JPH08220099A - 物質の検出試薬及び慢性関節リウマチの検知法 - Google Patents

物質の検出試薬及び慢性関節リウマチの検知法

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JPH08220099A
JPH08220099A JP2309195A JP2309195A JPH08220099A JP H08220099 A JPH08220099 A JP H08220099A JP 2309195 A JP2309195 A JP 2309195A JP 2309195 A JP2309195 A JP 2309195A JP H08220099 A JPH08220099 A JP H08220099A
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Mutsumi Sakuraoka
睦 桜岡
Ikue Aonuma
郁恵 青沼
Yoshitsugu Harada
義次 原田
Yuji Yamada
雄二 山田
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Eisai Co Ltd
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 慢性関節リウマチ等の診断を正確、簡便、か
つ迅速に行う。 【構成】 ガラクトース欠損IgG及びリシナスコミニ
スアグルチニンIの一方が固定化された膜と、他方が固
定化された有色微粒子と、被検者から採取した生物学的
試料とを反応させるステップと、試料中に含まれる抗ガ
ラクトース欠損IgG抗体とガラクトース欠損IgGと
の結合及びリシナスコミニスアグルチニンIと抗ガラク
トース欠損IgG抗体に含まれるガラクトースとの結合
を介して前記膜上に補足された有色微粒子を検出するス
テップにより、慢性関節リウマチを検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の被検出物質、特
に慢性関節リウマチ患者にみられる抗ガラクトース欠損
IgG抗体を検出するための検出試薬、慢性関節リウマ
チの診断薬、及び慢性関節リウマチの検知法に関する。
【0002】
【従来の技術】疾患の鑑別診断を行うための手段として
の生体内物質の分析が、臨床検査において広く採用され
ている。臨床検査においては、その目的によって高感度
で精度の高い定量法、及び操作が簡単で短時間で結果が
得られる定性法が適宜使い分けられている。このような
方法の1つとして、免疫学的抗原抗体反応を利用した方
法が広範に使用されている。
【0003】現在、免疫学的抗原抗体反応を利用した簡
易定性法としては標識として酵素を用いた酵素免疫測定
法(以下、EIAと略記することがある)、微粒子を用
いた粒子凝集法、凝集阻止法及び有色微粒子を用いた着
色法が知られている。着色法のなかではフロースルー法
及びイムノクロマトグラフ法(以下イムノクロマトグラ
フ法をイムノクロマト法と記載することがある)が最も
一般的に知られており、これらの方法を利用した診断試
薬が数多市販され、臨床検査に使用されている。以下に
両方法について説明する。
【0004】フロースルー法は、被検出物質と特異的に
結合する反応性物質1(抗体1)を膜の一部に固定化し
た反応性物質固定化膜及び有色微粒子に被検出物質と特
異的に結合する反応性物質2(抗体2)を固定化した反
応微粒子を用いる方法である。フロースルー法は、反応
性物質固定化膜により被検出物質を含む検体及び反応微
粒子を濾過することにより、膜上で反応性物質1と反応
性物質2が被検出物質をサンドイッチ状に挟んだ複合体
を形成し、このとき微粒子の色調が膜上に認められ、被
検出物質の存在が肉眼で確認できるという原理に基づい
ている。フロースルー法の代表的な方法としては、特開
昭63−127160号公報に記載された方法等が知ら
れている。以下に市販されている尿中ヒト黄体形成ホル
モン(以下、LHと略記することがある)検出キット
(ニッポンジーン社製)を例に具体的に説明する。な
お、本法は別名イムノフィルター法と呼ばれることもあ
るが、ここではフロースルー法と呼ぶことにする。
【0005】まず、ニトロセルロースメンブレンに抗L
Hモノクローナル抗体1を塗布し、抗体固定化膜を調製
する。一方、赤紫色の色調を有する金コロイド粒子に抗
LHモノクローナル抗体2を固定化し、1回使用分ずつ
バイアル瓶に分注し、凍結乾燥し、検出用金コロイド試
薬を調製する。LHを含む尿の所定量をバイアル瓶に添
加すると、尿により検出用金コロイド試薬は溶液状に復
元するとともに、(LH)−(抗LHモノクローナル抗
体2)−(金コロイド粒子)複合体が形成される。バイ
アル瓶中の(LH)−(抗LHモノクローナル抗体2)
−(金コロイド粒子)複合体溶液を抗体固定化膜に滴下
すると、滴下液が膜をその厚さ方向に通過する間に、L
Hをサンドイッチ状に挟んだ(膜)−(抗LHモノクロ
ーナル抗体1)−(LH)−(抗LHモノクローナル抗
体2)−(金コロイド粒子)複合体が形成され、このと
き膜上には赤紫色の着色が肉眼で確認できる。尿にLH
が含まれていないときにはサンドイッチ状複合体は形成
されず着色は現れない。操作は2段階で判定までに要す
る時間は2分程度であり、簡便、かつ迅速に尿中LHを
検出することができる。
【0006】以上、説明したとおり有色微粒子を用いた
フロースルー法は操作時間が短く、操作も簡便で判定も
容易な方法である。イムノクロマト法は、フロースルー
法と同様に反応性物質固定化膜及び反応微粒子を用いる
方法である。しかしながら、イムノクロマト法は、被検
出物質を含む検体及び反応微粒子が反応性物質固定化膜
上をペーパークロマト法と同様の現象によって展開し、
膜上の反応性物質固定化部位に展開流が到達したときに
反応性物質1(抗体1)と反応性物質2(抗体2)とが
被検出物質をサンドイッチ状に挟んだ複合体を形成し、
このとき微粒子の色調が膜上に認められ、被検出物質の
存在が肉眼で確認できるという原理に基づいている。以
下に市販されている妊娠検査薬クリアブルーワンステッ
プ−S(ユニパス社製)を例に具体的に説明する。
【0007】ニトロセルロース膜を短冊状に切断し、一
方の末端近くに抗ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(以下、
hCGと略記することがある)モノクローナル抗体1を
固定し、反応部位を形成させる。次に、乾燥状態の抗h
CGモノクローナル抗体2固定化青色ラテックス粒子を
反応部位とは逆の末端近くに展開流により移動可能な形
態で保持させる。青色ラテックス粒子を保持させた側の
末端に接触させた吸収パッドにhCGを含む尿検体を直
接滴下し、尿検体を吸収パッドから膜に移行させ、更
に、膜上を展開させ、青色ラテックス粒子保持部分まで
到達させる。このとき展開流中のhCGは、青色ラテッ
クス粒子上の抗hCGモノクローナル抗体2と結合し、
(hCG)−(抗hCGモノクローナル抗体2)−(青
色ラテックス粒子)複合体を形成する。この複合体がさ
らに展開を継続し、反応部位に到達し、複合体中のhC
Gが抗hCGモノクロ−ナル抗体1と反応し、(膜)−
(抗hCGモノクローナル抗体1)−(hCG)−(抗
hCGモノクローナル抗体2)−(青色ラテックス粒
子)複合体を形成する。このとき、膜上の反応部位に、
強い青色の着色が肉眼で確認できる。尿にhCGが含ま
れていないときには、反応部位に、サンドイッチ状複合
体は形成されないので、強い着色は現れない。操作は、
吸収パッドに尿を滴下するだけの1段階であり、判定ま
でに要する時間は3分程度と簡便、かつ迅速である。こ
のように、有色微粒子を用いたイムノクロマト法は操作
時間が短く、操作も簡便であり、判定も容易である。
【0008】以上のとおり、フロースルー法及びイムノ
クロマト法は、診断試薬として広範に利用されている
が、これらの診断試薬は抗原−抗体の組み合わせのみを
利用した診断試薬であって、それ以外の生体内活性物質
を用いたものはほとんど知られておらず、特に、リシナ
スコミニスアグルチニンI(RCA120)を用いたイ
ムノクロマト法及びフロースルー法による診断試薬は存
在しない。
【0009】ところで、最近注目されている疾患のひと
つに慢性関節リウマチ(以下、RAと略記することがあ
る)がある。RA患者の血清中にはリウマチ因子(以
下、RFと略記することがある)と呼ばれる自己免疫抗
体が存在し、これはヒト免疫グロブリンG(以下、Ig
Gと略記することがある)のFc部位を抗原として認識
することが知られている。現在行われているRAの臨床
化学的診断法としては、ウサギ等の動物IgG、変性さ
せたヒトIgG又はこれらのFc部位を抗原として固定
した微粒子を用いた粒子凝集法、例えば、RAテスト
(スライド板上のラテックス粒子の凝集の有無によって
RFの定性検出を行うRAの診断方法)、RAPA法
(RA−particle agglutinationの略:マイクロタイタ
ーウエル内でラテックス粒子を凝集、沈降させ、RFを
半定量する方法)及びTIA法(Turbidmetric immunoa
ssayの略:ラテックス粒子の凝集の度合いを分光学的に
測定するRFの定量法)が採用されている。また、抗原
をマイクロプレートウエルに固定化して用いるEIA法
により検出されるリウマチ因子をRAの疾患マ−カ−と
して用いる方法も採用されている。
【0010】現在行われている粒子凝集法及びEIA法
を用いたリウマチ因子の検出によるRAの診断では、健
常人の血清を検体として検査した場合でも判定が陽性を
示す場合もあり、また、肝疾患患者、変形性関節症等の
リウマチ様疾患患者血清においても高率で陽性を示し、
臨床的特異性が劣悪である。更に、真のRA患者に対す
るこれらの方法の陽性率(以下、臨床的感度ということ
がある)もそれほど高いものではない。このように従来
のリウマチ因子の検出によるRAの診断は、その臨床的
感度及び臨床的特異性ともに臨床の現場では有用性が低
いことが広く認識されている。しかしながら、これらの
他にRAの診断に用いることのできる臨床化学的方法が
存在しないので、汎用されているというのが現状であ
る。
【0011】以上記載した問題点に加えて、粒子凝集法
においては簡単な操作で、結果が得られるまでに要する
時間は3分から2時間程度ではあるが、判定には検査実
施者の主観が関与するので、正確な判定を行うには検査
実施者の熟練が必須である。EIA法においては操作が
繁雑であり、かつ2時間から4時間程度の操作時間を要
し、判定にも分光光度計、マイクロプレートリーダー等
の専用の機器を必要とする。
【0012】最近、RA患者の血清中のIgGのFc部
位に存在する糖鎖について詳細な分析が行われ、その結
果、該糖鎖は健常人の血清中のIgGのFc部位に存在
する糖鎖に比較してガラクトース含有量が著しく減少し
ていることが報告されている[ネイチャー(Nature)、第
316巻、第452ページ、1985年]。即ち、健常
人の血清中のIgGのFc部位に存在する糖部分は互い
に構造の異なる複数の糖鎖から構成されており、糖鎖の
種類間の存在比率は個体間でほぼ一定であることが明ら
かにされた。一方、RA患者の血清中のIgGのFc部
位における糖部分は、構造の異なる複数の種類の糖鎖か
ら構成されており、糖鎖の種類間の存在比率は、健常人
の場合と同様に個体間でほぼ一定であるが、全体にガラ
クトースの含有量が著しく減少していることが判明し
た。更に、具体的には、健常人血清中のIgGのFc部
位の糖部分にはガラクトースを各々2分子、1分子及び
0分子含む3種類の糖鎖が約2:2:1の比率で存在す
るが、RA患者血清中のIgGのFc部位の糖部分では
ガラクトースを2分子含む種類の糖鎖が著しく減少し、
全体にガラクトースを欠損した糖鎖が大幅に増加してい
ることが報告されている。 従って、この事実に基づけ
ばRA患者血清中のIgGのFc部位の糖部分には、糖
鎖の構造異常があり、この構造異常を把握することが可
能となれば、それはRA診断に対する有力なマ−カ−と
なることが期待されていた。
【0013】そのため、RA患者血清中のIgGのFc
部位の糖鎖についての構造異常を利用した診断方法が、
従来法に代わるRA診断法としていくつか提案されてい
る。それらの方法は、その検出対象から2つに大別され
る。一つは、RA患者血清中のIgGのFc部位の糖鎖
中のガラクトース含量が低下することを利用し、血清中
のIgGのFc部位の糖鎖中のガラクトース含量を測定
し、健常人のそれと比較し、ガラクトース含量が健常人
よりも低い場合にRAと診断する方法(特開平3−73
857号公報及び特開平5−87814号公報)。他の
一つは、IgGのFc部位の糖鎖の構造異常に対する自
己抗体、即ち抗ガラクトース欠損IgG抗体がRA患者
血清中には存在するという観点から、予めガラクトース
欠損IgGを調製し、これに対する血清中の抗ガラクト
ース欠損IgG抗体を測定する方法である(特開平3−
48700号公報)。
【0014】これら2つの方法のうち、血清中のIgG
の糖鎖中のガラクトース含量を測定する方法は、操作が
非常に繁雑で反応時間も数時間と長いこと、また、特開
平5−87814号の方法では検体毎に血清中の総Ig
G量も同時に測定し、且つシンチレ−ションカウンタ−
を用いなければならず、判定までに複雑なデ−タの解析
を要するという欠点を有し、更に、判定の臨床的感度及
び臨床的特異性も満足できるものではなかった。
【0015】一方、抗ガラクトース欠損IgG抗体を測
定する方法は、EIA類似の方法を用い抗ガラクトース
欠損IgG抗体を定量するものであって、その判定の臨
床的感度及び臨床的特異性は非常に良好であり、確実な
RAの診断を行うことができる。しかしながら、この方
法は、定量法であるため操作が繁雑であり、結果を得る
まで4時間から一夜を要し、分光光度計、デンシトメ−
タ−等の機器を用いなければならないという欠点があっ
た。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、慢性関節リウマチを正確、簡
便、かつ迅速に診断する診断試薬及び方法、及びその他
の被検出物質を検出するための検出試薬であって、従来
のイムノクロマト法及びフロースルー法を応用すること
もできる検出試薬を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、リシナスコミ
ニスアグルチニンI(RCA120)を用いたイムノク
ロマト法及びフロースルー法等の検出方法に用いる検出
試薬を完成させ、これを応用してヒト体液中の抗ガラク
トース欠損IgG抗体を簡便に検出する検出試薬及び慢
性関節リウマチの診断試薬を完成させ、本発明を完成し
た。
【0018】すなわち本発明は、ガラクトース及び/又
はβ−N−アセチルガラクトサミンを末端に含有する糖
鎖を有する被検出物質を検出するための検出試薬であっ
て、第一の反応性物質が固定化された膜と、第二の反応
性物質が固定化された微粒子とを含み、反応性物質の一
方がリシナスコミニスアグルチニンIであり、反応性物
質の他方が前記被検出物質に特異的に結合しガラクトー
ス及びβ−N−アセチルガラクトサミンを末端に含有す
る糖鎖を有しない反応性物質である検出試薬である。
【0019】また本発明は、抗ガラクトース欠損IgG
抗体を検出するための検出試薬であって、この検出試薬
は膜と微粒子とを含み、膜と微粒子の一方にはリシナス
コミニスアグルチニンIが固定化され、他方にはガラク
トース欠損IgGが固定化された、検出試薬を提供す
る。
【0020】さらに本願発明は、前記検出試薬からなる
慢性関節リウマチの診断薬、及びガラクトース欠損Ig
G及びリシナスコミニスアグルチニンIの一方が固定化
された膜と、他方が固定化された有色微粒子と、被検者
から採取した生物学的試料とを反応させるステップと、
試料中に含まれる抗ガラクトース欠損IgG抗体とガラ
クトース欠損IgGとの結合及びリシナスコミニスアグ
ルチニンIと抗ガラクトース欠損IgG抗体に含まれる
ガラクトースとの結合を介して前記膜上に補足された有
色微粒子を検出するステップを含む、慢性関節リウマチ
の検知法を提供する。
【0021】以下、本発明の構成及び好ましい態様につ
いて詳述する。
【0022】<1>被検出物質を検出するための検出試
薬 本発明の被検出物質を検出するための検出試薬は、ガラ
クトース及び/又はβ−N−アセチルガラクトサミンを
末端に含有する糖鎖を有する被検出物質を検出するため
の検出試薬であって、第一の反応性物質が固定化された
膜と、第二の反応性物質が固定化された微粒子とを含
む。これらの反応性物質の一方がリシナスコミニスアグ
ルチニンIであり、反応性物質の他方が前記被検出物質
に特異的に結合しガラクトース及びβ−N−アセチルガ
ラクトサミンを末端に含有する糖鎖を有しない反応性物
質である。
【0023】上記検出試薬は、ガラクトース又はβ−N
−アセチルガラクトサミンと、これらに特異的に結合す
るリシナスコミニスアグルチニンIとの特異的結合をフ
ロースルー法及びイムノクロマト法に利用したものであ
り、試料中に含まれるガラクトース又はβ−N−アセチ
ルガラクトサミンを含有する糖鎖を有する被検出物質と
リシナスコミニスアグルチニンIとの結合、及び被検出
物質とこの被検出物質に特異的に結合しガラクトース及
びβ−N−アセチルガラクトサミンを含有する糖鎖を有
しない反応性物質との結合を介して前記膜上に補足され
た有色微粒子を検出することにより、被検出物質を定性
的に検出するものである。
【0024】以下に、本発明の検出試薬について詳述す
る。
【0025】(1)微粒子 微粒子は、被検出物質の存在を肉眼で判定するための標
識であり、肉眼判定を容易にするためには有色であるこ
とが好ましい。材質としては、例えばポリスチレンラテ
ックス等の合成高分子、ゼラチン等の天然高分子からな
る均質な球状粒子、又は金コロイド等の金属コロイド粒
子等、水不溶性素材が挙げられる。尚、金属コロイド粒
子は、その本質的な色があるため着色する必要はない。
また、無色であるものは、色素を用いて適宜着色すれば
よい。微粒子の粒径は、膜の孔径よりも小さくなければ
ならないが、おおむね0.01から5μmの範囲で使用
でき、0.05から2μm程度が特に望ましい。
【0026】(2)膜 本発明に用いられる膜は、被検出物質とリシナスコミニ
スアグルチニンIとの結合を介して上記微粒子を間接的
に補足するためのものであり、反応性物質を固定化する
ことができ、さらにフロースルー法においては未反応の
微粒子を通過させることができ、イムノクロマト法にお
いてはクロマトグラフィー担体として水溶液中で微粒子
を展開することができるものであればよい。材質として
は、有孔の三次元構造膜、例えばナイロン膜、ニトロセ
ルロース膜等が挙げられ、合成又は天然高分子膜のいず
れでもよい。また、膜の孔径は反応微粒子が目詰まりを
おこさず通過できるサイズであればよいが、0.2から
8μmの範囲であることが、特に望ましい。
【0027】(3)第一の反応性物質及び第二の反応性
物質 第一の反応性物質及び第二の反応性物質の一方は、リシ
ナスコミニスアグルチニンI(以下、「RCA120」
という)である。RCA120は、ガラクトース及びβ
−N−アセチルガラクトサミンに特異的に結合する活性
を有するヒママメ(リシナス コミニス(Ricinus commu
nis))由来のレシチンであり、例えば、ジェイ・ユウ・
バエンジャー(J. U. Baenziger)らの方法(ザ・ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Bio
l. Chem.)第254巻第9795〜9799頁、1979年)によりヒマ
マメより精製することによって入手できる。また市販さ
れているものを使用してもよい。尚、RCA120以外
のガラクトース又はβ−N−アセチルガラクトサミンに
特異的に結合するレクチン、例えばリシナスコミニスア
グルチニンII(RCA60)、カブトムシアグルチニン
(Allo A)、マッシュルームレクチン(AB
A)、ピーナッツレクチン(PNA)等も、本発明に用
いることができる。これらのうちでは、RCA120が
特に好ましい。
【0028】第一の反応性物質及び第二の反応性物質の
他方は、RCA120と組み合わせることにより被検出
物質の検出を行うことのできる物質である。この反応性
物質はRCA120と結合しないことが必要であり、し
たがってガラクトース又はβ−N−アセチルガラクトサ
ミンを末端に含有する糖鎖を有しないことが必要であ
る。以下、この反応性物質を「ガラクトース欠損反応性
物質」という。具体的には、ガラクトース欠損IgG、
ガラクトース及び/又はβ−N−アセチルガラクトサミ
ンを含む糖鎖を含有する糖タンパク質に対するガラクト
ース欠損抗体等である。
【0029】(4)反応性物質の微粒子及び膜への固定 第一の反応性物質及び第二の反応性物質を微粒子及び膜
へ固定する方法は、物理吸着法、化学結合法、その他い
ずれの方法でもよい。即ち、RCA120等の反応性物
質が膜より脱離しないのであれば、どのような固定化手
段を用いてもよい。
【0030】尚、以下の記載において、反応性物質を固
定した膜を「反応性物質固定化膜」、反応性物質を固定
化した微粒子を「反応微粒子」という。
【0031】(5)被検出物質 本発明の検出試薬により検出される物質は、末端にガラ
クトース及び/又はβ−N−アセチルガラクトサミンを
含有する糖鎖を有する物質であり、RCA120と特異
的に結合する物質である。具体的には、抗ガラクトース
欠損IgG抗体、ガラクトース及び/又はβ−N−アセ
チルガラクトサミンを末端に含有する糖鎖を有する糖タ
ンパク質である。このような糖タンパク質としては、サ
イログロブリン、トランスフェリン等が挙げられる。
【0032】尚、被検出物質が抗ガラクトース欠損Ig
G抗体の場合には、前記ガラクトース欠損反応性物質は
ガラクトース欠損IgGであり、糖タンパク質の場合に
はこの糖タンパク質に対するガラクトース欠損抗体であ
る。
【0033】(6)検出試薬及びその使用法 以下に、上記材料を用いた検出試薬及びその使用方法に
ついて説明する。尚、以下の説明では、より具体化する
ためにフロースルー法を用いたものを例として説明する
が、本検出試薬やイムノクロマト法によって実施するこ
とができるものである。イムノクロマト法を実施する場
合には、膜の形状、膜への反応性物質の固定化部位をイ
ムノクロマト法に適合させること、及び反応微粒子を乾
燥状態で膜上に保持させれることにより実施可能であ
る。
【0034】検出試薬は、上記第一の反応性物質が固定
化された膜、第二の反応性物質が固定化された微粒子、
及び必要に応じて反応容器及び検体希釈用の溶液と洗浄
液とを含む。
【0035】上記のようにして得られた反応微粒子は、
コロイド化学的安定性及び反応性物質の特異結合活性を
保持させるため0.05から3%(w/w)程度のウシ血清
アルブミン、0.05から10%(w/w)程度のポリエチ
レングリコ−ル等の水溶性高分子、その他の安定剤、及
び防腐剤を含有した緩衝液等に懸濁し、冷所で保管す
る。また、長期間保管するために懸濁液を凍結乾燥し、
検査時に蒸留水等で溶解して使用することもできる。
【0036】一方、反応性物質固定化膜は、検体又は反
応微粒子の非特異的な吸着を防止するため、0.05か
ら5%(w/w)程度のウシ血清アルブミン等でブロッキン
グ処理を行い、乾燥条件下で保存する。
【0037】〔反応容器〕本発明の検出試薬をフロース
ルー法で使用する場合には、反応に関与する試薬、検体
の流速、流量等が安定し、かつ使用が容易であることが
好ましい。そのため、反応容器が必要であるが、反応容
器は、プラスチック等を各試薬及び検体の滴下用の窓が
配設され、成型された容器、吸収材、反応性物質固定化
膜、その他の必要部材から構成される。
【0038】吸収材は、試験に使用される各滴下試薬を
十分に吸収でき、滴下される各反応試薬及び検体の吸収
速度が変動しない性能を有する素材が望ましい。そのよ
うな素材として、綿、不織布、濾紙、多孔性プラスチッ
ク等が好ましいが前記の性能を有するものであればどの
ような素材であってもよい。また、吸収材のサイズは試
験時に滴下される各反応試薬及び検体が完全に吸収され
ればどのような大きさでも良い。
【0039】反応容器の構成は、容器内の吸収材上に前
記反応性物質固定化膜を載置し、これらの容器内での移
動を防止するため、固定する。このとき、各反応試薬及
び検体の滴下用の窓の部分に反応性物質固定化部分を適
合させる。吸収材と反応性物質固定化膜の間には、これ
らの接触を完全なものとするためのティッシュ、メッシ
ュ等、また各試薬及び検体の吸収速度の調節のための濾
紙等を挟んでも良い。
【0040】〔その他の試薬(検体希釈用溶液と洗浄
液)〕本発明の試薬により検出を実施する場合、検体を
希釈せずに直接使用してもよいが、半定量的な検査を行
う場合、並びに反応性物質固定化膜、反応微粒子の材
質、製造法及び性質に応じて必要となった場合には検体
を希釈しなければならない。この場合に用いる検体希釈
液としては、生理食塩水、各種緩衝液又はこれらの液に
0.05から3%(w/w)程度のウシ血清アルブミン又は
界面活性剤を添加した液を適宜使用することができる。
本発明のフロースルー法における検体及び反応微粒子懸
濁液滴下後の洗浄液についても通常使用しないが、前記
と同様に必要な場合には、生理食塩水、各種緩衝液、又
はこれらに0.05から3%(w/w)程度のウシ血清アル
ブミン又は界面活性剤を添加した液を適宜使用すること
ができる。
【0041】〔検出キット〕本発明の被検出物質の検出
を、使用者が特別な機器の使用、溶液又は試薬の調製を
行わずにできるように、必要な溶液、試薬類を一つの包
装内に組み入れて検出キットとすることもできる。具体
的には、1包装内に、使用説明書、反応微粒子懸濁液、
反応性物質固定化膜を組み込んだ反応容器、必要に応じ
て検体希釈液及び洗浄液を、任意の測定回数分組み合わ
せて、検出キットとする。
【0042】〔使用方法〕本発明の検出試薬として、上
記のような、RCA120を固定化した反応微粒子懸濁
液、ガラクトース欠損反応性物質を固定化した反応性物
質固定化膜を組み込んだ反応容器、検体希釈用溶液及び
洗浄液を含むフロースルー法による検出キットの使用法
を以下に説明する。
【0043】前記反応容器の窓に検体(直接又は検体希
釈液にて希釈したもの)を滴下し、完全に吸収させ、の
ちRCA120を固定化した反応微粒子懸濁液を滴下
し、吸収させ、肉眼で膜上の着色の有無を観察する。検
体中にガラクトース及び/又はβ−N−アセチルガラク
トサミンを含む糖鎖を含有しガラクトース欠損反応性物
質に特異的に結合する被検出物質が存在すれば、膜に固
定化されたガラクトース欠損反応性物質に被検出物質が
結合し、さらに被検出物質に含まれるガラクトース又は
β−N−アセチルガラクトサミンにRCA120が結合
し、その結果、微粒子が膜上に補足される。
【0044】したがって、膜上にRCA120を固定化
した反応微粒子の着色が認められた場合は被検出物質が
検体中に存在し、陽性であると判定し、認められなかっ
た場合は存在しないと判定することができる。尚、競合
反応では着色が認められなかった場合を陽性と判定する
こともある。検体の滴下から着色の有無の判定までを3
0秒から10分程度で行うことができる。操作は2段階
である。検体滴下後及び反応微粒子懸濁液滴下後には洗
浄液を滴下しても良い。この場合には操作は3段階又は
4段階となる。尚、判定後の膜は、乾燥して長期間にわ
たり着色が変化すること無く保存することができる。
【0045】本発明において、フロースルー法はB/F
分離(抗原抗体反応において抗体が結合して生じた結合
型:Bound,Bと、結合していない遊離型:Fre
e,Fとを物理的に分離すること)が必要な検出系では
特に有効な方法である。しかし、B/F分離の必要のな
い検出系、すなわちRCA120と被検出物質との特異
的結合に影響を与える夾雑物質が実質的に存在しない系
では、反応微粒子を乾燥状態で膜の上部に固定し、検体
滴下操作により反応微粒子を溶液状態に戻し反応を進め
る1段階アッセイ法として実施可能である。また、膜を
短冊状に切断し、一方の端に反応性物質を固定化し、他
方の端に反応微粒子を乾燥状態で保持させた試験紙を用
いるイムノクロマト法でも実施できる。
【0046】<2>抗ガラクトース欠損IgG抗体の検
出試薬 本発明の抗ガラクトース欠損IgG抗体の検出試薬は、
膜と微粒子とを含み、膜と微粒子の一方にはRCA12
0が固定化され、他方にはガラクトース欠損IgGが固
定化されている。
【0047】膜、微粒子、RCA120、反応微粒子、
反応性物質固定化膜、反応容器、検体希釈用溶液及び洗
浄液等については、前記<1>と同様である。本検出試
薬においては、被検出物質が抗ガラクトース欠損IgG
抗体であり、反応性物質の一方がガラクトース欠損Ig
Gであることが特徴である。
【0048】本発明の抗ガラクトース欠損IgG抗体検
出試薬及びこれを用いた検出方法について、フロースル
ー法を例として説明する。通常の検体である血液試料に
は、抗ガラクトース欠損IgG抗体以外のイムノグロブ
リン、糖タンパク質、多糖類等が多量に存在するために
B/F分離が必要であり、本発明の検出試薬の使用にあ
たっては、フロースルー法を利用することが好ましい。
各反応試薬それぞれの調製方法は前記<1>に準ずる。
【0049】〔RCA120固定化微粒子懸濁液〕反応
性物質としてRCA120を有色微粒子に固定化し、R
CA120固定化微粒子懸濁液とする。
【0050】〔ガラクトース欠損IgG固定化膜〕反応
性物質をガラクトース欠損IgGとし、ガラクトース欠
損IgG固定化膜を調製する。ガラクトース欠損IgG
は、ヒトIgGを公知の方法(特開平3−48700号
公報又は特開平5−87814号公報)に従って、酵素
を用いて脱ガラクトシル化処理し精製し、ガラクトース
がほぼ除去されたことをイオン交換クロマトグラフィー
等により確認し、ガラクトース欠損IgGを得る。次い
で、これをメンブレンフィルター等の膜に点着、噴霧又
は印刷等の手法で固定し、ガラクトース欠損IgG固定
化膜を調製する。固定する量は、最終の検出試薬の感度
等により適宜調整できるが、0.5から10μgの間
が、特に望ましい。
【0051】〔反応容器〕プラスチック製の容器に吸収
材、ガラクトース欠損IgG固定化膜を組み込み反応容
器を作成する。
【0052】〔抗ガラクトース欠損IgG抗体検出キッ
ト〕本発明の抗ガラクトース欠損IgG抗体の検出を、
使用者が特別な機器の使用、溶液、試薬の調製の必要な
く検出を実施するために、必要な溶液、試薬類を一つの
包装内に組み入れて検出キットとしてもよい。具体的に
は、1包装内に、使用説明書、前記RCA120固定化
微粒子懸濁液、前記ガラクトース欠損IgG固定化膜組
み込み反応容器、必要に応じて検体希釈液及び洗浄液
を、任意の測定回数分組み合わせ、抗ガラクトース欠損
IgG抗体検出キットとする。
【0053】〔抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬
の使用法〕前記抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬
を用いて抗ガラクトース欠損IgG抗体の検出を以下の
ように実施する。
【0054】前記反応容器の窓に検体(直接又は検体希
釈液にて希釈したもの)を滴下し、完全に吸収させ、R
CA120固定化微粒子懸濁液を滴下し、吸収させ、肉
眼で膜上に着色の有無を観察する。RCA120固定化
微粒子の着色が認められた場合は抗ガラクトース欠損I
gG抗体が検体中に存在し、陽性であると判定し、着色
が認められなかった場合は存在しないと判定する。尚、
本抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬で使用される
検体(生物学的試料)は、血液(全血)、血清、血漿、
唾液及び関節液である。
【0055】〔反応原理〕前記抗ガラクトース欠損Ig
G抗体検出試薬の使用における反応原理を以下に示す。
【0056】第1反応では、ガラクトース欠損IgG固
定化膜上に検体を滴下し、検体中の抗ガラクトース欠損
IgG抗体が、膜上でガラクトース欠損IgGと抗原抗
体反応を起こし、(膜)−(ガラクトース欠損IgG)
−(抗ガラクトース欠損IgG抗体)複合体を形成す
る。
【0057】第2反応では、該膜にRCA120固定化
微粒子を滴下すると、(膜)−(ガラクトース欠損Ig
G)−(抗ガラクトース欠損IgG抗体)複合体中の抗
ガラクトース欠損IgG抗体分子に存在する糖鎖中のガ
ラクトースとRCA120が結合し、(膜)−(ガラク
トース欠損IgG)−(抗ガラクトース欠損IgG抗体
中のガラクトース)−(RCA120固定化微粒子)複
合体が形成され、微粒子の色が見掛上膜上の着色として
肉眼で確認できるのである。尚、被検出物質である抗ガ
ラクトース欠損IgG抗体は、慢性関節リウマチ患者の
血清中の抗ガラクトース欠損IgG抗体である場合、該
抗体はガラクトースを欠損しているが、すべてのIgG
がガラクトースを完全に欠損しているわけではなく残存
しているものもあるので、RCA120と結合すること
ができる。
【0058】尚、検体中に抗ガラクトース欠損IgG抗
体が存在しないときにはRCA120はガラクトース欠
損IgGとは結合せず、第1反応における複合体が形成
されないためRCA120固定化微粒子は膜を通過し、
着色は確認されない。また、この方法の原理から、着色
の濃さの強弱は検体中の抗ガラクトース欠損IgG抗体
量に応じて変動するため、着色の強度をデンシトメ−タ
−、色差計等で測定することにより検体中の抗ガラクト
ース欠損IgG抗体量の定量も可能である。
【0059】以上のようにして、抗ガラクトース欠損I
gG抗体検出試薬が提供される。この試薬は0.5から
10分以内の短時間、かつ2から4段階の簡単な操作
で、従来の定量法よりも簡便に検体中の抗ガラクトース
欠損IgG抗体を定性的又は半定量的にも検出すること
ができる。
【0060】<3>慢性関節リウマチ(RA)診断試薬 本発明による抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬
は、前記のとおり、検体中の抗ガラクトース欠損IgG
抗体を確実に検出できる。ところで、特開平3−487
00号公報には、抗ガラクトース欠損IgG抗体の定量
法が、正確に慢性関節リウマチの診断を行うことができ
ることが示されている。これらのことから、本発明によ
る抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬を慢性関節リ
ウマチを診断対象として応用すれば、特開平3−487
00号記載の発明の定量法と同様に正確な慢性関節リウ
マチの診断が可能である。
【0061】したがって、本発明による抗ガラクトース
欠損IgG抗体検出試薬は、慢性関節リウマチ(RA)
の診断試薬として使用することができる。この抗ガラク
トース欠損IgG抗体検出試薬を慢性関節リウマチ(R
A)診断試薬として臨床検査に使用すれば、従来の凝集
法はもとより特開平3−48700号記載の発明の定量
法と比較しても、正確、簡便、かつ迅速に慢性関節リウ
マチの診断を行うことが可能であり、慢性関節リウマチ
の診断方法として有用である。
【0062】<4>慢性関節リウマチの検知法 上記慢性関節リウマチの診断薬を用いて、慢性関節リウ
マチを検知することができる。すなわち、本発明の慢性
関節リウマチの検知法は、ガラクトース欠損IgG及び
RCA120の一方が固定化された膜と、他方が固定化
された有色微粒子と、被検者から採取した生物学的試料
とを反応させるステップと、試料中に含まれる抗ガラク
トース欠損IgG抗体とガラクトース欠損IgGとの結
合及びリシナスコミニスアグルチニンIと抗ガラクトー
ス欠損IgG抗体に含まれるガラクトースとの結合を介
して前記膜上に補足された有色微粒子を検出するステッ
プを含むものである。
【0063】次に試験例を示して本発明を詳述する。
【0064】(試験例1)この試験は、本発明の検出試
薬を用いた検出方法(本法)と従来の特開平3−487
00号記載の発明の実施例1〜3に記載の定量法(従来
法)との比較をするために行った。
【0065】(1)試料検体 試料検体として前記慢性関節リウマチ(RA)患者標準
血清[Rheumatoid Factor Control/Calibrator:インタ
−ナショナル・エンザイム社製(INTERNATIONAL ENZYME
S,INC.)カタログNo.7112,7113,711
4,7115,7116,7117]6検体、慢性関節
リウマチ(RA)患者臨床検体8検体、及び健常人血清
3検体の合計17検体を用いた。
【0066】(2)試験方法 1)本発明の検出試薬を用いた検出方法(以下本法と記
載する) 後記実施例1に準じて抗ガラクトース欠損IgG抗体検
出試薬を調製し、これを用いて抗ガラクトース欠損Ig
G抗体を定性的に検出し、反応容器の窓に認められる赤
色スポットの有無により、慢性関節リウマチ(RA)陽
性又は陰性と判定した。
【0067】2)従来法 EIA類似の方法に準じて検体中の抗ガラクトース欠損
IgG抗体を定量した。EIA類似の方法の操作は、予
めガラクトース欠損IgGを固定化しブロッキング処理
を施してあるプラスチック製のマイクロタイターウエル
を用いた。検体を希釈し、その100μlをウエルに加
え、2時間インキュベートする。洗浄後アビジン標識R
CA120を加え、更に1時間インキュベートする。洗
浄後ビオチン標識西洋ワサビペルオキシダーゼを加え1
時間インキュベートし、洗浄後、基質を30分間反応さ
せ発色を行った。マイクロタイターウエル内の発色の濃
度を市販のマイクロプレートリーダー(バイオラッド社
製)を用いて測定した。吸光度に希釈倍率を乗じたもの
を定量測定値とした。定量法による測定値のカットオフ
値を100とし、100未満を慢性関節リウマチ(R
A)陰性、100以上を陽性と判定した。
【0068】前記17検体を用い、前記1)の本法及び
前記2)の従来法により、各検体をそれぞれ試験した。
詳しくは、本法により、慢性関節リウマチ(RA)陽性
又は陰性を各検体について判定した後、つづいて、従来
法により、本法にて慢性関節リウマチ(RA)陽性又は
陰性となった各群毎に、その各検体について、慢性関節
リウマチ(RA)陽性又は陰性を各検体について判定し
た。
【0069】(3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりであり、表1は、
ロバート・エッチ・フレッチャー(Robert H. Fletcher)
ら著(久道茂ら訳)、「臨床のための疫学」の第59ペ
−ジ図3−4(医学書院、1986年)を参考にしてま
とめたものである。本法により慢性関節リウマチ(R
A)陽性と判定された群を第1行に示し、この中で、従
来法によっても陽性と判定された検体数を第1欄に示す
とともに、従来法によって陰性と判定された検体数を第
2欄に示した。同様に、本法により慢性関節リウマチ
(RA)陰性と判定された群を第2行に示し、この中
で、従来法によって陽性と判定された検体数を第1欄に
示すとともに、従来法によっても陰性と判定された検体
数を第2欄に示した。さらに、本法による慢性関節リウ
マチ(RA)の判定結果の合計を第3欄にまとめて示す
とともに、従来法による慢性関節リウマチ(RA)の判
定結果の合計を第3行にまとめて示した。
【0070】表1から明らかなように、前記1)の本法
及び前記2)の従来法について、慢性関節リウマチ(R
A)陽性又は陰性の判定結果を比較した結果、本法によ
り慢性関節リウマチ(RA)陽性のものは、そのまま従
来法によっても陽性であり、本法により陰性のものは、
そのまま従来法によっても陰性であって、その判定結果
の一致率は100%であった。
【0071】前記2)の従来法では、操作が繁雑で4時
間半も要したが、本発明の検出試薬を用いた検出方法
(本法)による抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬
の操作段階数は検体滴下及びRCA120固定化微粒子
懸濁液の滴下のみの2段階であって操作が簡便あり、検
体の滴下から判定までに要した時間は2分と迅速であっ
た。
【0072】この結果から、本発明の抗ガラクトース欠
損IgG抗体検出試薬を使用した慢性関節リウマチ(R
A)陽性又は陰性の判定が、従来の定量法と良く一致し
たことから、本発明の試薬は、ヒト血清中の抗ガラクト
ース欠損IgG抗体を正確、かつ迅速に検出することが
明らかである。従って、慢性関節リウマチ(RA)の診
断、を正確、簡便、かつ迅速に実施できることが判明し
た。
【0073】
【表1】
【0074】
【実施例】次に実施例を示して本発明をさらに詳細かつ
具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるも
のではない。
【0075】
【実施例1】RCA120を用いたフロースルー法用の
抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬及びこれを用い
た検出方法の例 <1>ガラクトース欠損IgGの調製 公知の方法(特開平3−48700号公報)により次の
とおり調製した。
【0076】ヒトIgGタンパク10mg/mlを0.
1M酢酸バッファー(pH5.0)中でシアリダーゼ処
理(500mU/ml)し、0.1Mクエン酸−リン酸
バッファー(pH7.0)を加え、β−ガラクトシダー
ゼ(100mU/ml)で処理した。これらの酵素処理
後、該酵素処理溶液量の10倍量のグリシンバッファー
(1.5Mグリシン−塩酸、3M塩化ナトリウム、pH
8.9。以下、結合バッファーと略記することがある)
を加え、酵素処理溶液中に含まれているBSA、シアリ
ダーゼ、β−ガラクトシダーゼ等を除去する目的で、Pr
otein A −Sepharose CL−4Bを用いて該酵素処理溶液中
からガラクトース欠損IgGを精製した。即ち、予め結
合バッファーで平衡化しておいたProtein A −Sepharos
e CL−4B(1×7.8cm)に該酵素処理試料を添加し、十分に
カラムを結合バッファーで洗浄し、その後、0.1Mグ
リシン−塩酸(pH3.0)によりガラクトース欠損I
gGを回収した。尚、回収の際には、ガラクトース欠損
IgGをpH3.0の状態に長時間放置するのを回避す
るために分画容量と同量の結合バッファーを、予め、ガ
ラクトース欠損IgG回収用のフラクションチュ−ブに
入れた。回収後、ガラクトース欠損IgGはリン酸バッ
ファー(10mMリン酸塩、0.15M塩化ナトリウ
ム、pH7.2)に対して十分透析した。
【0077】<2>ガラクトース欠損IgG固定化膜の
調製法 前記<1>で調製したガラクトース欠損IgG(5mg
/ml)を孔径3μmのニトロセルロース膜( アドバン
テック社製) にマイクロピペットを用いて1μg点着し
て固定した。十分に乾燥させ、のち非特異的な吸着を避
けるためにブロッキングバッファー(50mMトリス−
塩酸、0.15M塩化ナトリウム、0.1%BSA(w
/w)、pH8.0。以下単にブロッキングバッファー
と記載する)でブロッキングを行い、十分に乾燥させて
ガラクトース欠損IgG固定化膜を得た。
【0078】<3>RCA120固定化微粒子の調製法 RCA120(2.5mg/ml、ホーネンコーポレー
ション社製)をトリスバッファー(50mMトリス−塩
酸、pH8.0)で1mg/mlの濃度に希釈した。こ
の溶液0.9mlに、粒径0.3μmの赤色カルボキシ
ル化ラテックス(固形分濃度10%、日本合成ゴム社
製) を100μl加え、45℃で60分間攪拌し、遠心
分離(8000rpmで30分間) し、沈渣に1mlの
前記トリスバッファーを加えて分散させ、再び遠心分離
(8000rpmで30分間) し、沈渣を200mlの
0.1%のBSA、0.15M塩化ナトリウム及び0.
02%アジ化ナトリウムを含むトリスバッファー(50
mMトリス−塩酸、pH8.0)に分散させ、RCA1
20固定化微粒子懸濁液を得た。
【0079】<4>反応容器の組み立て 試薬滴下部分に窓のあいたプラスチック容器に適当な大
きさに切り出した脱脂綿を組み入れ、そこに1cm四方
に切断した濾紙No.6(アドバンテック社製)を載置
し、その上に1cm四方に切断した前記ガラクトース欠
損IgG固定化膜を、ガラクトース欠損IgG点着部分
を容器の窓に配置し、固定し、反応容器を得た。
【0080】<5>抗ガラクトース欠損IgG抗体検出
試薬の組み立て 前記RCA120固定化微粒子懸濁液、及び前記ガラク
トース欠損IgG固定化膜組み込み反応容器を組み合わ
せて抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬を得た。
【0081】<6>抗ガラクトース欠損IgG抗体検出
試薬を用いた検出方法(フロースルー法)の実施 健常人及びRA患者標準血清[Rheumatoid Factor Cont
rol/Calibrator:インタ−ナショナル・エンザイム社製
(INTERNATIONAL ENZYMES,INC.)カタログNo.711
2]を各100μlマイクロピペットで採取し、それぞ
れ前記抗ガラクトース欠損IgG抗体検出試薬の反応容
器の窓に滴下した。完全に吸収させ、直ちに前記抗ガラ
クトース欠損IgG抗体検出試薬のRCA120固定化
微粒子懸濁液200μlをそれぞれの反応容器に滴下
し、吸収後肉眼で着色の有無を確認した。その結果、健
常人血清を滴下した反応容器の窓では、白色のニトロセ
ルロース膜の色が何等変わること無く、着色は認められ
ず陰性と判定された。
【0082】一方、RA標準血清を滴下した反応容器の
窓には、赤色のスポットが、明瞭に認められ、陽性と判
定された。操作は、検体滴下及びRCA120固定化微
粒子懸濁液の滴下の2段階であり、極めて簡便であっ
た。また、検体の滴下から判定までに要した時間は2分
であり、迅速であった。
【0083】以上のとおり、本発明により、RCA12
0を用いたフロースルー法用の抗ガラクトース欠損Ig
G抗体検出試薬が提供される。
【0084】
【実施例2】RCA120を用いたイムノクロマト法用
のサイログロブリン検出試薬及びこれを用いた検出方法
の例 <1>ガラクトース欠損抗サイログロブリンモノクロー
ナル抗体の調製法 前記実施例1の<1>の方法に準じて、ヒトIgGタン
パクを1/10量の抗サイログロブリンモノクローナル
抗体に置き換えて処理を行った。即ち、抗サイログロブ
リンモノクローナル抗体[Anti Thyroglobulin(Mono):
バイオメダ製]の1mgをシアリダーゼ及びβ−ガラク
トシダーゼで処理し、ガラクトース欠損抗サイログロブ
リンモノクローナル抗体を調製した。
【0085】<2>ガラクトース欠損抗サイログロブリ
ンモノクローナル抗体固定化金コロイドの調製法 金コロイド(Gold colloid,Em GC 10 :バイオセル社
製)をトリスバッファー(50mMトリス−塩酸、pH
8.0)で希釈し、540nmにおける光路長1cmの
吸光度を1.0に調整した液20mlに、前記<1>で
調製したガラクトース欠損抗サイログロブリンモノクロ
ーナル抗体0.9mgを混合し45℃で60分間撹拌し
た。これを50,000gで20分間遠心分離し、上清
を注意深く除去し、赤紫色のペレット状の沈渣を、20
mlの前記トリスバッファーに分散させた。更に、この
分散液を同じ条件で遠心分離し、沈渣を5mlの0.1
%BSA及び10%ショ糖を含む前記トリスバッファー
で再分散し、ガラクトース欠損抗サイログロブリンモノ
クローナル抗体固定化金コロイド懸濁液を得た。
【0086】<3>試験紙片の調製法 孔径3μmのニトロセルロース膜(アドバンテック社
製)を幅0.5cm、長さ6cmの短冊状に切断し、短
冊の端から1cmの位置にRCA120(2.5mg/
ml、ホーネンコーポレーション社製)をマイクロピペ
ットを用いて1μg点着し、風乾させた。のち非特異的
な吸着の影響を避けるためにブロッキングバッファーに
短冊を浸漬した。十分に乾燥させた短冊のRCA120
塗布部分とは逆の端から1cmの位置に30%ショ糖を
含む前記トリスバッファーを200μl点着し、乾燥さ
せた。ショ糖塗布部分の上から、ガラクトース欠損抗サ
イログロブリンモノクローナル抗体固定化金コロイド懸
濁液を50μl点着し、風乾させ試験紙片を得た。
【0087】<4>サイログロブリン検出試薬の組み立
て セルロイドの板を幅0.5cm、長さ6cmの短冊状に
切断し、前記試験紙片を重ねあわせて接着剤あるいは両
面テ−プを用いて接着する。さらに、金コロイドを塗布
した側の末端に幅0.5cm、長さ2cmに切断した濾
紙を検体保持用の吸収パッドとして接着し、サイログロ
ブリン検出試薬を得た。
【0088】<5>サイログロブリン検出試薬を用いた
検出方法(イムノクロマト法)の実施 サイログロブリン(Thyroglobulin, Human:ケミコン社
製)を前記トリスバッファーで希釈して1μg/mlに調整
したサイログロブリン溶液及び前記トリスバッファーを
検体として、サイログロブリン検出試薬の吸収パッドを
検体に直接浸漬し、十分に検体が吸収されたことを確認
し、のちサイログロブリン検出試薬を水平に保ち静置し
た。検体がペーパークロマト法と同様の現象により展開
し始め、これとともに乾燥状態のガラクトース欠損抗サ
イログロブリンモノクローナル抗体固定化金コロイドも
展開し、展開流がRCA120塗布部分に到達したと
き、トリスバッファーを検体としたものでは着色は見ら
れず、金コロイドは通過してしまうが、サイログロブリ
ン溶液を検体としてものでは、赤紫色の着色が認められ
た。操作は、検体に吸収パッドを浸漬する1段階と簡便
であり、判定までに要した時間は4分程度と簡便、かつ
迅速にサイログロブリンを検出することができた。
【0089】以上のとおり、本発明により、RCA12
0を用いたイムノクロマト法用のサイログロブリン検出
試薬が提供される。
【0090】
【発明の効果】本発明によって奏せられる効果は次のと
おりである。 (1)被検出物質を正確にかつ簡便、迅速に検出するこ
とができる検出方法に用いる検出試薬が提供される。 (2)ヒト体液中の抗ガラクトース欠損IgG抗体、又
はガラクトース及び/又はβ−N−アセチルガラクトサ
ミンを末端に含有する糖鎖を有する糖タンパク質を、従
来の定量法と比較して迅速にかつ簡便に検出する検出試
薬が提供される。 (3)慢性関節リウマチの診断を正確にかつ簡便、迅速
に行える診断試薬が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 義次 神奈川県座間市東原5丁目1番83号 森永 乳業株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 山田 雄二 茨城県つくば市梅園2−16−1 ルンビー ニ梅園503

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラクトース及び/又はβ−N−アセチ
    ルガラクトサミンを末端に含有する糖鎖を有する被検出
    物質を検出するための検出試薬であって、第一の反応性
    物質が固定化された膜と、第二の反応性物質が固定化さ
    れた微粒子とを含み、反応性物質の一方がリシナスコミ
    ニスアグルチニンIであり、反応性物質の他方が前記被
    検出物質に特異的に結合しガラクトース及びβ−N−ア
    セチルガラクトサミンを末端に含有する糖鎖を有しない
    反応性物質である検出試薬。
  2. 【請求項2】 被検出物質が抗ガラクトース欠損IgG
    抗体であり、ガラクトース及びβ−N−アセチルガラク
    トサミンを末端に含有する糖鎖を有しない反応性物質が
    ガラクトース欠損IgGである請求項1記載の検出試
    薬。
  3. 【請求項3】 抗ガラクトース欠損IgG抗体を検出す
    るための検出試薬であって、この検出試薬は膜と微粒子
    とを含み、膜と微粒子の一方にはリシナスコミニスアグ
    ルチニンIが固定化され、他方にはガラクトース欠損I
    gGが固定化された、検出試薬。
  4. 【請求項4】 膜に抗ガラクトース欠損IgGが固定化
    され、微粒子にリシナスコミニスアグルチニンIが固定
    化された請求項3記載の検出試薬。
  5. 【請求項5】 被検出物質がサイログロブリンであり、
    ガラクトース及びβ−N−アセチルガラクトサミンを末
    端に含有する糖鎖を有しない反応性物質がガラクトース
    欠損抗サイログロブリン抗体である請求項1記載の検出
    試薬。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4記載の検出試薬からなる
    慢性関節リウマチの診断薬。
  7. 【請求項7】 ガラクトース欠損IgG及びリシナスコ
    ミニスアグルチニンIの一方が固定化された膜と、他方
    が固定化された有色微粒子と、被検者から採取した生物
    学的試料とを反応させるステップと、 試料中に含まれる抗ガラクトース欠損IgG抗体とガラ
    クトース欠損IgGとの結合及びリシナスコミニスアグ
    ルチニンIと抗ガラクトース欠損IgG抗体に含まれる
    ガラクトースとの結合を介して前記膜上に補足された有
    色微粒子を検出するステップを含む、慢性関節リウマチ
    の検知法。
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