JPH04346789A - α−クルクメンの製造方法 - Google Patents

α−クルクメンの製造方法

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JPH04346789A
JPH04346789A JP14805391A JP14805391A JPH04346789A JP H04346789 A JPH04346789 A JP H04346789A JP 14805391 A JP14805391 A JP 14805391A JP 14805391 A JP14805391 A JP 14805391A JP H04346789 A JPH04346789 A JP H04346789A
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JP
Japan
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curcumene
culture
cedrene
alpha
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JP14805391A
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English (en)
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Hiromi Kubota
浩美 久保田
Hirobumi Takigawa
博文 滝川
Yoshiaki Fujikura
芳明 藤倉
Susumu Ito
進 伊藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−クルクメンの新規
な製造方法に関し、更に詳細には、ロドコッカス属に属
する微生物を利用するα−クルクメンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】次の構造式(I)
【化1】 で表されるα−クルクメンは、天然には、ショウガ科植
物であるキョウオウ(Curucuma aromat
ica Salisbury)などの根茎に精油成分と
して存在し、分留精製などの方法により製造されている
。 このα−クルクメンの化学合成法としては、グリニ
ャー試薬を用いて6−メチル−5−ヘプテン−2−オン
( Stan etal., J. Org. Che
m., 40(22), 3306(1975))ある
いは5−トリメチルシリル−2−シクロヘキセノン(A
saoka et al. Tetrahedron 
44(15),4757(1988))より合成する方
法が知られているが、工業的に満足し得る手法とは言え
なかった。
【0003】更に、酵素あるいは微生物菌体を利用して
α−クルクメンを生産する方法は、従来知られていなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、化学合成法によ
っては種々の副反応が生じ、選択的に目的化合物が得ら
れない場合、酵素あるいは微生物菌体等の生体触媒を利
用した方法を用いると、選択的反応が可能である場合も
多いことが知られており、上記α−クルクメンについて
も、生体触媒を利用することにより、選択的に製造する
方法の開発が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、次の構造
式(II)
【化2】 で表されるα−セドレンを選択的かつ高収率でα−クル
クメンに変換することのできる微生物について、鋭意探
索を続けていたところ、和歌山県内で採取した土壌中か
ら得られたロドコッカス属に属する微生物が、当該性質
を有するものであることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、ロドコッカス(Rho
dococcus)属に属する微生物をα−セドレンに
作用させることを特徴とするα−クルクメンの製造方法
を提供するものである。
【0007】本発明方法において用いられる、ロドコッ
カス属に属する微生物の代表的な菌株であるロドコッカ
ス・エスピー KSM−7358株は、以下に示すよう
な菌学的性質を有する。
【0008】菌  学  的  性  質  :(1)
形態的性質菌体の大きさが 0.8〜1.0×1.0〜
12μmの桿菌で、多形性を有する。すなわち、培養初
期には分枝した菌糸を作り、その後断裂し、短桿菌様と
なる。また、本株は非運動性で、鞭毛はない。 胞子は
認められず、グラム陽性で、抗酸性はない。
【0009】(2)培養的性質 (a)肉汁寒天平面培養;良好に生育し、乳白色不透明
の、表面粗造で円錐型隆起のある集落を形成し、培養後
期には、肌色ないしは淡いオレンジ色を呈する。 集落
の形状は円形縮毛状で周縁は波状である。 (b)肉汁寒天斜面培養;良好に生育し、乳白色を呈す
る。 (c)肉汁液体培養;生育は弱いが、培養液の表面上層
であっても下層であっても生育する。 (d)肉汁ゼラチン穿刺培養;良好に生育する。 液化
は認められない。 (e)リトマスミルク;上層のみ液化する。 リトマス
色素を紫色からピンク色に変化させ、一部脱色反応が認
められる。
【0010】(3)生理学的性質 (a) 硝酸塩の還元;              
   陰性(硝酸塩肉汁培地) (b) 脱窒反応;                
     陰性(c) MRテスト;        
           陰性(d) VPテスト;  
                 陰性(e) イン
ドール生成;               陰性(f
) 硫化水素の生成;               
弱い陽性(g) 澱粉加水分解;          
       陰性(h) クエン酸の利用; コーサー培地:               陽性ク
リステンセン培地:         陽性(i) 硝
酸塩の利用;                 陽性
(j) アンモニウム塩の利用;         陽
性(k) 色素の生成; キングA培地:               陰性キ
ングB培地:               陰性(l
) ウレアーゼ;                 
  陽性(m) オキシダーゼ;          
       陰性(n) カタラーゼ;      
             陽性(o) 生育pH範囲
; 生 育 p H          3〜 10生育至
適pH         5〜9.0(p) 生育温度
範囲; 生 育 温 度        10〜37℃至適生育
温度       25〜30℃(q) 酸素に対する
態度;好気的であるが、静置条件下でも充分生育できる
。 (r) OFテスト;弱い酸化型(アンドレード指示薬
では判別できるが、BTB指示薬を用いた場合は、7日
培養しても変化は認められない) (s) NaCl含有培地における生育食塩濃度が、5
%および7%のいずれにおいても生育する。
【0011】(t)炭素源の利用性: L−アラビノース           −D−キシロ
ース             −D−グルコース  
           +D−マンノース      
       +(弱い)D−フラクトース     
      +D−ガラクトース          
 −マルトース                 +
(弱い)シュクロース               
+ラクトース                 −ト
レハロース               +(弱い)
D−ソルビトール           +D−マンニ
トール           +イノシトール    
           +グリセロール       
        +(弱い)スターチ        
           −D−リボース       
        +ただし、+;利用する、−;利用し
ない。
【0012】(4)化学分類学的性質 (a) グリコレートテスト グリコリル型 (b) 細胞壁の架橋アミノ酸 meso−2,6−ジアミノピメリン酸(c) 細胞壁
構成糖 アラビノース、ガラクトースが検出されるが、キシロー
スは検出されない。 (d) メナキノンシステム MK−8(H2)
【0013】以上の菌学的性質を、バージーズ・マニュ
アル・オブ・システマティック・バクテリオロジー(B
ergey’s Manual of Systema
tic Bacteriology)、第2巻(198
6)に照らし、本菌株の分類学的位置を求めたところ、
KSM−7358株はロドコッカス属に属する微生物で
あることが判明した。そして、KSM−7358株の上
記菌学的性質は、公知のロドコッカス属微生物の何れと
も異なっているので、本発明者らはこれを新規な菌株と
判断し、工業技術院微生物工業技術研究所に寄託した(
受託番号 微工研菌寄第12039号;FERMP−1
2039)。
【0014】上記のロドコッカス属に属する微生物を用
いて、α−セドレンをα−クルクメンに変換する方法と
しては、α−セドレンを含む培養培地中で当該微生物を
培養する方法が挙げられる。
【0015】本発明微生物を培養させるために用いる培
養培地としては、炭素源として、フラクトース、マルト
ース、トレハロース、ソルビトール、マンニトール、グ
リセロール、グルコース、シュクロースなどの糖類、セ
ダー油、セドレンなどのセスキテルペンまたはn−アル
カンなど、窒素源としてペプトン、酵母エキス、尿素、
硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、アミノ酸などを、
無機塩としては、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、
塩化カルシウムなどや、また必要に応じてMn2+,Z
n2+, Ni2+等の金属塩、ビオチン、チアミンな
どのビタミン類等を適宜加えた培地が挙げられる。
【0016】本発明方法を実施するには、ロドコッカス
属に属する微生物が生育し得る培地にα−セドレンを添
加し、調製された培養培地にロドコッカス属に属する微
生物を接種し、目的物に応じた所定の期間培養すれば良
い。この培養においては、α−セドレンが減少するに伴
ってα−クルクメンが生産されるので実験的に、α−ク
ルクメンの生産量が最大となる時期を求め、この時点で
培養を中止し、目的物であるα−クルクメンを採取すれ
ばよい。
【0017】本発明方法による培養の条件は、特に制限
はないが、一般には、25〜30℃程度の温度、5.0
〜9.0程度のpHで、振盪攪拌、通気撹拌または機械
攪拌を行ないつつ実施すればよい。 また、α−セドレ
ンに対する微生物の接種量も特に制約はないが、例えば
、α−セドレン0.5%を含む培地に、1白金耳接種す
れば十分である。
【0018】叙上の如くして得られた培養物から目的物
であるα−クルクメンを分離、採取するには、公知の精
製手段、例えば、カラムクロマトグラフィー、高速液体
クロマトグラフィー、再結晶等を単独または組み合わせ
て用いれば良い。
【0019】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来の方法では副
生成物を含んだ状態でしか得られなかったα−クルクメ
ンを効率よく、製造することが可能となる。また、従来
生体触媒反応では得ることのできなかったα−クルクメ
ンを温和な条件下で製造することが可能となる。
【0020】
【実施例】次に実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明す
る。 実 施 例  1 和歌山県勝浦市の土壌を薬匙1杯(約0.5〜1g)取
り、これを10mlの滅菌脱イオン水に懸濁後、適当に
希釈する。 後記培地A、10mlを含む大型試験管に
この希釈物を添加し、30℃で、5日間振盪培養するこ
とにより集積培養を行なった。 この培養物を、培地A
に1.5%寒天を加えて調製した平板培地に塗布し、α
−セドレン資化能を有する菌株を分離した。分離したα
−セドレン資化性菌株を、再度培地A 10mlを含む
大型試験管に接種し、30℃で7日間振盪培養を行なっ
た。 得られた培養液をヘキサンで抽出した後、ヘキサ
ン可溶画分をガスクロマトグラフィーに付し、生産物の
定量を行なった。 その結果、α−セドレンを資化し、
α−クルクメンを生産する菌株としてKSM−7358
株を得た。
【0021】[ 培  地 A ]       Na2SO4             
   0.71g      NH4NO3     
           3.5  g      Fe
Cl3・6H2O         0.01g(別滅
菌)      MgCl2・6H2O       
  0.17g(別滅菌)      CaCl2・2
H2O         O.1  g(別滅菌)  
    α−セ ド レ ン            
10  g(無菌的に別添加)    ───────
──────────────────────   
   50mM リン酸緩衝液(pH 7)で全量を1
lとする。
【0022】実 施 例  2 実施例1で得たKSM−7358株を下記培地Bの斜面
培地で、3日間、30℃で培養した。 これを500m
l容坂口フラスコ中の、0.5%α−セドレンを含有す
る後記培地C 50mlに接種した。 30℃で2日間
培養を行ない、これを前培養とした。 この前培養液 
0.5mlを0.5%α−セドレンを含む培地C50m
l(500ml容坂口フラスコ中)に接種し、30℃で
6日間振盪培養を行なった。得られた培養液をヘキサン
で抽出し(図1)、ヘキサン可溶画分を液体クロマトグ
ラフィーで精製した後、分析、同定を行い、これをα−
クルクメンであると決定した。 EI−MSスペクトル
を図2に、IRスペクトル(KBr)を図3に、1H−
NMR(CDCl3,400MHz)を図4に、13C
−NMRを図5にそれぞれ示す。
【0023】[ 培  地 B ]       ポリペプトン(カゼインペプトン)   
   17g      ポリペプトン S (大豆ペ
プトン)        3g      K2HPO
4                        
   2.5g      グルコース       
                    2.5g 
     NaCl                
                5g      寒
   天                     
          15g    ────────
─────────────────────    
  精製水で全量を1lとする(滅菌後のpHは7.1
〜7.5)。
【0024】[ 培  地 C ]       Na2SO4             
   0.71g      NH4NO3     
           3.5  g      Fe
Cl3・6H2O         0.01g(別滅
菌)      MgCl2・6H2O       
  0.17g(別滅菌)      CaCl2・2
H2O         O.1  g(別滅菌)  
  ───────────────────────
────      50mM リン酸緩衝液(pH 
7)で全量を1lとする。
【0025】実 施 例  3 実施例2と同様の操作を行い、6日間振盪培養を行った
。得られた培養物をヘキサンで抽出し、ヘキサン可溶画
分をガスクロマトグラフィーで定量した結果α−クルク
メン34mgを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】  α−クルクメンのガスクロマトグラフ
【図
2】  α−クルクメンのEI−MSスペクトル
【図3
】  α−クルクメンのIRスペクトル
【図4】  α
−クルクメンの1H−NMRスペクトル
【図5】  α
−クルクメンの13C−NMRスペクトル以上

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ロドコッカス(Rhodococcu
    s)属に属する微生物をα−セドレンに作用させること
    を特徴とするα−クルクメンの製造方法。
  2. 【請求項2】  ロドコッカス属に属する微生物が、ロ
    ドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp
    .)KSM−7358株である請求項第1項記載のα−
    クルクメンの製造方法。
JP14805391A 1991-05-24 1991-05-24 α−クルクメンの製造方法 Pending JPH04346789A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012519197A (ja) * 2009-03-05 2012-08-23 キージーン・エン・フェー R−クルクメンをベースとする植物揮発性物質

Cited By (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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