JP3600593B2 - クレーンの吊荷振止め装置及び振止め方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランスファクレーン等のようなクレーンの吊荷振止め装置及び振止め方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンテナ等の荷役に供されるトランスファクレーンは、図4に示すように、段積みしたコンテナ又はシャーシ上のコンテナ、即ち吊荷nを、クレーンガーダ1上に横行自在に設置されたトロリー2より巻き下げられた吊ワイヤー3でスプレッダ5を介して吊り上げ、トロリー2を運転して搬送するようになっている。
【0003】
このように吊ワイヤー3で吊荷nを吊り上げ走行するトランスファクレーンでは、荷役動作中に吊荷nに揺れが生じ易く、吊荷nを所定位置に荷積みする際の着床精度が悪くなるため、吊荷nの揺れもしくは振れをできるだけ小さく抑える必要がある。
【0004】
そのため、従来の吊荷振止め方法は、図5に示すように、トロリー2よりシーブ4を介して巻き下げられた吊ワイヤー3に取り付けられ吊荷nを把持するスプレッダ5とトロリー2との間に、一組の振止めワイヤー6a,6bを斜交して張設し、この振止めワイヤー6a,6bのトロリー2側端部と接続させてそれぞれブレーキ7a,7b及び定トルクモータ8a,8bを設置し、振止めワイヤー6a,6b及びブレーキ7a,7bの協働作用で機械的に吊荷nの振れを止めるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上述した従来の方法によると、振れが大きくなって振止めワイヤー6a,6bの張力が大きくなった場合に、振止め機能を強くするためにブレーキ7a,7bのブレーキ力を大きくする必要があるが、ブレーキ力が大き過ぎると、吊荷nが軽い時に、ブレーキが効いて吊荷nが最下位置まで降りず、途中で傾いた状態で停止してしまうことがあり、また、動作中にブレーキ7a,7bから騒音が発生することがある等の問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、振れの大小に無関係に、実質的に騒音を発生することなく吊荷の振止めを行うことができるクレーンの吊荷振止め装置及び振止め方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の一側面によると、クレーンガーダ上のトロリーより巻き下げられた吊ワイヤーで吊具を介して荷を吊り、前記トロリーを横行して前記吊荷を搬送するクレーンにおいて、前記吊具と前記トロリーとの間に互いに斜交して張設された一組の振止めワイヤーと、該振止めワイヤーの各々のトロリー側端部に接続された一組のトルク制御モータとを備えることを特徴とするクレーンの吊荷振止め装置が提供されている。
【0008】
この吊荷振止め装置において、前記一組のトルク制御モータの吊ワイヤー巻取り時のトルクを吊ワイヤー巻出し時のトルクより小さく設定することが好ましい。また、前記一組のトルク制御モータのトルクを前記吊荷の振れ速度及び前記吊荷の質量に応じて変化させることが更に好ましい。
【0009】
また、上述の目的を達成するため、本発明の別の側面によると、前記吊荷振止め装置において、前記一組のトルク制御モータの吊ワイヤー巻取り,巻出し速度に差をつけて設定し、動作開始時に、前記一組の振止めワイヤー間の張力に差を与えて前記吊荷に加速度を与えると共に、該吊荷の速度に合わせて前記トロリーを加速運転及び減速運転することを特徴とするクレーンの吊荷振止め方法が提供されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明するが、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。また、本発明は、以下の説明から分かるように、この実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0011】
図1を参照すると、本発明の実施の形態に係る振止め装置は、従来と同様に、トロリー2よりシーブ4を介して巻き下げられた吊ワイヤー3に取り付けられ吊荷nを把持するスプレッダ5とトロリー2との間に、例えば一組(実際は図面に対し垂直方向の対象位置に一組の合計四本)の振止めワイヤー6a,6bを斜交して張設している。また、本発明による振止め装置は、図5に関連して説明した従来のブレーキ及び定トルクモータに代えて、振止めワイヤー6a,6bのトロリー2側端部と接続されて、それぞれ、トルクを制御できる機能を有する例えばインバータモータ等のようなトルク制御モータ10a,10bを備えている。
【0012】
この実施の形態では、一組のトルク制御モータ10a,10bの巻取り時のトルクを、巻出し時のトルクより小さい値に制御装置13により設定して、荷役動作中に生じた吊荷nの振れを抑制する振止め制御を行うようにしている。また、一組のトルク制御モータ10a,10bのトルクは、吊荷nの振れ速度及び吊荷nの質量に応じて変化させ、吊荷nの振れを効率的に抑制する振止め制御を行うようにすることが好ましい。そのために、本発明の実施の形態に係る振止め装置は、吊荷nの振れ速度の検出手段11と、吊荷nの質量の質量検出手段12と、これらの検出手段からの検出信号に基づいてトルク制御モータ10a,10bのトルクを決定する制御装置13とを備えることができる。
【0013】
荷役動作中に生じた吊荷nの振れを抑制する振止め制御を行う場合、トルク制御モータ10a,10bの巻取り時のトルクを、制御装置13により巻出し時のトルクより小さく設定する。そうすると、吊荷nが図1に点線で示すように右方(又は左方)に振れて振止めワイヤー6b(又は6a)が巻き出されると、吊荷nは、この巻出速度に対応し増大したトルク制御モータ10a(又は10b)の出力トルクによって引っ張られ、振れが抑制される。
【0014】
また、この際、吊荷nの振れ速度及び吊荷nの質量をそれぞれ検出手段11,12で計測して、検出信号を制御装置13に出力し、振れ速度及び質量を表わすこれらの検出信号に応じて各トルク制御モータ10a,10bのトルク出力を変化させることにより、振れエネルギーの2次振れ、ワイヤーロープの伸びなどへの拡散を小さく抑えて、効率よくトルク制御モータで振れエネルギーを吸収できるので、より高性能の振れ止め制御が可能となる。トルク出力は、吊荷の質量には比例させ、速度増加に対しては、線形または非線形に、増加させることとする。
【0015】
このように、本発明の実施の形態によると、トルク制御モータ10a,10bの巻取り時のトルクを、巻出し時のトルクより小さく設定することにより、より高い精度の振れ止め制御が可能であり、また、トルク制御モータ10a,10bのトルクを、前記振止めワイヤー6a,6bの振れ速度及び吊荷の質量に応じて変化させることにより、従来の定トルクモータとブレーキの組合せによる方法に比べて、更に高い精度の振れ止め制御ができるという効果がある。
【0016】
本発明の別の側面によると、図1の実施の形態による振止め装置を用い、動作開始時より吊荷nに振れを出さない振れ防止制御方法を提供することができる。
【0017】
即ち、この振れ防止制御方法によると、上述した制御装置13により、前記トルク制御モータ10a,10bの巻取り,巻出し速度に差を付けて設定し、図2に示すように、動作開始時に、一組の振止めワイヤー6a,6b間の張力に差を与えることにより(図2ではワイヤー6aの張力を大きくして)吊荷nに加速度を与え、この操作で吊荷nを右方へ加速させると共に、吊荷nの速度に合わせてトロリー2を加速運転及び減速運転するようになっている。
【0018】
図3は、上述した本発明の振れ防止制御運転を説明するための動作曲線であり、横軸に動作開始からの経過時間tを、縦軸に装置諸量即ち、トルク制御モータ10aの速度a,振止めワイヤー6aの張力b(吊荷nの加速度),吊荷nの速度c,トロリー2の速度dを示している。
【0019】
動作を開始し、時点t1でトルク制御モータ10aを加速すると、振止めワイヤー6aの張力bが上昇して吊荷nに加速度が加わり、吊荷nの速度cが次第に上昇する。この吊荷nの速度cは、トルク制御モータ10aの速度aを時点t2で定常速度に下げても一定割合で上昇し、時点t3で速度aを更に下げると次第に一定速度に落ち着く。そこで、トロリー2の横行速度dを、この吊荷nの速度cの変化に合わせて運転すると、吊荷nは常にトロリー2の真下に実質的に位置するようになる。加速と同様に減速停止についても、同様の手順で振れを発生させずに実施することが出来る。また、本制御と、上記の振れ止め制御を重ねて行なうことにより、風などの外力による振れに対応する事が出来る。
【0020】
このように、本発明の実施の形態に係る振止め方法によると、一組のトルク制御モータ10a,10bの巻き取り,巻出し速度に差をつけて設定し、動作開始時に、一組の振止めワイヤー6a,6b間の張力に差を与えて吊荷nに加速度を与えると共に、この吊荷nの速度に合わせてトロリー2を加速運転することにより、動作開始時より吊荷が常にトロリー2の真下に位置するようになり、加速運転及び減速運転を通じて吊荷nに振れが生じない運転をすることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によると、クレーンの吊荷振止め装置は、吊具とトロリーとの間に互いに斜交して張設された一組の振止めワイヤーと、該振止めワイヤーの各々のトロリー側端部に接続された一組のトルク制御モータとを備えているので、吊荷が振れて振止めワイヤーがトルクモータのトルクに抗して引出されることにより、機械的な騒音を発生することなく吊荷の振止めを行うことができる。
【0022】
また、本発明によると、一組のトルク制御モータの吊ワイヤー巻取り時のトルクは吊ワイヤー巻出し時のトルクより小さく設定されているので、より高い精度の振れ止め制御が可能であり、また、本発明のように、一組のトルク制御モータのトルクを振止めワイヤーの振れ速度及び吊荷の質量に応じて変化させるので、更に高い精度の振れ止め制御ができる。
【0023】
更に、本発明のように、前記吊荷振止め装置において、一組のトルク制御モータの吊ワイヤー巻取り,巻出し速度に差をつけて設定し、動作開始時に、一組の振止めワイヤー間の張力に差を与えて吊荷に加速度を与えると共に、該吊荷の速度に合わせてトロリーを加速運転及び減速運転すると、動作開始時より吊荷が常にトロリーの真下に実質的に位置するようになり、加速運転及び減速運転を通じて吊荷nに振れが生じない運転をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る吊荷振止め装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る吊荷振止め装置の作用説明図である。
【図3】本発明の吊荷振止め方法を説明するためタイミングチャートである。
【図4】一般的なトランスファクレーンによる吊荷作業を説明するための概略構成図である。
【図5】図4のトランスファクレーンにおける従来の吊荷振止め装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2 トロリー
3 吊ワイヤー
5 スプレッダ(吊具)
n 吊荷
6a 振止めワイヤー
6b 振止めワイヤー
10a トルク制御モータ
10b トルク制御モータ
Claims (2)
- クレーンガーダ上のトロリーより巻き下げられた吊ワイヤーで吊具を介して荷を吊り、前記トロリーを横行して前記吊荷を搬送するクレーンに、前記吊具と前記トロリーとの間に互いに斜交して張設された振止めワイヤーと、該振止めワイヤーの各々のトロリー側に接続されたトルク制御モータとを設け、前記トルク制御モータの吊ワイヤー巻取り,巻出し速度に差をつけて設定し、動作時に、前記振止めワイヤー間の張力に差を与えて前記吊荷に加速度を与えると共に該吊荷の速度に合わせて前記トロリーを加速運転及び減速運転することを特徴とするクレーンの吊荷振止め方法。
- クレーンガーダ上のトロリーより巻き下げられた吊ワイヤーで吊具を介して荷を吊り、前記トロリーを横行して前記吊荷を搬送するクレーンの吊荷振止め装置であって、
前記吊具と前記トロリーとの間に互いに斜交して張設された振止めワイヤーと、
該振止めワイヤーの各々のトロリー側に接続されたトルク制御モータと、
前記トルク制御モータの吊ワイヤー巻取り,巻出し速度に差をつけて設定し、動作時に、前記振止めワイヤー間の張力に差を与えて前記吊荷に加速度を与えると共に該吊荷の速度に合わせて前記トロリーを加速運転及び減速運転する制御装置と、
を備えたことを特徴とするクレーンの吊荷振止め装置。
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