JPH0432881B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気吸引力を利用して走行する磁気吸
引式走行車両のリアクシヨンプレートの取付装置
に関するものである。

近時、リニアモータを用いる走行方式のうち、
磁力の吸引力を利用する走行方法が開発されてい
る。

すなわち新規なこの走行方法は、車輪を介して
レール上にリニアモータ（一次側）付きの車両を
搭載し、他方、レール側には進行方向に沿つてリ
ニアモータと対向してリアクシヨンプレート（二
次側）を配置し、地上のレール側に固定したリア
クシヨンプレートとリニアモータとの間に磁力に
よる吸引力を発生させる事によつて車両をレール
側に積極的に押し付けた状態で前進させる方式で
あり、安定性が著しく向上する事が可能となつ
た。

ところで、一般にリアクシヨンプレートは無限
に長い連続板からなるのではなく長さの決つた板
体からなり、この単体板を進行方向に連続してま
くらぎ上に配置している。

リアクシヨンプレートをまくらぎに取付けるに
はコンクリート製のまくらぎのリアクシヨンプレ
ートと接触する頂面に例えば矩形の一枚板からな
る固定具の一端をリアクシヨンプレートの上面に
位置せしめた状態で、固定具の板面をボルトで貫
通してまくらぎにねじ込んでリアクシヨンプレー
トを固定している。

しかし、曲線部や交差部ではボルトとまくらぎ
側に開設するボルト孔との螺合位置が必ずしも一
致するとは限らない。

一枚のリアクシヨンプレートにおいてそのボル
トの螺合位置が一個所でもずれると、ボルトの螺
合位置を調整する手段がないのでその個所に固定
具を取付ける事が可能となり、リアクシヨンプレ
ートの取付けが不完全となる。

そこで従来では両端に踵部に顎部を有する矩形
の板体に長穴を開口し、リアクシヨンプレートの
上面に顎部をのせた後、長穴にボルトを挿入して
まきらぎに捩込んでリアクシヨンプレートを固定
していた。

しかしこうした締結具によるリアクシヨンプレ
ートの取り付けには、その締結具の形状からの次
のような問題点が存在する。

(イ) 繰り返しの過重に対して緩みや疲労強度等の
安全性に欠ける。

(ロ) 板厚が厚く、部品自体が重く取扱いに不便で
ある。

(ハ) 顎部や踵部の製造にあたつては、鋼板を削り
とるなど製造コストが高い。

(ニ) 温度の変化によるリアクシヨンプレートの伸
縮に追随できないので締結力が一定しない。

本発明はこの様な問題を解消する為になされた
もので、曲線部や交差部でも固定具の取付位置の
調整が可能であり、しかも繰返しの過重による疲
労強度が高くしかもコストが低い、磁気吸引式走
行車両用リアクシヨンプレートの取付装置を提供
する事を目的とする。

以下図面に基きながら本発明の一実施例につい
て説明する。

[イ] 全体の説明 第１図に本実施例の取付操作の全体を示す
が、本実施例の取付装置１はインサート３を埋
設したまくらぎ２とバネクランプ４で構成す
る。

[ロ] まくらぎ まくらぎ２は例えばコンクリート製の角柱体
であり、このまくらぎ２の中央に、リアクシヨ
ンプレート５を載置するために二つ載置台２１
と、載置台２１の両裾部に公知のレール１１を
固定するための敷設台２２を形成する。

載置台２１の頂面には内側にねじ山を刻設し
てあるインサート３を埋設する。

なおまくらぎ２は二つの載置台２１を一つに
連結した構造のものも利用できる。

[ハ] バネクランプ バネクランプ４はバネ鋼を使用した矩形の板
体で、第２図および第３図に示すように矩形の
基板４１の一端に凹状の顎部４２を基板４１の
上面に対して凹設し、他端に緩やかな斜面の裾
部４３を突設する。

基板４１の中央には長穴４４を開孔する。

基板４１の他端に裾部４３を基板４１の面に
対して突設したのはボルト６でバネクランプ４
を締め付ける際に下面に空間を形成してバネ鋼
である基板４１が充分撓んでより確実に締結す
るためである。

[ニ] リアクシヨンプレート リアクシヨンプレート２は帯状鋼板等からな
る母材に銅板、あるいはアルミ板、ジユラルミ
ン板等を接着、爆着あるいはリベツト止めもし
くは圧延等によつて形成した板体である。

次に本発明の取付装置の使用方法について説明
する。

[イ] まくらぎの敷設 インサート３を埋設したまくらぎ２を軌床上
に一定の間隔に配置して固定する。

[ロ] リアクシヨンプレートの取付け 各まくらぎ２の敷設台２２にはレール１１を
連続して配置し公知のレール固定具によつて固
定する。

次に各載置台２１にリアクシヨンプレート５
を搭載する。

このとき各リアクシヨンプレート５の継目は
まくらぎ２上に位置させ、同時に継目間には熱
膨張に対応するために隙間を設けて配置する。

そしてバネランプ４の顎部４２がプレート５
の上面に接触する状態でバネクランプ４を各載
置台２１に配置し、長穴４４内にボルト６を挿
入してインサート３にねじ込む。

その結果、バネクランプ４は裾部４３以外の
基盤４１が載置台２１との間に間隙Ｃを生ず
る。

この間隙Ｃによつてバネクランプに充分弾力
が与えられるのでプレート５を載置台２１に強
く押付けて固定する事ができる。

[ハ] バネクランプの調整 曲線部や交差部等でリアクシヨンプレートの
固定位置が徐々にずれる。

本発明の装置ではバネクランプ４に長穴４４
を開設したので載置台２１に埋設したインサー
ト３のセンタに一致する位置までバネクランプ
４を長穴４４に沿つてスライドして取付け位置
の調整を行うことができる。

すなわち本発明の装置はプレート５を固定す
べき位置をバネクランプ４の長穴４４で調整す
る事を特徴の一つとする。

[ニ] その他の実施例 上記実施例ではインサート３を埋設したコク
リート製のまくらぎ２を使用し、そのうえに板
体のリアクシヨンプレート５を固定したが、両
端に脚部を有する台形の部材の上面にリアシヨ
ンプレートを一体に形成した形状のリアクシヨ
ンプレート５を、従来の木製のまくらぎ上に上
記実施例のバネクランプ４でおさえて固定する
ことも可能である。

本発明は以上説明したようになるので次のよう
な効果を期待する事ができる。

＜イ＞ バネクランプの基板に長穴を開設したの
でバネクランプを長穴方向にスライドして取付
位置を簡単に調整できる。

＜ロ＞ バネクランプをバネ鋼で形成し、更に一
端に裾部を設けて基板下面に空間を設け充分に
弾性を持たせた。

従つてバネ効果によつて確実にリアクシヨン
プレートを固定する事ができる。

＜ハ＞ バネ鋼による締結であるためリアクシヨ
ンプレートの熱伸縮に対応でき締付け力が一定
である。

＜ニ＞ バネクランプはその板厚を薄く形成する
ことができ、形状がシンプルで見栄えが良く、
更に取扱いが簡単でしかも加工に手間を要さな
いので、製作コストを低くすることができる。

＜ホ＞ バネクランプはバネ鋼によつて形成した
ので疲労強度や緩み等の点で安全性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明の装置の一実施例の説明図、第
２図：取付装置の組み立て図、第３図：その断面
図、 １：取付装置、２：まくらぎ、３：インサー
ト、４：バネクランプ、５：リアクシヨンプレー
ト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車体側に設けたリニヤモータと、 まくらぎ側に設けたリアクシヨンプレートによ
   つて走行する方式の軌道において、 ばね鋼からなり、基板を一方の凹設してリアク
   シヨンプレートの縁部上面を保持する顎部を形成
   すると共に、 基板の他方を緩かに折曲してまくらぎ載置用の
   裾部を形成し、 基板の中央にレールの横断方向に取付け位置調
   整用の長穴を開設したバネクランプと、 前記バネクランプの長穴に挿入し、バネクラン
   プの裾部以外の基板とまくらぎ上面との間に間〓
   を形成するようにまくらぎにねじ止めするトとか
   らなる、 磁気吸引式行車両のリアクシヨンプレートの取付
   け装置。