JPH04327538A - 新しい医薬組成物 - Google Patents

新しい医薬組成物

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JPH04327538A
JPH04327538A JP3097126A JP9712691A JPH04327538A JP H04327538 A JPH04327538 A JP H04327538A JP 3097126 A JP3097126 A JP 3097126A JP 9712691 A JP9712691 A JP 9712691A JP H04327538 A JPH04327538 A JP H04327538A
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JP
Japan
Prior art keywords
protein
cells
activity
blood coagulation
amino acid
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP3097126A
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English (en)
Inventor
Nobuya Kitaguchi
暢哉 北口
Takashi Aratake
荒武 尚
Yasuo Tokushima
恭雄 徳島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管内皮細胞増殖促進
活性を有するポリペプチドに関する。詳しくは、該ポリ
ペプチドを主成分とする、血管内皮損傷に由来する疾患
の治療用医薬組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血管内皮細胞の損傷により種々の疾患が
引き起こされることが知られている。血管の中に血栓が
できる疾患において、血栓ができる過程は、まず血管内
皮細胞が何らかの原因で障害を受けて剥がれ、内皮下組
織に血小板が粘着するところから始まる。粘着した血小
板にさらに血小板が凝集し白色血栓が形成される。つい
で、内皮損傷部位では組織因子が遊離または利用可能な
状態になり、外因系血液凝固系を活性化し、また、内皮
下組織ことにコラーゲンや基底膜などが内因系血液凝固
系を活性化し、血液凝固カスケードが働いて、フィブリ
ン塊が形成され、最終的な赤色血栓に至る。
【0003】例えば、急性心筋梗塞症に対して、カテー
テルを血管内に挿入し、閉塞部まで到達させ、風船を膨
らませて物理的に閉塞部を広げたり(PTCA)、カテ
ーテルから組織プラスミノーゲン・アクチベーター(t
PA)やウロキナーゼなど血栓溶解酵素を放出させたり
する(PTCR)が、これらのPTCAやPTCR等の
閉塞部位開通療法を施した場合は、カテーテルの血管内
挿入により内皮細胞が剥離等の障害を受け、そこに血小
板が粘着・凝集し、さらに血液凝固促進物質により、血
栓が形成され急性期の再閉塞がおこる。また、特にPT
CAの場合、活性化血小板から放出される血小板由来成
長因子(Platelet  Derived  Gr
owth  Factor、以下  PDGF)等によ
り血管中膜平滑筋の血管内膜への遊走と増殖がおこり、
異常増殖した血管平滑筋細胞による慢性期または亜急性
期の再閉塞、再狭窄が生じる。
【0004】また、動脈硬化においても、過酸化脂質、
ラジカル、コレステロール等、種々の原因物質によって
血管内皮細胞が障害を受け、そこに血小板が粘着・凝集
し、その活性化された血小板から放出されるPDGF等
により、血管平滑筋の内膜への遊走と異常増殖が起こり
、最終的には粥状の硬化巣を形成する。さらには敗血症
などにおいても、エンドトキシンやサイトカイン等の原
因物質によって血管内皮細胞が損傷を受け、血小板凝集
及び血液凝固、そして血栓形成がおこる。
【0005】これらの疾患は血管内皮細胞の剥離などの
損傷が大きな発症原因の一つとなっている。よって、内
皮細胞の増殖を促進し、障害をうけた血管内皮を修復す
る医薬が望まれている。血管内皮細胞の増殖因子として
は、内皮細胞増殖因子(ECGF)や、血小板由来内皮
細胞増殖因子(PD−ECGF)(K.Miyazon
o他  J.Biological  Chemist
ry  Vol.262  No.9  4098−4
103,1987及びK.Miyazono他Bioc
hemistryVol.28  No.4  170
4−1710  1989  等)等が知られているが
、これらにはいずれも血小板凝集や、血液凝固に対する
阻害効果はない。
【0006】一方、血液凝固に関わる蛋白分解酵素(血
液凝固因子)群を阻害する物質として、老人斑アミロイ
ド前駆体蛋白質(以後、APP)中に内在される、蛋白
分解酵素阻害活性をもつ部分であるAPPIが知られて
いる(欧州特許公開番号0304013号や、北口ほか
著、神経研究の進歩(1990年医学書院発行)第34
巻3号409〜421ページ、及びN.Kitaguc
hi  etal.Nature  Vol.331,
p530−532,1988、P.Ponteet  
al.Nature  Vol.331.p525−5
27,1988、RE  Tanzi  et  al
.Nature  Vol.331,p528−530
,1988、公表特許公報平2−501796など)。
【0007】APPIは、具体的には、本発明図面図1
中のAPP751(751アミノ酸からなるAPP)中
の斜線部、及びAPP770(770アミノ酸からなる
APP)中の斜線部と点々部分をさし、そのアミノ酸配
列はそれぞれ図2及び配列番号2(APP751中のA
PPI)と図3及び配列番号3(APP770中のAP
PI)に示した通りである。
【0008】配列番号2と配列番号3に共通な配列(図
2、図3の残基番号で289のGluから344のAl
aまでであり、図4及び配列番号1に示した)が蛋白分
解酵素阻害活性に重要と考えられている部分で、以後K
PIと呼ぶ。APPIはトリプシンを強く阻害すると共
に、血液凝固因子ファクターXaにも阻害活性を示し(
Ki=1.2×10−6M)、血しょうカリクレインに
対してもKi=1.9×10−7Mと強い阻害活性をも
つ(特開平2−101017号公報、Biochimi
ca  et  Biophysica  Acta 
 Vol.1038105−113  1990など)
【0009】また、APP751またはAPP770の
分泌型蛋白は内因系の血液凝固因子ファクターXIaを
極めて強く阻害する(Kiは10−10 〜10−10
 M)ことも最近報告された(Van  Nostra
ndら,J.Biol.Chem.,Vol.265 
 9591−9594,1990.Smithら,Sc
ience,Vol.248  1126−1128,
1990.)。 ファクターXIaは血液凝固カスケードのかなり上流の
酵素であり、ファクターXIaの1分子の阻害は、最下
流のトロンビンを極めて多数阻害することに匹敵する。
【0010】さらに、APP770またはAPP751
は血小板α顆粒に含まれ、血小板の活性化と共に分泌さ
れるという報告もある。(Van  Nostrand
  etal.  Science  Vol.248
,p745−748,1990)。また、APP751
はマウス線維芽細胞株  Swiss  3T3  に
対して増殖刺激活性をもつ事も知られている(Schu
bert  et  al.Biochem.Biop
hys.Res.Commun.Vol.162  p
83−88,1989.)。さらに、APPのアンチセ
ンスmRNAを発現させ、内因性のAPPの発現を減少
させた特殊な線維芽細胞に対して、APP751及びA
PP695が増殖刺激活性をもつという報告もなされて
いる(Saitohetal.Cell  Vol.5
8  p615−622,1989)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、潰
瘍、外傷およびカテーテル挿入などの物理的刺激やエン
ドトキシンなどの種々の原因によって起こされる血管内
皮の損傷を修復し、かつ過度の血液凝固及び血小板の凝
集を阻害して、障害の治癒を早めるという、新しいタイ
プの血管内皮細胞修復剤を提供することである。詳しく
は、極めて強い血管内皮細胞増殖促進活性を有し、かつ
血小板凝集阻害活性と血液凝固阻害活性を合わせ持つ創
傷治療薬(火傷、糖尿病性潰瘍、下肢潰瘍など)、冠状
動脈閉塞開通後の再閉塞防止剤、心筋梗塞治療薬、およ
び敗血症治療薬を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下述する知
見を得、該知見に基づいて更なる研究の結果、本発明の
完成に至ったものである。即ち本発明者らは、KPI及
びKPIを含むポリペプチドが、極めて低濃度で血管内
皮細胞の増殖を促進することを見いだし、さらに、該ポ
リペプチドが、内因系血液凝固の阻害活性と血小板凝集
阻害活性とを合わせ持つことを見いだし、これらの知見
に基づき本発明を完成した。
【0013】従って本発明は、配列表中配列番号1に記
載のアミノ酸配列を有するポリペプチド(KPI)を少
なくともその一部に含むポリペプチド、蛋白質、化合物
を有効成分として含有する創傷治療薬、再閉塞防止剤、
心筋梗塞治療薬、および敗血症治療薬を提供する。ここ
でいう化合物とは、生体内で徐放性を持たせるために本
発明にかかるポリペプチドとポリエチレングリコール等
のポリマーを結合した化合物や、他の生理活性を有する
低分子有機化合物と本発明にかかるポリペプチドとの結
合物や、血管内皮細胞への親和性を高めるなどの目的で
本発明にかかるポリペプチドと糖、抗体などの他の蛋白
質とを必要ならば適当な有機分子からなるスペーサーを
介して結合した化合物などを意味する。
【0014】実施例に示したように、配列番号1のアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドを含む蛋白は、10−1
0 Mという極めて低濃度で血管内皮細胞の増殖を対照
に比して数倍促進し、また、10−8M程度の低濃度か
ら、内因系血液凝固の指標である活性化部分トロンボプ
ラスチン時間(APTT)を延長し(内因系血液凝固を
阻害する)、さらに10−7〜10−6Mの濃度で、A
DP刺激による血小板凝集を阻害する。
【0015】本発明にかかるポリペプチドの血管内皮細
胞の増殖活性は、10−8M位の濃度でも現れるが、1
0−10 Mでも十分活性が高い。低濃度の方が活性が
高い場合さえある。この増殖促進活性の機序は明らかで
はないが、KPI部分を含んでさえいれば活性は発現す
る。KPIを含むAPPの比較的大きな断片(約100
アミノ酸以上)の場合は内皮細胞増殖促進活性が増強さ
れる場合がある。
【0016】本発明にかかるポリペプチドの内因系血液
凝固阻害様式は、低濃度から阻害するが比較的高濃度で
もAPTTを数倍しか延長せず、穏和な阻害といえる。 ヘパリンのようにわずかの濃度の増加で血液の凝固を強
く阻害する結果出血傾向を惹起してしまう薬に比べ、本
発明にかかるポリペプチドは、著しく安全域の広い、即
ち臨床上、使いやすい薬であるといえる。
【0017】具体的には、実施例に示したように、コン
トロールの凝固時間に対して1.5倍と2.5倍の凝固
時間を与えるサンプル濃度の比(EDr)は、ヘパリン
の場合は1.5となり、投与量のコントロールが困難と
考えられた。それに対して、本発明にかかるポリペプチ
ド(実施例1記載のIJ)のEDrは26であり、低濃
度から高濃度にかけて徐々に凝固を阻害することから、
極めて安全域の広い薬剤と成り得るものである。このこ
とは、急性血栓症のみならず、慢性の血栓症の治療の場
合には特に重要である。
【0018】これら3つの活性、即ち血管内皮細胞増殖
促進、血小板凝集阻害、血液凝固阻害の活性発現には、
KPI領域が存在していればよい。また、上記3つの活
性のうち、いづれかまたは全ての活性がヘパリン様物質
の共存によって上昇することがある。配列番号1のアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドを少なくともその一部に
含むタンパク質として、たとえば、配列番号1のアミノ
酸配列からなるもののほかに、さらに、APP770に
特有の19アミノ酸挿入配列(図1参照。この19アミ
ノ酸部分には、O−グリコシレーションが起こるサイト
がある)の一部または全部が付加していても良いし、図
2に示したアミノ酸配列を含む蛋白であってもよい。ま
たKPIにAPP751またはAPP770の一部また
は全部のアミノ酸配列が付加していてもよい。APP7
70またはAPP751が細胞外へ分泌された物等もK
PIを含んでいれば本発明に含まれる。さらに、配列番
号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドのN末端また
はC末端のアミノ酸を更に切り縮められる可能性もある
【0019】また、β−ガラクトシダーゼや腫瘍壊死因
子(TNF)などとKPIを含むポリペプチドとの融合
蛋白も本発明に含まれる。但し、産生量を上げるためや
精製を容易にするためにこれらの融合蛋白の形で産生し
た場合であって、TNF等の生理活性が患者への投与に
望ましくない場合は、融合蛋白の形で産生させた後KP
Iを含む断片をTNF等から切り離すことが望ましい。
【0020】更にまた、本発明にかかる蛋白質の蛋白分
解酵素阻害活性の中心付近、例えば活性中心P1(図4
中の第301残基(配列番号1の第13残基)のArg
)のN末およびC末側それぞれ5個のアミノ酸からなる
ペプチドを、他の蛋白分解酵素阻害剤、たとえばウシ膵
臓トリプシンイソヒビター(以下BPTI)やヒト膵臓
分泌性トリプシンインヒビター(PSTI)やヒトイン
ターαトリプシンインヒビター等の対応する部分と置換
したものも、本発明の目的を達成しうることが期待され
る。
【0021】また、配列番号1の第13残基のArgを
Lysなどに、第15残基のMet、Ala、Phe、
Leu、Val、Ileなどに置換したものも、本発明
にかかる蛋白質である。本発明にかかる蛋白質は、その
アミノ酸配列をコードするDNAを適当なプロモーター
の下流に接続し、大腸菌、枯草菌、動物細胞等の適当な
宿主へ形質転換し、形質転換体を培養することにより産
生せしめることができる。
【0022】かかるDNAは有機化学的に合成したDN
Aを適当にアニーリング及びライゲーションすることに
よって得られる。またヒト脳アミロイド前駆体蛋白質で
ある、770あるいは751アミノ酸からなる蛋白質(
欧州特許公開番号0304013号参照。図1のAPP
770、APP751)のcDNAから、目的とするD
NAを得ることもできる。
【0023】また、本発明の蛋白質をコードするDNA
の上流に、分泌のためのシグナル配列を接続し、宿主が
動物細胞の時は培地中に、または宿主が大腸菌の時はペ
リプラズムや培地中に本発明の蛋白質を分泌させること
もできる。培地中に、本発明の蛋白質を分泌させるよう
にしたこのようなDNAは、該蛋白質を効率よく精製す
る点で有用である。
【0024】また、本発明の蛋白質を適当な他の蛋白質
(例えばβ−ガラクトシダーゼやその一部或はTNFな
ど)と接続した融合蛋白として産生させたのち、該接続
蛋白部分の抗原性やその他の性質を用いて、該融合蛋白
の精製、定量をすることもできる。さらに、該融合蛋白
を例えばファクターXa(この場合は融合蛋白の連結部
にファクターXa認識配列を位置させる)等の適当な蛋
白分解酸素や、シアノジェンプロマイド(メチオニンで
切断)、ヒドロキシルアミン等の切断のための薬剤等で
処理して、目的とする本発明の蛋白のみを単離すること
もできる。
【0025】本発明に関する蛋白質をコードするDNA
を、適当なプロモーターの下流に接続し、場合によって
は、そのさらに下流に適当なpoly(A)付加ジグナ
ルなどのターミネーションシグナルを付加し、動物細胞
ヘトランスフェクトすることにより、その細胞中または
上清中に本発明の蛋白を産生させることができる。この
ようなプロモーターとしては、例えばSV40初期、S
V40後期、MMTVなどのウィルスプロモーター、ア
クチン、チューブリン等の細胞構成蛋白のプロモーター
、メタロチオネイン、ヒートショック蛋白などの誘導型
プロモータなどがあげられる。
【0026】ベクターとしてはSV40、ウシパピロー
マウィルス(BPV)などのウィルスベクターを用いる
ことができるが、また、ベクターを用いず直接動物細胞
へトランスフェクトすることも可能である。この際、適
当なマーカー、例えばネオマイシン耐性遺伝子を接続す
るかまたは同時にトランスフェクト(コトランスフェク
ト)することにより、宿主に抗生物質G418に対する
耐性を与え、形質転換体を効率よく選択することもでき
る。
【0027】また、デヒドロ葉酸還元酵素遺伝子の近く
に本発明にかかる蛋白質産生のためのDNAを位置させ
たプラスミド等をCHO等の動物細胞にトランスフェク
トし、メトトレキセート(MTX)による薬剤圧力をか
けて、遺伝子増幅をはかることも可能である。動物細胞
宿主としては、サル腎臓由来COS細胞、チャイニーズ
ハムスター卵巣由来CHO細胞、マウスC−127細胞
、ヒトHeLa細胞、ラットPC12細胞、ヒト腎臓由
来293細胞などを用いることができる。
【0028】さらにまた、本発明にかかる蛋白質は、上
述のDNAをtrp,lac,tac等の適当なプロモ
ーターの下流に接続し、場合によってはこれらの下流に
適当なターミネーションシグナルを付加し、さらに複製
可能なベクターを連結して、微生物宿主形質転換し、こ
れを培養することにより産生させることができる。この
とき目的とするペプチドを直接発現させるためにその遺
伝子の5’末端に翻訳開始シグナルのATGを付加する
ことも可能である。また、培地またはペリプラズム中に
直接分泌させるために、ジグナル配列を付加することも
可能である。
【0029】低分子ペプチドは微生物中では不安定なこ
とがあるので、適当な担体蛋白との融合蛋白として産生
する事も可能である。この融合蛋白は産生後、適当な蛋
白分解酵素や切断のための薬剤(一般にはシアノジェン
ブロマイドやヒドロキシルアミン等が用いられる)等で
処理して目的とする部分を切り出す事も可能である。宿
主微生物としては、例えば大腸菌、枯草菌、カビ、酵母
等が用いられる。
【0030】またさらに、本発明にかかる蛋白質は、ア
ミノ酸を出発原料として有機合成により製造することが
できる。その場合の方法としては、例えば、生化学実験
講座第1巻、蛋白質の化学IV(日本生化学会編、東京
化学同人)に詳しく記されている方法を用いることがで
きる。また別に、ペプチド合成機を用いる固相合成法に
より製造することもできる。
【0031】本発明にかかる蛋白質を微生物宿主で産生
した場合や化学合成で得た場合、システイン残基間で正
しいS−S結合の形成、即ち、正しい折り畳み(fol
ding)ができないことがあるが、この場合は、S−
S結合を一旦還元してその後再酸化して自然に正しいf
oldingを起こさせることが必要である。本発明に
かかる蛋白質は、蛋白質またはペプチドの精製方法とし
て知られる各種の方法を組み合わせることによって精製
することができる。そのような方法としては例えば、高
速液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフ
ィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティーク
ロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、
等電点電気泳動、塩析、硫安沈澱などを用いることがで
きる。また、本発明にかかる蛋白はトリプシンに対する
結合活性が強いので、担体に固定化したトリプシンやア
ンヒドロトリプシン等を用いたアフィニティークロマト
グラフィーは特に有用である。
【0032】本発明の医薬組成物は、本発明にかかる蛋
白質を単独で、または薬剤として可能な担体と複合して
投与される。その組成は、該蛋白質の溶解度、投与経路
、投与計画等によって異なる。例えば、本発明にかかる
蛋白質を非経口的に静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射
で投与する場合、溶液を等張にするために、食塩あるい
はグルコース等の他の溶質を添加した無菌溶液として使
用される。また、鼻粘膜や直腸の粘膜を通した投与も可
能で、経鼻剤や座剤としても用いられうる。また、適当
なポリマーのマトリックス(ゲル)中に本発明にかかる
ポリペプチドを含有させ皮下などに注射することにより
、1回の投与で長期間徐放させるという剤型も用いられ
うる。
【0033】さらに、澱粉、乳糖等の適当な賦形剤を含
む錠剤、カプセル剤、顆粒剤や、溶液の状態で経口投与
も可能である。ただし、本発明にかかる蛋白質は分子量
の比較的大きな薬剤なので、腸管吸収性の点から非経口
投与が望ましい。非経口投与では、薬効が早く現れる点
で、静脈内投与、点滴静注等が好ましい。本発明の医薬
組成物の投与量は、投与法、用いる蛋白質の配列、患者
の状態等によって異なり、特に限定されないが、PTC
AやPTCR後の再閉塞防止の際は、静脈内投与で、一
日一人あたり0.1から100mg、望ましくは1から
20mgであり、心筋梗塞等の血栓症の治療の場合は一
日一人当り0.3から300mg、望ましくは3から6
0mgである。そして、さらに火傷等の創傷治療のため
には、損傷程度や患部にもよるが一日一人当り0.01
から10mgの患部塗布または患部への噴霧が望ましい
【0034】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳述するが、本
発明は該実施例によって限定されるものではない。尚実
施例の中の基本操作は下記の文献にしたがった。 ・T.Maniatis  et  al.,Mole
cular  Cloning,A  Laborat
ory  Manual,  Cold  Sprin
g  Harbor  Laboratory,(19
89).・D.M.Glover  et  al.,
DNA  CLONING,IRL  Press,(
1985).実施例中に記載の略号、略称で本文中に記
載の無いものは以下の通りである。
【0035】NAD      ;ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド DTT      ;ジチオスレイトールPBS(−)
;ダルベッコの燐酸緩衝塩溶液(Ca及びMg不含) OAc      ;OCOCH3  FCS      ;ウシ胎児血清 DMSO    ;ジメチルスルホキシドBAP   
   ;バクテリアアルカリフォスファターゼtPA 
     ;ヒト組織型プラスミノーゲンアクチベータ
ー バッファーT;0.2Mトリス塩酸(pH8.0)/0
.02M  CaCl2/0.005%  Trito
n  X−100 MCA      ;7メチルアミノクマリン実施例1
  IJ(APPI−88,配列番号4)の作成と活性
測定 〔工程1〕  APP770からのAPPI部分の切り
出し 発現の母核となる部分として、プロテアーゼ阻害活性を
コードする部分(APPI)に加えて、N末側及びC末
側にAPP770由来のアミノ酸を十数個含むペプチド
部分を発現させた。
【0036】このために、APP770をコードするD
NAを、合成オリゴヌクレオチドを用いたいわゆる部位
特異的変異法で切り縮めた。この反応にはMutanT
MG(宝酒造)システムを用い、特公平2−20018
5号公報記載の方法に準じて、付属されるプロトコール
を一部改変して3’側及び5’側の欠失反応を同時に行
った。
【0037】欧州特許公開番号030413号公報記載
のヒトアミロイド前駆体遺伝子cDNAを含むプラスミ
ドpGBP2(ATCC−67502の番号で寄託)を
制限酵素BamHI消化後アガロースゲル電気泳動で分
画し、APPI部分を含む、1.6kbpのDNA断片
を回収した。この断片をBamHI切断BAP処理した
ベクターTv18(宝酒造)に接続し、目的の方向に組
み込まれたクローンTvBB1を得た。(図5)。
【0038】5’末側及び3’末側の欠失のため、図7
に示す2本のオリゴヌクレオチドD5,D3をアプライ
ドバイオシステムズDNA合成機380Aにて合成し、
反応に使用した。D5による欠失反応が起こると、Ba
mHI切断後、tPAのシグナル配列中に存在するBg
1 II 部位と接続した時、tPAシグナル配列の後
にAPP770由来の7アミノ酸に続き配列番号1に記
したペプチドがつながる構造を持つ(図6)。
【0039】さらに、D3による欠失が起こると、配列
番号1の部分に続きAPP770由来のC末側25アミ
ノ酸とそれに続く停止コドンとBamHI部位が導入さ
れる。すなわちD3を用いた反応は欠失反応と同時に2
塩基の置換を行うものである(図6及び図7参照)。ま
ず、1本鎖TvBB1DNA0.5μgにキットに付属
するmp18P  DNAを0.2μgを加え、10μ
1の(20mM  Tris−HCl(pH8.0)、
10mM  MgCl2 、50mM  NaCl、1
mM  DTT)中で100℃  3分、65℃  1
0分、37℃  10分インキュベートしてアニールさ
せた。このアニールさせたDNA溶液4.5μlに燐酸
化したD3,D5をそれぞれ16ng加えて65℃  
15分、37℃  15分インキュベートしアニールさ
せた。ここに30μlの50mM  Tris−HCl
(pH8.0)、60mMNH4 OAc、5mM  
MgCl2 、5mM  DTT、1mM  NAD及
び60ユニットのE.coliリガーゼ、1ユニットの
T4ポリメラーゼを加え、25℃で2時間反応させた。
【0040】この反応物を大腸菌BMH71−18株に
トランスフェクトし、1時間培養後ファージ粒子を含む
培養液を大腸菌MV1184株にインフェクトし、プラ
ークを形成させた(使用した大腸菌及びバッファー、酵
素はすべて宝酒造)。このプラークに対して32Pで標
識したD5とD3を用いてスクリーニングした。D5,
D3ともにポジティブなシグナルを与えるプラークのう
ち4つを選定し、M13シークエンスキット(宝酒造)
を用いて欠失部位の塩基配列を決定した。D3の欠失に
は、キャットに付属のユニバーサルプライマーを、D5
の欠失にはカスタムメイドのプライマー(5’−ACT
TTGGGACATGGCGCTGCCACA−3’)
を用いた。目的の欠失が起こっているクローンを、Tv
IJと命名した(図5)。 〔工程2〕分泌シグナルを持つ動物ベクターへの組み込
み 上記の欧州特許公開番号0304013号公報に記載の
ヒトtPAを発現するプラスミドベクターpSVMTt
PAを制限酵素Bgl II で完全消化後、BamH
Iで部分消化し、得られる約3.8kbの断片をTvI
JのプラスミドをBamHIを消化して得られる約30
0bpの断片と連結し、目的の方向に組み込まれたクロ
ーンを選択した。
【0041】これによりtPAのシグナル配列に続くA
PPI部分をSV40およびマウスメタロチオネインプ
ロモーターにて発現させるベクターpIJを得た(図8
参照)。 〔工程3〕IJの動物細胞での発現と粗精製液の調製p
IJのプラスミドDNA20μgを、1×106 個の
サル由来細胞株COS−1〔グルツマン  Y.Glu
zman,Cell,231  75  (1981)
、大日本製薬〕へ、シュークロース含有燐酸緩衝液(2
72mM  シュークロース、7mM燐酸ナトリウム(
pH7.4)、1mM  MgCl2 )中で導入した
【0042】導入はバイオラッド社のジーンパルサーを
用い、電圧400V、キャパシター3μF、タイムコン
スタント1.0〜1.3m秒で、30秒の間をおいて2
回パルスを与えることにより行った。導入後の細胞を、
10%FCSを含むダルベッコ変法最小基本培地中で3
7℃、5%  CO2 の条件下で24時間培養後、血
清を含まない培地で洗浄し、血清を含まない培地10m
lを加えて、48時間培養したのち培地を回収した。さ
らに培地を加え、48時間後ごとに計3回培養上清を回
収した。この導入を3回行い、合計90mlの培養上清
を得た。
【0043】こうして得られた培養上清に対して、アセ
トンを終濃度30%になるように加え、−20℃にて1
時間放置後、5000rpm、−10℃にて20分間遠
心分離後、上清を回収した。さらに、この上清に終濃度
70%になるようにアセトンを加えて、−20℃1時間
放置後、5000rpm、−10℃にて20分間遠心分
離後、沈澱を回収した。
【0044】得られた沈澱を、5mlの20mMトリス
塩酸(pH8.0)に懸濁し、5000rpm、4℃に
て10分間遠心分離し、上清を粗精製液として回収した
。この上清に含まれる目的とするAPPI蛋白をIJと
呼ぶ。IJのアミノ酸配列を図1及び配列表配列番号4
に示す。 〔工程4〕トリプシン固定化アガロースによるIJの精
製 工程3で得られた粗精製液を37℃に保温した後、TP
CK処理済みトリプシン固定化アガロースビーズ(シグ
マ社)100単位を加え、37℃で1時間振とうするこ
とにより、IJのプロテアーゼ・インヒビター領域を吸
着させた。かかる懸濁液を、5’プライム→3’プライ
ム社のセレクトSTM空カラムに充填し、アガロースビ
ーズを回収した。アガロースビーズとバッファーとの分
離は、1000rpm1分間の遠心操作により行った(
以下の記述中のアガロースビーズの回収も同様にして行
なった)。
【0045】回収したビーズを、0.3MNaCl、1
0mM  CaCl2、10mM  HCl(pH2)
から成る溶出液6mlで溶出した。溶出は計3回行い、
各溶出液をNaOH水溶液を用いて中和した後、トリプ
シン阻害活性を測定した。 〔工程5〕トリプシン阻害活性の測定 トリプシンの阻害活性のIC50は(酵素活性を50%
阻害する阻害剤の濃度)は下記の方法で測定した。
【0046】90μlのバッファーTに10μlのサン
プルを加え、同じくバッファーTを用いて96穴プレー
ト上で2〜1024倍希釈し、各希釈度のサンプル液5
0μlを調製した。これに同バッファーで4×10−9
Mに調製したブタ膵臓トリプシン液(シグマ)を50μ
l加え、1時間室温にて放置後、蛍光基質として同バッ
ファーで調製した(0.4%DMSOを含む)0.2m
M  Benzoyl−Arg−MCA(シグマ)を1
00μl加え、30℃で0時間後及び1時間後、365
nmで励起した時の450nmの蛍光をPandex社
製FCAで測定した。
【0047】測定値を縦軸に希釈率を横軸にとりグラフ
をかき、バックグラウンドをひいた最大吸光度の半分の
値を与える希釈率からIJのIC50を求めた結果、2
.2x10−9Mであった。 〔工程6〕IJの血小板凝集抑制作用 予め3.8%クエン酸ナトリウム水溶液を採血量の10
%容入れてある注射筒を用いて採血し、これを静かに混
和した後、22℃において800rpmで10分間遠心
分離をして上清より多血小板しょう(PRP)を得た。 次に、PRP分離後の血球部分を、さらに3000rp
mで15分間遠心分離して上清を分取して乏血小板血し
ょう(PPP)を得た。
【0048】血小板凝集惹起剤のADP溶液は、市販の
血小板凝集活性測定用ADP(ベーリンガー・マンハイ
ム・ジャパン社製、0.2μmol)を2mlの精製水
で溶解(100μM)して用いた。ミクロ試験管にPR
Pを200μl取り、これを37℃で10分間保温した
後、上記のADP溶液10μl(最終濃度5μM)を加
えて血小板凝集を起こさせ、血小板凝集能をボーンの方
法(Nature  Vol.194,927−929
(1962))により求めた{測定機器:NKK  H
ema  TracerIV(二光バイオサイエンス社
製)}。その結果、ADP(5μM)惹起による血小板
凝集は、50nMのIJで完全に抑制された。一方、対
照として用いた50nMのBPTIは、血小板凝集阻害
活性を全く示さなかった。 〔工程7〕IJの血液凝固阻害作用 本実施例1工程4で得られたIJについて、内因系凝固
阻害活性の指標である活性化部分トロンボプラスチン時
間(APTT)に与える影響を検討した。  まず、市
販のヒト血しょう(商品名:Cytosol  ミドリ
十字社製)100μlとサンプル20μlをプラスチッ
ク製のキュベットに入れて、37℃  2分間保温した
。次に、市販アクチン(商品名:データファイ・APT
T,国際試薬−ミドリ十字社製)100μlを添加し十
分に混合した。37℃3分間保温したのち、20mM塩
化カルシウム(ミドリ十字社製)100μlを添加して
、凝固するまでの時間を測定した。尚、コントロールと
してはサンプルの代わりに生理食塩水(大塚製薬)を用
いた{測定機器:Amelung−Coagulome
ter  KC10A)。
【0049】10−9〜10−7Mの各濃度におけるI
Jの抗凝固活性を測定し、ヘパリン及びメシル酸ナファ
モスタット(鳥居薬品、商品名フサン)の抗凝固活性と
の比較を行った。その結果、IJは内因系凝固をフサン
より低濃度で効果的に阻害した。即ち、コントロールの
凝固時間に対して2倍の凝固時間を与えるサンプル濃度
(ED2:Effective  Dose)で表すと
、IJは10−8Mであったのに対し、フサンが10−
6Mであり、IJは臨床上有効であると考えられた。
【0050】さらに、薬剤の安定域を示す指標として、
コントロールの凝固時間に対して1.5倍と2.5倍の
凝固時間を与えるサンプル濃度の比(EDr)を次式の
ごとく求めた。 EDr=ED2.5/ED1.5 ED2.5:コントロールの2.5倍の凝固時間を与え
るサンプルの濃度 ED1.5:コントロールの1.5倍の凝固時間を与え
るサンプルの濃度 その結果、ヘパリンのEDrは1.53となり、投与量
のコントロールが困難と考えられた。そに対して、IJ
のEDrは25.9であり、低濃度から高濃度にかけて
徐々に凝固を阻害することから、極めて安全域の広い薬
剤と成り得るものである。 〔工程8〕血管内皮細胞増殖促進活性の測定市販の正常
ヒト血管内皮細胞培養キット(クラボウ製、商品名“E
ndocell  Kit−U”)の正常ヒトさい帯血
管内皮細胞を、このキットに付属のE−GM培地(ウシ
胎児血清FCS  2%、上皮成長因子EGF  10
ng/ml、ハイドロコーチゾン  1μg/ml,ゲ
ンタマイシン  50μg/ml  アンフォテリシン
B  0.25μg/mlを含む改変MCDB131培
地)で48時間培養し細胞数を増やした。その後、キッ
ト付属のトリプシン溶液で細胞を剥し、ついでトリプシ
ン中和液を添加した後、細胞を集めた。こうして得た細
胞を48穴プレート(Costar社製)に播種し(約
2500cells/well)、E−GM培地で1日
培養した(37℃、CO2 濃度5%)。
【0051】細胞がプレート表面に付着したことを確認
したうえで新しいE−GM培地に交換し、これに、Ca
とMg不含のダルベッコの燐酸緩衝塩溶液{PBS(−
)}にて希釈・調製したIJを添加し、キット付属のウ
シ脳抽出液を添加、または無添加で、6日間培養した後
、細胞数を計測した(顕微鏡観察下での計数及び撮影し
た写真上での計数。いずれも4視野以上の平均値。)そ
の結果、10−9MのIJ添加では、ウシ脳抽出液添加
及び無添加何れの場合も、各々の場合の対照(IJ溶液
の代わりにPBS(−)のみを添加)の場合に比して、
約4倍の細胞数が認められた。 実施例2  sPI(APPI−72、配列番号5)の
作成と活性測定 〔工程1〕  sPIの発現 上記欧州特許公開番号030413号公報実施例7に記
載のSVMT−APPIをCOS−1細胞に導入し、本
発明実施例1工程3に記載の方法と同様にして培養上清
からsPIを粗精製した。次に、これを本発明実施例1
工程4に記載の方法で、固定化トリプシンを用いたアフ
ィニティークロマトグラフィーを行って精製した。SD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果、このsPI
は17Kdの単一の蛋白質まで精製された。sPIのア
ミノ酸配列は図9及び配列表配列番号5に示した。 〔工程2〕sPIの血小板凝集抑制作用本発明実施例1
工程6に示す方法にしたがって、sPIの血小板凝集能
を検討した。その結果、ADP(5μM)惹起による血
小板凝集は、50nMのsPIで完全に抑制された。 〔工程3〕sPIの抗血液凝固作用 本発明の実施例1工程7の方法にしたがって、10−9
〜10−7Mの名濃度におけるsPIの抗凝固活性を測
定した。その結果、sPIのED2は10−8M、ED
rは26.0であった。 〔工程4〕sPIの血管内皮細胞増殖促進活性本発明実
施例1工程8の方法にしたがって、sPIの血管内皮細
胞増殖促進活性を測定した。
【0052】ウシ脳抽出物を添加した場合は、対照(s
PI溶液の代わりにPBS(−)のみを添加)に比べ、
10−8MのsPI存在下では約2.7倍の細胞数が、
10−9MのsPI存在下では約3.8倍の細胞数が1
0−10 MのsPI存在下では約4.4倍の細胞数が
計測された。sPIの代わりにBPTIを添加した系で
は、10−8Mで約3.9倍、10−9Mで約3.2倍
、10−10 Mで約2.6倍の細胞数が計測された。
【0053】また、ウシ脳抽出液を加えない場合は、1
0−8MのsPI存在下では対照に比べ約2.9倍の細
胞数が、10−9MのsPI存在下では約3.6倍の細
胞数が、10−10 MのsPI存在下では約5.0倍
の細胞数が計測された。sPIの代わりにBPTIを添
加した系では、10−8Mで約4.0倍、10−9Mで
約3.0倍、10−10 Mで約2.2倍の細胞数が計
測された。 実施例3  βガラクトシダーゼ・APPI融合タンパ
クの大腸菌による発現 〔工程1〕融合タンパク発現プラスミドの構築大腸菌β
ガラクトシダーゼ(β−gal)のN末端にsPI(A
PPI−72)を結合した融合タンパク(ZPI)を発
現しうるプラスミドを構築した。
【0054】具体的には発現用ベクターpEX1(ベー
リンガー・マンハイム山之内社)を制限酵素BamHI
及びPstIで切断し、直鎖状ベクターDNA断片を得
た。一方、欧州特許公開番号0304013号公報の実
施例4に記載のプラスミドpPItrp75−1をBa
mHI及びPstIで切断し、アガロースゲル電気泳動
後0.3kbpの断片を、フナコシ社製ジーン・クリー
ン・キットを用いて単離した。得られた2つの断片をT
4DNAリガーゼを用いて連結せしめた。
【0055】該反応物を、マニアティスらの実験書に記
載されている方法に従って調製した大腸菌POP213
6株(ベーリンガー・マンハイム山之内社)コンピテン
トセルに加え、形質転換せしめた。アンピシリン耐性形
質転換コロニー6側を選び、各プラスミドを抽出し、B
amHI及びPstIで切断し解析したところ、すべて
目的とするプラスミドを有していた。得られたプラスミ
ドをpEX−ZPIと命名した。本プラスミドは、ラム
ダ・ファージ由来のPRプロモーターの制御により、β
ガラクトシダーゼ・APPIの融合タンパクを発現しう
る。 〔工程2〕  融合タンパクの生産 工程1で得たプラスミドpEX−ZPIを保持する大腸
菌POP2136/pEX−ZPIを、50μg/ml
のアンピシリン含有L培地で、30℃一晩培養せしめた
。本培養液1mlを、50μg/mlアンピシリン含有
L培地50mlに添加し、30℃にて3時間培養した後
、42℃の恒温培養槽に移し、さらに3時間培養した。 42℃において、ラムダ・ファージPRプロモーターの
リプレッサーは不活化され、PRプロモーターが作動す
ることによって、目的とする融合タンパクが生産される
【0056】該培養液を遠心分離し菌体を集め、菌体の
一部を、レムリーの方法〔Laemmli,U.K.,
Nature.227.680−685(1970)〕
に従って、SDS・サンプルバッファー中で煮沸後、1
0%ポリアクリルアミドゲルを用いてSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動に供した。泳動後、ゲルをクマ
シー染色した結果、分子量約120Kdの目的とする融
合タンパクが存在することが確認された。以下、このβ
ガラクトシダーゼ・APPI融合タンパクをZPIと略
す。 〔工程3〕  ZPIの可溶化 工程2で得た培養菌体の一部を、尿素を終濃度0M,2
M,4M,6M,8Mをそれぞれ含む20mMトリス塩
酸(pH8.0)に懸濁し、オータケ・ソニケーター(
大岳製作所)を用いて菌体を超音波破壊し、遠心分離に
より不溶物を集めた。
【0057】得られた不溶物を本実施例工程2と同様に
処理して、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法に
より解析した。クマシー染色の結果、目的物ZPIのバ
ンドは、尿素0M,2Mおよび4M含有バッファーで抽
出した不溶画分では検出されたが、尿素6Mおよび8M
含有バッファー抽出後の不溶画分では認められなかった
【0058】以上の結果から、目的融合タンパクは産生
後大腸菌体内で不溶物としてタンパク封入体(incl
usion  body)を形成し、この不溶物は6M
以上の尿素で可溶化されることが判明した。 〔工程4〕  ZPIの部分精製 本実施例の工程2と同様にして、大腸菌POP2136
/pEX−ZPIを培養し、200mlの培養液から菌
体を回収した。該培養菌体を、40mlの4M尿素を含
む20mMトリス塩酸(pH8.0)バッファーに懸濁
し、菌体を超音波破壊した。菌体破壊物を遠心分離(1
0000×g,10分間)し、沈澱物を回収した。
【0059】次いでこの沈澱物を20mlの8Mトリス
塩酸(pH8.0)バッファーに再懸濁し、超音波処理
により沈澱を分散せしめた。遠心分離(10000×g
,10分間)後上清を回収した。以上の操作により、4
M尿素で可溶な大腸菌タンパク、および8M尿素に不溶
な大腸菌タンパクが除去され、ZPIの部分精製液が得
られた。
【0060】この部分精製液の一部をSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動法で解析したところ、全タンパ
ク質のうち50%以上が目的融合タンパクZPIであっ
た。 〔工程5〕プロテアーゼ・インヒビター領域の抽出本実
施例の工程4で得たZPI部分精製液20mlを、20
mMトリス塩酸(pH8.0)2Lに対して2回透析し
、尿素を除去せしめると同時にタンパクの立体構造を回
復せしめた。
【0061】得られた透析液を37℃にて保温した後、
TPCK処理済みトリプシン固定化アガロースビーズ(
シグマ社)100単位を加え、37℃で1時間振とうす
ることにより、ZPI中のβガラクトシダーゼ領域を切
断すると同時にプロテアーゼ・インヒビター領域を吸着
させた。かかる懸濁液を、5’プライム→3’プライム
社のセレクトSTM空カラムに充填し、アガロースビー
ズを回収した。アガロースビーズとバッファーとの分離
は、1000rpm1分間の遠心操作により行った。
【0062】回収したビーズを、0.3M  NaCl
、10mM、CaCl2 、10mMHCl(pH2)
から成る溶出液6mlで溶出した。溶出は計3回行い、
各溶出液をNaOH水溶液を用いて中和した後、トリプ
シン阻害活性を測定した。各溶出液に含まれるトリプシ
ン・インヒビター活性濃度は、溶出分画の順に、BPT
Iに換算して16.4μg/ml、1.5μg/ml、
0.27μg/mlであった。これらの溶出分画を、Z
tPIとする。 〔工程6〕プロテアーゼ・インヒビターの解析工程5で
得た溶出液に、あらかじめ−20℃に冷却したアセトン
を4倍容量加え、−20℃にて1時間冷却した。さらに
、冷却遠心分離(10000×g  15分間)し、沈
澱を回収した。得られた沈澱を1mlの20mMトリス
塩酸(pH7.5)に再溶解し、工程5と同様にしてト
リプシン阻害活性量を測定した。その結果、sPIに換
算して62μg相当のトリプシン・インヒビターが含ま
れていることが判明した。
【0063】得られたインヒビター溶液の一部を、SD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により解析した
ところ、分子量約6Kdのメジャーな蛋白質が検出され
た。 〔工程7〕ZtPIの血小板凝集抑制作用本発明実施例
1工程6の方法に準じて、ZtPIの血小板凝集抑制能
を検討した。その結果、ADP(5μM)惹起による血
小板凝集は、50nMのZtPIで完全に抑制された。 〔工程8〕ZtPIの抗血液凝固作用 本発明の実施例1工程7の方法にしたがって、10−9
〜10−7Mの濃度におけるZtPIの抗凝固活性を測
定した結果、ZtPIのED2は10−8Mであった。 また、EDrは25.0であった。 〔工程9〕ZtPIの血管内皮細胞増殖促進活性本発明
実施例1工程8の方法にしたがって、ZtPIの血管内
皮細胞増殖促進活性を測定した。
【0064】その結果、10−9MのZtPI添加では
、ウシ脳抽出液添加及び無添加何れの場合も、各々の場
合の対照{ZtPI溶液の代わりにPBS(−)のみを
添加}の場合に比して、約4倍の細胞数が認められた。 実施例4  DJ(配列番号6)の発現と活性測定(工
程1)DJ型発現プラスミドの作成実施例2で用いたp
SVMT−APPIを制限酵素BamHI消化後アガロ
ースゲル電気泳動で分画し、APPI部分を含む、1.
6kbpのDNA断片を回収した。 この断片をBamHI切断後BAP処理したTv18(
宝酒造)に接続し、目的の方向に組み込まれたクローン
TvPIを得た。
【0065】一方、オリゴヌクレオチドデリーターDJ
2(5’−TAGAGGATCCTAGGCGCTGC
CACA−3’)を合成し、以下に示すプロトコールに
従って、図9アミノ酸番号57以降をコードするDNA
の除去をおこなった。この反応にはMutanTMG(
宝酒造)システムを用い、反応は付属されるプロトコー
ルに従った。以下にその概略を述べる。
【0066】まず、TvPIから調製した一本鎖DNA
0.5μgに、キットに付属するmp18P  DNA
を0.2μg加え、10μlの(20mM  Tris
−HCl(pH8.0)、10mM  MgCl2 、
50mM  NaCl、1mM  DTT)中で100
℃  3分、65℃  10分、37℃  10分イン
キュベートしてアニールさせた。このアニールさせたD
NA溶液4.5μlに、T4キナーゼで燐酸化したDJ
2を16ng加え65℃  15分、37℃  15分
インキュベートしアニールさせた。ここに、30μlの
50mM  Tris−HCl(pH8.0)、60m
M  NH4 OAc、5mM  MgCl2 、5m
M  DTT、1mMNAD及び60ユニットのE.c
oliリガーゼ、1ユニットのT4ポリメラーゼを加え
、25℃で2時間反応させた。この反応物を大腸菌BM
H71−18株にトランスフェクトし、1時間培養後フ
ァージ粒子を含む培養液を大腸菌MV1184株にイン
フェクトし、プラークを形成させた(使用した大腸菌及
びバッファー、酵素はすべて宝酒造)。
【0067】このプラークに対して、32Pで標識した
DJ2を用いてスクリーニングした。DJ2にポジティ
ブなシグナルを与えるプラークを選定し、M13シーク
エンスキット(宝酒造)を用いて欠失部位の塩基配列を
決定した。目的の欠失が起こっているクローンを、Tv
DJと命名した。TvDJの二本鎖DNAをBamHI
で切断して得られる断片を、BamHI切断後BAP処
理をしたpSVMT−APPIのベクター断片に挿入し
目的の方向に組み込まれたクローンを選択した。更に、
確認のために同じプローブを用いてこれをManiat
isの実験書に従いサザン解析を行って、目的の変異を
そのクローンが持っていることを確認した。
【0068】こうして得られた発現ベクターをpSVM
T−DJと命名した。pSVMT−DJはpSVMT−
APPIと比較して、エクソン8(図1参照)以下を欠
失させた部分のみ、即ち、DJ(配列表配列番号6)を
発現する。 〔工程2〕  DJの発現 実施例1工程3に記載の方法でpSVMT−DJをCO
S−1に細胞に導入し、培養上清からDJを粗精製し、
さらに本発明実施例1工程4に記載の方法で、固定化ト
リブシンを用いたアフィニティークロマトグラフィーを
行って、DJを精製した。
【0069】SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の
結果、DJは、単一にまで精製された事がわかった。蛋
白量はブラッドフォード法とローリー法で求めた。 〔工程3〕DJの血小板凝集抑制作用 本発明の実施例1工程6の方法に準じで、DJの血小板
凝集抑制能を検討した。その結果、ADP(5μM)惹
起による血小板凝集は、50nMの濃度で完全に抑制さ
れた。 〔工程4〕DJの抗血液凝固作用 本発明の実施例1工程7の方法に従って、10−9〜1
0−7Mの濃度におけるDJの抗凝固活性を測定した結
果、ED2は10−8Mとなり、EDrと25.8であ
った。 〔工程5〕DJの血管内皮細胞増殖促進活性本発明実施
例1工程8の方法にしたがって、DJの血管内皮細胞増
殖促進活性を測定した。
【0070】その結果、10−9MのDJ添加では、ウ
シ脳抽出液添加及び無添加何れの場合も、各々の場合の
対照(DJ溶液の代わりにPBS(−)のみを添加)の
場合に比して、約4倍の細胞数が認められた。 実施例5  INS56(配列番号1および7)の発現
と活性測定 配列番号1の蛋白質に比べ、上記実施例4にて得られた
DJはN末端にSer−Met−Argが多い(図1参
照)。そこで、これを除いたINS56を作成した。 〔工程1〕発明プラスミドの構築 該Ser−Met−Arg欠失のため、以下の配列を有
するデリーターDENPIを合成した(アプライドパイ
オシステムズ社380Aを用いて合成)。
【0071】5’−TTCAGAGCACACCTCT
CTGGCTCCTCT−3’DENPIによる欠失反
応が起こるとDJ中のN末端Ser−Met−Arg配
列が除去され、図4のアミノ酸配列が直接tPAのシグ
ナル配列につながったタンパク質をコードするプラスミ
ドが得られる。この欠失反応にはMutanTMG(宝
酒造)システムを用い、反応は付属されるプロトコール
に従った。以下にその概略を述べる。
【0072】まず実施例4工程1で得たTvDJから調
製した一本鎖DNA0.5μgに、キットに付属するm
p18P  DNAを0.2μgを加え、10μlの(
20mM  Tris−HCl(pH8.0)、10m
M  MgCl2 、50mM、NaCl、1mM  
DTT)中で100℃、3分、65℃  10分、37
℃  10分インキュベートしてアニールさせた。
【0073】このアニールさせたDNA溶液4.5μl
に、T4キナーゼで燐酸化したDENPIを16ng加
え65℃  15分、37℃  15分インキュベート
しアニールさせた。ここに30μlの50mM  Tr
is−HCl(pH8.0)、60mM  NH4 O
Ac、5mM  MgCl2 、5mM  DTT、1
mM  NAD及び60ユニットのE.coliリガー
ゼ、1ユニットのT4ポリメラーゼを加え、25℃で2
時間反応させた。
【0074】この反応物を大腸菌BMH71−18株に
トランスフェクトし、1時間培養後ファージ粒子を含む
培養液を大腸菌MV1184株にインフェクトし、プラ
ークを形成させた(使用した大腸菌及びバッファー、酵
素はすべて宝酒造)。このプラークに対して32Pで標
識したDENPIを用いてスクリーニングした。DEN
PIにポジティブなシグナルを与えるプラークを選定し
、M13シークエンスキット(宝酒造)を用いて欠失部
位の塩基配列を決定した。目的の欠失が起こっているク
ローンを、TvINS56と命名した。
【0075】TvINS56の二本鎖DNAをBamH
Iで切断して得られる断片を、BamHI切断後BAP
処理をしたpSVMT−APPIのベクター断片に挿入
し目的の方向に組み込まれたクローンを選択した。更に
、確認のために同じプローブを用いてこれをMania
tisの実験書に従いサザン解析を行って、目的の変異
をそのクローンが持っていることを確認した。こうして
得られた発明ベクターをpSVMT−INS56と命名
した。
【0076】pSVMT−INS56は、INS56即
ちKPI(図1、4参照、配列表配列番号1、7)を発
現する。 〔工程2〕INS56の発現 実施例1工程3に記載の方法で、pSVMT−INS5
6をCOS−1細胞に導入し、培養上清からINS56
を粗精製したのち、固定化トリプシンを用いたアフィニ
ティークロマトグラフィーを行ってINS56を調製し
た。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果、I
NS56は単一のものまで精製された事がわかったので
、蛋白量はブラッドフォード法とローリー法で求めた値
を採用した。
【0077】また、INS56のN末端アミノ酸配列を
アプライドバイオシステムズ社気相プロテインシーケン
サー・モデル470Aを用いて決定したところ、目的の
ものが得られていることがわかった。 〔工程3〕INS56の血小板凝集抑制作用本発明の実
施例1工程6の方法に準じて、INS56の血小板凝集
抑制能を検討した。その結果、ADP(5μM)惹起に
よる血小板凝集は、50nMのINS56で完全に抑制
された。 〔工程4〕INS56の抗血液凝固作用本発明の実施例
1工程7の方法にしたがって、10−9〜10−7Mの
名濃度におけるINS56の抗凝固活性を測定した結果
、ED2は10−8Mとなり、EDrは26.2であっ
た。 〔工程5〕DJの血管内皮細胞増殖促進活性本発明実施
例1工程8の方法にしたがって、INS56の血管内皮
細胞増殖促進活性を測定した。
【0078】その結果、10−9MのINS56添加で
は、ウシ脳抽出液添加及び無添加何れの場合も、各々の
場合の対照{INS56溶液の代わりにPBS(−)の
みを添加}の場合に比して、約4倍の細胞数が認められ
た。 実施例6  静脈注射用バイアルの作製IJを実施例1
工程3〜4の方法を繰り返し行って、大量に取得した。
【0079】こうして得たIJ10mg、精製ゼラチン
20mg、マンニトール100mg、塩化ナトリウム7
.8mg、燐酸ナトリウム15.4mgを注射用蒸留水
2mlに溶解し、濾過滅菌して静脈注射用溶液を調製し
た。これを無菌バイアルに入れ、−35℃で2時間予備
凍結し、−35℃で真空度0.075torrで35時
間一次乾燥し、ついで30℃、真空度0.03torr
で5時間二次乾燥して、注射用バイアルを製造した。 得られた組成物は、投与直前に生理食塩水もしくはぶど
う糖注射液500mlに溶解して点滴静注するのに用い
られる。
【0080】また、実施例2工程1、実施例3工程1〜
5、実施例4工程2及び実施例5工程2の方法をそれぞ
れくり返し行って大量に調製したsPI,ZtPI,D
J,及びINS56をそれぞれIJのかわりに用いた他
は本実施例の上述の方法と全く同じ方法にて有効成分と
してそれぞれsPI,ZtPI,DJ,およびINS5
6を含む静脈注射用溶液を調製した。
【0081】
【発明の効果】本発明の医薬組成物は、血管内皮細胞の
増殖を低濃度で強く促進すると共に、内因性凝固、血小
板凝集も阻害することにより、PTCRやPTCA後の
再閉塞防止、カテーテル挿入による血管内皮損傷治療、
心臓等の血栓症の治療、動脈硬化治療・予防、さらには
、脳梗塞発作後の再発防止及び治療に有用である。また
一方では、外傷、潰瘍、床ずれ、火傷などの創傷に対し
ても、血管内皮細胞増殖そして血管新生という形で、さ
らに組織の繊維芽細胞の増殖作用によって創傷部の治癒
を早めるのに、本発明の医薬組成物の細胞増殖刺激活性
が有効である。さらには、本発明の医薬組成物は敗血症
などの治療にも有用である。
【0082】さらに、本発明の医薬組成物はバージャー
病などの慢性血栓症にも有効である。
【0083】
【配列表】
【0084】配列番号:1 配列の長さ:56 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴:KPI 配列
【0085】配列番号:2 配列の長さ:57 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴:APP751中のAPPI配列
【0086】配列番号:3 配列の長さ:76 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴:APP770中のAPPI配列
【0087】配列番号:4 配列の長さ:88 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴:IJ 配列
【0088】配列番号:5 配列の長さ:76 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴:sPI 配列
【0089】配列番号:6 配列の長さ:59 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴:DJ 配列
【0090】配列番号:7 配列の長さ:56 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列の特徴:INS56 配列
【図面の簡単な説明】
【図1】アミロイド前駆体タンパクAPP695、AP
P751、APP770及びAPPI誘導体の模式図で
ある。APP770、APP751、APP695の黒
く塗りつぶした部分は脳に沈着する老人斑アミロイド部
分、斜線部分はプロテアーゼインヒビター活性を有する
56アミノ酸(KPI、エキソン7産物)からなる領域
、点々部分はAPP770に固有の19アミノ酸(エキ
ソン8産物)から成る領域を示す。IJ,sPI,DJ
,INS56において、大文字はAPP770中に含ま
れるアミノ酸配列、小文字は発現プラスミド構築のため
に用いたベクターまたはDNAリンカー由来のアミノ酸
配列、CHOは糖鎖、番号はAPP770での残基番号
を示す。
【図2】APP751中のAPPIのアミノ酸配列を示
す。図中の数字はAPP751のN末端から数えたアミ
ノ酸残基の番号を示す。
【図3】APP770中のAPPIのアミノ酸配列を示
す。図中の数字はAPP770のN末端から数えたアミ
ノ酸残基の番号を示す。
【図4】APP751とAPP770のAPPIに共通
なアミノ酸配列。図中の数字はAPP751及びAPP
770のN末端から数えたアミノ酸残基の番号を、P1
は酵素阻害活性中心のアミノ酸を示す。
【図5】APP770をコードするプラスミドGBP2
からMutanTMGを用いて、5’側及び3’を側を
欠失させてTvIJを得るまでを示す。
【図6】pIJが持つ、tPAのシグナル配列に続く、
APPIをコードするDNA配列と、それによってコー
ドされるアミノ酸配列を示す。
【図7】TvBBIの1本鎖DNAが、合成オリゴヌク
レオチドD5及びD3とハイブリダイズした結果を示し
たものである。DNA配列の上に、それによってコード
されるアミノ酸配列を示し、下に制限酵素切断サイトを
示す。また、欠失を確認するために塩基配列を決定した
際のプライマーの位置を示す。
【図8】tPAを発現するプラスミドベクターpSVM
TtPAとTvIJから、発現ベクターpIJを得るま
でを示す。
【図9】pSVMT−APPI及びpSVMTDJが持
つ、tPAのシグナル配列に続く、APPIをコードす
るDNA配列と、それによってコードされるアミノ酸配
列を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  配列番号1のアミノ酸配列を有するポ
    リペプチドを有効成分として含有する血管内皮細胞増殖
    促進剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07196650A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Dai Ichi Seiyaku Co Ltd 平滑筋細胞増殖抑制作用を有するアルガトロバン製剤
JP2011225495A (ja) * 2010-04-22 2011-11-10 Hayashikane Sangyo Kk 血管内皮細胞保護剤ならびにこれを含む医薬組成物、食品および飼料

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