JPH04328534A - 像ブレ補正装置 - Google Patents

像ブレ補正装置

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JPH04328534A
JPH04328534A JP3122994A JP12299491A JPH04328534A JP H04328534 A JPH04328534 A JP H04328534A JP 3122994 A JP3122994 A JP 3122994A JP 12299491 A JP12299491 A JP 12299491A JP H04328534 A JPH04328534 A JP H04328534A
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shake
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結像光学系を保持する
レンズ鏡筒の内部或は外部(物体側或は像面側の)内に
配置され、前記結像光学系の光軸を偏心(偏向)させる
光軸偏心手段と、前記レンズ鏡筒に加わる振動を検出す
る振動検出手段と、該振動検出手段よりの信号に基づい
て前記光軸偏心手段を駆動し、像ブレ補正を行う像ブレ
補正手段と、前記振動検出手段及び前記像ブレ補正手段
が支持部材に取り付けられているか否かを検知する支持
部材検知手段とを備えた像ブレ補正装置の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラの像ブレ補正のための
装置は種々提案されており、ブレ補正方式にもいくつか
の種類がある。そして、カメラ等に用いられるブレ補正
方式のうちの1つの典型的なものとしては、ブレ検知セ
ンサにて検知したカメラのブレ情報に基づき撮影光学系
の一部、あるいは全部を駆動して結像面上の像ブレを抑
制するというものである。
【0003】しかしながら、従来の像ブレ補正装置は、
一般に手ブレ振動、あるいはそれに類似する周波数分布
を持ったブレ振動を良好に補正すべく、それに見合った
ブレ検知センサやブレ補正光学系の駆動機構の選択、及
び上記センサや駆動機構の応答周波数帯域の設定がなさ
れている。従って、この様な像ブレ補正装置を三脚に据
え付けて使用する場合には、以下の様な欠点を生じる。
【0004】1)ブレ補正が必要のない場面でもブレ補
正機構は作動しており、消費電力が必要以上に大きくな
る。
【0005】2)三脚上でパンニングをすると、ブレ補
正作用によりパンニングを阻止する補正が生じる。
【0006】3)スチルカメラでは、レリ−ズ時にクイ
ックリタ−ンミラ−、あるいはシャッタ機構より微小変
位振幅ではあるが高周波の衝撃を生じ、これがブレ検知
センサの誤信号出力の原因となる事がある。すると、ブ
レ補正機構はカメラのブレとは関係のないブレ補正を行
い、ファインダ像が揺れ動いて見える、あるいは長秒時
露光において誤ったブレ補正がなされる。
【0007】以上の欠点を解消するため、本出願人は特
願平2−124100号の実施例において、ブレ検知セ
ンサの出力が微小なら三脚使用であるとの判断をして、
像ブレ補正を停止する旨の出願をしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案の装
置では、ブレ変位振幅が小さい時には一律にブレ補正を
禁止してしまうので、カメラのレリ−ズ時にクイックリ
タ−ンミラ−、あるいはシャッタの動作による反作用で
生じる高周波微小振幅のブレ(これを以下手ブレに対し
てカメラブレと称する)の補正ができないという問題を
有していた。
【0009】本発明の目的は上記の点に鑑み、支持部材
使用時と手持ち時それぞれに最適な像ブレ補正を行うこ
とのできる像ブレ補正装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持部材検知
手段の検知結果に応じて、像ブレ補正手段の像ブレ補正
特性を可変する特性制御手段を設けている。
【0011】
【作用】特性制御手段は、支持部材検知手段により該像
ブレ補正装置が三脚等の支持部材に取り付けられている
状態か或は手持ち状態かの検知結果に応じて、それぞれ
に適した像ブレ補正手段の像ブレ補正特性を可変するよ
うにしている。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
【0013】図2は本発明の第1の実施例を備えた一眼
レフレックスカメラの主要部分の構成を示す図である。
【0014】図2において、CMRはカメラ本体であり
、LNSはカメラ本体CMRに対して着脱可能な交換レ
ンズを表す。
【0015】まず、カメラ本体CMR側の構成について
説明する。
【0016】CCPUはカメラ内マイクロコンピュ−タ
(以下マイコンと記す)で、ROM,RAM,A/D変
換機能を有する1チップマイコンである。カメラ内マイ
コンCCPUはROMに格納されたカメラのシ−ケンス
プログラムに従って、自動露出制御,自動焦点調節,フ
ィルム巻上げ等のカメラの一連の動作を行う。そのため
に、カメラ内マイコンCCPUはカメラ本体CMR内の
周辺回路及びレンズと通信して各々の回路やレンズの動
作を制御する。
【0017】LCMはレンズ通信バッファ回路であり、
電源ラインVLにてレンズLNSに電源を供給すると共
に、カメラ本体CMRからレンズLNSへの信号ライン
DCLを介する出力及びレンズLNSからカメラ本体C
MRへの信号ラインDLCを介する出力のレンズ間通信
バッファとなる。
【0018】SNSはCCD等から構成される焦点検出
用のラインセンサ(以下単にセンサと記す)、SDRは
その駆動回路で、カメラ内マイコンCCPUの命令によ
りセンサSNSを駆動し、該センサSNSからの像信号
を取り込んで増幅し、カメラ内マイコンCCPUに送出
する。
【0019】レンズLNSからの光はメインミラ−MM
、ピントグラスPG、ペンタプリズムPPを介して測光
センサSPCに入射し、その出力信号はカメラ内マイコ
ンCCPUに入力され、所定のプログラムに従って自動
露出制御(AE)に用いられる。
【0020】DDRはスイッチ検知及び表示用回路であ
り、カメラ内マイコンCCPUから送られてくるデ−タ
に基づいてカメラの表示部材DSPの表示を切り換えた
り、カメラの各種操作部材(SWMD)のオン・オフ状
態を通信によってカメラ内マイコンCCPUへ報知する
【0021】SW1,SW2は不図示のレリ−ズボタン
に連動したスイッチで、レリ−ズボタンの第1段階の押
下によりスイッチSW1がオンし、引続いて第2段階ま
での押下でスイッチSW2がオンする。カメラ内マイコ
ンCCPUは後述するように、スイッチSW1のオンで
測光,自動焦点調節動作及び像ブレ補正動作の開始信号
発生を行い、スイッチSW2のオンをトリガとして露出
制御とフィルムの巻上げを行う。尚、スイッチSW2は
カメラ内マイコンCCPUの「割込み入力端子」に接続
され、スイッチSW1のオン時のプログラム実行中でも
該スイッチSW2のオンによって割込みがかかり、直ち
に所定の割込みプログラムへ移行することが出来る。
【0022】MTR1はフィルム給送用、MTR2はミ
ラ−アップ・ダウン及びシャッタばねチャ−ジ用のモ−
タであり、各々の駆動回路MDR1,MDR2により正
転・逆転の制御が行われる。
【0023】MG1,MG2は各々シャッタ先幕・後幕
走行開始用マグネットで、増幅トランジスタTR1,T
R2で通電され、カメラ内マイコンCCPUによりシャ
ッタSTRの制御が行われる。
【0024】CTPはカメラ本体CMRの底部に設けら
れた三脚取付用のネジである。
【0025】次に、レンズLNS側の構成について説明
する。
【0026】LCPUはレンズ内マイコンで、カメラ内
マイコンCCPUと同じくROM,RAM,A/D変換
機能を有する1チップマイコンである。レンズ内マイコ
ンLCPUはカメラ本体CNRから信号ラインDCLを
介して送られてくる命令に従って焦点調節用レンズFL
NSの駆動制御及び絞りの駆動制御を行う。また、レン
ズの各種動作状況(焦点調節光学系がどれくらい駆動し
たか、絞りが何段絞られているか等)やパラメ−タ(開
放Fナンバ,焦点距離,デフォ−カス量対繰出し量の係
数等)を信号ラインDLCを介してカメラ側へ送信する
【0027】FMTRは焦点調節用レンズFLNSの駆
動用モ−タで、ギヤトレインを介して不図示のヘリコイ
ド環を回し、レンズFLNSを光軸方向に進退させて焦
点調節を行う。
【0028】FDRは上記モ−タFMTRの駆動回路で
、レンズ内マイコンLCPUからの信号に従い該モ−タ
FMTRの正・逆回転,ブレ−キ等の制御を行う。
【0029】該実施例では、インナ−フォ−カスタイプ
の例を示しており、カメラ本体CMRから焦点調節の命
令が送られた場合には、同時に送られてくる駆動量・方
向に従って上記モ−タFMTRを駆動して、焦点調節用
レンズFLNSを光軸方向に移動させて焦点調節を行う
。該焦点調節用レンズFLNSの移動量はエンコ−ダ回
路ENCFのパルス信号でモニタして、レンズ内マイコ
ンLCPU内のカウンタで計数しており、所定の移動が
完了した時点で上記モ−タFMTRを制御する。
【0030】このため、一旦カメラ本体CMRから焦点
調節の命令が送られた後は、カメラ内マイコンCCPU
はレンズの駆動が終了するまで、レンズ駆動に関して全
く関与する必要がない。また、必要に応じて上記カウン
タの内容をカメラ本体CMRに送出することも可能な構
成になっている。
【0031】カメラ本体CMRから絞り制御の命令が送
られた場合には、同時に送られてくる絞り段数に従って
、絞り駆動用としては公知のステッピング・モ−タDM
TRを駆動する。
【0032】ICPUは像ブレ補正用マイコンで、像ブ
レ補正動作を制御しカメラ本体CMRからレンズLNS
への信号DCL,レンズLNSからカメラ本体CMRへ
の信号DLCが入力され、該マイコンICPUからの出
力信号はレンズ内マイコンLCPUへ入力される。即ち
、カメラ内マイコンCCPUとの通信はレンズ内マイコ
ンLCPUとのみ行われ、像ブレ補正用マイコンICP
Uは両者の通信を傍受する形態をとっている。そして、
該像ブレ補正用マイコンICPUからカメラ内マイコン
CCPUへの通信は上記レンズ内マイコンLCPUを介
して行う。
【0033】ACCはレンズのブレを検出する加速度計
(正確には角加速度計)で、(角)加速度信号aを後述
する像ブレ補正制御回路ICNTへ出力する。
【0034】ICNTは像ブレ補正制御回路(詳細は後
述する)で、積分器、フィルタ、アンプ、スイッチ等を
有し、後述する像ブレ補正モ−タIMTRを駆動制御し
、そのためにPSDや像ブレ補正用マイコンICPUと
の信号の入出力ラインを有する。
【0035】ILNSは光軸偏心手段であるところの補
正光学系で、後述するリンク機構にて支持され、光軸に
垂直な平面に対し、略平行に移動できる。
【0036】IMTRは像ブレ補正用モ−タで、モ−タ
軸上に固定されたカムCAMを正・逆転させて、補正光
学系ILNSを変位せしめる。
【0037】PSDは上記補正光学系ILNSの位置を
検出する位置検出センサで、赤外発光ダイオ−ドIRE
Dからの光が補正光学系ILNSと一体で動くスリット
SLTを通過してこの位置検出センサPSDの受光面に
入射する事により、該位置検出センサPSDは入射光の
位置、即ち補正光学系ILNSの位置信号dLを発生す
る。そしてこの出力信号(dL)は像ブレ補正用マイコ
ンICPU及び像ブレ補正制御回路ICNTに入力され
る。
【0038】LTPはレンズ鏡筒底部に設けられた三脚
取り付け用のネジである。
【0039】SWISは像ブレ補正系のメインスイッチ
で、該スイッチSWISをオンすると像ブレ補正用マイ
コンICPU及びその周辺回路に電源が投入され、像ブ
レ補正制御回路ICNTが動作を開始する。そしてカメ
ラ本体CMRのスイッチSW1がオンになると、この信
号がレンズ内マイコンLCPUを介して像ブレ補正用マ
イコンICPUに通信され、モ−タIMTRが駆動され
て像ブレ補正動作が開始する。
【0040】尚、先にdLは補正光学系ILNSの位置
信号であるとしたが、該補正光学系ILNSの変位とこ
れに起因する光軸偏心量とは比例するので、dLを光軸
偏心量(変位)と見なしても差支えない。そして、この
信号の原点は補正光学系ILNSの中心軸と撮影光軸が
一致する位置とする。
【0041】図1は図2に示した像ブレ補正制御回路I
CNTを詳しく表したもので、点線で囲んだ部分がこれ
に相当する。以下にその内容を説明する。
【0042】HPFは、角加速度計ACCからの角加速
度信号aの直流成分(バイアス成分)をカットするハイ
パスフィルタで、角加速度信号a’を発生する。
【0043】INTEGは前述の角加速度信号a’を積
分する積分器で、その出力v’はレンズ鏡筒に生じたブ
レの角速度を表す。
【0044】AMP1はレンズ鏡筒のブレ角速度v’を
、補正光学系ILNSの駆動速度指令信号vに変換する
係数変換増幅器である。該信号vは加算点P3,P2,
P1を経由して後述するスイッチSWMTへ入力する。
【0045】SWMTはモ−タIMTRへの制御信号入
力をオン・オフ制御するスイッチで、ブレ補正用マイコ
ンICPUにより制御され、該スイッチがオンされると
、モ−タIMTRの駆動が開始され、ブレ補正動作が開
始する。
【0046】COMPEはフィ−ドバックル−プ系の安
定度を増すための位相補償回路であり、この出力信号V
Mがモ−タIMTRへの印加電圧となり、これはすなわ
ちモ−タIMTRの駆動速度指令信号に相当する。
【0047】AMP2はモ−タIMTRへの電流を供給
するパワ−バッファである。
【0048】以上の経路により、レンズ鏡筒のブレ加速
度aはモ−タIMTRの印加電圧VMに変換され、モ−
タ軸が回動すると、モ−タ軸上のカムにより補正光学系
ILNSが光軸に対し、略垂直方向に駆動される。この
時、赤外発光ダイオ−ドIREDからの光がスリットを
通過して、位置検出センサPSDに達し、該センサPS
Dは補正光学系ILNSの位置信号(変位信号)dLを
出力する。そして、この変位信号dLはブレ補正用マイ
コンICPU, 後述する微分器DIFF及び増幅器A
MP3, AMP4に入力される。
【0049】DIFFは微分器で、補正光学系ILNS
の変位信号dLを微分して速度信号vLを出力する。そ
して、速度信号vLが加算点P1にて反転入力される事
により、補正光学系ILNSの駆動速度を制御量とした
フィ−ドバックル−プが形成される。
【0050】AMP3,AMP4は補正光学系ILNS
の原点への復元力を発生させるための増幅器である。カ
メラ、あるいはレンズをパンニングすると、像ブレ補正
装置はこのパンニングを阻止すべく応答し、補正光学系
ILNSはその駆動可能ストロ−クを使い切ってしまう
。この時、補正光学系ILNSを原点に復帰させないと
像ブレ補正動作が再開できない。そこで、補正光学系I
LNSの変位信号dLをk1、あるいはk2倍して加算
点P2に反転入力させる事により、変位信号dLに比例
した原点への復元力を与える様になっている。そして、
スイッチSWSL1,SWSL2は復元力の強さを選択
するスイッチで、 像ブレ補正用マイコンICPUによ
り切換え制御される。そして、k2>k1となっている
と、SWSL1をオン(閉)とした時には、弱い復元力
が与えられ、SWSL2がオンされると強い復元力が与
えられる。
【0051】像ブレ補正用マイコンICPUより加算点
P3に入力される信号VGは、上記フィ−ドバックル−
プに入力する補正光学系ILNSの駆動速度指令信号v
に偏差電圧を与えるためのもので、例えば該信号vのバ
イアス成分をキャンセルする等の目的で使用される。こ
の信号VGは像ブレ補正用マイコン内で所定のフロ−に
より計算されて出力される。
【0052】RES1 ,RES2はハイパスフィルタ
HPF、積分器INTEGをリセットして、その出力信
号を初期化するための出力ラインである。
【0053】ところで、図1及び図2では像ブレ補正機
構部及びその制御回路は1軸分しか表していないが、手
ブレは上下左右の2次元方向に生じるので、実際のレン
ズでは上記機構及び回路も2軸分備えている。
【0054】次に、上記構成におけるカメラ本体CMR
及びレンズLNSの制御フロ−の説明に入る前に、カメ
ラを手持ち支持した場合及び三脚に据え付け場合のブレ
状況について、図10乃至図12を用いて説明する。
【0055】図10は、横軸に時刻t、縦軸にカメラの
ブレ変位d(正確にはブレの角変位)を示している。そ
して、図中の実線dHは手持時のブレ変位、破線dTは
三脚据え付け時のブレ変位である。なお、像のブレの原
因となるブレは角度ブレ(角変位)であり、このブレを
検出するセンサは角加速度計であるが、ブレを補正する
補正光学系の動きは角運動ではなく並進運動(リニア変
位)であるため、以降の文章ではブレの角変位、角速度
、角加速度については「角」の文字を省略して説明する
【0056】手持ち時には、時刻t1よりランダムなブ
レ変位が生じており、時刻t5でレリ−ズすると、その
後の短時間に高周波微小振幅のカメラブレが生じる。
【0057】一方、三脚据え付け時には、通常はブレ変
位が「0」だが、ここでは時刻t1からt2の間及び時
刻t3からt4の間でパンニング、あるいはフレ−ミン
グ変更した場合を示しており、時刻t5においてやはり
レリ−ズを行うことにより、カメラブレが生じている事
を示している。
【0058】図11は、前記図10におけるブレ状況下
での時刻tに対するブレ速度v(正確にはブレ角速度)
を示している。すなわち、図11は図10の微分波形で
ある。そして、実線vHは手持時、破線vTは三脚据え
付けのブレ速度である。
【0059】図12は、前記図10におけるブレ状況下
での時刻tに対するブレ加速度a(正確にはブレ角加速
度)を示し、これは図10の2階微分、あるいは図11
の1階微分波形である。そして、実線aH、破線aTは
同様に手持時及び三脚据え付け時のブレ加速度である。
【0060】これらの図から、ブレ変位dにおいては手
ブレあるいはパンニングによる変位が支配的だが、ブレ
速度及びブレ加速度になるに従い、カメラブレによる出
力が大きくなる事がわかる。
【0061】図13乃至図15は、図10乃至図12に
おけるブレ波形をフ−リエ変換し、周波数分析したもの
の概念図であり、各図の横軸はブレ周波数、縦軸は各々
ブレ変位、ブレ速度、ブレ加速度の出現強度(スペクト
ル)を表す。
【0062】図13〜図15において、手持時の各スペ
クトルDH,VH,AHは「0〜10Hz」の手ブレ帯
域、及び10Hzよりはるかに高い帯域でのカメラブレ
に相当するスペクトルが現れている。
【0063】一方、三脚据え付け状態下でのスペクトル
はDT,VT,ATの如く、低域では手持時に比べて低
い周波数側にスペクトルの片寄りが生じている。これは
、三脚据え付け時のブレはパンニング、あるいはフレ−
ミング変更によるカメラの姿勢変化であり、これらはい
ずれも手ブレ振動に比べて低い周波数帯域での動きだか
らである。他方、カメラブレ帯域でのスペクトルは手ブ
レ時よりも大きいが、これは三脚の振動減衰特性が手に
比べて悪く、カメラブレが強調されてしまう事に起因す
る。また、カメラが風を受けて振動する際にも、カメラ
ブレと同様のスペクトルを生じる事がわかっている。
【0064】以上の図13乃至図15によると、5〜1
0Hzの帯域の振動スペクトルを検出する事により、手
持での使用か三脚を用いての使用かの判別ができる事が
わかる。
【0065】次に、図3のフロ−チャ−トにしたがって
カメラCMR側の動作について説明する。
【0066】不図示のカメラ本体CMR側の電源スイッ
チがオンとなると、カメラ内マイコンCCPUへの給電
が開始され、ステップ(001) を経てステップ(0
02) からの動作を開始する。
【0067】ステップ(002) では、レリ−ズボタ
ンの第1段階押下によりオンとなるスイッチSW1の状
態検知がなされ、SW1オフの時にはステップ(003
) へ移行して、カメラ内マイコンCCPU内のRAM
に設定されている制御用のフラグ、変数を総てクリアし
て初期化し、ステップ(004) へ進む。
【0068】ステップ(004) では、レンズLNS
側へ像ブレ補正動作(IS)を停止する命令を送信する
【0069】上記ステップ(002) 〜(004) 
はスイッチSW1がオンとなるか、或は電源スイッチが
オフとなるまで繰返し実行される。
【0070】また、スイッチSW1がオンする事により
ステップ(002) から(011) へ移行する。
【0071】ステップ(011) では、レンズ通信を
行う。 この通信は露出制御(AE),焦点調節制御(AF)を
行うのに必要な情報を得るための通信で、カメラ内マイ
コンCCPUが信号ラインDCLを介してレンズ内マイ
コンLCPUに通信命令を送出すると、レンズ内マイコ
ンLCPUは信号ラインDLCを介してROM内に記憶
されている焦点距離,AF敏感度,開放Fナンバ等の情
報を送信する。
【0072】ステップ(012) では、レンズLNS
側へ像ブレ補正動作を開始する命令を送信する。
【0073】ステップ(013) では、露出制御のた
めの「測光」サブル−チンを実行する。つまり、カメラ
内マイコンCCPUは図2に示した測光用センサSPC
の出力をアナログ入力端子に入力し、A/D変換を行っ
てそのディジタル測光値Bvを得る。
【0074】ステップ(014) では、露出制御値を
得るための「露出演算」サブル−チンを実行する。該サ
ブル−チンでは、アペックス演算式「Av+Tv=Bv
+Sv」及び所定のプログラム線図に従い、シャッタ値
Tv及び絞り値Avを決定し、これらをRAMの所定ア
ドレスへ格納する。
【0075】ステップ(015) では、「像信号入力
」サブル−チンを実行する。ここではカメラ用マイコン
CCPUは焦点検出用のセンサSNSから像信号の入力
を行う。
【0076】ステップ(016) では、上記入力した
像信号に基づいて撮影レンズのデフォ−カス量を演算す
る。
【0077】上記ステップ(015),(016) の
サブル−チンフロ−は、本願出願人によって特願昭61
−160824号公報等により開示されているので、こ
こではその詳細な説明は省略する。
【0078】ステップ(017) では、「レンズ駆動
」サブル−チンを実行する。該サブル−チンではカメラ
本体CMR側のステップ(016) において演算した
焦点調節レンズFLNSの駆動パルス数をレンズ内マイ
コンLCPUに送信するのみで、その後はレンズ内マイ
コンLCPUが所定の加・減速カ−ブに従いモ−タFM
TRを駆動制御する。そして駆動終了後は終了信号をカ
メラ内マイコンCCPUに送信し、このサブル−チンが
終了して再びステップ(002) へ戻る。
【0079】次に、破線で囲まれた上記ステップ(01
5) 〜(017) に示される焦点調節サイクル内の
各動作を実行中にスイッチSW2のオンによるレリ−ズ
割込みが入った場合について説明する。
【0080】スイッチSW2は先に説明した様に、カメ
ラ内マイコンCCPUの割込み入力端子へ接続されてお
り、該スイッチSW2がオンした時にはいずれのステッ
プを実行中でも割込み機能にて直ちにステップ(021
) へ移行する様に構成されている。
【0081】破線で囲まれたステップを実行中にスイッ
チSW2割込みが入ると、ステップ(021) を経て
ステップ(022) へ移行する。
【0082】ステップ(022) では、レリ−ズ動作
を行う。
【0083】ステップ(023) では、フィルム巻上
げを行って1駒分の撮影を終了し、ステップ(002)
 へ戻る。
【0084】なお、上記ステップ(013) 乃至(0
17) 及びステップ(022),(023) の各サ
ブル−チンは既に公知であり、詳しい説明は省略する。
【0085】次に、図4のフロ−チャ−トを用いてレン
ズLNS側にて行われる像ブレ補正動作について説明す
る。
【0086】ステップ(101) では、像ブレ補正用
メインスイッチSWISのオンにより、像ブレ補正用マ
イコンICPU及びその周辺回路に電源を投入する。こ
れにより、像ブレ補正用マイコンICPUは図4のステ
ップ(102) 以降のプログラムの実行を開始する。
【0087】ステップ(102) では、ハイパスフィ
ルタHPF,積分器INTEGをリセット信号ラインR
ES1,RES2によりリセットし、ブレ加速度信号a
’,ブレ速度v’を「0」に初期化する。
【0088】ステップ(103) では、像ブレ補正マ
イコンICPU内の全フラグ、全変数をクリアし、「0
」に設定する。
【0089】ステップ(104) では、出力ラインS
L1によりスイッチSWSL1をオン(閉)とし、スロ
−センタ−フィ−ドバックのル−プを閉じる。
【0090】ステップ(105) では、像ブレ補正(
IS)開始命令の判別を行い、カメラ本体CMRよりI
S開始命令が来ていない時はステップ(106) へ移
行する。
【0091】ステップ(106) では、スイッチSW
MTをオフ(開)とし、モ−タIMTRへの制御信号の
入力を禁止、 すなわち像ブレ補正動作を禁止する。そ
して、ステップ(105) へ戻り、ステップ(105
),(106) を繰返し実行する。この状態では、像
ブレ補正は行われていないが、加速度計ACC、ハイパ
スフィルタHPF及び積分器INTEGは動作しており
、その出力信号a,a’,v’は出力され続けている。
【0092】上記のステップ(105),(106) 
を実行中にカメラ本体CRMよりIS開始命令信号が送
られてくると、ステップ(105) よりステップ(1
11) へ移行する。
【0093】ステップ(111) では、スイッチSW
MTをオンとする。これにより、モ−タIMTRに制御
信号が入力され、フィ−ドバックル−プが閉じられるの
で、像ブレ補正が開始される。
【0094】ステップ(112) では、像ブレ補正用
マイコンICPUに内蔵されている自走タイマTIME
R1及びTIMER2をスタ−トさせる。ここで、TI
MER1はブレ信号の周波数を推定するために使用する
タイマで、TIMER2は所定時間中に手ブレと推定さ
れるブレが生じたか否かを判定するために使用するタイ
マである。
【0095】ステップ(113) では、カメラ本体C
MRからIS停止命令を受信したか否かの判定を行い、
受信していなければステップ(114) 以降を実行し
て像ブレ補正を継続し、受信していればステップ(10
5) へ戻る。
【0096】ステップ(114) では、タイマTIM
ER2の値が所定値、例えば「2秒」以上であるか否か
の判別を行い、この結果に応じてステップ(115) 
又は(126) へ移行する。TIMER2の作用は後
述するが、ステップ(112) を経由して最初にこの
ステップを実行する時は「TIMER2≒0」なのでス
テップ(115) へ移行する。
【0097】ステップ(115) では、加速度AL,
速度VL,変位DLの更新を行う。
【0098】ステップ(116) では、最新デ−タの
格納を行う。すなわち、ブレ加速度信号a’、ブレ速度
に相当する補正光学系ILNSの速度指令信号v、及び
ブレ変位に相当する補正光学系ILNSの変位dLを各
々AL,VL,DLに格納する。その後、ステップ(1
17) 以降のフロ−を実行して再びステップ(115
) へ戻ってきた時、上記ステップ(115) では、
AL,VL,DLの内容を各々ALOLD,VLOLD
,DLOLDへ格納し、次のステップ(116) では
、最新のブレ情報をAL,VL,DLに格納する。よっ
て、上記ステップ(116) を実行し終った時点では
、ALOLD,VLOLD,DLOLDには前回のブレ
情報が、AL,VL,DLには今回の最新ブレ情報が格
納されている事になる。
【0099】ステップ(117) では、ブレの加速度
信号a’の符号変化の判定を行う。すなわち、今回の加
速度ALに前回の加速度ALOLDを乗じ、この結果が
負であればALとALOLDの符号が反転している事に
なり、ステップ(118) へ移行する。又、「AL・
ALOLD」が正であればステップ(113) へ戻る
【0100】ステップ(118) では、ブレ加速度a
’の符号が反転した時点におけるブレ速度vの判定を行
う。ここで、図11及び図12を参照すると、図12で
加速度信号aの符号が反転する時、すなわち「a=0」
となる時、速度vは図11によると極大値あるいは、極
小値に達している。そこで、このステップ(118) 
では、速度vの極値の絶対値が所定の値vth以上か否
かの判定を行い、以上であればステップ(119) へ
移行し、以下であればステップ(113) へ戻る。
【0101】上記ステップ(118) は手ブレ信号抽
出におけるノイズ除去の役割を果す。すなわち、像ブレ
防止装置が三脚に据え付けられている場合、ブレ加速度
信号a’は「0」のはずであるが、現実にはノイズが混
入し、ブレ加速度信号a’は「0」の近傍を上下する。 すると、前述のステップ(117)では頻繁にYESの
判定が下され、ステップ(118) へ移行してしまう
が、加速度信号a’上のノイズが積分されたところの速
度信号は手ブレによる速度信号よりはるかに小さい。よ
って、ノイズの影響はステップ(118) にてNOの
分岐で除去され、手ブレ等によって加速度信号a’の符
号変化及びvth以上の速度信号vが生じた時のみ、ス
テップ(119) へ移行することになる。
【0102】ステップ(119) では、ブレ信号の周
波数の判定を行う。周波数f[Hz]の正弦波ブレが生
じている場合、ブレの加速度信号の符号が反転する周期
Tは「T=1/2f」秒である。よって「f=4Hz」
なら「T=0.125 」秒、また「f=10Hz」な
ら「T=0.05」秒である。一方、タイマTIMER
1は前記ステップ(117),(118) において共
にYESと判定された場合には後述するステップ(12
1) にて「0」にリセットされるので、タイマTIM
ER1が前述のブレ加速度反転周期Tに相当する。そこ
で、このステップ(119) では、TIMER1の値
の判定を行い、TIMER1が「0.05」秒と「0.
125 」秒の間、すなわちブレ周波数が4Hzと10
Hzの間ならステップ(120) へ移行し、4Hz以
下あるいは10Hz以上ならステップ(121) へ移
行する。さらに詳述すると、ブレの周波数が4Hz未満
ならパンニングであり、10Hzより大きければカメラ
ブレであると判別し、これらの場合にはいずれも手ブレ
でないとして、NOへ分岐(ステップ(121) へ移
行)するわけである。
【0103】ステップ(120) では、手ブレによる
加速度信号の符号反転をカウントするカンタNの値を1
つ進める。
【0104】ステップ(121) では、ブレ加速度の
反転周期を計数するタイマTIMER1をクリアする。
【0105】ステップ(122) では、上記カウンタ
Nの内容判別を行い、N<5ならステップ(113) 
へ戻って上記ステップ(113) 〜(121)を繰返
し実行し、N≧5に達したらステップ(123) へ移
行する。すなわち、上記ステップ(113) 〜(12
1) を繰返し行い、手ブレ振動によるものと推定され
るブレにより生じた加速度信号の符号反転が5回に達し
たらステップ(123) へ移行する。
【0106】ステップ(123) では、スロ−センタ
−フィ−ドバックを閉成するスイッチSWSL1をオン
(閉)とし、スイッチSWSL2をオフ(開) とする
。ただし、この実施例では、最初にステップ(104)
 にてスイッチSWSL1がオンとなっているので、こ
の場合の様に既にSWSL1がオンとなっている場合に
はステップ(123) は当然のことながら無視される
。スイッチSWSL1がオンとなっている場合は弱いス
ロ−センタ−フィ−ドバックが働くので、ブレ補正周波
数帯域は低周波域から高周波域までカバ−しており、手
ブレからカメラブレまで広い帯域のブレが補正される。
【0107】前記ステップ(113) からステップ(
122) までのサイクルは、「N=5」になるまで繰
返し実行されるが、「N=5」に達する前に所定時間、
例えば2秒間が経過すると、ステップ(114) より
ステップ(126) へ移行する。すなわち2秒間内に
前述した所定のブレ判定が5回カウントされない時には
手持ち撮影ではない、すなわち三脚取付けであると判定
してステップ(126) へ移行する。
【0108】ステップ (126)では、スイッチSW
SL1をオフ、スイッチSWSL2をオンとして強いス
ロ−センタ−フィ−ドバックを働かせる。すると、変位
振幅の大きなブレに対してはブレ補正の効きが悪くなる
ので、パンニング動作の様な低周波大振幅の振動に対し
てはブレ補正が働かず、カメラブレの様な小振幅ブレに
対してのみブレ補正が働く。
【0109】上記ステップ(123) あるいはステッ
プ(126) の実行後、ステップ(124) へ移行
する。
【0110】ステップ(124) では、カウンタNを
クリアし、ステップ(125) へ移行する。
【0111】ステップ(125) では、タイマTIM
ER2をクリアし、ステップ(113) へ戻って前記
フロ−を繰返し実行する。
【0112】前記ステップ(113) 〜(126) 
のフロ−を実行中にカメラ本体CMRよりIS停止命令
を受信すると、ステップ(113) よりステップ(1
05) へ移行し、ステップ(106) にて像ブレ補
正動作を停止させる。
【0113】以上の像ブレ補正の制御フロ−を改めて概
説すると、像ブレ補正動作中にブレの加速度,速度をモ
ニタし、ステップ(115) 〜(119) において
手ブレ振動に相当する周波数4〜10Hzのブレの発生
を検知し、該ブレが所定秒時(実施例では2秒)内に所
定回数(実施例では5回)以上生じたら、ステップ(1
23) にてブレ補正周波数帯域として低周波域から高
周波域までをカバ−するべく弱いスロ−センタ−フィ−
ドバックを働かせ、手ブレからカメラブレまで広い帯域
のブレの補正が可能な状態とする。
【0114】一方、該ブレが所定時間内に所定回数生じ
なければ、ステップ(126) にて変位振幅の大きな
ブレに対してはブレ補正の効きを悪くするべく強いスロ
−センタ−フィ−ドバックに切換え、パンニング動作の
様な低周波大振幅の振動に対してはブレ補正が働かず、
カメラブレの様な小振幅ブレに対してのみブレ補正が働
くようにする。
【0115】したがって、手持ち撮影と三脚据え付け撮
影の判別によって像ブレ補正特性が切換えられることに
なり、各使用状況に最適なブレ補正を行う事ができる。
【0116】前記第1の実施例はブレの性質を判別し、
2種類のブレ補正特性の中から適したものを選択すると
いうものであった。以下に説明する本発明の第2の実施
例は、ブレの性質を判別し、その結果によりブレ特性を
無段階に変える様にしようとするものである。
【0117】図5は、該第2の実施例に用いられる積分
器の回路構成を示す図で、該積分器は第1の実施例にお
ける図1の積分器INTEGの部分に相当するものであ
り、その他の構成は第1の実施例と同一である。
【0118】図11に示す積分器において、スイッチS
WINTがオフ(開)となっている場合のカットオフ周
波数f2は f2=1/(2π・R2・C)[Hz]である。これは
、f2[Hz]以上の振動に対して積分作用が働き、f
2[Hz]以下は積分しない事を意味する。
【0119】一方、スイッチSWINTがオン(閉)と
すると、カットオフ周波数f3は     f3=1/〔2π・{R2・R3/(R2+R
3)}・C〕[Hz]となり、「f3>f2」の関係に
ある。
【0120】すなわち、スイッチSWINTをオンする
と、カットオフ周波数が高くなって低周波の信号に対す
る積分作用が弱くなり、低周波のブレ速度信号vが小さ
くなる。すなわち、低周波ブレに対するブレ補正が弱く
なる。更にこの実施例では、スイッチSWINTをPW
M制御により時分割でオン・オフするので、像ブレ補正
用マイコンICPUからのPWM信号によりカットオフ
周波数を実質上無段階に変化させられる。
【0121】図6は、前記PWM制御のduty(デュ
−ティ)比について説明するための図であり、図7で説
明する符合反転回数(ブレ判定回数)Nに対し、該図の
如くduty比を設定する。即ち、「N≦N1」の時「
duty=1」、「N≧N2」の時、「duty=0」
、又「N1<N<N2」の時は duty=1−〔(N−N1)/(N2−N1)〕とな
り、符合反転回数Nの値が大きい程、dutyが小、す
なわち図5の積分器のカットオフ周波数が低くなって、
より低周波のブレに対してもブレ補正が作用する特性が
得られる。
【0122】次に、図7のフロ−チャ−トに従って第2
の実施例における像ブレ補正動作について説明する。
【0123】この第2の実施例において、第1の実施例
における図4の動作と異なる部分は、図4のステップ(
122) 乃至(126) の代りにステップ(131
) 〜(134) が追加となったのみなので、変更部
分についてのみ説明する。
【0124】第2の実施例では、ステップ(113) 
乃至(121) のフロ−を必ず所定時間、例えば2秒
間行い、その間のブレ加速度a’の符号反転回数Nを計
測する。そして、2秒間経過後にステップ(114) 
よりステップ(131) へ移行する。
【0125】ステップ(131) では、図6に従って
符合反転回数Nに応じたduty比の計算を行う。
【0126】ステップ(132) では、上記ステップ
(131) で計算したduty比に応じたパルスを出
力(PWM出力)し、図5の積分器のカットオフ周波数
を変えてブレ補正特性を変える。
【0127】ステップ(133) では、カウンタNを
「0」にリセットし、ステップ(134) へ移行する
【0128】ステップ(134) では、タイマTIM
ER2をクリアする。
【0129】以上の像ブレ補正制御フロ−を概説すると
、ブレ補正動作を行いながらブレの加速度度信号の有意
な反転回数を計数し、所定時間、例えば2秒毎に該反転
計数結果に応じて積分器の特性を制御するためのPWM
制御のduty比決定を行う。これにより、ブレの特性
に応じてブレ補正特性を最適な状態に設定できるので、
例えばカメラを車載する時の様に、手持ち撮影時と三脚
据え付け撮影時の中間のブレが生じている場合にも、き
め細かく対応することができる。
【0130】なお、前記第1,第2の実施例では、手持
ち状態と三脚据え付け状態をブレの加速度と速度により
判別していたが、上記方法に限られるものではなく、ブ
レ変位を利用する等の方法も考えられる。また、ブレ補
正中にブレ補正特性の変更動作を行っているが、これら
実施例ではメインスイッチSWISのオンで像ブレ補正
マイコンICPU、ブレ検知センサ及びその他の周辺回
路は動作を開始し、ブレ検知信号は出力され続けている
ので、ブレ補正動作開始前にブレ特性の判別を行い、ブ
レ補正特性の変更を行っても構わない。さらに、ブレ補
正特性方法として、第1の実施例ではスロ−センタ−フ
ィ−ドバック特性を、第2の実施例では積分器特性を変
えたが、ハイパスフィルタHPFの特性変更でも構わな
い。この場合には、第2の実施例の様にハイパスフィル
タHPFの特性をPWM制御で変えれば良い。
【0131】前記第1,第2の実施例では、ブレ信号に
応じて、手持ち撮影時か三脚据え付け撮影時かを判別し
ていたが、以下に述べる第3の実施例では、三脚取付け
用のネジLTPの近傍にスイッチを設け、このスイッチ
状態で三脚取付け状態か否かを検知する様にしようとす
るものである。
【0132】図8に該第3の実施例の像ブレ補正制御回
路ICNTを示すが、この図は、第1の実施例における
図1に対し、三脚取付け検知スイッチSWTPが追加さ
れた所が異なっている。つまり、この実施例では、三脚
取付け用のネジLTPの近傍、即ちネジ穴の奥に三脚取
付け検知スイッチSWTPが配置され、三脚が取付けら
れて三脚側のネジがセットされると該検知スイッチSW
TPがオン(閉成)し、像ブレ補正用マイコンICPU
は三脚が取付けられた事を検知する構成となっている。
【0133】図9はこの第3実施例における像ブレ補正
制御動作を示すフロ−チャ−トであり、該図において、
ステップ(101) 乃至(106) は前記第1,第
2の実施例と同一なのでステップ(141) 以降につ
いて説明する。
【0134】ステップ(105),(106) を実行
中にカメラ本体CMRよりIS開始命令を受信すると、
ステップ(105) よりステップ(141) へ移行
する。
【0135】ステップ(141) では、三脚取付け検
知スイッチSWTPの状態判別を行い、この結果に応じ
てステップ(142) あるいはステップ(143) 
へ移行する。
【0136】ステップ(142) では、三脚取付け検
知スイッチSWTPがオフ、すなわち三脚が取付けられ
ておらず、手持ち撮影時であるので、スロ−センタ−フ
ィ−ドバックを選択するスイッチSWSL1をオンにし
、スイッチSWL2をオフとする。すなわち、スイッチ
SWSL1のオンにより弱いスロ−センタ−フィ−ドバ
ックを選択して、低周波領域までブレ補正を行い、手持
ち撮影に適したブレ補正特性とする。但し、該ステップ
を最初に実行する場合はステップ(104) にて該ス
イッチSWSL1は既にオンとなっているので、このス
テップは無視される。
【0137】ステップ(143) では、三脚取付け検
知スイッチSWTPがオン、すなわち三脚据え付け状態
であるので、スイッチSWSL1をオフにし、スイッチ
SWL2をオンとして強いスロ−センタ−フィ−ドバッ
クを選択し、三脚撮影に適したブレ補正特性とする。
【0138】ステップ(144) では、スイッチSW
MTをオンとしてモ−タIMTRの駆動を行い、像ブレ
補正を開始させる。
【0139】ステップ(145) では、カメラ本体C
MRからIS停止命令を受信したか否かの判断を行い、
NOならこのステップに留まって像ブレ補正を継続し、
IS停止命令を受信したらステップ(105) に戻り
、ステップ(106) にて像ブレ補正を停止させる。
【0140】以上の様に第3実施例では、三脚取付け検
知スイッチSWTPの状態より三脚取付けを検知するの
で、像ブレ補正特性の変更が確実に行われる。
【0141】なお、該スイッチSWTPはレンズLNS
側のレンズ鏡筒ではなくカメラ本体CMRの三脚取付け
用のネジCTPにあっても構わない。この場合はカメラ
内マイコンCCPUが三脚取付けの有無を検知し、スイ
ッチSW1のオンに伴うIS開始命令に引続いてレンズ
LNS側へ三脚取付け有無信号を送信すれば良い。
【0142】また、該三脚取付け検知スイッチSWTP
は三脚取付け用のネジLTPのネジ穴の奥に埋設される
のではなく、レンズLNS側あるいはカメラ本体CMR
側に手動操作スイッチとして設けても構わない。この場
合には撮影者がブレの状況を判断して該スイッチSWT
Pの切換え操作を行う。
【0143】なお、本発明における光軸偏心手段は、可
変頂角プリズムも含むものであり、よって光軸を偏向さ
せるものであっても良い。
【0144】以上の各実施例によれば、像ブレ補正装置
を有したカメラが三脚(或は一脚のものや、その他固定
手段)に据え付けられているか否かを検知する手段を設
け、該手段の出力により像ブレ補正装置のブレ補正特性
を可変としたので、手持ち撮影時及び三脚据え付け撮影
時のいずれの場合においても、各々最適のブレ補正が行
える様になった。すなわち、三脚使用時には、該装置が
パンニングを阻害することなく、且つレリ−ズに伴うミ
ラ−ショックによるカメラブレは補正することができ、
手持ち撮影時には、手ブレ補正を確実に行うことが可能
となる。
【0145】また、第1及び第2の実施例では、ブレ信
号の振幅と周波数により三脚据え付け状態である事を検
知するので、専用の三脚取付け検知スイッチを設けずに
済む。一方、第3の実施例では、三脚取付けを検知する
手段を独立に設けたので、三脚据え付け時には確実にブ
レ補正特性を変更する事ができる。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
支持部材検知手段の検知結果に応じて、像ブレ補正手段
の像ブレ補正特性を可変する特性制御手段を設け、支持
部材検知手段により該像ブレ補正装置が三脚等の支持部
材に取り付けられている状態か或は手持ち状態かの検知
結果に応じて、それぞれに適した像ブレ補正手段の像ブ
レ補正特性を可変するようにしている。よって、支持部
材使用時と手持ち時それぞれに最適な像ブレ補正を行う
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における像ブレ補正制御
回路及びその周辺回路を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例装置を備えた一眼レフレ
ックスカメラを示す概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるカメラ側の動作
を示すフロ−チャ−トである。
【図4】本発明の第1の実施例におけるレンズ側の動作
を示すフロ−チャ−トである。
【図5】本発明の第2の実施例における積分器の構成を
示す回路図である。
【図6】図5の積分器のデュ−ティ制御について説明す
る図である。
【図7】本発明の第2の実施例におけるレンズ側の動作
を示すフロ−チャ−トである。
【図8】本発明の第3の実施例における像ブレ補正制御
回路及びその周辺回路を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施例におけるレンズ側の動作
を示すフロ−チャ−トである。
【図10】本発明に関わる手持ち及び三脚取け時におけ
るブレの変位波形の概念図である
【図11】本発明に関わる手持ち及び三脚取け時におけ
るブレの速度波形の概念図である
【図12】本発明に関わる手持ち及び三脚取け時におけ
るブレの加速度波形の概念図である
【図13】図10におけるブレの変位スペクトルの概念
図である
【図14】図11におけるブレの速度スペクトルの概念
図である
【図15】図12におけるブレの加速度スペクトルの概
念図である
【符合の説明】ACC    角加速度計ICNT  
像ブレ補正制御回路 ICPU  像ブレ補正用マイコン IMTR  像ブレ補正用モ−タ PSD    位置センサ SWMT  スイッチ SWTP  三脚取付け検知スイッチ SWINT  スイッチ INTEG  積分器 SWSL1,SWSL2  スイッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  結像光学系の光軸を偏心させる光軸偏
    心手段と、前記レンズ鏡筒に加わる振動を検出する振動
    検出手段と、該振動検出手段よりの信号に基づいて前記
    光軸偏心手段を駆動し、像ブレ補正を行う像ブレ補正手
    段と、該装置が支持部材に取り付けられているか否かを
    検知する支持部材検知手段とを備えた像ブレ補正装置に
    おいて、前記支持部材検知手段の検知結果に応じて、前
    記像ブレ補正手段の像ブレ補正特性を可変する特性制御
    手段を設けたことを特徴とする像ブレ補正装置。
  2. 【請求項2】  支持部材検知手段は、振動検出手段よ
    り出力されるブレ信号の周波数又は振幅により支持部材
    に取付けられた状態か否かを検知する手段であることを
    特徴とする請求項1記載の像ブレ補正装置。
  3. 【請求項3】  支持部材検知手段は、支持部材の取付
    けにより状態変化するスイッチ手段であることを特徴と
    する請求項1記載の像ブレ補正装置。
  4. 【請求項4】  特性制御手段は、光軸偏心手段の向心
    力を変える手段であることを特徴とする請求項1記載の
    像ブレ補正装置。
  5. 【請求項5】  特性制御手段は、振動検出手段より出
    力されたブレ信号の変換を行う積分器或はフィルタの作
    用周波数帯域を変える手段であることを特徴とする請求
    項1記載の像ブレ補正装置。
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