JPH0770054A - 生化学的拮抗および疾患処置剤 - Google Patents

生化学的拮抗および疾患処置剤

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JPH0770054A
JPH0770054A JP23590393A JP23590393A JPH0770054A JP H0770054 A JPH0770054 A JP H0770054A JP 23590393 A JP23590393 A JP 23590393A JP 23590393 A JP23590393 A JP 23590393A JP H0770054 A JPH0770054 A JP H0770054A
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JP
Japan
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dehydroxy
lower alkyl
compound
halogen
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JP23590393A
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Takashi Ueno
隆司 上野
Tomio Oda
富雄 小田
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R Tech Ueno Ltd
Original Assignee
R Tech Ueno Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式 [例えば、13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ
−17,17−ジフルオロ−PGEメチルエステル]
で示されるプロスタグランジン化合物。 【効果】 この化合物は、アレルギー疾患処置剤、炎症
疾患処置剤、抗ヒスタミン剤、気管拡張剤などとして有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、15−デヒドロキシ
−プロスタグランジン化合物の新用途および特定の新規
化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、アレルギーや炎症疾患において、
ヒスタミンがケミカルメディエーターの1つであること
は広く知られており、現在、アレルギーや炎症疾患の処
置としては、いわゆる抗ヒスタミン剤が広く用いられて
いる。
【0003】一方、プロスタグランジン類(以後プロス
タグランジンはPGとして示す)はひとおよび他の哺乳
類の組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活性
を示す有機カルボン酸の1群である。天然に存在するP
G類は一般的な構造特性として、プロスタン酸骨格を有
する。
【0004】
【化3】
【0005】一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格
を持っている。天然PG類は5員環の構造特性によっ
て、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE
類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびP
GJ類に分類され、さらに鎖部分が、不飽和および酸化
の存在および不存在によっても 下付1...13,14−不飽和−15−OH 下付2...5,6−および13,14−ジ不飽和−1
5−OH 下付3...5,6−、13,14−および17,18
−トリ不飽和−15−OH として、分類される。
【0006】さらに、PGF類は9位の水酸基の配置に
よってα、(水酸基がアルファー配置である)およびβ
(水酸基がベータ配置である)に分類される。
【0007】いわゆる天然型PG類の15位の水酸基が
存在しない15−デヒドロキシ−PG化合物の一群に眼
圧下降作用を有することが知られている(WO91/1
3869)。また、15位の水酸基が存在せず、16位
にオキソ基を有する15−デヒドロキシ−16−オキソ
−PG化合物がアレルギーや炎症などに有効であること
が記載されている(特開平4−330015)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明者は新規な化
合物を含め15位および16位に水酸基あるいはオキソ
基を有さない15−デヒドロキシ−PG化合物の新用途
に関し、研究を続けた結果、これらの化合物がヒスタミ
ンに対し、すぐれた拮抗作用を有することから、アレル
ギー疾患あるいは炎症疾患の処置に有用であることを見
出し、この発明を完成したのである。
【0009】
【発明の構成】すなわち、この発明は15−デヒドロキ
シ−PG化合物を有効成分とする、アレルギー疾患処置
剤、炎症疾患処置剤、抗ヒスタミン剤、気管拡張剤およ
び新規な15−デヒドロキシ−PG化合物を提供するも
のである。
【0010】アレルギー疾患は、アレルギー反応、すな
わち一定の細胞内で特異物質(抗原またはアレルゲン。
例えば花粉、穀類、じんあい、動物性空気運搬物質、食
物、薬剤、治療血清、細菌およびその産生物質等)に対
する抗体ができ、再びその物質に出会ったとき起こる反
応が生体に防御的でなく有害に作用する反応に基づく疾
患である。これには、枯草熱(季節性鼻カタル、血管運
動性鼻炎)、気管支ぜん息、血清病、血清ショック、ア
レルギー性皮膚炎、アレルギー性胃炎、アレルギー性関
節炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性下痢、アレル
ギー性喉頭炎、アレルギー性紫斑病、アレルギー性神経
炎、アレルギー性肉芽腫、アレルギー性脳脊髄炎、アレ
ルギー性肺胞炎、アレルギー性腎炎、アレルギー性鼻
炎、アレルギー性ぜん息、アレルギー性湿疹等が含まれ
る。
【0011】さらに本発明においては自己の組織を構成
する成分に反応する抗体が産生されることにより、自己
の細胞に対して組織障害を起こすいわゆる自己免疫疾患
を包含する。これには慢性関節リウマチ(RA)、全身
性エリテマドーデス(SLE)、全身性進行性硬化症
(PSS)、橋本病、シェーグレン症候群、甲状腺機能
亢進症、筋無力症候群、ベーチェット病が含まれる。
【0012】炎症疾患は、炎症反応、すなわち生体の局
所に臓器組織の機能または構造の動的平衡を破るような
刺激(物理学的、化学的、微生物その他の寄生による刺
激)が加わったとき起る循環障害、滲出、変性、過形成
などからなる病変群であって、その徴候は紅潮、発熱、
疼痛、腫張、機能障害である。これには結膜炎、虹彩
炎、ぶどう膜炎、中心性網膜炎、外耳炎、急性化膿性中
耳炎、乳様突起炎、内耳炎、慢性鼻炎、急性鼻炎、副鼻
腔炎、喉頭炎、扁桃炎、慢性気管支炎、急性細気管支
炎、大葉性肺炎、小葉性肺炎、原発性異型肺炎、乾性肋
膜炎、湿性肋膜炎、縦隔洞炎、急性リウマチ性心内膜
炎、細菌性心内膜炎、血栓性静脈炎、多発性動脈炎、急
性腎炎、慢性腎炎、膀胱炎、腎周囲炎、口内炎、食道
炎、急性胃炎、慢性胃炎、潰瘍性大腸炎、急性虫垂炎、
慢性肝炎、急性肝炎、細胆肝炎、胆のう炎、慢性膵炎、
急性膵炎、慢性腹膜炎、急性腹膜炎、甲状腺炎、接触皮
膚炎、急性出血性脳炎、化膿性髄膜炎、視束脊髄炎、酒
精性多発性神経炎、糖尿病性多発性神経炎、多発性筋
炎、化骨性筋炎、変質性関節炎、リウマチ様関節炎、肩
甲関節周囲炎、変形性肩炎等が含まれる。
【0013】ヒスタミンは、種々の組織の存在するが大
部分が肥満細胞および好塩基球に含まれ、非免疫刺激
(外傷、毒素、ある種の化合物例えば化合物48/8
0)または免疫刺激に応じて遊離され、かゆみ、浮腫、
発赤、気管支収縮等のアレルギー症状を生じ、胃酸分泌
を刺激する物質である。
【0014】気管支平滑筋は、ヒスタミン受容体および
ロイコトリエン受容体の刺激により収縮する。また、副
交感神経を刺激すると末梢からアセチルコリンが放出さ
れ、平滑筋表面のコリン受容体と結合して収縮する。交
感神経を刺激すると末梢からノルアドレナリンが、副腎
髄質からアドレナリンが放出され、平滑筋のβ受容体を
刺激して弛緩させるが、α受容体の刺激は収縮を起す。
上記収縮機構を直接または間接に妨害作用をもつ薬物は
すべて気管支拡張薬の概念に含まれるとされている。
【0015】この発明において、「処置」の語は、予
防、治療、軽減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあ
らゆる疾患の管理を包含する。
【0016】この発明において、15−デヒドロキシ−
PG化合物とは、不飽和結合(2重または3重結合)の
存在または不存在に関係なくプロスタン酸骨格の15お
よび16位に水酸基およびオキソ基を持たないあらゆる
プロスタグランジン誘導体を含む。この発明の15−デ
ヒドロキシ−PG化合物の命名に際しては式(A)に示
したプロスタン酸の番号を用いる。
【0017】前記式(A)はC−20の基本骨格のもの
であるが、本発明では炭素数がこれによって限定される
ものではない。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号は
カルボン酸を1とし5員環に向って順に2〜7までをα
鎖上の炭素に、8〜12までを5員環の炭素に、13〜
20までをω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減
少する場合、2位から順次番号を末梢し、α鎖上で増加
する場合2位にカルボキシル基(1位)に代わる置換基
がついたものとして命名する。同様に、炭素数がω鎖上
で減少する場合、20位から炭素の番号を順次減じ、ω
鎖上で増加する場合、21番目以後の炭素原子は置換基
として命名する。また、立体配置に関しては、特にこと
わりのないかぎり、上記基本骨格の有する立体配置に従
うものとする。
【0018】従って、ω鎖に5個の炭素原子を有し、そ
の末端にフェニルが置換する場合は15−デヒドロキシ
−18,19,20−トリノル−17−フェニル−PG
類と、ω鎖に10個の炭素原子を有する場合は15−デ
ヒドロキシ−20−エチル−PG類と命名する。
【0019】上記式は最も典型的な配位である特定配置
を示すが、この明細書において、特にことわらない限り
化合物は上記の配置を有するものとする。
【0020】一般に、PGD類、PGE類およびPGF
類は9位および/または11位の炭素上にヒドロキシ基
を有するが、この発明では15−デヒドロキシ−16−
オキソPG化合物は9位および/または11位にヒドロ
キシ以外の基を有するPG類をも含む。このようなPG
類は9−デヒドロキシ−9−置換PG類または11−デ
ヒドロキシ−11−置換PG類と命名する。また、ヒド
ロキシ基の代わりに水素原子を有する場合は、単に9−
デヒドロキシ−PG類または11−デヒドロキシ−PG
類と命名する。
【0021】前述のように、この発明の化合物の命名は
プロスタン酸骨格に基づいて行うが、これをIUPAC
に基づいて命名することも可能である。両命名法による
化合物の命名の例は実施例中に記載する。この発明にお
いて用いられる15−デヒドロキシ−PG化合物は15
および16位に水酸基およびオキソ基を持たないあらゆ
るPG誘導体であり得、これらは飽和体でもよく、さら
に例えば5−6位、13−14位あるいは18−19位
に2重結合を有し得る。また、13−14位が飽和して
いる13,14−ジヒドロ体も含まれる。さらに14,
15位に2重結合を有する13,14−デヒドロ体も含
まれる。この発明に用い得る化合物の代表的な例は、1
5−デヒドロキシ−PGA、15−デヒドロキシ−PG
D、15−デヒドロキシ−PGE、15−デヒドロキシ
−PGFおよびこれらの13,14−ジヒドロ体または
14,15−デヒドロ体並びにそれらの置換体および誘
導体である。
【0022】この発明に使用される好ましい化合物は式
(I)
【0023】
【化4】
【0024】[式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、
ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキ
ル、またはオキソ(但し、XおよびYの基の内少なくと
も1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つ
の2重結合を有していてもよい)、Aは−CH2OH、
−COH2OH、−COOHまたはその官能性誘導体、
1は二価の飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水
素残基、R2は非置換またはハロゲンで置換された、飽
和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基(但し、
低〜中級脂肪族炭化水素残基の末端に低級アルコキシ、
シクロ(低級)アルキル基、アリール基またはアリール
オキシ基が置換していてもよい)]を有する。
【0025】また、この発明は一般式
【0026】
【化5】
【0027】[式中、LおよびMは水素、ヒドロキシ、
ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキ
ル、またはオキソ(但し、LおよびMの基の内少なくと
も1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つ
の2重結合を有していてもよい)、Z1およびZ2は水素
原子、ハロゲンまたは低級アルキル(但し、Z1および
2の少なくとも1つはハロゲン)、R3は水素原子、低
級アルキル基、低級シクロアルキル基、単環性アリール
基、単環性アリール低級アルキル基もしくは、単環性ア
ロイル低級アルキル基、R4は二価の飽和または不飽
和、炭素数4〜8の脂肪族炭化水素残基、R5は二価の
飽和または不飽和、低級脂肪族炭化水素残基、R6は単
結合または二価の飽和または不飽和、低級脂肪族炭化水
素残基、R7は低級アルキル基、非置換または低級アル
キル置換低級シクロアルキル基、非置換またはハロゲン
もしくはハロ低級アルキルで置換された単環性アリール
基、非置換またはハロゲンもしくはハロ低級アルキルで
置換された単環性アリールオキシ基を意味する]で示さ
れる化合物またはR3が水素原子の場合その塩類であ
る。
【0028】上記式中、R1、R2、R4、R5およびR6
における「不飽和」の語は、主鎖または側鎖の炭素原子
間の結合として、少なくとも1つまたはそれ以上の2重
結合および/または3重結合を孤立、分離または連続し
て含むことを意味する。通常の命名法に従って、連続す
る2つの位置間の不飽和は若い方の位置番号を表示する
ことにより示し、連続しない2つの位置間の不飽和は両
方の位置番号を表示して示す。好ましい不飽和は、2位
の2重結合、5位の2重結合または3重結合、13位の
2重結合および14位の2重結合である。
【0029】「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素
数1〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数
1〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意味し、
好ましくはR1の場合炭素数2〜8の炭化水素であり、
2の場合炭素数2〜12の炭化水素である。
【0030】「ハロゲン」の語は、ふっ素、塩素、臭素
およびよう素を包含する。
【0031】「低級」の語は、特にことわりのない限り
炭素原子数1〜6を有する基を包含するものである。
【0032】「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜
6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を包含し、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含
む。
【0033】「低級アルコキシ」の語は、低級アルキル
が上述と同意義である低級アルキル−O−を意味する。
【0034】「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、
少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された上記のよう
なアルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒ
ドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチ
ル−1−ヒドロキシエチルである。
【0035】「低級アルカノイルオキシ」の語は、式R
CO−O−(ここで、RCO−は上記のような低級アル
キルが酸化されて生じるアシル、例えばアセチル)で示
される基を意味する。
【0036】「シクロ(低級)アルキル」の語は、上記
のような低級アルキル基が閉環して生ずる基を意味す
る。
【0037】「アリール」の語は、置換されていてもよ
い芳香性炭素環または複素環基(好ましくは単環性の
基)を包含し、例えばフェニル、トリル、キシリルおよ
びチエニルを含む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲ
ン置換低級アルキル基(ここで、ハロゲン原子および低
級アルキル基は前記の意味)が含まれる。
【0038】「アリールオキシ」の語は、式ArO−
(ここで、Arは上記のようなアリール基)で示される
基を意味する。
【0039】Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘
導体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る
塩)、エステルおよびアミド類を含む。
【0040】適当な「医薬上許容し得る塩」としては、
慣用される非毒性塩を含み、無機塩基との塩、例えばア
ルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカ
リ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、ア
ンモニウム塩、有機塩基との塩、例えばアミン塩(例え
ばメチルアミン、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルア
ミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジ
アミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチ
ルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールアミ
ン塩、リジン塩、プロカイン塩、カフェイン塩等)、塩
基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リジン塩等)テ
トラアルキルアンモニウム塩等があげられる。これらの
塩類は、例えば対応する酸および塩基から常套の方法に
よってまたは塩交換によって製造し得る。
【0041】エステルの例としては、メチルエステル、
エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエス
テル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチ
ルエステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエ
チルエステル等の低級アルキルエステル、ビニルエステ
ル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル、エチ
ニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニル
エステル、ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキ
シ(低級)アルキルエステル、メトキシメチルエステ
ル、1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ
(低級)アルキルエステルのような脂肪族エステルおよ
び例えばフェニルエステル、トシルエステル、t−ブチ
ルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメ
トキシフェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステ
ル等の所望により置換されたアリールエステル、ベンジ
ルエステル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステ
ル等のアリール(低級)アルキルエステルがあげられ
る。
【0042】アミドとしては、メチルアミド、エチルア
ミド、ジメチルアミド等のモノもしくはジ低級アルキル
アミド、アニリド、トルイジド等のアリールアミド、メ
チルスルホニルアミド、エチルスルホニルアミド、トリ
ルスルホニルアミド等のアルキルもしくはアリールスル
ホニルアミド等があげられる。
【0043】上記式(I)および(II)中、環、αお
よび/またはω鎖の配置は、天然のPG類の配置同様か
または異なっていてもよい。しかしながら、この発明は
天然の配置を有する化合物および非天然の配置を有する
化合物の混合物も包含する。この発明の典型的な化合物
類の例は、15−デヒドロキシ−PGE類、13,14
−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−PGE類およびそれ
らの△2−誘導体、3−メチル−誘導体、△5−誘導体、
11−デヒドロキシ−誘導体、11−デヒドロキシ−1
1−メチル−誘導体、△13−誘導体、△14−誘導体、1
5−モノまたはジ−メチル−誘導体、15−モノ−また
はジ−フルオロ−誘導体、16−モノまたはジ−メチル
−誘導体、16−モノまたはジ−フルオロ−誘導体、1
7−モノまたはジ−メチル−誘導体、17−モノまたは
ジ−フルオロ−誘導体、18−モノまたはジ−メチル−
誘導体、18−モノまたはジ−フルオロ−誘導体、19
−モノまたはジ−メチル−誘導体、19−モノまたはジ
−フルオロ−誘導体、17,18,19,20−テトラ
ノル−誘導体、17,18,19,20−テトラノル−
16−エトキシ−誘導体、17,18,19,20−テ
トラノル−16−シクロペンチル−誘導体、17,1
8,19,20−テトラノル−16−フェニル−誘導
体、17,18,19,20−テトラノル−16−フェ
ノキシ−誘導体、18,19,20−トリノル−誘導
体、18,19,20−トリノル−17−メトキシ−誘
導体、18,19,20−トリノル−17−シクロヘキ
シル−誘導体、18,19,20−トリノル−17−フ
ェニル−誘導体、18,19,20−トリノル−17−
フェノキシ−誘導体、19,20−ジノル−誘導体、1
9,20−ジノル−18−メトキシ−誘導体、19,2
0−ジノル−18−シクロペンチル−誘導体、19,2
0−ジノル−18−フェニル−誘導体、19,20−ジ
ノル−18−フェノキシ−誘導体、20−ノル−誘導
体、20−ノル−19−メトキシ−誘導体、20−ノル
−19−フェニル−誘導体、20−メトキシ−誘導体、
20−メチル−誘導体、20−エチル−誘導体、20−
プロピル−誘導体、20−ブチル−誘導体、20−フェ
ニル−誘導体などである。
【0044】この発明においては、個々の互変異性体、
その混合物または光学異性体、その混合物、ラセミ体、
その他の立体異性体等の異性体も、同じ目的に使用する
ことが可能である。
【0045】
【製造法】この発明の化合物は、例えばWO91/13
869号の記載に基づき製造することができる。また、
次の反応式にしたがって、製造することもできる。下記
反応式中、P1、P2、P3、P4およびP5は保護基、D
は脱離基、Bは−CH2−CH2−または−CH=CH
−、AおよびXは前記と同じ意味である。
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】適当な保護基を有するコーリー(Core
y)ラクトン(1)を酸化(例えばコリンズ酸化)して
(2)とし、これに目的とするRを有する(2−オキソ
アルキル)ホスホン酸エステルを反応させて(3)を得
る。例えば、16,16−ジフルオロ体を目的とする場
合は(3,3−ジフルオロ−2−オキソアルキル)−ホ
スホン酸エステル、16,16−ジメチル体を目的とす
る場合は(3,3−ジメチル−2−オキソアルキル)−
ホスホン酸エステル、17−フェニル体を目的とする場
合は(4−フェニル−2−オキソアルキル)−ホスホン
酸エステルを用いればよい。13,14−ジヒドロ体を
目的とする場合、オキソ基を還元して(4)とし、さら
に還元して(5)とする。化合物(5)の水酸基を脱離
基化(例えばイミダゾールチオカルボニルエステル化)
して(6)とし、この脱離基を還元(例えば水素化トリ
−n−ブチル錫)して(7)を得る。この11位の保護
基を脱離して(8)とし、別の保護基(例えばテトラヒ
ドロピラニル)を導入して(9)とし、ラクトンをラク
トール(10)に還元する。ウィテイッヒ反応等により
α鎖を導入して(11)とし、エステル化して(12)
とし、9位を酸化して(13)とした後、11位を脱保
護すると、目的とする化合物(14)が得られる。上記
の製造法中、化合物(4)から(5)を得る還元を省く
と13、14位に2重結合を有する化合物(15)が得
られる。また、α鎖導入剤適宜選択すると、Bが−CH
2−CH2−または−CH=CH−の化合物が得られる。
AがCOOHの化合物は、化合物(14)を加水分解し
て得られる。
【0050】化合物(1)を増炭させた化合物(16)
を出発化合物として、同様の反応を行うと化合物(1
8)および14、15位に2重結合を有する14,15
−デヒドロ体の化合物(19)が得られる。この場合、
(2−オキソアルキル)ホスホン酸エステルとして、
(3,3−ジフルオロ−2−オキソアルキル)−ホスホ
ン酸エステルを用いれば17,17−ジフルオロ体が、
(3,3−ジメチルロ−2−オキソアルキル)−ホスホ
ン酸エステルを用いれば17,17−ジメチル体が、
(4−フェニル−2−オキソアルキル)−ホスホン酸エ
ステルを用いれば18−フェニル体が得られる。
【0051】11位の保護基を例えば単環アリールスル
ホン基で保護した(20)を酸化(例えばジョーンズ酸
化)することにより、PGA型化合物(21)が得られ
る。さらに一般式(I)においてXがOH以外(例えば
低級アルキル)の化合物を目的とする場合は、化合物
(21)に例えば低級アルキル銅錯体を反応させること
により化合物(22)を得ることができる。PGF型化
合物は化合物(12)を11位の脱保護により得ること
ができる。PGD型化合物は化合物(12)の9位の保
護、11位の脱保護を行い(24)とし、酸化して(2
5)とした後、9位を脱保護して(26)を得ることが
できる。
【0052】
【効果】上記15−デヒドロキシ−PG化合物は、アレ
ルギー疾患処置剤、炎症疾患処置剤、抗ヒスタミン剤お
よび気管拡張剤として有用である。
【0053】この発明で用いる化合物は動物およびヒト
用の薬剤として使用することができ、通常、全身的ある
いは局所的に点眼、点鼻、経口、静脈注射(点滴を含
む)、皮下注射、直腸内投与などの方法で使用される。
投与量は動物またはひと等のような対象の種類、年令、
体重、処置されるべき症状、所望の治療効果、投与方
法、処置期間等により変化するが、通常局所投与の場合
0.05〜100μg/眼の投与量または1日2から4
分割用量または持続形態で全身投与する場合0.001
〜500mg/kgの投与量で通常十分な効果がえられ
る。
【0054】この発明による点眼剤としては、点眼液ま
たは眼軟膏等が含まれる。点眼液は、有効成分を無菌の
水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させるかま
たは用時溶解用に組合せて作られる。眼軟膏は、基剤に
有効成分を混合して作られる。
【0055】この発明による点鼻剤としては、点鼻液ま
たは鼻用スプレイ等が含まれる。点鼻液は、有効成分を
無菌の水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させ
るかまたは用時溶解用に組合せて作られる。鼻用スプレ
イは、有効成分を水滴または粉末の形で圧縮ガスまたは
空気ポンプで噴出させるように作られる。
【0056】この発明による経口投与のための固体組成
物としては、錠剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸
剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体組成物
においては1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくと
も1つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、セルロース、
無水ケイ酸等と混合される。組成物は常法に従って、不
活性な希釈剤以外の添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安
定剤を含んでいてもよい。錠剤または丸剤は必要により
胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい
し、また、2以上の層で被覆してもよい。更に崩壊され
得る物質のカプセル剤としてもよい。速効性を必要とす
るときは、舌下錠としてもよい。
【0057】経口投与のための液体組成物としては、乳
剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例示
される。一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精
製水、エタノール等を含んでいてもよい。この組成物は
不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助
剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していても
よい。
【0058】経口投与のためのその他の組成物として
は、1つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。
【0059】この発明による非経口投与のための注射剤
としては無菌の水性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤
を包含する。
【0060】このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよ
い。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾
過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌によって
無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造
し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して
使用することもできる。
【0061】別の形態は坐薬または膣坐薬である。これ
らの坐薬は体温で軟化する基剤に有効成分を混合して作
ることができ、適当な軟化温度を有する非イオン界面活
性剤を用いて吸収性を向上させてもよい。
【0062】この発明はまた、処置すべき対象に抗アレ
ルギーあるいは抗炎症有効量のこの発明の化合物を投与
することからなるアレルギー疾患並びに炎症疾患の処置
法を提供するものである。
【0063】
【実施例】以下、この発明を製造例、製剤例および試験
例によりさらに詳細に説明するが、これらはこの発明を
限定するものではない。
【0064】製造例 13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−17,1
7−ジフルオロ−PGE1メチルエステル[IUPAC
命名法:7−[(IR,2R,3R)−2−(5,5−
ジフルオルオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシ
クロペンチル]ヘプタン酸メチル]の製造。
【0065】1.(1S,5R,6R,7R)−7−
(4−フェニルベンゾイルオキシ)−6−(ホルミルメ
チル)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−オン(2) (1S,5R,6R,7R)−6−(2−ヒドロキシエ
チル)−7−(4−フェニルベンゾイルオキシ)−2−
オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(1)(7.25g)のジクロロメタン(60ml)溶
液を−78℃で、塩化オギザリル(2.0Mジクロロメ
タン溶液、3.46ml)、DMSO(5.55ml)
及びトリエチルアミン(28.3ml)を用いてスワー
ン酸化した。常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカ
ラム精製(酢酸エチル/ヘキサン=7/3)し、表題化
合物(2)を得た。収量:6.47g(90%)。
【0066】2.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロ−4−オキソ−2−オクテニル)−
7−(4−フェニルベンゾイルオキシ)−2−オキサビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(3) 水素化ナトリウム(60%、0.651g)をTHF
(14ml)に懸濁し、ジメチル(3,3−ジフロロ−
2−オキソヘキシル)ホスホネート(4.30g)のT
HF(14ml)溶液を加え、室温で30分間撹拌し
た。塩化亜鉛(2.22g)を加えて更に1時間室温で
撹拌した。これを、先のホモアルデヒド(2)(4.9
4g)に加え、40〜50℃で17時間撹拌した。常法
処理して得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エ
チル/ヘキサン=4/6)し、表題化合物(3)を得
た。収量:3.87g(60%)。
【0067】3.(1S,5R,6R,7R)−6−
[5,5−ジフロロ−4(RS)−ヒドロキシ−2−オ
クテニル]−7−(4−フェニルベンゾイルオキシ)−
2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(4) 乾燥エーテル(50ml)に、水素化ホウ素ナトリウム
(1.30g)及び塩化亜鉛(2.34g)を加え1時
間撹拌した。0℃としエノン(3)(2.07g)のT
HF(10ml)溶液を滴下し30分間撹拌した。常法
処理して得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エ
チル/ヘキサン=1/1)し、表題化合物(4)を得
た。収量:1.66g(80%)。
【0068】4.(1S,5R,6R,7R)−6−
[5,5−ジフロロ−4(RS)−ヒドロキシオクチ
ル]−7−(4−フェニルベンゾイルオキシ)−2−オ
キサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(5) アルコール(4)(1.66g)を酢酸エチル(30m
l)に溶解し、5%Pd−炭素(0.17g)を懸濁さ
せ、水素雰囲気下で3時間撹拌した。常法処理して得た
粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキサ
ン=1/1)し、表題化合物(5)を得た。収量:1.
47g(88%)。
【0069】5.(1S,5R,6R,7R)−6−
{5,5−ジフロロ−4(RS)−[イミダゾール−1
−イル(チオカルボニル)]オキシ}−7−(4−フェ
ニルベンゾイルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン(6) アルコール(5)(1.25g)を1,2−ジクロロエ
タン(13ml)に溶解し1,1′−チオカルボニルジ
イミダゾール(0.687g)を加え、80℃で5時間
撹拌した。常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカラ
ム精製(酢酸エチル/ヘキサン=3/2)し、表題化合
物(6)を得た。収量:1.48g(96%)。
【0070】6.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロオクチル)−7−(4−フェニルベ
ンゾイルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−オン(7) 水素化トリ−n−ブチルスズ(1.39ml)をトルエ
ン(50ml)に溶解し、加熱還流した。これにチオカ
ルボン酸エステル(6)(1.54g)のトルエン(3
0ml)溶液を40分にわたって滴下し、更に1時間加
熱還流した。常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカ
ラム精製(酢酸エチル/ヘキサン=3/7)し、表題化
合物(7)を得た。収量:0.983g(81%)。
【0071】なお、別途水素化トリ−n−ブチルスズ
(0.0516ml)のトルエン(2ml)溶液及びチ
オカルボン酸エステル(6)(0.0573g)のトル
エン(1ml)溶液を用い上記と同様にして表題化合物
(7)を得た。収量:0.0376g。
【0072】7.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロオクチル)−7−ヒドロキシ−2−
オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(8) フェニルベンゾエート(7)(0.984g)をジクロ
ロメタン(3.6ml)に溶解し、乾燥メタノール(1
8ml)を加え、更に炭酸カリウム(0.289g)を
加えて室温で5時間撹拌した。常法処理して得た粗生成
物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキサン=1
1/1)し、表題化合物(8)を得た。収量:0.53
8g(89%)。
【0073】8.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロオクチル)−7−(テトラヒドロピ
ラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オン(9) アルコール(8)(0.538g)のジクロロメタン
(6ml)溶液を0℃とし、ジヒドロピラン(0.50
7ml)及びp−トルエンスルホン酸1水和物(0.0
11g)を加え、30分間撹拌した。常法処理後に得た
粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキサ
ン=3/7)し、表題化合物(9)を得た。収量:0.
667g(96%)。
【0074】9.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロオクチル)−7−(テトラヒドロピ
ラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オール(10) テトラヒドロピラニルエーテル(9)(0.667g)
をトルエン(5.6ml)に溶解し、−78℃としジイ
ソブチルアルミニウムハイドライド(1.5−Mトルエ
ン溶液、5.35ml)を滴下した。30分間撹拌後、
常法処理し、表題化合物(10)を得た。収量:0.6
71g。
【0075】10.(Z)−7−[(1R,2R,3
R,5S)−2−(5,5−ジフロロオクチル)−5−
ヒドロキシ−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペ
ンチル]ヘプト−5−エン酸(11) (4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブ
ロマイド(2.37g)のTHF(4ml)懸濁液を0
℃とし、カリウムt−ブトキシド(1.0−MTHF溶
液、10.7ml)を滴下し、室温で30分間撹拌し
た。これに先に合成したラクトール(10)(0.67
1g)のTHF(5ml)溶液を加え、室温で1時間撹
拌した。常法処理し、表題化合物(11)を得た。
【0076】11.(Z)−7−[(1R,2R,3
R,5S)−2−(5,5−ジフロロオクチル)−5−
ヒドロキシ−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペ
ンチル]ヘプト−5−エン酸メチル(12) 粗カルボン酸(11)の乾燥エーテル(15ml)溶液
にジアゾメタンのエーテル溶液を加えた。常法処理して
得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘ
キサン=3/7)し、表題化合物(12)を得た。収
量:0.693g(82%)。
【0077】12.7−[(1R,2R,3R,5S)
−2−(5,5−ジフロロオクチル)−5−ヒドロキシ
−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル]ヘ
プタン酸メチル(13) メチルエステル(12)(0.693g)を酢酸エチル
(11ml)溶液とし、5%Pd−炭素(0.07g)
存在下に水素雰囲気中で3時間撹拌した。常法処理して
得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘ
キサン=3/7)し、表題化合物(13)を得た。収
量:0.608g(87%)。
【0078】13.7−[(1R,2R,3R)−2−
(5,5−ジフロロオクチル)−5−オキソ−3−テト
ラヒドロピラニルオキシシクロペンチル]ヘプタン酸メ
チル(14) 塩化オギザリル(2−Mジクロロメタン溶液、1.28
ml)をジクロロメタン(8ml)で希釈し、−78℃
とし、ジメチルスルホキシド(0.362ml)を滴下
し、30分間撹拌した。アルコール(13)(0.60
8g)のジクロロメタン(6ml)溶液を滴下し、1時
間撹拌した。トリエチルアミン(0.883ml)を加
え、−78℃〜0℃で1時間撹拌した。常法処理して得
た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキ
サン=25/75)し、表題化合物(14)を得た。収
量:0.552g(91%)。
【0079】14.7−[(1R,2R,3R)−2−
(5,5−ジフロロオクチル)−3−ヒドロキシ−5−
オキソシクロペンチル]ヘプタン酸メチル(15) THPエーテル(14)(0.552g)のアセトニト
リル(11ml)溶液を0℃とし、これにフッ化水素水
(46%、0.55ml)を加え、3時間撹拌した。常
法処理して得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(ジク
ロロメタン/メタノール=20/1)し、表題化合物
(15)を得た。収量:0.290g(64%)。
【0080】13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキ
シ−17,17−ジフルオロ−PGE1メチルエステル (反応式18:A=メチル、B=−CH2−CH2−、Q
1=Q2=フッ素、R=プロピル) NMR(CDCl3)δ:0.97(3H,t,J=
7.6Hz)、1.2〜2.0(26H,m)、2.2
3(1H,dd,J=17.7Hz,J=7.1H
z)、2.30(2H,t,J=7.6Hz)、2.6
8(1H,J=17.7Hz,J=7.1Hz)、3.
67(3H,s)、4.15(1H,m) 質量 m/z:390(M+)、372(M+−H
2O)、341(M+−H2O−CH3O)、
【0081】
【化9】
【0082】製剤例1 (注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ− 17,17−ジフルオロ−PGE1メチルエステル 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから注射可能な溶液を得た。
【0083】製剤例2 (経口投与用粉末) (重量部) 15−デヒドロキシ−16,16− ジフルオロ−PGE2 5 軽量無水けい酸 15 ラクトース 80 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。
【0084】製剤例3 (注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ− PGE1メチルエステル 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して粉末を得た。
【0085】製剤例4 (点眼液) 13,14−ジヒドロ−14,15−デヒドロ− 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ− PGE1イソプロピルエステル 10mg 生理食塩水水 10ml 上記成分を混合して、点眼液を得た。
【0086】上記製剤例において、活性成分は、この発
明で使用する範囲内の任意の他の化合物に置き換え得
る。
【0087】試験例 モルモットをウレタン1.0〜1.2g/kgの腹腔内
投与で麻酔し、総頸動脈および気管にカニューレを挿入
固定後、臭化パンクロニウム0.3mg/kgの静脈内
投与により自発呼吸を停止し、気管カニューレに小動物
用人工呼吸器(SN−480−7、シナノ製作所)およ
びブロンコスパズム・トランデュサー(7020、ウゴ
・バシール)を連結して人工呼吸を行った。1回送気量
6〜9ml、送気回数60回/分、肺への負荷値10c
mH2Oとし、オーバーフローする量をトランデュサー
を介してレコーダー(056−1001、日立製作所)
上に記録した。ヒスタミン8μg/kgを約30分間隔
で数回静脈内投与し、ヒスタミンによる気道抵抗増大作
用の安定が認められた後、被験物質(13,14−ジヒ
ドロ−15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−
PGE1メチルエステル)の静脈内投与1分後にヒスタ
ミン8μg/kgを静脈内投与して気道狭窄を惹起させ
た。被験物質の作用はヒスタミンのみを投与した時の投
与前後の気道抵抗の差を100%としたときの抑制率で
示した。結果を第1表に示す。
【0088】
【表1】 以上の結果からこの発明に用いる化合物は、アレルギー
疾患並びに炎症疾患の惹起物質であるヒスタミンに対し
て拮抗作用を有することが理解されるので、アレルギー
性疾患処置剤、炎症疾患処置剤および気管拡張剤として
有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 生化学的拮抗および疾患処置剤
【特許請求の範囲】
【化1】 [式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキ
ソ(但し、XおよびYの基の内少なくとも1つは水素以
外の基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を有
していてもよい)、Aは−CHOH、−COCH
、−COOHまたはその官能性誘導体、Rは二価の
飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基、R
は非置換またはハロゲンで置換された、飽和または不飽
和、低〜中級脂肪族炭化水素残基(但し、低〜中級脂肪
族炭化水素残基の末端に低級アルコキシ、シクロ(低
級)アルキル、アリールまたはアリールオキシが置換し
ていてもよい)]で表される15−デヒドロキシ−プロ
スタグランジン化合物である請求項1〜3のいずれかに
記載の剤。
【化2】 [式中、LおよびMは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキ
ソ(但し、LおよびMの基の内少なくとも1つは水素以
外の基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を有
していてもよい)、 および は水素原子、ハロゲ
ンまたは低級アルキル(但し、 および の少なく
とも1つはハロゲン)、Rは水素原子、低級アルキル
基、低級シクロアルキル基、単環性アリール基、単環性
アリール低級アルキル基もしくは、単環性アロイル低級
アルキル基、Rは二価の飽和または不飽和、炭素数4
〜8の脂肪族炭化水素残基、Rは二価の飽和または不
飽和、低級脂肪族炭化水素残基、Rは単結合または二
価の飽和または不飽和、低級脂肪族炭化水素残基、R
は低級アルキル基、低級アルコキシ基非置換または低級
アルキル置換低級シクロアルキル基、非置換またはハロ
ゲンもしくはハロ低級アルキルで置換された単環性アリ
ール基、非置換またはハロゲンもしくはハロ低級アルキ
ルで置換された単環性アリールオキシ基を意味する]で
示される化合物またはRが水素原子の場合その塩類。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、15−デヒドロキシ
−プロスタグランジン化合物の新用途および特定の新規
化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、アレルギーや炎症疾患において、
ヒスタミンがケミカルメディエーターの1つであること
は広く知られており、現在、アレルギーや炎症疾患の処
置としては、いわゆる抗ヒスタミン剤が広く用いられて
いる。
【0003】一方、プロスタグランジン類(以後プロス
タグランジンはPGとして示す)はひとおよび他の哺乳
類の組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活性
を示す有機カルボン酸の1群である。天然に存在するP
G類は一般的な構造特性として、プロスタン酸骨格を有
する。
【0004】
【化3】
【0005】一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格
を持っている。天然PG類は5員環の構造特性によっ
て、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE
類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびP
GJ類に分類され、さらに鎖部分が、不飽和および酸化
の存在および不存在によっても 下付1...13,14−不飽和−15−OH 下付2...5,6−および13,14−ジ不飽和−1
5−OH 下付3...5,6−、13,14−および17,18
−トリ不飽和−15−OH として、分類される。
【0006】さらに、PGF類は9位の水酸基の配置に
よってα、(水酸基がアルファー配置である)およびβ
(水酸基がベータ配置である)に分類される。
【0007】いわゆる天然型PG類の15位の水酸基が
存在しない15−デヒドロキシ−PG化合物の一群に眼
圧下降作用を有することが知られている(W091/1
3869)。また、15位の水酸基が存在せず、16位
にオキソ基を有する15−デヒドロキシ−16−オキソ
−PG化合物がアレルギーや炎症などに有効であること
が記載されている(特開平4−330015)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明者は新規な化
合物を含め15位および16位に水酸基あるいはオキソ
基を有さない15−デヒドロキシ−PG化合物の新用途
に関し、研究を続けた結果、これらの化合物がヒスタミ
ンに対し、すぐれた拮抗作用を有することから、アレル
ギー疾患あるいは炎症疾患の処置に有用であることを見
出し、この発明を完成したのである。また、肝・胆道系
疾患の処置にも有用であることを見出し、この発明を完
成したのである。
【0009】
【発明の構成】すなわち、この発明は15−デヒドロキ
シ−PG化合物を有効成分とする、アレルギー疾患処置
剤、炎症疾患処置剤、抗ヒスタミン剤、気管・気管支
張剤、肝・胆道系疾患処置剤および新規な15−デヒド
ロキシ−PG化合物を提供するものである。
【0010】アレルギー疾患は、アレルギー反応、すな
わち一定の細胞内で特異物質(抗原またはアレルゲン。
例えば花粉、穀類、じんあい、動物性空気運搬物質、食
物、薬剤、治療血清、細菌およびその産生物質等)に対
する抗体ができ、再びその物質に出会ったとき起こる反
応が生体に防御的でなく有害に作用する反応に基づく疾
患である。これには、枯草熱(季節性鼻カタル、血管運
動性鼻炎)、気管支ぜん息、血清病、血清ショック、ア
レルギー性皮膚炎、アレルギー性胃炎、アレルギー性関
節炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性下痢、アレル
ギー性喉頭炎、アレルギー性紫斑病、アレルギー性神経
炎、アレルギー性肉芽腫、アレルギー性脳脊髄炎、アレ
ルギー性肺胞炎、アレルギー性腎炎、アレルギー性鼻
炎、アレルギー性ぜん息、アレルギー性湿疹等が含まれ
る。
【0011】さらに本発明においては自己の組織を構成
する成分に反応する抗体が産生されることにより、自己
の細胞に対して組織障害を起こすいわゆる自己免疫疾患
を包含する。これには慢性関節リウマチ(RA)、全身
性エリテマドーデス(SLE)、全身性進行性硬化症
(PSS)、橋本病、シェーグレン症候群、甲状腺機能
亢進症、筋無力症候群、ベーチェット病が含まれる。
【0012】炎症疾患は、炎症反応、すなわち生体の局
所に臓器組織の機能または構造の動的平衡を破るような
刺激(物理学的、化学的、微生物その他の寄生による刺
激)が加わったとき起る循環障害、滲出、変性、過形成
などからなる病変群であって、その徴候は紅潮、発熱、
疼痛、腫張、機能障害である。これには結膜炎、虹彩
炎、ぶどう膜炎、中心性網膜炎、外耳炎、急性化膿性中
耳炎、乳様突起炎、内耳炎、慢性鼻炎、急性鼻炎、副鼻
腔炎、喉頭炎、扁桃炎、慢性気管支炎、急性細気管支
炎、大葉性肺炎、小葉性肺炎、原発性異型肺炎、乾性肋
膜炎、湿性肋膜炎、縦隔洞炎、急性リウマチ性心内膜
炎、細菌性心内膜炎、血栓性静脈炎、多発性動脈炎、急
性腎炎、慢性腎炎、膀胱炎、腎周囲炎、口内炎、食道
炎、急性胃炎、慢性胃炎、潰瘍性大腸炎、急性虫垂炎、
慢性肝炎、急性肝炎、細胆肝炎、胆のう炎、慢性膵炎、
急性膵炎、慢性腹膜炎、急性腹膜炎、甲状腺炎、接触皮
膚炎、急性出血性脳炎、化膿性髄膜炎、視束脊髄炎、酒
精性多発性神経炎、糖尿病性多発性神経炎、多発性筋
炎、化骨性筋炎、変質性関節炎、リウマチ様関節炎、肩
甲関節周囲炎、変形性肩炎等が含まれる。
【0013】ヒスタミンは、種々の組織の存在するが大
部分が肥満細胞および好塩基球に含まれ、非免疫刺激
(外傷、毒素、ある種の化合物例えば化合物48/8
0)または免疫刺激に応じて遊離され、かゆみ、浮腫、
発赤、気管支収縮等のアレルギー症状を生じ、胃酸分泌
を刺激する物質である。
【0014】気管支平滑筋は、ヒスタミン受容体および
ロイコトリエン受容体の刺激により収縮する。また、副
交感神経を刺激すると末梢からアセチルコリンが放出さ
れ、平滑筋表面のコリン受容体と結合して収縮する。交
感神経を刺激すると末梢からノルアドレナリンが、副腎
髄質からアドレナリンが放出され、平滑筋のβ受容体を
刺激して弛緩させるが、α受容体の刺激は収縮を起す。
上記収縮機構を直接または間接に妨害作用をもつ薬物は
すべて気管支拡張薬の概念に含まれるとされている。
【0015】「肝・胆道系疾患」とは、肝細胞の障害に
基づくかまたは障害を伴うあらゆる症状および胆道系の
障害に基づくあらゆる症状を包含し、例えば劇症肝炎、
脂肪肝(特にアルコール脂肪肝)、肝性昏睡、種々の急
性・慢性肝炎(アルコール性肝炎、中毒性肝炎、A型ウ
イルス肝炎、B型ウイルス肝炎、非A非Bウイルス肝
炎、血清肝炎、慢性活動性肝炎等)、肝レンズ核変性、
肝臓肥大、門脈圧亢進症、閉塞性黄疸、肝膿瘍、肝硬変
(特にアルコール性肝硬変、肝汁性肝硬変)、寄生虫性
肝疾患、肝腫瘍、肝結核、胆のう炎、胆石症、胆管炎、
胆疝痛、脂肪過敏症等を含む。
【0016】この発明において、「処置」の語は、予
防、治療、軽減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあ
らゆる疾患の管理を包含する。
【0017】この発明において、15−デヒドロキシ−
PG化合物とは、不飽和結合(2重または3重結合)の
存在または不存在に関係なくプロスタン酸骨格の15お
よび16位に水酸基およびオキソ基を持たないあらゆる
プロスタグランジン誘導体を含む。この発明の15−デ
ヒドロキシ−PG化合物の命名に際しては式(A)に示
したプロスタン酸の番号を用いる。
【0018】前記式(A)はC−20の基本骨格のもの
であるが、本発明では炭素数がこれによって限定される
ものではない。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号は
カルボン酸を1とし5員環に向って順に2〜7までをα
鎖上の炭素に、8〜12までを5員環の炭素に、13〜
20までをω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減
少する場合、2位から順次番号を末梢し、α鎖上で増加
する場合2位にカルボキシル基(1位)に代わる置換基
がついたものとして命名する。同様に、炭素数がω鎖上
で減少する場合、20位から炭素の番号を順次減じ、ω
鎖上で増加する場合、21番目以後の炭素原子は置換基
として命名する。また、立体配置に関しては、特にこと
わりのないかぎり、上記基本骨格の有する立体配置に従
うものとする。
【0019】従って、ω鎖に5個の炭素原子を有し、そ
の末端にフェニルが置換する場合は15−デヒドロキシ
−18,19,20−トリノル−17−フェニル−PG
類と、ω鎖に10個の炭素原子を有する場合は15−デ
ヒドロキシ−20−エチル−PG類と命名する。
【0020】上記式は最も典型的な配位である特定配置
を示すが、この明細書において、特にことわらない限り
化合物は上記の配置を有するものとする。
【0021】一般に、PGD類、PGE類およびPGF
類は9位および/または11位の炭素上にヒドロキシ基
を有するが、この発明では15−デヒドロキシ−16−
オキソPG化合物は9位および/または11位にヒドロ
キシ以外の基を有するPG類をも含む。このようなPG
類は9−デヒドロキシ−9−置換PG類または11−デ
ヒドロキシ−11−置換PG類と命名する。また、ヒド
ロキシ基の代わりに水素原子を有する場合は、単に9−
デヒドロキシ−PG類または11−デヒドロキシ−PG
類と命名する。
【0022】前述のように、この発明の化合物の命名は
プロスタン酸骨格に基づいて行うが、これをIUPAC
に基づいて命名することも可能である。両命名法による
化合物の命名の例は実施例中に記載する。この発明にお
いて用いられる15−デヒドロキシ−PG化合物は15
および16位に水酸基およびオキソ基を持たないあらゆ
るPG誘導体であり得、これらは飽和体でもよく、さら
に例えば5−6位、13−14位あるいは18−19位
に2重結合を有し得る。また、13−14位が飽和して
いる13,14−ジヒドロ体も含まれる。さらに14,
15位に2重結合を有する13,14−デヒドロ体も含
まれる。この発明に用い得る化合物の代表的な例は、1
5−デヒドロキシ−PGA、15−デヒドロキシ−PG
D、15−デヒドロキシ−PGE、15−デヒドロキシ
−PGFおよびこれらの13,14−ジヒドロ体または
14,15−デヒドロ体並びにそれらの置換体および誘
導体である。
【0023】この発明に使用される好ましい化合物は式
(I)
【0024
【化4】
【0025】[式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、
ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキ
ル、またはオキソ(但し、XおよびYの基の内少なくと
も1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つ
の2重結合を有していてもよい)、Aは−CHOH、
−COCHOH、−COOHまたはその官能性誘導
体、Rは二価の飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭
化水素残基、Rは非置換またはハロゲンで置換され
た、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基
(但し、低〜中級脂肪族炭化水素残基の末端に低級アル
コキシ、シクロ(低級)アルキル基、アリール基または
アリールオキシ基が置換していてもよい)]を有する。
【0026】また、この発明は一般式
【0027
【化5】
【0028】[式中、LおよびMは水素、ヒドロキシ、
ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキ
ル、またはオキソ(但し、LおよびMの基の内少なくと
も1つは水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つ
の2重結合を有していてもよい)、 および は水
素原子、ハロゲンまたは低級アルキル(但し、 およ
の少なくとも1つはハロゲン)、Rは水素原
子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、単環性ア
リール基、単環性アリール低級アルキル基もしくは、単
環性アロイル低級アルキル基、Rは二価の飽和または
不飽和、炭素数4〜8の脂肪族炭化水素残基、Rは二
価の飽和または不飽和、低級脂肪族炭化水素残基、R
は単結合または二価の飽和または不飽和、低級脂肪族炭
化水素残基、Rは低級アルキル基、低級アルコキシ基
非置換または低級アルキル置換低級シクロアルキル基、
非置換またはハロゲンもしくはハロ低級アルキルで置換
された単環性アリール基、非置換またはハロゲンもしく
はハロ低級アルキルで置換された単環性アリールオキシ
基を意味する]で示される化合物またはRが水素原子
の場合その塩類である。
【0029】上記式中、R、R、R、Rおよび
における「不飽和」の語は、主鎖または側鎖の炭素
原子間の結合として、少なくとも1つまたはそれ以上の
2重結合および/または3重結合を孤立、分離または連
続して含むことを意味する。通常の命名法に従って、連
続する2つの位置間の不飽和は若い方の位置番号を表示
することにより示し、連続しない2つの位置間の不飽和
は両方の位置番号を表示して示す。好ましい不飽和は、
2位の2重結合、5位の2重結合または3重結合、13
位の2重結合および14位の2重結合である。
【0030】「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素
数1〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数
1〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意味し、
好ましくはRの場合炭素数2〜8の炭化水素であり、
の場合炭素数2〜12の炭化水素である。
【0031】「ハロゲン」の語は、ふっ素、塩素、臭素
およびよう素を包含する。
【0032】「低級」の語は、特にことわりのない限り
炭素原子数1〜6を有する基を包含するものである。
【0033】「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜
6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を包含し、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含
む。
【0034】「低級アルコキシ」の語は、低級アルキル
が上述と同意義である低級アルキル−O−を意味する。
【0035】「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、
少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された上記のよう
なアルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒ
ドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチ
ル−1−ヒドロキシエチルである。
【0036】「低級アルカノイルオキシ」の語は、式R
CO−O−(ここで、RCO−は上記のような低級アル
キルが酸化されて生じるアシル、例えばアセチル)で示
される基を意味する。
【0037】「シクロ(低級)アルキル」の語は、上記
のような低級アルキル基が閉環して生ずる基を意味す
る。
【0038】「アリール」の語は、置換されていてもよ
い芳香性炭素環または複素環基(好ましくは単環性の
基)を包含し、例えばフェニル、トリル、キシリルおよ
びチエニルを含む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲ
ン置換低級アルキル基(ここで、ハロゲン原子および低
級アルキル基は前記の意味)が含まれる。
【0039】「アリールオキシ」の語は、式ArO−
(ここで、Arは上記のようなアリール基)で示される
基を意味する。
【0040】Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘
導体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る
塩)、エステルおよびアミド類を含む。
【0041】適当な「医薬上許容し得る塩」としては、
慣用される非毒性塩を含み、無機塩基との塩、例えばア
ルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカ
リ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、ア
ンモニウム塩、有機塩基との塩、例えばアミン塩(例え
ばメチルアミン、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルア
ミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジ
アミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチ
ルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールアミ
ン塩、リジン塩、プロカイン塩、カフェイン塩等)、塩
基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リジン塩等)テ
トラアルキルアンモニウム塩等があげられる。これらの
塩類は、例えば対応する酸および塩基から常套の方法に
よってまたは塩交換によって製造し得る。
【0042】エステルの例としては、メチルエステル、
エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエス
テル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチ
ルエステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエ
チルエステル等の低級アルキルエステル、ビニルエステ
ル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル、エチ
ニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニル
エステル、ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキ
シ(低級)アルキルエステル、メトキシメチルエステ
ル、1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ
(低級)アルキルエステルのような脂肪族エステルおよ
び例えばフェニルエステル、トシルエステル、t−ブチ
ルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメ
トキシフェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステ
ル等の所望により置換されたアリールエステル、ベンジ
ルエステル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステ
ル等のアリール(低級)アルキルエステルがあげられ
る。
【0043】アミドとしては、メチルアミド、エチルア
ミド、ジメチルアミド等のモノもしくはジ低級アルキル
アミド、アニリド、トルイジド等のアリールアミド、メ
チルスルホニルアミド、エチルスルホニルアミド、トリ
ルスルホニルアミド等のアルキルもしくはアリールスル
ホニルアミド等があげられる。
【0044】上記式(I)および(II)中、環、αお
よび/またはω鎖の配置は、天然のPG類の配置同様か
または異なっていてもよい。しかしながら、この発明は
天然の配置を有する化合物および非天然の配置を有する
化合物の混合物も包含する。この発明の典型的な化合物
類の例は、15−デヒドロキシ−PGE類、13,14
−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−PGE類およびそれ
らのΔ−誘導体、3−メチル−誘導体、Δ−誘導
体、11−デヒドロキシ−誘導体、11−デヒドロキシ
−11−メチル−誘導体、Δ13−誘導体、Δ14−誘
導体、15−モノまたはジ−メチル−誘導体、15−モ
ノ−またはジ−フルオロ−誘導体、16−モノまたはジ
−メチル−誘導体、16−モノまたはジ−フルオロ−誘
導体、17−モノまたはジ−メチル−誘導体、17−モ
ノまたはジ−フルオロ−誘導体、18−モノまたはジ−
メチル−誘導体、18−モノまたはジ−フルオロ−誘導
体、19−モノまたはジ−メチル−誘導体、19−モノ
またはジ−フルオロ−誘導体、17,18,19,20
−テトラノル−誘導体、17,18,19,20−テト
ラノル−16−エトキシ−誘導体、17,18,19,
20−テトラノル−16−シクロペンチル−誘導体、1
7,18,19,20−テトラノル−16−フェニル−
誘導体、17,18,19,20−テトラノル−16−
フェノキシ−誘導体、18,19,20−トリノル−誘
導体、18,19,20−トリノル−17−メトキシ−
誘導体、18,19,20−トリノル−17−シクロヘ
キシル−誘導体、18,19,20−トリノル−17−
フェニル−誘導体、18,19,20−トリノル−17
−フェノキシ−誘導体、19,20−ジノル−誘導体、
19,20−ジノル−18−メトキシ−誘導体、19,
20−ジノル−18−シクロペンチル−誘導体、19,
20−ジノル−18−フェニル−誘導体、19,20−
ジノル−18−フェノキシ−誘導体、20−ノル−誘導
体、20−ノル−19−メトキシ−誘導体、20−ノル
−19−フェニル−誘導体、20−メトキシ−誘導体、
20−メチル−誘導体、20−エチル−誘導体、20−
プロピル−誘導体、20−プチル−誘導体、20−フェ
ニル−誘導体などである。
【0045】この発明においては、個々の互変異性体、
その混合物または光学異性体、その混合物、ラセミ体、
その他の立体異性体等の異性体も、同じ目的に使用する
ことが可能である。
【0046
【製造法】この発明の化合物は、例えばWO91/13
869号の記載に基づき製造することができる。また、
次の反応式にしたがって、製造することもできる。下記
反応式中、P、P、P、PおよびPは保護
基、Dは脱離基、Bは−CH−CH−または−CH
=CH−、Aおよび1、 は前記と同じ意味であ
る。
【0047
【化6】
【0048
【化7】
【0049
【化8】
【0050】適当な保護基を有するコーリー(Core
y)ラクトン(1)を酸化(例えばコリンズ酸化)して
(2)とし、これに目的とするω鎖の構造を有する(2
−オキソアルキル)ホスホン酸エステルを反応させて
(3)を得る。例えば、16,16−ジフルオロ体を目
的とする場合は(3,3−ジフルオロ−2−オキソアル
キル)−ホスホン酸エステル、16,16−ジメチル体
を目的とする場合は(3,3−ジメチル−2−オキソア
ルキル)−ホスホン酸エステル、17−フェニル体を目
的とする場合は(4−フェニル−2−オキソアルキル)
−ホスホン酸エステルを用いればよい。13,14−ジ
ヒドロ体を目的とする場合、オキソ基を還元して(4)
とし、さらに還元して(5)とする。化合物(5)の水
酸基を脱離基化(例えばイミダゾールチオカルボニルエ
ステル化)して(6)とし、この脱離基を還元(例えば
水素化トリ−n−ブチル錫)して(7)を得る。この1
1位の保護基を脱離して(8)とし、別の保護基(例え
ばテトラヒドロピラニル)を導入して(9)とし、ラク
トンをラクトール(10)に還元する。ウィテイッヒ反
応によりα鎖を導入するとBが−CH=CH−である
(11)が得られ、これを還元することによりBが−C
−CHである(11)が得られる。さらにエステ
ル化して(12)とし、9位を酸化して(13)とした
後、11位を脱保護すると、目的とする化合物(14)
が得られる。上記の製造法中、化合物(4)から(5)
を得る還元を省くと13、14位に2重結合を有する化
合物(15)が得られる。Aが水素の化合物は、化合物
(14)を脱保護して得られる。
【0051】化合物(1)を増炭させた化合物(16)
を出発化合物として、同様の反応を行うと化合物(1
8)および14、15位に2重結合を有する14,15
−デヒドロ体の化合物(19)が得られる。この場合、
(2−オキソアルキル)ホスホン酸エステルとして、
(3,3−ジフルオロ−2−オキソアルキル)−ホスホ
ン酸エステルを用いれば17,17−ジフルオロ体が、
(3,3−ジメチル−2−オキソアルキル)−ホスホン
酸エステルを用いれば17,17−ジメチル体が、(4
−フェニル−2−オキソアルキル)−ホスホン酸エステ
ルを用いれば18−フェニル体が得られる。
【0052】11位の保護基を例えばアリールスルホン
基またはアルキルスルホン基で保護した(20)を酸化
(例えばジョーンズ酸化)することにより、PGA型化
合物(21)が得られる。さらに一般式(I)において
XがOH以外(例えば低級アルキル)の化合物を目的と
する場合は、化合物(21)に例えば低級アルキル銅錯
体を反応させることにより化合物(22)を得ることが
できる。PGF型化合物は化合物(12)の11位の脱
保護により得ることができる。PGD型化合物は化合物
(12)の9位の保護、11位の脱保護を行い(24)
とし、酸化して(25)とした後、9位を脱保護して
(26)を得ることができる。
【0053
【効果】上記15−デヒドロキシ−PG化合物は、アレ
ルギー疾患処置剤、炎症疾患処置剤、抗ヒスタミン剤
気管拡張剤および肝・胆道系疾患処置剤として有用であ
る。
【0054】また、一般式(II)の化合物は新規な化
合物であり、種々の薬理作用を有するので、次のような
疾患治療剤としても有用である。例えば、抗腫瘍剤、循
環機能(血圧、血管、血液等)の処置剤、脳機能改善
剤、各種臓器(心臓、肺、膵臓、腎臓等)の疾患処置
剤、白内障処置剤。
【0055】この発明で用いる化合物は動物およびヒト
用の薬剤として使用することができ、通常、全身的ある
いは局所的に点眼、点鼻、経口、静脈注射(点滴を含
む)、皮下注射、直腸内投与などの方法で使用される。
投与量は動物またはひと等のような対象の種類、年令、
体重、処置されるべき症状、所望の治療効果、投与方
法、処置期間等により変化するが、通常局所投与の場合
0.05〜100μg/眼の投与量または1日2から4
分割用量または持続形態で全身投与する場合0.001
〜500mg/kgの投与量で通常十分な効果がえられ
る。
【0056】この発明による点眼剤としては、点眼液ま
たは眼軟膏等が含まれる。点眼液は、有効成分を無菌の
水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させるかま
たは用時溶解用に組合せて作られる。眼軟膏は、基剤に
有効成分を混合して作られる。
【0057】この発明による点鼻剤としては、点鼻液ま
たは鼻用スプレイ等が含まれる。点鼻液は、有効成分を
無菌の水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させ
るかまたは用時溶解用に組合せて作られる。鼻用スプレ
イは、有効成分を水滴または粉末の形で圧縮ガスまたは
空気ポンプで噴出させるように作られる。
【0058】この発明による経口投与のための固体組成
物としては、錠剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸
剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体組成物
においては1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくと
も1つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、セルロース、
無水ケイ酸等と混合される。組成物は常法に従って、不
活性な希釈剤以外の添加剤、例えば滑沢剤や崩壊剤、安
定剤を含んでいてもよい。錠剤または丸剤は必要により
胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい
し、また、2以上の層で被覆してもよい。更に崩壊され
得る物質のカプセル剤としてもよい。速効性を必要とす
るときは、舌下錠としてもよい。
【0059】経口投与のための液体組成物としては、乳
剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例示
される。一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精
製水、エタノール等を含んでいてもよい。この組成物は
不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助
剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していても
よい。
【0060】経口投与のためのその他の組成物として
は、1つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。
【0061】この発明による非経口投与のための注射剤
としては無菌の水性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤
を包含する。
【0062】このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよ
い。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾
過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌によって
無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造
し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して
使用することもできる。
【0063】別の形態は坐薬または膣坐薬である。これ
らの坐薬は体温で軟化する基剤に有効成分を混合して作
ることができ、適当な軟化温度を有する非イオン界面活
性剤を用いて吸収性を向上させてもよい。
【0064】この発明はまた、処置すべき対象に抗アレ
ルギーあるいは抗炎症有効量のこの発明の化合物を投与
することからなるアレルギー疾患並びに炎症疾患の処置
法を提供するものである。
【0065
【実施例】以下、この発明を製造例、製剤例および試験
例によりさらに詳細に説明するが、これらはこの発明を
限定するものではない。
【0066製造例1 13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−17,1
7−ジフルオロ−PGEメチルエステル[IUPAC
命名法:7−[(R,2R,3R)−2−(5,5−
ジフルオオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシ
クロペンチル]ヘプタン酸メチル]の製造。
【0067】1.(1S,5R,6R,7R)−7−
(4−フェニルベンゾイルオキシ)−6−(ホルミルメ
チル)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−
3−オン(ホモコーリーアルデヒド)(2) (1S,5R,6R,7R)−6−(2−ヒドロキシエ
チル)−7−(4−フェニルベンゾイルオキシ)−2−
オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(ホ
モコーリーラクトン)(1)(7.25g)のジクロロ
メタン(60ml)溶液を−78℃で、塩化オギザリル
(2.0Mジクロメタン溶液、3.46ml)、DMS
O(5.55ml)及びトリエチルアミン(28.3m
l)を用いてスワーン酸化した。常法処理して得た粗生
成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキサン=
7/3)し、表題化合物(2)を得た。収量:6.47
g(90%)。
【0068】2.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロ−4−オキソオクト−2−エニル
−7−(4−フェニルベンゾイルオキシ)−2−オキサ
ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(3) 水素化ナトリウム(60%、0.651g)をTHF
(14ml)に懸濁し、ジメチル(3,3−ジフロロ−
2−オキソヘキシル)ホスホネート(4.30g)のT
HF(14ml)溶液を加え、室温で30分間撹拌し
た。塩化亜鉛(2.22g)を加えて更に1時間室温で
撹拌した。これを、先のホモアルデヒド(2)(4.9
4g)に加え、40〜50℃で17時間撹拌した。常法
処理して得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エ
チル/ヘキサン=4/6)し、表題化合物(3)を得
た。収量:3.87g(60%)。
【0069】3.(1S,5R,6R,7R)−6−
[5,5−ジフロロ−4(RS)−ヒドロキシオクト−
2−エニル]−7−(4−フェニルベンゾイルオキシ)
−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オ
ン(4) 乾燥エーテル(50ml)に、水素化ホウ素ナトリウム
(1.30g)及び塩化亜鉛(2.34g)を加え1時
間撹拌した。0℃としエノン(3)(2.07g)のT
HF(10ml)溶液を滴下し30分間撹拌した。常法
処理して得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エ
チル/ヘキサン=1/1)し、表題化合物(4)を得
た。収量:1.66g(80%)。
【0070】4.(1S,5R,6R,7R)−6−
[5,5−ジフロロ−4(RS)−ヒドロキシオクチ
ル]−7−(4−フェニルベンゾイルオキシ)−2−オ
キサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(5) アルコール(4)(1.66g)を酢酸エチル(30m
l)に溶解し、5%Pd−炭素(0.17g)を懸濁さ
せ、水素雰囲気下で3時間撹拌した。常法処理して得た
粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキサ
ン=1/1)し、表題化合物(5)を得た。収量:1.
47g(88%)。
【0071】5.(1S,5R,6R,7R)−6−
{5,5−ジフロロ−4(RS)−[[イミダゾール−
1−イル(チオカルボニル)]オキシ]オクチル}−7
−(4−フェニルベンゾイルオキシ)−2−オキサビシ
クロ[3.3.0]オクタン−3−オン(6) アルコール(5)(1.25g)を1,2−ジクロロエ
タン(13ml)に溶解し1,1′−チオカルボニルジ
イミダゾール(0.687g)を加え、80℃で5時間
撹拌した。常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカラ
ム精製(酢酸エチル/ヘキサン=3/2)し、表題化合
物(6)を得た。収量:1.48g(96%)。
【0072】6.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロオクチル)−7−(4−フェニルベ
ンゾイルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]
オクタン−3−オン(7) 水素化トリ−n−ブチルスズ(1.39ml)をトルエ
ン(50ml)に溶解し、加熱還流した。これにチオカ
ルボン酸エステル(6)(1.54g)のトルエン(3
0ml)溶液を40分にわたって滴下し、更に1時間加
熱還流した。常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカ
ラム精製(酢酸エチル/ヘキサン=3/7)し、表題化
合物(7)を得た。収量:0.983g(81%)。
【0073】なお、別途水素化トリ−n−ブチルスズ
(0.0516ml)のトルエン(2ml)溶液及びチ
オカルボン酸エステル(6)(0.0573g)のトル
エン(1ml)溶液を用い上記と同様にして表題化合物
(7)を得た。収量:0.0376g。
【0074】7.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロオクチル)−7−ヒドロキシ−2−
オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(8) フェニルベンゾエート(7)(0.984g)をジクロ
ロメタン(3.6ml)に溶解し、乾燥メタノール(1
8ml)を加え、更に炭酸カリウム(0.289g)を
加えて室温で5時間撹拌した。常法処理して得た粗生成
物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキサン=1
1/1)し、表題化合物(8)を得た。収量:0.53
8g(89%)。
【0075】8.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロオクチル)−7−(テトラヒドロピ
ラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オン(9) アルコール(8)(0.538g)のジクロロメタン
(6ml)溶液を0℃とし、ジヒドロピラン(0.50
7ml)及びp−トルエンスルホン酸1水和物(0.0
11g)を加え、30分間撹拌した。常法処理後に得た
粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキサ
ン=3/7)し、表題化合物(9)を得た。収量:0.
667g(96%)。
【0076】9.(1S,5R,6R,7R)−6−
(5,5−ジフロロオクチル)−7−(テトラヒドロピ
ラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オール(10) テトラヒドロピラニルエーテル(9)(0.667g)
をトルエン(5.6ml)に溶解し、−78℃としジイ
ソブチルアルミニウムハイドライド(1.5−Mトルエ
ン溶液、5.35ml)を滴下した。30分間撹拌後、
常法処理し、表題化合物(10)を得た。収量:0.6
71g。
【0077】10.(Z)−7−[(1R,2R,3
R,5S)−2−(5,5−ジフロロオクチル)−5−
ヒドロキシ−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペ
ンチル]ヘプト−5−エン酸(11) (4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブ
ロマイド(2.37g)のTHF(4ml)懸濁液を0
℃とし、カリウムt−ブトキシド(1.0−MTHF溶
液、10.7ml)を滴下し、室温で30分間撹拌し
た。これに先に合成したラクトール(10)(0.67
1g)のTHF(5ml)溶液を加え、室温で1時間撹
拌した。常法処理し、表題化合物(11)を得た。
【0078】11.(Z)−7−[(1R,2R,3
R,5S)−2−(5,5−ジフロロオクチル)−5−
ヒドロキシ−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペ
ンチル]ヘプト−5−エン酸メチル(12) 粗カルボン酸(11)の乾燥エーテル(15ml)溶液
にジアゾメタンのエーテル溶液を加えた。常法処理して
得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘ
キサン=3/7)し、表題化合物(12)を得た。収
量:0.693g(82%)。
【0079】12.7−[(1R,2R,3R,5S)
−2−(5,5−ジフロロオクチル)−5−ヒドロキシ
−3−テトラヒドロピラニルオキシシクロペンチル]ヘ
プタン酸メチル(13) メチルエステル(12)(0.693g)を酢酸エチル
(11ml)溶液とし、5%Pd−炭素(0.07g)
存在下に水素雰囲気中で3時間撹拌した。常法処理して
得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘ
キサン=3/7)し、表題化合物(13)を得た。収
量:0.608g(87%)。
【0080】13.7−[(1R,2R,3R)−2−
(5,5−ジフロロオクチル)−5−オキソ−3−テト
ラヒドロピラニルオキシシクロペンチル]ヘプタン酸メ
チル(14) 塩化オギザリル(2−Mジクロロメタン溶液、1.28
ml)をジクロロメタン(8ml)で希釈し、−78℃
とし、ジメチルスルホキシド(0.362ml)を滴下
し、30分間撹拌した。アルコール(13)(0.60
8g)のジクロロメタン(6ml)溶液を滴下し、1時
間撹拌した。トリエチルアミン(0.883ml)を加
え、−78℃〜0℃で1時間撹拌した。常法処理して得
た粗生成物をシリカゲルカラム精製(酢酸エチル/ヘキ
サン=25/75)し、表題化合物(14)を得た。収
量:0.552g(91%)。
【0081】14.7−[(1R,2R,3R)−2−
(5,5−ジフロロオクチル)−3−ヒドロキシ−5−
オキソシクロペンチル]ヘプタン酸メチル(15) THPエーテル(14)(0.552g)のアセトニト
リル(11ml)溶液を0℃とし、これにフッ化水素水
(46%、0.55ml)を加え、3時間撹拌した。常
法処理して得た粗生成物をシリカゲルカラム精製(ジク
ロロメタン/メタノール=20/1)し、表題化合物
(15)を得た。収量:0.290g(64%)。
【0082】13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキ
シ−17,17−ジフルオロ−PGEメチルエステル (反応式18:A=メチル、B=−CH−CH−、
=Q=フッ素、R=プロピル) NMR(CDCl)δ:0.97(3H,t,J=
7.6Hz)、1.2〜2.0(26H,m)、2.2
3(1H,dd,J=17.7Hz,J=7.1H
z)、2.30(2H,t,J=7.6Hz)、2.6
8(1H,J=17.7Hz,J=7.1Hz)、3.
67(3H,s)、4.15(1H,m) 質量 m/z:390(M)、372(M−H
O)、341(M−HO−CHO)、
【0083
【化9】
【0084】製造例2 13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−16,1
6−ジフルオロ−PGE1[IUPAC命名法:7−
[(1R,2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロオ
クチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチ
ル]ヘプタン酸]の製造。
【0085】コーリーラクトン−7−テトラヒドロプラ
ニルエーテル[(1S,5R,6R,7R)−6−ヒド
ロキシ−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサ
ビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン]を製造例
1の1と同様にスワーン酸化し、コーリーラクトン−7
−テトラヒドロプラニルエーテルアルデヒド[(1S,
5R,6R,7R)−6−ホルミル−7−テトラヒドロ
ピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オン]とした。このアルデヒドとジメチル
(3,3−ジフルオロ−2−オキソヘプチル)ホスホネ
ートを用いた以外は、製造例1の3以降と同様にして表
題化合物を得た。
【0086】13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキ
シ−16,16−ジフルオロ−PGE1 (反応式14:A=水素原子、B=−CH−CH
−、Q=Q=フッ素、R=ブチル) NMR(CDCl)δ:0.92(3H,t,J=
7.0Hz)、1.2〜2.0(24H,m)、1.2
3(1H,dd,J=17.5Hz,J=6.5H
z)、2.33(2H,t,J=7.5Hz)、2.6
8(1H,dd,J=17.5Hz,J=6.5H
z)、4.16(1H,q,J=6.0Hz) 質量 m/z:376(M)、358(M−H
O)、
【0087】製造例3 13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ−15,1
5−ジフルオロ−20−メチル−PGE1メチルエステ
ル[IUPAC命名法:7−[(1R,2R,3R)−
2−(3,3−ジフルオロノニル)−3−ヒドロキシ−
5−オキソシクロペンチル]ヘプタン酸メチル]の製
造。
【0088】1.(1S,5R,6R,7R)−7−
(ベンゾイルオキシ)−6−[3,3−ジフルオル−2
(RS)−ヒドロキシ−ノン−4−イニル]−2−オキ
サビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン 製造例1−1で用いたホモコーリーアルデヒド(0.
442g)、1−ブロモ−1,1−ジフルオロ−2−ヘ
プチン(1.177g)をTHF(25ml)に溶解
し、亜鉛末(2.00g)及び塩化第2水銀(0.20
0g)を加え、超音波照射下4時間8〜12℃で撹拌し
た。常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカラム精製
(n−ヘキサン/酢酸エチル=2.1/1〜2/2/
1)して化合物を得た。 収量:0.456g(71%)
【0089】2.(1S,5R,6R,7R)−7−
(ベンゾイルオキシ)−6−[3,3−ジフルオル−2
(RS)−ヒドロキシノニル]−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン 化合物(0.435g)を酢酸エチル(30ml)中
で、5%パラジウム炭素(0.043g)及び水素を用
いて化合物を得た。 収量:0.406g(93%)
【0090】3.13,14−ジヒドロ−15−デヒド
ロキシ−15,15−ジフルオロ−20−メチル−PG
E1メチルエステル 化合物を用いた以外は製造例1−5以降の工程と同様
にして、無色油状の表題化合物を得た。 NMR(CDCl)δ:0.90(3H,t,J=
6.5Hz)、1.1〜2.23(27H,m)、2.
23(1H,dd,J=17.5Hz,J=7.0H
z)、2.30(2H,t,J=7.5Hz)、2.7
0(1H,dd,J=17.5Hz,J=5.0H
z)、3.67(3H,s)、4.14(1H,q,J
=6.0Hz) 質量 m/z:404(M)、386(M−H
O)、355(M
【0091製剤例1 (注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ− 17,17−ジフルオロ−PGE1メチルエステル 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから注射可能な溶液を得た。
【0092製剤例2 (経口投与用粉末) (重量部) 15−デヒドロキシ−16,16− ジフルオロ−PGE2 5 軽量無水けい酸 15 ラクトース 80 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。
【0093製剤例3 (注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−デヒドロキシ− PGE1メチルエステル 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して粉末を得た。
【0094製剤例4 (点眼液) 13,14−ジヒドロ−14,15−デヒドロ− 15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ− PGE1イソプロピルエステル 10mg 生理食塩水水 10ml 上記成分を混合して、点眼液を得た。
【0095】上記製剤例において、活性成分は、この発
明で使用する範囲内の任意の他の化合物に置き換え得
る。
【0096試験例1 モルモットをウレタン1.0〜1.2g/kgの腹腔内
投与で麻酔し、総頸動脈および気管にカニューレを挿入
固定後、臭化パンクロニウム0.3mg/kgの静脈内
投与により自発呼吸を停止し、気管カニューレに小動物
用人工呼吸器(SN−480−7、シナノ製作所)およ
びブロンコスパズム・トランデュサー(7020、ウゴ
・バシール)を連結して人工呼吸を行った。1回送気量
6〜9ml、送気回数60回/分、肺への負荷値10c
mHOとし、オーバーフローする量をトランデュサー
を介してレコーダー(056−1001、日立製作所)
上に記録した。ヒスタミン8μg/kgを約30分間隔
で数回静脈内投与し、ヒスタミンによる気道抵抗増大作
用の安定が認められた後、被験物質(13,14−ジヒ
ドロ−15−デヒドロキシ−17,17−ジフルオロ−
PGE1メチルエステル)の静脈内投与1分後にヒスタ
ミン8μg/kgを静脈内投与して気道狭窄を惹起させ
た。被験物質の作用はヒスタミンのみを投与した時の投
与前後の気道抵抗の差を100%としたときの抑制率で
示した。結果を第1表に示す。
【0097
【表1】 以上の結果からこの発明に用いる化合物は、アレルギー
疾患並びに炎症疾患の惹起物質であるヒスタミンに対し
て拮抗作用を有することが理解されるので、アレルギー
性疾患処置剤、炎症疾患処置剤および気管拡張剤として
有用である。
【0098】試験例2 Crj:Wister系ラツト(7週齢、体重250〜
290g)を用いた。ラツトを18時間絶食した後、塩
酸−D−ガラクトサミン800mg/kg腹腔内投与に
より、急性肝障害モデルを作成した。ガラクトサミン投
与の24時間後に、エーテル麻酔下で採血し血清を分離
した。血清を自動分析装置(AU550、オリンパス光
学社製)で測定し、血清生化学的肝機能検査を行った。
被験物質は0.5%エタノール生理食塩水に溶解し、ガ
ラクトサミン投与の30分前、2時間後および6時間後
にラツト用経口ゾンデを用い強制経口投与した。血清生
化学的肝機能検査は次の2項目について行った。 ・グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GO
T) ・グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GP
T) 血清生化学的肝機能検査の結果に基づき、ガラクトサミ
ン投与による増加が、被験物質投与によりどの程度抑制
されたかを抑制率(%)として求めた。なお、抑制率
は、次の計算式により求めた。結果を第2表に示す。
【0099】
【表2】 以上の結果からこの発明に用いる化合物は、急性肝障害
モデルに対して有効であることが理解されるので、肝・
胆道系疾患処置剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/557 ACF 9454−4C AEM 9454−4C C07D 307/77 405/12 233 407/04 309

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15−デヒドロキシ−プロスタグランジ
    ン化合物を有効成分とする、アレルギー疾患および炎症
    疾患処置剤。
  2. 【請求項2】 15−デヒドロキシ−プロスタグランジ
    ン化合物を有効成分とする、抗ヒスタミン剤。
  3. 【請求項3】 15−デヒドロキシ−プロスタグランジ
    ン化合物を有効成分とする、気管拡張剤。
  4. 【請求項4】 15−デヒドロキシ−プロスタグランジ
    ン化合物が、式(I) 【化1】 [式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
    級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキ
    ソ(但し、XおよびYの基の内少なくとも1つは水素以
    外の基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を有
    していてもよい)、Aは−CH2OH、−COH2OH、
    −COOHまたはその官能性誘導体、R1は二価の飽和
    または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基、R2は非
    置換またはハロゲンで置換された、飽和または不飽和、
    低〜中級脂肪族炭化水素残基(但し、低〜中級脂肪族炭
    化水素残基の末端に低級アルコキシ、シクロ(低級)ア
    ルキル、アリールまたはアリールオキシが置換していて
    もよい)]で表される15−デヒドロキシ−プロスタグ
    ランジン化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の
    剤。
  5. 【請求項5】 一般式 【化2】 [式中、LおよびMは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
    級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキ
    ソ(但し、LおよびMの基の内少なくとも1つは水素以
    外の基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を有
    していてもよい)、Z1およびZ2は水素原子、ハロゲン
    または低級アルキル(但し、Z1およびZ2の少なくとも
    1つはハロゲン)、R3は水素原子、低級アルキル基、
    低級シクロアルキル基、単環性アリール基、単環性アリ
    ール低級アルキル基もしくは、単環性アロイル低級アル
    キル基、R4は二価の飽和または不飽和、炭素数4〜8
    の脂肪族炭化水素残基、R5は二価の飽和または不飽
    和、低級脂肪族炭化水素残基、R6は単結合または二価
    の飽和または不飽和、低級脂肪族炭化水素残基、R7
    低級アルキル基、非置換または低級アルキル置換低級シ
    クロアルキル基、非置換またはハロゲンもしくはハロ低
    級アルキルで置換された単環性アリール基、非置換また
    はハロゲンもしくはハロ低級アルキルで置換された単環
    性アリールオキシ基を意味する]で示される化合物また
    はR3が水素原子の場合その塩類。
  6. 【請求項6】 Z1および/またはZ2がふっ素原子であ
    る、請求項5に記載の化合物。
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