JP2005115253A - ブレ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレ補正装置100は、例えば、カメラ2の振れを検出する角速度センサ3の出力に応じて、像ブレを光学的に補正するブレ補正レンズ4と、ブレ補正レンズ4の位置を検出するPSD7と、角速度センサ3の出力に基づいて、カメラ2の支持状態が手持ちか固定かを判定する支持状態判定部21と、PSD7の出力、又は、補正式演算部26の出力である目標速度から算出されるブレ補正レンズ4の位置に基づいて、目標速度の変更量を決定する速度バイアス演算部28と、角速度センサ3の位相遅れを補償するための位相進み補償部25と、を備え、支持状態判定部21が固定と判定した場合に、速度バイアス演算部28は、目標速度の変更量を大きし、位相進み補償部25は、補償動作を解除、又は、パラメータを変更する。
【選択図】図1
Description
カメラ200のブレは、6自由度を有しており、3自由度の回転運動であるピッチング・ヨーイング・ローリング運動と、3自由度の並進運動であるX・Y・Z方向の運動とに分けられる。カメラ200のブレ補正は、通常、ピッチング、ヨーイングの2自由度の運動に対して行われている。
また、三脚ブレが問題視されてきた理由として、デジタルカメラの普及に伴い、振れの許容範囲が狭くなってきたことが挙げられる。銀塩カメラの場合、許容錯乱円は、鑑賞条件からφ30μm程度であったが、デジタルカメラの場合、許容錯乱円は、鑑賞条件の違いから銀塩カメラのものより小さくなってきている。
一方、三脚振れの周波数帯域は、例えば、レンズ重量、三脚の剛性により異なるが、実験結果によると、約5〜40Hz程度であり、手振れの周波数帯域より高くなる。
この手振れより高い周波数帯域に追従して、三脚固定時に、ブレ補正を行うためには、例えば、角速度センサ102x,102yの遅れ、制御サンプリングによる遅れ等の問題を考慮しなくてはならない。また、三脚ブレでは、絶対的な振れ量が手振れに比べて小さいので、角速度センサ102x,102yのドリフトの影響も無視できない。
カメラ2は、鏡筒1等を備えている。鏡筒1は、撮影光学系のレンズ9,10,11と、レンズ9,10,11の支持台12,13,14と、CCD15と、角速度センサ3と、ブレ補正レンズ4と、ブレ補正レンズ4を固定するためのレンズ室5と、ブレ補正レンズ4を駆動するためのVCM6と、ブレ補正レンズ4の位置を検出するための補正レンズ位置検出部(PSD)7等とを備えている。また、ブレ補正レンズ4は、ピッチング方向のブレによる光軸16の傾きを補正するように上下に移動できる。また、角速度センサ3は、コリオリ力(振れ)を検出する振動ジャイロ型のセンサであり、機構動作に伴う加速度の影響を受け難くするために、連結部3aを介して鏡筒1にフローティング支持されている。
角速度センサ3の出力は、増幅器及びLPF35を介して高周波数ノイズ成分の除去が行われた後、A/Dコンバータで量子化され、角速度データω1としてHPF処理部24と支持状態判定部21とに入力される。
HPF処理部24は、角速度データω1の中心レベルをLPFにより求め減算することにより、角速度センサ3のドリフト成分を除去した角速度データω3を算出すると共に、この角速度データω3を、目標位置変換部23に出力する。
PSD7の出力は、増幅器及びLPF34、A/Dコンバータを介して、ブレ補正レンズ4の位置信号yとして、目標位置変換部23と追従制御部22とに入力される。
目標位置変換部23は、角速度データω3から、焦点距離エンコーダ32からの信号fと、フォーカスエンコーダ33からの出力D及びEEPROM31から演算に用いるパラメータと、さらに、ブレ補正レンズ4の位置信号y、判定信号kに応じて、ブレ補正レンズ4の目標位置信号gを算出する。また、目標位置変換部23は、この目標位置信号gを追従制御部22に出力する。
PWMドライバ36は、駆動信号に対し、スイッチングを行い、ブレ補正レンズ4の駆動用VCM6のコイル部(不図示)に電圧を印加し、VCM6の駆動を行う。また、ブレ補正レンズ4の位置は、PSD7によってモニタされており、上述したように、A/Dコンバータを介して、位置信号yとして、追従制御部22及び目標位置変換部23にフィードバックされる。
図2は、レンズCPU20の詳細を示すブロック図である。ここでは、目標位置変換部23を中心にして、HPF処理部24と、支持状態判定部21と、追従制御部22とを関連付けて、ブレ補正制御に伴う各種アルゴリズムを詳細に説明する。また、目標位置変換部23は、位相進み補償部25、補正式演算部26、積分演算部27、速度バイアス演算部28、位置バイアス演算部29等を備えている。
HPF処理部24は、ローパスフィルタ24aを備えており、上述したように、角速度データω1に対して、判定信号kに応じたLPF処理を行い、角速度センサ3のドリフト成分を除去した角速度データω3を算出する。具体的には、ローパスフィルタ24aの出力ω2が角速度データω1から減算されることにより、角速度データω3が求められる。
すなわち、LPFアルゴリズムとは、低周波数成分をカットするための処理であって、例えば、IIR型LPFであるローパスフィルタ24aにより、その低周波成分ω2を抽出すると共に、この低周波成分ω2を、角速度データω1から減算することになる。したがって、演算結果であるω3は、HPF特性を有していることになる。
LPF1は、手持ち撮影用のカットオフ周波数を有するフィルタであり、例えば、0.1Hz程度に設定する。
LPF2は、三脚固定時撮影用のカットオフ周波数を有するフィルタであり、例えば、1.0Hz程度に設定する。
図3は、角速度センサ3のドリフト、手振れ及び三脚振れの周波数分布を示す図である。なお、横軸を周波数(Hz)、縦軸をブレ角度(deg)とする。
図3に示したように、角速度センサ3のドリフトの周波数帯域は、約0〜1.0Hz、手持ち撮影時の振れの周波数帯域は、約0.1〜10Hz、三脚固定時の周波数帯域は、約5〜40Hzであり、それぞれ周波数帯域が異なる。このため、三脚固定時の撮影の場合、手持ち撮影の場合と比較して低周波数での補正が必要ない。また、角速度センサ3のドリフトは、角速度センサ3に電源投入後、振れとは無関係にその出力がドリフトするものであって、このドリフトは安定するまでに数秒を有する。
図4は、位相進み補償部25の動作原理を示すブロック図である。
位相進み補償部25による位相進みアルゴリズムは、主に角速度センサ3の位相遅れを補償する処理である。また、角速度センサ3に位相遅れが発生する理由は、例えば、角速度センサ3が連結部3aを介して鏡筒1にフローティング支持されていることが挙げられる。
位相進み補償部25では、HPF処理部24からの角速度データω3を現在の情報とし、この現在の情報から6サンプリング前の情報(いわゆるZ変換による1/Z6)を減算した後、乗算回路25aによって、この減算結果に定数(パラメータである微分定数Ts)が乗算されることにより、信号ωを算出して、位相遅れが補償される。
乗算回路25aには、例えば、定数Tsが記憶されており、図示のように、支持状態判定部21からの判定信号kが入力される。これにより、乗算回路25aは、判定信号kに応じて、定数Tsの値を変更することができる。
位相進みアルゴリズムは、上述したように、微分補償である。このため、位相進みアルゴリズムでは、図示のように、位相を進めると共に、ゲインを持ち上げてしまう。
このゲインの増加は、手振れ周波数帯域(0.1〜10Hz)では、ブレ補正の精度に影響を与えないが、三脚振れ周波数帯域(5〜40Hz)では、ある程度の影響を与えてしまう。
したがって、位相進み補償部25は、支持状態判定部21により三脚固定と判定された場合には、判定信号kに応じて、位相進みアルゴリズムを解除(微分定数Ts=0)、又は、パラメータTsを変更する。
補正式演算部26は、上述した位相進みアルゴリズムの出力である信号ωを、焦点距離エンコーダ32から出力される信号fと、被写体距離(フォーカス)エンコーダ32から出力される信号Dと、EEPROM31から出力されるレンズ固有信号(Ds等)とに基づいて、ブレ補正レンズ4の目標速度VCに変換する。なお、横倍率β、VRは、f及びDの関数として近似可能である。
補正レンズ目標速度VCは、以下の数式で算出される。
VC=f×ω/VR (D≧Dsの場合)
VC=β×D×ω/VR (D<Dsの場合)
VC:補正レンズ目標速度[mm/s]
ω:位相進みアルゴ出力[rad/s]
f:焦点距離[mm]
β:横倍率
D:被写体距離(絶対距離エンコーダから求める)[mm]
Ds:演算式切り替わり被写体距離しきい値
VR:VR補正係数(VR=(像面での像移動量)/(補正レンズ移動量))
速度バイアス演算部28には、図2に示すように、PSD7の出力信号であって、ブレ補正レンズ4の現在位置を示すレンズ位置演算結果y(以下、現在位置信号y)と、支持状態判定部21からの判定信号kとが入力される。速度バイアス演算部28は、現在位置信号yに基づいて、判定信号kに応じて、ブレ補正レンズ4の目標速度VCの修正量(速度バイアスデータs1)を算出する。
速度バイアスアルゴリズムは、ブレ補正レンズ4にバイアス中心位置への向心力を与えるための処理であって、例えば、目標速度VCから速度バイアスデータs1を減算することにより、向心力を与える。
ここでは、速度バイアス演算部28を乗算回路として捉えており、速度バイアス演算部28は、図示のように、PSD7からの現在位置信号yに「10」というゲインを乗算することで、速度バイアスデータs1を算出する。
ゲイン「10」を乗算するとは、例えば、ブレ補正レンズ4が「1」移動したら「10」という速度バイアスデータs1を出力することを示す。このゲイン「10」は、後述する速度バイアステーブル(図7参照)における現在位置信号yでの傾きを意味している。
駆動信号pは、ブレ補正レンズ4の駆動用信号であって、上述したように、D/Aコンバータ、PWMドライバ36を介して、ブレ補正レンズ4の駆動用VCM6のコイル(不図示)に印加され、このVCM6の駆動によるブレ補正レンズ4の位置が現在位置信号yとしてPSD7から出力され、再び、速度バイアス演算部28に入力される。
なお、ここでは、PSD7からの現在位置信号yを、速度バイアス演算部28の入力としたが、位置バイアス演算部29からの出力であるブレ補正レンズ4の目標位置信号gを用いても同様の特性を得ることができる。
入力信号を目標速度VC、出力信号を現在位置信号y、とすると、この伝達関数は、
y/VC=1/(S+10)
s:演算子
と示される。この伝達関数は、いわゆるラプラス変換の伝達関数であって、ブレ補正レンズ4の駆動部を含んだ1次のLPFを表している。
図7は、速度バイアス演算部28で用いられる速度バイアステーブルを示す図である。なお、横軸をブレ補正レンズ4の現在位置信号y、縦軸を速度バイアス出力とする。
速度バイアステーブル50は、支持状態が手持ちである場合の速度バイアス形状を示している。速度バイアステーブル50では、図7(a)に示すように、速度バイアス出力は現在位置信号yの3次式で表される。手持ちの場合に、3次関数で示される速度バイアステーブル50を用いる理由は、手持ち時の速度バイアスは、可動範囲の確保を目的としているので、バイアス中心位置が可動範囲中心に固定されているからである。
すなわち、速度バイアスアルゴリズムにおいて、支持状態判定部21により手持ちと判定された場合、速度バイアステーブル50を用いることで、ブレ補正レンズ4が可動範囲中心から離れれば離れるほど、3次関数の傾きが急激に大きくなるので、速度バイアス演算部28は、ブレ補正レンズ4に大きな向心力を与えることができる。
速度バイアステーブル60は、支持状態が三脚固定である場合の速度バイアス形状を示している。速度バイアステーブル60では、図7(b)に示すように、速度バイアス出力は現在位置信号yの1次式で表される。
3次式の速度バイアステーブル50を用いる場合、バイアス中心位置での速度バイアス変化量が0となってしまうことから(理由:y=0のとき、傾き=0)、速度バイアス中心付近では、速度バイアス出力が低くなってしまう。
したがって、手持ちから三脚固定と判定された場合には、速度バイアス形状は1次式である速度バイアステーブル60を用いて、バイアス中心位置付近においても、速度バイアスを強めに掛けるようにする(理由:yの値にかかわらず、傾きは一定)。
これにより、ブレ量が小さい三脚固定時であっても、ブレ補正レンズ4が可動中心付近で不安定に動いてしまうことを防ぐことができる。
但し、バイアス中心位置は、ブレ補正レンズ4のソフトリミットに対し、余裕を持たせる必要がある。この理由は、ブレ補正レンズ4がソフトリミットに達すると、ブレ補正効果を失ってしまうからである。具体的には、バイアス中心位置がソフトリミット近傍にある場合、ブレ補正レンズ4は、バイアス中心位置を駆動中心として動作することになり、ブレ補正レンズ4がソフトリミットに達する可能性が高くなってしまう状況を考慮している。
速度バイアスアルゴリズムによる周波数特性は、例えば、上述した伝達関数:y/VC=1/(S+10)をボード線図にすることで表すことができる。
ここで、速度バイアスゲイン=10の場合のゲインと、速度バイアスゲイン=0の場合のゲインとを比較する。図示のように、速度バイアスゲイン=10の場合のゲインでは、0.16(1/2π:1rad)Hz時に20dB(つまり10倍)となり、大きなゲイン抑制効果が得られている。したがって、速度バイアスを強く掛けることにより、低周波数ゲインの抑制効果を得ることができる。
すなわち、速度バイアスアルゴリズムによれば、このゲイン抑制効果によって、角速度センサ3のドリフトの抑制、又は、撮影者が三脚撮影時に行う、構図決めのための遅い動作を補正してしまうことを抑制することができ、いわゆる構図決めを容易に行うことができる。
位置バイアスアルゴリズムは、ブレ補正レンズ4の位置情報(位置信号c)を圧縮する処理である。積分演算部27からの位置信号cは、位置バイアス演算部29に出力される。位置バイアス演算部29は、位置信号cに基づいて、支持状態判定部21からの判定信号kに応じて、ブレ補正レンズ4の目標位置信号gを算出する(図2参照)。
位置バイアスアルゴリズムの形状を説明する。手持ち撮影時での目標位置信号g(図中、実線)は、図示のように、閾値Pb_sまでは入力値を圧縮(例えば、「ゲイン=0.8」)して出力値としている。また、入力値がこの閾値Pb_sを越えると、この入力値を、さらに圧縮(ゲインを1.0以下の適宜の値とする)して、出力値としている。
また、三脚振れの振れ量は、手振れの振れ量と比較して小さい。このため、三脚振れに対して、位置バイアスアルゴリズムを実行する必要性は小さくなる。
したがって、位置バイアス演算部29は、例えば、支持状態判定部21の判定信号kにより、三脚支持と判定された時には、位置バイアスアルゴリズムによる圧縮処理を解除する。これにより、位置信号cと目標位置信号gとの関係は、図中、点線で示した形状で表されるように、位置信号cがそのまま目標位置信号gとなる。
また、圧縮処理を解除した時に、位置バイアス演算部29の出力である目標位置信号gが不連続とならないように、位置バイアス演算部29は、圧縮処理を解除した時に、積分演算部27からの位置信号cの再設定を行う(図中では、点Aを点Bに変更している)。
追従制御部22は、目標位置信号gと位置信号yとに基づいて、さらに、判定信号kに応じて、ブレ補正レンズ4の駆動信号pを算出する(図2参照)。
追従制御部22は、第1演算部22aと、第2演算部22b等とを備えている。第1演算部22aは、例えば、ブレ補正レンズ4の目標位置信号gと現在位置信号yとの偏差を用いて、PID制御(フィードバック演算)を行う。第2演算部22bは、例えば、目標位置信号gに所定のゲイン(FF出力)を乗算した値と、第1演算部22aの出力値とを加算して、フィードフォワード演算を行う。
第1演算部22aは、まず、目標位置信号gから現在位置信号yを減算し、その数値に比例定数Kpを乗算する(比例項)。
更に、目標位置信号gから現在位置信号yを減算した差分の積分値に、積分定数Kiを乗じる(積分項)。
また、目標位置信号gから現在位置信号yを減算した差分の微分値に、微分定数Kdを乗算する(微分項)。ここで、ZはZ変換を表し、1/Zは1サンプリング前の情報を示す。
比例定数Kpを掛けた結果と積分定数Kiを掛けた結果と微分定数Kdを掛けた結果、全てを加算して、第1演算部22aによるPID制御部の出力とする。
追従制御部22では、上述したように、第1演算部22aによるPID出力だけでなく、第2演算部22bによるFF出力も用いている。第2演算部22bは、ブレ補正レンズ4の目標位置信号gに対して、FF出力(所定のゲイン)を乗算する。
また、第2演算部22bは、支持状態判定部21の判定信号kに応じて、手持ち判定された場合には、FF出力を正に設定する(図11(a))。このように、手持ち判定時に、FF出力を正に設定することにより、VCM6の光軸16の方向への向心力を打ち消すことができると共に、低周波数域での制御特性を改善できる(図12参照)。
また、第2演算部22bは、支持状態判定部21の判定信号kに応じて、三脚判定された場合には、FF出力を負に設定する(図11(b))。このように、三脚判定時に、FF出力を負として適宜設定することにより、高周波数域でのゲイン特性、位相特性を改善することができる(図12参照)。
まず、周波数とゲインとの関係について説明する。周波数30Hz近傍のゲインは、例えば、支持状態判定部21で手持ち判定された場合、約2.5であるのに対し、三脚固定と判定された場合、約0となっている(図12(a))。したがって、追従制御部22では、三脚固定時に、第2演算部22bでFF出力を負に設定することにより、特に、周波数30Hzでのゲイン特性を改善できる。
図13は、支持判定アルゴリズムの処理を詳細に示す図である。なお、この処理は、後述する図14のステップS107に対応している。
支持判定アルゴリズムは、カメラが手持ちの状態か、三脚などに固定された状態かを判断するものである。この支持判定アルゴリズムによるブレ判定は、角速度センサ3のドリフト成分ω2を除去した角速度データω3に対して行う(図2参照)。また、手持ちのときに検出される角速度データω3は、三脚などに固定されているときと比較して振幅が大きく、周波数も低くなる。一方、三脚固定されているときに検出される角速度データω3は、振幅が小さく、周波数が高い。
図中では、丸で囲んだ部分がカウントされる。カウント回数kが一定時間内に、あるしきい回数rより大きくなった場合(r=<k)に、手持ちと判定する。逆に、カウント回数がr>kであれば三脚固定と判断する。判定を終了すると、カウント回数kを0にリセットする。
レンズCPU20は、レリーズSW41の半押しONに同期したボディCPU40からのブレ補正開始コマンドを認識した後(S100)、FLAG=三脚に設定する(S101)。
ここで、追従制御部22の第2演算部22bで用いられるゲインFFについて説明すると、FFは、支持状態判定部21で三脚固定と判定された場合に、FF_t(tripod)と示され、同じく、手持ちと判定された場合に、FF_h(hand)と示される。
一方、半押しONの場合には(S104:No)、支持状態の判定がなされる(S107、図13参照)。手持ちであると判断されればステップS108へ、三脚固定であると判断されればステップS112へ進む。
ここで、手持ちと判定されたにも関わらず、速度バイアスなし、位置バイアスなし、と設定する理由は、ブレ補正制御は、ステップS103〜S113で行われた後であって、ブレ補正レンズ4が多少不安定となっても、露光中では、低周波数ドリフトを除去するだけで十分だからである。
露光終了であれば、次のステップS121に進み、FLAG=手持ちか否か判定される。レンズCPU20は、FLAG=手持ちがYesであれば(S121:Yes)、速度バイアスあり、位置バイアスあり、に設定し(S122)、上述したステップS104へ再び戻る。また、FLAG=手持ちがNoであれば(S121:No)、同じく、ステップS104へ戻る。
(2)速度バイアス演算部28は、支持状態判定部21が手持ちと判定した場合に、現在位置信号yと、現在位置信号yと速度バイアス出力との関係が3次式で示される第1テーブル50とを用いて、速度バイアスデータs1を決定し、同じく、固定と判定した場合に、1次式で示される第2テーブル60を用いて、速度バイアスデータs1を決定するようにしたので、ブレ補正を高精度で行うことができる。
(3)角速度センサ3で検出した信号ω1の低周波数成分を抽出するHPF処理部24は、支持状態判定部21が固定と判定した場合に、カットオフ周波数を高周波側に変更するようにしたので、角速度センサ3のドリフト成分ω2(電源ON時に発生するノイズ)を除去することができる。
(4)角速度センサ3の位相遅れを補償するための位相進み補償部25は、支持状態判定部21が固定と判定した場合に、補償動作を解除(Ts=0)、又は、パラメータを変更(Tsを小さく)するようにしたので、三脚固定時に、ゲインの増加を防止することができる。
(5)位置バイアス演算部29は、積分演算部27の出力信号c(積分後補正レンズ目標位置)に基づいて、ゲインを圧縮することにより、ブレ補正レンズ4の目標位置gを演算し、支持状態判定部21が固定と判定した場合に、ゲインの圧縮を解除するようにしたので、三脚固定時に、ブレ補正に伴う補正誤差を取り除くことができる。
(6)追従制御部22は、フィードバック演算を行う第1演算部22aと、目標位置を示す信号gに所定のゲインFFを乗算した値に、第1演算部22aの出力値を加算して、フィードフォワード演算を行う第2演算部22bと、を備えており、支持状態判定部21が固定と判定した場合に、ゲインFFを負に設定して、目標位置信号gに追従させるようにブレ補正レンズ4を制御するので、三脚固定時に、ゲイン特性、位相特性を改善することができる。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲である。
(1)位相進み補償部25では、現在の情報である信号ω3から6サンプリング前の情報(いわゆるZ変換での1/Z6)を減算した後、微分定数Tsを乗算することで、位相進み補償を行っていたが、6サンプリング前の情報に限られず、適宜の数だけ前のサンプリング情報を用いてもよい。
3 角速度センサ
4 ブレ補正レンズ
6 VCM
7 補正レンズ位置検出部
20 レンズCPU
21 支持状態判定部
22 追従制御部
22a 第1演算部
22b 第2演算部
23 目標位置変換部
24 HPF処理部
24a ローパスフィルタ
25 位相進み補償部
26 補正式演算部
27 積分演算部
28 速度バイアス演算部
29 位置バイアス演算部
50 第1テーブル
60 第2テーブル
100 ブレ補正装置
Claims (6)
- 撮像装置の振れを検出する振れ検出部と、
前記振れ検出部の出力に応じて、像ブレを光学的に補正するように動作するブレ補正部と、
前記ブレ補正部の位置を検出する位置検出部と、
前記振れ検出部の出力に基づいて、前記撮像装置の支持状態が手持ちか固定かを判定する支持状態判定部と、
前記振れ検出部の出力に基づいて、前記ブレ補正部の目標速度を演算する目標速度演算部と、
前記位置検出部の出力又は前記目標速度から算出される前記ブレ補正部の位置に基づいて、前記目標速度の変更量を決定する速度バイアス演算部と、
を備え、
前記速度バイアス演算部は、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に、前記目標速度の変更量を大きくすること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項1に記載のブレ補正装置において、
前記速度バイアス演算部は、
前記位置検出部の出力と前記目標速度の変更量との関係が、3次式で示される第1テーブルと、1次式で示される第2テーブルと、
を備え、
前記速度バイアス演算部は、前記支持状態判定部が手持ちと判定した場合に、前記第1テーブルを用いて、前記目標速度の変更量を決定し、
前記支持状態判定部が固定と判定した場合に、前記第2テーブルを用いて、前記目標速度の変更量を決定すること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 撮像装置の振れを検出する振れ検出部と、
前記振れ検出部の出力に応じて、像ブレを光学的に補正するように動作するブレ補正部と、
前記振れ検出部の出力に基づいて、前記撮像装置の支持状態が手持ちか固定かを判定する支持状態判定部と、
前記振れ検出部で検出した信号の低周波数成分を抽出するローパスフィルタと、
を備え、
前記ローパスフィルタは、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に、パラメータを高周波側に変更し、
前記ブレ補正部は、前記振れ検出部の出力と前記ローパスフィルタとの差信号に基づいて、像ブレを補正するように動作すること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 撮像装置の振れを検出する振れ検出部と、
前記振れ検出部の出力に応じて、像ブレを光学的に補正するように動作するブレ補正部と、
前記振れ検出部の出力に基づいて、前記撮像装置の支持状態が手持ちか固定かを判定する支持状態判定部と、
前記振れ検出部の位相遅れを補償するための位相補償演算部と、
を備え、
前記位相補償演算部は、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に、補償動作を解除、又は、パラメータを変更すること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 撮像装置の振れを検出する振れ検出部と、
前記振れ検出部の出力に応じて、像ブレを光学的に補正するように動作するブレ補正部と、
前記振れ検出部の出力に基づいて、前記撮像装置の支持状態が手持ちか固定かを判定する支持状態判定部と、
前記振れ検出部の出力に基づいて、前記ブレ補正部の目標位置を演算する目標位置演算部と、
前記目標位置演算部のゲインを圧縮する位置バイアス演算部と、
を備え、
前記位置バイアス演算部は、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に、ゲインの圧縮を解除すること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 撮像装置の振れを検出する振れ検出部と、
前記振れ検出部の出力に応じて、像ブレを光学的に補正するように動作するブレ補正部と、
前記ブレ補正部の位置を検出する位置検出部と、
前記振れ検出部の出力に基づいて、前記撮像装置の支持状態が手持ちか固定かを判定する支持状態判定部と、
前記振れ検出部の出力に基づいて、前記ブレ補正部の目標位置を演算する目標位置演算部と、
前記位置検出部から得られた位置情報に基づいて、前記目標位置に追従させるように前記ブレ補正部を制御する駆動制御部と、
を備え、
前記駆動制御部は、
フィードバック演算を行う第1演算部と、
前記目標位置を示す信号に所定のゲインを乗算した値と、前記第1演算部の出力値とを加算して、フィードフォワード演算を行う第2演算部と、
を備え、
前記駆動制御部は、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に、前記ゲインを負に設定すること、
を特徴とするブレ補正装置。
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