質(b)または前記特異
結合物質(g)のうちのいずれか1種以上の物質量がユ
ニットごとに異なるものである。
【0167】すなわち、図13(I)に示すように、共
通の試料添加部(A)と吸収部(D)との間に、特異結
合物質存在部(B)および検出部存在部(C)から構成
されるユニットが複数存在するもの、あるいは、図13
(II)に示すように、共通の試料添加部(A)と、そ
の下流側に、特異結合物質存在部(B)、検出部存在部
(C)および吸収部(D)から構成されるユニットが複
数存在するものである。
【0168】なお、図13(I)および(II)におい
て、特異結合物質存在部(B)に存在する特異結合物質
(b)および標識特異結合物質(e)は、混在していて
もよい。
【0169】また、図13(I)に示された装置の変形
例としては、図14(I)に示す、共通の試料添加部(
A)と吸収部(D)との間に、特異結合物質存在部(B
)兼検出部存在部(C)からなるユニットが複数存在す
るもの等があり、図13(II)に示された装置の変形
例としては、図14(II)に示す、共通の試料添加部
(A)と、その下流側に、特異結合物質存在部(B)兼
検出部存在部(C)および吸収部(D)からなるユニッ
トが複数存在するもの、あるいは、図14(III) 
に示す、共通の試料添加部(A)と、その下流側に、特
異結合物質存在部(B)および検出部存在部(C)兼吸
収部(D)からなるユニットが複数存在するもの等があ
る。
【0170】なお、図14(III) に示す例におい
ては、検出部存在部(C)中の検出部(E)よりも下流
側が、吸収部(D)を兼ねている。
【0171】方法2〜方法9を実施するための装置であ
って、試料中の分析対象物を半定量することが可能な装
置については、各々説明しないが、特異結合物質存在部
(B)に存在する物質や、検出部(E)に不溶化されて
いる物質が異なる他は、上記した方法1を実施するため
の装置と同様である。
【0172】このような装置では、付着および/または
不溶化されている物質の量がユニットごとに異なり、そ
のために、検出部(E)における検出感度が異なるもの
となり、従って、標準曲線あるいは対照表なしで、半定
量が可能となるのである。ただし、信号強度は、各ユニ
ットで同等とし得る。
【0173】変量される物質は、いずれであってもよい
。例えば方法4、7、8などでは、検出部(E)に不溶
化される物質の量は大過剰であることが好ましく、特異
結合物質存在部(B)に存在する物質のうちのいずれか
あるいは全てを変量するのがよい。また、不溶化物質へ
の結合が競合法である場合(例えば方法7、8、9)は
、標識物質の量は一定とするのがよい。それにより、異
なる感度の測定結果の比較ができる。
【0174】その際、特異結合物質存在部(B)に存在
する物質のうちの、標識されていないいずれかの物質の
量が0であるユニットもあってもよい。その場合、その
ユニットは、本発明によって達成される希釈効果を示さ
ないが、そのユニットの結果と、希釈効果を示す他のユ
ニットにおける結果とを比較することで、やはり、異な
る感度の測定結果の比較が達成される。
【0175】なお、このような装置を定性または半定量
に用いる場合は、標識物として、染料、顔料、着色ラテ
ックス、金コロイド等の可視的に見ることのできるもの
を用いるのが好ましい。
【0176】また、定量に用いる場合は、各ユニットの
検出部存在部(C)を独立させる(他のユニットの検出
部存在部(C)の影響を受けないようにする)ために、
例えば、ユニット間に隔壁を設ける等の手段をとるとよ
い。
【0177】このような装置においても、先に1レーン
の装置についての説明で述べたように、各部位を構成す
る材料の材質、大きさ、厚さ、相互の連通性もしくは添
加剤の使用の有無等の条件は重要な因子である。そして
、前記ユニットごとに、これらの条件を変化させること
によっても、測定感度を変化させ得る。
【0178】このような検出感度の異なる複数のユニッ
トを有する装置を用いて測定した結果の一例を、図15
および図16に示す。
【0179】図15の装置では、3ケ所の検出部(E−
1、E−2およびE−3)の検出感度が異なるものとな
るように、3ケ所の特異結合物質存在部(B−1、B−
2およびB−3)に存在せしめる特異結合物質等の量あ
るいは量比を変化させてある。なお、これは、不溶化さ
れた物質に対する他の物質の結合は、競合法によらない
例である。そして、分析対象物の量あるいは濃度が、(
I)は、検出感度未満であった例、(II)は、E−1
の検出感度以上、E−2の検出感度未満であった例、(
III) は、E−2の検出感度以上E−3の検出感度
未満であった例、(IV)および(V)は、E−3の検
出感度以上であった例を示す。また、不溶化された物質
に対する他の物質の結合が競合法である場合は、分析対
象物の量あるいは濃度とそれに対する結果例は、この逆
順となる。
【0180】図16の装置は、原理的には図15の装置
と同じものであるが、結果が1、10、100、100
0の数字として読みとれるように工夫したものである。
【0181】このような半定量に好適な装置は、癌患者
術後の腫瘍マーカーによるフォロー、ウイルス等の病原
体感染症における抗体価の変動のモニター、血中薬物濃
度のモニター、移植手術後の拒絶免疫反応のモニター、
炎症時における急性期蛋白の変動モニター、およびホル
モンの経時変化等を、迅速かつ簡便に半定量する場合に
特に有用である。
【0182】例えば、ヒト胎盤性ラクトゲン(hPL)
は、ヒト胎盤より産生分泌されるホルモンであり、その
血中の半減期は15分と短い。そのため、血中hPL値
は、胎盤機能をまさに反映するものであるとされている
【0183】妊娠末期での血中hPLの正常値は4〜1
0μg/mlであり、4μg/ml以下は切迫流産等の
危険域とされるが、hPLレベルは妊娠週数あるいは個
人差によっても異なるため、個人毎のhPLの血中レベ
ルを経時的に測定して知っておくことが必要である。従
って、妊婦管理において、hPLの個人レベルを把握し
ながら、切迫流産等の緊急時に対応できる迅速な測定方
法が切望されていた。
【0184】このような場合、血中hPLの検出感度が
2,4,6μg/mlである3ケ所の検出部(E)を有
する半定量の分析装置を用いて測定すれば、試料中のh
PL濃度は、<2μg/ml、2〜4μg/ml、4〜
6μg/ml、>6μg/mlといった測定範囲に分け
られ、その結果、個人差あるいは妊娠週数を考慮して、
血中hPL値が正常であるか否かを、的確に判断できる
ようになる。
【0185】従来、hPLの簡易定量法としては、赤血
球凝集法もしくはラテックス凝集法が用いられていたが
、半定量値を得るためには、試料の希釈列の調製を必要
とした。しかし、本発明によれば、このような試料の希
釈を必要とせず、試料を試料添加部(A)に1回添加す
るだけで、異なる検出感度の検出部(E)の呈色強度の
比較のみで、試料中のhPL濃度が半定量できるように
なる。
【0186】また、別の例として、児を希望する夫婦に
おいて、婦人の排卵日の予知は、重要な意味をもつ。排
卵の予知は、月経周期中の血中あるいは尿中LH濃度ピ
ーク(LHサージ)を検出することによって行なわれる
。LHサージは、月経周期中の特定の日だけに検出され
る現象であるため、経時的な測定が必要である。また、
排卵はLHサージの18時間後から24時間後起こるこ
とから、LHサージの日付の正確な特定を迅速に行なう
ことが必要である。
【0187】しかし、卵胞期あるいは黄体期のLH基礎
値およびLHのピーク時の濃度も個人差があることが知
られている。すなわち、尿中LH濃度は、卵胞期または
黄体期で50IU/1以下、LHサージ100〜400
IU/lの範囲で個人差あるいは試料差が見られる。
【0188】従来、LHの簡易半定量は、赤血球凝集法
またはEIA法で行なっていた。赤血球凝集法は、半定
量のためには試料の希釈列の調製が必要であり、希釈し
た試料数分だけの測定が必要となる。また、EIA法で
は、濃度の異なる数種のLH標準物質を試料と同時に反
応させて呈色強度を比較して半定量するため、迅速性と
簡易性にかける。
【0189】さらに、LHの簡易定性法として、金コロ
イド凝集法が知られているが、検出感度LH  100
IU/lの金コロイド凝集法にて測定を行なうと、LH
ピークが高濃度である場合、LHピークの前後の日の試
料も陽性となる可能性があり、LHサージの特定が困難
となる。また、この方法の判定は、凝集による金コロイ
ド溶液の赤色から灰色への色変化を目視で行なうため、
逆にLHピークが低濃度の場合、判定結果が曖昧になり
、LHサージの位置の特定が困難である。
【0190】しかし、例えば、尿中LHの検出感度が5
0,100,200IU/lである検出部(E)を有す
る半定量用の本発明の分析装置を用いて測定すれば、<
50IU/l、50〜100IU/l、100〜200
IU/lμg、>200IU/lといったLH濃度範囲
に確実に分けられる。これにより、試料を試料添加部(
A)に添加する操作と検出部(E)での判定だけで、個
人のLH基礎値を考慮してLHサージの確実な特定が可
能となる。
【0191】また、別の例として、HBウイルス感染の
測定が挙げられる。HBウイルスの感染の診断は緊急を
要する。この時、HBs抗原の同定と定量は、活動性H
Bウイルスの状態をよく反映するため、その迅速かつ簡
便な定量が必要である。さらに、HBs抗原を、HBウ
イルス感染時以降に経時的に測定すれば、HBウイルス
の増殖性、慢性肝炎への移行、または治療効果の判定等
に有用である。
【0192】一方、ウイルス抗原の他に、抗HBs抗体
価の測定も、病態の判定に有用である。抗HBs抗体価
の経時的定量測定ができれば、それが過去のウイルス感
染で獲得した抗体価であるか、現在ウイルスに感染して
抗体価が上昇しているのか、あるいはウイルス感染から
回復して抗体価が減少しているのかを知ることができる
【0193】本発明の装置は、迅速性と簡便性を兼ね備
え、かつ、経時的な分析対象物の変量追跡を容易とする
ものである。さらに、上記のHBウイルス等の測定に際
し、従来は、測定者はウイルス感染者の血清試料を扱う
ため、二次感染の恐れがあったが、本法では、試料を試
料添加部(A)に添加するだけで測定可能であるため、
このようなリスクは回避されるのである。
【0194】以上述べた例は、本発明の装置の適用の一
例であり、迅速かつ簡便に定量値もしくは半定量値を的
確に判断する必要のある他の測定項目にも、本発明の装
置は有効に応用できる。
【0195】また、本発明第三の態様の装置には、下記
のような変形例も含まれる。
【0196】前記したように、図15に示される装置は
、特異結合物質存在部(B)と検出部存在部(C)から
なるユニットを3個有するものであるが、この各ユニッ
トに存在する特異結合物質等の種類を変えることで、単
一試料中の複数の分析対象物を同時に測定することが可
能な特異結合分析装置とすることも可能である。もちろ
ん、条件によっては、図13(I)、(II)、図14
(I)、(II)、(III)に示したような装置であ
っても同様である。
【0197】図15に示される装置について述べると、
単一試料中の複数の分析対象物の同時測定の一例として
は、特異結合物質存在部(B−1)と検出部存在部(C
−1)からなるユニットは、CEAを検出し、特異結合
物質存在部(B−2)と検出部存在部(C−2)からな
るユニットは、AFPを検出し、特異結合物質存在部(
B−3)と検出部存在部(C−3)からなるユニットは
、hCGを検出する装置が考えられる。
【0198】さらに、本発明第三の態様には、複数の試
料を同時に測定することが可能な特異結合分析装置も包
含される。このような装置は、図17に示すように、少
なくとも連続する試料添加部(A)、特異結合物質存在
部(B)および検出部存在部(C)を有するユニットを
複数有し、各ユニットの構成は同じであるが互いに独立
しているものであり、集団検診等の多数の試料を同時に
測定する場合に有用である。この装置においても、特異
結合物質存在部(B)と検出部存在部(C)とが同じ領
域を占めている等の変形例も可能である。。
【0199】また、本発明第三の態様の装置のさらなる
変形例として、検出部存在部(C)と吸収部(D)との
関係のみが垂直方向となった、図18および図19に示
す例(各々、(I)が平面図、(II)がx−x線にお
ける断面図である)等もあげられる。
【0200】以上説明した本発明第三の態様の装置は、
各々、本発明第一の態様あるいは第二の態様の方法を実
施するのに好適なものであり、上記した特徴に加え、試
料の添加工程と結果の判定工程のみで特異結合分析方法
を行ない得るという特徴も有する。また、結果の判定は
、視覚的に行なえるようにする(標識物として染料等を
用いる)と、専門の医療技術者でなくても、正確な判定
を行ない得る。
【0201】しかし、B/F分離等の工程も加える場合
は、本発明第一の態様あるいは第二の態様を実施するた
めの装置として、添加された試料等の液体が垂直方向に
移動する装置も可能である。
【0202】この一例として、先に説明した特異結合物
質存在部(B)と検出部(C)とが同じ領域を占める装
置であって、単一試料中の複数の分析対象物を測定可能
な装置を図20に示す。なお、図20において、(I)
は平面図、(II)は(I)のx−x線における断面図
である。
【0203】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明を具体的に説
明する。
【0204】(実施例1)尿中hCGの測定(その1)
(1)分析装置の製造 下記の如く、図15(I)に示す分析装置を製造した。
【0205】(a)染料標識抗hCGβ抗体の調製食塩
加リン酸緩衝液(0.067M  PBS、pH6.4
)にて200μg/mlの濃度に調製されたマウスモノ
クローナル抗hCGβ抗体(持田製薬(株))溶液0.
5mlと、分散染料(フォロンブリリアントブルー、サ
ンド社)の水懸濁液(650nmにおける吸光度が約2
00)0.5mlとを混合し、それを、転倒攪拌しなが
ら、4℃にて一晩インキュベートした。インキュベート
終了後、PBS(pH6.4)4.5mlを添加し、1
5000rpmにて10分間遠心分離し、得られた沈澱
をPBS(pH6.4)5.5mlに再懸濁させた。こ
れを、15000rpmにて10分間遠心分離し、得ら
れた沈澱に保存液(0.5%ウシ血清アルブミン(BS
A)/4%サッカライド/0.1%アジ化ナトリウム/
PBS(pH6.4))5.5mlを添加して染料標識
抗hCGβ抗体を得た。使用時まで4℃で保存した。
【0206】(b)試料添加部(A)の調製クロマトグ
ラフ用セルロース濾紙(アドバンテック東洋社、No.
526、厚さ0.7mm)をカッターで切断して、液進
方向(セルロース繊維の配向性がある方向)が10mm
、液進方向の垂直方向が17mmの大きさの濾紙片(1
0×17mm)を調製した。これに、0.3%BSA/
0.1%ツイーン20/PBS(pH6.4)溶液を1
片あたり100μl含浸させ、45℃で乾燥した。
【0207】(c)特異結合物質存在部(B)の調製染
料標識マウスモノクローナル抗hCGβ抗体((a)に
て調製したもの)を、バッファーA(10%正常ウサギ
血清/4%サッカライド/0.5%BSA/0.067
M  PBS(pH6.4))にて8倍に希釈した。こ
れと、バッファーAにて、0、2、8μg/mlに濃度
調整されたマウスモノクローナル抗hCGβ抗体(非標
識物)溶液とを、各々1:1(v:v)の割合で混合し
、3種の溶液を調製した。これら3種の溶液を1種ずつ
、ポリエステル不織布(10×5mm、厚さ0.5mm
)に25μl含浸させ、45℃で乾燥した。これにより
、後述する検出部(E−1,E−2,E−3)の検出感
度が、各々、hCG10IU/l、hCG40IU/l
、hCG160IU/lとなる量比で前記2種の抗hC
G抗体を含有する、特異結合物質存在部(B−1,B−
2,B−3)として用いるポリエステル不織布3枚が得
られた。
【0208】(d)検出部(E)を有する膜(検出部存
在部(C))の調製 ニトロセルロース膜(アドバンテック東洋社、孔径5μ
m、25×5mm、厚さ0.16mm)の中心点に、5
00μg/mlの濃度のウサギポリクローナル抗hCG
抗体溶液(1000μg/mlのBSAを含有)1μl
をスポットした。これを室温で乾燥した後、0.5%B
SA/0.1%ツイーン20/PBS(pH6.4)中
に浸漬してブロッキングし、濾紙上で乾燥した。同じも
のをさらに2枚調製した。
【0209】(e)分析装置の組立て その断面図が図11(II)になるように、支持体(F
)である粘着シート上に、検出部存在部(C−1,C−
2,C−3)を1mm間隔で互い平行に固定後、特異結
合存在部(B−1,B−2,B−3)各々の一方の断端
と検出部存在部(C−1,C−2,C−3)各々の一方
の断端を1.5mmの重なりを持って接合し、吸収部(
D)となるセルロース濾紙(アドバンテック東洋社、N
o.585、10×17mm、厚さ0.8mm)の断端
と検出部存在部(C−1,C−2,C−3)各々のもう
一方の断端を1.5mmの重なりを持って接合した。 次いで、試料添加部(A)の断端と特異結合存在部(B
−1,B−2,B−3)各々のもう一方の断端を接触さ
せた。このように配置後、撥水性の紙を乗せ、その上か
ら軽くローラーをかけ、固定を確実にした。このように
して、3箇所の検出部(E−1,E−2,E−3)を有
する分析装置(図15(I))を組み立てた。同じもの
を、全部で6コ製造した。なお、この分析装置は、マウ
スモノクロナール抗hCGβ抗体(非標識物)量により
、検出感度および信号(色)強度を調整したものである
【0210】(2)測定 (a)試料 hCGを0、10、40、100、200、500IU
/l含む尿試料を、各々180μl用意した。
【0211】(b)測定手技 (1)で製造した分析装置各々の試料添加部(A)に、
上記尿試料のうちのいずれかを、180μl添加した。 これにより、尿試料中のhCGは、特異結合物質存在部
(B)にて、染料標識マウスモノクローナル抗hCGβ
抗体またはマウスモノクローナル抗hCGβ抗体(非標
識物)と結合した後、検出部存在部(C)に運ばれ、検
出部(E)に不溶化されているウサギポリクローナル抗
hCG抗体と結合した。その後、検出部(E)において
、染料標識マウスモノクローナル抗hCGβ抗体由来の
信号(色)を測定した。なお、余剰の尿試料、染料標識
マウスモノクローナル抗hCGβ抗体、マウスモノクロ
ーナル抗hCGβ抗体(非標識物)は、吸収部(D)に
吸収、保持された。
【0212】(c)結果の判定 各尿試料が添加された分析装置の検出部(E−1,E−
2,E−3)における呈色は、表2および図15に示す
通りであった。なお、表2においては、有色スポットを
認める場合を+、++(ただし、++は+よりも呈色強
度が大であることを示す。)有色スポットを認めない場
合を−で示した。また、図15において、(I)は、h
CG量が0IU/lの尿試料が添加された分析装置、(
II)は、hCG量が10IU/lの尿試料が添加され
た分析装置、(III )は、hCG量が40または1
00IU/lの尿試料が添加された分析装置、(IV)
は、hCG量が200IU/lの尿試料が添加された分
析装置、(V)は、hCG量が500IU/lの尿試料
が添加された分析装置を示す。
【0213】
【0214】(実施例2)尿中hCGの測定(その2)
(1)分析装置の製造 下記の如く、図15(I)に示す分析装置を製造した。
【0215】(a)染料標識抗マウスIgG抗体の調製
PBSにて200μg/mlの濃度に調製されたウサギ
抗マウスIgG抗体(ダコパッズ社)溶液0.5mlと
、分散染料(フォロンブリリアントブルー、サンド社)
の水懸濁液(650nmにおける吸光度が約200)0
.5mlとを用い、実施例1(1)(a)と同様の方法
で、染料標識抗マウスIgG抗体を得た。使用時まで4
℃で保存した。
【0216】(b)試料添加部(A)の調製実施例(1
)(b)と同様に調製した。
【0217】(c)特異結合物質存在部(B)の調製染
料標識抗マウスIgG抗体((a)にて調製したもの)
を、バッファーAにて8倍に希釈した。これと、バッフ
ァーAにて、0.2、2.0、8.0μg/mlに濃度
調整されたマウスモノクローナル抗hCGβ抗体溶液と
を、各々1:1(v:v)の割合で混合し、3種の溶液
を調製した。これら3種の溶液を1種ずつ、ポリエステ
ル不織布(10×5mm、厚さ0.5mm)に25μl
含浸させ、45℃で乾燥した。これにより、後述する検
出部(E−1,E−2,E−3)の検出感度が、各々、
hCG10IU/l、hCG40IU/l、hCG16
0IU/lとなる量比で染料標識抗マウスIgG抗体と
マウスモノクローナル抗hCGβ抗体とを含有する、特
異結合物質存在部(B−1,B−2,B−3)として用
いるポリエステル不織布3枚が得られた。
【0218】(d)検出部(E)を有する膜(検出部存
在部(C))の調製 実施例1(1)(d)と同様に調製した。
【0219】(e)分析装置の組立て 実施例1(1)(e)と同様に組立てた。なお、この分
析装置は、マウスモノクローナル抗hCGβ抗体量によ
り、検出感度を調整したものである。
【0220】(2)測定 (a)試料 hCGを0、10、40、100、200、500IU
/l含む尿試料を、各々180μl用意した。
【0221】(b)測定手技 (1)で製造した分析装置各々の試料添加部(A)に、
上記尿試料のうちのいずれかを、180μl添加した。 これにより、尿試料中のhCGは、特異結合物質存在部
(B)にて、マウスモノクローナル抗hCGβ抗体を介
して染料標識抗マウスIgG抗体と結合した後、あるい
は結合せずに、検出部存在部(C)に運ばれ、検出部(
E)に不溶化されているウサギポリクローナル抗hCG
抗体と結合した。その後、検出部(E)において、染料
標識抗マウスIgG抗体由来の信号(色)を測定した。 なお、余剰の尿試料、染料標識抗マウスIgG抗体、マ
ウスモノクローナル抗hCGβ抗体は、吸収部(D)に
吸収、保持された。
【0222】(c)結果の判定 各尿試料が添加された分析装置の検出部(E−1,E−
2,E−3)における呈色は、表3および図15に示す
通りであった。なお、表3においては、有色スポットを
認める場合を+、++(ただし、++は+よりも呈色強
度が大であることを示す。)有色スポットを認めない場
合を−で示した。また、図15において、(I)は、h
CG量が0IU/lの尿試料が添加された分析装置、(
II)は、hCG量が10IU/lの尿試料が添加され
た分析装置、(III) は、hCG量が40または1
00IU/lの尿試料が添加された分析装置、(IV)
は、hCG量が200IU/lの尿試料が添加された分
析装置、(V)は、hCG量が500IU/lの尿試料
が添加された分析装置を示す。
【0223】
【0224】(実施例3)血清中AFPの測定(1)分
析装置の製造 下記の如く、図15(I)に示す分析装置を製造した。
【0225】(a)染料標識マウスモノクローナル抗ヒ
トAFP抗体No.1の調製 PBSにて200μg/mlの濃度に調製されたマウス
モノクローナル抗ヒトAFP抗体No.1(持田製薬(
株))溶液0.5mlと、分散染料(カヤロンファスト
ルビンB、日本化薬(株))0.5mlとを用い、実施
例1(1)(a)と同様の方法で、染料標識マウスモノ
クローナル抗ヒトAFP抗体No.1を得た。使用時ま
で4℃で保存した。
【0226】(b)試料添加部(A)の調製ガラス繊維
製濾紙(アドバンテック東洋社、GC−50、10×1
5mm、厚さ0.2mm)へ0.3%BSA/0.1%
ツイーン20/PBS(pH6.4)溶液を1片あたり
60μl含浸させ、45℃で乾燥した。
【0227】(c)特異結合物質存在部(B)の調製染
料標識マウスモノクローナル抗ヒトAFP抗体No.1
((a)にて調製したもの)を、バッファーAにて8倍
に希釈した。これと、バッファーAにて、0、4、6μ
g/mlに濃度調整されたマウスモノクローナル抗AF
P抗体No.2(持田製薬(株))溶液とを、各々1:
1(v:v)の割合で混合し、3種の溶液を調製した。 これら3種の溶液を1種ずつ、ポリエステル不織布(1
0×5mm、厚さ0.5mm)に25μl含浸させ、4
5℃で乾燥した。これにより、後述する検出部(E−1
,E−2,E−3)の検出感度が、各々、AFP5ng
/ml、AFP100ng/ml、AFP500ng/
mlとなる量比で前記2種の抗AFP抗体を含有する、
特異結合物質存在部(B−1,B−2,B−3)として
用いるポリエステル不織布3枚が得られた。
【0228】(d)検出部(E)を有する膜(検出部存
在部(C))の調製 ニトロセルロース膜(アドバンテック東洋社、孔径5μ
m、25×17mm、厚さ0.16mm)上に、5mm
間隔に、厚さ1.0mmのプラスチック板のエッジで線
を2本引き、連通しない3つの部分に分けた。次に、5
00ng/mlの濃度のマウスモノクロ−ナル抗AFP
抗体No.2溶液1μlを、エッジで分けられた3つの
部分の中心点に各々ひとつずつスポットし、検出部(E
−1)、検出部(E−2)、および検出部(E−3)と
した。これを乾燥させた後、0.5%BSA/0.1%
ツイーン20/PBS(pH6.4)中に浸漬し、再度
乾燥させ、3箇所の検出部(E−1,E−2,E−3)
を有する膜(検出部存在部(C))を調製した。
【0229】(e)分析装置の組立て その断面図が図11(II)になるように、支持体(F
)である粘着シート上に、検出部存在部(C)を固定後
、特異結合存在部(B−1,B−2,B−3)各々の一
方の断端と検出部存在部(C)の一方の断端を、1.5
mmの重なりを持って接合し、吸収部(D)となるセル
ロース濾紙(アドバンテック東洋社、No.585、1
0×17mm、厚さ0.8mm)の断端と検出部存在部
(C)のもう一方の断端を1.5mmの重なりを持って
接合した。次いで、試料添加部(A)の断端と特異結合
存在部(B−1,B−2,B−3)各々のもう一方の断
端を接触させた。このように配置後、撥水性の紙を乗せ
、その上から軽くローラーをかけ、固定を確実にした。 このように配置後、撥水性の紙を乗せ、その上から軽く
ローラーをかけ、固定を確実にした。このようにして、
3箇所の検出部(E−1,E−2,E−3)を有する分
析装置(図15(I))を組み立てた。同じものを、全
部で5コ製造した。なお、この分析装置は、マウスモノ
クロナール抗AFP抗体No.2(不溶化されていない
もの)の量により、検出感度を調整したものである。
【0230】(2)測定 (a)試料 AFPを0、5、100、500、1000ng/ml
含む血清試料を、各々180μl用意した。
【0231】(b)測定手技 (1)で製造した分析装置各々の試料添加部(A)に、
上記血清試料のうちのいずれかを、180μl添加した
。これにより、血清試料中のAFPは、特異結合物質存
在部(B)にて、染料標識マウスモノクローナル抗ヒト
AFP抗体No.1および/またはマウスモノクローナ
ル抗ヒトAFP抗体No.2と結合した後、検出部存在
部(C)に運ばれ、マウスモノクローナル抗ヒトAFP
抗体No.2と結合しなかったものが、検出部(E)に
不溶化されているマウスモノクローナル抗ヒトAFP抗
体No.2と結合した。その後、検出部(E)において
、染料標識マウスモノクローナル抗ヒトAFP抗体No
.1に由来する信号(色)を測定した。なお、余剰の血
清試料や、AFPに結合した、あるいは結合しない染料
標識マウスモノクローナル抗ヒトAFP抗体No.1、
マウスモノクローナル抗ヒトAFP抗体No.2は、吸
収部(D)に吸収、保持された。
【0232】(c)結果の判定 各血清試料が添加された分析装置の検出部E(E−1,
E−2,E−3)における呈色は、表4および図15に
示す通りであった。なお、表4においては、有色スポッ
トを認める場合を+、++(ただし、++は+よりも呈
色強度が大であることを示す。)、有色スポットを認め
ない場合を−で示した。また、図15において、(I)
は、AFP量が0ng/mlの血清試料が添加された分
析装置、(II)は、AFP量が5ng/mlの血清試
料が添加された分析装置、(III) は、AFP量が
100ng/mlの血清試料が添加された分析装置、(
IV)は、AFP量が500ng/mlの血清試料が添
加された分析装置、(V) は、AFP量が1000n
g/mlの血清試料が添加された分析装置を示す。
【0233】
【0234】(実施例4)尿中エストロゲンの測定(そ
の1) (1)分析装置の製造 下記の如く、図15(I)に示す装置であって、ただし
、特異結合物質存在部(B)および検出部存在部(C)
が各々2箇所である分析装置を製造した。
【0235】(a)17−カルボキシメチルエストロン
−BSAの調製 17−カルボキシメチルエストロンを、酸無水物法(E
rlanger, B.F., et.al., Me
thod in immunochemistry, 
ed.by William, C.A., Vol.
1, p.p.141−151, Academic 
press New York, 1968)にてBS
Aに結合(モル比にて、17−カルボキシメチルエスト
ロン:BSA=11:1)させ、セファデックスG−2
5で精製し、17−カルボキシメチルエストロン−BS
Aを調製した。
【0236】(b)金コロイド標識17−カルボキシメ
チルエストロン−BSAの調製 (a)で調製した17−カルボキシメチルエストロン−
BSA0.2mgを、0.2Mの炭酸カリウム溶液を添
加してpH7.4としたコロイド金溶液(金コロイドの
粒径10nm、バイオセル  リサーチ  ラボラトリ
ー社製)20mlに添加し、室温で10分間攪拌後、0
.1%ポリエチレングリコール(PEG)6000を0
.5ml添加し、さらに10分間室温で攪拌した。その
後、15000rpmにて60分間の遠心分離をした。 得られた沈殿に、0.3%BSA/0.25%PEG6
000/0.1Mトリス(ハイドロキシメチル)アミノ
メタン(Tris)(塩酸でpH7.6としたもの)1
0mlを添加し、再び15000rpmにて60分間の
遠心分離をした。得られた沈殿に、バッファーB(0.
3%BSA/0.25%PEG6000/4%サッカラ
イド/0.1M  Tris(pH7.6))4mlに
懸濁し、金コロイド標識17−カルボキシメチルエスト
ロン−BSAを得た。使用時まで4℃で保存した。
【0237】(c)試料添加部(A)の調製ガラス繊維
製濾紙(アドバンテック東洋社、GC−50、10×1
1mm、厚さ0.2mm)へ0.3%BSA/0.25
%PEG6000/0.1M  Tris(pH7.6
)溶液を1片あたり70μl含浸させ、45℃で乾燥さ
せた。
【0238】(d)特異結合物質存在部(B)の調製金
コロイド標識17−カルボキシメチルエストロン−BS
A((b)にて調製したもの)を、バッファーBにて8
倍に希釈した。これと、バッファーBにて、0または1
6μg/mlに濃度調整されたマウスモノクローナル抗
E3 抗体(持田製薬(株))溶液とを、各々1:1(
v:v)の割合で混合し、2種の溶液を調製した。これ
ら2種の溶液を1種ずつ、ガラス繊維製濾紙(アドバン
テック東洋社、GC−50、10×5mm、厚さ0.2
5mm)に25μl含浸させ、45℃で乾燥した。これ
により、後述する検出部(E−1,E−2)の検出感度
が、各々、E31μg/ml、E3   10μg/m
lとなる量比で金コロイド標識17−カルボキシメチル
エストロン−BSAとマウスモノクローナル抗E3 抗
体とを含有する、特異結合物質存在部(B−1,B−2
)として用いるガラス繊維製濾紙2枚が得られた。
【0239】(e)検出部(E)を有する膜(検出部存
在部(C))の調製 ニトロセルロース膜(アドバンテック東洋社、孔径5μ
m、25×5mm、厚さ0.16mm)の中心点に、2
00μg/mlの濃度のマウスモノクローナル抗E3抗
体(持田製薬(株)、1000μg/mlのBSAを含
有)溶液1μlをスポットし、室温で乾燥させたあと、
これを、0.5%BSA/0.25%PEG6000/
0.1M  Tris(pH7.6)中に浸漬してブロ
ッキングし、その後乾燥させた。同じものをもう1枚調
製した。
【0240】(f)分析装置の組立て その断面図が図11(II)になるように、支持体(F
)である粘着シート上に、検出部存在部(C−1,C−
2)を1mm間隔で互い平行に固定後、特異結合存在部
(B−1,B−2)各々の一方の断端と検出部存在部(
C−1,C−2)各々の一方の断端を1.5mmの重な
りを持って接合し、次に、吸収部(D)となるセルロー
ス濾紙(アドバンテック東洋社、No.585、10×
17mm、厚さ0.8mm)の断端と検出部存在部(C
−1,C−2)各々のもう一方の断端を各々1.5mm
の重なりを持って接合した。次いで、試料添加部(A)
の断端と特異結合存在部(B−1,B−2)各々のもう
一方の断端を接触させた。このように配置後、撥水性の
紙を乗せ、その上から軽くローラーをかけ、固定を確実
にした。このようにして、2箇所の検出部(E−1,E
−2)を有する分析装置を組み立てた。同じものを、全
部で5コ製造した。なお、この分析装置は、マウスモノ
クローナル抗E3 抗体(不溶化されていないもの)の
量により、検出感度を調整したものである。
【0241】(2)測定 (a)試料 E3 を0、0.5、1.0、5.0、10μg/ml
含む尿試料を、各々180μl用意した。
【0242】(b)測定手技 (1)で製造した分析装置各々の試料添加部(A)に、
上記尿試料のうちのいずれかを、120μl添加した。 これにより、特異結合物質存在部(B)に存在する金コ
ロイド標識17−カルボキシメチルエストロン−BSA
((b)にて調製したもの)とマウスモノクローナル抗
E3 抗体(持田製薬(株))とが尿試料中に溶けて検
出部存在部(C)に運ばれ、マウスモノクローナル抗E
3 抗体(不溶化されていないもの)と結合しなかった
金コロイド標識17−カルボキシメチルエストロン−B
SAと尿試料中のE3 とが、競合して、検出部(E)
に不溶化されているマウスモノクローナル抗E3 抗体
と結合した。その後、検出部(E)において、金コロイ
ド標識17−カルボキシメチルエストロン−BSAに由
来する信号(金コロイドの色)を測定した。なお、余剰
の尿試料や、マウスモノクローナル抗E3 抗体に結合
したあるいは結合しない金コロイド標識17−カルボキ
シメチルエストロン−BSAは、吸収部(D)に吸収、
保持された。
【0243】(c)結果の判定 各尿試料が添加された分析装置の検出部(E−1,E−
2)における呈色は、表5に示す通りであった。なお、
表5においては、有色スポットを認める場合を+、有色
スポットを認めない場合を−で示した。
【0244】
【0245】(実施例5)尿中エストロゲンの測定(そ
の2) (1)分析装置の製造 下記の如く、図15(I)に示す装置であって、ただし
、特異結合物質存在部(B)および検出部存在部(C)
が各々2箇所である分析装置を製造した。
【0246】(a)金コロイド標識マウスモノクローナ
ル抗E3 抗体の調製 17−カルボキシメチルエストロン−BSAのかわりに
マウスモノクローナル抗E3 抗体(持田製薬(株))
を使用した以外は、実施例4(1)(b)と同様の方法
により、金コロイド標識マウスモノクローナル抗E3 
抗体を得た。使用時まで4℃で保存した。
【0247】(b)試料添加部(A)の調製実施例4(
1)(c)と同様に調製した。
【0248】(c)特異結合物質存在部(B)の調製金
コロイド標識マウスモノクローナル抗E3 抗体((a
)にて調製したもの)を、バッファーBにて8倍に希釈
した。これと、バッファーBにて、0または12μg/
mlに濃度調整されたマウスモノクローナル抗E3 抗
体(持田製薬(株))溶液とを、各々1:1(v:v)
の割合で混合し、2種の溶液を調製した。これら2種の
溶液を1種ずつ、ガラス繊維製濾紙(アドバンテック東
洋社、GC−50、10×5mm、厚さ0.25mm)
に25μl含浸させ、45℃で乾燥した。これにより、
後述する検出部(E−1,E−2)の検出感度が、各々
、E31μg/ml、E3   10μg/mlとなる
量比で金コロイド標識マウスモノクローナル抗E3 抗
体と非標識マウスモノクローナル抗E3 抗体とを含有
する、特異結合物質存在部(B−1,B−2)として用
いるガラス繊維製濾紙2枚が得られた。
【0249】(d)検出部(E)を有する膜(検出部存
在部(C))の調製 ニトロセルロース膜(アドバンテック東洋社、孔径5μ
m、25×5mm、厚さ0.16mm)の中心点に、2
00μg/mlの濃度の17−カルボキシメチルエスト
ロン−BSAのPBS溶液1μlをスポットし、室温で
乾燥させたあと、これを、0.5%BSA/0.25%
PEG6000/0.1M  Tris(pH7.6)
中に浸漬してブロッキングし、その後乾燥させた。同じ
ものをもう1枚調製した。
【0250】(e)分析装置の組立て 実施例4(1)(f)と同様に行ない、2箇所の検出部
(E−1,E−2)を有する分析装置を組み立てた。同
じものを全部で5コ製造した。なお、この分析装置は、
非標識マウスモノクローナル抗E3 抗体の量により、
検出感度を調整したものである。
【0251】(2)測定 (a)試料 E3 を0、0.5、1.0、5.0、10μg/ml
含む尿試料を、各々180μl用意した。
【0252】(b)測定手技 (1)で製造した分析装置各々の試料添加部(A)に、
上記尿試料のうちのいずれかを、120μl添加した。 これにより、特異結合物質存在部(B)に存在する金コ
ロイド標識マウスモノクローナル抗E3 抗体((a)
にて調製したもの)と非標識マウスモノクローナル抗E
3 抗体(持田製薬(株))とが尿試料中に溶けて検出
部存在部(C)に運ばれ、尿試料中のE3と結合しなか
った、金コロイド標識マウスモノクローナル抗E3 抗
体と非標識マウスモノクローナル抗E3 抗体とが競合
して、検出部(E)に不溶化されている17−カルボキ
シメチルエストロン−BSAと結合した。その後、検出
部(E)において、金コロイド標識マウスモノクローナ
ル抗E3抗体に由来する信号(金コロイドの色)を測定
した。なお、余剰の尿試料や、E3 と結合した(ある
いは結合しない)金コロイド標識マウスモノクローナル
抗E3 抗体および非標識マウスモノクローナル抗E3
 抗体は、吸収部(D)に吸収、保持された。
【0253】(c)結果の判定 各尿試料が添加された分析装置の検出部(E−1,E−
2)における呈色は、表6に示す通りであった。なお、
表6においては、有色スポットを認める場合を+、有色
スポットを認めない場合を−で示した。
【0254】
【0255】(実施例6)血清HBs抗体価の測定(1
)分析装置の製造 下記の如く、図15(I)に示す装置であって、ただし
、特異結合物質存在部(B)および検出部存在部(C)
が各々2箇所である分析装置を製造した。
【0256】(a)染料標識HBs抗原の調製PBSに
て200μg/mlの濃度に調製された精製HBs抗原
(血漿由来、チェイルシュガー社)溶液0.5mlと、
分散染料(フォロンブリリアントブルー、サンド社)の
水懸濁液(650nmにおける吸光度が約200)0.
5mlとを用い、実施例1(1)(a)と同様の方法で
、染料標識HBs抗原を得た。使用時まで4℃で保存し
た。
【0257】(b)試料添加部(A)の調製ガラス繊維
製濾紙(アドバンテック東洋社、GC−50、10×1
1mm、厚さ0.16mm)へ0.3%BSA/0.1
%ツイーン20/0.067M  PBS(pH6.4
)溶液を1片あたり70μl含浸させ、45℃で乾燥し
た。
【0258】(c)特異結合存在部(B)の調製染料標
識HBs抗原((a)にて調製したもの)を、バッファ
ーAにて8倍に希釈した。これと、バッファーAにて、
0または10μg/mlに濃度調整されたHBs抗原(
酵母由来リコンビナントHBs)(非標識物)溶液とを
、各々1:1(v:v)の割合で混合し、2種の溶液を
調製した。これら2種の溶液を1種ずつ、ポリエステル
不織布(10×5mm、厚さ0.5mm)に25μl含
浸させ、45℃で乾燥した。これにより、後述する検出
部(E−1,E−2)の検出感度が、受身赤血球凝集法
(PHA法)での力価16倍以上の試料が陽性となる、
あるいは、該力価128倍以上の試料が陽性となる量比
で前記2種のHBs抗原を含有する、特異結合物質存在
部(B−1,B−2)として用いるポリエステル不織布
2枚が得られた。
【0259】(d)検出部(C)を有する膜の調製ニト
ロセルロース膜(アドバンテック東洋社、孔径5μm、
10×5mm、厚さ0.16mm)の中心点に、247
μg/mlの濃度のHBs抗原(酵母由来リコンビナン
トHBs)のPBS溶液1μlをスポットし、それを乾
燥した後、0.5%カゼイン/0.1%ツイーン20/
PBS(pH7.2)中に浸漬してブロッキングし、濾
紙上で乾燥した。同じものをさらに1枚調製した。
【0260】(e)分析装置の組立て 実施例4(1)(f)と同様に行ない、2箇所の検出部
(E−1,E−2)を有する分析装置を組み立てた。同
じものを、全部で5コ製造した。なお、この分析装置は
、HBs抗原(酵母由来リコンビナントHBs)(不溶
化されていないもの)の量により、検出感度を調整した
ものである。
【0261】(2)測定 (a)試料 HBs陰性血清試料、HBs陽性血清試料1(PHA法
での力価16倍)、HBs陽性血清試料2(PHA法で
の力価64倍)、HBs陽性血清試料3(PHA法での
力価128倍)、HBs陽性血清試料4(PHA法での
力価512倍)を、各々180μl用意した。
【0262】(b)測定手技 (1)で製造した分析装置各々の試料添加部(A)に、
上記血清試料のうちのいずれかを、180μl添加した
。これにより、血清試料中の抗HBs抗体は、特異結合
物質存在部(B)にて、染料標識HBs抗原((a)に
て調製したもの)および/またはHBs抗原(酵母由来
リコンビナントHBs)(非標識物)と結合した後、検
出部存在部(C)に運ばれ、HBs抗原との結合部位が
残存している抗HBs抗体が、検出部(E)に不溶化さ
れているHBs抗原(酵母由来リコンビナントHBs)
と結合した。そして、検出部(E)に不溶化されている
HBs抗原に、血清試料中の抗HBs抗体を介して結合
した染料標識HBs抗原由来の信号(色)を測定した。
【0263】(c)結果の判定 各尿試料が添加された分析装置の検出部(E−1,E−
2)における呈色は、表7に示す通りであった。なお、
表7においては、有色スポットを認める場合を+、++
(ただし、++は+よりも呈色強度が大であることを示
す。)、有色スポットを認めない場合を−で示した。
【0264】
【0265】(実施例7)血清HBsの測定(1)分析
装置の製造 下記の如く、図15(I)に示す分析装置を製造した。
【0266】(a)染料標識マウスモノクローナル抗H
Bs抗体No.1の調製 マウスモノクローナル抗hCGβ抗体のかわりにマウス
モノクローナル抗HBs抗体No.1(持田製薬(株)
)を用いた以外は、実施例1(1)(a)と同様に行な
い、染料標識マウスモノクローナル抗HBs抗体No.
1を得た。使用時まで4℃で保存した。
【0267】(b)試料添加部(A)の調製実施例1(
1)(b)と同様に調製した。
【0268】(c)特異結合物質存在部(B)の調製染
料標識マウスモノクローナル抗HBs抗体No.1((
a)にて調製したもの)を、バッファーAにて10倍に
希釈した。これと、バッファーAにて、0、2、8μg
/mlに濃度調整されたマウスモノクローナル抗HBs
抗体No.2(持田製薬(株)、非標識物)溶液とを、
各々1:1(v:v)の割合で混合し、3種の溶液を調
製した。これら3種の溶液を1種ずつ、ポリエステル不
織布(10×5mm、厚さ0.5mm)に25μl含浸
させ、45℃で乾燥した。これにより、後述する検出部
(E−1,E−2,E−3)の検出感度が、各々、HB
s5ng/ml、100ng/ml、1000ng/m
lとなる量比で前記染料標識マウスモノクローナル抗H
Bs抗体No.1、マウスモノクローナル抗HBs抗体
No.2を含有する、特異結合物質存在部(B−1,B
−2,B−3)として用いるポリエステル不織布3枚が
得られた。
【0269】(d)検出部(E)を有する膜(検出部存
在部(C))の調製 ウサギポリクローナル抗hCG抗体のかわりにマウスモ
ノクローナル抗HBs抗体No.2(持田製薬(株))
を用いた以外は、実施例1(1)(d)と同様に調製し
た。同じものをさらに2枚調製した。
【0270】(e)分析装置の組立て 実施例1(1)(e)と同様に組み立てた。なお、この
分析装置は、マウスモノクローナル抗HBs抗体No.
2(不溶化されていないもの)の量により、検出感度を
調整したものである。
【0271】(2)測定 (a)試料 下記の血清試料を、各々180μl用意した。カッコ内
は感染してからの経過時間を示す。 (HBV感染患者の血清試料1〜5) 試料1:HBV感染前の血清 試料2:HBV感染後10週の血清 試料3:HBV感染後20週の血清 試料4:HBV感染後30週の血清 試料5:HBV感染後40週の血清
【0272】(b)測定手技 (1)で製造した分析装置各々の試料添加部(A)に、
上記血清試料のうちのいずれかを、180μl添加した
。これにより、血清試料中のHBs抗原は、特異結合物
質存在部(B)にて、染料標識マウスモノクローナル抗
HBs抗体No.1および/またはマウスモノクローナ
ル抗HBs抗体No.2(非標識物)と結合した後、検
出部存在部(C)に運ばれ、マウスモノクローナル抗H
Bs抗体No.2と結合しなかったものが、検出部(E
)に不溶化されているマウスモノクローナル抗HBs抗
体No.2と結合した。その後、検出部(E)において
、染料標識マウスモノクローナル抗HBs抗体No.1
由来の信号(色)を測定した。
【0273】(3)結果の判定 各試料が添加された分析装置の検出部(E−1,E−2
,E−3)における呈色は、図21に示す通りであった
【0274】(実施例8)尿中LHの測定における従来
法との比較 健常婦人の月経周期尿の尿中LH測定において、本発明
法(半定量)と従来法(定性:金コロイド凝集法;半定
量:赤血球凝集法;定量:ラジオイムノアッセイ法)と
を比較した。
【0275】(1)分析装置の製造 下記の如く、図15(I)に示す分析装置を製造した。
【0276】(a)染料標識マウスモノクローナル抗L
Hα抗体の調製 マウスモノクローナル抗hCGβ抗体のかわりにマウス
モノクローナル抗LHα抗体(持田製薬(株))を用い
た以外は、実施例1(1)(a)と同様に行ない、染料
標識マウスモノクローナル抗LHα抗体を得た。使用時
まで4℃で保存した。
【0277】(b)試料添加部(A)の調製実施例1(
1)(b)と同様に調製した。
【0278】(c)特異結合物質存在部(B)の調製染
料標識マウスモノクローナル抗LHα抗体((a)にて
調製したもの)を、バッファーAにて10倍に希釈した
。これと、バッファーAにて、0.1、1.2、6μg
/mlに濃度調整されたマウスモノクローナル抗LHβ
抗体(持田製薬(株)、非標識物)溶液とを、各々1:
1(v:v)の割合で混合し、3種の溶液を調製した。 これら3種の溶液を1種ずつ、ポリエステル不織布(1
0×5mm、厚さ0.5mm)に25μl含浸させ、4
5℃で乾燥した。これにより、後述する検出部(E−1
,E−2,E−3)の検出感度が、各々、LH  50
IU/l、LH  100IU/l、LH  200I
U/lとなる量比で前記染料標識マウスモノクローナル
抗LHα抗体、非標識マウスモノクローナル抗LHβ抗
体を含有する、特異結合物質存在部(B−1,B−2,
B−3)として用いるポリエステル不織布3枚が得られ
た。
【0279】(d)検出部(E)を有する膜(検出部存
在部(C))の調製 ウサギポリクローナル抗hCG抗体のかわりにマウスモ
ノクローナル抗LHβ抗体(持田製薬(株))を用いた
以外は、実施例1(1)(d)と同様に調製した。同じ
ものをさらに2枚調製した。
【0280】(e)分析装置の組立て 実施例1(1)(e)と同様に組み立てた。なお、この
分析装置は、マウスモノクローナル抗LHβ抗体(不溶
化されていないもの)の量により、検出感度を調整した
ものである。
【0281】(2)測定 (a)本発明法 (1)で調製した分析装置を用いて行なった。すなわち
、尿試料180μlを試料添加部(A)に添加し、10
分後に検出部(E−1,E−2,E−3)の呈色強度を
観察し、半定量を行なった。
【0282】(b)従来法 金コロイド凝集法は、凍結乾燥抗LH不溶化金コロイド
に緩衝液を添加してそれを溶解させた後、尿試料を添加
し、30分後の金コロイド溶液の色で判定した。判定は
、金コロイド溶液の色の赤から灰色への色変化を目視判
別できたものを陽性(+)とした。赤血球凝集法(持田
製薬(株)、ハイゴナビス)は、尿原液と、キット付属
の希釈剤にて4倍および8倍希釈した希釈試料のそれぞ
れについて凝集反応を行ない、凝集したものを陽性(+
)と判定した。ラジオイムノアッセイ法(ブーツセルテ
ック社、スクロセップLHキット)は、マニュアルに従
って行なった。
【0283】(3)測定結果の比較 結果は図22に示すとおりであった。すなわち、四法の
結果はよく相関し、この事実より、本発明の装置を用い
る本発明法は、操作が簡便で、測定試料は1回につき1
種のみであるにもかかわらず、正確な半定量が行ない得
ることが明らかとなった。
【0284】(実施例9)尿中hCGの測定における従
来法との比較 尿中hCGの測定において、本発明法(半定量)と従来
法(半定量:EIA法;定量:EIA法)とを比較した
【0285】(1)本発明法による測定hCGを0〜3
20IU/l含む尿試料を用い、実施例1と同様に行な
った。 (2)従来法による測定 (a)半定量 hCG定性用EIAキット(hCGテストパック、アボ
ット社、検出感度25IU/l)を用い、尿原液(所定
量のhCGを含む尿試料)と、hCGの含まれていない
希釈溶液(複数の男子尿をプールしたもの)にて2倍お
よび4倍希釈した希釈試料のそれぞれについて、マニュ
アルに従って測定し、呈色したものを陽性(+)と判定
した。 (b)定量 hCGEIAキット(エルモテックHCG、持田製薬(
株))を用いた。このキットでは、ガラス試験管に、抗
hCG抗体が不溶化されていると共に、凍結乾燥された
ペルオキシダーゼ標識抗hCG抗体が封入されている。 このガラス試験管に、hCGを含む試料を添加混合する
ことによって反応が開始される。洗浄後、過酸化水素水
と3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジンの基質
発色剤混合溶液を添加し、hCGに対応した基質発色剤
混合溶液の呈色の吸光度(650nm)を測定すること
によって定量を行なう。 (3)測定結果の比較 結果は図23に示すとおりであった。すなわち、三法の
結果はよく相関し、この事実より、本発明の装置を用い
る本発明法は、操作が簡便で、測定試料は1検体につき
1種のみであるにもかかわらず、正確な半定量が行ない
得ることが明らかとなった。
【0286】
【発明の効果】本発明により、特に半定量を高感度で行
なうに際して有用な分析方法および分析装置であって、
試料の添加の工程のみで、結果として、試料が希釈され
て用いられたと同様の検出結果を得ることができ、かつ
、信号の最大強度の低下を招かずに、広範囲の測定感度
の中から所望の測定感度を設定することのできる分析方
法と、その方法を行なうのに好適な分析装置が提供され
る。
【0287】本発明によれば、簡便に、専門の医療技術
者でなくても、正確な測定を行ない得る。
【0288】また、本発明によれば、試料の事前の希釈
が不要で、添加された試料の装置からの流出がないので
、測定を行なう者等が試料によって汚染され、健康を害
するおそれが低減される。
【0289】さらに、本発明によれば、従来に比べて容
易に、分析装置の検出感度および信号強度を様々に設定
し得るので、半定量をより詳細に行ない得る。
【0290】加えて、本発明によれば、簡便に、多項目
同時測定や多試料同時測定も行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図2】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図3】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図4】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図5】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図6】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図7】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図8】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図9】本発明の特異結合分析方法を説明するための模
式図である。
【図10】本発明および従来の特異結合分析方法におけ
る、分析対象物量と信号強度との関係を示すグラフであ
る。
【図11】本発明の特異結合分析装置の好適例を示す図
である。
【図12】本発明の特異結合分析装置の好適例を示す図
である。
【図13】本発明の特異結合分析装置の好適例を示す図
である。
【図14】本発明の特異結合分析装置の好適例を示す図
である。
【図15】本発明の特異結合分析方法を行なった結果を
示す模式図である。
【図16】本発明の特異結合分析方法を行なった結果を
示す模式図である。
【図17】本発明の特異結合分析装置の好適例を示す図
である。
【図18】本発明の特異結合分析装置の変形例を示す図
である。
【図19】本発明の特異結合分析装置の変形例を示す図
である。
【図20】本発明の特異結合分析方法を実施するための
他の特異結合分析装置を示す図である。
【図21】実施例7の結果を示す模式図である。
【図22】実施例8の結果を示す模式図である。
【図23】実施例9の結果を示す模式図である。
【符号の説明】
A  試料添加部 B  特異結合物質存在部 C  検出部存在部 D  吸収部 E  検出部 F  支持体

Claims (58)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  試料中の分析対象物を定性または定量
    するに際し、測定系に特定物質を存在させ、該特定物質
    の存在により、分析対象物量の指標として測定される標
    識物質量を小さくすることを特徴とする特異結合分析方
    法。
  2. 【請求項2】  前記特定物質が前記分析対象物に対す
    る特異結合物質である請求項1に記載の特異結合分析方
    法。
  3. 【請求項3】  前記特定物質が前記分析対象物の類縁
    物質である請求項1に記載の特異結合分析方法。
  4. 【請求項4】  前記標識物質が、前記分析対象物に対
    する特異結合物質を標識してなる物質である請求項1〜
    3のいずれかに記載の特異結合分析方法。
  5. 【請求項5】  前記標識物質が、前記分析対象物に対
    する特異結合物質に、該分析対象物と該特異結合物質と
    の結合には干渉せずに結合する物質を標識してなる物質
    である請求項1または2に記載の特異結合分析方法。
  6. 【請求項6】  試料中の分析対象物(a)を、該分析
    対象物(a)と特異的に結合する特異結合物質(b)、
    および、前記分析対象物(a)との結合に際し、前記特
    異結合物質(b)とは干渉しない特異結合物質(c)に
    標識物(d)が結合したものである標識特異結合物質(
    e)と、同時または順に結合反応させ、次いで、前記分
    析対象物(a)と前記標識特異結合物質(e)との結合
    物質(f)を、不溶化されている前記特異結合物質(b
    )、または、前記分析対象物(a)との結合に際し、前
    記標識特異結合物質(e)とは干渉しないが、前記特異
    結合物質(b)とは干渉する不溶化されている特異結合
    物質(g)と結合反応をさせて固定し、その後、固定さ
    れた前記結合物質(f)中の標識物(d)に由来する信
    号を読みとる請求項4に記載の特異結合分析方法。
  7. 【請求項7】  試料中の、1種類の特異的結合に係わ
    る部位を複数有する分析対象物(h)を、該分析対象物
    (h)の前記1種類の特異的結合に係わる部位に特異的
    に結合する特異結合物質(i)、前記1種類の特異的結
    合に係わる部位に特異的に結合する特異結合物資(j)
    に標識物(d)が結合したものである標識特異結合物質
    (k)、および、不溶化されている、前記1種類の特異
    結合に係わる部位に特異的に結合する特異結合物質(l
    )と、同時または順に結合させ、前記分析対象物(h)
    の少なくとも一部を固定し、その後、固定された分析対
    象物(h)に結合した標識特異結合物質(k)中の標識
    物(d)に由来する信号を読みとる請求項4に記載の特
    異結合分析方法。
  8. 【請求項8】  試料中の分析対象物(a)を、該分析
    対象物(a)と特異的に結合する特異結合物質(m)に
    標識物(d)が結合したものである標識特異結合物質(
    n)と結合させ、次いで、前記分析対象物(a)と前記
    標識特異結合物質(n)との結合には干渉されずに前記
    分析対象物(a)と特異的に結合する不溶化されている
    特異結合物質(o)に、前記分析対象物(a)と前記標
    識特異結合物質(n)との結合物質(p)、前記標識特
    異結合物質(n)とは結合しないが前記特異結合物質(
    o)とは結合する分析対象物類縁物質(q)、および、
    存在する場合は未結合の分析対象物(a)を結合反応さ
    せて固定し、その後、固定された前記結合物質(p)中
    の標識物(d)に由来する信号を読みとる請求項4に記
    載の特異結合分析方法。
  9. 【請求項9】  分析対象物(a)と特異的に結合する
    特異結合物質(r)に標識物(d)が結合したものであ
    る標識特異結合物質(s)を、試料中の分析対象物(a
    )、および、該標識特異結合物質(s)と分析対象物(
    a)との結合に干渉する分析対象物類縁物質(t)と、
    同時または順に結合反応させ、次いで、前記分析対象物
    (a)と前記標識特異結合物質(s)との結合物質(u
    )および存在する場合は未結合の分析対象物(a)を、
    前記分析対象物(a)との結合に際し、前記標識特異結
    合物質(s)とは干渉せず、かつ、前記分析対象物類縁
    物質(t)とは結合しない、不溶化されている特異結合
    物質(v)と結合反応させて固定し、その後、固定され
    た前記結合物質(u)中の標識物(d)に由来する信号
    を読みとる請求項4に記載の特異結合分析方法。
  10. 【請求項10】  試料中の分析対象物(a)を、該分
    析対象物(a)と特異的に結合する特異結合物質(w)
    、および、前記分析対象物(a)との結合に際し、前記
    特異結合物質(w)と干渉する特異結合物質(x)に標
    識物(d)が結合したものである標識特異結合物質(y
    )と、同時または順に結合反応させ、次いで、前記分析
    対象物(a)と前記特異結合物質(w)との結合物質(
    z)および前記分析対象物(a)と前記標識特異結合物
    質(y)との結合物質(α)を、前記分析対象物(a)
    との結合に際し、前記特異結合物質(w)および前記標
    識特異結合物質(y)とは干渉しない不溶化されている
    特異結合物質(β)と結合反応させて固定し、その後、
    固定された前記結合物質(α)中の標識物(d)に由来
    する信号を読みとる請求項4に記載の特異結合分析方法
  11. 【請求項11】  分析対象物(a)と特異的に結合す
    る特異結合物質(γ)を、試料中の分析対象物(a)、
    および、前記特異結合物質(γ)との結合に際し、前記
    分析対象物(a)とは干渉しない前記特異結合物質(γ
    )への特異結合物質(δ)に標識物(d)が結合したも
    のである標識特異結合物質(ε)と、同時または順に結
    合反応させ、次いで、前記分析対象物(a)、前記特異
    結合物質(γ)および前記標識特異結合物質(ε)の三
    者の結合物質(ζ)、および、前記分析対象物(a)と
    前記特異結合物質(γ)との結合物質(η)を、前記分
    析対象物(a)と前記特異結合物質(γ)との結合には
    干渉されずに前記分析対象物(a)と特異的に結合する
    不溶化されている特異結合物質(θ)と結合反応をさせ
    て固定し、その後、固定された前記三者の結合物質(ζ
    )中の標識物(d)に由来する信号を読みとる請求項5
    に記載の特異結合分析方法。
  12. 【請求項12】  試料中の分析対象物を定性または定
    量するに際し、測定系に特定物質を存在させ、該特定物
    質の存在により、分析対象物量の指標として測定される
    標識物質量を大きくすることを特徴とする特異結合分析
    方法。
  13. 【請求項13】  前記特定物質が前記分析対象物に対
    する特異結合物質である請求項12に記載の特異結合分
    析方法。
  14. 【請求項14】  前記標識物質が、前記分析対象物に
    対する特異結合物質を標識してなる物質である請求項1
    2または13に記載の特異結合分析方法。
  15. 【請求項15】  前記標識物質が、前記分析対象物に
    対する特異結合物質に、該分析対象物と該特異結合物質
    との結合には干渉せずに結合する物質を標識してなる物
    質である請求項12または13に記載の特異結合分析方
    法。
  16. 【請求項16】  前記標識物質が、分析対象物または
    その類縁物質を標識してなる物質である請求項12また
    は13に記載の特異結合分析方法。
  17. 【請求項17】  分析対象物(a)および分析対象物
    類縁物質(ι)と特異的に結合する特異結合物質(κ)
    、および、該分析対象物(a)および該分析対象物類縁
    物質(ι)との結合に際し、前記特異結合物質(κ)と
    干渉する特異結合物質(λ)に標識物(d)が結合した
    ものである標識特異結合物質(μ)を、試料中の分析対
    象物(a)、および、不溶化されている分析対象物(a
    )または分析対象物類縁物質(ι)と、同時または順に
    結合反応させ、前記標識特異結合物質(μ)の少なくと
    も一部を固定し、その後、固定された標識特異結合物質
    (μ)中の標識物(d)に由来する信号を読みとる請求
    項14に記載の特異結合分析方法。
  18. 【請求項18】  分析対象物(a)および分析対象物
    類縁物質(ν)と特異的に結合する特異結合物質(ξ)
    を、試料中の分析対象物(a)、不溶化されている分析
    対象物(a)または分析対象物類縁物質(ν)、および
    、前記特異結合物質(ξ)との結合に際し、前記分析対
    象物(a)、前記分析対象物類縁物質(ν)とは干渉し
    ない前記特異結合物質(ξ)への特異結合物質(π)に
    標識物(d)が結合したものである標識特異結合物質(
    ρ)と、同時または順に結合反応させ、該標識特異結合
    物質(ρ)の少なくとも一部を前記特異結合物質(ξ)
    を介して固定し、その後、固定された標識特異結合物質
    (ρ)中の標識物(d)に由来する信号を読みとる請求
    項15に記載の特異結合分析方法。
  19. 【請求項19】  試料中の分析対象物(a)、および
    、分析対象物(a)に標識物(d)が結合したものであ
    る標識分析対象物(σ)または分析対象物(a)の類縁
    物質(τ)に標識物(d)が結合したものである標識分
    析対象物類縁物質(φ)を、前記分析対象物(a)およ
    び前記標識分析対象物(σ)または前記標識分析対象物
    類縁物質(φ)と特異的に結合する特異結合物質(ψ)
    、および、不溶化されている前記特異結合物質(ψ)、
    または、前記分析対象物(a)および前記標識分析対象
    物(σ)または前記標識分析対象物類縁物質(φ)と前
    記特異結合物質(ψ)との結合に干渉する不溶化されて
    いる特異結合物質(ω)と、同時または順に結合反応さ
    せ、前記標識分析対象物(σ)または前記標識分析対象
    物類縁物質(φ)の少なくとも一部を固定し、その後、
    固定された標識分析対象物(σ)または標識分析対象物
    類縁物質(φ)中の標識物(d)に由来する信号を読み
    とる請求項16に記載の特異結合分析方法。
  20. 【請求項20】  請求項6に記載の特異結合分析方法
    を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質存
    在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)を
    順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であっ
    て、前記特異結合物質存在部(B)には、前記特異結合
    物質(b)および前記標識特異結合物質(e)が存在し
    、前記検出部存在部(C)には、前記特異結合物質(b
    )または前記特異結合物質(g)が不溶化されている検
    出部(E)が存在することを特徴とする特異結合分析装
    置。
  21. 【請求項21】  前記特異結合物質存在部(B)と前
    記検出部存在部(C)とが同じ領域である、請求項20
    に記載の特異結合分析装置。
  22. 【請求項22】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸収部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記特異結合物質(b)および前記標識特
    異結合物質(e)と、前記検出部(E)に存在する前記
    特異結合物質(b)または前記特異結合物質(g)のう
    ちのいずれか1種以上の物質量がユニットごとに異なる
    、請求項20または21に記載の特異結合分析装置。
  23. 【請求項23】  前記特異結合物質存在部(B)に存
    在する前記特異結合物質(b)の量が0であるユニット
    を有する、請求項22に記載の特異結合分析装置。
  24. 【請求項24】  請求項7に記載の特異結合分析方法
    を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質存
    在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)を
    順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であっ
    て、前記特異結合物質存在部(B)には、前記特異結合
    物質(i)および前記標識特異結合物質(k)が存在し
    、前記検出部存在部(C)には、前記特異結合物質(l
    )が不溶化されている検出部(E)が存在することを特
    徴とする特異結合分析装置。
  25. 【請求項25】  前記特異結合物質存在部(B)にお
    いて、前記特異結合物質(i)および前記標識特異結合
    物質(k)が試料の流れ方向に沿って任意の順に存在す
    る、請求項24に記載の特異結合分析装置。
  26. 【請求項26】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸収部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記特異結合物質(i)および前記標識特
    異結合物質(k)と、前記検出部(E)に存在する前記
    特異結合物質(l)のうちのいずれか1種以上の物質量
    がユニットごとに異なる、請求項24または25に記載
    の特異結合分析装置。
  27. 【請求項27】  前記特異結合物質存在部(B)に存
    在する前記特異結合物質(i)の量が0であるユニット
    を有する、請求項26に記載の特異結合分析装置。
  28. 【請求項28】  請求項8に記載の特異結合分析方法
    を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質存
    在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)を
    順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であっ
    て、前記特異結合物質存在部(B)には、前記標識特異
    結合物質(n)および前記分析対象物類縁物質(q)が
    存在し、前記検出部存在部(C)には、前記特異結合物
    質(o)が不溶化されている検出部(E)が存在するこ
    とを特徴とする特異結合分析装置。
  29. 【請求項29】  前記特異結合物質存在部(B)にお
    いて、前記標識特異結合物質(n)および前記分析対象
    物類縁物質(q)が試料の流れ方向に沿って任意の順に
    存在する、請求項28に記載の特異結合分析装置。
  30. 【請求項30】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸収部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記標識特異結合物質(n)および前記分
    析対象物類縁物質(q)と、前記検出部(E)に存在す
    る前記特異結合物質(o)のうちのいずれか1種以上の
    物質量がユニットごとに異なる、請求項28または29
    に記載の特異結合分析装置。
  31. 【請求項31】  前記特異結合物質存在部(B)に存
    在する前記分析対象物類縁物質(q)の量が0であるユ
    ニットを有する、請求項30に記載の特異結合分析装置
  32. 【請求項32】  請求項9に記載の特異結合分析方法
    を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質存
    在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)を
    順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であっ
    て、前記特異結合物質存在部(B)には、前記標識特異
    結合物質(s)および前記分析対象物類縁物質(t)が
    存在し、前記検出部存在部(C)には、前記特異結合物
    質(v)が不溶化されている検出部(E)が存在するこ
    とを特徴とする特異結合分析装置。
  33. 【請求項33】  前記特異結合物質存在部(B)にお
    いて、前記標識特異結合物質(s)および前記分析対象
    物類縁物質(t)が試料の流れ方向に沿って任意の順に
    存在する、請求項32に記載の特異結合分析装置。
  34. 【請求項34】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸収部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記標識特異結合物質(s)および前記分
    析対象物類縁物質(t)と、前記検出部(E)に存在す
    る前記特異結合物質(v)のうちのいずれか1種以上の
    物質量がユニットごとに異なる、請求項32または33
    に記載の特異結合分析装置。
  35. 【請求項35】  前記特異結合物質存在部(B)に存
    在する前記分析対象物類縁物質(t)の量が0であるユ
    ニットを有する、請求項34に記載の特異結合分析装置
  36. 【請求項36】  請求項10に記載の特異結合分析方
    法を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質
    存在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)
    を順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であ
    って、前記特異結合物質存在部(B)には、前記特異結
    合物質(w)および前記標識特異結合物質(y)が存在
    し、前記検出部存在部(C)には、前記特異結合物質(
    β)が不溶化されている検出部(E)が存在することを
    特徴とする特異結合分析装置。
  37. 【請求項37】  前記特異結合物質存在部(B)にお
    いて、前記特異結合物質(w)および前記標識特異結合
    物質(y)が試料の流れ方向に沿って任意の順に存在す
    る、請求項36に記載の特異結合分析装置。
  38. 【請求項38】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸水部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記特異結合物質(w)および前記標識特
    異結合物質(y)と、前記検出部(E)に存在する前記
    特異結合物質(β)のうちのいずれか1種以上の物質量
    がユニットごとに異なる、請求項36または37に記載
    の特異結合分析装置。
  39. 【請求項39】  前記特異結合物質(w)の量が0で
    あるユニットを有する、請求項38に記載の特異結合分
    析装置。
  40. 【請求項40】  請求項11に記載の特異結合分析方
    法を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質
    存在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)
    を順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であ
    って、前記特異結合物質存在部(B)には、前記特異結
    合物質(γ)および前記標識特異結合物質(ε)が存在
    し、前記検出部存在部(C)には、前記特異結合物質(
    θ)が不溶化されている検出部(E)が存在することを
    特徴とする特異結合分析装置。
  41. 【請求項41】  前記特異結合物質存在部(B)にお
    いて、前記特異結合物質(γ)および前記標識特異結合
    物質(ε)が試料の流れ方向に沿って任意の順に存在す
    る、請求項40に記載の特異結合分析装置。
  42. 【請求項42】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸収部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記特異結合物質(γ)および前記標識特
    異結合物質(ε)と、前記検出部存在部(C)に存在す
    る前記特異結合物質(θ)のうちのいずれか1種以上の
    物質量がユニットごとに異なる、請求項40または41
    に記載の特異結合分析装置。
  43. 【請求項43】  請求項17に記載の特異結合分析方
    法を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質
    存在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)
    を順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であ
    って、前記特異結合物質存在部(B)には、前記特異結
    合物質(κ)および前記標識特異結合物質(μ)が存在
    し、前記検出部存在部(C)には、前記分析対象物(a
    )または前記分析対象物類縁物質(ι)が不溶化されて
    いる検出部(E)が存在することを特徴とする特異結合
    分析装置。
  44. 【請求項44】  前記特異結合物質存在部(B)にお
    いて、前記特異結合物質(κ)および前記標識特異結合
    物質(μ)が試料の流れ方向に沿って任意の順に存在す
    る、請求項43に記載の特異結合分析装置。
  45. 【請求項45】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸収部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記特異結合物質(κ)および前記標識特
    異結合物質(μ)と、前記検出部(E)に存在する前記
    分析対象物(a)または前記分析対象物類縁物質(ι)
    のうちのいずれか1種以上の物質量がユニットごとに異
    なる、請求項43または44に記載の特異結合分析装置
  46. 【請求項46】  前記特異結合物質存在部(B)に存
    在する前記特異結合物質(κ)の量が0であるユニット
    を有する、請求項45に記載の特異結合分析装置。
  47. 【請求項47】  請求項18に記載の特異結合分析方
    法を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質
    存在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)
    を順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であ
    って、前記特異結合物質存在部(B)には、前記特異結
    合物質(ξ)および前記標識特異結合物質(ρ)が存在
    し、前記検出部存在部(C)には、前記分析対象物(a
    )または前記分析対象物類縁物質(ν)が不溶化されて
    いる検出部(E)が存在することを特徴とする特異結合
    分析装置。
  48. 【請求項48】  前記特異結合物質存在部(B)にお
    いて、前記特異結合物質(ξ)および前記標識特異結合
    物質(ρ)が試料の流れ方向に沿って任意の順に存在す
    る、請求項47に記載の特異結合分析装置。
  49. 【請求項49】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸収部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記特異結合物質(ξ)および前記標識特
    異結合物質(ρ)と、前記検出部(E)に存在する前記
    分析対象物(a)または前記分析対象物類縁物質(ν)
    のうちのいずれか1種以上の物質量がユニットごとに異
    なる、請求項47または48に記載の特異結合分析装置
  50. 【請求項50】  請求項19に記載の特異結合分析方
    法を実施するための、試料添加部(A)、特異結合物質
    存在部(B)、検出部存在部(C)および吸収部(D)
    を順次有するクロマトグラフ型の特異結合分析装置であ
    って、前記特異結合物質存在部(B)には、前記特異結
    合物質(ψ)、および、前記標識分析対象物(σ)また
    は前記標識分析対象物類縁物質(φ)が存在し、前記検
    出部存在部(C)には、前記特異結合物質(ψ)または
    前記特異結合物質(ω)が不溶化されていることを特徴
    とする特異結合分析装置。
  51. 【請求項51】  前記特異結合物質存在部(B)にお
    いて、前記特異結合物質(ψ)、および、前記標識分析
    対象物(σ)または前記標識分析対象物類縁物質(φ)
    が、試料の流れ方向に沿って任意の順に存在する、請求
    項50に記載の特異結合分析装置。
  52. 【請求項52】  試料中の分析対象物を半定量するこ
    とが可能な特異結合分析装置であって、共通の前記試料
    添加部(A)と、複数の、前記特異結合物質存在部(B
    )および前記検出部存在部(C)を含むユニットが存在
    し、各ユニットは互いに独立しており、前記吸収部(D
    )は、共通部分として存在するか、あるいは、前記ユニ
    ット各々に含まれ、かつ、前記特異結合物質存在部(B
    )に存在する前記特異結合物質(ψ)、および、前記標
    識分析対象物(σ)または前記標識分析対象物類縁物質
    (φ)と、前記検出部(E)に存在する前記特異結合物
    質(ψ)または前記特異結合物質(ω)のうちのいずれ
    か1種以上の物質量がユニットごとに異なる、請求項5
    0または51に記載の特異結合分析装置。
  53. 【請求項53】  前記特異結合物質存在部(B)に存
    在する前記特異結合物質(ψ)の量が0であるユニット
    を有する、請求項52に記載の特異結合分析装置。
  54. 【請求項54】  前記試料添加部(A)と前記特異結
    合物質存在部(B)とが同じ領域である、請求項20、
    21、24、28、32、36、40、43、47、5
    0のいずれかに記載の特異結合分析装置。
  55. 【請求項55】  前記物質量がユニットごとに順次変
    量されている、請求項22、23、26、27、30、
    31、34、35、38、39、42、45、46、4
    9、52、53のいずれかに記載の特異結合分析装置。
  56. 【請求項56】  複数試料を同時に測定することが可
    能な特異結合分析装置であって、少なくとも連続する試
    料添加部(A)、特異結合物質存在部(B)および検出
    部存在部(C)を有するユニットを複数有し、各ユニッ
    トが互いに独立している、請求項20、21、24、2
    5、28、29、32、33、36、37、40、41
    、43、44、47、48、50、51のいずれかに記
    載の特異結合分析装置。
  57. 【請求項57】  前記試料添加部(A)と前記特異結
    合物質存在部(B)とが同じ領域である、請求項56に
    記載の特異結合分析装置。
  58. 【請求項58】  単一試料中の複数の分析対象物を同
    時に測定することが可能な特異結合分析装置であって、
    共通の前記試料添加部(A)と、複数の、前記特異結合
    物質存在部(B)および前記検出部存在部(C)を含む
    ユニットが存在し、各ユニットは互いに独立しており、
    前記吸収部(D)は、共通部分として存在するか、ある
    いは、前記ユニット各々に含まれ、かつ、各ユニットに
    存在する物質が、互いに異なる分析対象物の測定に使用
    されるものである、請求項20、21、24、25、2
    8、29、32、33、36、37、40、41、43
    、44、47、48、50、51のいずれかに記載の特
    異結合分析装置。
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