JPH0432912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は動力式草刈機におけるスロツトルとブ
レーキの連動操作装置に関する。

（従来の技術） 動力式草刈機ではスロツトル弁を開閉作動し刈
刃の回転速度を制御するコントロールレバーと、
刈刃を制動するブレーキレバーが設けられる。そ
して従来ではコントロールレバーの操作系とブレ
ーキレバーの操作系とは直接接続され、ブレーキ
レバー操作によるブレーキ作動時、刈刃を停止さ
せると共にスロツトル弁を僅かに開かせた所定開
度に保持させるように構成している。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、コントロールレバーの操作系と
ブレーキレバーの操作系とは直接接続されている
ため、ブレーキレバー操作時にコントロールレバ
ーをも揺動させてしまい、ブレーキレバーをコン
トロールレバーとは別個に操作できず、ブレーキ
レバー操作によりブレーキを解除してもコントロ
ールレバーは前の位置に復帰し得ない不具合があ
つた。

本考案は前記事情に鑑み案出されたものであつ
て、本考案の目的とする処は、ブレーキレバーを
操作してもコントロールレバーを現位置に停止さ
せておくことができ、且つブレーキ作動時、刈刃
を停止させると共にスロツトル弁を僅かに開かせ
た所定開度に保持し得る動力式草刈機におけるス
ロツトルとブレーキの連動操作装置を提供するに
ある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題を解決して目的を達成すべく本考案
は、スロツトル弁３３の開閉作動用のコントロー
ルレバー１１と、刈刃４を制動するブレーキ操作
部材１２とを備える動力式草刈機１において、前
記コントロールレバー１１に係合し、スロツトル
弁３３に接続されたコントロールアーム３１を設
け、前記ブレーキ操作部材１２に連動し、ブレー
キ作動時にコントロールアーム３１のコントロー
ルレバー１１との係合を解除させてスロツトル弁
３３を僅かに開いた所定開度に保持するスロツト
ルコントロール部材７１を設けたことを特徴とす
る。

（作用） コントロールレバー１１の操作によりコントロ
ールアーム３１を介してスロツトル弁３３が所望
の開度に調節される。

ブレーキ操作部材１２をブレーキをかける方向
に操作するとスロツトルコントロール部材７１に
よりコントロールアーム３１がコントロールレバ
ー１１から離れる。従つてコントロールレバー１
１は現位置に静止し、一方、刈刃４は停止し、ま
たスロツトル弁３３は僅かに開いた所定開度に保
持される。

ブレーキ解除によりコントロールアーム３１は
コントロールレバー１１に係合し、スロツトル弁
３３を動かし、エンジン２はブレーキをかける前
の回転速度に戻る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を歩行型の動力式芝刈
機に適用した場合を説明する。

第１図は動力式芝刈機の側面図、第２図はスロ
ツトルとブレーキの連動操作装置の概略図を示
す。

１は歩行型の動力式芝刈機、２はクランク軸３
を上下方向に配置したバーチカルエンジン、４は
クランク軸３下端に取付けた刈刃、５は刈刃４を
収容するハウジング、６はハウジング５の後方に
設けた刈草収納袋、７は車輪、８はハンドル、１
１はコントロールレバー、１２は刈刃４の回転を
停止するブレーキレバーである。

前記コントロールレバー１１は支軸２１を支点
として揺動操作可能で、コントロールレバー１１
の揺動操作によりエンジン２の回転速度の制御、
即ち刈刃４の回転速度の制御が行なわれる。２
２，２３はコントロールレバー１１のストツパー
で、ストツパー２２側にコントロールレバー１１
を位置させると定速回転速度Ｌが得られ、ストツ
パー２３側に位置させると高速回転速度Ｈが得ら
れる。前記コントロールレバー１１は皿バネ２４
の弾発力により任意の揺動位置に保持される。

３１はコントロールレバー１１の近傍に配置さ
れ支軸３２を支点として揺動するコントロールア
ームである。コントロールレバー１１はコントロ
ールアーム３１を介してスロツトル弁３３側と、
刈刃４を制動するブレーキアーム３４側に接続さ
れている。コントロールアーム３１はコントロー
ルアームスプリング３５によりコントロールレバ
ー１１側に付勢され、コントロールレバー１１に
はコントロールアーム３１を係止させるストツパ
ー３６が形成されている。

前記コントロールアーム３１はガバナアーム４
１にガバナスプリング４２を介して接続され、ス
ロツトル弁３３を作動するスロツトルアーム４３
とガバナアーム４１はロツド４４及びスロツトル
リターンスプリング４５により接続されている。

前記スロツトルリターンスプリング４５はスロ
ツトル弁３３を開く方向に作用させてセツトし、
該スロツトルリターンスプリング４５のみによつ
て実施例では約1500r.p.m.の回転速度を得られる
ようにばね定数が設定されている。尚図中４６は
吸気管、４７はスロツトルアーム４３のストツパ
ー、４８はチヨーク弁である。

前記ブレーキアーム３４は支軸５１を支点とし
て揺動し、刈刃４と一体的に回動するドラム５２
を停止させる方向にブレーキスプリング５３によ
り付勢されている。

前記ブレーキアーム３４は支軸６１と支点とし
て揺動するブレーキコントロールアーム６２のカ
ム部６３との係合によりドラム５２から離間し、
図中６５，６６は夫々ブレーキアーム３４、ブレ
ーキコントロールアーム６２のストツパーを示
す。

前記ブレーキコントロールアーム６２はブレー
キコントロールアームリターンスプリング６７に
よりカム部６３がブレーキアーム３４から離間す
る方向に付勢され、ブレーキコントロールアーム
６２とブレーキレバー１２とはケーブル６８を介
して接続され、ブレーキレバー１２の操作により
ブレーキスプリング５３、ブレーキコントロール
アーム６２、カム部６３を介してブレーキアーム
３４を揺動作動するように構成する。

７１はブレーキコントロールアーム６２とコン
トロールアーム３１を接続するスロツトルコント
ロールロツドで、スロツトルコントロールロツド
７１の一端７１ａはブレーキコントロールアーム
６２に結合され、他端７１ｂはコントロールアー
ム３１の屈曲片部７２の孔７３に挿通され、端部
には屈曲片部７２に係止自在な係止部７１ｃが形
成されている。

前記スロツトルコントロールロツド７１は、ド
ラム５２停止時、即ち刈刃４停止時に屈曲片部７
２及び係止部７１ｃを介してコントロールアーム
３１をコントロールアームスプリング３５の弾発
力に抗して引き寄せ、コントロールアーム３１を
コントロールレバー１１から離間させ、刈刃４停
止以外の状態においては第２図に仮想線で示すよ
うに係止部７１ｃが屈曲片部７２から離れ、コン
トロールアーム３１はコントロールアームスプリ
ング３５の弾発力によりコントロールレバー１１
のストツパー３６に係合し、コントロールレバー
１１を操作してもスロツトルコントロールロツド
７１は屈曲片部７２の孔をスライドする。

次に作動について説明する。

エンジン停止時、刈刃４停止状態の場合はコン
トロールレバー１１の位置の如何に拘らず、スロ
ツトルコントロールロツド７１を介してコントロ
ールアーム３１は引き寄せられ、コントロールア
ーム３１はコントロールレバー１１から離間して
いる。そしてガバナスプリング４２は自由長で、
スロツトル弁３３はスロツトルリターンスプリン
グ４５の弾発力により全開状態に保持される。

エンジンを始動すると、スロツトル弁３３はス
ロツトルリターンスプリング４５のみの作用によ
つて1500r.p.mの回転速度を保つように開度が保
持される。

そしてブレーキレバー１２操作により刈刃４の
制動を解除すると、ブレーキコントロールアーム
６２の揺動によりコントロールロツド７１の係止
部７１ｃとコントロールアーム３１の屈曲片部７
２との係合は第２図に仮想線で示すように解除さ
れ、コントロールアーム３１はコントロールアー
ムスプリング３５の作用によりストツパー３６に
当り、コントロールアーム３１はコントロールレ
バー１１と一体的に揺動し得る状態となる。従つ
てエンジンはコントロールレバー１１の位置によ
つて決まる一定回転速度に立ち上がる。

運転中にブレーキレバー１２を操作して刈刃４
を停止させると、コントロールアーム３１はスロ
ツトルコントロールロツド７１により引き寄せら
れコントロールレバー１１から離間し、従つてコ
ントロールレバー１１は現位置に保持され、一
方、エンジン２は再びスロツトルリターンスプリ
ング４５のみの作用により約1500r.p.mの回転速
度を保つ。

上記の作動はチヨーク操作とは何ら関係せず、
始動時、スロツトル弁３３はブレーキ作動状態、
解除状態の如何に拘らず常に全開状態に保たれ
る。

従つて本実施例によれば、ブレーキレバー１２
をブレーキをかける方向に、或いは解除する方向
に操作してもコントロールレバー１１を現位置に
停止させておくことができ、且つブレーキ作動時
には刈刃４を停止させると共にスロツトル弁３３
を僅かに開かせた所定開度とし、エンジンの所定
低速回転を保持し得る。

また、エンジン２が停止していればコントロー
ルレバー１１の位置、ブレーキ作動状態、チヨー
ク弁の開度等の如何に拘らずスロツトル弁３３は
全開状態に保持され、始動時の操作は必要に応じ
たチヨーク操作のみでよく、極めて便利である。

また、暖機運転が不充分でチヨーク弁４８を戻
してもスロツトル弁３３は1500r.p.mのエンジン
回転速度を維持し得るよう保持されるため、スロ
ツトル弁強制全閉式に比較してエンストしにく
い。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案によれば、
ブレーキ操作部材をブレーキ作動方向に、或いは
ブレーキ解除方向に操作してもコントロールレバ
ーを現位置に停止させておくことができ、且つブ
レーキ作動時、刈刃を停止させると共にスロツト
ル弁を僅かに開かせた所定開度に保持することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は歩行型動力式芝刈機の側面図、第２図
はスロツトルとブレーキの連動操作装置の概略図
である。 尚図面中１は動力式芝刈機、４は刈刃、１１は
コントロールレバー、１２はブレーキレバー、３
１はコントロールアーム、４１はガバナアーム、
４２はガバナスプリング、４５はスロツトルリタ
ーンスプリング、３３はスロツトル弁、３４はブ
レーキアーム、６２はブレーキコントロールアー
ム、７１はブレーキコントロールロツドである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スロツトル弁の開閉作動用のコントロールレバ
   ーと、刈刃を制動するブレーキ操作部材とを備え
   る動力式草刈機において、 前記コントロールレバーに係合し、スロツトル
   弁に接続されたコントロールアームを設け、 前記ブレーキ操作部材に連動し、ブレーキ作動
   時にコントロールアームのコントロールレバーと
   の係合を解除させてスロツトル弁を僅かに開いた
   所定開度に保持するスロツトルコントロール部材
   を設けたことを特徴とする動力式草刈機における
   スロツトルとブレーキの連動操作装置。