JPH043420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、電気コネクタを壁面等に固定する装
置に関するものである。

従来の技術 従来、電気コネクタを設備などの一部に固定す
るに当つて、コネクタ自体に固定用部材を設ける
方法や、コネクタを嵌合保持できるブラケツトを
あらかじめ壁面当に固定しておき、そのブラケツ
トにコネクタハウジングを嵌合させる方法などが
採用されている。そして、ブラケツトを介して取
付ける方法は、ブラケツトに嵌合できる形状のコ
ネクタであれば種類や用途を問わず使用すること
ができ、また電線と電線の接続のみならず、コネ
クタに対して直接に機器を取り付ける際にも機器
の固定に便利であるという利点がある。

しかし、コネクタの外形が挿入方向からみて点
対称であるような場合（第４図）、壁面に対する
表裏を判断して正しく挿入する必要があり（第５
図ａ）、逆挿入するとコネクタがロツクされてし
まい、挿入し直しが面倒（第５図ｂ）という問題
がおこる。

従つて、このような逆挿入を避けるためには、
コネクタの外形を挿入方向からみて線対称とする
ような手段が取られていた（第６図）。しかし、
このような形状のコネクタは、逆挿入防止はでき
るが、形状が大きくなるうえに製造コスト及び管
理コストが高くなるという欠点があつた。

解決しようとする問題点 本考案は、外形が単純で汎用向きのハウジン
グ、すなわち、ハウジングの前半部をその後半部
よりも側方に膨出させて角筒形ソケツトとし更に
前端が雄ハウジングの係止突起に対する係止縁を
構成し且つ後端が開放されているスリツトを該ソ
ケツトの側壁に設けてなるハウジング形状のコネ
クタの逆挿入が不可能であり、挿入できれば必ず
正しく固定できるような構造の壁取付用ブラケツ
トを提供しようとするものである。

解決するための手段 上述のような本考案の目的は、ハウジングの前
半部をその後半部よりも側方に膨出させて筒形ソ
ケツトとし更に前端が雄ハウジングの係止突起に
対する係止縁を構成し且つ後端が開放されている
スリツトを該ソケツトの側壁に設けてなる雌コネ
クタを固定するためのブラケツトであつて、該ブ
ラケツトの枠部は前記ソケツト部を内側に嵌着で
きる筒形でその前端にストツパをまたその内側壁
にロツク手段を設けて形成され、該枠部側壁の１
つが該枠部後端よりも更に後方に延長されている
とともに該延長側壁の該枠部後端より後方に離れ
た位置の内側面上に該ブラケツトの軸に平行に前
記スリツトと係合可能なリブ状ガイドが突設され
ていることを特徴とするコネクタ取付用ブラケツ
トによつて達成される。

すなわち、本考案のブラケツトは、第１図およ
び第２図に示される例のような構造を有するもの
である。ここで、１はブラケツト、２はブラケツ
ト１に挿入できる外形形状をもつコネクタハウジ
ングである。ブラケツト１の枠部１ａには、従来
技術によるものと同様にコネクタの前進止め用ス
トツパ１ｂとロツク用アーム１ｃとが設けられて
いるが、更に挿入口側には側壁の延長部１ｄが設
けられており、該延長部位１ｄの内側面にはリブ
状ガイド１ｅが縦方向に突設されている。１ｆ
は、ブラケツト１を壁面などに取付けるための、
壁面の孔に嵌合できるフアスナである。

コネクタハウジング２はその前半部に角筒形の
ソケツト２ａが後半部よりも側方に膨出した形状
に形成されている。このソケツト２ａにはスリツ
ト２ｂが設けられており、その前端は雄コネクタ
のハウジングに設けた係止突起（図示せず）など
を係止するための係止縁２ｃを構成しており、ま
たその後端は開放されている。

本考案のブラケツト１は、コネクタ２を取付け
ようとする壁面等に設けた取付孔に、フアスナ１
ｆを圧入係止することによつて取付固定される。

このようにして壁面等に固定されたブラケツト
１に対してコネクタハウジング２を取付けるに
は、ソケツト２ａに設けられたスリツト２ｂをリ
ブ状ガイド１ｅに押し当てるようにして嵌合させ
る。このとき、若しコネクタの表裏が逆である
と、ガイド１ｅにつかえて、コネクタの先端はブ
ラケツトの挿入口と合致しない（第３図ａ）。コ
ネクタが正しい姿勢にあれば、リブ１はスリツト
２ｂに嵌合し、コネクタの先端はブラケツトの挿
入口に正しく向き合う。従つて、そのままコネク
タ２をブラケツト１に滑り込ませればコネクタ２
は傾くことなく挿入され、コネクタの肩部２ｄは
ブラケツトのロツク用アーム１ｃと係合してコネ
クタの取付が完成する。

この例から分るように、リブ１ｅの枠部１ａに
近い端の位置は枠部１ａの後端より離れていなけ
ればならない。この間隔Ｘは、取り付けようとす
るコネクタハウジングの先端からスリツトの前端
２ｃまでの距離Ｙより大きくなければならない
が、取り付けようとするコネクタハウジングが複
数種類であるときは、それらのいづれにおける距
離Ｙよりも大きいように間隔Ｘを定めておくこと
が望ましい。リブ１ｅの長さは特に制限はない
が、長目の方がコネクタ挿入時にコネクタが斜に
傾くおそれがない。また、ブラケツト背面のフア
スナ１ｅは必ずしも設けられていなくてもよく、
他の装置等に取りつけた適宜のフアスナ又はカプ
ラ等を介して固定しても差支えない。

考案の効果 以上詳述したように、本考案のコネクタ取付構
造は、特定形状のブラケツトに特定形状のハウジ
ングを持つコネクタを組合せて構成されていて、
単純な構造でありながら誤装着が生じない。ま
た、コネクタの挿入姿勢が規制されて、楽にしか
も確実に挿入を行うことができ、またコネクタの
ロツク位置が一定になるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のコネクタ取付構造の実施例
を表側から見た斜視図、第２図は同じく裏側から
見た斜視図である。第３図は同じく断面図であつ
てａは逆挿入をしようとした場合、ｂは正しい挿
入をしようとした場合、ｃは取付が完成した場合
を示す。第４図は従来技術の取付構造の例の斜視
図であり、第５図は同じ例の挿入された状態の断
面図で、ａは正しく挿入された場合、ｂは逆挿入
された場合を示す。第６図は従来技術の他の例の
斜視図である。 １……ブラケツト、１ａ……枠部、１ｂ……ス
トツパ、１ｃ……ロツクアーム、１ｄ……側壁延
長部、１ｅ……リブ状ガイド、１ｆ……取付用フ
アスナ、２……コネクタハウジング、２ａ……ソ
ケツト、２ｂ……スリツト、２ｃ……係止縁、２
ｄ……肩部、１１，２１……ブラケツト、１１
ａ，２１ａ……ストツパ、１１ｂ，２１ｂ……ロ
ツクアーム、１１ｃ，２１ｃ……取付用フアス
ナ、１２，２２……コネクタハウジング、１２ａ
……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングの前半部をその後半部よりも側方に
   膨出させて筒形ソケツトとし更に前端が雄ハウジ
   ングの係止突起に対する係止縁を構成し且つ後端
   が開放されているスリツトを該ソケツトの側壁に
   設けてなる雌コネクタを固定するためのブラケツ
   トであつて、該ブラケツトの枠部は前記ソケツト
   部を内側に嵌着できる筒形でその前端にストツパ
   をまたその内側壁にロツク手段を設けて形成さ
   れ、該枠部側壁の１つが該枠部後端よりも更に後
   方に延長されているとともに該延長側壁の該枠部
   後端より後方に離れた位置の内側面上に該ブラケ
   ツトの軸に平行に前記スリツトと係合可能なリブ
   状ガイドが突設されていることを特徴とするコネ
   クタ取付用ブラケツト。