JP2907447B2 - 抗血栓剤 - Google Patents

抗血栓剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒト顆粒球コロニー刺激因子(以下ヒトG−
CSFと略記する)を有効成分とする抗血栓剤に関する。
〔従来の技術〕
本発明は人の体にもともと備わった造血の促進,特に
好中球系の分裂,増殖,成熟化を促進する液性因子の1
つであるヒトG−CSFを用いて,動,静脈血栓の治療に
役立てようとするものであって,直接これに関連する報
告は見当たらない。
ヒトG−CSFはin vitroの実験系において顆粒球の前
駆細胞に働き顆粒球への分化増進を促す機能を有してい
る液性の造血因子〔例えばMetcalf.et.al:Exp.Hematol.
1,185,(1973)等参照〕として知られている。
ところがこのヒトG−CSFは今迄入手するのがきわめ
て困難であったため,医薬としての有用性または有効性
についての検討が充分進展せず,本発明の目的とする血
栓の治療への可能性についても全く知られていなかっ
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来、抗血栓剤としては血液の凝固を阻止させる薬物
としてペパリン製剤,シグマロール製剤などが使われて
いたが、一度形成されたファブリン塊(線維素)を溶解
する薬物も望まれていた。最近になって線溶系活性化作
用を有するウロキナーゼ,およびプラスミノゲン・アク
チベーター(PA)が大量生産されるようになり、抗血栓
剤として使われるようになった。
一方,遺伝子工学等の技術進歩によりヒトG−CSFの
製造方法が開発され,純粋均質でしかも大量のヒトG−
CSFが入手できるようになった.(特開昭61−227526
号,特開昭62−236497号,特開昭62−236488号).この
結果をふまえて,線溶系活性化作用を有するPAを産生す
る血管内皮細胞に対するヒトG−CSFの影響等を研究し
た結果、ヒトG−CSFが、線溶系活性化作用を有するPA
の産生を増強させることから、副作用の少ない優れた抗
血栓剤として用いられることを見いだした。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記目的を達成するため,鋭意研究を重
ねた結果,哺乳動物の内皮細胞例えばウシ頚動脈内皮細
胞を用いて検討した結果 ヒトG−CSF存在下で前孵置したウシ頚動脈内皮細胞
(以後内皮細胞)は非存在下で前孵置した内皮細胞に比
べて約5倍のPAの合成分泌増加が認められた。
G−CSFの添加濃度は約50ng/mlでPA産生の最大値を得
られることから,ほぼ造血系の標的細胞に対する至適濃
度と同じである. ヒトG−CSFとの前孵置による内皮細胞のPA合成分泌
促進の程度は,G−CSFの添加濃度と前孵置の時間とに明
かな相関がある. ペトリ皿中にフィブリンゲルを形成させ,そのゲル上
で血管内皮細胞を培養するとき,G−CSFの添加をすると
細胞の増殖に伴いPAが分泌され、培養液中のプラスミノ
ゲンをプラスミンに換え,これがフィブリンゲルを溶解
する. ヒトG−CSFをヒトに近縁のアカゲザルに連投すると,
2週間後のその新鮮血をトロンボエラストグラムで分析
すると線溶系活性化に起因すると考えられる血液凝固直
後のフィブリンの溶解が認められたという事実を確認
し,この結果からヒトG−CSFは血管内皮細胞に作用
し,そのPAの合成分泌を促進し,血中に大量に存在する
プラスミノゲンをプラスミンに変換し,生じたプラスミ
ンは選択的に血管に蓄積したフィブリン塊を溶解するこ
とを著しく亢進させることが考えられ、本発明に到達し
た. すなわち本発明は、ヒトG−CSFを有効成分とする抗
血栓剤を提供するものである. 以下本発明を詳細に説明する. 本発明の抗血栓作用の有効成分であるヒトG−CSFは
純度の高いヒトG−CSFであればその由来が制限される
ものではなく,例えば人の生体試料から抽出,分離,精
製したもの,ヒトG−CSF産生細胞を培養し,その培養
上清から単離したもの,細胞融合法を用いてヒトG−CS
F産生ハイブリドーマを形成しそれから取得したもの,
遺伝子組換えによって,大腸菌,動物細胞等の宿主を形
質転換して得た形質転換体から産生せしめ単離精製した
もの,又は天然のヒトG−CSFのアミノ酸配列に化学修
飾を施したもの等のいずれも使用することができる. しかし,それらの中でも純度よく均質大量に入手でき
る次の(1)(2)で示すヒトG−CSFが特に好ましい
ものである. (1)次の理化学的性質を有するヒトG−CSF. 分子量:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法による測定で19,000±1,000. 等電点:pI=5.5±0.1,pI=5.8±0.1,pI=6.1±0.1
の3つの等電点のうち少なくとも1つを有する. 紫外部吸収:280nmに極大吸収を有し,250nmに極小値
をもつ. N末端から21残基目迄のアミノ酸配列が次の如くで
ある. (2)下記のアミノ酸配列またはその一部であらわされ
るヒトG−CSF活性を有するポリペプチド又はこれと糖
鎖部を有する糖蛋白質からなるヒト 上記のヒトG−CSFは例えば後述する参考例に示す方
法によって製造することができる。即ち,上記(1)の
ヒトG−CSFは参考例1によって,又(2)のヒトG−C
SFは参考例2に示す方法により得ることができる。(m
=0の場合を−VSE,m=1の場合を+VSEという) なおこれらの方法の詳細な製造条件については,本出
願人が先に出願した特開昭61−227526号,特開昭62−23
6497号,特開昭62−236488号の各明細書を参照された
い。
又,その他の方法としてG−CSF産生細胞と自己増殖
能を有する悪性腫瘍とを細胞融合して得られるハイブリ
ドーマをマイトジェンの存在または非存在下で培養する
ことによって得ることもできる。これらの方法で得たヒ
トG−CSFは全て本発明に含まれる. 得られたヒトG−CSF含有液は必要により公知の手段
でさらに精製,濃縮した後,ミリポアフィルター等で無
菌濾過して凍結保存とするかまたは凍結乾燥,真空乾燥
などの手段により水分を除去して保存することができ
る。
また所望によりヒトG−CSFを蒸留水または適当な緩
衝液に溶解した後注射液として用いることもできる。
さらに本発明の抗血栓剤はヒトまたは動物医薬用に適
した医薬製剤としての形態を取るために必要な製剤担体
や賦形剤を,さらには安定化剤,吸着防止剤を含ませる
ことができる. 本発明の抗血栓剤に含まれるヒトG−CSFの投与量,
投与回数は対象の疾患患者の病状を配慮して決めること
ができるが、通常成人一人当り0.1〜1000μg,好ましく
は1〜500μgのヒトG−CSFを含有する製剤を1週間に
1〜7回投与すればよい. しかし本発明はヒトG−CSFの含有量によって限定さ
れるものではない。
〔実施例〕
以下本発明を参考例(ヒトG−CSFの製造例)実験例
(薬理効果),実施例(製剤例)をあげて説明するが,
本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 (G−CSF産生細胞の培養によるヒトG−CSFの製造例) 特開昭61−227526号の実施例1に示す方法で樹立した
ヒト口腔底癌細胞由来のG−CSF産生細胞株CHU−1(C.
N.C.M受託番号「I−315」)また同様の方法で樹立した
細胞株CHU−2(C.N.C.M受託番号「I−483」)をウシ
胎児血清を含有するRPMI 1640培養液に浮遊した後,ロ
ーラーボトルにいれて回転培養を行った.細胞がローラ
ーボトル内壁に密に増殖したところで培養液を血清不含
RPMI 1640にかえ,4日間培養後上清を回収,次いで血清
含有RPMI 1640を加えて3日間培養した後,培養液を血
清不含RPMI 1640に液替し,4日間培養後上清を回収す
る.以下これを繰り返し培養上清を回収した.得られた
血清不含培養上清を限外ろ過で約1000倍に濃縮し精製,
次いで検定を行った。
精製および検定は前記特開昭61−227526号明細書の実
施例と同じ方法で行った. 参考例2 (遺伝子組換えによるヒトG−CSFの製造例) 以下の製造例は、前述のアミノ酸配列における+VSE
または−VSEの各々を製造する方法である。
本出願人によって微工研に寄託されているエシエリヒ
ア・コリ(E.Coli)χ1776株(−VSEの場合FERM BP−9
55、または−VSEの場合BP−954)から切り出してきたヒ
トG−CSF遺伝子を有するcDNA断片をベクターpdKCRに組
み込みpHGV2(−VSEの場合)または、pHGG4(+VSEの場
合)プラスミドとした後これをSal Iで処理し,次いでD
NAポリメラーゼKlenow断片を反応させる. このDNAにEcoR Iリンカーを付加し,再びEcoR Iで部
分消化した後,アガロースゲル電気泳動にて約2.7Kbの
フラグメントを回収する. 一方,pAdD26SVpAプラスミド(Kaufman,R.G.& Sharp,
P,A.(1982)Mol.Cell.Biol,2巻1304〜1319)をEcoR I
で処理し,BAP処理し,脱リン酸する.次いでフェノール
処理後電気泳動でpAdD26SVpAのEcoR I断片を回収した. 上記の2.7Kb断片とpAdD26SVpA断片をアニール化し,E.
coli DHI株に塩化ルビジウム法により形質転換してpHG
V2(−VSEの場合)または、pHGG4(+VSEの場合)−dhf
rプラスミドを得た. つぎにCHO細胞(dhfr−株,コロンビア大学Dr.L.Chas
inより入手)を9cmのプレート(Nunc社製)中10%仔牛
血清を含むα最小必須培地(α−MEM,アデノシン,デオ
キシアデノシン,チミジン添加)で培養増殖し,これを
リン酸−カルシウム法(Wigler等,Cell 14巻725頁(197
8))によって形質転換した. 即ち,前記のpHGV2(−VSEの場合)または、pHGG4
(+VSEの場合)−dhfrプラスミド1μgにキャリア−D
NA(仔牛胸線DNA)を適量加えて,TE溶液375μlに溶解
し1M塩化カルシウム水溶液125μlを加える.3〜5分氷
上で冷やし500μlの2×HBS(50mM Hepes,280mM塩化ナ
トリウム,1.5mMリン酸緩衝液)を加え再び氷冷後,上記
のCHO細胞培養液1mlと混合し,プレートに写し,炭酸ガ
ス存在下インキュベーター中で9時間培養する。
以下洗浄,20%グリセロール含有TBS(Trisbuffered s
aline)添加,再び洗浄した後非選択培地(前出α−MEM
培地,ヌクレオシド添加)を添加して2日間インキュベ
ートし,選択培地で1:10に細胞を分割した.次いで2日
毎に選択培地(ヌクレオシド無添加)にて培地交換を行
いながら培養を続行し生じた集塊(foci)を選別して新
しいプレートに移した. 新しいプレートでは0.02μMメトトレキセート(MT
X)存在下で増殖し再び0.1μM MTX存在下で増殖させ
てクローニングを行った. 更にクローニングを続けた結果10mg/l以上(−VSEの
場合)または、1mg/l以上(+VSEの場合)のヒトG−CS
Fの生産を確認した. なお,精製,検定は特開昭62−236488号明細書の実施
例記載の方法によって行った. 実験例1 〔G−CSFによるウシ頚動脈内皮細胞のプラスミノゲン
アクチベーター(PA)の産生亢進〕 ウシ頚動脈より採取した血管内皮細胞塊を20%ウシ胎
児血清,50unit/mlペニシリン,50μg/mlストレプトマイ
シンを含むイーグル最小必須培地に分散させ,ペトリ皿
中で、95%空気,5%炭酸ガス,37℃の培養条件で初代培
養を行う.細胞がペトリ皿一面に増殖した後,0.05%ト
リプシン溶液で分散させてから植え継ぎを行う.次にウ
シ胎児血清を10%に替えた初代培養と同一条件で継代培
養を行い,多量の細胞を得る.これらの細胞をペトリ皿
で培養して、参考例2によって得られたG−CSFを0か
ら300ng/mlまで濃度変動をさせ添加し,既述のウシ胎児
血清10%を含む培地中で2日間培養を行った.このあと
細胞をG−CSF及び血清を含まない培地で洗浄した後,
さらに8時間同様の培地中で培養し、これを条件培地と
した。この条件培地中に分泌されたPAをプラスミノゲン
に作用させ生じたプラスミンを合成基質t−ブチルオキ
シカルボニル−L−バリル−L−ロイシル−リジン−4
−メチルクマリル−7−アミド(BOC−Val−Leu−Lys−
MCA)を用いて二段階反応により測定し,ウロキナーゼ
国際単位で表記した. 図1から明らかなようにPA活性はG−CSFの添加濃度
の増加と共に劇的に上昇し,50ng/mlでプラトーに達し
た。また、図2に示したごとく、前孵置時間の経過と共
にPA産生は増加し、12時間後にはほぼ最大に達した。こ
れは対照群のPA活性の5倍に相当した。これらの結果は
G−CSFが血管内皮細胞に作用し,著しくそのPA産生を
促進していることを示したものである.さらに表1では
このPA産生が細胞内でも増加していることを確認するた
め,2日間G−CSF添加で培養した後,細胞を洗浄し,半
分の細胞を0.5%Triton X−100を添加してホモゲナイズ
し,その抽出液について細胞内PA活性を検討すると共に
残りの半分の細胞は,8時間既述のように培養し,この培
養液について細胞外に分泌されたPA活性を測定した.こ
の結果,細胞内PA活性も細胞外のそれと同様に上昇して
いた.また,このとき蛋白合成阻害剤であるサイクロヘ
キシミドを2日間の培養中に添加すると,これに続く8
時間培養後の細胞内外のPAの産生は完全に抑えられた. 以上の事実は、培地中にG−CSFを添加することによ
り、血管内皮細胞によるPA産生が明らかに亢進したこと
を示したものである. 実験例2 〔G−CSFによる血管内皮細胞の線溶活性の促進〕 培養皿に入れたフィブリノゲン溶液(13.5mg/ml)2.4
mlにスロンビン(5u/ml)100μlを加え,37℃ 3時間
インキュベイションしてフィブリンゲルを形成させた.
このゲル上でウシ頚動脈内皮細胞を,10%ウシ胎児血
清,ペニシリン(50u/ml)とストレプトマイシン(50μ
g/ml)を含むイーグル最小必須培地を加えて参考例2に
よって得られたG−CSFを500ng/mlの濃度になるように
添加し,無添加の対照群と共に43時間培養した.図3に
示すように対照群では小さな溶解ゾーンが観察され,こ
れは対照群の細胞からわずかなPAの分泌があったことを
意味している.一方,G−CSF添加群でより大きくかつ明
確な溶解ゾーンが観察された.これは,G−CSFの刺激に
より細胞がより多くのPA合成分泌を行い,結果として培
養液中に存在するプラスミノゲンを活性化し,生じたプ
ラスミンがフィブリンゲルを溶解したものである。これ
らの結果はヒトG−CSFが血管内皮細胞に作用し,PAの合
成分泌を促進し,分泌したPAはその周囲に存在するプラ
スミノゲンを活性化し,生じたプラスミンが、血栓の主
成分であるフィブリンを溶解することを示したものであ
る。
以上結論すると、ヒトG−CSFは血管内皮細胞を刺激
してPA放出を促進することにより,線溶活性の亢進作用
を有することが確認できた。
実験例3 〔ヒトG−CSF連続投与によるアカゲザルの線溶活性亢
進〕 ヒトG−CSFをアカゲザルに連続投与した後,その末
梢血についてクロット・トレーサーTE−400(エルマ社
製)を用いたトロンボエラストグラフ(TEG)において
線溶活性を検討した.図4aに示すように対照群では凝固
が始まると共に振幅が拡大し,その後線溶活性の発現に
より徐々にこのTEGパターンの最大振幅(MA)が減少し
た.ところが,図4bに示すようにヒトG−CSFを1μg/k
gを皮下投与しているサルでは投与開始後,最初に測定
した2週間後にはすでにTEGパターンに線溶亢進作用が
顕著に出現し(参考文献1:実戦止血凝固学 藤巻道男他
編集 第189−191頁参照)、血液凝固過程では凝固塊,
フィブリン塊の弾性度が低下しているのが明らかとなっ
た.この現象は図4cに示すように,ヒトG−CSFを10μg
/kg連投しているサルではさらにこの線溶活性の亢進が
より著しいことが明らかとなった。(参考文献2:基礎と
臨床vol.12,No.6,Jun.(1978)76−78「Clot tracerパ
ターンの解析」)参考文献2に示されているように正常
ヒト血液にウロキナーゼを添加した際のトロンボエラス
トグラフ、つまり一度凝固後の血液が溶解するために一
本の線状パターンに再びなる現象と全く同じ傾向がほと
んどのヒトG−CSF投与例で認められた。
以上の現象はヒトG−CSFがin vitroばかりでなくin
vivoのレベルでも線溶活性の亢進をしていることを示し
たものである.上記の実験の結果をまとめると前述した
通り, ヒトG−CSF存在下で前孵置した血管内皮細胞は非存
在下で孵置した血管内皮細胞に比べて約5倍のPAの合成
分泌が認められた. ヒトG−CSFと血管内皮細胞をフィブリンゲル上で培
養すると,PAの合成分泌が促進され,結果として共存し
ているプラスミノゲンが活性化プラスミンに変換し,血
栓の主成分であるフィブリンゲルを溶解することが明ら
かになった.つまり,ヒトG−CSFは血管内皮細胞を刺
激して,PA放出をすることにより,線溶活性の亢進をす
る. ヒトG−CSFをアカゲザルに連続投与することによ
り,末梢血でのトロンボエラストグラフを検討した結
果,線溶活性の亢進が認められる. したがってヒトG−CSFはin vitroの結果とともに,in
vivo投与実験においても線溶活性を著しく亢進させる
ことが確認された. 実施例1(製剤例) 〔発明の効果〕 本発明のヒトG−CSFを有効成分とする抗血栓剤は人
の体にもともと存在しているヒト血管内皮細胞のPA産生
能を増強し,血液中に存在するプラスミノゲンを活性型
のプラスミンに変換し,このものがフィブリンを溶解す
る線溶活性を出現させる.この結果,血栓を溶解させる
と共にさらにG−CSF投与で増加する好中球がこれら血
栓溶解物の処理に促進的に働き,これらの作用にもとづ
いて血栓を溶解除去しようとするものであり,副作用の
少ない抗血栓剤として有用なものである. 実施例1(製剤例) 参考例1によって得られ且つ精製されたヒトG−CSF
(10mMリン酸緩衝液pH7)50μg/mlに非イオン界面活性
剤であるポリソルベート20(Tween 20:ポリオキシエチ
レンソルビンモノラウレート)を0.1mg/mlとなるように
加え、NaClにて浸透圧比を1に合わせた後、0.22μmの
ポアサイズを有するメンブランフィルターで濾過滅菌す
る。得られた溶液を滅菌処理を施したバイアル瓶中に充
填し、同様に滅菌処理したゴム栓で打栓し、続いてアル
ミニウムキャプにて巻き締めて注射用溶液製剤を得た。
この注射用溶液製剤は10℃以下の冷暗所に保存する。
実施例2(製剤例) 参考例2によって得られ且つ精製されたヒトG−CSF
(10mMリン酸緩衝液pH7)100μg/mlに非イオン界面活性
剤であるポリソルベート8(Tween 80:ポリオキシエチ
レンソルビンモノオレート)を0.1mg/mlとなるように加
え、NaClにて浸透圧比を1に合わせた後、0.22μmのポ
アサイズを有するメンブランフィルターで濾過滅菌す
る。得られた溶液を滅菌処理を施したバイアル瓶中に充
填し、同様に滅菌処理したゴム栓で打栓し、続いてアル
ミニウムキャプにて巻き締めて注射用溶液製剤を得た。
この注射用溶液製剤は10℃以下の冷暗所に保存する。
実施例3(製剤例) 参考例1によって得られ且つ精製されたヒトG−CSF
(10mMリン酸緩衝液pH7)50μg/mlに非イオン界面活性
剤であるポリソルベート20(Tween 20:ポリオキシエチ
レンソルビンモノラウレート)を0.1mg/mlとHSA10mg/ml
及びマンニトール50mg/mlとなるように加えて溶解した
後、0.22μmのポアサイズを有するメンブランフィルタ
ーで濾過滅菌する。得られた溶液を滅菌処理を施したバ
イアル瓶中に充填し、同様に滅菌処理したゴム栓を半打
栓し、凍結乾燥を行い注射用凍結乾燥製剤を得た。この
注射用凍結乾燥製剤は室温以下の温度条件に保存し、注
射用蒸留水にて用時溶解して使用する。
実施例4(製剤例) 参考例2によって得られ且つ精製されたヒトG−CSF
(10mMリン酸緩衝液pH7)100μg/mlに非イオン界面活性
剤であるポリソルベート8(Tween 80:ポリオキシエチ
レンソルビンモノオレート)を0.1mg/mlとゼラチン10mg
/ml及びマンニトール50mg/mlとなるように加えて溶解し
た後、0.22μmのポアサイズを有するメンブランフィル
ターで濾過滅菌する。得られた溶液を滅菌処理を施した
バイアル瓶中に充填し、同様に滅菌処理したゴム栓を半
打栓し、凍結乾燥を行い注射用凍結乾燥製剤を得た。こ
の注射用凍結乾燥製剤は室温以下の温度条件に保存し、
注射用蒸留水にて用時溶解して使用する。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のヒトG−CSFがウシ血管内皮細胞によ
るPAの産生に及ぼす影響を示す。 図2は、本発明のヒトG−CSFがウシ血管内皮細胞に及
ぼすPAの産生と前孵置時間の関係を示す。 図3は、本発明のヒトG−CSFが血管内皮細胞の線溶活
性の亢進に及ぼす影響を示す。 図4は、本発明のヒトG−CSFのアカゲザル13週間連続
皮下投与における経時的TEGパターンを示す。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト顆粒球コロニー刺激因子を有効成分と
    する抗血栓剤。
  2. 【請求項2】生体内の全ての動,静脈血管内に形成され
    る血栓を対象とする特許請求の範囲第1項記載の抗血栓
    剤。
  3. 【請求項3】ヒト顆粒球コロニー刺激因子が動、静脈血
    管内皮細胞のプラスミノゲンアクチベーターの合成分泌
    を促進すること,およびこのプラスミノーゲンアクチベ
    ーターがプラスミンを生成し,線溶活性の亢進をするこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の抗血栓剤。
  4. 【請求項4】ヒト顆粒球コロニー刺激因子がヒト顆粒球
    コロニー刺激因子産生細胞の培養上清から得られたもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の抗
    血栓剤。
  5. 【請求項5】ヒト顆粒球コロニー刺激因子が次の理化学
    的性質を有するものであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の抗血栓剤。 「理化学的性質」 分子量:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
    ドゲル電気泳動法による測定で19,000±1,000. 等電点:pI=5.5±0.1,pI=5.8±0.1,pI=6.1±0.1の
    3つの等電点のうち少なくとも1つを有する. 紫外部吸収:280nmに極大吸収を有し,250nmに極小値を
    もつ. N末端から21残基目迄のアミノ酸配列が次の如くであ
    る.
  6. 【請求項6】ヒト顆粒球コロニー刺激因子がヒト顆粒球
    コロニー刺激因子活性を有するポリペプチドをコードす
    る遺伝子を含む組換えベクターを含有する形質転換体か
    ら産生されたヒト顆粒球コロニー刺激因子活性を有する
    ポリペプチドまたは糖蛋白質であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の抗血栓剤。
  7. 【請求項7】ヒト顆粒球コロニー刺激因子活性を有する
    ポリペプチドが下記のアミノ酸配列またはその一部で表
    される特許請求の範囲第1項記載の抗血栓剤。
  8. 【請求項8】ヒト顆粒球コロニー刺激因子活性を有する
    糖蛋白質が下記のアミノ酸配列またはその一部で表され
    るポリペプチドと糖鎖部とを有するものである特許請求
    の範囲第1項記載の抗血栓剤。
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