JP4396117B2 - ブレ補正装置及び光学装置 - Google Patents
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Description
本発明は、カメラ、レンズ、ビデオ、双眼鏡等の光学装置でレンズの一部又は全部を動かすことにより像ブレを補正するブレ補正装置及び光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のブレ補正装置は、カメラのブレを防止するために、カメラの振れを検知し、カメラの振れに沿って、レンズの一部を動かすことにより、フィルム面上の像ブレを補正するものである。
【0003】
図9は、カメラのブレを補正するブレ補正システムの概念図である。
カメラ2のブレは、6自由度を有しており、3自由度の回転運動であるピッチング・ヨーイング・ローリング運動と、3自由度の並進運動であるX・Y・Z方向の運動とに分けられる。カメラのブレ補正は、通常、ピッチング,ヨーイングの2自由度の運動に対して行っている。
【0004】
カメラのブレ運動は、角速度センサ3x,3yによりモニタされる。角速度センサ3x,3yは、通常回転により生じるコリオリ力を検出する圧電振動式角速度センサであって、角速度センサ3xは、ピッチングブレ検出用の角速度計であり、角速度センサ3yは、ヨーイングブレ検出用の角速度計である。
【0005】
ブレ補正を行う場合には、この角速度センサ3x,3yの出力をCPU20に送り、CPU20は、ブレ補正レンズ4の目標駆動位置を算出する。CPU20は、ブレ補正レンズ4を目標駆動位置に駆動するために、電圧ドライバー32x,32yに指示信号を送り、電圧ドライバー32x,32yは、この指示信号に沿ってそれぞれVCM6x,6yへの電力供給を行う。このVCM6x,6yによって、ブレ補正レンズ4が駆動される。このようにブレに応じてブレ補正レンズ4を駆動することにより、ブレ補正を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、3脚固定時のブレ(3脚ブレ)も問題視されている。3脚にカメラを固定しても像ブレを生じてしまうことは周知である。そのブレ角は、0.001〜0.01deg程度あり、焦点距離400mmの望遠型レンズを用いて撮影を行うと、像面において70μm程度のブレとなる。
3脚固定時の3脚ブレを補正する場合に、3脚固定時のセンタバイアスの影響を考慮する必要がある。センタバイアス技術は、補正範囲をピッチ方向、ヨー方向にそれぞれ均等に持たせるために用いられている。具体的には、センタバイアスを掛けることにより、ブレ補正レンズ4を可動範囲の中心付近に位置させ、X及びY方向(図中、ブレ補正レンズ4の座標軸に対応)の可動量をほぼ均等にすることが可能となる。
【0007】
しかし、3脚固定時に、ブレ補正レンズ4にブレが加わらなくなると、ブレ補正レンズ4は、センタバイアスの影響で、ブレ補正レンズ4の可動中心に向かって、ゆっくりと動き出してしまう。このブレ補正レンズ4の動きによって、ファインダー内の像も移動することになる。この像の移動は、撮影者等にとって、不快な動きとなる。
【0008】
本発明の課題は、3脚固定時に、ブレ補正レンズが可動中心に向かって動き出すことを抑え、像の不快な動きを抑制することができるブレ補正装置及び光学装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、振れを検出する振れ検出部(3)と、像ブレを補正するブレ補正部(4)と、前記ブレ補正部(4)を駆動する駆動部(6)と、前記ブレ補正部(4)の位置を検出する位置検出部(7)と、前記振れ検出部(3)の出力から前記ブレ補正部(4)の目標位置信号(Ic)を演算し、前記目標位置信号(Ic)に基づいて、前記駆動部(6)を制御する駆動制御部(20,S102,103,111,112,113)と、前記位置検出部(7)から得られた位置情報(Ir)又は前記目標位置信号(Ic)に基づいて、前記目標位置信号(Ic)に対して、前記ブレ補正部(4)が所定の向心位置へ向かうようにバイアスを与えるバイアス部(20,S101)と、前記バイアス部(20,S101)の前記向心位置を修正するバイアス修正部(20,S104〜110)と、を備えたブレ補正装置であって、前記振れ検出部の出力から前記ブレ補正装置が搭載された機器の支持状態が手持ちか固定かを、前記ブレ補正部による補正が開始されてから補正が停止するまで繰り返し判定する支持状態判定部(20,S104)を備え、前記バイアス修正部は、前記支持状態判定部が手持ちであると判定したとき、前記ブレ補正部の可動中心位置を前記向心位置とし、前記支持状態判定部が手持ちであると判定した後に固定であると判定したとき、前記向心位置を前記可動中心位置から前記固定であると判定されたときの前記ブレ補正部の位置に修正すること、を特徴とするブレ補正装置である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のブレ補正装置において、前記バイアス修正部は、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に前記ブレ補正部を前記向心位置へ向かわせる前記バイアスの力が、前記支持状態判定部が手持ちと判定した場合に前記ブレ補正部を前記向心位置へ向かわせる前記バイアスの力よりも強くなるように前記バイアスの力を修正すること、を特徴とするブレ補正装置である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のブレ補正装置において、前記振れ検出部で検出した信号の高周波数ノイズ成分を除去するローパスフィルタを備え、前記駆動制御部は、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に、前記ローパスフィルタのパラメータを高周波側に変更すること、を特徴とするブレ補正装置である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のブレ補正装置を含むことを特徴とする光学装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態について、更に詳しく説明する。
図1は、本発明によるブレ補正システム100の実施形態の概要を示すブロック図である。なお、本明細書中、ブレ補正とは、ピッチング方向とヨーイング方向の補正を行うことをいう。また、図1では、ピッチング方向のブレ補正システム100について説明するが、ヨー方向のブレ補正システムに関しても同様である。また、カメラ2は、図9で示したカメラ2のYZ平面での断面図に対応しており、同一部材には、同一符号を付し、重複部分についての説明を適宜省略する。
【0014】
本実施形態によるブレ補正システム100は、カメラ2、レンズCPU20等を備えている。カメラ2とレンズCPU20は、ローパスフィルタ(以下、適宜LPFとする)31、電圧ドライバー32x,32y等を介して接続されている。また、レンズCPU20は、レンズ接点33を介して、ボディCPU40、レリーズスイッチ41等に接続されている。
カメラ2は、鏡筒1等を備えている。鏡筒1は、撮影光学系のレンズ9,10,11と、レンズ9,10,11の支持台12,13,14と、角速度センサ3と、ブレ補正レンズ4と、ブレ補正レンズ4を固定するためのレンズ室5と、ブレ補正レンズ4を駆動するためのVCM6と、ブレ補正レンズ4の位置を検出するための補正レンズ位置検出部7と、ブレ補正レンズ4のロック部8と、ブレ補正SW15等を備えている。また、ブレ補正レンズ4は、ピッチング方向のブレによる光軸16の傾きを補正するように上下に移動できる。
【0015】
以下、各部材の機能等について詳しく説明する。
図2は、角速度センサ3の支持構造を示す図である。
角速度センサ3は、振れを検出する振動ジャイロ型のセンサであり、図2に示すように、弾性支持されている。この角速度センサ3は、電気基板18のランド部(不図示)に半田付けされている。電気基板18は、穴部18aを有し、この穴部18aには、ブチルゴム製等のブッシュ部19がはめ込まれ、ネジ17によって鏡筒1に固定されている。
【0016】
ブッシュ部19を用いる理由は、一連の露光シーケンス中、ミラーのアップ、ダウン動作やシャッタ走行に伴うインパルス的な衝撃を角速度センサ3に伝わり難くするためである。
また、ブッシュ部19の硬度について説明する。カメラを3脚に固定した際に生じる振れの周波数帯域は約4〜35Hzであり(図3参照)、撮影者がカメラを手でホールドしたときの振れの周波数帯域に比べて高いので、ブッシュ部19の硬度を低くすると3脚振れの周波数に対して角速度センサ3の出力に遅れを生じてしまう。そのため、ブッシュ部19の硬度は、3脚振れの周波数より高い共振周波数で支持されるように設定されている。
【0017】
図1の説明に戻る。角速度センサ3の出力は、ローパスフィルタ31を介して高周波数ノイズ成分の除去を行う。次に、A/Dコンバータで量子化され、レンズCPU20内に入力される。
レンズCPU20内に入力された角速度データω1は、その中心レベルを得るために、LPF処理部21でLPF処理が行われる。また、このLPF処理は、角速度センサ3のドリフトの影響を排除する機能も兼ねている。
【0018】
LPF処理では、カットオフ周波数fcの異なるLPF1とLPF2を選択的に用いる。
LPF1は、通常撮影用のカットオフ周波数を有するフィルターであり、例えば、0.1Hz程度のカットオフ周波数に設定する。
LPF2は、3脚判定時(ブレ判定方法に関しては、後述する)に用いるフィルターであり、例えば、2Hz程度のカットオフ周波数に設定する。また、カットオフ周波数の関係は、LPF1<LPF2とする。
【0019】
ここで、カットオフ周波数の選択について説明する。
図3は、角速度センサ3のドリフト、手振れ及び3脚振れの周波数分布を示す図である。なお、横軸を周波数、縦軸をブレ角度とする。
図3に示したように、手持ち撮影時の振れの周波数帯域は、約0.1〜10Hz、3脚固定時の周波数帯域は、約4〜35Hzであり、周波数帯域が異なる。また、角速度センサ3は、電源投入時に、その出力にドリフトが生じる。手持ち撮影の場合には、カットオフ周波数fcをLPF1に設定し、角速度センサ3のドリフト成分を極力除去するようにする。
【0020】
3脚固定時の場合には、カットオフ周波数fcをLPF2とする。3脚振れの周波数成分は、手振れの周波数成分と比較して高い周波数に位置する。また、3脚ブレ角度は、手振れに比較して小さく、相対的に角速度センサ3のドリフトの影響を受けやすくなる。
従って、3脚ブレ補正時には、LPF処理部21のカットオフ周波数fcを手ブレ補正時のfcと比較して高く設定(LPF1<LPF2)し、ドリフトの除去効果を高める必要がある。
【0021】
図1の説明に戻る。LPF処理部21の出力ω2が角速度データω1から減算され、補正する必要のある角速度データω3が演算により求められる。
速度バイアス処理部22は、減算後の角速度データω3から速度バイアスデータs1を減算する。速度バイアス処理は、ブレ補正レンズ4にバイアス中心位置Biniへの向心力を与えるためのものである。この速度バイアスデータs1は、補正レンズ位置検出部7で検出された補正レンズ位置情報lrから、バイアス中心位置Biniを減算処理した後に、速度バイアステーブルを乗算して求められる。バイアス中心位置Biniは変数である。
【0022】
ここで、速度バイアステーブルについて説明する。
図4は、速度バイアス処理部22で用いられる速度バイアステーブルを示す図である。なお、横軸を補正レンズ位置lr、縦軸を速度バイアスデータs1とする。
速度バイアスデータs1は、補正レンズ位置lrの3次関数である。速度バイアス定数KBは、通常撮影用のKB1と3脚判定時のKB2と2種類の定数を有している。KB1とKB2の関係は、KB1<KB2であり、3脚判定時の方がよりセンタバイアス力は強く作用する。これは、3脚固定時のブレ量が小さいために、角速度センサ3のドリフトによって、ブレ補正レンズ4が過剰に動いてしまうのを防ぐためである。
また、本実施形態では、速度バイアステーブルを3次関数としたが、2次又は1次としてもよい。また、速度バイアスデータs1の演算に、補正レンズ位置lrの代わりに、補正レンズ目標位置lcを用いても同等の結果が得られることは自明である。
【0023】
図1の説明に戻る。速度バイアスデータs1を角速度データω3から減算後に(角速度データω4=ω3−s1とする)、目標速度変換部23は、ズームエンコーダ24から得られる焦点距離情報fと、フォーカシングエンコーダ25により得られる被写体(絶対)距離情報Dと、EEPROM26に書き込まれたレンズ固有の情報αとに基づいて、角速度データω4を、ブレ補正レンズ4の目標速度情報Vcに変換する。
目標速度情報Vcは、以下の数式で算出される。
Vc=β×D×ω4/α
β:横倍率(焦点距離情報fと被写体距離情報Dとから算出される値)
α:ブレ補正係数(ブレ補正レンズ4の駆動量に対するフィルム面上での補正比)
ブレ補正レンズ4の目標速度情報Vcは、積算演算部27に入力され目標位置情報lcに変換され、制御部28に入力される。制御部28は、ブレ補正レンズ4の目標位置情報lc通りにブレ補正レンズ4が駆動されるように追従制御を行う。制御部28の入力部は、ブレ補正レンズ4の目標位置情報lcであり、また、もう一つの入力部は、補正レンズ位置検出部7によって得られたブレ補正レンズ4の位置情報lrである。
【0024】
制御部28は、ブレ補正レンズ4の目標位置情報lcとレンズ位置情報lrの偏差を用いてPID制御を行う。
図5は、制御部28の動作原理を示すブロック図である。
制御部28は、まず、目標位置情報lcからレンズ位置情報lrを減算し、その数値に比例定数Kpを乗算する(比例項)。
更に、目標位置情報lcからレンズ位置情報lrを減算した結果と、1サンプリング前の減算した情報とを加算し、その数値に積分定数Kiを乗じる(積分項)。
また、目標位置情報lcからレンズ位置情報lrを減算した結果から、1サンプリング前の減算した情報を減算し、その数値に微分定数Kdを乗算する(微分項)。ここで、ZはZ変換を表し、1/Zは1サンプリング前の情報を示す。
比例定数Kpを掛けた結果と積分定数Kiを掛けた結果と微分定数Kdを掛けた結果、全てを加算しPID制御部の出力とする。
【0025】
図1の説明に戻る。制御部28の出力は、デジタル駆動信号として、D/Aコンバータを介して、電圧ドライバー32x,32yに入力される。電圧ドライバー32xは、駆動信号に対し、スイッチングを行い、ブレ補正レンズ4の駆動用VCM6のコイル部(不図示)に電圧を印加し、VCM6の駆動を行う。また、ブレ補正レンズ4の位置は、補正レンズ位置検出部7によってモニタされ、A/Dコンバータを介して、レンズCPU20内の制御部28にフィードバックされる。また、レンズCPU20は、電圧ドライバー32yを介して、ロック部8への通電を制御し、ブレ補正レンズ4のロック、アンロックの駆動指示を行うことができる。
【0026】
レンズCPU20は、レンズ接点33を介して、ボディCPU40と通信を行う。ボディCPU40には、レリーズスイッチ41の情報が入力され、レリーズスイッチ41が半押し又は全押しされたかを検知することができる。レリーズスイッチ41の半押しONに同期して、ボディCPU40からブレ補正開始コマンドが、また、半押しOFFに同期して、ブレ補正停止コマンドがレンズCPU20に送られる。
【0027】
レンズCPU20は、ブレ補正SW15の状態をモニタする。レンズCPU20は、ブレ補正SW15がONであれば、ブレ補正制御を行い、ブレ補正SW15がOFFであれば、カメラ2からのブレ補正開始コマンドを無視して、ブレ補正制御を行わない。
【0028】
次に、ブレ判定方法について説明する。
図6は、ブレ判定の処理を詳細に示す図である。なお、この処理は、後述する図7のステップS104に対応している。
ブレ判定は、カメラが手持ちの状態か、3脚などに固定された状態かを判断するものである。ブレ判定は、角速度センサ3のドリフト成分を除去した角速度データω3(図1参照)に対して行う。また、手持ちのときに検出される角速度データω3は、3脚などに固定されているときと比較して振幅が大きく、周波数も低くなる。一方、固定されているときに検出される角速度データω3は、振幅が小さく、周波数が高い。
【0029】
そこで、図6に示すように、振幅値にしきい値ωkを設定し、サンプリング間隔stで振幅値を取り込み、しきい値ωkと振幅値の大小を比較し、しきい値より大きい回数を一定時間(n×st時間)カウントする。
図中では、丸で囲んだ部分がカウントされる。カウント回数kが一定時間内に、あるしきい回数rより大きくなった場合(r=<k)に、手ブレと判定する。逆に、カウント回数がr>kであれば3脚固定と判断する。判定を終了すると、カウント回数kを0にリセットする。
【0030】
図7は、本発明によるブレ補正システム100でのバイアス中心位置の選択方法に関するフローチャートである。なお、以下の各ステップ(S101〜113)は、レンズCPU20の各処理を示している。フロー図は、ブレ補正SW15がONの状態で、レリーズ半押しONとなって、ブレ補正が開始される時点から示す。
【0031】
ステップS101で初期値設定が行われる。初期設定では、3脚用のカットオフ周波数fc=LPF2、バイアス定数KB=KB2が設定される。また、バイアス中心位置Biniをロック中心位置に、目標レンズ位置lcをロック中心位置に設定し、さらに、FLAG=1に設定する。
ここで、FLAGについて説明すると、FLAGは、3脚固定用のカットオフ周波数とバイアス定数が設定された場合に、FLAG=1を設定し、一方、手振れ用のカットオフ周波数とバイアス定数が設定された場合に、FLAG=0を設定する。
【0032】
ステップS102では、制御が開始され、ブレ補正レンズ4が目標レンズ位置lc(この場合は、ロック中心位置)に向かって移動し、ロック解除可能な状態とする。
ステップS103では、ロックが解除される。
ステップS104では、ブレ判定がなされる(図6参照)。手ブレであると判断されればステップS105へ、3脚固定であると判断されればステップS106へ進む。
ステップS105では、手振れ用のカットオフ周波数fc=LPF1、バイアス定数KB=KB1が設定され、さらに、バイアス中心位置Biniをロック中心位置に設定する。次のステップS107においてFLAGが0に設定され、ステップS110へ進む。
【0033】
一方、ステップS104のブレ判定において3脚固定であると判断された場合に、ステップS106に進み、FLAG=0か否か判定される。FLAG=0がYesであれば、前回のブレ判定において手ブレと判定されていたことを意味するので、次のステップS108に進み、3脚用のfc=LPF2、バイアス定数KB=KB2とし、バイアス中心位置Biniを現在のレンズ位置lrに設定する。
但し、バイアス中心位置Biniは、ブレ補正レンズ4のソフトリミットに対し、余裕を持たせる必要がある。この理由は、ブレ補正レンズ4がソフトリミットに達すると、ブレ補正効果を失ってしまうからである。具体的には、バイアス中心位置Biniがソフトリミット近傍にある場合、ブレ補正レンズ4は、バイアス中心位置Biniを駆動中心として動作することになり、ブレ補正レンズ4がソフトリミットに達する可能性が高くなってしまうことを想定している。
【0034】
ステップS109でFLAG=1とし、ステップS110へ進む。ステップS106において、FLAG=0がNoと判断された場合に、前回のブレ判定でも3脚固定と判定されていたことを意味するので、バイアス中心位置Biniの再設定は行わず、そのままステップS109へ進む。ステップS109ではFLAG=1に設定され、ステップS110へ進む。
【0035】
ステップS110では、ブレ補正ストップか否か判断され、YesならステップS111へ進み、ブレ補正レンズ4をロック可能な位置に移動させ、制御停止となる。続くステップS112でロックがなされ、ステップS113でENDとなる。一方、NOであればブレ補正継続となり、再びステップS104へ戻りブレ判定がなされる。
【0036】
次に、図8を用いて、バイアス中心位置Biniを変更することによる効果を説明する。図8(a)は、バイアス中心位置を変更できない従来例の波形図であり、同じく図8(b)は、バイアス中心位置を変更できる本実施形態の波形図である。なお、横軸を時間time、縦軸をブレ補正レンズ4の位置lrとする。
ここで、図中aの領域は、ブレが大きく3脚固定判定が行われなかった領域を示し、また、図中bの領域は、3脚固定判定が行われた領域を示す。この状況の具体例としては、3脚にカメラを固定した状態でコマンドダイヤル等の操作を行った結果、大きく揺らしてしまい、手ブレと判定され、手ブレ補正が行われ(図中a領域)、そして、揺れが徐々に小さくなり、3脚固定判定され、3脚ブレ補正が行われる(図中b領域)という例が挙げられる。
【0037】
図8(a)中の波形Xは、バイアス中心位置がブレ補正レンズ4の可動範囲中心位置であるlr0、1ヶ所のみに設定されている場合(従来例)の波形である。従来例では、この波形Xに示すように、3脚固定判定されると、ブレ補正レンズ4はセンタリングされるため、現在のレンズ位置+lr1からバイアス中心位置lr0に向かって移動する。このときファインダー内の像も、ブレ補正レンズ4の移動とともに動いてしまう。このセンタリングの移動は、手持ちのときは、ブレ量が大きいため分かり難いが、3脚固定時はブレ量が小さいので、この動きが目立つ。
【0038】
一方、図8(b)中の波形Yは、本実施形態に示す、バイアス中心位置Biniを変更することができる場合の波形である。
本実施形態によれば、この波形Yに示すように、3脚判定されたときに、バイアス中心位置Biniを初期設定のlr0から現在のブレ補正レンズ4の補正レンズ位置+lr1に再設定することで、現在のブレ補正レンズ4の位置を中心にバイアスをかけ、ブレ補正レンズ4がロック中心位置に向かって動き出すことを抑え、像の不快な動きを抑制することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、(1)位置検出部から得られたブレ補正部の位置情報、又は、振れ検出部の出力から得られたブレ補正部の目標位置信号に基づいて、この目標位置信号に対して、ブレ補正部が所定の向心位置へ向かうようにバイアスを与えると共に、この向心位置を修正できるようにしたので、3脚固定時に、ブレ補正レンズが可動中心に向かって動き出すことを抑え、像の不快な動きを抑制することができる。
【0040】
(2)3脚固定時に、その判定時のブレ補正レンズの中心位置を、向心位置とするようにしたので、ブレ補正レンズの移動距離を小さくすることができる。
【0041】
(3)3脚固定時に、ブレ補正レンズが向心位置に向かうバイアス量を強くするようにしたので、ブレ補正レンズが過剰に動くことを抑制することができる。
【0042】
(4)3脚固定時に、ローパスフィルタのパラメータを高周波側に変更するようにしたので、3脚ブレに伴う高周波からノイズ成分を除去し、ブレ補正レンズの向心位置を高い精度で算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブレ補正システム100の実施形態の概要を示すブロック図である。
【図2】角速度センサ3の支持構造を示す図である。
【図3】角速度センサ3のドリフト、手振れ及び3脚振れの周波数分布を示す図である。
【図4】速度バイアス処理部22で用いられる速度バイアステーブルを示す図である。
【図5】制御部28の動作原理を示すブロック図である。
【図6】ブレ判定の処理を詳細に示す図である。
【図7】本発明によるブレ補正システム100でのバイアス中心位置の選択方法に関するフローチャートである。
【図8】(a)バイアス中心位置を変更できない従来例の波形図、(b)バイアス中心位置を変更できる本実施形態の波形図である。
【図9】カメラのブレを補正するブレ補正システムの概念図である。
【符号の説明】
3 角速度センサ
4 ブレ補正レンズ
6 VCM
7 補正レンズ位置検出部
20 レンズCPU
21 LPF処理部
22 速度バイアス処理部
23 レンズ目標速度変換部
27 積分演算部
28 制御部
31 ローパスフィルタ
100 ブレ補正システム
Ic 補正レンズ目標位置
Ir 補正レンズ位置
Claims (4)
- 振れを検出する振れ検出部と、
像ブレを補正するブレ補正部と、
前記ブレ補正部を駆動する駆動部と、
前記ブレ補正部の位置を検出する位置検出部と、
前記振れ検出部の出力から前記ブレ補正部の目標位置信号を演算し、前記目標位置信号に基づいて、前記駆動部を制御する駆動制御部と、
前記位置検出部から得られた位置情報又は前記目標位置信号に基づいて、前記目標位置信号に対して、前記ブレ補正部が所定の向心位置へ向かうようにバイアスを与えるバイアス部と、
前記バイアス部の前記向心位置を修正するバイアス修正部と、を備えたブレ補正装置であって、
前記振れ検出部の出力から前記ブレ補正装置が搭載された機器の支持状態が手持ちか固定かを、前記ブレ補正部による補正が開始されてから補正が停止するまで繰り返し判定する支持状態判定部を備え、
前記バイアス修正部は、前記支持状態判定部が手持ちであると判定したとき、前記ブレ補正部の可動中心位置を前記向心位置とし、前記支持状態判定部が手持ちであると判定した後に固定であると判定したとき、前記向心位置を前記可動中心位置から前記固定であると判定されたときの前記ブレ補正部の位置に修正すること、を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項1に記載のブレ補正装置において、
前記バイアス修正部は、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に前記ブレ補正部を前記向心位置へ向かわせる前記バイアスの力が、前記支持状態判定部が手持ちと判定した場合に前記ブレ補正部を前記向心位置へ向かわせる前記バイアスの力よりも強くなるように前記バイアスの力を修正すること、を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のブレ補正装置において、
前記振れ検出部で検出した信号の高周波数ノイズ成分を除去するローパスフィルタを備え、
前記駆動制御部は、前記支持状態判定部が固定と判定した場合に、前記ローパスフィルタのパラメータを高周波側に変更すること、を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のブレ補正装置を含むことを特徴とする光学装置。
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