JP2007119131A - エレベータロープ揺れ止め装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】後付け可能でロープ上を自走しつつロープの振動を効果的に抑制する揺れ止め装置の提供。
【解決手段】ガイドレール11の左右それぞれのレールの一定距離の間を橋絡する略々水平のフレーム10と、フレーム中心寄りの第1固定軸5で軸支されてロープ25を左右から挟みその周面に接触してロープ25の上下移動により第1固定軸5を中心に回転してフレーム10と一体となって自走する1組のロープ駆動伝達ローラ2と、フレーム10の両端寄りに第2固定軸8により軸支されてロープ駆動伝達ローラ2の自走に伴ってガイドレール11に沿って回転してそれ自身がフレーム10と一体となって上下に移動する1組の移動用ローラ7と、ロープ駆動伝達ローラ2の回転力を両端の移動用ローラ7に所定回転数で伝える回転力伝達ベルト6と、ガイドレール11のガイド面に沿ってフレーム10を案内するレールガイド9と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、エレベータロープ揺れ止め装置に係り、特に、ロープの昇降移動の駆動力を揺れ止め用の動力源とするエレベータロープ揺れ止め装置に関する。
一般的なエレベータの構造は、図10に示すロープ式エレベータのように、ロープ25に取り付けられたカゴ15と釣合重り16が、巻上機13およびシーブ14を介して昇降移動することによりカゴ15および釣合重り16がガイドレール11に沿って昇降移動する構成となっている。このように、カゴ15の昇降移動をロープ25により行なうロープ式エレベータにおいては、その構造上ロープに対して物理的な振動抑制のための固定構造物を設けることは、カゴおよび釣合重りの移動範囲内ではそれぞれが干渉するために不可能である。そのため、地震等による外部的な要因の振動に対してロープ自体が横方向に振動してロープが長くなればなるほど横方向の振動の振幅も大きくなる。これにより、地震の発生に伴い、ロープの振動に起因する昇降路内部の構造物とのロープの衝突による破損や、ロープ自体がこれらの構造物に絡み付く事態が実際に発生している。超高階床ビルなどでロープそのものが長くなれば、それ自体の質量増加に伴いロープ振動のエネルギーも著しく増加し、地震の振動と相俟ってカゴ15や釣合重り16をガイドレール11から脱落させるほどの状況も発生する場合があった。
現在、実際に適用されているロープ振動の抑制手段としては、図10に示すように、昇降路の釣合重り16側にこの釣合重り16の移動に干渉しない位置に、金網やワイヤ等よりなる防護構造物22を昇降路の延長方向に沿って設置している。この防護構造物22により、釣合重り16側のロープ1が横方向に振動してもカゴ15や昇降路内に設けられた他の機器に衝突することはない。
しかしながら、このような防護構造物22のような構造物は、釣合重り16自体の移動に対しては干渉しない位置に設けられているため、釣合重り16が昇降路内で占める移動空間の断面積に相当する範囲についてはロープの振動を抑制することができない。また、移動空間の断面積が大きいカゴ15側には、防護構造物22のような構造物を設けることは物理的に不可能であり、ロープ1の振動抑制を効果的に行なうことはできなかった。
そこで、ロープ駆動方式のエレベータにおいては、長尺なロープの揺れを防止するために、種々の試みがなされており、特許文献1に記載された「エレベータの主ロープ振れ止め装置」のように、主ロープが挿通される囲繞部を有し、かご室と巻上機との間に、主ロープを囲繞部内に挿通し、一対のかご室用ガイドレールに案内されて昇降自在に配設された振れ止め体と、巻上機によって駆動され、かご室の昇降移動に連動して、振れ止め体を巻上機とかご室との略々中間に位置するように昇降移動させる振れ止め体移動手段を備える主ロープ振れ止め装置も提案されている。
しかしながら、この特許文献1に開示された主ロープ振れ止め装置によれば、振れ止め体を巻上機とかご室との略々中間に位置するように昇降移動させる振れ止め体移動手段が巻上機により駆動されているので、揺れ止め体移動手段が、巻上機そらせ歯車から駆動力を伝達されるように構成された従動歯車と、この従動歯車と同軸の巻き取りドラムと、プーリ、ループ状ベルト、従動プーリ、第2の巻き取りドラム等により構成されているために、構成が複雑であるばかりでなく、所望の動作を行なわせるように構成することが非常に難しく、振れ止め体を巻上機とかご室との略々中間に位置決めさせて昇降動作を行なわせることができないという問題があった。
カゴの昇降移動をロープにより行なうロープ駆動方式のエレベータにおいて、その構造上ロープに対して物理的な振動抑制のための固定構造物を設けることは、カゴおよび釣合重りの移動範囲内ではそれぞれが干渉し合うために不可能である。そのため、地震等による外部要因の振動に対してロープ自体が水平方向へ振動し、ロープが長くなればなるほどその振幅も大きくなる。これにより、地震の発生の際のロープの振動によるロープと昇降路内の機器や構造物との衝突やこの衝突による破損や、ロープ自体が絡み合う不具合が実際に発生している。超高層階床ビルなどでロープ自体の長さが長くなれば、それ自体の重量の増加に伴いロープ振動の運動エネルギーも著しく増加し、地震の振動と相俟ってカゴや釣合重りをガイドレールから脱落させるほどの状況を発生させる虞もある。
特開平11−139718号公報
上述した従来のエレベータロープ揺れ止め装置は、釣り合い重りが設置されている昇降路内の周囲に、釣合重りの移動を干渉しない位置に金網やワイヤ等の構造物を設置している。これにより、釣合重り側のロープが水平方向に振動してもカゴや昇降路内の機器に衝突することはない。しかし、これらの金網やワイヤ等の構造物は、釣合重り自体の移動には干渉しない位置に設けられているために、釣合重り自体の移動方向の空間での振れや揺れを含むロープの振動を抑制することはできない。また、昇降路に対して移動する部分の面積が大きいカゴ側のロープの揺れを抑制するために同様の構造物を設けることは物理的に不可能であり、昇降路内のロープの振動抑制を効果的に行なうことはできないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、カゴおよび釣合重りの昇降移動に伴ってロープ上を昇降移動してロープの振動を効果的に抑制する揺れ止め装置を提供することを目的とする。また、ロープ自体の昇降移動を動力源とする自走式であると共に既設のエレベータに対して後から追加することが可能であり、また追加する場合でも当該装置以外の機器や設備を既設のエレベータに追加したり改造して取り付けたりする必要のない揺れ止め装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための、基本構成としての本発明の第1構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、エレベータカゴの昇降を案内するために昇降路に沿って一定距離を離隔して設けられた一対のガイドレールと、前記カゴおよび釣合重りの少なくとも一方と前記昇降路の上部および下部の少なくとも一方との間に張設されたロープとを少なくとも備えるエレベータのロープ揺れ止め装置であって、前記一対のガイドレールの左右それぞれのレールの前記一定距離の間を橋絡するように略々水平方向に設けられたフレームと、前記フレームの中心寄りの第1固定軸により軸支されて前記ロープを左右両側から挟み込んでその周面に接触すると共にこのロープの上下の移動による前記周面との接触により前記第1固定軸を中心に回転することから前記フレームと一体となって自走する1組のロープ駆動伝達ローラと、前記フレームの両端寄りに第2固定軸により軸支されて前記ロープ駆動伝達ローラの自走に伴って前記ガイドレールに沿って回転すると共にそれ自身が前記フレームと一体となって上下に移動する1組の移動用ローラと、前記1組のロープ駆動伝達ローラの回転力をそれぞれの前記移動用ローラに所定の回転数で伝える回転力伝達手段と、前記ガイドレールの左右のレールのガイド面に摺動可能に当接して前記フレームの両端にそれぞれ対で設けられて該ガイドレールの延長方向に直交する方向に該フレームの姿勢を維持しつつ該ガイドレール上での該フレームの移動を案内するレールガイドと、を備えることを特徴とする。
この発明の第2構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、上記第1構成のエレベータの揺れ止め装置において、前記エレベータは、前記昇降路の上部に設けられた巻上機を介して前記カゴおよび釣合重りを連繋する主ロープと、前記主ロープを移動させるために回転する前記巻上機の駆動シーブと、を備え、前記主ロープの移動量と釣合重りおよびカゴの移動量とを所定の割合とするローピング方式を有し、前記回転力伝達手段は、前記ロープ駆動伝達ローラの1回転に対して、前記移動用ローラが前記所定の回転数だけ回転して前記フレームを自走させることを特徴とする。
この発明の第3構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、上記第2構成のエレベータの揺れ止め装置において、前記エレベータは、前記主ロープの移動と同じ割合で前記釣合重りおよびカゴを前記ガイドレールに沿って昇降移動させる1:1ローピング方式を有し、前記回転力伝達手段は、前記ロープ駆動伝達ローラの1回転に対して、前記所定の回転数としての前記移動用ローラの回転数が2分の1だけ回転して前記フレームを前記カゴ上部の前記主ロープの中間箇所に位置するように調整することを特徴とする。
このような第3の構成によれば、主ロープの上下移動に伴いロープ伝達駆動ローラが回転し、この回転数に対して移動用ローラの回転数が2分の1になるように調整された回転力伝達手段により、主ロープの昇降移動速度の2分の1の速度で移動用ローラがロープ揺れ止め装置自体を昇降移動させることにより、常に主ロープのカゴと巻上機の駆動シーブとの中間位置、および、主ロープの釣合重りと巻上機の駆動シーブとの中間位置に、それぞれ移動させて、主ロープの最長距離における揺れを効果的に抑制できる。
この発明の第4構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、上記第2構成のエレベータの揺れ止め装置において、前記エレベータは、前記主ロープの移動と同じ割合で前記釣合重りおよびカゴを前記ガイドレールに沿って昇降移動させる2:1ローピング方式を有し、前記回転力伝達手段は、前記ロープ駆動伝達ローラの1回転に対して、前記所定の回転数としての前記移動用ローラの回転数が4分の1だけ回転して前記フレームを前記カゴ上部の前記主ロープの所定箇所に位置するように調整することを特徴とする。
このような第4の構成によれば、主ロープの上下移動に伴いロープ駆動伝達ローラが回転して、この回転数に対して移動用ローラの回転数が4分の1になるように調整された回転力伝達手段により、ロープ移動速度の4分の1の速度で移動用ローラがロープ揺れ止め装置自体を昇降移動させることになり、常に主ロープのカゴと巻上機の駆動シーブとの中間地点、および、主ロープの釣合重りと巻上機の駆動シーブとの中間地点に揺れ止め装置を位置させることになり、主ロープの最長距離における揺れを効果的に抑制できる。
この発明の第5構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、上記第1構成のエレベータの揺れ止め装置において、前記回転力伝達手段は、前記ロープ駆動伝達ローラの回転数を任意の回転数に変更して前記移動用ローラに伝達可能な回転数可変部を備え、前記移動用ローラは、前記回転数可変部により変更され設定された回転数の比と同じ比例速度で前記主ロープの昇降移動に伴い昇降移動することを特徴とする。
このような第5の構成によれば、主ロープの上下移動に伴いロープ駆動伝達ローラが回転して、この回転数に対して移動用ローラの回転数が4分の1になるように調整された回転力伝達手段により、ロープ移動速度の4分の1の速度で移動用ローラがロープ揺れ止め装置自体を昇降移動させることになり、常に主ロープのカゴと巻上機の駆動シーブとの中間地点、および、主ロープの釣合重りと巻上機の駆動シーブとの中間地点に揺れ止め装置を位置させることになり、主ロープの最長距離における揺れを効果的に抑制できる。
この発明の第6構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、上記第1構成のエレベータの揺れ止め装置において、前記ロープのカゴ側または釣合重り側に設けられた第1のロープ揺れ止め装置と、前記フレームおよび前記レールガイドのみを備える第2のロープ揺れ止め装置と、前記第1および第2のロープ揺れ止め装置を連結する装置連結用ロープと、前記昇降路の上部に設けられて前記装置連結用ロープの移動方向を変更することにより前記第2のロープ揺れ止め装置の相対的な位置を移動させる連結ロープ用シーブと、をさらに備えることを特徴とする。
このような第6の構成によれば、ロープ揺れ止め装置の駆動側における昇降移動については上記第3の構成と同一である。このロープ揺れ止め装置の駆動側の昇降移動に伴い、揺れ止め装置用ロープを介してロープ揺れ止め装置のフレームがロープ揺れ止め装置駆動側を同じ移動速度で、かつ、逆の進行方向で昇降移動する。これにより、第3の構成におけるロープの振動抑制都道等の機能を有する。
この発明の第7構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、上記第1構成のエレベータの揺れ止め装置において、前記エレベータは、カゴが最下階にあるときと最上階にあるときとで異なる吊りロープの重量を平衡させる釣合(compensating―コンペンセーティング―)ロープまたはチェーンを備えるエレベータであり、前記フレーム、前記ロープ駆動伝達ローラ、前記1組の移動用ローラ、前記回転力伝達手段、前記レールガイドは前記釣合ロープの揺れを防止するために該釣合ロープに対して設けられていることを特徴とする。
この発明の第8構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、第1構成に記載のものにおいて、前記駆動伝達ローラのロープへの締め付け力を調整すると共にこの締め付け力の調整により前記駆動伝達ローラの締め付け力を一時的に解除して前記フレームが前記カゴまたは前記釣合重りから離隔する距離を調整する距離調整部材をさらに備えるものである。
この発明の第9構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、第8構成に記載のものにおいて、前記距離調整部材が前記昇降路の上端と前記カゴまたは前記釣合重りとの間の前記ロープにおける中間付近に前記フレームが位置するように設定されている場合には、前記カゴまたは前記釣合重りが前記昇降路の上端に接近すると前記フレームの位置が前記ロープの残りの距離の半分となるように設定されていることを特徴とする。
この発明の第10構成に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、第8構成に記載のものにおいて、前記距離調整部材は、前記フレームに平行する方向に対向して設けられる1対の板状の本体と、前記本体と一体的に組み立てられて該本体に直交する方向で前記ロープを挟んで対向して設けられて前記本体の中央部分を橋絡する1対の連結板と、を備え、前記1対の本体は、板状の部材を略々同一形状に加工して、前記ロープを挟み付けている前記1対のロープ駆動伝達ローラの前記第1固定軸の間に入り込んで該第1固定軸をそれぞれ外側に拡開させる拡開部と、前記第1固定軸の必要以上の拡開を阻止する係止部と、を備えると共に、少なくとも前記拡開部の両側面は前記第1固定軸を案内するために傾斜していることを特徴とする。
本発明は、以上の構成により、カゴおよび釣合重りの昇降移動に伴ってロープ上を昇降移動してロープの振動を効果的に抑制する揺れ止め装置を提供することができる。また、ロープ自体の昇降移動を動力源とする自走式であるため、専用の駆動源を設ける必要がないばかりでなく、既設のエレベータに対して後から追加することも可能であり、また、その際に当該装置以外の機器や設備を既設のエレベータに追加したり改造して取り付けたりする必要のない揺れ止め装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るエレベータロープ揺れ止め装置の実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、この発明の第1実施形態に係るエレベータロープ揺れ止め装置を示す正面図である。図1に示す実施形態によるロープ揺れ止め装置1は、エレベータのカゴおよび釣合重りを昇降させるロープ25に設けられ、このロープ25を挟み込んでロープ25の上下動に連動して互いに逆方向に回転する2個1組のロープ駆動伝達ローラ2と、ロープ駆動伝達ローラ2の中心を貫通してそれ自身は回転しない伝達ローラ固定軸5と、伝達ローラ固定軸5を互いに引き寄せて締め付けるための伝達ローラ締め付けバネ3を備える。これらの構成においては、伝達ローラ締め付けバネ3によりロープ駆動伝達ローラ2をロープ25に密着させて、これによりロープ25の上下方向の昇降移動に対してロープ駆動伝達ローラ2を確実に回転させている。
また、エレベータ昇降路には、エレベータのカゴおよび釣合重り(図1には図示されない)の昇降移動時の進行方向のガイドとなるガイドレール11が設けられ、ロープ揺れ止め装置1は、このガイドレール11に密着して回転することにより自身をガイドレール11に沿って昇降移動させる移動用ローラ7と、この移動用ローラ7の中心を貫通して自身は回転しない移動用ローラ軸8と、移動用ローラ軸8をガイドレール11に押しつける移動用ローラ押し付けバネ12をも備える。これらの構成により、移動用ローラ7は押し付けバネ12によりガイドレール11に押し付けられることになり、これにより移動用ローラ7は空転することなくガイドレール11に沿って昇降移動する。
ロープ揺れ止め装置1は、ロープ駆動伝達ローラ2と同軸に張り合わされた減速用シーブ2aを備え、この減速用シーブ2aと移動用ローラ7のそれぞれの外周を繋ぐ回転力伝達ベルト6を備える。この第1実施形態においては、減速用シーブ2aの直径は、ロープ駆動伝達ローラ2の直径の1/2とする。また、移動用ローラ7と減速用シーブ2aの直径は同一である。この構成により、ロープ駆動伝達ローラ2の外周における移動量は減速用シーブ2aにおいて半分になり、結果として回転力伝達ベルト6により移動用ローラ7にロープ駆動伝達ローラ2の回転数に対して1/2で伝えられる。この回転力伝達ベルト6は、1組のロープ駆動伝達ローラ2の回転力をそれぞれの移動用ローラ7に所定の回転数で伝える回転力伝達手段として機能している。
ロープ揺れ止め装置1はさらに、移動用ローラ軸8とロープ駆動伝達ローラ軸5の可動軸受け4を備え、この可動軸受け4は左右にスライド可能なスリット構造になっている。これにより、移動用ローラ押し付けバネ12および伝達ローラ締め付けバネ3は、移動用ローラ7とロープ駆動伝達ローラ2をガイドレール11およびロープ25に対して鉛直方向に力を加えると共に左右方向の振動に対して緩衝機能を果たしている。
符号9は、この第1実施形態によるロープ揺れ止め装置をガイドレール11に沿って昇降移動させるためのレールガイドであり、符号10は、レールガイド9および可動軸受け4を支えるフレームである。また、レールガイド9は、移動用ローラ7の上下に配置されており、ロープ駆動伝達ローラ2とロープ25の接触点を中心にフレーム10が回転してガイドレール11から脱落することを防止する役割も果たしている。
図2は、この第1実施形態によるロープ揺れ止め装置の構造の概略を立体的に示した斜視図である。図2において、各構成部は、図1に示した各構成部分の説明と重複するため同一符号を付すことにより説明を省略する。
図2に示すように、ロープ式エレベータにおけるロープ25は、1本ではなく複数本のロープを合わせて構成されているが、ロープ駆動伝達ローラ2は、複数本から成るロープ25を纏めて挟む構造を有しており、ローラ2のロープ接触面はゴムまたは樹脂等の摩擦係数の高い素材とし、ロープ駆動伝達ローラ2が空転したり、またはロープ25上を回転せずに滑ったりすることのないように、ロープ25の昇降移動に伴う運動エネルギーを確実に回転力として伝えている。
また、移動用ローラ7におけるガイドレール11との接触面は、ロープ駆動伝達ローラ2のロープ接触面と同様に、摩擦係数の高い素材により構成されており、移動用ローラ7の回転力によりこの実施形態によるロープ揺れ止め装置を確実に昇降移動させると共に、ロープ25が停止したときには、第1実施形態によるロープ揺れ止め装置1の自重と、移動用ローラ押し付けバネ12の押し付け力と、によりガイドレール11から滑り落ちるのを防止するだけの摩擦抵抗を生じさせている。
図3は、第1実施形態によるロープ揺れ止め装置が取り付けられるエレベータの全体構成を示す概略図である。図示されない巻上機の駆動シーブ13および逸らせシーブ14を介してロープ25がカゴ15と釣合重り16とを繋ぎ、駆動シーブ13の回転によりカゴ15をガイドレール11に沿って昇降移動させるエレベータにおいて、図1に示されたロープ揺れ止め装置1を、図3で示すシーブ13とカゴ15上部との間の長さLの略々中間となる位置L/2の位置に設置し、釣合重り16と逸らせシーブ14との中間位置にもロープ揺れ止め装置1を設置する構成を有する。
以上の構成を纏めて説明すると、基本構成としての本発明の第1実施形態に係るエレベータのロープ揺れ止め装置1は、図1ないし図3に示すように、エレベータカゴ15の昇降を案内するために昇降路27に沿って一定距離を離隔して設けられた一対のガイドレール11と、カゴ15および釣合重り16の少なくとも一方と昇降路の上部および下部の少なくとも一方との間に張設されたロープ25とを少なくとも備えるエレベータのロープ揺れ止め装置であって、一対のガイドレール11の左右それぞれのレールの一定距離の間を橋絡するように略々水平方向に設けられたフレーム10と、フレーム10の中心寄りの第1固定軸5により軸支されてロープ25を左右両側から挟み込んでその周面に接触すると共にこのロープ25の上下の移動による周面との接触により第1固定軸5を中心に回転することによりフレーム10と一体となって自走する1組のロープ駆動伝達ローラ2と、フレーム10の両端寄りに第2固定軸8により軸支されてロープ駆動伝達ローラ2の自走に伴ってガイドレール11に沿って回転すると共にそれ自身がフレーム10と一体となって上下に移動する1組の移動用ローラ7と、1組のロープ駆動伝達ローラ2の回転力をそれぞれの移動用ローラ7に所定の回転数で伝える回転力伝達ベルト6と、ガイドレール11の左右のレールのガイド面に摺動可能に当接してフレーム10の両端にそれぞれ対で設けられて該ガイドレール11の延長方向に直交する方向に該フレーム10の姿勢を維持しつつ該ガイドレール11上での該フレーム10の移動を案内するレールガイド9と、を備えるものである。レールガイド9は、フレーム10の左右両端の上下に2つずつ2対を設けることによりロープ駆動伝達ローラ2のロープ25へ両側からの挟み付けが緩められたときでも、押し付けバネ12の押し付け力と相俟ってガイドレール11に対してフレーム10の姿勢を維持させることができる。
以上のように、図1ないし図3により示した構成を有するエレベータロープ揺れ止め装置1は、ロープ25の移動に伴い回転するロープ駆動伝達ローラ2の回転力が、変速用シーブ2aと回転力伝達ベルト6を介して移動用ローラ7に伝達され、ロープ25の昇降移動と同一方向へ、ロープ25の移動速度の1/2でロープ揺れ止め装置1がガイドレール11に沿って昇降移動する。これにより、カゴ15側のロープ25に取り付けたロープ揺れ止め装置1は、カゴ15の位置に拘わらず常にカゴ15と駆動シーブ13との間の中間点に位置することになる。このような構成および動作により、ロープ25の水平方向の振幅が最大となる振動を抑えることができる。釣合重り16側についても同様である。
このように、第1実施形態によるロープ揺れ止め装置1は、昇降移動のための機構や振動を抑制する手段自体を全てフレーム10内に収納しており、揺れ止め装置1の本体以外には従来の機構のように機器の追加等が不要であり、エレベータ装置や従来の周辺装置に対して特別な機器や構成の追加が不要であり、装置本体の設置空間と稼動のための動力が確保できれば既設のエレベータに対して特別な変更を加えることなしに容易に追加することができる。また、停止位置の制御のための機構が単純な構成であり、ロープ25の移動速度の常に半分の速度で自走するため、ロープ25だけでなく、高階床のエレベータにおけるカゴ15と釣合重り16との重量バランス確保のために適用されているコンペンセーティングチェインまたはロープについても、この実施形態によるロープ揺れ止め装置を適用することができる。
[第2実施形態]
図4は、この発明の第2実施形態によるエレベータロープ揺れ止め装置の構成をエレベータの全体構成と共に示す構成図である。図4においては、図3に示した第1実施形態における駆動シーブ13とカゴ15間に設けられた揺れ止め装置1と、逸らせシーブ14と釣合重り16の間に設けられた揺れ止め装置1とを連結すると共に一方側の揺れ止め装置を駆動側17として他方側をサポート側18として構成したものである。
図4において、第2実施形態による揺れ止め装置は、図1に示された揺れ止め装置1と同一の構成を有する駆動側揺れ止め装置17と、釣合重り16側のロープ25に設けられた揺れ止めサポート18と、駆動側揺れ止め装置17と揺れ止めサポート18とを連結する連結ロープ20と、エレベータの昇降路上部に設置されて連結ロープ20の昇降動作をカゴ15側と釣合重り16側とで案内する揺れ止め装置用シーブ19とを備える。
カゴ15側のロープ25の駆動側揺れ止め装置17は、連結ロープ20により揺れ止めサポート18と連結されている以外は、上述したように図1,図2で説明した第1実施形態の揺れ止め装置1と同一の構成を有している。釣合重り16側のロープ25のロープ揺れ止めサポート18は、第1実施形態における揺れ止め装置1の構成のうち、自走のための機構を除去して、フレーム10とレールガイド6のみを有し、ロープ25を貫通させて支えるためのロープ支え18aを有している。
駆動側揺れ止め装置17と揺れ止めサポート18とを連結する連結ロープ20は、昇降路27の上部に設置された揺れ止め装置用シーブ19を介してロープ25の移動に伴い自走するカゴ15側の駆動側揺れ止め装置17の昇降動作を伝えて釣合重り16側のロープ揺れ止めサポート18を昇降移動させる。この第2実施形態においては、駆動側揺れ止め装置17が第1の揺れ止め装置であり、ロープ揺れ止めサポート18が第2の揺れ止め装置となっている。
以上の構成を有する第2実施形態によるエレベータロープ揺れ止め装置は、第1実施形態によるロープ揺れ止め装置と同一の機構によりガイドレール11に沿ってカゴ15の半分の移動速度で昇降移動するカゴ15側の駆動側揺れ止め装置17の移動力が連結ロープ20を介して昇降移動するように構成されているので、第1実施形態に比較すると、装置自体の自重による定常位置からのずれや落下に関連する設計上の制約事項を第1実施形態に比較すると大幅に緩和した構造とすることができる。
また、この第2実施形態による揺れ止め装置は、カゴ15側のロープ25の揺れを防止するための駆動側揺れ止め装置17を1台のみとし、釣合重り16側のロープ25の振動は、連結ロープ20を介して駆動側揺れ止め装置17に連動する揺れ止めサポート18により防止するようにしているが、カゴ15側と釣合重り16側との構成を入れ替えることにより実施しても問題はない。また、ロープ揺れ止め装置用シーブ19は、図4に示すように、昇降路の上部に設けても良いが、機械室を備えるエレベータにおいては機械室内に設けるようにしても良い。なお、図4に示すように、昇降路の頂上部の天井上に設置すると、昨今の主流である機械室レスのエレベータに対しても適用可能である。
[第3実施形態]
次に、図5,図6を用いてこの発明の第3実施形態に係るロープ揺れ止め装置を説明する。図5に示す第3実施形態によるロープ揺れ止め装置は、図1に示した第1実施形態によるロープ揺れ止め装置と同一の構成要素については、同一符号を付することにより重複説明を省略する。
図5において、第3実施形態による揺れ止め装置は、移動用ローラ8と同軸に取り付けられた回転数可変シーブ21を備えている。この回転数可変シーブ21には、回転力伝達ベルト6が張設されて、減速用シーブ2aの回転力を受けて移動用ローラ7に回転力を伝達している。この回転数可変シーブ21は、減速用シーブ2aの直径に対して任意の倍数比の直径を有するように設定可能である。この直径は、この発明によるロープ揺れ止め装置におけるロープ25の移動距離に対して、移動用ローラ7がガイドレール11上を進む距離が1/3となるようにその直径を設定した場合、この第3実施形態によるロープ揺れ止め装置は、ロープ25の移動速度に対してその1/3の移動速度で昇降移動することになる。
図6は、第3実施形態によるロープ揺れ止め装置をエレベータに取り付けた状態を示す全体構成図である。この第3実施形態については、上記の回転数可変シーブ21の直径はロープ25の移動速度に対して揺れ止め装置の移動速度が1/3となるように設定されているものとする。
図6において、巻上機の駆動シーブ13および逸らせシーブ14を介してロープ25がカゴ15と釣合重り16とを繋いでおり、駆動シーブ13の回転によりカゴ15をガイドレール11に沿って昇降移動させるエレベータにおいて、図5に示した第3実施形態のロープ揺れ止め装置をロープ25におけるカゴ15と駆動シーブ13との間の長さLに対して、その長さを1:2および2:1に分ける位置に設置して、同様に、ロープ25の上の釣合重り16と逸らせシーブ14との間を1:2および2:1に分ける位置に設定した構成を有している。
以上の構成を有する第3実施形態によるロープ揺れ止め装置においては、ロープ25の移動に伴い、回転するロープ駆動伝達ローラ2の回転力が減速シーブ2aと回転力伝達ベルト6と回転数可変シーブ21を介して移動用ローラ7に伝達され、ロープ揺れ止め装置1がロープ25の昇降移動と同一方向でかつロープ25の移動速度の1/3でガイドレール11に沿って昇降移動する。これにより、カゴ15側のロープ25に取り付けたロープ揺れ止め装置は、カゴ15の位置に拘わらず常にカゴ15と駆動シーブ13の間を1:2および2:1に区切る位置で移動する。これにより、ロープ1の水平方向の揺れを2箇所で抑えることができる。釣合重り16側でも同様に2箇所でロープ25の揺れを抑えることができる。
以上の構成を有する第3実施形態によるロープ揺れ止め装置は、回転数可変シーブ21の直径を変更することによりロープ25の長さが長大となる高階床の建築物であっても、この第3実施形態に係るロープ揺れ止め装置を複数個取り付けることにより、ロープ25の水平方向の横揺れを抑制することができる。また、この第3実施形態によるロープ揺れ止め装置は、第1実施形態の構成と同様に、昇降移動のための機構や振動抑制手段自体を全てフレーム10内に収納させており、揺れ止め装置の本体を準備するだけでエレベータの従来の機構に対して追加すべき機器や構成を必要とせず、装置本体の設置空間のみ確保できれば既設のエレベータに容易に設置することができる。
また、揺れ止め装置自体の構成が単純であり、ロープ25の移動速度の常に1/3の速度で自走するため、ロープ昇降駆動方式のエレベータばかりでなく、高階床のエレベータにおいてカゴと釣合重りの重量バランスを確保するために用いられているコンペンロープについてもこの第3実施形態に係るロープ揺れ止め装置を適用することができる。また、減速シーブ2aを取り外して、ロープ駆動伝達ローラ2の最外周に巻回させられた回転力伝達ベルト6を直接張設して、回転数可変シーブ21により移動用ローラ7の回転数を制御することも可能である。
[第4実施形態]
次に、この発明の第4実施形態によるエレベータロープ揺れ止め装置について図7を参照しながら説明する。図7に示す第4実施形態において、エレベータのロープ25は、カゴ15および釣合重り16で固定されず、カゴ15および釣合重り16の各々上面に設けられた、逸らせシーブ23を介して昇降路の上部で固定される2:1ローピング方式を有する。これにより、駆動シーブ13により昇降駆動されるロープ25の移動量に対して、カゴ15および釣合重り16の移動量は1/2となる。
図7において、揺れ止め装置1は、第1実施形態と同様の構成を有し、第2実施形態の駆動側揺れ止め装置17と同一の構成を有しており、図1ないし図6と同一符号を付した構成要素は同一または相当する構成要素を示している。この2:1ローピング方式においては、昇降路の最上端とカゴ15および釣合重り16の上面の、逸らせシーブ23との間のロープ25を貫通させて支持するロープガイド24を備える。このロープガイド24は駆動側揺れ止め装置17の内部の各シーブやローラと干渉しない位置でフレーム10に固定されている。
この第4実施形態においては、駆動側揺れ止め装置17の減速用シーブ2aと移動用ローラ7の直径はそれぞれ、ロープ駆動力伝達ローラ2の直径の1/4とする。この構成により、ロープ駆動伝達ローラ2の円周における移動量、すなわちロープ25の移動量は減速用シーブ2aにより1/4となり、結果として回転力伝達ベルト6により移動用ローラ7へ伝えられ、その伝達回転数は、ロープ駆動伝達ローラ2の回転数に対して1/4である。
以上のように第4実施形態に係るエレベータのロープ揺れ止め装置は、ロープ25の移動に伴い回転するロープ駆動力伝達ローラ2の回転力が、減速用シーブ2aと回転力伝達ベルト6を介して移動用ローラ7に伝達され、ロープ25の昇降移動と同一方向でかつロープ25の移動速度の1/4でロープ揺れ止め装置がガイドレール11に沿って昇降移動する。また、カゴ15および釣合重り16は、2:1ローピング方式によりロープの移動量に対して1/2の速度で昇降移動する。これにより、カゴ15側のロープに取り付けられたロープ揺れ止め装置は、カゴ15の位置に拘わらず常にカゴ15と駆動シーブ13との間の中間地点に位置することになる。
このようにして、カゴ15を吊り下げ支持するロープ25の水平方向の揺れ幅が最大となる横揺れを抑えることができると共に、釣合重り16側についてもロープ25の水平方向の横揺れを抑えることができる。このように構成されたエレベータのロープ揺れ止め装置は、第1実施形態における揺れ止め装置の特徴を備えると共に、エレベータのローピング方式に拘わらず揺れ止め装置を既設のエレベータに追加することができる。
[第5実施形態]
なお、上述した第1ないし第4実施形態によるロープ揺れ止め装置においては、何れのものも揺れ止め装置1を単体で用いると共に、揺れ止め装置1のカゴ15または釣合重り16からの距離を固定にして用いるものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、駆動伝達ローラ2のロープ25への締め付け力を調整すると共にこの締め付け力の調整により揺れ止め装置の駆動伝達ローラ2の締め付け力を一時的に解除して揺れ止め装置のカゴ15または釣合重り16から離隔する距離を調整する距離調整部材を設けるようにしても良い。この距離調整部材を併用する具体例として第5実施形態によるロープ揺れ止め装置について、図8および図9(a)(b)を用いて説明する。
図8は、第5実施形態によるロープ揺れ止め装置1および距離調整部材30の概略構成を示しており、揺れ止め装置1および距離調整部材30をガイドレール11とロープ25に取り付けた状態での相対的な位置関係を示している。図8において、ロープ揺れ止め装置1は、第1ないし第4実施形態で説明したものと同一構成を有している。距離調整部材30は、揺れ止め装置1のフレーム10に平行する方向に対向して設けられる1対の板状の本体31と、本体31に直交する方向でロープ25を挟んで対向して設けられ本体31の中央部分を橋絡する1対の連結板32とを一体的に組み立てて構成されている。1対の本体31は、板状の部材を略々同一形状に加工したものであり、ロープ25を挟み付けている揺れ止め装置1の1対のロープ駆動伝達ローラ2の第1固定軸5の間に入り込んで固定軸5をそれぞれ外側に拡開させる拡開部33と、固定軸5の必要以上の拡開を阻止する係止部34と、を備え、拡開部33および係止部34の側面は傾斜している。
次に、図9(a)(b)を参照しながら、第5実施形態のロープ揺れ止め装置の動作について説明する。図9(a)に示すように、ロープ25が上方へ移動しているとき、ロープ駆動伝達ローラ2は、図9(a)に白抜きの矢印で示すようにそれぞれ回転してフレーム10を上方へ移動させ、フレーム10は例えば短い太線矢印に比例するような速度で上昇する。距離調整部材30は連結板32によりロープ25を挟み付けているためにロープ25と略々同程度の例えば長めの太線矢印に比例する速度で上昇する。
フレーム10と距離調整部材30との上昇速度の比率は1:2程度であるので、距離調整部材30はやがてフレーム10に衝突する。このとき拡開部33の傾斜部分にローラ2の固定軸5が当接してローラ2のロープ25に対する挟み付けが緩められると共に、距離調整部材30は連結板33がロープ25を強く挟み付けながらフレーム10と一体に上昇するため、フレーム10の上昇速度は図9(b)の太線矢印で示すようにロープ25の上昇速度と略々一致している。
図9(a)(b)に示したようなフレーム10と距離調整部材30の動作は、例えばエレベータが昇降路27の上端側で停止する際などに有効であり、ロープ揺れ止め装置1がロープ25における昇降路27の上端とカゴ15または釣合重り16との中間付近に位置するように設定されている場合には、カゴ15または釣合重り16が昇降路27の上端に接近すると揺れ止め装置1のフレーム10の位置はロープ25の残りの距離の常に半分となるように設定されていることになる。
したがって、ロープ25の残余量が少なくなると、フレーム10の上昇速度は減速されてカゴ15または釣合重り16に接近して当接する虞もあるが、距離調整部材30をカゴ15または釣合重り16の間に設けておくことにより揺れ止め装置1とカゴ15または釣合重り16との当接ないしは衝突を防止することができる。
本発明の第1実施形態によるエレベータのロープ揺れ止め装置の構成を示す正面図である。 第1実施形態のロープ揺れ止め装置の動作原理である基本構造部分を概略的に示す斜視図である。 第1実施形態のロープ揺れ止め装置を適用したエレベータの全体構成を示す側面図である。 本発明の第2実施形態のロープ揺れ止め装置を適用したエレベータの全体構成を示す側面図である。 本発明の第3実施形態によるエレベータのロープ揺れ止め装置の構成を示す正面図である。 第3実施形態のロープ揺れ止め装置を適用したエレベータの全体構成を示す側面図である。 本発明の第4実施形態のロープ揺れ止め装置を適用したエレベータの全体構成を示す側面図である。 本発明の第5実施形態のロープ揺れ止め装置の動作原理である基本構造部分を概略的に示す斜視図である。 第5実施形態によるロープ揺れ止め装置における(a)移動用ローラ回転時と、(b)移動用ローラ停止時の正面図である。 釣合重り側の昇降路内に防護構造物を設けた従来のロープ揺れ止め装置を示す側面図である。
符号の説明
1 ロープ揺れ止め装置
2 ロープ駆動伝達ローラ
3 伝達ローラ締め付けバネ
5 第1固定軸
6 回転力伝達ベルト
7 移動用ローラ
8 第2固定軸
9 レールガイド
10 フレーム
11 ガイドレール
12 移動ローラ締め付けバネ
15 カゴ
16 釣合重り
17 第1の揺れ止め装置(駆動側ロープ揺れ止め装置)
18 第2の揺れ止め装置(揺れ止めサポート)
25 ロープ
27 昇降路
30 距離調整部材
33 ローラ拡開部

Claims (10)

  1. エレベータカゴの昇降を案内するために昇降路に沿って一定距離を離隔して設けられた一対のガイドレールと、前記カゴおよび釣合重りの少なくとも一方と前記昇降路の上部および下部の少なくとも一方との間に張設されたロープと、を少なくとも備えるエレベータのロープ揺れ止め装置であって、
    前記一対のガイドレールの左右それぞれのレールの前記一定距離の間を橋絡するように略々水平方向に設けられたフレームと、
    前記フレームの中心寄りの第1固定軸により軸支されて前記ロープを左右両側から挟み込んでその周面に接触すると共にこのロープの上下の移動による前記周面との接触により前記第1固定軸を中心に回転することから前記フレームと一体となって自走する1組のロープ駆動伝達ローラと、
    前記フレームの両端寄りに第2固定軸により軸支されて前記ロープ駆動伝達ローラの自走に伴って前記ガイドレールに沿って回転すると共にそれ自身が前記フレームと一体となって上下に移動する1組の移動用ローラと、
    前記1組のロープ駆動伝達ローラの回転力をそれぞれの前記移動用ローラに所定の回転数で伝える回転力伝達手段と、
    前記ガイドレールの左右のレールのガイド面に摺動可能に当接して前記フレームの両端にそれぞれ対で設けられて該ガイドレールの延長方向に直交する方向に該フレームの姿勢を維持しつつ該ガイドレール上での該フレームの移動を案内するレールガイドと、
    を備えることを特徴とするエレベータのロープ揺れ止め装置。
  2. 前記エレベータは、前記昇降路の上部に設けられた巻上機を介して前記カゴおよび釣合重りを連繋する主ロープと、前記主ロープを移動させるために回転する前記巻上機の駆動シーブと、を備え、前記主ロープの移動量と釣合重りおよびカゴの移動量とを所定の割合とするローピング方式を有し、
    前記回転力伝達手段は、前記ロープ駆動伝達ローラの1回転に対して、前記移動用ローラが前記所定の回転数だけ回転して前記フレームを自走させることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのロープ揺れ止め装置。
  3. 前記エレベータは、前記主ロープの移動と同じ割合で前記釣合重りおよびカゴを前記ガイドレールに沿って昇降移動させる1:1ローピング方式を有し、
    前記回転力伝達手段は、前記ロープ駆動伝達ローラの1回転に対して、前記所定の回転数としての前記移動用ローラの回転数が2分の1だけ回転して前記フレームを前記カゴ上部の前記主ロープの中間箇所に位置するように調整することを特徴とする請求項2に記載のエレベータのロープ揺れ止め装置。
  4. 前記エレベータは、前記主ロープの移動と同じ割合で前記釣合重りおよびカゴを前記ガイドレールに沿って昇降移動させる2:1ローピング方式を有し、
    前記回転力伝達手段は、前記ロープ駆動伝達ローラの1回転に対して、前記所定の回転数としての前記移動用ローラの回転数が4分の1だけ回転して前記フレームを前記カゴ上部の前記主ロープの所定箇所に位置するように調整することを特徴とする請求項2に記載のエレベータのロープ揺れ止め装置。
  5. 前記回転力伝達手段は、前記ロープ駆動伝達ローラの回転数を任意の回転数に変更して前記移動用ローラに伝達可能な回転数可変部を備え、前記移動用ローラは、前記回転数可変部により変更され設定された回転数の比と同じ比例速度で前記主ロープの昇降移動に伴い昇降移動することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのロープ揺れ止め装置。
  6. 前記ロープのカゴ側または釣合重り側に設けられた第1のロープ揺れ止め装置と、前記フレームおよび前記レールガイドのみを備える第2のロープ揺れ止め装置と、前記第1および第2のロープ揺れ止め装置を連結する装置連結用ロープと、前記昇降路の上部に設けられて前記装置連結用ロープの移動方向を変更することにより前記第2のロープ揺れ止め装置の相対的な位置を移動させる連結ロープ用シーブと、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのロープ揺れ止め装置。
  7. 前記エレベータは、カゴが最下階にあるときと最上階にあるときとで異なる吊りロープの重量を平衡させる釣合ロープまたはチェーンを備えるエレベータであり、
    前記フレーム、前記ロープ駆動伝達ローラ、前記1組の移動用ローラ、前記回転力伝達手段、前記レールガイドは前記釣合ロープの揺れを防止するために該釣合ロープに対して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのロープ揺れ止め装置。
  8. 前記駆動伝達ローラのロープへの締め付け力を調整すると共にこの締め付け力の調整により前記駆動伝達ローラの締め付け力を一時的に解除して前記フレームが前記カゴまたは前記釣合重りから離隔する距離を調整する距離調整部材をさらに備える請求項1に記載のエレベータのロープ揺れ止め装置。
  9. 前記距離調整部材が前記昇降路の上端と前記カゴまたは前記釣合重りとの間の前記ロープにおける中間付近に前記フレームが位置するように設定されている場合には、前記カゴまたは前記釣合重りが前記昇降路の上端に接近すると前記フレームの位置が前記ロープの残りの距離の半分となるように設定されていることを特徴とする請求項8に記載のエレベータのロープ揺れ止め装置。
  10. 前記距離調整部材は、前記フレームに平行する方向に対向して設けられる1対の板状の本体と、前記本体と一体的に組み立てられて該本体に直交する方向で前記ロープを挟んで対向して設けられて前記本体の中央部分を橋絡する1対の連結板と、を備え、前記1対の本体は、板状の部材を略々同一形状に加工して、前記ロープを挟み付けている前記1対のロープ駆動伝達ローラの前記第1固定軸の間に入り込んで該第1固定軸をそれぞれ外側に拡開させる拡開部と、前記第1固定軸の必要以上の拡開を阻止する係止部と、を備えると共に、少なくとも前記拡開部の両側面は前記第1固定軸を案内するために傾斜していることを特徴とする請求項8に記載のロープ揺れ止め装置。
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