JPH04330015A - 生化学的拮抗及び疾患処置剤 - Google Patents

生化学的拮抗及び疾患処置剤

Info

Publication number
JPH04330015A
JPH04330015A JP3125235A JP12523591A JPH04330015A JP H04330015 A JPH04330015 A JP H04330015A JP 3125235 A JP3125235 A JP 3125235A JP 12523591 A JP12523591 A JP 12523591A JP H04330015 A JPH04330015 A JP H04330015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxo
dehydroxy
compound
difluoro
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3125235A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07103030B2 (ja
Inventor
Takashi Ueno
隆司 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK
Original Assignee
Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK filed Critical Ueno Seiyaku Oyo Kenkyujo KK
Priority to JP3125235A priority Critical patent/JPH07103030B2/ja
Publication of JPH04330015A publication Critical patent/JPH04330015A/ja
Publication of JPH07103030B2 publication Critical patent/JPH07103030B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/557Eicosanoids, e.g. leukotrienes or prostaglandins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/08Bronchodilators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/02Antithrombotic agents; Anticoagulants; Platelet aggregation inhibitors

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、15−デヒドロキシ
−16−オキソ−プロスタグランジン化合物の新用途に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、アレルギーや炎症疾患において、
ヒスタミンがケミカルメディエーターの1つであること
は、広く知られており、また遅延反応物質として知られ
るロイコトリエンも種々のメディエーターとして知られ
ている。さらに、近年、自己免疫疾患においてロイコト
リエンなどの遅延反応物質が関与していることが示され
ている。また、近年、アレルギー反応や炎症反応のケミ
カルメディエーターの1つとして血小板活性化因子の存
在が認識されつつある。そして、現在、アレルギーや炎
症疾患の処置としては、いわゆる抗ヒスタミン剤が広く
用いられ、また、ロイコトリエンの産生を阻害する抗リ
ポキシゲナーゼや血小板活性化因子アンタゴニストなど
も研究されているが、未だ十分な結果を得るにいたって
いない。
【0003】一方、プロスタグランジン類(以後プロス
タグランジンはPGとして示す)はひとおよび他の哺乳
類の組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活性
を示す有機カルボン酸の1群である。天然に存在するP
G類は一般的な構造特性として、プロスタン酸骨格を有
する。
【化1】 一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格を持っている
。天然PG類は5員環の構造特性によって、PGA類、
PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF類、
PGG類、PGH類、PGI類およびPGJ類に分類さ
れ、さらに鎖部分が、不飽和および酸化の存在および不
存在によっても 下付1...13,14−不飽和−15−OH下付2.
..5,6−および13,14−ジ不飽和−15−OH 下付3...5,6−、13,14−および17,18
−トリ不飽和−15−OH として、分類される。さらに、PGF類は9位の水酸基
の配置によってα(水酸基がアルファー配置である)お
よびβ(水酸基がベータ配置である)に分類される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、天然
のPG類の作用は多彩であり、しかも1つの化合物が種
々の作用を同時に有する。しかし、このことは、長所の
ようにみえるが、ある場合には目的としない作用の存在
は却って不都合であり、副作用として排斥される。した
がって、PG類が有する諸作用のうち、特定の作用のみ
を有する化合物の開発は望ましいことである。この発明
者は、このような化合物を探索して研究を続けた結果、
15−デヒドロキシ−16−オキソPG化合物が、例え
ばすぐれた抗アレルギー作用および抗炎症作用等を有す
ることを見出し、この発明を完成したのである。
【0005】
【発明の構成】すなわち、この発明は、15−デヒドロ
キシ−16−オキソPG化合物を有効成分とする、アレ
ルギー疾患および炎症疾患処置剤、抗ヒスタミン剤、ロ
イコトリエン拮抗剤、血小板活性化因子拮抗剤および気
管支拡張剤を提供するものである。
【0006】アレルギー疾患は、アレルギー反応、すな
わち一定の細胞内で特異物質(抗原またはアレルゲン。 例えば花粉、穀類、じんあい、動物性空気運搬物質、食
物、薬剤、治療血清、細菌およびその産生物質等)に対
する抗体ができ、再びその物質に出会ったとき起こる反
応が生体に防御的でなく有害に作用する反応に基づく疾
患である。これには、枯草熱(季節性鼻カタル、血管運
動性鼻炎)、気管支ぜん息、血清病、血清ショック、ア
レルギー性皮膚炎、アレルギー性胃炎、アレルギー性関
節炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性下痢、アレル
ギー性喉頭炎、アレルギー性紫斑病、アレルギー性神経
炎、アレルギー性肉芽腫、アレルギー性脳脊髄炎、アレ
ルギー性肺胞炎、アレルギー性腎炎、アレルギー性鼻炎
、アレルギー性ぜん息、アレルギー性湿疹等が含まれる
。さらに本発明においては自己の組織を構成する成分に
反応する抗体が産生されることにより、自己の細胞に対
して組織障害を起こすいわゆる自己免疫疾患を包含する
。これには慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマ
ドーデス(SLE)、全身性進行性硬化症(PSS)、
橋本病、シェーグレン症候群、甲状腺機能亢進症、筋無
力症候群、ベーチェット病が含まれる。
【0007】炎症疾患は、炎症反応、すなわち生体の局
所に臓器組織の機能または構造の動的平衡を破るような
刺激(物理学的、化学的、微生物その他の寄生による刺
激)が加わったとき起る循環障害、滲出、変性、過形成
などからなる病変群であって、その徴候は紅潮、発熱、
疼痛、腫張、機能障害である。これには結膜炎、虹彩炎
、ぶどう膜炎、中心性網膜炎、外耳炎、急性化膿性中耳
炎、乳様突起炎、内耳炎、慢性鼻炎、急性鼻炎、副鼻腔
炎、喉頭炎、扁桃炎、慢性気管支炎、急性細気管支炎、
大葉性肺炎、小葉性肺炎、原発性異型肺炎、乾性肋膜炎
、湿性肋膜炎、縦隔洞炎、急性リウマチ性心内膜炎、細
菌性心内膜炎、血栓性静脈炎、多発性動脈炎、急性腎炎
、慢性腎炎、膀胱炎、腎周囲炎、口内炎、食道炎、急性
胃炎、慢性胃炎、潰瘍性大腸炎、急性虫垂炎、慢性肝炎
、急性肝炎、細胆肝炎、胆のう炎、慢性膵炎、急性膵炎
、慢性腹膜炎、急性腹膜炎、甲状腺炎、接触皮膚炎、急
性出血性脳炎、化膿性髄膜炎、視束脊髄炎、酒精性多発
性神経炎、糖尿病性多発性神経炎、多発性筋炎、化骨性
筋炎、変質性関節炎、リウマチ様関節炎、肩甲関節周囲
炎、変形性肩炎等が含まれる。
【0008】ヒスタミンは、種々の組織に存在するが大
部分が肥満細胞および好塩基球に含まれ、非免疫刺激(
外傷、毒素、ある種の化合物例えば化合物48/80)
または免疫刺激に応じて遊離され、かゆみ、浮腫、発赤
、気管支収縮等のアレルギー症状を生じ、胃酸分泌を刺
激する物質である。
【0009】ロイコトリエン(LT)は、白血球やマク
ロファージで合成され、3個の共役2重結合をもち、プ
ロスタグランジンと同じ経路で生合成される炎症のケミ
カルメディエーター物質で、A〜Eの5種類と類縁体が
ある。これらは、平滑筋(特に気管支)収縮作用が強く
、気道抵抗上昇、気管粘膜分泌促進、血管透過性上昇、
白血球運動増加、白血球遊走、白血球凝集等の作用を有
する。炎症時に遊離するSRS−AはLTC4とLTD
4の混合物である。
【0010】血小板活性化因子(PAF)は、好中球、
マクロファージの白小板活性化を起すりん脂質で、誘因
物質の刺激に応じて好中球、腎間質細胞から放出される
。その生合成の前駆体はアラキドン酸と共通である。 これは、上記活性化作用に加えて、血管透過性上昇、平
滑筋収縮、血圧降下、肝臓でのグリコーゲン分解促進作
用をもち、炎症やアナフィラキシーを仲介する。
【0011】気管支平滑筋は、ヒスタミン受容体および
ロイコトリエン受容体の刺激により収縮する。また、副
交感神経を刺激すると末梢からアセチルコリンが放出さ
れ、平滑筋表面のコリン受容体と結合して収縮する。交
感神経を刺激すると末梢からノルアドレナリンが、副腎
髄質からアドレナリンが放出され、平滑筋のβ受容体を
刺激して弛緩させるが、α受容体の刺激は収縮を起す。 上記収縮機構を直接または間接に妨害作用をもつ薬物は
すべて気管支拡張薬の概念に含まれるとされている。こ
の発明において、「処置」の語は、予防、治療、軽減、
悪化防止または悪化の軽減を含めたあらゆる疾患の管理
を包含する。
【0012】この発明において、15−デヒドロキシ−
16−オキソPG化合物とは、不飽和結合(2重または
3重結合)の存在または不存在に関係なくプロスタン酸
骨格の15位に水酸基がなく16位にオキソ基を持つあ
らゆるプロスタグランジン誘導体を含む。この発明の1
5−デヒドロキシ−16−オキソ−PG化合物の命名に
際しては式(A)に示したプロスタン酸の番号を用いる
。前記式(A)はC−20の基本骨格のものであるが、
本発明では炭素数がこれによって限定されるものではな
い。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカルボン酸
を1とし5員環に向って順に2〜7までをα鎖上の炭素
に、8〜12までを5員環の炭素に、13〜20までを
ω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減少する場合
、2位から順次番号を抹消し、α鎖上で増加する場合2
位にカルボキシル基(1位)に代わる置換基がついたも
のとして命名する。同様に、炭素数がω鎖上で減少する
場合、20位から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上で増加
する場合、21番目以後の炭素原子は置換基として命名
する。また、立体配置に関しては、特にことわりのない
かぎり、上記基本骨格の有する立体配置に従うものとす
る。従って、例えばω鎖に10個の炭素原子を有する1
5−デヒドロキシ−16−オキソ−PG化合物を15−
デヒドロキシ−16−オキソ−20−エチル−PG類と
命名する。上記式は最も典型的な配位である特定配置を
示すが、この明細書において、特にことわらない限り化
合物は 上記の配置を有するものとする。一般に、PG
D類、PGE類およびPGF類は9位および/または1
1位の炭素上にヒドロキシ基を有するが、この発明では
15−デヒドロキシ−16−オキソPG化合物は9位お
よび/または11位にヒドロキシ以外の基を有するPG
類をも含む。このようなPG類は9−デヒドロキシ−9
−置換PG類または11−デヒドロキシ−11−置換P
G類と命名する。
【0013】前述のように、この発明の化合物の命名は
プロスタン酸骨格に基づいて行うが、これをIUPAC
に基づいて命名することも可能である。両命名法による
化合物の命名の例は実施例中に示す。
【0014】この発明において用いられる15−デヒド
ロキシ−16−オキソ−PG化合物は15位に水酸基が
なく16位にオキソ基を有するあらゆるPG誘導体であ
り得、これらは飽和体でもよく、さらに例えば13−1
4位に二重結合、13−14位と5−6位に二重結合、
または13−14位、5−6位および18−19位に二
重結合を有し得る。また、13,14−ジヒドロ体も含
まれる。この発明に用い得る化合物の代表的な例は、1
5−デヒドロキシ−16−オキソ−PGA、15−デヒ
ドロキシ−16−オキソ−PGD、15−デヒドロキシ
−16−オキソ−PGE、15−デヒドロキシ−16−
オキソ−PGFおよびこれらの13,14−ジヒドロ体
並びにそれらの置換体および誘導体である。
【0015】置換体または誘導体の例は、上記PG類の
α鎖末端のカルボキシル基がエステル化された化合物、
生理学的に許容し得る塩、2−3位の炭素結合または5
−6位の炭素結合が2重結合または3重結合を有する化
合物、3位、5位、6位、17位、18位、19位、お
よび/または20位の炭素に置換基を有する化合物、9
位または11位の水酸基の代りに低級アルキル基または
ヒドロキシ(低級)アルキル基を有する化合物等である
。この発明において3位、18位および/または19位
の炭素原子に結合する置換基としては、例えば炭素数1
〜4のアルキル基があげられ、特にメチル基、エチル基
があげられる。17位の炭素原子に結合する置換基とし
ては、例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基
、水酸基あるいは塩素、ふっ素などのハロゲン原子、ト
リフルオロメチルフェノキシ等のアリールオキシ基があ
げられる。18位の炭素原子の置換基としては、塩素、
ふっ素等のハロゲンが挙げられる。20位の炭素原子に
結合する置換基としては、C1−4アルキルのような飽
和または不飽和の低級アルキル基、C1−4アルコキシ
のような低級アルコキシ基、C1−4アルコキシ−C1
−4アルキルのような低級アルコキシアルキルを含む。 5位の炭素原子の置換基としては、塩素、ふっ素などの
ハロゲンを含む。6位の炭素原子の置換基としては、カ
ルボニル基を形成するオキソ基を含む。9位および/ま
たは11位の炭素原子にヒドロキシ基、低級アルキルま
たは低級(ヒドロキシ)アルキル置換基を有する場合の
これらの基の立体配置はα,βまたはそれらの混合物で
あってもかまわない。さらに、上記誘導体は、ω鎖が天
然のPG類より短い化合物のω鎖末端にアルコキシ基、
フェノキシ基、フェニル基等の置換基を有するものであ
ってもよい。
【0016】特に好ましい化合物は、17位の炭素に例
えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基を有する
化合物、塩素、ふっ素などのハロゲン原子を有する化合
物、18位の炭素に塩素、ふっ素などのハロゲンを有す
る化合物、20位の炭素に例えばメチル基、エチル基な
どの低級アルキル基を有する化合物、5位の炭素に塩素
、ふっ素などのハロゲンを有する化合物、6位の炭素に
オキソ基を有する化合物、19位の炭素に例えばメチル
基、エチル基などの低級アルキル基を有する化合物であ
り、また、17位の炭素以後のアルキル鎖の代わりにハ
ロゲン原子またはハロゲン化アルキル基等の置換基を有
することもあるフェニル基あるいはフェノキシ基が17
位の炭素原子に結合した化合物である。
【0017】この発明に使用される好ましい化合物は式
(I)
【化2】 [式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキ
ソ(但し、XおよびYの基の内少なくとも1つは水素以
外の基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を有
していてもよい)、Zは水素またはハロゲン、Aは−C
H2OH、−COCH2OH、−COOHまたはその官
能性誘導体、Bは−CH2−CH2−CH2−、−CH
=CH−CH2−、−CH2−CH=CH−、−C≡C
−CH2−、−CH2−C≡C−、R1は非置換または
ハロゲン、オキソもしくはアリールで置換された、二価
の飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基、R
2は非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、低級
アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)
アルキル、アリールまたはアリールオキシで置換された
、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基であ
る]を有する。上式中、R1およびR2における「不飽
和]の語は、主鎖または側鎖の炭素原子間の結合として
、少なくとも1つまたはそれ以上の2重結合および/ま
たは3重結合を孤立、分離または連続して含むことを意
味する。 通常の命名法に従って、連続する2つの位置間の不飽和
は若い方の位置番号を表示することにより示し、連続し
ない2つの位置間の不飽和は両方の位置番号を表示して
示す。好ましい不飽和は、2位の2重結合および5位の
2重結合または3重結合である。
【0018】「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素
数1〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数
1〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意味し、
好ましくはR1の場合炭素数2〜8の炭化水素であり、
R2の場合炭素数2〜10の炭化水素である。「ハロゲ
ン」の語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう素を包含す
る。 「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数1
〜6を有する基を包含するものである。「低級アルキル
」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝鎖の飽和
炭化水素基を包含し、例えばメチル、エチル、プロピル
、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペ
ンチルおよびヘキシルを含む。「低級アルコキシ」の語
は、低級アルキルが上述と同意義である低級アルキル−
O−を意味する。「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語
は、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された上記の
ようなアルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1
−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルおよび1−
メチル−1−ヒドロキシエチルである。「低級アルカノ
イルオキシ」の語は、式RCO−O−(ここで、RCO
−は上記のような低級アルキルが酸化されて生じるアシ
ル、例えばアセチル)で示される基を意味する。「シク
ロ(低級)アルキル」の語は、上記のような低級アルキ
ル基が閉環して生ずる基を意味する。「アリール」の語
は、置換されていてもよい芳香性炭素環または複素環基
(好ましくは単環性の基)を包含し、例えばフェニル、
トリル、キシリルおよびチエニルを含む。置換基として
は、ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル基(ここで、
ハロゲン原子および低級アルキル基は前記の意味)が含
まれる。 「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここで、Ar
は上記のようなアリール基)で示される基を意味する。
【0019】Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘
導体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る塩)
、エステルおよびアミド類を含む。適当な「医薬上許容
し得る塩」としては、慣用される非毒性塩を含み、無機
塩基との塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カ
リウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マ
グネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基との塩、
例えばアミン塩(例えばメチルアミン、ジメチルアミン
塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペ
リジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、
ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリ
ス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−
モノエタノールアミン塩、リジン塩、プロカイン塩、カ
フェイン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン
塩、リジン塩等)テトラアルキルアンモニウム塩等があ
げられる。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩
基から常套の方法によってまたは塩交換によって製造し
得る。
【0020】エステルの例としては、メチルエステル、
エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエス
テル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチ
ルエステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエ
チルエステル等の低級アルキルエステル、ビニルエステ
ル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル、エチ
ニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニル
エステル、ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキ
シ(低級)アルキルエステル、メトキシメチルエステル
、1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低
級)アルキルエステルのような脂肪族エステルおよび例
えばフェニルエステル、トシルエステル、t−ブチルフ
ェニルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキ
シフェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステル等
の所望により置換されたアリールエステル、ベンジルエ
ステル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等
のアリール(低級)アルキルエステルがあげられる。ア
ミドとしては、メチルアミド、エチルアミド、ジメチル
アミド等のモノもしくはジ低級アルキルアミド、アニリ
ド、トルイジド等のアリールアミド、メチルスルホニル
アミド、エチルスルホニルアミド、トリルスルホニルア
ミド等のアルキルもしくはアリールスルホニルアミド等
があげられる。 好ましいA基の例は、−COOH、−COOCH3、−
COOCH2CH3、−COOCH(CH3)2、−C
ONHSO2CH3である。
【0021】上記式(I)中、環、αおよび/またはω
鎖の配置は、天然のPG類の配置と同様かまたは異なっ
ていてもよい。しかしながら、この発明は、天然の配置
を有する化合物および非天然の配置を有する化合物の混
合物も包含する。この発明の典型的な化合物類の例は、
15−デヒドロキシ−16−オキソ−PGE類、13,
14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−16−オキソ−
PGE類およびそれらの6−オキソ誘導体、△2−誘導
体、3R,S−メチル誘導体、5R,S−フルオロ誘導
体、5,5−ジフルオロ誘導体、17R,S−メチル誘
導体、17,17−ジメチル誘導体、17R,S−フル
オロ誘導体、17,17−ジフルオロ誘導体、18S−
メチル誘導体、18R,S−フルオロ誘導体、18,1
8−ジフルオロ誘導体、19−メチル誘導体、20−メ
チル誘導体、および20−エチル誘導体並びに15−デ
ヒドロキシ−16−オキソ−PGF類、13,14−ジ
ヒドロ−15−デヒドロキシ−16−オキソ−PGF類
、15−デヒドロキシ−16−オキソ−PGD類、13
,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−16−オキソ
−PGD類、15−デヒドロキシ−16−オキソ−PG
A類、13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−1
6−オキソ−PGA類およびそれらの17−デプロピル
−17−トリフルオロメチルフェノキシ誘導体である。
【0022】この発明で用いる化合物において、13,
14,15位が飽和している場合に11位のヒドロキシ
と16位のケト間のヘミアセタール形成により、ケト−
ヘミアセタール平衡を生ずる場合がある。 このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存在
比率は他の部分の構造または置換基の種類により変動し
、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在すること
もあるが、この発明においてはこれら両者を含むものと
し、このような異性体の存在の有無にかかわりなくケト
型の構造式または命名法によって化合物を表わすことが
あるが、これは便宜上のものであってヘミアセタール型
の化合物を排除しようとするものではない。この発明に
おいては、個々の互変異性体、その混合物または光学異
性体、その混合物、ラセミ体、その他の立体異性体等の
異性体も、同じ目的に使用することが可能である。
【0023】[製造法]この発明の化合物のうち、15
−デヒドロキシ−16−オキソPG化合物は、次の反応
式にしたがって製造することができる(例えば特願平3
−55930号参照)。下記反応式中、P1、P2、P
3およびP4は保護基、A’は脱離基、Y’は−CH=
CH−、R1’は低級アルキル基、R2は前と同じ意味
である。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0024】上記の反応式において、化合物(1)から
(7)に至る反応は増炭反応である。まず、適当な保護
基(例えば4−フェニルベンゾイル)を有するコーリー
(Corey)ラクトン(1)(市販)に脱離基(例え
ばトシル)を導入し、化合物(2)とする。これに、シ
アンイオン発生化合物を反応させて、ニトリル(3)を
得る。保護基を脱離して(4)とし、シアノ基を加水分
解して(5)を得る。保護基(好ましくは、アシル、例
えばアセチル)を導入して(6)とし、カルボキシ基を
還元して、炭素数が1個増加した化合物(7)を得る。 化合物(7)を酸化(例えばコリンズ酸化)して(8)
とし、これに目的とするR2を有する(2−オキソアル
キル)ホスホン酸エステルを反応させて(9)を得る。 例えば、17,17−ジフルオロ体を目的とする場合は
(3,3−ジフルオロ−2−オキソアルキル)−ホスホ
ン酸エステル、17,17−ジメチル体を目的とする場
合は(3,3−ジメチル−2−オキソアルキル)−ホス
ホン酸エステル、18−フェニル体を目的とする場合は
(4−フェニル−2−オキソアルキル)−ホスホン酸エ
ステルを用いればよい。14,15−ジヒドロ体を目的
とする場合、これを還元して(10)とし、さらにオキ
ソ基を還元して(11)とした後、保護して(12)を
得る。11位のアシル保護基を脱離して(13)とし、
別の保護基(例えばテトラヒドロピラニル)を導入して
(14)とし、ラクトンをラクトール(15)に還元す
る。ウイテイッヒ反応によりα鎖を導入して(16)と
し、エステル化して(17)とし、16位を脱保護して
(18)を得る。16位を酸化して(19)とした後、
11位を脱保護すると、目的とする化合物(20)が得
られる。上記の製造法中、化合物(9)から(10)を
得る還元を省くと、Bが−CH2−CH=CH−の化合
物が得られる。また、α鎖導入剤を適宜選択すると、Y
’が−CH2−CH2−または−CH=CH−の化合物
が得られる。AがCOOHの化合物は、化合物(20)
を加水分解して得られる。
【0025】別法として、化合物(18)を加水分解し
て(21)とし、これを例えばクロム酸のような酸化剤
で酸化して(22)を得、11位を脱保護すると、目的
化合物である(23)得られる。さらに、一般式(I)
においてXがOH以外(例えば低級アルキル)の化合物
を目的とする場合は、化合物(13)のラクトンをラク
トール(26)に還元し、ウイテイッヒ反応によりα鎖
を導入して(27)とし、11位を例えば単環アリール
スルホン酸基で保護して(28)とし、酸化(例えばジ
ョーンズ)して(29)とし、例えば低級アルキル銅錯
体を反応させて(30)とする。これを16位脱保護後
、得られたアルコール(31)を酸化して目的とする(
32)を得ることができる。PGD型化合物は、化合物
(13)を還元してラクトール体(36)とし、α鎖導
入によりジオール体(37)とした後、11−保護体(
38)、ジ保護体(39)、9−保護体(40)、16
−脱保護体(41)を経て、酸化してジケトン体(42
)を得、9−脱保護して(43)を得ることができる。 PGA型化合物は、化合物(29)から得た16−脱保
護体(44)を酸化して(45)とすることにより得ら
れる。PGF型化合物は、化合物(27)に保護基を導
入して(46)とし、側鎖を脱保護して(47)を得、
酸化して(48)とした後脱保護して(49)とするこ
とにより得られる。なお、6−ケト化合物は例えば5,
6−エチレン体(50)にN−ブロムスクシンイミドま
たはよう素を反応させて(51)とし、これをDBUで
処理すると得られる。5,6−デヒドロ化合物(すなわ
ちアセチレン体)は、化合物(53)に銅錯体を反応さ
せて生じる銅エノレートに6−アルコキシカルボニル−
1−ヨードヘキシンを反応させて得られる。
【0026】[効果]上記15−デキドロキシ−16−
オキソ−PG化合物は、アレルギー疾患処置剤、炎症疾
患処置剤、抗ヒスタミン剤、ロイコトリエン拮抗剤、血
小板活性化因子拮抗剤および気管支拡張剤として有用で
ある。この発明で用いる化合物は動物およびヒト用の薬
剤として使用することができ、通常、全身的あるいは局
所的に点眼、点鼻、経口、静脈注射(点滴を含む)、皮
下注射、直腸内投与などの方法で使用される。投与量は
動物またはひと等のような対象の種類、年令、体重、処
置されるべき症状、所望の治療効果、投与方法、処置期
間等により変化するが、通常局所投与の場合0.05〜
100μg/眼の投与量または1日2から4分割用量ま
たは持続形態で全身投与する場合0.001〜500m
g/kgの投与量で通常十分な効果がえられる。
【0027】この発明による点眼剤としては、点眼液ま
たは眼軟膏等が含まれる。点眼液は、有効成分を無菌の
水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させるかま
たは用時溶解用に組合せて作られる。眼軟膏は、基剤に
有効成分を混合して作られる。この発明による点鼻剤と
しては、点鼻液または鼻用スプレイ等が含まれる。点鼻
液は、有効成分を無菌の水溶液、例えば生理食塩水、緩
衝液等に溶解させるかまたは用時溶解用に組合せて作ら
れる。鼻用スプレイは、有効成分を水滴または粉末の形
で圧縮ガスまたは空気ポンプで噴出させるように作られ
る。この発明による経口投与のための固体組成物として
は、錠剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸剤、散剤、
顆粒剤等が含まれる。このような固体組成物においては
1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも1つの不
活性な希釈剤、例えば、乳糖、セルロース、無水ケイ酸
等と混合される。組成物は常法に従って、不活性な希釈
剤以外の添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安定剤を含ん
でいてもよい。錠剤または丸剤は必要により胃溶性ある
いは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよいし、また、
2以上の層で被覆してもよい。更に崩壊され得る物質の
カプセル剤としてもよい。速効性を必要とするときは、
舌下錠としてもよい。経口投与のための液体組成物とし
ては、乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤
等が例示される。一般的に用いられる不活性な希釈剤、
例えば精製水、エタノール等を含んでいてもよい。この
組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のよう
な補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有して
いてもよい。経口投与のためのその他の組成物としては
、1つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知
の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。
【0028】この発明による非経口投与のための注射剤
としては無菌の水性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤
を包含する。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよい
。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過
、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌によって無
菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、
使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用
することもできる。別の形態は坐薬または腟坐薬である
。これらの坐薬は体温で軟化する基剤に有効成分を混合
して作ることができ、適当な軟化温度を有する非イオン
界面活性剤を用いて吸収性を向上させてもよい。この発
明はまた、処置すべき対象に抗アレルギーあるいは抗炎
症有効量のこの発明の化合物を投与することからなるア
レルギー疾患並びに炎症疾患の処置法を提供するもので
ある。 [実施例]以下、この発明を製造例、製剤例および試験
例によりさらに詳細に説明するが、これらはこの発明を
限定するものではない。
【0029】製造例1 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE2メチルエステ
ル(20)[IUPAC命名法:(Z)−7−[(1R
)−(2R,3R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−
オキソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロ
ペンチル]ヘプタ−5−エン酸メチル]の製造。 1 −1)  (1S,5R,6R,7R)−6−ジア
ゾメチル−7−ヒドロキシ−2−オキサビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン(4)の製造。 市販の(−)−コーリーラクトン(1)(15.0g)
のピリジン溶液に0℃で塩化p−トルエンスルホニル(
30.3g)を加え15時間撹拌した。反応液を常法に
従って処理し、粗トシル体(2)を得た。これをジメチ
ルスルホキシドに溶解し、シアン化ナトリウム(3.9
2g)を加え、60−70℃で2時間撹拌した。常法の
処理により粗生成物として粗シアノ体を得た。粗シアノ
体(3)をメタノールに溶解し、炭酸カリウム(2.7
6g)を加え15時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し
、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に供したところ、表題化合物(4)(3.93g)を得
た。収率:51%
【0030】1−2)  2−{(6
R)−(1S,5R,7R)−7−アセトキシ−3−オ
キソ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクチル}酢
酸の合成(6)の製造。 (1S,5R,6R,7R)−6−シアノメチル−7−
ヒドロキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン(4)(1.25g)を1N水酸化ナトリ
ウム水溶液に溶解し、100−110℃で撹拌した。放
冷後、塩酸で中和し、そのまま減圧下濃縮した。得られ
た残渣に酢酸エチル、メタノールを加え、不溶物を濾別
した。濾液を減圧下濃縮し、粗カルボン酸(5)を得た
。粗カルボン酸(5)に無水酢酸(20ml)、ピリジ
ン(10ml)を加え、15時間撹拌した。反応液を減
圧下濃縮し、残渣に1N塩酸を加え1時間撹拌した。反
応液を常法に従って処理したところ、粗生成物として表
題化合物(6)が得られた。
【0031】1−3)  (1S,5R,6R,7R)
−7−アセトキシ−6−(2−ヒドロキシエチル)−2
−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(
7)の製造。 1−2)で製造した、2−{(6R)−(1S,5R,
7R)−7−アセトキシ−3−オキソ−2−オキサビシ
クロ[3.3.0]オクチル}酢酸(6)を酢酸エチル
に溶解し、0℃に冷却した。これにボロン・ジチメルス
ルフィド錯体(0.65ml)を加え、室温で3時間撹
拌し、メタノール(6ml)を加え、減圧下濃縮した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
供したところ、表題化合物(7)(0.803g)を得
た。 収率:51%(化合物(4)からの収率)
【0032】
1−4)  (1S,5R,6R,7R)−7−アセト
キシ−6−[(E)−5,5−ジフルオロ−4−オキソ
−2−オクテニル]−2−オキサビシクロ[3.3.0
]オクタン−3−オン(9)の製造。 オキザリルクロライド(0.90ml)の塩化メチレン
溶液を−78℃に冷却し、ジメチルスルホキシド(1.
64ml)を加えた。これに(1S,5R,6R,7R
)−7−アセトキシ−6−(2−ヒドロキシエチル)−
2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(7)(1.77g)の塩化メチレン溶液を加えた。3
0分後、−30℃に昇温し、トリメチルアミン(3.2
8ml)を加えさらに30分撹拌した。反応液に飽和塩
化アンモニウム水溶液を加え、常法により処理した。粗
生成物としてアルデヒド(8)を得た。タリウム(I)
エトキシド(1.29g)のテトラヒドロフラン溶液に
、ジメチル・3,3−ジフルオロ−2−オキソヘキシル
ホスホネート(1.39g)のテトラヒドロフラン溶液
を加えた。氷冷し、先に調整したアルデヒド(8)のテ
トラヒドロフラン溶液を加えた。15時間撹拌し、酢酸
で中和し、ヨウ化カリウム水溶液を加え不溶物を濾別し
た。濾液を常法に従って処理し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに供したところ表題化合
物(9)(0.967g)を得た。 粒径:54%
【0033】1−5)  (1S,5R,6R,7R)
−7−アセトキシ−6−[5,5−ジフルオロ−4(R
S)−ヒドロキシオクチル]−2−オキサビシクロ[3
.3.0]オクタン−3−オン(11)の製造。 (1S,5R,6R,7R)−7−アセトキシ−6−[
(E)−5,5−ジフルオロ−4−オキソ−2−オクテ
ニル]−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−オン(9)(1.55g)の酢酸エチル溶液にパラ
ジウム−炭素(0.200g)を加え、水素雰囲気下で
15時間撹拌した。 反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮したところ、粗ケト
ン体(10)を得た。粗ケトン体(10)をメタノール
に溶解し、−35℃で水素化ホウ素ナトリウム(0.1
69g)を加えた。30分後、酢酸を加え、常法により
処理した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに供したところ、表題化合物(11)(1
.52g)を得た。 収率:97%
【0034】1−6)  (1S,5R,6R,7R)
−6−[4(RS)−t−ブチルジメチルシロキシ−5
,5−ジフルオロオクチル]−7−ヒドロキシ−2−オ
キサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(13
)の製造。 (1S,5R,6R,7R)−7−アセトキシ−6−[
5,5−ジフルオロ−4(RS)−ヒドロキシオクチル
]−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
オン(11)(1.52g)をN,N−ジメチルホルム
アミドに溶解し、イミダゾール(1.78g)、塩化 
t−ブチルジメチルシリル(1.97g)を加え、3日
間撹拌した。常法の処理により、粗シリル体(12)を
得た。粗シリル体(12)を、メタノールに溶解し、炭
酸カリウム(0.60g)を加え、2時間撹拌した。反
応液を常法に従って処理し、得られた粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに供したところ、表題化
合物(13)(1.63g)を得た。 収率:89%
【0035】1−7)  (1S,5R,6R,7R)
−6−[4(RS)−t−ブチルジメチルシロキシ−5
,5−ジフルオロオクチル]−7−テトラヒドロピラニ
ルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−オン(14)の製造。 (1S,5R,6R,7R)−6−[4(RS)−t−
ブチルジメチルシロキシ−5,5−ジフルオロオクチル
]−7−ヒドロキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0
]オクタン−3−オン(13)(1.63g)の塩化メ
チレン溶液に、0℃でジヒドロピラン(1.70ml)
、p−トルエンスルホン酸・H2O(20mg)を加え
た。30分後、常法により処理し、得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供したところ、
表題化合物(14)(1.93g)が得られた。 収率:99%
【0036】1−8)  (Z)−7−{(1R)−(
2R,3R,5S)−2−[4(RS)−t−ブチルジ
メチルシロキシ−5,5−ジフルオロオクチル]−5−
ヒドロキシ−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペ
ンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル(17)の製造。 (1S,5R,6R,7R)−6−[4(RS)−t−
ブチルジメチルシロキシ−5,5−ジフルオロオクチル
]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシ
クロ[3.3.0]オクタン−3−オン(14)(1.
93g)のトルエン溶液に−78℃でジイソブチルアル
ミニウムヒドリドのトルエン溶液(1.0M,11.5
ml)を加えた。30分後、メタノール、飽和ロッシェ
ル塩水溶液を加え、常法により処理した。粗生成物とし
てラクトール体(15)を得た。臭化4−カルボキシブ
チルトリフェニルホスホニウム(6.80g)にカリウ
ムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液(1.0M
,30.7ml)を滴下し、室温で15分撹拌した。反
応液を−40℃に冷却し、上で調整したラクトール体(
15)のテトラヒドロフラン溶液を加えた。25℃に保
って15時間撹拌し、常法により処理した。粗生成物と
してカルボン酸体(16)を得た。粗カルボン酸体(1
6)のエーテル溶液に常法により調整したジアゾメタン
のエーテル溶液を加えた。反応液を減圧下濃縮し、得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し
たところ、表題化合物(17)(1.90g)を得た。 収率:82%
【0037】1−9)  (Z)−7−{(1R)−(
2R,3R,5S)−2−[5,5−ジフルオロ−4(
RS)−ヒドロキシオクチル]−5−ヒドロキシ−3−
テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル}ヘプタ−
5−エン酸メチル(18)の製造。 (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,5S)−2−
[4(RS)−t−ブチルジメチルシロキシ−5,5−
ジフルオロオクチル]−5−ヒドロキシ−3−テトラヒ
ドロピラニルオキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン
酸メチル(17)(1.90g)のテトラヒドロフラン
溶液にフッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロ
フラン溶液(1.0M,15.7ml)を加え、室温で
3日撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供したところ、
表題化合物(18)(1.16g)を得た。 収率:75%
【0038】1−10)  (Z)−7−[(1R)−
(2R,3R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキ
ソオクチル)−5−オキソ−3−テトラヒドロピラニル
オキシシクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸メチル(1
9)の製造。 オキザリルクロライド(0.165ml)の塩化メチレ
ン溶液を−78℃に冷却し、ジメチルスルホキシド(0
.30ml)を加えた。これに、(Z)−7−{(1R
)−(2R,3R,5S)−2−[5,5−ジフルオロ
−4(RS)−ヒドロキシオクチル]−5−ヒドロキシ
−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル}ヘ
プタ−5−エン酸メチル(18)(0.244g)の塩
化メチレン溶液を加え、−25℃に昇温して1時間撹拌
した。トリエチルアミン(0.60ml)を加えさらに
30分撹拌し、1N塩酸に注いだ。常法に従って処理し
、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに供したところ、表題化合物(19)(0.20g
)を得た。 収率:83%
【0039】1−11)  15−デヒドロキシ−17
,17−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−16−オ
キソ−PGE2メチルエステル[(Z)−7−[(1R
)−(2R,3R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−
オキソオクチル)−5−オキソ−3−ヒドロキシシクロ
ペンチル]ヘプタ−5−エン酸メチル](20)の製造
。 (Z)−7−[(1R)−(2R,3R)−2−(5,
5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−5−オキソ−
3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル]ヘプ
タ−5−エン酸メチル(19)(0.20g)を酢酸、
水、テトラヒドロフラン混合溶液(4:2:1)に溶解
し、45〜50℃で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃
縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに供し、さらに、ローバーカラム(E.メルク社製
,ODS,タイプB)を用いて中圧クロマトグラフィー
に供したところ、表題化合物(20)(0.124g)
が得られた。 収率:75% 化合物(20)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル、
A’=メチル) 1H  NMR(CDCl3)δ0.98(t,3H,
J=7Hz),1.1−2.80(m,22H),3.
11(m,1H),3.68(s,3H),4.12−
4.27(m,0.73H),4.32−4.47(m
,0.27H),5.25−5.5.54(m,2H)
.MS(DI−EI) m/z 402(M+),38
4(M+−H2O),368(M+−HF−H2O),
353(M+−OCH3−H2O),309(M+−C
4H7F2).
【0040】製造例2 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE2(23)[I
UPAC命名法:(Z)−7−[(1R)−(2R,3
R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチル
)−5−オキソ−3−ヒドロキシシクロペンチル]ヘプ
タ−5−エン酸]の製造。 2−1)  (Z)−7−[(1R)−(2R,3R)
−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−
5−オキソ−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペ
ンチル]ヘプタ−5−エン酸(22)の製造。 (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,5S)−2−
[5,5−ジフルオロ−4(RS)−ヒドロキシオクチ
ル]−5−ヒドロキシ−3−テトラヒドロピラニルオキ
シシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル(18)
(0.457g)をメタノールに溶解し、1N水酸化ナ
トリウム水溶液(4.8ml)を加え4時間撹拌した。 常法の処理によりジアルコール体(21)を得た。ピリ
ジン(5.93ml)の塩化メチレン溶液にクロム酸(
3.67g)を加え室温で1時間撹拌し、セライトを加
えた。これらジアルコール体(21)の塩化メチレン溶
液を加え30分撹拌した。反応液に硫酸水素ナトリウム
(30g)を加え常法により処理した。得られた粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(マリンクロ
ット社製、CC−4)に供したところ、表題化合物(2
2)(0.231g)を得た。 収率:53%
【0041】2−2)  15−デヒドロキシ−17,
17−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−16−オキ
ソ−PGE2(23)[(Z)−7−[(1R)−(2
R,3R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオ
クチル)−5−オキソ−3−ヒドロキシシクロペンチル
]ヘプタ−5−エン酸](23)の製造。 (Z)−7−[(1R)−(2R,3R)−2−(5,
5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−5−オキソ−
3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル]ヘプ
タ−5−エン酸(22)(0.231g)を酢酸、水、
テトラヒドロフランの混合溶媒(4:2:1)に溶解し
、45℃で3.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し
、得られた残渣をローバーカラム(メルク社製,ODS
,タイプB)を用いて中圧クロマトグラフィーに供した
ところ、表題化合物(23)(0.110g)が得られ
た。 収率:58% 化合物(23)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル)
1H  NMR(CDCl3)δ1.00(t,3H,
J=7Hz),1.10−2.80(m,22H),4
.12−4.27(m,0.71H),4.32−4.
46(m,0.29H),5.27−5.55(m,2
H),4.0−6.5(brs,2H).MS(DI−
EI) m/z 388(M+),370(M+−H2
O).
【0042】製造例3 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE2イソプロピル
エステル(20)[IUPAC命名法: (Z)−7−
[(1R)−(2R,3R)−2(5,5−ジフルオロ
−4−オキソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソ
シクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸イソプロピル]の
合成。 3−1)  (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,
5S)−2−[4(R,S)−t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ−5,5−ジフルオロオクチル]−5−ヒドロ
キシ−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル
}ヘプタ−5−エン酸イソプロピル(17)の合成。 粗カルボン酸(16)のアセトニトリル溶液に、よう化
イソプロピル(0.85ml)及び1,8−ジアザビシ
クロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)(1
.29ml)を加え、60−65℃に2時間保った。常
法処理により得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに供し、表題化合物(17)(1.1g
)を得た。 収率:87%(化合物(14)から)
【0043】3−2)  (Z)−7−{(1R)−(
2R,3R,5S)−2−[4(R,S)−ヒドロキシ
−5,5−ジフルオロオクチル]−5−ヒドロキシ−3
−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル}ヘプタ
−5−エン酸イソプロピル(18)の合成。 化合物(17)(1.1g)のTHF溶液に、ふっ化テ
トラブチルアンモニウム(1M THF、5.5ml)
を加え、1時間20分室温で撹拌した。常法処理により
得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
供し、表題化合物(18)(0.906g)を得た。 収率:100% 3−3)  (Z)−7−[(1R)−(2R,3R,
5S)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチ
ル)−5−オキソ−3−テトラヒドロピラニルオキシシ
クロペンチル]ヘプタ−5−エン酸イソプロピル(19
)の合成。 塩化オキザリルの塩化メチレン溶液(2M、3.5ml
)を−78℃とし、これへジメチルスルホキシド(DM
SO)(1.1ml)を加えた。化合物(18)(0.
906g)の塩化メチレン溶液(11ml)を滴下し、
1.5時間−35〜−25℃で撹拌した。トリエチルア
ミン(2.1ml)を滴下して20分後、1N塩酸に注
いだ。常法の処理により得られた粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに供し、表題化合物(19)
(0.785g)を得た。 収率:87.7%
【0044】3−4)  (Z)−7−[(1R)−(
2R,3R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソ
オクチル)−5−オキソ−3−ヒドロキシシクロペンチ
ル]ヘプタ−5−エン酸イソプロピル(20)の合成。 化合物(19)(0.785g)を酢酸:THF:水混
合溶媒(3:1:1、70ml)に溶解し、50℃に4
.5時間保った。常法処理により得られた粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、表題化合物
(20)(0.335g)を得た。 化合物(20)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル、
A’=イソプロピル) 1HNMR(CDCl3)δ  0.94(t,3H,
J=7.4Hz)、1.20(d,6H,J=6.2H
z)、1.3〜2.9(m,22H)、4.17(m,
1H)、4.98(h,1H,J=6.2Hz)、5.
22〜5.52(m,2H)MS(DI−ZI)m/z
  430(M+)、412(M+−H2O)、371
(M+−C3H7O)、353(M+−C3H7O−H
2O)
【0045】製造例4 11,15−ジデヒドロキシ−17,17−ジフルオロ
−13,14−ジヒドロ−11−メチル−16−オキソ
−PGE2メチルエステル(32)[IUPAC命名法
: (Z)−7−[(1R,2S,3R)−2−(5,
5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−3−メチル−
5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸メチル
]の合成。 4−1)  [1S,3(R,S),5R,6R,7R
]−6−[4(R,S)−t−ブチルジメチルシロキシ
−5,5−ジフルオロオクチル]−3,7−ジヒドロキ
シ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン(26
)の合成。 (1S,5R,6R,7R)−6−[4(R,S)−t
−ブチルジメチルシリルオキシ−5,5−ジフルオロオ
クチル]−7−ヒドロキシ−2−オキサビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン(13)(1.06g)の
トルエン溶液を−78℃に冷却し、水素化ジイソブチル
アルミニウム(1.5M、7.56ml)を滴下した。 30分後、メタノール8mlを加えた。常法処理により
ラクトール(26)を得た。 4−2)  (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,
5S)−2−[4(R,S)−t−ブチルジメチルシロ
キシ−5,5−ジフルオロオクチル]−3,5−ジヒド
ロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル(2
7)の合成。 臭化(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウ
ム(6.7g)をTHF(5ml)に懸濁し、カリウム
t−ブトキシド(1.0M  THF溶液、30.2m
l)を滴下し、30分間室温で撹拌した。これを−40
℃に冷却し、ラクトール(26)のTHF溶液(15m
l)を加え、−20℃で一夜撹拌した。常法処理して得
られた粗カルボン酸をジアゾメタンでエステル化後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、ジオール(
27)(1.12g)を得た。 収率:85%
【0046】4−3)  (Z)−7−{(1R)−(
2R,3R,5S)−2−[4(R,S)−t−ブチル
ジメチルシロキシ−5,5−ジフルオロオクチル]−5
−ヒドロキシ−3−(p−トルエンスルホキシ)シクロ
ペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル(28)の合成。 ジオール(27)(0.574g)のピリジン溶液を−
20℃とし、これへ塩化p−トルエンスルホニル(2.
1g)を加え、1時間撹拌し、0℃で2時間撹拌した。 常法処理に得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに供し、モノトシレート(28)(0.4
65g)を得た。 収率:63% 4−4)  (Z)−7−{(1R,2R)−2−[4
(R,S)−t−ブチルジメチルシロキシ−5,5−ジ
フルオロオクチル]−5−オキソシクロペンタ−3−エ
ニル}ヘプタ−5−エン酸メチル(29)の合成。 モノトシレート(15)(0.465g)のアセトン溶
液(20ml)を−30℃とし、ジョーンズ試薬(0.
9ml)を滴下し、−20〜10℃で50分間撹拌した
。イソプロパノール(0.9ml)を加え、20分間撹
拌後、常法処理した。得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに供し、α,β−不飽和ケトン
(29)(0.201g)を得た。 収率:71% 4−5)  (Z)−7−{(1R,2S,3R)−2
−[4(R,S)−t−ブチルジメチルシロキシ−5,
5−ジフルオロオクチル]−3−メチル−5−オキソシ
クロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル(30)の合
成。 無水エーテル(15ml)によう化銅(0.313g)
を加え0℃とし、これへメチルリチウム(1.4M、2
.35ml)を滴下した。無水透明となった後、α,β
−不飽和ケトン(29)(0.274g)のエーテル溶
液(15ml)を滴下した。常法処理により得た粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、化合
物(30)(0.201g)を得た。 収率:71%
【0047】4−6)  (Z)−7−{(1R,2S
,3R)−2[4(R,S)−ヒドロキシ−5,5−ジ
フルオロオクチル]−3−メチル−5−オキソ−シクロ
ペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル(31)の合成。 化合物(30)(0.201g)のアセトニトリル溶液
(20ml)にふっ化水素酸(1ml)を加え、室温で
2.5時間撹拌した。常法処理により得た粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、アルコール
(31)(0.138g)を得た。 収率:88% 4−7)  (Z)−7−[(1R,2S,3R)−2
−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−3−
メチル−5−オキソシクロペンチル]ヘプタ−5−エン
酸メチル(32)の合成。 塩化メチレン(20ml)中無水クロム酸(1.2g)
から調整したコリンズ試薬にセライト(5g)を加え、
これへアルコール(31)(0.138g)の塩化メチ
レン溶液(10ml)を加え室温で30分間撹拌後、常
法処理した。 得られた粗生成物をシリカゲルカラロクロマトグラフィ
ーに供し、化合物(32)を得た。 収率:81% 化合物(32)(X’=メチル、Q1=Q2=F、R2
’=プロピル、A’=メチル) 1HNMR(CDCl3)δ  0.97(t,3H,
J=7.5Hz)、1.13(d,3H,6Hz)、1
.35〜2.80(m,23H)、3.67(s,3H
)、5.23−5.50(m,2H)MS(DI−ZI
)m/z  400(M+)、369(M+−CH3O
【0048】製造例5 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE1メチルエステ
ル(35)[IUPAC命名法: 7−{(1R)−(
2R,3R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソ
オクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチ
ル}ヘプタン酸メチル]の合成。 5−1)  7−{(1R)−(2R,3R,5S)−
2−[5,5−ジフルオロ−4(R,S)−ヒドロキシ
オクチル]−5−ヒドロキシ−3−テトラヒドロピラニ
ルオキシシクロペンチル}ヘプタン酸メチル(33)の
合成。 ジオール(18)(0.456g)の酢酸エチル溶液(
30ml)にパラジウム−炭素(Pd−C)(100m
g)を加え、水素雰囲気下で一夜撹拌した。濾過し、濾
液を減圧濃縮し、ジヒドロ体(33)(0.450g)
を得た。 収率:98% 5−2)  7−{(1R)−(2R,3R)−2−(
5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−5−オキ
ソ−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル}
ヘプタン酸メチル(34)の合成。 塩化メチレン(20ml)中、無水クロム酸(3.67
g)から調整したコリンズ試薬にセライト(10g)を
加え、ジヒドロ体(33)(0.450g)を酸化した
。常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカラロクロマ
トグラフィーに供し、ジケトン(34)(0.371g
)を得た。 収率:83% 5−3)  7−{(1R)−(2R,3R)−2−(
5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−3−ヒド
ロキシ−5−オキソシクロペンチル}ヘプタン酸メチル
(35)の合成。 ジケトン(34)(0.371g)を酢酸:THF:水
混合溶媒(3:1:1、35ml)に溶解し一夜撹拌し
た。常法処理して得られた粗生成物をローバーカラム(
ODS)を用いて精製し、化合物(35)を得た。 収量:0.136(44%) 化合物(35)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル、
A’=メチル) 1HNMR(CDCl3)δ  0.98(t,3H,
7.5Hz)、1.1〜2.9(m,26H)、3.6
7(s,3H)、4.1〜4.25(m,1H) MS(DI−EI)m/z  404(M+)、386
(M+−H2O)、355(M+−H2O−CH3O)
【0049】製造例6 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGD2メチルエステ
ル(43)[IUPAC命名法: (Z)−7−{(1
R)−(2R,5S)−2−(5,5−ジフルオロ−4
−オキソオクチル)−5−ヒドロキシ−3−オキソシク
ロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル]の合成。 6−1)  (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,
5S)−2−[4(R,S)−t−ブチルジメチルシロ
キシ−5,5−ジフルオロオクチル]−3,5−ジヒド
ロキシシクロペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル(3
7)の合成。 ラクトン(13)(1.06g)のトルエン溶液を−7
8℃とし、DIBAL−H(1.5M、7.56ml)
で還元した。常法処理によりラクトール(36)を得た
。臭化(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニ
ウム(6.7g)をTHF(5ml)に懸濁し、カリウ
ムt−ブトキシド(1.0MTHF、30.2ml)を
滴下し、30分間室温で撹拌した後、−40℃とした。 ラクトール(36)のTHF溶液(15ml)を加え−
20℃で一夜撹拌した。常法処理で得た粗カルボン酸を
ジアゾメタンでエステル化後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに供し、ジオール(37)(1.12g)
を得た。 収率:85%
【0050】6−2)  (Z)−7−{(1R)−(
2R,3R,5S)−2−[4(R,S)−t−ブチル
ジメチルシロキシ−5,5−ジフルオロオクチル]−3
−ベンゾイルオキシ−5−ヒドロキシシクロペンチル}
ヘプタ−5−エン酸メチル(38)の合成。 ジオール(37)(0.564g)の塩化メチレン溶液
に、ピリジン(0.85ml)を加え−30℃とした。 これへ塩化ベンゾイル(0.147g)を加え1時間撹
拌後、塩化ベンゾイル(0.440g)を追加し2時間
−20℃で撹拌した。常法処理により得た粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、モノベンゾ
イル体(38)(0.567g)を得た。 収率:77% 6−3)  (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,
5S)−2−[4(R,S)−t−ブチルジメチルシロ
キシ−5,5−ジフルオロオクチル]−3−ベンゾイル
オキシ−5−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチ
ル}ヘプタ−5−エン酸メチル(39)の合成。 モノベンゾイル体(38)(0.567g)の塩化メチ
レン溶液に、ジヒドロピラン(0.6ml)を加え0℃
とした。これへ触媒量のp−トルエンスルホン酸を加え
30分間撹拌した。常法処理により得た粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに供し、化合物(39
)(0.689g)を得た。 6−4)  (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,
5S)−2−[4(R,S)−t−ブチルジメチルシロ
キシ−5,5−ジフルオロオクチル]−3−ヒドロキシ
−5−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル}ヘ
プタ−5−エン酸メチル(40)の合成。  化合物(
39)(0.689g)の乾燥メタノール溶液に炭酸カ
リウム(0.125g)を加え室温で2時間撹拌した。 更に炭酸カリウム(1.75g)を追加し一夜放置した
。常法処理により得た粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに供し、モノアルコール(40)(0.
479g)を得た。 収率:87%(化合物(38)から)
【0051】6−5)  (Z)−7−{(1R)−(
2R,3R,5S)−2−[4(R,S)−ヒドロキシ
−5,5−ジフルオロオクチル]−3−ヒドロキシ−5
−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル}ヘプタ
−5−エン酸メチル(41)の合成。 モノアルコール(40)(0.479g)のTHF溶液
にふっ化テトラブチルアンモニウム(1.0M  TH
F、3.95ml)を加え室温で一夜撹拌した。常法処
理により得た粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー
に供し、ジオール(41)を得た。 収率:72% 6−6)  (Z)−7−{(1R)−(2R,5S)
−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−
3−オキソ−5−テトラヒドロピラニルオキシシクロペ
ンチル]ヘプタ−5−エン酸メチル(42)の合成。 塩化オキザリル(0.24ml)の塩化メチレン溶液を
−78℃としこれへDMSO(0.44ml)を滴下し
た。 15分後、ジオール(41)(0.358g)の塩化メ
チレン溶液を滴下し、30分後−50℃とし1.5時間
撹拌した。その後、−35℃としトリエチルアミン(0
.88ml)を加え30分間撹拌した。常法処理により
得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
供し、ジケトン(42)(0.188g)を得た。 収率:53%
【0052】6−7)  (Z)−7−{(1R)−(
2R,5S)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソ
オクチル)−5−ヒドロキシ−3−オキソシクロペンチ
ル}ヘプタ−5−エン酸メチル(43)の合成。 ジケトン(42)(0.188g)を酢酸:THF:水
混合溶媒(3:1:1、25ml)に溶解し、40℃に
3.5時間保った。常法処理後に得た粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに供し、表題化合物(4
3)(0.112g)を得た。収率:72% 化合物(43)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル、
A’=メチル) 1HNMR(CDCl3)δ  0.98(t,3H,
J=7.5Hz)、1.4〜2.8(m,22H)、3
.69(s,3H)、4.1〜4.5(m,1H)、5
.4〜5.6(m,2H)MS(DI−ZI)m/z 
 402(M+)、384(M+−H2O)、353(
M+−H2O−CH3O)、333(M+−H2O−C
H3O−HF)
【0053】製造例7 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGA2メチルエステ
ル(45)[IUPAC命名法: (Z)−7−{(1
R,2R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオ
クチル)−5−オキソシクロペンタ−3−エニル}ヘプ
タ−5−エン酸メチル]の合成。 7−1)  (Z)−7−{(1R,2R)−2−[5
,5−ジフルオロ−4(R,S)−ヒドロキシオクチル
]−5−オキソシクロペンタ−3−エニル}ヘプタ−5
−エン酸メチル(44)の合成。 α,β−不飽和ケトン(29)(0.276g)をふっ
化水素水のアセトニトリル溶液(46%ふっ化水素:ア
セトニトリル=95:5)(20ml)に溶解し、室温
で2時間撹拌した。常法の処理により得た粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、アルコール
(44)(0.180g)を得た。 7−2)  (Z)−7−{(1R,2R)−2−(5
,5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−5−オキソ
シクロペンタ−3−エニル}ヘプタ−5−エン酸メチル
(45)の合成。 塩化オキザリル(2MCH2Cl2)(0.47ml)
を塩化メチレン(12ml)に溶解し、DMSO(0.
12ml)を加え−78℃とした後、アルコール(44
)(0.180g)の塩化メチレン溶液(10ml)を
加え、−50℃で1時間撹拌した。その後、−30℃で
トリエチルアミン(0.23ml)を加え30分間撹拌
した。常法処理で得られた粗生成物をローバーカラム(
ODS)で精製し表題化合物(45)(0.126g)
を得た。 収率:71% 化合物(45)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル、
A’=メチル) 1HNMR(CDCl3)δ  1.00(t,3H,
J=7.5Hz)、1.40〜2.80(m,20H)
、3.70(s,3H)、5.28〜5.55(m,2
H)、6.17(dd,1H,J=7.5,J=2.5
)、7.63(dd,1H,J=7.5,J=2.5) MS(DI−ZI)m/z  384(M+)、353
(M+−CH3O)
【0054】製造例8 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGF2αメチルエス
テル(49)[IUPAC命名法:(Z)−7−[(1
R)−(2R,3R,5S)−2−(5,5−ジフルオ
ロ−4−オキソオクチル)−3,5−ジヒドロキシシク
ロペンチル]ヘプタ−5−エン酸メチル]の合成 8−1)  (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,
5S)−2−[4(R,S)−t−ブチルジメチルシロ
キシ−5,5−ジフルオロオクチル]−3,5−ジ(テ
トラヒドロピラニルオキシ)シクロペンチル}ヘプタ−
5−エン酸メチル(46) (Z)−7−{(1R)−(2R,3R,5S)−2−
[4(R,S)−t−ブチルジメチルシロキシ−5,5
−ジフルオロオクチル]−3,5−ジヒドロキシシクロ
ペンチル}ヘプタ−5−エン酸メチル(27)(0.6
47g)のジクロロメタン溶液(10ml))を−5℃
に冷却し、ジヒドロピラン(0.91ml)及び触媒量
のp−トルエンスルホン酸を加えた。反応液を徐々に室
温に戻し16時間保った。常法処理後に得られた粗生成
物をシリカゲルカラムで精製し、化合物(46)を得た
。 収量:0.893g(100%)
【0055】8−2)  (Z)−7−{(1R)−(
2R,3R,5S)−2−[5,5−ジフルオロ−4(
R,S)−ヒドロキシオクチル]−3,5−ジ(テトラ
ヒドロピラニルオキシ)シクロペンチル}ヘプタ−5−
エン酸メチル(47)化合物(46)(0.89g)の
THF溶液(12ml)に1Mテトラブチルアンモニウ
ムフルオリド(3.72ml)を加え1時間攪拌した。 常法処理後に得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し
た。 収量:0.676g(95%) 8−3)  (Z)−7−[(1R)−(2R,3R,
5S)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチ
ル)−3,5−ジ(テトラヒドロピラニルオキシ)シク
ロペンチル]ヘプタ−5−エン酸メチル(48) ジクロロメタン(9ml)中、2M塩化オギザリル(0
.76ml)、DMSO(0.22ml)及びトリエチ
ルアミン(0.43ml)を用いて化合物(47)(0
.676g)をスワーン酸化した。常法処理後に得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し化合物(48)
を得た。 収量:0.558g(82%) 8−4)  (Z)−7−[(1R)−(2R,3R,
5S)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチ
ル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル]ヘプタ−
5−エン酸メチル(49) 化合物(48)(0.558g)を酢酸:水:THF混
合溶媒(4:2:1、49ml)に溶解し、45〜50
℃に2.5時間保った。シリカゲルカラムで精製し化合
物(49)を得た。 収量:0.367g(94%) 化合物(49)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル、
A’=メチル) 1HNMR(CDCl3)δ  0.95(t,3H)
、1.1〜3.0(m,24H)、3.66(s,3H
)、3.95(s,1H)、4.14(s,1H)、5
.28〜5.52(m,2H)MS  m/z  40
4(M+)、386(M+−H2O)、368(M+−
2H2O)
【0056】製造例9 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−20−メチル−16−オキソ−PGE
2メチルエステル(20)[IUPAC命名法:(Z)
−7−[(1R)−(2R,3R)−2−(5,5−ジ
フルオロ−4−オキソノニル]−5−オキソ−3−ヒド
ロキシシクロペンチル]ヘプタ−5−エン酸メチル]の
製造  化合物(8)と3,3−ジフルオロ−2−オキ
ソヘプチルホスホン酸ジメチルとを用い15−デヒドロ
キシ−17,17−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ
−16−オキソ−PGE2メチルエステルの製造と同様
に操作して表題化合物(20)を得た。 化合物(20)(Q1=Q2=F、R2’=ブチル、A
’=メチル) 1HNMR(CDCl3)δ  0.94(t,3H)
、1.1〜2.9(m,27H)、3.68(s,3H
)、4.2(br.s,1/2H)、4.4(q,1/
2H)、5.4(m,2H)。 MSm/z  384(M+−H2O)、353(M+
−H2O−CH3O)
【0057】製造例10 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE1イソプロピル
エステル(35)[IUPAC命名法:7−[(1R)
−(2R,3R)−2−(5,5−ジフルオロ−4−オ
キソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペ
ンチル]ヘプタ−5−エン酸イソプロピル]の製造 製造例3で得た15−デヒドロキシ−17,17−ジフ
ルオロ−13,14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE
2イソプロピルエステル(20)(0.303g)を酢
酸エチル(20ml)中、5%パラジウム一炭素(触媒
量)及び水素ガスを用いて接触還元した。濾過後、濾液
を濃縮して得た粗生成物をローバーカラムを用いて精製
し、表題化合物(35)を得た。 収量:0.223g(73%) 化合物(35)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル、
A’=イソプロピル) 1HNMR(CDCl3)δ  0.98(t,3H,
J=7.5Hz)、1.21(d,6H,5.5Hz)
、1.24〜2.82(m,27H)、4.1〜4.5
(m,1H)、4.99(Hept,1H,J=7.5
Hz)
【0058】製造例11 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE2ベンジルエス
テル(20)[IUPAC命名法:(Z)−7−[(1
R)−(2R,3R)−2−(5,5−ジフルオロ−4
−オキソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシク
ロペンチル]ヘプタ−5−エン酸ベンジル]の製造。 粗カルボン酸(16)をアセトニトリル中臭化ベンジル
及びDBUを用いベンジルエステルとした以外は製造例
3と同様に操作して表題化合物(20)を得た。 化合物(20)(Q1=Q2=F、R2’=プロピル、
A’=ベンジル) 1HNMR(CDCl3)δ  0.96(d.t,3
H,J=7.5Hz,J=7.5Hz)、1.1−2.
8(m,23H)、4.18(m,0.7H)、4.3
6(m,0.3H)、5.11(s,2H)、5.38
(m,2H)、7.35(s,5H)
【0059】製造
例12 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE1[IUPAC
命名法:(Z)−7−[(1R)−(2R,3R)−2
−(5,5−ジフルオロ−4−オキソオクチル)−3−
ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸]
の製造製造例11で得たベンジルエステル(20)(0
.580g)をエタノール(20ml)中5%パラジウ
ム一炭素(触媒量)及び水素ガスを用いて接触還元した
。得られた粗生成物をHPLC(ODSカラム)で精製
し、標題化合物を得た。 収量:0.426g(90%) 1HNMR(CDCl3)δ  0.98(t,3H,
7.5Hz)、1.1〜2.82(m,28H)、4.
07〜4.45(m,1H)
【0060】式(I)にお
いてYが−CO−CH2−の化合物およびYが−C≡C
−の化合物は、次のようにして製造することができる。 製造例13 15−デヒドロキシ−13,14−ジヒドロ−6,16
−ジオキソ−PGF1αイソプロピルエステルの製造1
5−デヒドロキシ−13,14−ジヒドロ−16,16
−エチレンジオキシ−−11−テトラヒドロピラニルオ
キシ−PGF2αイソプロピルエステル(50)を無水
テトラヒドロフランと塩化メチレンに溶解し、0℃で当
量のN−ブロモスクシンイミドを加え5分間撹拌する。 常法により後処理して得た粗生成物をカラムクロマトグ
ラフィーで精製して化合物(51)(X1=X2=H、
R2−R3=プロピル、P4=テトラヒドロピラニル、
P7=エチレン、R’1=イソプロピル)を得る。これ
をトルエンに溶解し、DBUを加え40℃で一夜撹拌す
る。氷冷後、1N塩酸を加えて酸性にし、10分間撹拌
後酢酸エチルで抽出する。常法により後処理して得た粗
生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して化合物(
52)(記号の意味は前と同じ)を得る。これを常法に
より脱保護して標題化合物を得る。
【0061】製造例14 15−デヒドロキシ−5,6−デヒドロ−13,14−
ジヒドロ−16−オキソ−PGE2メチルエステルの製
造4,4−エチレンジオキシ−1−ヨウ化オクタンのエ
ーテル溶液に−78℃でt−ブチルリチウムを30分間
で滴下し、3時間撹拌する。これに、−78℃に冷却し
たよう化第1銅およびトリブチルホスフィンのエーテル
溶液を一度に加え、20分間撹拌して錯体(a)とする
。 さらに、4R−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−
シクロペンテン−1−オン(53)のテトラヒドロフラ
ン溶液を95分間で滴下し、15分間撹拌後−30℃の
冷却浴に移す。8−メトキシカルボニル−1−ヨウ化−
2−ヘキシン(b)のHMPA溶液を加え、4.5時間
撹拌する。さらに室温で12時間撹拌後飽和塩化アンモ
ニウム水溶液に注ぎ有機層を分取する。常法により後処
理して得た粗生成物をクロマトグラフィーで精製し、化
合物(54)(Q1=Q2=H、R2’=プロピル、P
6=第3級ブチルジメチルシリル、P7=エチレン、A
’=イソプロピル)を得る。これを常法により脱保護し
て標題化合物を得る。
【0062】製剤例1(注射用溶液)                          
                         
(重量部)15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオ
ロ−13,14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE2 
       0.2非イオン性界面活性剤     
                         
    2注射用滅菌水              
                         
 98上記成分を混合してから注射可能な溶液を得た。
【0063】製剤例2(経口投与用粉末)      
                         
                   (重量部)1
5−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,1
4−ジヒドロ−16−オキソ−PGE1       
     5軽量無水けい酸            
                         
   5アビセル                 
                         
  20ラクトース                
                         
 70上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。
【0064】製剤例3(ゼラチン軟カプセル)    
                         
                     (重量部
)15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13
,14−ジヒドロ−16−オキソ−PGE1メチルエス
テル                       
                 1パナセート(P
anasate)                 
             899上記成分を混合して
、ゼラチン軟カプセルに充填した。
【0065】製剤例4(注射用溶液)                          
                         
(重量部)15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオ
ロ−13,14−ジヒドロ−16−オキソ−PGF2α
メチルエステル                  
                    0.2非イ
オン性界面活性剤                 
                 2注射用滅菌水 
                         
              98上記成分を混合して
から凍結乾燥して注射可能な溶液を得た。
【0066】製剤例5(点眼液) 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−16−オキソ−20−メチル−PGE
2メチルエステル                 
   10mg生理食塩水             
                         
  10ml上記成分を別個のバイヤルに充填し、用時
溶解用点眼液とする。上記製剤例において、活性成分は
、この発明で使用する範囲の任意の他の化合物に置き換
え得る。
【0067】試験例1 モルモットを後頭部殴打後、大腿動脈より放血致死させ
、気管を摘出した。気管は平滑筋と反対側で縦に切開し
、さらに軟骨に沿って幅1〜1.5cmの切片に切り分
け、鎖状に7〜8個の切片を絹糸でつなぎ、95%O2
+5%CO2混合ガスを通気した37℃のタイロード液
15ml中に1.0g前後の張力で懸垂した。懸垂した
気管標本が安定するまで60〜90分間休止させた後、
ヒスタミン5.4×10−4Mを投与し、収縮高が一定
に達した後被検物質を6分ごとに累積投与した。気管の
収縮力変化は等張性トランスデューサー(1T−1、ラ
ボックス、福研舎)を介してレコーダー(T−626D
S、日本電子科学)上に記録した。被検物質のヒスタミ
ンによる収縮に対する抑制率を求め、抑制率が20%ま
たは50%である被検物質の濃度をIC20値またはI
C50値として表わす。結果を第1表に示す。
【0068】
【表1】
【0069】1:13,14−ジヒドロ−15−デヒド
ロキシ−16−オキソ−17,17−ジフルオロ−PG
E2メチルエステル 2:13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−16
−オキソ−17,17−ジフルオロ−PGE23:13
,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−16−オキソ
−17,17−ジフルオロ−PGE2イソプロピルエス
テル 4:13,14−ジヒドロ−11,15−ジデヒドロキ
シ−11−メチル−16−オキソ−17,17−ジフル
オロ−PGE2メチルエステル 5:13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−16
−オキソ−17,17−ジフルオロ−20−メチル−P
GE2メチルエステル 6:13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−16
−オキソ−17,17−ジフルオロ−PGE1メチルエ
ステル 7:13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−16
−オキソ−17,17−ジフルオロ−PGF2αメチル
エステル
【0070】試験例2 モルモットをウレタン(片山化学)1.0〜1.2g/
kgの腹腔内投与で麻酔し、総頚静脈及び気管にカニュ
ーレを挿入固定後、臭化パンクロニウム0.3mg/k
gの静脈内投与により自発呼吸を停止し、気管カニュー
レに小動物用人工呼吸器(SN−480−7、シナノ製
作所)及びブロンコスパズム・トランスデューサー(7
020、ウゴ・バシール)を連結して人工呼吸を行なっ
た。 1回送気量6〜9ml、送気回数60回/分、肺への負
荷圧10cmH2Oとし、オーバーフローする量をトラ
ンデューサーを介してレコーダー(056−1001、
日立製作所)上に記録した。ヒスタミン3μg/kgを
約30分間隔で数回静脈内投与し、ヒスタミンによる気
道抵抗増大作用が認められた後、被検物質の静脈内投与
1分後にヒスタミン3μg/kgを静脈内投与して気道
狭窄を惹起させた。被検物質の作用はヒスタミン3μg
/kgのみを投与した時の投与前後の気道抵抗の差を1
00%とした時の抑制率で表した。結果を第2表に示す
【0071】
【表2】 被検物質:試験例1に記載。
【0072】試験例3 モルモットを後頭部殴打後、大腿動脈より放血致死させ
、気管を摘出した。気管は平滑筋と反対側で縦に切開し
、さらに軟骨に沿って幅1〜1.5cmの切片に切り分
け、鎖状に7〜8個の切片を絹糸でつなぎ、95%O2
+5%CO2混合ガスを通気した37℃のタイロード液
15ml中に1.0g前後の張力で懸垂した。懸垂した
気管標本が安定するまで60〜90分間休止させた後、
ロイコトリエンD41×10−8Mを投与し、収縮高が
一定に達した後被検物質を6分ごとに累積投与した。気
管の収縮力変化は等張性トランスデューサー(1T−1
、ラボックス、福研舎)を介してレコーダー(T−62
6DS、日本電子科学)上に記載した。被検物質の、ロ
イコトリエンD4による収縮に対する抑制率を求め、抑
制率が20%または50%である被検物質の濃度をIC
20値またはIC50値として表わす。結果を第3表に
示す。
【0073】
【表3】 被検物質:試験例1に記載
【0074】試験例4 モルモットをウレタン(片山化学)1.2g/kgの腹
腔内投与で麻酔し、総頚静脈及び気管にカニューレを挿
入固定後、臭化パンクロニウム0.3mg/kgの静脈
内投与により自発呼吸を停止し、気管カニューレに小動
物用人工呼吸器(SN−480−7、シナノ製作所)及
びブロンコスパズム・トランスデューサー(7020、
ウゴ・バシール)を連結して人工呼吸を行なった。1回
送気量7〜10ml、送気回数60回/分、肺への負荷
圧10cmH2Oとし、オーバーフローする量をトラン
デューサーを介してレコーダー(056−1001、日
立製作所)上に記録した。基線が一定したのち、血小板
活性化因子50ng/kgを静脈内投与して気道抵抗を
惹起させた。気道抵抗の上昇率は、測定終了後に気管を
閉塞した時の値を気道の最大収縮(100%)として求
めた。被験物質は血小板活性化因子投与の1分前に静脈
内投与した。被験物質の作用は血小板活性化因子50n
g/kgのみを投与した時の投与前後の気道抵抗の差を
100%とした時の抑制率で表した。結果を第4表に示
す。
【0075】
【表4】                          
     第4表            用量μg/
kg  例類n  気道抵抗上昇率%(平均)  抑制
率%対照            −      2 
           74.5          
    −被験物質6    10      2  
          11.5           
 84.6被験物質:試験例1に記載
【0076】試験例5 モルモットをウレタン(片山化学)1.0〜1.2g/
kgの腹腔内投与で麻酔し、総頚静脈及び気管にカニュ
ーレを挿入固定後、臭化パンクロニウム0.3mg/k
gの静脈内投与により自発呼吸を停止し、気管カニュー
レに小動物用人工呼吸器(SN−480−7、シナノ製
作所)及びブロンコスパズム・トランスデューサー(7
020、ウゴ・バシール)を連結して人工呼吸を行なっ
た。 1回送気量6〜9ml、送気回数60回/分、肺への負
荷圧10cmH2Oとし、オーバーフローする量をトラ
ンデューサーを介してレコーダー(056−1001、
日立製作所)上に記録した。ヒスタミン3μg/kgを
約30分間隔で数回静脈内投与し、ヒスタミンによる気
道狭窄の反応が最大になった後、被験物質を生理食塩水
に溶解し、10μg/mlを2分間、超音波ネブライザ
ー(NE−U10B、立石電気)にて霧化し、人工吸入
させた。霧化量は2分間で52.4μlであった。被験
物質の吸入終了の1分後にヒスタミン3μg/kgを静
脈内投与して気道狭窄を惹起させた。気道抵抗の上昇率
は、測定終了後に気管を閉塞した時の値を気道の最大収
縮(100%)として求めた。被験物質の作用は、ヒス
タミン3μg/kgの差を100%とした時の抑制率で
表した。結果を第5表に示す。
【0077】
【表5】                          
     第5表            濃度μg/
ml  例類n  気道抵抗上昇率%(平均)  抑制
率%対照            −      2 
           62.5          
    −被験物質6    10      2  
          11.0           
 84.0被験物質:試験例1に記載
【0078】試験例6 被験動物としてウイスター(Wistar)系雌性ラッ
ト(体重約90g)を用いた。被験物質を投与後3分後
に、エーテル麻酔下で0.5%エバンスブルー生理食塩
水0.5mlを尾静脈から注射し、その直後に0.1%
塩酸ヒスタミン生理食塩水溶液0.05mlを上眼瞼結
膜下に注射した。30分後に頚椎脱臼屠殺後、頭皮を眼
瞼に向って剥離し、眼瞼縁に沿って皮膚と結膜の炎症部
位を切り離し、その重量を測定した。切り出した結膜を
細く切って、4mlのホルムアミドで40℃一夜振盪抽
出し、溶出した色素量を分光光度計625nmで測定し
、結膜中の色素漏出量を求めた。被験物質は、生理食塩
水に溶解し、点眼投与(5μl/眼)した。対照は、生
理食塩水のみとした。結果を第6表に示す。
【0079】
【表6】                          
           第6表           
 投与量      眼類    結膜重量(mg) 
       色素漏出量          (μg
/眼)  (n)    (平均±S.D.)    
  (μg/部位)対照          0   
     16    41.5±2.0      
8.26±0.52被験物質1    3      
  16    36.3±2.1      7.1
3±0.65被験物質6    3        1
6    32.7±1.8**    5.95±0
.53*被験物質8    3        14 
   38.5±2.0      7.69±0.7
1被験物質9    3        14    
38.9±1.8      7.49±0.67DU
NNET法  *P<0.05、**P<0.01被験
物質1:試験例1に記載 被験物質6:試験例1に記載 被験物質8:13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキ
シ−16−オキソ−17,17−ジフルオロ−PGD2
メチルエステル 被験物質9:13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキ
シ−16−オキソ−17,17−ジフルオロ−PGA2
メチルエステル
【0080】試験例7 Crj.Wistar系雄性ラット(7週齢)の背部皮
下へ、抗EA(egg albumin)ラット血清希
釈液50μlを注射して受動感作した。48時間後に抗
原である1%EA(egg albumin)生理食塩
水と1%エバンスブルー生理食塩水の等量混合液1ml
を尾静脈内へ注射して、PCA反応を惹起した。30分
後に動物を麻酔死させ、背部皮膚を剥離して、反応部位
の色素露出部の長径と短径を測定し、その平均値を直径
として面積を算出した。その後、色素露出部の皮膚をパ
ンチで打ち抜き、以下の方法により色素露出量を測定し
た。パンチで打ち抜いた皮膚を1N水酸化カリウム水溶
液1mlに浸漬し、37℃で1夜放置した後、0.6N
H3PO4:アセトン(5:13)混合液を9ml加え
て遠心し、上澄を分取し、620nmの吸収を吸光光度
計を用いて測定した。色素露出量は別に測定した検量線
から読み取った。被験物質は、生理食塩水(5ml/k
g)に溶解し、静脈内投与した。なお、生理食塩水(5
ml/kg)のみを静脈内投与した。結果を第7表に示
す。
【0081】
【表7】                          
     第7表被験物質    投与量      
  例数    色素露出面積      色素露出量
          (μg/kg)    (n) 
     (mm2)          (μg/部
位)(対照)      −          20
  56.9±19.4  104.9±45.9  
6          10        16  
33.7±  7.5    38.0±15.9被験
物質6:試験例1に同じ
【0082】以上の結果から本発明化合物は、アレルギ
ー疾患並びに炎症疾患の惹起物質であるヒスタミン、ロ
イコトリエンおよび血小板活性化因子のいずれに対して
も極めて強い拮抗作用を有することが理解されるので、
アレルギー性疾患処置剤、炎症疾患処置剤および気管支
拡張剤として有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  15−デヒドロキシ−16−オキソ−
    プロスタグランジン化合物を有効成分とする、アレルギ
    ー疾患および炎症疾患処置剤。
  2. 【請求項2】  15−デヒドロキシ−16−オキソ−
    プロスタグランジン化合物を有効成分とする、抗ヒスタ
    ミン剤。
  3. 【請求項3】  15−デヒドロキシ−16−オキソ−
    プロスタグランジン化合物を有効成分とする、ロイコト
    リエン拮抗剤。
  4. 【請求項4】  15−デヒドロキシ−16−オキソ−
    プロスタグランジン化合物を有効成分とする、血小板活
    性化因子拮抗剤。
  5. 【請求項5】  15−デヒドロキシ−16−オキソ−
    プロスタグランジン化合物を有効成分とする、気管支拡
    張剤。
  6. 【請求項6】  15−デヒドロキシ−16−オキソ−
    プロスタグランジン化合物が、17−モノまたはジハロ
    −15−デヒドロキシ−16−オキソ−プロスタグラン
    ジン化合物である、請求項1−5の何れか1項記載の剤
  7. 【請求項7】  15−デヒドロキシ−16−オキソ−
    プロスタグランジン化合物が、13,14−ジヒドロ−
    17−モノまたはジハロ−15−デヒドロキシ−16−
    オキソ−プロスタグランジン化合物である、請求項1−
    5の何れか1項記載の剤。
  8. 【請求項8】  15−デヒドロキシ−16−オキソ−
    プロスタグランジン化合物が、13,14−ジヒドロ−
    17−モノまたはジフルオロ−15−デヒドロキシ−1
    6−オキソ−プロスタグランジン化合物である、請求項
    1−5の何れか1項記載の剤。
JP3125235A 1990-04-27 1991-04-26 生化学的拮抗及び疾患処置剤 Expired - Lifetime JPH07103030B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3125235A JPH07103030B2 (ja) 1990-04-27 1991-04-26 生化学的拮抗及び疾患処置剤

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-112303 1990-04-27
JP11230390 1990-04-27
JP3-61327 1991-03-01
JP6132791 1991-03-01
JP3125235A JPH07103030B2 (ja) 1990-04-27 1991-04-26 生化学的拮抗及び疾患処置剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04330015A true JPH04330015A (ja) 1992-11-18
JPH07103030B2 JPH07103030B2 (ja) 1995-11-08

Family

ID=26402368

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3125235A Expired - Lifetime JPH07103030B2 (ja) 1990-04-27 1991-04-26 生化学的拮抗及び疾患処置剤

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP0454429B1 (ja)
JP (1) JPH07103030B2 (ja)
KR (1) KR970005173B1 (ja)
AT (1) ATE148344T1 (ja)
AU (1) AU639322B2 (ja)
CA (1) CA2041240C (ja)
DE (1) DE69124415T2 (ja)
DK (1) DK0454429T3 (ja)
ES (1) ES2099736T3 (ja)
GR (1) GR3022706T3 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011034210A1 (en) * 2009-09-16 2011-03-24 Sucampo Ag Pharmaceutical combination for treating tumor
WO2012144649A1 (en) * 2011-04-19 2012-10-26 Sucampo Ag Method for modulating cytokine activity
WO2012148002A1 (en) * 2011-04-27 2012-11-01 Sucampo Ag Method for modulating ion transporter
JPWO2012176792A1 (ja) * 2011-06-21 2015-02-23 株式会社アールテック・ウエノ 炎症性疾患、アレルギー性疾患および自己免疫疾患用途のための医薬組成物
WO2015049876A1 (ja) * 2013-10-04 2015-04-09 国立大学法人東北大学 腎機能障害の予防又は改善剤

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK0686036T3 (da) * 1992-08-07 1997-10-13 Schering Ag Anvendelse af prostan-derivater til fremstilling af et lægemiddel til behandling af kronisk polyarthritis.

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3644638A (en) * 1970-08-24 1972-02-22 American Home Prod Compositions and methods for relieving bronchial spasm with prostanoic acids and esters
US3836667A (en) * 1972-03-24 1974-09-17 Miles Lab Method of producing bronchodilation
GB1507211A (en) * 1975-02-14 1978-04-12 Ono Pharmaceutical Co Prostaglandin analogues
GB8302708D0 (en) * 1983-02-01 1983-03-02 Efamol Ltd Pharmaceutical and dietary composition
EP0153858A3 (en) * 1984-02-29 1985-12-11 The Upjohn Company The therapeutic use of prostaglandins
US4879285A (en) * 1986-08-22 1989-11-07 Royal North Shore Hospital And Area Health Service Fertility control
AU616502B2 (en) * 1988-04-22 1991-10-31 Medvet Science Pty. Ltd. Treatment of inflammatory disorders in humans
DK0391218T3 (da) * 1989-04-04 1996-07-29 Beiersdorf Ag Middel til forebyggelse af atopi
CA2037009C (en) * 1990-02-26 1998-01-27 Ryuji Ueno 15-dehydroxy-16-oxoprostaglandins

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011034210A1 (en) * 2009-09-16 2011-03-24 Sucampo Ag Pharmaceutical combination for treating tumor
JP2013504520A (ja) * 2009-09-16 2013-02-07 スキャンポ・アーゲー 腫瘍を処置するための医薬的組合せ
US9084815B2 (en) 2009-09-16 2015-07-21 Sucampo Ag Method for treating damage induced by an anti-tumor agent, treating mucositis and treating tumor
JP2016056191A (ja) * 2009-09-16 2016-04-21 スキャンポ・アーゲーSucampo AG 腫瘍を処置するための医薬的組合せ
WO2012144649A1 (en) * 2011-04-19 2012-10-26 Sucampo Ag Method for modulating cytokine activity
JP2014511825A (ja) * 2011-04-19 2014-05-19 スキャンポ・アーゲー サイトカイン活性の調節方法
WO2012148002A1 (en) * 2011-04-27 2012-11-01 Sucampo Ag Method for modulating ion transporter
JPWO2012176792A1 (ja) * 2011-06-21 2015-02-23 株式会社アールテック・ウエノ 炎症性疾患、アレルギー性疾患および自己免疫疾患用途のための医薬組成物
WO2015049876A1 (ja) * 2013-10-04 2015-04-09 国立大学法人東北大学 腎機能障害の予防又は改善剤
JP6090723B2 (ja) * 2013-10-04 2017-03-08 国立大学法人東北大学 腎機能障害の予防又は改善剤

Also Published As

Publication number Publication date
EP0454429B1 (en) 1997-01-29
KR910018028A (ko) 1991-11-30
CA2041240A1 (en) 1991-10-28
AU639322B2 (en) 1993-07-22
DE69124415T2 (de) 1997-05-15
ES2099736T3 (es) 1997-06-01
ATE148344T1 (de) 1997-02-15
KR970005173B1 (ko) 1997-04-14
CA2041240C (en) 2001-07-31
JPH07103030B2 (ja) 1995-11-08
GR3022706T3 (en) 1997-05-31
EP0454429A2 (en) 1991-10-30
DE69124415D1 (de) 1997-03-13
DK0454429T3 (da) 1997-03-17
EP0454429A3 (en) 1992-07-15
AU7593091A (en) 1991-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2329825B1 (en) Method and composition for treating peripheral vascular diseases
JP2592204B2 (ja) 眼圧降下剤
JP3187438B2 (ja) エンドセリン拮抗剤
NO308993B1 (no) Middel for behandling av lever- og gallesykdommer samt forbindelser som kan anvendes i midlet
US5194429A (en) Ocular hypotensive agents
US7459583B2 (en) Method for providing a cathartic effect
US5302617A (en) Biochemical treatment with 15-dehydroxy-16-oxoprostaglandin compounds
KR101354771B1 (ko) 중추 신경계 질환 치료를 위한 방법 및 조성물
CA2041417C (en) Treatment of pancreatic disease with 15-keto-prostaglandin compounds
JP2562239B2 (ja) 抗炎症剤
JPH0770054A (ja) 生化学的拮抗および疾患処置剤
JPH04330015A (ja) 生化学的拮抗及び疾患処置剤
CA2030344C (en) Treatment of pulmonary dysfunction with 15-keto-prostaglandin compounds
JPH04253911A (ja) 眼科用組成物
US8592483B2 (en) Method for treating schizophrenia
JP2511611B2 (ja) 眼圧降下用医薬組成物
JP3183615B2 (ja) 肝・胆道系疾患処置剤
JPH04253913A (ja) 眼科用医薬組成物
JPH054923A (ja) 白内障処置剤
JP2515442B2 (ja) 膵臓疾患処置剤
JP3183650B2 (ja) プロスタグランジン化合物
US5221799A (en) New 15-dehydroxy-16-oxoprostaglandins
JPS58192841A (ja) 新規9−置換カルバサイクリン類似体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071108

Year of fee payment: 12

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071108

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071108

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101108

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101108

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111108

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111108

Year of fee payment: 16