JPH04345600A - 無重力落下試験方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、重力レベルを調節自在
な無重力落下試験方法及びその装置に関するものである
。

【０００２】

【従来の技術】地上で行う従来の無重力落下試験装置と
して、例えば特公平２−５０７７７号公報に開示される
ようにカプセルを打ち上げることなく落下させるものが
知られている。すなわち、試験機器を搭載したカプセル
を吊り上げ、これを切り離して大気中で自由落下させ、
微小重力状態を与える方式であつて、カプセルに作用す
る空気抵抗力を除去すべくカプセル内を２重構造にし、
外部カプセルで空気抵抗を補償し、試験機器を搭載した
内部カプセルに空気抵抗の影響が及ばないようにしてい
る。また、カプセルに作用する空気抵抗力を除去すべく
、カプセルに外部からの駆動力を付加することも考えら
れるとしている。そして、その駆動手段としてリニアモ
ータを挙げている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の無重力落下試験装置にあつては、次の技術的
課題があつた。 （１）カプセルを自由落下させるために切離し装置が必
要となるが、切離し時に発生する機械的振動が自由落下
時の微小重力に悪影響を及ぼす。 （２）相対的加速度を１〜１０−４Ｇの間の任意の値に
設定して、過渡的な現象を把握することができなかつた
。 従来、カプセル内に無重力状態を作り出す手段として、
カプセルの自由落下を基本とし、相対的加速度をできる
だけ０Ｇに近づけて微小重力試験を行つている。しかし
て、カプセル内に形成される重力レベルが地球の重力に
て支配され、重力レベルの広範囲のコントロールが実質
的に不可能であつたため、過渡的な重力レベルで試験機
器に生ずる現象を把握して微小重力状態における現象の
理解を深めることができなかつた。加えて、地球以外の
場所における重力（例えば、月の重力レベル＝０．６Ｇ
）の作用状態を模擬できないという不具合がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、請求項１
に記載の発明の構成は、巻掛輪に巻掛ける吊下さく部材
と、吊下さく部材の一端部に吊り下げ固定される落下カ
プセルと、吊下さく部材の他端部に吊り下げ固定される
バランスウエイトとを備えさせ、落下カプセル、バラン
スウエイト又は巻掛輪の内の少なくとも１つを駆動装置
にて駆動することにより、落下カプセルに相対的加速度
を設定して落下を与える無重力落下試験方法である。ま
た、請求項２に記載の発明の構成は、巻掛輪に巻掛ける
吊下さく部材と、吊下さく部材の一端部に吊り下げ固定
される落下カプセルと、吊下さく部材の他端部に吊り下
げ固定されるバランスウエイトとを備え、落下カプセル
に相対的加速度を設定して落下を与えるように、落下カ
プセル、バランスウエイト又は巻掛輪の内の少なくとも
１つを駆動する駆動装置を装備する無重力落下試験装置
である。

【０００５】

【作用】先ず、試験機器を搭載する落下カプセルの重量
に対して適当な重量のバランスウエイトを用い、駆動装
置を駆動して落下カプセルを上限位置にまで上昇駆動す
る。バランスウエイトの重量が落下カプセルの上昇に寄
与するので、落下カプセルは容易に上限位置に達する。

【０００６】この状態から落下試験を開始する。運動方
程式から予め求めた落下カプセルに与えるべき落下速度
を再現するように駆動装置をそれぞれ駆動して、落下カ
プセル、バランスウエイト又は巻掛輪の内の少なくとも
１つに駆動力を与える。これにより、落下カプセルを下
降させると共にバランスウエイトを上昇させ、落下カプ
セルに搭載した試験機器に１〜１０−４Ｇの範囲の所定
の重力レベルを与える落下試験を行う。この駆動は、巻
掛輪の両側の吊下さく部材の重量移動を考慮してかつ空
気抵抗力を補償するようになされる。

【０００７】落下カプセルが落下したなら、停止させる
。バランスウエイトの重量は、落下カプセルの落下に対
して制動力として作用する。従つて、落下カプセルに与
える制動力は、ほぼ慣性力を消滅させるもので足りる。 このような無重力落下試験は、そのまま又は試験機器を
交換して繰り返し行われる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１〜図２は、本発明の１実施例に係る無
重力落下試験装置を示す。図中において符号１は、地表
面１０に立設する支持枠を示す。この支持枠１の上部に
は、水平方向に間隔を置いて一対の支持棒２，３を突設
し、各支持棒２，３に巻掛輪４，５をそれぞれ回転自在
に支持する。６は両巻掛輪４，５に巻掛けて両端部を垂
下させる１本の吊下さく部材であり、吊下さく部材６の
一端部には落下カプセル７が吊り下げ固定され、他端部
には重さを増減調節可能なバランスウエイト８が吊り下
げ固定されている。吊下さく部材６は、例えばワイヤで
ある。

【０００９】落下カプセル７は、重力試験に供される試
験機器を搭載するものであり、図２に詳示するように外
部カプセル７ａ内に内部カプセル７ｂを収容した構造を
有し、内部カプセル７ｂは、外部カプセル７ａ内と直接
接触しないように収容してある。この内部カプセル７ｂ
内に、微小重力試験に供する各種の試験機器を収容し、
内部カプセル７ｂと外部カプセル７ａとの間の空間全体
に、防振材７ｃを充填する。７ｄは、外部カプセル７ａ
の内底部に突設した緩衝部材である。

【００１０】一方、吊下さく部材６によつて吊り下げた
状態の落下カプセル７及びバランスウエイト８の鉛直方
向の軌道部分には、それぞれ落下カプセル７に所定の加
速度での落下を与える駆動装置９を装備する。駆動装置
９は、本実施例にあつてはリニアモータにて構成されて
いる。すなわち、落下カプセル７及びバランスウエイト
８の両側には、それぞれ二次導体７ｅ又は８ａを固着し
、支持枠１には、この二次導体７ｅ又は８ａに対向する
１次側１ａ，１ｂを上下方向に延在させて配設する。 しかして、二次導体７ｅ又は８ａを備える落下カプセル
７又はバランスウエイト８は、支持枠１に設けた１次側
１ａ，１ｂに沿つて上下方向に駆動可能である。なお、
落下カプセル７又はバランスウエイト８の内の一方にだ
け二次導体７ｅ又は８ａを備えさせ、この二次導体７ｅ
又は８ａのみに対応させて１次側１ａ又は１ｂを設ける
こともできる。

【００１１】落下カプセル７に対向する１次側１ａの下
端部は、落下する落下カプセル７にリニアモータによる
逆相制動を与える制動部１ｅを構成している。この制動
部１ｅの下方には凹所からなる非常制動部１ｆを形成し
、制動部１ｅにおいて停止しなかつた落下カプセル７を
受け止める砂を緩衝材として入れてある。一方、バラン
スウエイト８に対向する１次側１ｂの上端部には、機械
的制動部１ｇを形成する。機械的制動部１ｇは、バラン
スウエイト８の両側の二次導体８ａを挟圧するようにそ
の間隔を上方に向けて次第に縮小する一対の滑走板１ｈ
を設け、この滑走板１ｈの裏面を弾性部材１ｉにて弾性
的に支持して構成されている。滑走板１ｈは、吊下さく
部材６によつて連結された落下カプセル７がリニアモー
タからなる制動部１ｅに達した際、バランスウエイト８
に摩擦制動力を作用させる位置関係に形成してある。

【００１２】次に、上記構造の無重力落下試験装置を使
用して行われる無重力落下試験について説明する。試験
機器を搭載する内部カプセル７ｂを防振材７ｃにて包ん
で外部カプセル７ａに入れ、落下カプセル７を組付ける
。この状態での落下カプセル７の重量と同じ重量となる
ようにバランスウエイト８を調節する。重量調節が終了
したなら、駆動装置９を駆動して落下カプセル７を図１
に示す上限位置にまで上昇駆動する。落下カプセル７の
重量とバランスウエイト８の重量とは一致させたので、
吊下さく部材６の重量を除いて、落下カプセル７はバラ
ンスウエイト８と釣合い状態にあつて容易に上昇する。

【００１３】この状態から落下試験を開始する。いま、
落下カプセル７に搭載した試験機器に１０−４Ｇ程度の
微小重力レベルを与える落下試験を行うものとする。そ
の場合には、運動方程式から予め求めた落下カプセル７
に与えるべき速度を再現するように駆動装置９をそれぞ
れ駆動して、真空中での落下速度と略同じになるように
落下カプセル７を下降駆動すると共にバランスウエイト
８を上昇駆動する。この駆動は、巻掛輪４，５の両側の
吊下さく部材６の重量移動を考慮してなされる。このよ
うにして、落下カプセル７に空気抵抗力を補償した自由
落下を与え、落下カプセル７に上記の微小重力レベルを
与える。この微小重力レベルは、駆動装置９による落下
カプセル７とバランスウエイト８との両者の駆動により
、一方のみの駆動と比較して高精度に与えることが可能
である。

【００１４】かくして、外部カプセル７ａ内の内部カプ
セル７ｂには、実質的な無重力状態が与えられる。防振
材７ｃは巻掛輪４，５と吊下さく部材６との間の摩擦に
基づく微振動及び駆動装置９の駆動ムラを吸収して、試
験機器を搭載する内部カプセル７ｂに良好な微小重力状
レベルが維持されるように機能する。

【００１５】落下カプセル７が制動部１ｅにまで降下し
たなら、落下カプセル７にリニアモータによる逆相制動
が与えられると同時に、機械的制動部１ｇに至つたバラ
ンスウエイト８の二次導体８ａが一対の滑走板１ｈにて
弾性的に挟圧されて摩擦による制動が与えられ、両者７
，８は速やかに停止する。バランスウエイト８の重量は
落下カプセル７の重量と同一に設定したので、落下カプ
セル７とバランスウエイト８とに作用する重力が釣り合
つている。従つて、制動部１ｅ及び機械的制動部１ｇに
おける制動力は、慣性力を消滅させるもので略足りる。 何らかの理由によつて制動部１ｅを通過した落下カプセ
ル７は、非常制動部１ｆの砂に突入して完全に停止する
。緩衝部材７ｄは、制動時に内部カプセル７ｂが外部カ
プセル７ａに激突するのを緩衝する。このような無重力
落下試験は、そのまま又は試験機器を交換して繰り返し
行われる。

【００１６】次に、同様の落下カプセル７に小さい重力
レベル（例えば０．６Ｇ）を与える場合について説明す
る。前述の微小重力レベルを与える場合と同様の重さの
バランスウエイト８を使用し、駆動装置９の駆動力を予
め運動方程式から求めた落下カプセル７に与えるべき速
度に基づいて調節する。この場合にも、落下カプセル７
とバランスウエイト８とは実質的釣合い状態にあるから
、落下カプセル７には自由落下を生じない。しかして、
駆動装置９による駆動力を減少する調節により、容易に
小さい重力レベルを模擬することができ、これによつて
所定の重力が作用する落下試験を行うことができる。

【００１７】ところで、上記実施例にあつては、駆動装
置９をリニアモータによつて構成したが、巻掛輪４，５
を図外の回転駆動源によつて回転駆動し、吊下さく部材
６に送りを与えて落下カプセル７に所定の落下速度を与
えることにより、無重力試験を行うことも可能である。 但し、巻掛輪４，５に回転駆動を与える駆動装置を使用
する場合には、滑りを伴う粘着駆動方式は採用不可能で
あり、巻掛輪４，５をスプロケツトにて、また、吊下さ
く部材６をチエーンにて構成し、巻掛輪４，５と吊下さ
く部材６との間の滑りを防止する。また、リニアモータ
による制動部１ｅを機械的制動部にて構成し、機械的制
動部１ｇをリニアモータによる制動部にて構成すること
もできる。

【００１８】

【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明によれば、下記の効果が得られる。 （１）落下カプセルに切離し機構を付属する必要がない
。その結果、切離し機構の作動に基づく機械的振動が減
少し、良好な微小重力レベルを落下カプセルに与えるこ
とができる。加えて、切離し機構による切離しやチヤツ
キングといつた煩雑な操作が不要である。その結果、試
験操作が簡便かつ能率的となり、繰り返しの試験効率が
向上する。 （２）駆動装置の駆動により、落下カプセルの速度を任
意に制御することができる。その結果、広範囲の重力レ
ベル（１〜１０−４Ｇ）に設定して、過渡的な現象を把
握することができ、所定の微小重力状態における現象の
理解を深めることができる。加えて、地球以外の場所に
おける重力の作用状態を模擬することができる。

【００１９】（３）落下カプセルの制動に際し、バラン
スウエイトがブレーキとして作用するので、停止距離を
短縮することが可能であり、ひいては落下カプセルの落
下距離を延長することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明の１実施例に係る無重力落下試験装
置を示す図。

【図２】　　同じく落下カプセルを示す断面図。

【符号の説明】

１：支持枠、１ａ，１ｂ：１次側、１ｅ：制動部、１ｆ
：非常制動部、１ｇ：機械的制動部、２，３：支持棒、
４，５：巻掛輪、６：吊下さく部材、７：落下カプセル
、７ａ：外部カプセル、７ｂ：内部カプセル、７ｃ：防
振材、７ｄ：緩衝部材、７ｅ，８ａ：二次導体、８：バ
ランスウエイト、９：駆動装置、１０：地表面。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　巻掛輪に巻掛ける吊下さく部材と、吊
   下さく部材の一端部に吊り下げ固定される落下カプセル
   と、吊下さく部材の他端部に吊り下げ固定されるバラン
   スウエイトとを備えさせ、落下カプセル、バランスウエ
   イト又は巻掛輪の内の少なくとも１つを駆動装置にて駆
   動することにより、落下カプセルに相対的加速度を設定
   して落下を与えることを特徴とする無重力落下試験方法
   。
2. 【請求項２】　　巻掛輪に巻掛ける吊下さく部材と、吊
   下さく部材の一端部に吊り下げ固定される落下カプセル
   と、吊下さく部材の他端部に吊り下げ固定されるバラン
   スウエイトとを備え、落下カプセルに相対的加速度を設
   定して落下を与えるように、落下カプセル、バランスウ
   エイト又は巻掛輪の内の少なくとも１つを駆動する駆動
   装置を装備することを特徴とする無重力落下試験装置。