JP2012189346A - 吸収パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、試料液の吸収速度に優れ、検査キットに添加された試料液を遅滞なく吸収することができるとともに、試料液の保持力に優れ、規定された反応時間が経過した後もクロマトグラフ媒体に試料液が逆流することを防止することができる、イムノクロマト法による検査キットのための吸収パッドを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有してなる吸収性コアを含む吸収パッドに関する。また、本発明は、当該吸収パッドを構成部材として有するイムノクロマト法検査キットに関する。
【選択図】 なし

Description

本発明はイムノクロマト法による検査キットの構成部材として用いられる吸収パッド、及びそれを用いたイムノクロマト法検査キットに関するものである。
近年、医療情勢の変化とともにPOCT(Point of care testing:臨床現場即時検査)の注目度が増している。POCTとは、被験者の傍らで医療従事者又は被験者自らが行う検査であり、検査時間を短縮できるだけでなく、検査結果を被験者が直接確認することができるという利点を有する検査である。これらの利点を活かして、POCTは、病院の外来や病棟で実施されるのみならず診療所や在宅医療の現場でも着実に普及している。
一般にPOCTは、病院の中央検査室や外注検査センターで用いられる検査とは異なり、診療所や在宅医療で行われる検査であるため、検査そのものの知識が充分ではなく測定について習熟していない者が取扱うことが多い。そのために、POCT用の検査試薬には、誰もが簡単な説明を受けただけで確実な検査結果が出せるような簡便な操作性が求められている。
しかし、操作をできる限り簡便なものとしても、実際には、用いる検査試料の量が不適切であったり、規定された時間で判定を行わなかったりといった初歩的ではあるが判定結果に大きな影響を与える誤った操作が行われるという問題も生じている。そこで、POCT用の検査試薬は、操作が簡便であることに加え、誤った操作をしても判定結果に影響を与えない、あるいはその影響ができる限り小さなものとなるような設計としておくことも要求されている。
POCTのための簡易迅速診断試薬としては、イムノクロマト法の測定原理を利用した検査キットが広く用いられている。
イムノクロマト法による検査キットは、主としてクロマトグラフ媒体、試料添加部(サンプルパッド)、標識試薬保持部(コンジュゲートパッド)、及び吸収部(吸収パッド)などで構成されており、必要に応じて、これらの部材が基材(バッキングシート)に貼り付けられ、ハウジング部材に収められている。ニトロセルロースなどからなるクロマトグラフ媒体は、液体試料の展開部としての機能を有するとともに、検査結果の判定部としての機能も有する。クロマトグラフ媒体の長手方向の一端には、試料添加部(サンプルパッド)及び標識試薬が含有された標識試薬保持部(コンジュゲートパッド)が通液可能に設置され、反対側の端部には過剰な試料液を吸収するための吸収部(吸収パッド)が設けられている。
イムノクロマト法の検査キットによる検査は、少量(25〜200μl)の試料液を試料添加部に添加することにより行われる。添加された試料液は、標識試薬保持部を通過し、クロマトグラフ媒体中を毛細管現象により長手方向に移動し、判定部を通って、吸収パッドに吸収される。試料液中の被検出物質は、抗原−抗体反応を利用して、標識試薬保持部を通過する際に金コロイドなどの有色の標識物質と複合体を形成した後、クロマトグラフ媒体上の判定部に捕捉される。イムノクロマト法による検査では、規定された反応時間(10〜15分間)の間にクロマトグラフ媒体の判定部に捕捉された被検出物質の量を、標識物質に由来する着色の強度を指標として目視により判定する。
しかしながら、規定された反応時間を守らず、反応時間終了後も検査キットを放置した場合には、吸収パッドにいったん吸収された試料液がクロマトグラフ媒体に逆流し、判定結果に大きな影響を与えることとなり、判定を誤らせる原因となっていた。例えば、試料液が多量にクロマトグラフ媒体へと逆流することで判定部に現れた陽性シグナルを滲ませ判定を困難なものとしたり、有色の標識試薬が逆流することによりクロマトグラフ媒体全体に広がりバックグラウンドのシグナルが上昇し、S/N比が低下したりするといった問題が生じていた。また、標識物質と複合体を形成した被検出物質が再度判定部を通過することで、余分な被検出物質が追加で捕捉され、本来ならば陰性と判定されるべき検査試料が陽性と判定されてしまうという偽陽性の問題も生じていた。
従来、イムノクロマト法の検査キットに用いられる吸収パットには、セルロース繊維、ガラス繊維、パルプなどの繊維からなる綿、不織布、ろ紙などが用いられてきた。しかしながら、これらの素材のみで構成される吸収パッドは、検査キットに添加された試料液を単に毛細管現象で吸収するだけの機能しか有しておらず、いったん吸収した液体試料を保持する力に欠けるという欠点があった。そのため、反応時間が終了した後も検査キットを放置した場合には、試料液の逆流を防止することは困難であった。
試料液の逆流を防止して、反応時間が終了した後に長時間放置したとしても、時間に関係なく正確な判定を行うことが可能なイムノクロマト法の検査キットを提供するために、吸収部材から試料液が蒸散できるようにハウジング部材に開口部を設けることも提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、生体に由来する液体試料には病原性ウイルスなどが含まれている可能性もあり、ハウジング部材に開口部を設けた場合にはそこから液体試料が流出し、検査キットの取扱い者が病原性ウイルスなどにより汚染されてしまうという可能性もあった。
吸収パッドからの試料液の逆流を防止するために、従来吸収パッドの構成部材として用いられてきたガラス繊維、セルロース繊維、パルプなどの繊維に代えて、高吸水性繊維を用いて吸収パッドを構成することも試みられている(特許文献2参照)。しかしながら、高吸水性繊維を含む吸収パッドは、試料液の吸収速度が遅く、規定された反応時間(10〜15分間)内に試料液が十分に吸収パッドに吸収されず、クロマトグラフ媒体上に残存した過剰な液体試料により判定部に現れる陽性シグナルが滲んだり、有色の標識物質が十分に回収されないためにバックグラウンドシグナルが上昇したりするという問題を有していた。また、限られた容積のハウジング部材の中で液体試料の吸収により高吸水性繊維が膨潤すると吸収性能が十分に発揮されないため、吸収パッドを製造する際には高吸水性繊維とともに膨潤を抑制するための熱融着性繊維を用いる必要があり、繊維どうしの融着により吸収パッド全体の吸収性能が低下するとともにコストがかかるという問題も有していた。
特開2002−116206号公報 特開2009−63482号公報
本発明は、試料液の吸収速度に優れ、検査キットに添加された試料液を遅滞なく吸収することができるとともに、試料液の保持力に優れ、規定された反応時間が経過した後もクロマトグラフ媒体に試料液が逆流することを防止することができる、イムノクロマト法による検査キットのための吸収パッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、イムノクロマト法による検査キットを構成する吸収パッドが、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有した構造を有していると、試料液の吸収速度及び保持力に優れ、クロマトグラフ媒体に試料液が逆流することを防止することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有してなる吸収性コアを含むことを特徴とする、イムノクロマト法による検査キットの吸収パッドに関する。また、本発明は、当該吸収パッドを構成部材として有するイムノクロマト法による検査キットに関する。
より詳細には、本発明は、以下の(1)〜(10)に関する。
(1)イムノクロマト法による検査キットの構成部材として用いられる吸収パッドであって、当該吸収パッドが、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有してなる吸収性コアを含むことを特徴とする、吸収パッド。
(2)吸収パッドが、さらに吸水性の表面シートを含み、吸収性コアが当該表面シートに挟まれた構造である、(1)に記載の吸収パッド。
(3)吸収パッド全体の親水性繊維及び高吸水性ポリマー粒子の比率が、親水性繊維が65〜85重量%であり、高吸水性ポリマー粒子が35〜15重量%である、(1)又は(2)に記載の吸収パッド。
(4)吸収性コアにおける、親水性繊維の坪量が100〜300g/mである、(1)〜(3)のいずれかに記載の吸収パッド。
(5)親水性繊維がセルロース繊維である、(1)〜(4)のいずれかに記載の吸収パッド。
(6)親水性繊維がパルプである、(1)〜(5)のいずれかに記載の吸収パッド。
(7)高吸水性ポリマー粒子が、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体からなる、(1)〜(6)のいずれかに記載の吸収パッド。
(8)高吸水性ポリマー粒子の平均粒径が、100〜700μmである、(1)〜(7)のいずれかに記載の吸収パッド。
(9)高吸水性ポリマー粒子の0.9重量%生理食塩水に対する吸水能が、少なくとも20g/gである、(1)〜(8)のいずれかに記載の吸収パッド。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の吸収パッドを含む、イムノクロマト法による検査キット。
本発明によれば、イムノクロマト法による検査キットを用いた検査において、規定された時間に判定を行うことができなかった場合であっても、吸収パッドが試料液の逆流を防止できるので、判定部に現れる陽性シグナルが影響を受けることがなく、バックグラウンドシグナルの上昇も抑制され、正確な判定を行うことが可能となる。
本発明の吸収パッドは、絡まり合った親水性繊維の間を試料液が毛細管現象により浸透していくことで試料液を迅速に吸収することができ、さらに、高吸水性ポリマー粒子が親水性繊維の間に浸透した試料液を速やかに吸収するので、試料液を逆流させることなく保持することが可能である。そして、高吸水性ポリマー粒子による吸収により親水性繊維の間は乾燥し、さらなる吸収が可能となる。このために本発明の吸収パッドは、吸水速度、吸水量、及び吸水された水分の保持能において格段の特性を有するものとなる。
また、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有してなる吸収性コアにおける、高吸水性ポリマー粒子の分散状態を調節することができ、吸収パッド全体の吸収性能の低下を抑制することもできる。さらに、本発明の親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有してなる吸収性コアは、親水性繊維と粒子状の高吸水性ポリマー粒子を混合して分散させ、これを圧縮することにより簡単に製造することができる。
図1は、本発明の吸収パッドを有するイムノクロマト法による検査キットの好ましい態様の1つを示す断面図である。 図2は、本発明の吸収パッドを有するイムノクロマト法による検査キットの好ましい態様の1つを示す断面図である。
本発明について以下に詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の吸収パッドの一実施態様であるイムノクロマト法による検査キットの構造を示す。本発明において、イムノクロマト法による検査キットは、クロマトグラフ媒体、サンプルパッド、コンジュゲーションパッド及び吸収パッドなどを含んで構成される。
本発明の吸収パッドは、サンプルパッドに添加され、コンジュゲーションパッドを通過し、クロマトグラフ媒体を移動してきた試料液を吸収し保持することを目的とし、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有してなる吸収性コアを有して構成される。
本発明で用いられる親水性繊維としては、親水性で繊維状であれば特に制限はなく、例えば、パルプ、コットンリンター、架橋セルロース繊維などのセルロース繊維、レーヨン、アセテート、綿、羊毛、ガラス繊維等が例示でき、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることもできる。試料液の吸水速度の点から、パルプ、コットンリンター、架橋セルロース繊維などのセルロース繊維が好ましく、繊維長が短くパッドの製造が容易となることから、特にパルプが好ましい。
本発明で用いられる高吸水性ポリマーとしては、公知のものを用いることができ、ポリアクリル酸塩架橋体、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体架橋体、でん粉−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋体及びポリビニルアルコール−ポリ無水マレイン酸塩グラフト共重合体架橋体のようなカルボキシル基又はその塩を有する高分子化合物の部分架橋体や、カルボキシメチルセルロース塩架橋体のような多糖類の部分架橋体が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。特に、吸水性能の点から、ポリアクリル酸塩架橋体又はでん粉−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋体を用いることが好ましく、より好ましくはポリアクリル酸ナトリウム架橋体を用いることができる。
高吸水性ポリマーの形状は、不定形破砕状、葡萄の房状、球状などの粒子状が、吸水後の形態安定性や吸水速度の点で好ましい。高吸水性ポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは100〜700μm、より好ましくは150〜600μm、さらに好ましくは170〜420μmである。高吸水性ポリマー粒子の粒径が小さすぎると親水性繊維が絡まり合った網状構造の中に保持されにくく、本発明の吸水パッドから高吸水性ポリマー粒子が漏れる原因となる。高吸水性ポリマー粒子の平均粒径は、例えば、JIS Z8801−1 2006に準じた標準ふるいを用いてふるい分け試験を行うことにより測定することもできるし、光学顕微鏡により撮影した写真を用いて無作為に200個の粒子を選びその面積円相当径を計測しそれらの平均値から算出することもできる。
また、高吸水性ポリマー粒子は、上記の平均粒径を有していることに加えて、その表面に凹凸の形状を有していることが好ましい。高吸水性ポリマー粒子が、その表面に凹凸の形状を有していることによって、親水性繊維に引っ掛かりやすく、親水性繊維からなる網状構造の中に保持され易くなるからである。また、相対的に表面積が大きくなり、試料液を吸収する速度を向上させることも可能となる。高吸水性ポリマー粒子の表面形状の指標となるかさ比重は、例えば、JIS K6219−2 2005に準じて測定することができ、好ましくは0.40〜0.90g/ml、より好ましくは0.50〜0.80g/mlである。
本発明で用いられる高吸水性ポリマー粒子の吸水能は、0.9重量%の生理食塩水に対して、20g/g以上であることが好ましく、より好ましくは30g/g以上であり、さらに好ましくは40g/g以上である。高吸水性ポリマー粒子の吸水能が高いほど、用いられる高吸水性ポリマー粒子の量を減らすことができ、親水性繊維の絡み合いがより強固となり、本発明の吸収パッドの取扱い性が高まるので好ましい。高吸水性ポリマー粒子の吸水能は、1.0gの高吸水性ポリマー粒子を0.9重量%の生理食塩水1Lに1時間浸漬し、15分間の水切りをしてから850rpmで90秒間遠心分離した後の重量によって表される。
また、高吸水性ポリマー粒子の吸水速度は、Vortex法による吸水速度が20秒以下であることが好ましく、より好ましくは10秒以下である。Vortex法による吸水速度は、2.0gの高吸水性ポリマー粒子が0.9重量%の生理食塩水50mlを吸水するのに要する時間で表わされる。高吸水性ポリマー粒子の吸水速度が速いほど、遅滞なく試料液が吸収されるので、判定部に現れる陽性シグナルが明瞭なものとなる。
本発明の吸収パッドは、親水性繊維及び高吸水性ポリマー粒子を含有してなる吸収性コアを含んで構成される。
本発明の吸収性コアは、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子が分散された状態の構造とすることもできる。例えば、本発明の吸収性コアは、親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子を混合し分散させた後、シート状に成形することで親水性繊維全体に高吸水性ポリマー粒子が分散された混合状態の構造とすることもできる。また、親水性繊維からなる層の間に高吸水性ポリマー粒子を平面状に分散させたサンドイッチ状の構造とすることもできる。さらに、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子が分散された層の上下に、さらに親水性繊維からなる層を設けて、親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子の混合・分散層を存在させた三層構造とすることもできる。また、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子が分散された層と親水性繊維からなる層とを複数積層させた積層体とすることもできる。さらに、親水性繊維中に分散量や分散状態が異なる高吸水性ポリマー粒子が分散された層と親水性繊維からなる層を複数積層させた積層体とすることもできる。
本発明の吸収パッドとクロマトグラフ媒体の接触面において、クロマトグラフ媒体から吸収される試料液は、高吸水性ポリマー粒子によって吸収されるのみならず、絡まり合った親水性繊維の間を毛細管現象により浸透していくことで迅速に吸収される。親水性繊維の間に浸透した試料液は、高吸水性ポリマー粒子により速やかに吸収され保持される。高吸水性ポリマー粒子による吸収により親水性繊維の間は乾燥し、さらなる吸収が可能となる。このために本発明の吸収パッドは、吸水速度、吸水量、及び吸水された水分の保持能において格段の特性を有するものとなる。
高吸水性ポリマー粒子どうしが接触していると互いの膨潤を妨げたり、ゲルブロックを形成して親水性繊維による吸収を妨げたりするので、本発明の吸収パッドにおいては、高吸水性ポリマー粒子が相互に離間された状態で親水性繊維中に分散保持されるのが好ましい。
本発明の吸収パッドに含まれる吸収性コアにおいて、親水性繊維の坪量は、100〜300g/mの範囲であることが好ましく、より好ましくは140〜300g/m、さらに好ましくは140〜250g/mの範囲である。
さらに、本発明の吸収パッドは、親水性繊維及び高吸水性ポリマー粒子からなる吸収性コアが吸水性の表面シートで被覆された構造を有していてもよいし、シート状の吸収性コアが表面シートに挟まれた構造であってもよい。本発明の吸収パッドが表面シートを有していると、吸収性コアからの高吸水性ポリマー粒子の漏れが防止でき、取扱い性も向上する。
また、本発明の吸収パッドが、図2に示すようにクロマトグラフ媒体と一部のみ重なりあって通液可能に積層される場合には、吸収性コアとクロマトグラフ媒体又は基材の間に表面シートが存在する態様であることがより好ましい。吸水性の表面シートは、高吸水性ポリマー粒子を含む親水性繊維の層に比べて吸水速度が速いため、本発明の吸収パッドが表面シートを有していると、吸収パッド全体に試料液が浸透しやすく、高吸水性ポリマー粒子を含む吸収性コアの吸水効率が高まるからである。
本発明の表面シートとしては、親水性繊維、特にパルプからなる不織布を用いることもできるが、吸水性の高い紙、例えばティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの衛生用紙の原紙を好ましく用いることができる。特に、湿潤紙力増強剤が添加されたティシュペーパー原紙は、試料液の吸収後も一定の強度を有していることから好ましい。表面シートの密度は、高吸水性ポリマー粒子の漏れが防止できる範囲であれば特に制限されないが、例えば表面シートとしてティシュペーパー原紙を用いる場合、その坪量は5〜15g/mの範囲である。
本発明の吸収パッドにおける親水性繊維及び高吸水性ポリマー粒子の混合比率は、親水性繊維が65〜85重量%であり高吸水性ポリマー粒子が35〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは親水性繊維が70〜80重量%であり高吸水性ポリマー粒子が30〜20重量%である。高吸水性ポリマー粒子の含有量が50重量%を超えると、吸収パッドが試料液を吸収する速度が低下し、判定部に現れる陽性シグナルの滲みや、標識物質がクロマトグラフ媒体上に残留することによるバックグラウンドシグナルの上昇の原因となる。また、親水性繊維どうしの絡み合いが阻害され、吸収パッドの取扱い性が低下する。高吸水性ポリマー粒子の含有量が10重量%より少ない場合には、試料液の保持力が低下し、検査キットを放置した場合の試料液の逆流を防止することが困難となる。
本発明の吸収パッドは、公知の手法に基づいて製造することができる。本発明の吸収パッドに含まれる吸収性コアは、必要に応じて、親水性繊維どうし又は親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子の一部分又は全部を接着などの方法により固着させてもよい。接着のための接着剤として、公知のバインダー樹脂を用いることができる。本発明の吸収性コアは、例えば、エアレイド方式によって親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子を空気中に分散させてウェブを形成した後、必要に応じて水系接着剤をスプレーし乾燥することにより、高吸水性ポリマー粒子を含む不織布として得ることができる。得られた不織布を圧縮することにより、所望の密度と厚みを有した吸収パッドを得ることができる。
本発明の吸収性コアが、親水性繊維からなる層と親水性繊維と高吸水性ポリマー粒子の混合物の層を積層した構造である場合には、それぞれの層を公知の手法を用いて不織布として得た後、接着やエンボス加工などの公知の方法を用いて接合させることにより製造することができる。
本発明の吸収パッドの厚さは、1.2mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下である。
さらに、本発明の吸収パッドが表面シートを有した構造である場合には、表面シート、親水性繊維及び高吸水性ポリマー粒子からなる吸収性コア、表面シートの順に重ね、加熱圧着することで、本発明の吸収パッドを得ることができる。加熱圧着の際には、必要に応じて公知の接着剤を用いることができる。吸収性コアを構成する親水性繊維及び高吸水性ポリマー粒子を予め固着してからさらに表面シートで被覆することもできるが、表面シートの上に親水性繊維及び高吸水性ポリマー粒子を分散させ、さらに表面シートを重ねて、全てを一度に固着することもできる。吸収性コアと表面シートを接着する際には、吸収パッド全体を均一に加圧し接着させることもできるが、吸水性能を高めるためエンボス加工などにより部分的に接着させることが好ましい。
本発明の吸収パッドは、イムノクロマト法による検査キットの構成部材として用いることができる。本発明において、イムノクロマト法検査キットのその他の構成部材、例えばクロマトグラフ媒体、サンプルパッド、コンジュゲーションパッド及びハウジング部材等は、公知のものを用いることができ、何ら限定されるものではない。本発明の吸収パッドは、図1に示すように、その全体がクロマトグラフ媒体に重なるよう通液可能に配置することもできるし、図2に示すように、一部のみが重なり合うよう配置することもできる。
本発明の吸収パッドを有するイムノクロマト法検査キットを用いて検出することのできる被検出物質としては、抗原−抗体反応を利用して、標識物質との複合体を形成することができ、かつクロマトグラフ媒体上の判定部に捕捉可能なものであれば特に限定されない。具体的な被検出物質としては、例えば、癌胎児性抗原(CEA)、HER2タンパク、前立腺特異抗原(PSA)、CA19−9、α−フェトプロテイン(AFP)、免疫抑制酸性タンパク(IPA)、CA15−3、CA125、エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター、便潜血、トロポニンI、トロポニンT、CK−MB、CRP、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、梅毒抗体、インフルエンザウイルス、クラミジア抗原、A群β溶連菌抗原、HBs抗体、HBs抗原、ロタウイルス、アデノウイルス、アルブミン、糖化アルブミン、及び、花粉、ダニ、室内塵、食品などのアレルゲン、アレルゲン特異的IgE等が挙げられる。
上記被検出物質を含む試料としては、例えば、生体試料、すなわち、全血、血清、血漿、尿、唾液、鼻汁、鼻腔又は咽頭拭い液及び便からの抽出液等の他、食品等の抽出液等の液体試料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のイムノクロマト法による検査キットを用いた検査は、サンプルパッドに上記試料液を添加することにより行われる。試料液は、必要に応じて公知の展開液、例えば生理食塩水、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液等で希釈されて検査に供される。サンプルパッドに添加され、クロマトグラフ媒体を移動し、最終的に吸収パッドに吸収される試料液の量は、サンプルパッドが一時的に保持できる保水量にも依存するが、25〜500μlであることが好ましく、より好ましくは25〜200μlであり、さらに好ましくは25〜100μlである。
サンプルパッドに添加された試料液は、コンジュゲーションパッドを通過して、クロマトグラフ媒体に達する。コンジュゲーションパッドは、被検出物質に特異的に結合する抗体に標識物質が結合(コンジュゲート)した標識抗体を含有している。本発明に用いられる標識物質としては、公知の標識物質を用いることができ、例えば、アルカリフホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシターゼ、β−ガラクトシダーゼ等の酵素、及び、コロイド状金粒子、ラテックス粒子等の有色の不溶性担体が挙げられる。
コンジュゲーションパッドには被検出物質に対して過剰な標識抗体が含まれており、これらの標識抗体はコンジュゲーションパッドを通過する試料液中に溶解し、クロマトグラフ媒体を移動して、吸収パッドに吸収される。本発明の吸収パッドが試料液を吸収すると、そこに含有される高吸水性ポリマー粒子が膨潤しゲル化する。本発明の吸収パッドを有する検査キットの標識物質として不溶性担体が用いられた場合には、高吸水性ポリマーが有する吸水性能により試料液の逆流が阻害されるのみならず、ゲル化した高吸水性ポリマーにより吸収パッド内に収容された不溶性担体の移動が抑制されるので、いったん吸収された標識物質がクロマトグラフ媒体へ逆戻りしにくくなる。逆戻りした標識物質によるバックグラウンドシグナルの上昇をより効率的に抑制できるという点から、本発明の吸収パッドは、不溶性担体を標識物質に用いたイムノクロマト法検査キットに用いられるのが好ましい。特に、ゲル化した高吸水性ポリマーはコロイド状金粒子との親和性が高く、コロイド状金粒子の逆戻りをより効率的に抑制できることから、本発明の吸収パッドは、コロイド状金粒子を標識物質に用いたイムノクロマト法検査キットに用いられるのがさらに好ましい。
クロマトグラフ媒体上には、被検出物質と特異的に結合する抗体を、例えばライン状に塗布した判定部が形成されている。試料液に含まれる被検出物質は、抗原−抗体反応により標識物質と複合体を形成し、判定部を通過する際にそこに塗布された抗体により捕捉される。判定部に捕捉された被検出物質の量は、標識物質に由来する着色の強度を指標として目視又はデンシトメーターにより測定され、陽性又は陰性の判定が行われる。
検査キットに試料液を添加し判定を行うまでの反応時間は、サンプルパッドに添加された試料液がほぼ吸収パッドに吸収されるまでの時間であり、試料液がクロマトグラフ媒体を移動する速度に依存し、一般には10〜15分間である。
本発明の吸収パッドは、クロマトグラフ媒体を移動し吸収パッドに達した試料液を遅滞なく吸収することができるので、反応時間が終了するまでの間にクロマトグラフ媒体上に過剰の試料液が存在することがなく判定部に現れる陽性シグナルが滲むことがない。また、規定された反応時間が終了した後も吸収した試料液を保持することができるので、試料液の逆流による陽性シグナルの滲みも起こることがない。また、試料液の逆流により有色の標識物質がクロマトグラフ媒体全体に拡散することがないので、バックグラウンドシグナルの上昇によるS/N比の低下も起こることがない。さらに、試料液の逆流により標識物質と複合体を形成した被検出物質が再度判定部を通過し余分な被検出物質が追加で捕捉されたり、逆流した標識物質が非特異的に捕捉されたりして、本来ならば陰性と判定されるべき検査試料が陽性と判定されてしまうこともない。したがって、反応時間が終了後、本発明の検査キットを長時間放置した場合であっても、正確な判定を行うことが可能となる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
1.吸収パッドの作製
高吸水性ポリマー粒子として日本触媒社製の高吸水性樹脂「アクアクリックCA(W4S)」(平均粒径100〜300μm)を用いた。吸水性の表面シートとしてオークラ製紙社製の衛生原紙(ティッシュペーパー原紙)「NPE」を用いた。
表面シート(8.5g/m)の片面にポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂からなる接着剤をスプレーし、パルプ(180g/m)及び高吸水性ポリマー粒子(56g/m)を均一に散布した後、表面シート(8.5g/m)を積層した。前記の積層体(表面シート/パルプ及び高吸水性ポリマー粒子/表面シート)をエンボス加工により部分的に加熱圧着処理し、吸収パッドを作製した。吸収パッドの厚みは0.8mmであり、加熱圧着処理により吸収パッドの表面に現れる凹部の直径は1.0mm、その存在密度は30個/cmである。吸収パッドにおけるパルプ成分(ティッシュペーパーとパルプの合算)と高吸水性ポリマー粒子の混合比率は、78重量%対22重量%であった。
2.イムノクロマト法による検査キットの作製
(1)捕捉抗体用希釈液の作成
イソプロピルアルコールを50mMリン酸緩衝液(pH7.4)で5%となるように混和希釈し捕捉抗体用希釈液を作成した。
(2)クロマトグラフ媒体上の判定部の作製
インフルエンザAウィルス捕捉抗体(マウス由来抗インフルエンザAモノクローナル抗体)を抗体用希釈液で1.0mg/mlの濃度になるように希釈した。この液を、塗布機(BioDot社製)を用いて、25×2.5cmのニトロセルロース膜(ミリポア社製)に塗布し、50℃で5分間乾燥させた後、さらに室温で1時間乾燥させてクロマトグラフ媒体上に判定部を作製した。
(3)標識抗体溶液の作製
標識物質として金コロイド懸濁液(田中貴金属工業社製:平均粒子径40nm、金濃度0.36mM)を用いた。金コロイド懸濁液0.5mlに、リン酸緩衝液(pH7.4)で0.05mg/mlの濃度になるように希釈したマウス由来抗インフルエンザAモノクローナル抗体を0.1ml加え、室温で10分間静置した。次いで、1重量%の牛血清アルブミン(BSA)を含むリン酸緩衝液(pH7.4)を0.1ml加え、更に室温で10分間静置した。その後、十分撹拌した後、8000×gで15分間遠心分離を行い、上清を除去した後、0.5重量%のBSAを含むリン酸緩衝液(pH7.4)を2ml加えた。以上の手順で標識抗体溶液を作製した。
(4)イムノクロマト法による検査キットの作製
上記作製した標識抗体溶液を15mm×300mmのグラスファイバーパッド(ミリポア社製)に均一になるように添加した後、真空乾燥機にて乾燥させ、コンジュゲーションパッドを作製した。次に、バッキングシートから成る基材に、上記作製したクロマトグラフ媒体、コンジュゲーションパッド、試料添加部であるサンプルパッド(ミリポア社製:300mm×30mm)、及び吸収パッドを図2のように貼り合わせ、5mm幅に裁断しイムノクロマト法による検査キットを作成した。1キットあたりの吸収パッドの大きさは260mm×5mmであり、標識試薬中の金含有量は3μgであった。
(5)展開液の調製
超純水に、10%Tween20を1%、0.1M硫酸マグネシウムを5mM、ジメチルスルホキシドを0.95%、20%デキストラン硫酸ナトリウム(重量平均分子量:50万)を2%、及びCE510(JSR Corporation)を2%となるように加えて混和した。さらに、防腐剤として10%アジ化ナトリウムを0.05%となるように加えて混和して展開液を作製した。
3.吸収パッドを有する検査キットの性能試験
上記で作製した検査キットを用いて、以下の方法で本発明の吸収パッドの吸水性能を試験した。PCR法を用いたインフルエンザAの感染検査により陰性と判定された被験者から得られた試料を用いて試験を行った。検査キットに滴下する試料液は、吸引トラップの片方の管を吸引ポンプに、もう片方の管を被験者の鼻腔の奥部まで挿入し、吸引ポンプを陰圧にして鼻汁を採取し、展開液で20倍に希釈することで調製した。この試料液を上記のとおり作製した検査キットに展開し、検査開始から15分の時点でのバックグラウンド着色の有無、検査開始から60分の時点での試料液の逆流及び偽陽性の有無を観察した。試験の結果を表1に示す。
バックグラウンドの着色は展開される標識物質(金ナノ粒子)に由来し、赤色の金ナノ粒子が吸収パッドに完全に吸収されると、バックグラウンドの着色が抜け、クロマトグラフ媒体本来の白色が観察されるようになる。表1では、バックグラウンドが、クロマトグラフ媒体本来の白色と同等の色であったものを○(良好)、やや赤味がかっていたものを△(やや不良)、赤味を帯びていたものを×(不良)で示す。
クロマトグラフ媒体は乾燥状態と湿潤状態では色調が異なって見えるため、試料液の逆流は、クロマトグラフ媒体の色調を目視で観察することにより判定した。検査開始から40分の時点で、クロマトグラフ媒体の判定部がいったん乾燥状態となったものの、検査開始から60分の時点で、判定部が再び湿潤状態となった場合に、液戻り有りとした。
偽陽性の有無は、検査開始から60分の時点で、クロマトグラフ媒体の判定部に標識物質(金ナノ粒子)に由来する赤いラインが生じるか否かを観察することにより判定した。用いた試料はPCR法による検査で陰性と判定された試料であり、イムノクロマト法による検査キットを用いた試験でも、検査開始から15分の時点では、判定部に陽性を示す赤いラインは観察されなかった。しかしながら、試料液の逆流がある場合には、検査開始から60分の時点で、判定部に赤いラインが生じることがあり、この場合に偽陽性有りと判定した。
パルプ(140g/m)及び高吸水性ポリマー粒子(80g/m)の含有量を変えて用いたことを除いて、実施例1と同様に吸収パッドを作製した。
上記で作製された吸収パッドを用いて実施例1と同様にイムノクロマト法による検査キットを作製し、吸収パッドの吸水性能について試験した。試験の結果を表1に示す。
パルプ(250g/m)及び高吸水性ポリマー粒子(55g/m)の含有量を変えて用いたことを除いて、実施例1と同様に吸収パッドを作製した。
上記で作製された吸収パッドを用いて実施例1と同様にイムノクロマト法による検査キットを作製し、吸収パッドの吸水性能について試験した。試験の結果を表1に示す。
[比較例]
市販のイムノクロマト法による検査キットのための吸収部材を用いて、実施例1と同様にイムノクロマト法による検査キットを作製し、吸収パッドの吸水性能について試験した。
比較例1としてwhatman社製の吸収体CF7を用いた。
比較例2としてPall社製の吸収体113を用いた。
比較例3としてPall社製の吸収体133を用いた。
比較例4としてPall社製の吸収体165を用いた。
比較例5としてPall社製の吸収体197を用いた。
比較例6としてPall社製の吸収体A/Bを用いた。
比較例7としてPall社製の吸収体A/Cを用いた。
比較例8としてPall社製の吸収体A/Dを用いた。
比較例9としてPall社製の吸収体A/Eを用いた。
比較例10としてPall社製の吸収体A/Fを用いた。
比較例11としてMillipore社製の吸収体C083を用いた。
比較例12及び13として王子キノクロス社製のキノクロスを用いた。
試験の結果を表1に示す。
また、パルプ(300g/m)及び高吸水性ポリマー粒子(35g/m)の含有量を変えて用いたことを除いて、実施例1と同様に吸収パッドを作製した(比較例14)。
さらに、パルプ(100g/m)及び高吸水性ポリマー粒子(117g/m)の含有量を変えて用いたことを除いて、実施例1と同様に吸収パッドを作製した(比較例15)。
上記で作製された吸収パッドを用いて実施例1と同様にイムノクロマト法による検査キットを作製し、吸収パッドの吸水性能について試験した。試験の結果を表1に示す。
本発明の吸収パッドは、イムノクロマト法による検査キットに用いた場合に、試料液の逆流を防止して反応時間終了後の放置時間に関係なく正確な判定を行うことを可能とし、信頼性の高いPOCT用検査試薬を提供できるという、産業上の利用可能性を有する。
1:試料添加部
2:標識試薬保持部
3:クロマトグラフ媒体
4:吸収パッド
5:基材

Claims (10)

  1. イムノクロマト法による検査キットの構成部材として用いられる吸収パッドであって、当該吸収パッドが、親水性繊維中に高吸水性ポリマー粒子を含有してなる吸収性コアを含むことを特徴とする、吸収パッド。
  2. 吸収パッドが、さらに吸水性の表面シートを含み、吸収性コアが当該表面シートに挟まれた構造である、請求項1に記載の吸収パッド。
  3. 吸収パッド全体の親水性繊維及び高吸水性ポリマー粒子の比率が、親水性繊維が65〜85重量%であり、高吸水性ポリマー粒子が35〜15重量%である、請求項1又は2に記載の吸収パッド。
  4. 吸収性コアにおける、親水性繊維の坪量が100〜300g/mである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  5. 親水性繊維がセルロース繊維である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  6. 親水性繊維がパルプである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  7. 高吸水性ポリマー粒子が、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  8. 高吸水性ポリマー粒子の平均粒径が、100〜700μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  9. 高吸水性ポリマー粒子の0.9重量%生理食塩水に対する吸水能が、少なくとも20g/gである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸収パッドを含む、イムノクロマト法による検査キット。
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