JPH0435157B2 - - Google Patents

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JPH0435157B2
JPH0435157B2 JP57154568A JP15456882A JPH0435157B2 JP H0435157 B2 JPH0435157 B2 JP H0435157B2 JP 57154568 A JP57154568 A JP 57154568A JP 15456882 A JP15456882 A JP 15456882A JP H0435157 B2 JPH0435157 B2 JP H0435157B2
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tryptophan
microorganisms
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solution
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JP57154568A
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Nobuyuki Kawashima
Masaharu Oooka
Yukihiro Yoshikawa
Nobuhiro Kawashima
Shosuke Nagai
Takao Takano
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、微生物を利用して製造したL−トリ
プトフアンの反応液よりL−トリプトフアンを単
離する方法に関するものである。
微生物を利用した反応方法では、反応生成物と
微生物を分離することが必要であり、反応液より
微生物を除去し、反応生成物を単離する方法とし
て、従来、いくつかの方法が知られている。例え
ば、L−グリタミン酸醗酵に界面活性剤を添加
し、加熱することで凝沈を容易にし、珪藻土を加
え別する方法(特開昭38−16460)、アミノ酸醗
酵液などを限外過膜で過してから晶析単離す
る方法(特開昭53−29996)などがある。
しかし、これらの方法は工業的には未だ十分に
満足できる方法とは言い難い。すなわち、界面活
性剤を添加する方法では、微生物は容易に除去で
きるものの、界面活性剤を反応生成物と容易に分
離させることができず、生成物中に混入してくる
恐れがある。また、限外過膜を使用する方法で
は、その装置の性質上洗浄に難点があり、工業的
単離方法とは言えない。
本発明者らは、L−トリプトフアンの単離法に
ついて、これらの問題を解決すべく鋭意検討した
結果、酸性液で加熱すれば不安定であるとされて
いたL−トリプトフアンが、意外なことに微生物
を含むL−トリプトフアン反応液を鉱酸によりPH
2〜5の酸性液として加熱しても、L−トリプト
フアンは安定であり、同時に反応に使用した微生
物が容易に別できる大きさに変性凝集し、この
ように変性凝集後に反応液にアルカリを添加して
L−トリプトフアンのアルカリ塩として溶解させ
ても、微生物の凝集は再分散、溶解等の変化がな
く、過することにより容易に除去して、L−ト
リプトフアンを分離できることを見出し、本発明
の方法を完成するに到つた。
すなわち、本発明は微生物を利用してL−トリ
プトフアンを製造する方法において、L−トリプ
トフアンおよび微生物を含有する反応液で鉱酸で
PH3〜4とし、この反応液を加熱処理した後、そ
の反応液をアルカリで処理して微生物を別する
ことを特徴とするL−トリプトフアンの分離方法
である。
反応に利用した微生物は、反応液中に溶解また
は微細な形で懸濁した状態で存在している。
この微生物を反応終了除去するのに、別可能
な状態に凝集させようと中性ないしアルカリ性の
まゝで加熱しても、生成したL−トリプトフアン
を溶解させるためのアルカリを加えると、凝集し
た微生物は再び別不可能な状態に分散してしま
う。
しかしながら、本発明の方法によれば、反応終
了後、PH3〜4として加熱することにより、微生
物は別可能な状態に凝集し、意外なことに、こ
の処理によりL−トリプトフアンが分解すること
もなく、さらに酸性側で処理後、アルカリを加え
てL−トリプトフアンを溶解する処理を行なつて
も凝集した微生物は別可能な状態にある。
すなわち本発明の方法はL−トリプトフアンの
分離を効率的に実施できる工業的な方法と言え
る。
本発明の方法が適用される微生物を利用して製
造したL−トリプトフアン反応液とは、例えば、
エシエリヒヤ・コリの存在下、L−セリンとイン
ドールより合成されるもの、また、この方法でL
−セリンのかわりにDL−セリンを用い、セリン
ラセマーゼとしてシユードモナス・プテイーダ
(MT−10182)またはシユードモナス・プンクタ
ータ(MT−10243)を併用して合成されたもの、
また、バチルス・ズブチルスの存在下、アンスラ
ニル酸より合成されるもの、アエロバクター・ア
エロゲネスの存在下インドールとピルビン酸、ア
ンモニアより合成するものなどがある。
これ等の製造法で合成されたL−トリプトフア
ンは、いずれも反応に使用した微生物の懸濁した
水溶液中に存在し、その微生物とL−トリプトフ
アンの分離が従来きわめて困難で工業上その精製
工程にかかるコストが大きかつた。
また、これらの方法は、反応媒体として有機溶
媒を併用してもよい。このような反応方法の場
合、本発明の方法に適用するに先立つて、分液ま
たは蒸留などの手段で有機溶媒を除去する。
本発明の方法において使用される酸は、硫酸、
塩酸、燐酸等の鉱酸である。これらの鉱酸を用い
て、L−トリプトフアン反応液のPHを3〜4に調
整する。
このPH調整したL−トリプトフアン反応液を加
熱する。加熱は60〜120℃、好しくは80〜105℃で
実施する。
このPH調整および加熱処理によつて、L−トリ
プトフアンは変化することはなく安定に存在し、
一方、微生物は変性して容易に別できる大きさ
に凝集する。
したがつて、加熱処理時間はとくに限定される
ものではなく、微生物が別できる状態に適度に
凝集したところで終了する。
本発明の方法では上記の処理後、その反応液に
アルカリを添加してL−トリプトフアンが溶解し
た水溶液とする。
使用されるアルカリとしてはL−トリプトフア
ンを塩として水に溶解するものであればよく、例
えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等
があげられる。
工業的には水溶液中への溶解度も高く回収の容
易なアンモニアが好ましい。
アルカリの使用量は、通常、反応液を中和する
に必要な量と反応液中に存在するL−トリプトフ
アンの等モル量であればよく、L−トリプトフア
ンはアルカリ塩となり溶媒中に極めてすみやかに
溶解する。
アルカリ使用量を等モル以上用いても何ら問題
はないが、L−トリプトフアンの結晶を取出す
際、L−トリプトフアンの単離収率向上のため、
その等電点まで酸でPH調整をするので、過剰のア
ルカリの使用は無機塩を増やす結果となり好まし
くない。
アルカリによる処理は、上記の加熱処理した反
応液を冷却し、0〜50℃、好ましくは5〜20℃で
アルカリを添加してL−トリプトフアンを溶解さ
せる。上記以上の高温で処理するとL−トリプト
フアンが分離またはラセミ化するおそれがあり好
ましくない。
アルカリとしてアンモニアガスを用いる場合、
溶媒へのアンモニア溶解度を増すため、冷却した
状態でアンモニアガスを吹き込むことが好まし
い。
水酸化ナトリウム等の無機塩基を用いる場合は
常温で添加すればL−トリプトフアンはアルカリ
塩となり極めて速やかに溶解する。
ついで、このL−トリプトフアンのアルカリ塩
の反応液に活性炭およびまたはシリカ系の過助
剤を添加し、これらの存在下に過する。酸性下
で加熱処理して凝集した微生物は容易に別され
L−トリプトフアン・アルカリ塩水溶液を得るこ
とができる。
得られたL−トリプトフアンのアルカリ塩の水
溶液は中和など通常に方法によりL−トリプトフ
アンとして晶析させ取得することができる。
以下、本発明の方法を実施例により説明する。
実施例 1 エシエリヒア・コリMT−10242を培地50mlに
一白金耳接種し、30℃にて20時間振盪培養した。
培地組成 肉エキス 1.0wt% ペプトン 0.5wt% 酵母エキス 0.1wt% KH2PO4 0.2wt% 初期PH 7.0 培養液1を遠心分離して菌体を集め、これを
トリプトフアン・シンセターゼの酵素源とした。
シユードモナス・プチーダIFO12996を培地組
成の培地50mlに一白金耳接種し、30℃にて20時
間振盪培養した。培養液1を遠心分離して菌体
を集め、これをセリン・ラセマーゼの酵素源とし
た。
培地組成 肉エキス 1.0wt% ペプトン 0.5wt% NaCl 0.5wt% 初期PH 7.0 撹拌機を備えた300mlフラスコにDL−セリン
11.3g、硫酸アンモニウム6g、ピリドキサール
リン酸10mgおよび水66gを加えて良くかきまぜ
る。濃アンモニア水でPHを8.5に調整し、エシア
リヒエ・コリ湿潤塊6.8g(固形分1.7g)およ
びシユードモナス・プチーダ湿潤塊3.4g(固
形物0.85g)を水に懸濁させ全体の体積を20mlと
して加える。
35℃に保温したのち、インドール11.5gを溶解
したトルエン溶液57.2gを加え35℃、48時間反応
させた。反応収率は定量的であつた。トルエンを
蒸留により除去した。
製造されたL−トリプトフアンの反応溶液を硫
酸でPH4.0に調整し、95〜98℃で1時間加熱処理
する。菌体は十分に凝集したのが観察された。室
温まで冷却後アンモニアガスを吹き込み反応液中
のL−トリプトフアンをL−トリプトフアン.ア
ンモニウム塩として溶解する。この中に活性炭
10wt%/L−トリプトフアンおよびセライト545
(商品名ジヨンマンビル社製)10wt%/L−トリ
プトフアンを添加し、過すると微生物はセライ
ト545、活性炭と共に濾別される。濾過時間は約
5分である。この液を100°に加熱しアンモニア
を除去後、L−トリプトフアン濃度が10wt%に
なる様に水で調製し、20℃に冷却し析出した結晶
を別、水洗、乾燥する。L−トリプトフアンの
単離収率75%対生成トリプトフアン。純度を液体
クロマトグラフイーで測定したところ98.5%であ
つた。
実施例 2 実施例1と同様に製造されたL−トリプトフア
ンの反応溶液を遠心分離により沈澱としてL−ト
リプトフアンの結晶および微生物の混合物を得
る。
この反応塊を水に排出し、L−トリプトフア
ン濃度30wt%のスラリー液とする。この液を塩
酸でPH3.5に調製し、95〜98℃で2時間加熱し反
応に用いた微生物を凝集させる。室温まで冷却後
アンモニア水を加え反応液中のL−トリプトフア
ンをL−トリプトフアン・アンモニウム塩として
溶解する。この中に活性炭20wt%/トリプトフ
アンを添加し凝集した菌体を室温で別する。こ
の液を加温下窒素ガスを吹込みアンモニアを除
く。5℃に冷却後析出したL−トリプトフアンを
遠心脱水機で分離した。L−トリプトフアンの単
離収率88%対生成トリプトフアン。純度98.0%で
あつた。
実施例 3 実施例1と同様にして得られたL−トリプトフ
アンの12wt%濃度の水溶液をリン酸でPH4.0に調
製し、95〜98℃に加熱する。25℃に冷却後20%苛
性ソーダ水溶液加えPHを10とする。このL−トリ
プトフアンの溶解した水溶液に活性炭10wt%/
トリプトフアンおよび過助剤としてスタンダー
ド、スーパーセル(商品名ジヨンマンビル社製)
10wt%/トリプトフアンを添加し20°で過した。
液を酢酸でPH6に中和し析出したL−トリプト
フアンの結晶を別、乾燥したL−トリプトフア
ンの単離収率75%対生成トリプトフアン、純度
99.2%であつた。
実施例 4 実施例2と同様にして得らてたL−トリプトフ
アンの反応塊を水とイソプロピルアルコール体
積比1:1の溶液に分散しL−トリプトフアン濃
度20wt%のスラリー溶液とする。硫酸でPH3.5に
調製し80〜84°に2時間加熱した。5°に冷却後ア
ンモニアガスを吹込み、L−トリプトフアン.ア
ンモニウム塩としてL−トリプトフアンを溶解す
る。
活性炭20wt%/トリプトフアンを添加し、吸
引過すると、淡黄色透明のL−トリプトフアン
溶液が得られる。この溶液を加熱下窒素ガスを吹
込みアンモニアを除去する。
冷却後析出したL−トリプトフアンの結晶を
別し乾燥すると単離収率83%対生成トリプトフア
ンで得られた。純度98.8%。
比較例 1 L−トリプトフアンの反応溶液を硫酸でPH4.5
とする以外は実施例1と全く同様にしてL−トリ
プトフアンの結晶を得た。硫酸でPH4.5として加
熱処理した反応液は菌体の凝集は不十分であつ
た。そのため、その後の濾別に要した時間は約30
分であつた。
L−トリプトフアンの単離収率は72%、純度は
98.5%であつた。
比較例 2 実施例1と同様にして製造されたL−トリプト
フアンの反応溶液を水酸化ナトリウムでアルカリ
性とし、L−トリプトフアンに対して活性炭を10
重量%およびセライト545を10重量%添加し濾過
した。濾過に要した時間は約100分であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 微生物を利用してL−トリプトフアンを製造
    する方法において、L−トリプトフアンおよび微
    生物を含有する反応液をPH3〜4で加熱処理し、
    ついでアルカリ処理をした後、微生物を除去する
    ことを特徴とするL−トリプトフアンの分離方
    法。
JP15456882A 1982-09-07 1982-09-07 L−トリプトフアンの分離法 Granted JPS5945897A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15456882A JPS5945897A (ja) 1982-09-07 1982-09-07 L−トリプトフアンの分離法

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JP15456882A JPS5945897A (ja) 1982-09-07 1982-09-07 L−トリプトフアンの分離法

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Publication Number Publication Date
JPS5945897A JPS5945897A (ja) 1984-03-14
JPH0435157B2 true JPH0435157B2 (ja) 1992-06-10

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ID=15587077

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JP15456882A Granted JPS5945897A (ja) 1982-09-07 1982-09-07 L−トリプトフアンの分離法

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EP0770676A3 (en) * 1995-10-23 1999-05-19 Ajinomoto Co., Ltd. Method for treating fermentation broth

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JPS5945897A (ja) 1984-03-14

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