JPH04328034A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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JPH04328034A
JPH04328034A JP3128527A JP12852791A JPH04328034A JP H04328034 A JPH04328034 A JP H04328034A JP 3128527 A JP3128527 A JP 3128527A JP 12852791 A JP12852791 A JP 12852791A JP H04328034 A JPH04328034 A JP H04328034A
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Japan
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slip
split
road surface
output restriction
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Toshiaki Tsuyama
俊明 津山
Kazutoshi Nobumoto
信本 和俊
Makoto Kawamura
誠 川村
Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
Fumio Kageyama
景山 文雄
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車両のスリップ制御装
置、特にエンジンから左右の駆動輪に至る動力伝達経路
にエンジン出力を分配する差動装置などの駆動力分配手
段を備えた車両において、駆動輪のスリップ状態に応じ
て駆動力を制御するようにしたスリップ制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車両においては、駆動輪が過大な
駆動トルクによりスリップして発進性ないし加速性が低
下するのを防止するために、駆動輪のスリップ時に駆動
力を抑制するトラクション制御を行うようにしたものが
ある。このトラクション制御は、例えば車輪の回転速度
を検出する車輪速センサからの信号に基づいて、駆動輪
の従動輪に対する回転速度差が所定値以上になったとき
に開始され、その回転速度差を所定の目標値に収束させ
るようにエンジン出力ないし制動力をフィードバック制
御することにより、駆動輪に働く駆動力を低減させるも
のである。
【0003】ところで、雪道などの滑り易い路面におい
ては、発進時や加速時に過大なトルクを駆動輪に伝達す
ると、駆動輪が接地する路面との間の摩擦係数の相違に
よって駆動輪に回転速度差が生じて、当該車両が横滑り
と称するスリップ状態になる場合がある。特に、この現
象はエンジンから左右の駆動輪に至る動力伝達経路に差
動装置などの駆動力分配手段を装備した車両で顕著に見
られる。
【0004】このような問題に対しては、例えば特開昭
60−128028号公報に開示されているように、パ
ワープラントからの動力をディファレンシャルギヤを介
して左右の駆動輪に分配するようにした車両において、
左右の駆動輪の回転速度を個別に検出し、これら駆動輪
の回転速度が違う間は上記パワープラントから出力され
る駆動トルクを減少させるようにしたものがある。これ
によれば、左右の駆動輪に回転速度差があるときにはエ
ンジン出力などが低減されることにより、過大な駆動力
が左右の駆動輪に伝達されることがなくなって、上記の
不都合が回避されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、寒冷地など
においては、路面の摩擦状態が左右の駆動輪に対してそ
れぞれ異なる所謂スプリット路面を走行する機会が多い
。その場合に、上記公報記載の従来技術のように、左右
の駆動輪の回転速度が異なる場合に一律に駆動トルクを
減少させるようにすると、例えば一方の車輪が接地する
路面が通常走行に支障のない程度にグリップ力があった
としても、他方の車輪が接地する路面のグリップ力が幾
分不足する場合には、両方の駆動輪の回転速度差によっ
て駆動トルクが減少されることになるので、仮に運転者
が走行したいという意志を持っていたとしても、その意
志に反して十分な発進性ないし加速性が得られないこと
になる。
【0006】そこで、この発明はエンジンから左右の駆
動輪に至る動力伝達経路にエンジン出力を左右の駆動輪
に分配する駆動力分配手段が設けられた車両のスリップ
制御装置において、路面状態に応じて適切なスリップ制
御を行い得るようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係る車両のスリッ
プ制御装置は、図1に示すように、エンジンから左右の
駆動輪に至る動力伝達経路に駆動力を分配する駆動力分
配手段が備えられ、かつ上記左右の駆動輪の路面に対す
るスリップ値をそれぞれ検出する第1、第2スリップ検
出手段A,Bと、これらの検出手段A,Bで検出される
スリップ値が所定の第1閾値を超えたときにエンジン出
力を制限するエンジン出力制限手段Cと、上記各検出手
段A,Bで検出されるスリップ値が所定の第2閾値を超
えたときに、当該駆動輪に制動力を作用させる制動力制
御手段Dとが設けられた車両において、上記第1、第2
スリップ検出手段A,Bで検出される左右の駆動輪のス
リップ値に基づいて各駆動輪が接地する路面に対するス
プリット判定を行うスプリット判定手段Eと、このスプ
リット判定手段Eで路面のスプリット状態が判定された
ときに、上記エンジン出力制限手段によるエンジンの出
力制限を緩和させるエンジン出力制限緩和手段Fとを設
けたことを特徴とする。
【0008】また、本願の請求項2の発明(以下、第2
発明という)に係る車両のスリップ制御装置は、エンジ
ンから左右の駆動輪に至る動力伝達経路に駆動力を分配
する駆動力分配手段が備えられ、かつ上記左右の駆動輪
の路面に対するスリップ値をそれぞれ検出する第1、第
2スリップ検出手段と、これらの検出手段で検出される
スリップ値が所定の第1閾値を超えたときにエンジン出
力を制限するエンジン出力制限手段と、上記各検出手段
で検出されるスリップ値が所定の第2閾値を超えたとき
に、当該駆動輪に制動力を作用させる制動力制御手段と
が設けられた車両において、上記第1、第2スリップ検
出手段で検出される左右の駆動輪のスリップ値に基づい
て各駆動輪が接地する路面に対するスプリット判定を行
うスプリット判定手段と、このスプリット判定手段で路
面のスプリット状態が判定されたときに、上記第1閾値
を増大させることにより上記エンジン出力制限手段によ
るエンジンの出力制限を緩和させるエンジン出力制限緩
和手段とを設けたことを特徴とする。
【0009】そして、本願の請求項3の発明(以下、第
3発明という)に係る車両のスリップ制御装置は、エン
ジンから左右の駆動輪に至る動力伝達経路に駆動力を分
配する駆動力分配手段が備えられ、かつ上記左右の駆動
輪の路面に対するスリップ値をそれぞれ検出する第1、
第2スリップ検出手段と、これらの検出手段で検出され
るスリップ値が所定の第1閾値を超えたときにエンジン
出力を制限するエンジン出力制限手段と、上記各検出手
段で検出されるスリップ値が所定の第2閾値を超えたと
きに、当該駆動輪に制動力を作用させる制動力制御手段
とが設けられた車両において、上記第1、第2スリップ
検出手段で検出される左右の駆動輪のスリップ値に基づ
いて各駆動輪が接地する路面に対するスプリット判定を
行うスプリット判定手段と、このスプリット判定手段で
路面のスプリット状態が判定されたときに、上記エンジ
ン出力制限手段によるエンジンの出力制限を緩和させる
エンジン出力制限緩和手段と、運転者によって操作され
るアクセルペダルの踏込量を検出するアクセルペダル踏
込量検出手段と、上記踏込量検出手段で検出されるアク
セルペダルの踏込量に応じて上記エンジン出力制限緩和
手段によるエンジン出力制限緩和量を増大させるエンジ
ン出力制限緩和量変更手段とを設けたことを特徴とする
【0010】本願の請求項4の発明(以下、第4発明と
いう)に係る車両のスリップ制御装置は、エンジンから
左右の駆動輪に至る動力伝達経路に駆動力を分配する駆
動力分配手段が備えられ、かつ上記左右の駆動輪の路面
に対するスリップ値をそれぞれ検出する第1、第2スリ
ップ検出手段と、これらの検出手段で検出されるスリッ
プ値が所定の第1閾値を超えたときにエンジン出力を制
限するエンジン出力制限手段と、上記各検出手段で検出
されるスリップ値が所定の第2閾値を超えたときに、当
該駆動輪に制動力を作用させる制動力制御手段とが設け
られた車両において、上記第1、第2スリップ検出手段
で検出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆
動輪が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプ
リット判定手段と、このスプリット判定手段で路面のス
プリット状態が判定されたときに、上記第1閾値を増大
させることにより上記エンジン出力制限手段によるエン
ジンの出力制限を緩和させるエンジン出力制限緩和手段
と、運転者によって操作されるアクセルペダルの踏込量
を検出するアクセルペダル踏込量検出手段と、上記踏込
量検出手段で検出されるアクセルペダルの踏込量に応じ
て上記エンジン出力制限緩和手段によるエンジン出力制
限緩和量を増大させるエンジン出力制限緩和量変更手段
とを設けたことを特徴とする。
【0011】本願の請求項5の発明(以下、第5発明と
いう)に係る車両のスリップ制御装置は、エンジンから
左右の駆動輪に至る動力伝達経路に駆動力を分配する駆
動力分配手段が備えられ、かつ左右の駆動輪の路面に対
するスリップ値をそれぞれ検出する第1、第2スリップ
検出手段と、これらの検出手段で検出されるスリップ値
が所定の第1閾値を超えたときにエンジン出力を制限す
るエンジン出力制限手段と、上記各検出手段で検出され
るスリップ値が所定の第2閾値を超えたときに、当該駆
動輪に制動力を作用させる制動力制御手段とが設けられ
た車両において、上記第1、第2スリップ検出手段で検
出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪
が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプリッ
ト判定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリ
ット状態が判定されたときに、上記第1閾値を増大させ
ることにより上記エンジン出力制限手段によるエンジン
の出力制限を緩和させるエンジン出力制限緩和手段と、
運転者によって操作されるアクセルペダルの踏込量を検
出するアクセルペダル踏込量検出手段と、上記踏込量検
出手段で検出されるアクセルペダルの踏込量に応じて上
記エンジン出力制限緩和手段によるエンジン出力制限緩
和量を増大させるエンジン出力制限緩和量変更手段と、
吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を調節するス
ロットル調節手段と、上記踏込量検出手段で検出される
アクセルペダルの踏込量に応じて上記スロットル調節手
段の開きゲインを増大させるスロットルゲイン変更手段
とを設けたことを特徴とする。
【0012】本願の請求項6の発明(以下、第6発明と
いう)に係る車両のスリップ制御装置は、エンジンから
左右の駆動輪に至る動力伝達経路に駆動力を分配する駆
動力分配手段が備えられ、かつ左右の駆動輪の路面に対
するスリップ値をそれぞれ検出する第1、第2スリップ
検出手段と、これらの検出手段で検出されるスリップ値
が所定の第1閾値を超えたときにエンジン出力を制限す
るエンジン出力制限手段と、上記各検出手段で検出され
るスリップ値が所定の第2閾値を超えたときに、当該駆
動輪に制動力を作用させる制動力制御手段とが設けられ
た車両において、上記第1、第2スリップ検出手段で検
出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪
が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプリッ
ト判定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリ
ット状態が判定されたときに、上記第1閾値を増大させ
ることにより上記エンジン出力制限手段によるエンジン
の出力制限を緩和させるエンジン出力制限緩和手段と、
運転者によって操作されるアクセルペダルの踏込量を検
出するアクセルペダル踏込量検出手段と、上記踏込量検
出手段で検出されるアクセルペダルの踏込量に応じて上
記エンジン出力制限緩和手段によるエンジン出力制限緩
和量を増大させるエンジン出力制限緩和量変更手段と、
吸気通路に設けられたスロットル弁の開度を調節するス
ロットル調節手段と、上記踏込量検出手段で検出される
アクセルペダルの踏込量に応じて、上記スロットル調節
手段の開きゲインを増大させ、かつ閉じゲインを減少さ
せるスロットルゲイン設定手段とを設けたことを特徴と
する。
【0013】本願の請求項7の発明(以下、第7発明と
いう)に係る車両のスリップ制御装置は、エンジンから
左右の駆動輪に至る動力伝達経路に駆動力を分配する駆
動力分配手段が備えられ、かつ上記左右の駆動輪の路面
に対するスリップ値をそれぞれ検出する第1、第2スリ
ップ検出手段と、これらの検出手段で検出されるスリッ
プ値が所定の第1閾値を超えたときにエンジン出力を制
限するエンジン出力制限手段と、上記各検出手段で検出
されるスリップ値が所定の第2閾値を超えたときに、当
該駆動輪に制動力を作用させる制動力制御手段とが設け
られた車両において、上記第1、第2スリップ検出手段
で検出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆
動輪が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプ
リット判定手段と、このスプリット判定手段で路面のス
プリット状態が判定されたときに、上記エンジン出力制
限手段によるエンジンの出力制限を緩和させるエンジン
出力制限緩和手段と、当該車両の旋回状態を検出する旋
回状態検出手段と、当該車両の旋回時に上記エンジン出
力制限緩和手段によるエンジン出力の制限緩和動作を規
制するエンジン出力制限緩和動作規制手段とを設けたこ
とを特徴とする。
【0014】本願の請求項8の発明(以下、第8発明と
いう)に係る車両のスリップ制御装置は、エンジンから
左右の駆動輪に至る動力伝達経路に駆動力を分配する駆
動力分配手段が備えられ、かつ上記左右の駆動輪の路面
に対するスリップ値をそれぞれ検出する第1、第2スリ
ップ検出手段と、これらの検出手段で検出されるスリッ
プ値が所定の第1閾値を超えたときにエンジン出力を制
限するエンジン出力制限手段と、上記各検出手段で検出
されるスリップ値が所定の第2閾値を超えたときに、当
該駆動輪に制動力を作用させる制動力制御手段とが設け
られた車両において、上記第1、第2スリップ検出手段
で検出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆
動輪が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプ
リット判定手段と、このスプリット判定手段で路面のス
プリット状態が判定されたときに、上記エンジン出力制
限手段によるエンジンの出力制限を緩和させるエンジン
出力制限緩和手段と、路面状態が悪路か否かを判定する
悪路判定手段と、この悪路判定手段で悪路と判定された
ときに上記エンジン出力制限緩和手段によるエンジン出
力の制限緩和動作を規制するエンジン出力制限緩和動作
規制手段とを設けたことを特徴とする。
【0015】
【作用】まず、第1〜第8発明によれば、トラクション
制御中において左右の駆動輪が接地する路面がスプリッ
ト状態であると判定されたときには、スリップ状態の駆
動輪に制動力を作用させた状態でエンジンの出力制限が
緩和されるので、駆動力分配手段に駆動トルクを制限す
る機能を持たせることなく良好な加速性が得られること
になる。
【0016】特に、第2発明によれば、エンジン出力を
制限する第1閾値を増大することによりエンジンの出力
制限を緩和するようになっているので、従来のトラクシ
ョン制御に大幅な仕様変更を加えることなくスプリット
路面に対応することが可能となる。
【0017】また、第3、第4発明によれば、アクセル
ペダルの踏込量に応じてエンジン出力制限緩和量が増大
されるので、運転者の加速意志を反映する加速性が得ら
れることになる。
【0018】第5発明によれば、アクセルペダルの踏込
量に応じてスロットルの開きゲインが増大されるので、
エンジンレスポンスが向上することになって、より運転
者の加速意志を反映する加速性が得られることになる。
【0019】なお、第6発明によっても第5発明の同様
な効果が得られることになる。
【0020】そして第7発明によれば、車体が不安定に
なる旋回時にはエンジン出力が過度に上昇することがな
くなうので、車体の安定性が良好に保たれることになる
【0021】さらに第8発明によれば、駆動輪の挙動が
不安定になる悪路においてはエンジン出力の制限緩和が
規制されるので、誤判定による誤動作が回避されること
になる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0023】図2に示すように、この実施例に係る車両
は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4が駆
動輪とされていると共に、エンジン5の出力トルクが変
速機6からプロペラシャフト7、差動装置8及び左右の
駆動軸9,10を介して左右の後輪3,4に伝達される
ようになっている。
【0024】そして、上記各車輪1〜4には、これらの
車輪1〜4と一体回転するディスク11a〜14aと、
制動圧の供給を受けて、これらのディスク11a〜14
aの回転を制動するキャリパ11b〜14bなどでなる
ブレーキ装置11〜14がそれぞれ備えられていると共
に、これらのブレーキ装置11〜14を制動操作させる
ブレーキ制御システム15が設けられている。
【0025】このブレーキ制御システム15は、運転者
によるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装
置17と、この倍力装置17によって増大された踏込力
に応じた制動圧を発生させるマスターシリンダ18とを
有する。このマスターシリンダ18から導かれた前輪用
制動圧供給ライン19,20が左右の前輪1,2におけ
るブレーキ装置11,12のキャリパ11b,12bに
それぞれ接続されている。そして、上記マスターシリン
ダ18で発生するブレーキペダル16の踏込力に応じた
制動圧が、各前輪用制動圧供給ライン19,20を介し
て左右の前輪1,2におけるブレーキ装置11,12に
ダイレクトに供給され、これらの制動圧に応じた制動力
で前輪1,2がそれぞれ制動されることになる。
【0026】一方、上記倍力装置17にはポンプ21か
らの作動圧を供給する作動圧供給ライン22と、該倍力
装置17で生じた余剰のブレーキオイルをリザーバタン
クに戻すリターンライン23とが接続されていると共に
、倍力装置17から導かれた第1制動圧供給ライン24
と、上記作動圧供給ライン22のポンプ吐出側から分岐
された第2制動圧供給ライン25とには、電磁式の第1
、第2開閉弁26,27がそれぞれ設置されている。 第1制動圧供給ライン24には、上記第1開閉弁26に
並列に逆流防止用のチェック弁28が設置されている。 また、上記第1、第2制動圧供給ライン24,25は点
Xで合流されて、その合流点Xから左右の後輪3,4に
おけるブレーキ装置13,14のキャリパ13b,14
bに後輪用制動圧供給ライン29,30が導かれている
と共に、これらの制動圧供給ライン29,30上には、
電磁式の開閉弁31,32とリリーフ弁33,34とが
それぞれ設置されている。
【0027】一方、エンジン5の吸気通路35には運転
者によって操作されるアクセルペダル36に連結された
メインスロットル弁37と、スロットル開度調節アクチ
ュエータ38に連結されたサブスロットル弁39とが設
置されていると共に、これらのスロットル弁37,39
の開度を調節することにより、エンジン5の吸入空気量
が可変制御されてエンジン出力が調節されるようになっ
ている。
【0028】そして、トラクション制御を行う電子制御
式のコントロールユニット(以下、ECUという)40
が備えられており、このECU40は各車輪1〜4の回
転速度を検出する車輪速センサ41〜44からの信号と
、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ45
からの信号と、左後輪3のブレーキ装置13に通じる後
輪用制動圧供給ライン29における開閉弁31の下流側
に設置されて該ブレーキ装置13に供給される制動圧を
検出する第1圧力センサ46と、右後輪4のブレーキ装
置14に通じる後輪用制動圧供給ライン30における開
閉弁32の下流側に設置されて該ブレーキ装置14に供
給される制動圧を検出する第2圧力センサ47と、上記
アクセルペダル36の踏込量を検出するアクセルポジシ
ョンセンサ48からの信号と、舵角を検出する舵角セン
サ49からの信号とを入力し、これらの信号に基づいて
上記ブレーキ制御システム15における開閉弁26,2
7.31,32及びリリーフ弁33,34の作動と、上
記サブスロットル弁29の開度を調節する上記スロット
ル開度調節アクチュエータ38の作動とを制御するよう
になっている。つまり、ECU40からの制御信号で、
図示のように第1制動圧供給ライン24上の第1開閉弁
24が開き、第2制動圧供給ライン25上の第2開閉弁
27が閉じ、かつ後輪用制動圧供給ライン29,30上
の開閉弁31,32が開かれている場合には、倍力装置
17で発生されるブレーキペダル16の踏込力に応じた
制動圧が、第1制動圧供給ライン24を介して左右の後
輪3,4におけるブレーキ装置13,14に供給され、
これらの制動圧に応じた制動力で後輪3,4がそれぞれ
制動される。
【0029】一方、ECU40は、ブレーキ制御による
トラクション制御を行う場合は、上記第1開閉弁26を
閉ざすと共に、第2開閉弁27を開動させる。したがっ
て、ポンプ21で発生される作動圧が倍力装置17を介
することなく、制動圧として後輪用制動圧供給ライン2
9,30に供給される。
【0030】そして、上記各車輪速センサ41〜44か
らの信号により例えば左側の後輪3のスピン状態を検出
したとき、つまり従動輪である前輪1,2の回転速度を
平均した平均前輪速VFを基準として駆動輪である後輪
3の回転速度が大きいことを検出したときには、一方の
後輪用制動圧供給ライン29上の開閉弁31及びリリー
フ弁33をデューティ制御によって開閉することにより
、スリップの状態に応じた制動圧で該後輪3に制動力を
付与する。なお、右側の後輪4のスピン状態が検出され
たときには、他方の後輪用制動圧供給ライン30上の開
閉弁32及びリリーフ弁34がデューティ制御によって
開閉されて、スリップの状態に応じた制動圧で該後輪4
に制動力が付与されることになる。つまり、この実施例
においては、左右の後輪3,4に負荷される制動力が独
立して制御されるようになっている。
【0031】特に、この実施例においては、上記ECU
40は上記車輪速センサ41〜44から入力した信号に
基づいて路面状態のスプリット判定を行うようになって
いる。すなわち、ECU40は制御サイクルごとに上記
各車輪速センサ41〜44から入力した信号に基づいて
駆動輪である左右の後輪3,4のスピンパターンを逐次
決定すると共に、メモリ50に記憶させた前回のスピン
パターンと今回のスピンパターンとを予めROM化され
たスプリット判定マップに照らし合わせてスプリット判
定を行う。そして、その他の所定の実行条件が満足され
たときにスプリット制御フラグFSを1にセットすると
共に、所定の解除条件が満足されたときにスプリット制
御フラグFSを0にリセットするようになっている。
【0032】なお、ECU40にはスプリット制御を管
理するためのタイマー51が接続されている。
【0033】次に、本実施例におけるトラクション制御
について説明すると、このトラクション制御は図3のフ
ローチャートに従って次のように行われる。
【0034】すなわち、ECU40はステップS1で各
種データを読み込んだ上で、ステップS2で摩擦係数推
定処理を実行すると共に、ステップS3でスプリット判
定処理を実行する。そして、ステップS4でスプリット
制御フラグFSが1にセットされているか否かを判定し
て、1にセットされていなければステップS5で通常制
御を実行する。一方、該フラグFSが1にセットされて
いればステップS6に移って所定のスプリット制御を実
行する。
【0035】ここで上記摩擦係数推定処理の概略を説明
すると、例えば左後輪3については次のようにして行わ
れる。すなわち、ECU40は上記車輪速センサ41,
42からの信号が示す左右の前輪1,2の回転速度から
求めた平均前輪速VFが所定の下限値V0(例えば5k
m/h)より小さいか否かを判定し、平均前輪速VFが
下限値V0を超えるときには、この平均前輪速VFから
求めた前輪加速度AFと平均前輪速VFとによって路面
摩擦係数μLを推定する。
【0036】ここで路面摩擦係数μとしては極低μ路を
示す1から高μ路を示す5までの5段階に区分された数
値のどれかが選択されるようになっている。
【0037】一方、ECU40は平均前輪速VFが上記
下限値V0よりも小さいと判定したときには、上記セン
サ43からの信号が示す左後輪速VRLから求めた後輪
加速度ARLが所定の基準値A0(例えば2G)を超え
ているか否かを判定して、YESと判定したときに発進
時μ推定フラグFMSを1にセットした上で、エンジン
回転数センサ45からの信号が示すエンジン回転数Nに
応じた左後輪3についての路面摩擦係数μLを推定する
ようになっている。
【0038】また、後輪加速度ARLが上記基準値A0
よりも小さいと判定したときには、路面摩擦係数μLと
して固定値(例えば3)を選択する。
【0039】なお、右後輪4についても同様にして路面
摩擦係数μRが推定されるようになっている。
【0040】また、通常制御についても左右の後輪3,
4ごとに独立して行われるようになっており、例えば左
後輪3については次のようにして行われる。すなわち、
ECU40は予め路面摩擦係数μLをパラメータとして
設定したテーブルからエンジン制御目標値SEとブレー
キ制御目標値SBとを読み出す。
【0041】ここで、路面摩擦係数μとエンジン制御目
標値SEとブレーキ制御目標値SBとの関係を示すと表
1に従ったものとなる。
【0042】
【表1】 なお、上記表1において、エンジン制御目標値SE及び
ブレーキ制御目標値SBは時速を単位として示してある
。つまり、例えばエンジン制御目標値SEを示す数値が
2の場合は、時速2Kmを示している。
【0043】そして、ECU40は所定の悪路判定処理
を実行して、走行路面が悪路か否かを判定する。つまり
、ECU40は、例えば後輪3,4の減速度ないし加速
度が一定時間内に所定の上限値もしくは下限値を超えた
回数が設定値以内ならば悪路フラグFAを0に維持する
と共に、加速度および減速度を示す値が、一定時間内に
上記上限値および下限値を超えた回数が設定値以上なら
ば走行路面が悪路であると判定して悪路フラグFAを1
にセットする。
【0044】ECU40は悪路ではないと判定したとき
には、上記車輪速センサ43からの信号が示す左後輪速
VRLから、車輪速センサ41,42からの信号が示す
平均前輪速VFを差し引いて左後輪3に対する第1スリ
ップ値S1を算出して、この第1スリップ値S1が、図
4に示すようにエンジン制御目標値SEを超えた時点(
t1)でエンジン制御を開始し、この目標値SEが得ら
れるようにスロットル開度調節アクチュエータ38を介
してサブスロットル弁39をフィードバック制御する。 これにより、エンジン5の出力トルクが上記エンジン制
御目標値SEに収束するように制御されることになる。
【0045】このエンジン制御によってもスリップ状態
が解消せずに左後輪速VRLが上昇し続け、上記第1ス
リップ値S1がブレーキ制御目標値SBを超えた時点(
t2)で、後輪3におけるブレーキ装置13に制動圧が
供給され、エンジン制御とブレーキ制御の両方を併用し
た制御が行われる。なお、制動圧は第1スリップ値S1
が上記ブレーキ制御目標値SBとなるようにフィードバ
ック制御される。
【0046】そして、第1スリップ値S1がブレーキ制
御目標値SBにまで低下した時点(t3)で、ブレーキ
制御が停止されて制動圧が減圧される。なお、エンジン
制御は所定の終了条件が満足されるまで行われる。
【0047】なお、右後輪4についても同様にして通常
制御が行われることになる。すなわち、ECU40は上
記車輪速センサ44からの信号が示す右後輪速VRRか
ら、平均前輪速VFを差し引いて右後輪4に対する第2
スリップ値S2を算出する。そして、この第1スリップ
値S2が、上記と同様にして設定されたエンジン制御目
標値SEを超えた時点でエンジン制御を開始し、この目
標値SEが得られるようにスロットル開度調節アクチュ
エータ38を介してサブスロットル弁39をフィードバ
ック制御する。このエンジン制御によってもスリップ状
態が解消せずに右後輪速VRRが上昇し続け、第2スリ
ップ値S2が上記と同様にブレーキ制御目標値SBを超
えた時点でエンジン制御とブレーキ制御の両方を併用し
た制御が行われる。そして、第2スリップ値S2がブレ
ーキ制御目標値SBにまで低下した時点で、ブレーキ制
御が停止されて制動圧が減圧されることになる。
【0048】次に、上記スプリット判定処理を具体的に
説明すると、図5のフローチャートに従ったものとなる
【0049】すなわち、ECU40はステップT1で各
種データを読み込んだ上で、ステップT2で左右の後輪
3,4に対するスピンパターンPSPを決定する。つま
り、ECU40は左後輪速VRLと平均前輪速VFとか
ら求めた第1スリップ値S1が、例えばエンジン制御目
標値SEを超えたときには第1スピンフラグF1を1に
セットし、また右後輪速VRLと平均前輪速VFとから
求めた第2スリップ値S2が、同じくエンジン制御目標
値SEを超えたときには第2スピンフラグF2を1にセ
ットする。そして、これらの第1、第2スピンフラグF
1,F2を予めスピンフラグをパラメータとして設定し
たスピンパターンマップに照らし合わせることにより、
今回スピンパターンPSPを逐次決定する。ここで上記
スピンパターンマップとしては、図6に示すように、第
1、第2スピンフラグF1,F2の双方が0のときには
今回スピンパターンPSPの値が0、第1スピンフラグ
F1が1で第2スピンフラグF2が1のときには今回ス
ピンパターンPSPの値が1、第1スピンフラグF1が
0で第2スピンフラグF2が0のときには今回スピンパ
ターンPSPの値が2、第1、第2スピンフラグF1,
F2の双方が1のときには今回スピンパターンPSPの
値が3となるように設定されている。
【0050】次いで、ECU40は上記ステップT3で
決定した今回スピンパターンPSPと上記メモリ50に
記憶させた前回スピンパターンP’SPとを、図7に示
すように予め両パターンPSP,P’SPをパラメータ
として設定したスプリット判定マップに照らし合わせる
ことによりスプリット判定を行う(ステップT3)。
【0051】ここで、上記スプリット判定マップは、図
7に示すように、今回スピンパターンPSPが左右の後
輪3,4が非スピン状態を示すときには、基本的にスプ
リット判定フラグFSPの値が非スプリット状態を示す
0になるように設定されているが、前回左右の後輪3,
4のどちらか一方がスピン状態を示すときには、該フラ
グFSPの値としてスプリット継続状態を示す2となる
ように設定されている。これは、再スピンが生じたとき
の応答性を向上させるためである。また、今回スピンパ
ターンPSPが左右の後輪3,4のどちらか一方がスピ
ン状態を示すときには、基本的にスプリット判定フラグ
FSPの値がスプリット状態を示す1になるように設定
されているが、前回他方の後輪3,4がスピン状態を示
すときには、該フラグFSPの値として非スプリット状
態を示す0となるように設定されている。これは、例え
ばアイスバーンなどの低μ路の走行時に左右の駆動輪が
交互にスピン状態となるときにスプリット状態と誤って
判定するのを防止するためである。そして、今回スピン
パターンPSPが左右の後輪3,4の双方がスピン状態
を示すときには、スプリット判定フラグFSPの値とし
て非スプリット状態を示す0となるように設定されてい
る。
【0052】次いで、ECU40は図5のフローチャー
トのステップT4に進んで、スプリット判定フラグFS
Pの値が2か否かを判定し、NOと判定するとステップ
T5で今回スピンパターンPSPを前回スピンパターン
P’SPに置き換えると共に、YESと判定したときに
はステップT6に分岐して前回スピンパターンP’SP
をホールドする。
【0053】そして、ECU40はステップT7でスプ
リット判定フラグFSPの値が0か否かを判定すると共
に、YESと判定するとステップT8に進んで上記タイ
マー51のカウント値TMをリセットした後、ステップ
T9でスプリット制御フラグFSの値にスプリット制御
を実行しない0をセットする。
【0054】一方、ECU40は上記ステップT8にお
いてスプリット判定フラグFSPの値が0ではないと判
定したときには、ステップT10でスプリット判定フラ
グFSPの値が2か否かを判定し、NOと判定したとき
にステップT11に進んで上記タイマー51のカウント
値TMが所定の上限値T0(例えば10秒)を超えてい
るか否かを判定して、NOと判定したときにステップT
12でカウント値TMを加算した後、ステップT13で
該カウント値TMが0か否かを判定し、NOと判定した
ときにステップT14に進んで今度は該カウント値TM
が所定の下限値T1(例えば0.5秒)を超えているか
否かを判定すると共に、YESと判定したときにはステ
ップT15に進み、上記第1、第2圧力センサ46,4
7からの信号が示すブレーキ油圧の差圧δpが所定の基
準値p0を超えているか否かを判定して、YESと判定
したときにステップT16に進んでスプリット制御フラ
グFSの値にスプリット制御を実行させる1をセットす
る。
【0055】また、ECU40は上記ステップT10に
おいてスプリット判定フラグFSPの値が2であると判
定したときには、ステップT17へ分岐して上記タイマ
ー51のカウント値TMを減算させた後ステップT13
へ復帰する。そして、その際にカウント値TMが0にな
っているときには、ステップT9へ移ってスプリット制
御フラグFSの値を0にセットする。これにより、スプ
リット制御が解除されて通常制御に移行することになる
【0056】なお、ECU40は上記ステップT14に
おいてNOと判定したときには、ステップT18に移っ
て発進時μ推定フラグFMSが1にセットされているか
否かを判定する。つまり、発進時に路面摩擦係数が推定
されたか否かを判定するのである。そして、上記フラグ
FMSが1にセットされているときには、ステップT1
9に進んで左右の路面摩擦係数μL,μRの偏差δμ(
=|μL−μR|)が所定の基準値μ0を超えているか
否かを判定して、YESと判定したときにステップT1
5へ復帰して上記第1、第2圧力センサ46,47で検
出されるブレーキ油圧の差圧δpが所定の基準値p0を
超えているか否かを判定する。この場合に、上記差圧δ
pが所定の基準値p0を超えているときには、上記と同
様にスプリット制御フラグFSが1にセットされて、ス
プリット制御が行われることになる。
【0057】次に、本発明の特徴部分であるスプリット
制御を説明すると、図8のフローチャートに従ったもの
となる。
【0058】すなわち、ECU40はステップU1で各
種データを読み込んだ上で、ステップU2で上記舵角セ
ンサ49からの信号が示す舵角θが所定値θ0より大き
いか否かを判定し、NOと判定したときにはステップU
3で悪路フラグFAが悪路状態を示す1にセットされて
いるか否かを判定して、NOと判定したときにステップ
U4に進んで、図9に示すように予めアクセル踏込率A
をパラメータとして設定したマップに基づいてエンジン
制御目標値SEを補正する。ここで、アクセル踏込率A
はアクセルペダル36の総踏込量に対する百分率で示さ
れていると共に、アクセル踏込率が50%のところを境
として踏込量が小さいときにはエンジン制御目標値補正
係数K1が1.5となり、また踏込量が大きいときには
エンジン制御目標値補正係数K1が2.0となるように
設定されている。つまり、アクセル踏込量が大きくなる
ほどエンジン制御目標値SEが大きく補正されることに
なる。
【0059】次に、ECU40はステップU5に進んで
、図10に示すように予めアクセル踏込率Aをパラメー
タとして設定したマップに基づいてブレーキ制御目標値
SBを補正する。なお、この実施例においては、図示の
ように、ブレーキ制御目標値補正係数K2がアクセル踏
込率Aに対して常に1となるように設定されている。 したがって、スプリット制御時においてもブレーキ制御
目標値SBが変化しないことになる。勿論、図の鎖線で
示すようにアクセル踏込率Aが50%を超えるときに、
上記補正係数を1より低い値に設定してもよい。
【0060】そして、ECU40はステップU6に進ん
で基本スロットルゲインG0を設定する。つまり、EC
U40は図11に示すようにエンジン制御目標値SEに
対する駆動輪速の偏差と駆動輪速変化量とをパラメータ
として予め設定したゲインラベルテーブルを用いて、現
実の駆動輪速偏差及び駆動輪速変化量に対応するスロッ
トル開度のゲインラベルを呼び出す。そして、このよう
にして呼び出したゲインラベルに対応する基本スロット
ルゲインG0を、図12に示すようにゲインラベルに応
じて設定したテーブルから呼び出す。ここで、基本スロ
ットルゲインG0は、上記サブスロットル弁39の全閉
状態から全開状態までの総回転角に対する百分率で示し
た値として設定されている。つまり、上記ゲインラベル
が−側の最大ゲインを示すNBのときには、−10%の
スロットルゲインが得られることになる。なお、上記ゲ
インラベルは、NSが−側の最小ゲインを示し、NMが
−側の中間のゲインを示すように設定されていると共に
、PBは+側の最大ゲイン、PSは+側の最大ゲイン、
PMは両者の中間のゲインを示すように設定されている
。そして、ZOは0%のスロットルゲインを示している
【0061】次にECU40はステップU7を実行して
基本スロットルゲインG0が0より大きいか否かを判定
し、YESと判定したときにはステップU8を実行して
、図13に示すようにアクセル踏込率Aをパラメータと
して設定したマップから求めた第1ゲイン補正係数K3
を用いて基本スロットルゲインG0を補正して最終スロ
ットル量THを計算する。ここで、上記第1ゲイン補正
係数K3はアクセル踏込率Aが50%を超えるときに2
.0となるように設定されている。つまり、サブスロッ
トル弁39の開き方向のゲインが大きくなるように補正
されることになる。そして、ECU40は上記スロット
ル量THが得られるように上記アクチュエータ38に対
して制御信号を出力する。
【0062】なお、ECU40は上記ステップU7にお
いてNOと判定したときには、ステップU9に移って図
14に示すようにアクセル踏込率Aをパラメータとして
設定したマップから求めた第2ゲイン補正係数K4を用
いて基本スロットルゲインG0を補正して最終スロット
ル量THを計算する。ここで、上記第2ゲイン補正係数
K4はアクセル踏込率Aが50%を超えるときに0.5
となるように設定されている。つまり、サブスロットル
弁39の閉じ方向のゲインが小さくなるように補正され
ることになる。
【0063】次に、本実施例の作用を説明する。
【0064】まず、図15に示すように、左後輪速VR
Lが平均前輪速VFとほとんど差がない状態で、右後輪
速VRRがエンジン制御目標値SEを超えた時点(t4
)で、第2スピンフラグF2が1にセットされる。この
場合に、左後輪速VRLが平均前輪速VFに張り付いて
いることから、第1スピンフラグF1は0に維持されて
いる。 したがって、スプリット判定フラグFSPが1にセット
されると共に、同時にタイマー51のカウントアップが
開始する。さらに右後輪速VRRが上昇し続けてブレー
キ制御目標値SBを超えたときには、右後輪4のブレー
キ装置14への制動圧の供給が開始される。
【0065】上記タイマー51が所定の下限値T1をカ
ウントアップした時点(t5)で、左右の後輪3,4に
おけるブレーキ装置13,14に供給される制動圧の差
圧δpが基準値p0を超えているときには、スプリット
制御フラグFSに1がセットされて通常制御からスプリ
ット制御に切り換わる。つまり、当該時刻t5からエン
ジン制御目標値SEが増大することになる。この場合に
おいて、アクセル踏込率Aが50%を超えているときに
は、それに応じてエンジン制御目標値SEが大きく補正
されることになる。そして、スリップ状態の右後輪4に
対する第2スリップ値S2がブレーキ制御目標値SBを
上回っている間は、一方の後輪用制動圧供給ライン20
を介してブレーキ装置14に対する制動圧の供給が続い
て右後輪4に制動力が付与されると共に、第1スリップ
値S1がブレーキ制御目標値SBに到達しない左後輪3
のブレーキ装置13には制動圧が供給されず制動力が作
用しない。これにより、エンジン制御目標値SEが増大
した分だけ抑制状態が緩和されるエンジン出力が左後輪
3に優先的に分配されることになって、優れた加速性が
得られることになる。そして、その際には、サブスロッ
トル弁39の開きゲインが大きく補正されることから、
良好なエンジンレスポンスが得られると共に、閉じゲイ
ンが小さく補正されることから、エンジン出力の不必要
な低下が回避されて、さらに優れた加速性が得られるこ
とになる。
【0066】また、スプリット状態と判定されたとして
も、上記タイマー51のカウント値TMが所定の下限値
T1を超えるまではスプリット制御が実際には行われな
いので、その間に左後輪3がスピン状態になったときに
はスプリット判定フラグFSPが非スプリット状態を示
す0に切り換わり、これにより誤動作が防止されること
になる。
【0067】さらに、この実施例においては、上記タイ
マー51のカウント値TMが所定の下限値T1を超えた
としても、左右の後輪3,4におけるブレーキ装置13
,14に供給される制動圧の差圧δpが基準値p0を超
えるまではスプリット制御が行われないので、右後輪4
のブレーキ装置14の制動圧が不足した状態でエンジン
出力が増大することがなく、これにより当該車両の不用
意なスリップが防止される。
【0068】そして、アクセル踏込率Aが50%を割り
込んだ時点(t6)でエンジン制御目標値SEが幾分下
げられる。
【0069】このように運転者によって操作されるアク
セルペダル36の踏込量によってエンジン制御目標値S
Eの補正量が異なることになるので、アクセルペダル3
6の踏込量が小さいときには、エンジン出力が過度に増
大することが防止されて走行安定性が確保されると共に
、アクセルペダル36の踏込量が大きいときには、運転
者の加速意志を反映してエンジン出力が増大することに
なって良好な加速性が得られることになる。
【0070】なお、上記図9の鎖線で示すように、アク
セル踏込率Aが50%より小さいときには、上記エンジ
ン制御目標値補正係数K1が1となるように設定しても
良い。この場合には、アクセル踏込率Aが50%を超え
たときにスプリット制御が行われることになる。
【0071】また、左後輪速VRLが平均前輪速VFに
張り付いた状態で右後輪速VRRがエンジン制御スリッ
プ値SEを割り込んだ場合には、スプリット判定フラグ
FSPの値に2がセットされると共に、当該時刻t7か
らスプリット制御フラグFSを1に維持したままタイマ
ー51がカウントアップからカウントダウンに切り換え
られる。なお、この実施例においてはタイマー51のカ
ウントダウンのカウントアップに対するゲインが0.5
に設定されている。つまり、例えばタイマー51が5秒
間カウントアップしたときには、10秒間カウントダウ
ンを継続したときに始めてカウント値TMが0になって
、上記スプリット制御フラグFSが0にリセットされる
【0072】この場合に、上記タイマー51のカウント
値TMが0になるまでに再び右後輪速VRRがエンジン
制御目標値SEを超えると、スプリット判定フラグFS
Pが1にセットされると共に、当該時刻t8からタイマ
ー51がカウントアップを再開する。これにより、右後
輪4が再スピンしたときのスプリット制御の応答性が向
上することになる。
【0073】また、スプリット制御中において当該車両
が旋回状態に移ったときには、スプリット制御から通常
制御に切り換わってエンジン制御目標値SEが下げられ
る。これにより、当該車両が走行不安定状態になるのが
防止される。
【0074】さらに、悪路と判定されたときにも通常制
御に切り換わることになる。したがって、路面状態が不
安定な悪路における後輪3,4の過大な回転が防止され
ると共に、誤判定による誤動作も回避されることになる
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、トラクシ
ョン制御中において左右の駆動輪が接地する路面がスプ
リット状態であると判定されたときには、スリップ状態
の駆動輪に制動力を作用させた状態でエンジンの出力制
限が緩和されるので、駆動力分配手段に駆動トルクを制
限する機能を持たせることなく良好な加速性が得られる
ことになる。
【0076】特に、第2発明によれば、エンジン出力を
制限する第1閾値を増大することによりエンジンの出力
制限を緩和するようになっているので、従来のトラクシ
ョン制御に大幅な仕様変更を加えることなくスプリット
路面に対応することが可能となる。
【0077】また、第3、第4発明によれば、アクセル
ペダルの踏込量に応じてエンジン出力制限緩和量が増大
されるので、運転者の加速意志を反映する加速性が得ら
れることになる。
【0078】第5発明によれば、アクセルペダルの踏込
量に応じてスロットルの開きゲインが増大されるので、
エンジンレスポンスが向上することになって、より運転
者の加速意志を反映する加速性が得られることになる。
【0079】第6発明においては、アクセルペダルの踏
込量に応じてスロットルの開きゲインが増大されるだけ
でなく、閉じゲインも減少されるので、エンジン出力の
不必要な低下が回避されて、さらに優れた加速性が得ら
れることになる。
【0080】そして第7発明によれば、車体が不安定に
なる旋回時にはエンジン出力が過度に上昇することがな
くなるので、車体の安定性が良好に保たれることになる
【0081】さらに第8発明によれば、駆動輪の挙動が
不安定になる悪路においてはエンジン出力の制限緩和が
規制されるので、誤判定による誤動作が回避されること
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  第1発明の基本構成を示す機能ブロック図
である。
【図2】  車両の制御システム図である。
【図3】  トラクション制御の基本制御を示すフロー
チャート図である。
【図4】  通常のトラクション制御の制御態様を示す
タイムチャート図である。
【図5】  スプリット判定処理を示すフローチャート
図である。
【図6】  該判定処理で用いるスピンパターンマップ
の1例を示す説明図である。
【図7】  同じく判定処理で用いるスプリット判定マ
ップの1例を示す説明図である。
【図8】  スプリット制御処理のフローチャート図で
ある。
【図9】  アクセル踏込率をパラメータとするエンジ
ン制御目標値補正係数のマップの1例を示す説明図であ
る。
【図10】  アクセル踏込率をパラメータとしたブレ
ーキ制御目標値補正係数のマップの1例を示す説明図で
ある。
【図11】  ゲインラベルの呼出に用いるテーブルの
1例を示す説明図である。
【図12】  基本スロットルゲインの設定に用いるテ
ーブルの1例を示す説明図である。
【図13】  アクセル踏込率をパラメーとする第1ゲ
イン補正係数のマップの1例を示す説明図である。
【図14】  アクセル踏込率をパラメータとする第2
ゲイン補正係数のマップの1例を示す説明図である。
【図15】  本実施例の作用をを示すタイムチャート
図である。
【符号の説明】
1,2        前輪 3,4        後輪 5            エンジン 8            差動装置 13,14    ブレーキ装置 15          ブレーキ制御システム36 
         アクセルペダル38       
   スロットル開度調節アクチュエータ39    
      サブスロットル弁40         
 ECU 41〜44    車輪速センサ 46        第1圧力センサ 47        第2圧力センサ 48      アクセルポジションセンサ49   
       舵角センサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  エンジンから左右の駆動輪に至る動力
    伝達経路に駆動力を分配する駆動力分配手段が備えられ
    、かつ上記左右の駆動輪の路面に対するスリップ値をそ
    れぞれ検出する第1、第2スリップ検出手段と、これら
    の検出手段で検出されるスリップ値が所定の第1閾値を
    超えたときにエンジン出力を制限するエンジン出力制限
    手段と、上記各検出手段で検出されるスリップ値が所定
    の第2閾値を超えたときに、当該駆動輪に制動力を作用
    させる制動力制御手段とが設けられた車両のスリップ制
    御装置であって、上記第1、第2スリップ検出手段で検
    出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪
    が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプリッ
    ト判定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリ
    ット状態が判定されたときに、上記エンジン出力制限手
    段によるエンジンの出力制限を緩和させるエンジン出力
    制限緩和手段とが設けられていることを特徴とする車両
    のスリップ制御装置。
  2. 【請求項2】  エンジンから左右の駆動輪に至る動力
    伝達経路に駆動力を分配する駆動力分配手段が備えられ
    、かつ上記左右の駆動輪の路面に対するスリップ値をそ
    れぞれ検出する第1、第2スリップ検出手段と、これら
    の検出手段で検出されるスリップ値が所定の第1閾値を
    超えたときにエンジン出力を制限するエンジン出力制限
    手段と、上記各検出手段で検出されるスリップ値が所定
    の第2閾値を超えたときに、当該駆動輪に制動力を作用
    させる制動力制御手段とが設けられた車両のスリップ制
    御装置であって、上記第1、第2スリップ検出手段で検
    出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪
    が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプリッ
    ト判定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリ
    ット状態が判定されたときに、上記第1閾値を増大させ
    ることにより上記エンジン出力制限手段によるエンジン
    の出力制限を緩和させるエンジン出力制限緩和手段とが
    設けられていることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  3. 【請求項3】  エンジンから左右の駆動輪に至る動力
    伝達経路に駆動力を分配する駆動力分配手段が備えられ
    、かつ上記左右の駆動輪の路面に対するスリップ値をそ
    れぞれ検出する第1、第2スリップ検出手段と、これら
    の検出手段で検出されるスリップ値が所定の第1閾値を
    超えたときにエンジン出力を制限するエンジン出力制限
    手段と、上記各検出手段で検出されるスリップ値が所定
    の第2閾値を超えたときに、当該駆動輪に制動力を作用
    させる制動力制御手段とが設けられた車両のスリップ制
    御装置であって、上記第1、第2スリップ検出手段で検
    出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪
    が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプリッ
    ト判定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリ
    ット状態が判定されたときに、上記エンジン出力制限手
    段によるエンジンの出力制限を緩和させるエンジン出力
    制限緩和手段と、運転者によって操作されるアクセルペ
    ダルの踏込量を検出するアクセルペダル踏込量検出手段
    と、上記踏込量検出手段で検出されるアクセルペダルの
    踏込量に応じて上記エンジン出力制限緩和手段によるエ
    ンジン出力制限緩和量を増大させるエンジン出力制限緩
    和量変更手段とが設けられていることを特徴とする車両
    のスリップ制御装置。
  4. 【請求項4】  エンジンから左右の駆動輪に至る動力
    伝達経路に駆動力を分配する駆動力分配手段が備えられ
    、かつ上記左右の駆動輪の路面に対するスリップ値をそ
    れぞれ検出する第1、第2スリップ検出手段と、これら
    の検出手段で検出されるスリップ値が所定の第1閾値を
    超えたときにエンジン出力を制限するエンジン出力制限
    手段と、上記各検出手段で検出されるスリップ値が所定
    の第2閾値を超えたときに、当該駆動輪に制動力を作用
    させる制動力制御手段とが設けられた車両のスリップ制
    御装置であって、上記第1、第2スリップ検出手段で検
    出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪
    が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプリッ
    ト判定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリ
    ット状態が判定されたときに、上記第1閾値を増大させ
    ることにより上記エンジン出力制限手段によるエンジン
    の出力制限を緩和させるエンジン出力制限緩和手段と、
    運転者によって操作されるアクセルペダルの踏込量を検
    出するアクセルペダル踏込量検出手段と、上記踏込量検
    出手段で検出されるアクセルペダルの踏込量に応じて上
    記エンジン出力制限緩和手段によるエンジン出力制限緩
    和量を増大させるエンジン出力制限緩和量変更手段とが
    設けられていることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  5. 【請求項5】  エンジンから左右の駆動輪に至る動力
    伝達経路に駆動力を分配する駆動力分配手段が備えられ
    、かつ左右の駆動輪の路面に対するスリップ値をそれぞ
    れ検出する第1、第2スリップ検出手段と、これらの検
    出手段で検出されるスリップ値が所定の第1閾値を超え
    たときにエンジン出力を制限するエンジン出力制限手段
    と、上記各検出手段で検出されるスリップ値が所定の第
    2閾値を超えたときに、当該駆動輪に制動力を作用させ
    る制動力制御手段とが設けられた車両のスリップ制御装
    置であって、上記第1、第2スリップ検出手段で検出さ
    れる左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪が接
    地する路面に対するスプリット判定を行うスプリット判
    定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリット
    状態が判定されたときに、上記第1閾値を増大させるこ
    とにより上記エンジン出力制限手段によるエンジンの出
    力制限を緩和させるエンジン出力制限緩和手段と、運転
    者によって操作されるアクセルペダルの踏込量を検出す
    るアクセルペダル踏込量検出手段と、上記踏込量検出手
    段で検出されるアクセルペダルの踏込量に応じて上記エ
    ンジン出力制限緩和手段によるエンジン出力制限緩和量
    を増大させるエンジン出力制限緩和量変更手段と、吸気
    通路に設けられたスロットル弁の開度を調節するスロッ
    トル調節手段と、上記踏込量検出手段で検出されるアク
    セルペダルの踏込量に応じて上記スロットル調節手段の
    開きゲインを増大させるスロットルゲイン変更手段とが
    設けられていることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  6. 【請求項6】  エンジンから左右の駆動輪に至る動力
    伝達経路に駆動力を分配する駆動力分配手段が備えられ
    、かつ左右の駆動輪の路面に対するスリップ値をそれぞ
    れ検出する第1、第2スリップ検出手段と、これらの検
    出手段で検出されるスリップ値が所定の第1閾値を超え
    たときにエンジン出力を制限するエンジン出力制限手段
    と、上記各検出手段で検出されるスリップ値が所定の第
    2閾値を超えたときに、当該駆動輪に制動力を作用させ
    る制動力制御手段とが設けられた車両のスリップ制御装
    置であって、上記第1、第2スリップ検出手段で検出さ
    れる左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪が接
    地する路面に対するスプリット判定を行うスプリット判
    定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリット
    状態が判定されたときに、上記第1閾値を増大させるこ
    とにより上記エンジン出力制限手段によるエンジンの出
    力制限を緩和させるエンジン出力制限緩和手段と、運転
    者によって操作されるアクセルペダルの踏込量を検出す
    るアクセルペダル踏込量検出手段と、上記踏込量検出手
    段で検出されるアクセルペダルの踏込量に応じて上記エ
    ンジン出力制限緩和手段によるエンジン出力制限緩和量
    を増大させるエンジン出力制限緩和量変更手段と、吸気
    通路に設けられたスロットル弁の開度を調節するスロッ
    トル調節手段と、上記踏込量検出手段で検出されるアク
    セルペダルの踏込量に応じて、上記スロットル調節手段
    の開きゲインを増大させ、かつ閉じゲインを減少させる
    スロットルゲイン設定手段とが設けられていることを特
    徴とする車両のスリップ制御装置。
  7. 【請求項7】  エンジンから左右の駆動輪に至る動力
    伝達経路に駆動力を分配する駆動力分配手段が備えられ
    、かつ上記左右の駆動輪の路面に対するスリップ値をそ
    れぞれ検出する第1、第2スリップ検出手段と、これら
    の検出手段で検出されるスリップ値が所定の第1閾値を
    超えたときにエンジン出力を制限するエンジン出力制限
    手段と、上記各検出手段で検出されるスリップ値が所定
    の第2閾値を超えたときに、当該駆動輪に制動力を作用
    させる制動力制御手段とが設けられた車両のスリップ制
    御装置であって、上記第1、第2スリップ検出手段で検
    出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪
    が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプリッ
    ト判定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリ
    ット状態が判定されたときに、上記エンジン出力制限手
    段によるエンジンの出力制限を緩和させるエンジン出力
    制限緩和手段と、当該車両の旋回状態を検出する旋回状
    態検出手段と、当該車両の旋回時に上記エンジン出力制
    限緩和手段によるエンジン出力の制限緩和動作を規制す
    るエンジン出力制限緩和動作規制手段とが設けられてい
    ることを特徴とする車両のスリップ制御装置。
  8. 【請求項8】  エンジンから左右の駆動輪に至る動力
    伝達経路に駆動力を分配する駆動力分配手段が備えられ
    、かつ上記左右の駆動輪の路面に対するスリップ値をそ
    れぞれ検出する第1、第2スリップ検出手段と、これら
    の検出手段で検出されるスリップ値が所定の第1閾値を
    超えたときにエンジン出力を制限するエンジン出力制限
    手段と、上記各検出手段で検出されるスリップ値が所定
    の第2閾値を超えたときに、当該駆動輪に制動力を作用
    させる制動力制御手段とが設けられた車両のスリップ制
    御装置であって、上記第1、第2スリップ検出手段で検
    出される左右の駆動輪のスリップ値に基づいて各駆動輪
    が接地する路面に対するスプリット判定を行うスプリッ
    ト判定手段と、このスプリット判定手段で路面のスプリ
    ット状態が判定されたときに、上記エンジン出力制限手
    段によるエンジンの出力制限を緩和させるエンジン出力
    制限緩和手段と、路面状態が悪路か否かを判定する悪路
    判定手段と、この悪路判定手段で悪路と判定されたとき
    に上記エンジン出力制限緩和手段によるエンジン出力の
    制限緩和動作を規制するエンジン出力制限緩和動作規制
    手段とが設けられていることを特徴とする車両のスリッ
    プ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007176321A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2008231990A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Yamaha Motor Co Ltd 自動二輪車
JP2010255637A (ja) * 2010-06-16 2010-11-11 Toyota Motor Corp 車両の制御装置

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