JP2002528058A - コントートロスタチン(cn)、並びに転移及び他の症状の抑制におけるその使用方法 - Google Patents

コントートロスタチン(cn)、並びに転移及び他の症状の抑制におけるその使用方法

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マークランド、フランシス・エス・ジュニア
ゾウ、キン
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ザ・ユニバーシティー・オブ・サザン・カリフォルニア
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】コントートロスタチン前駆体に対する完全長のcDNAと推定アミノ酸配列を得るためのクローニング戦略で、天然のコントートロスタチンのアミノ酸配列を使用した。該前駆体は、マルチドメインタンパク質のプロタンパク質、メタロプロテイナーゼ、及びディスインテグリン(コントートロスタチン)を含む。該配列は、発現時に、生物学的に活性な変種と断片を含むコントートロスタチンタンパク質をコードする組換えDNA分子を作るために使用できる。薬学的に許容される組成物として処方されると、前記タンパク質は、インテグリン受容体へのインテグリンの結合と関連する疾病過程を阻害することによって、患者を治療するために使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
発明の分野 本発明は、一般的には、生物化学及び医学の分野に関し、具体的には、コント
ートロスタチン及びその前駆体のクローニング、配列決定、及び製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
発明の背景 乳癌は、非喫煙女性の主たる死因の一つであり、胸から離れた部位への本疾病
の広がりは、乳癌患者における主要な死因である。60%を超える乳癌患者が、
診断時に、胸の原発部位から幾つかの離れた部位に広がった疾病を有しているで
あろう。転移と呼ばれるプロセスである離れた部位、例えば、骨、肺、肝臓、脳
への癌の広がりは、悪性腫瘍の特徴であり、多くの場合、手術不可能な疾病に至
る。転移は、乳癌による死をもたらす最も一般的な要因である。転移の制御は、
乳癌治療のための重要な道筋を与える。癌細胞は、血管又はリンパ管を通じて転
移する。転移の第1の工程は、細胞表面のインテグリンや他の接着受容体を介し
て、原発部位の周囲の組織、すなわち細胞外マトリックス(ECM)への癌細胞
の付着を含む。インテグリンは、細胞−細胞相互作用及び細胞−基層相互作用を
媒介し、ECMを細胞骨格タンパク質とリンクする双方向性のシグナリングに関
与している。インテグリンは、乳癌細胞とECMとの相互作用において重要な役
割を果たしている。第2の工程では、癌細胞は、周囲の組織を分解して、腫瘍細
胞がこれらの組織に浸潤し得るようにする消化酵素を分泌する。最後に、腫瘍細
胞は、血液又はリンパ系に入り、ここで、遠くの(転移)部位での接着及び浸潤
工程を繰り返す。この離れた部位で、腫瘍細胞は、増殖する腫瘍の中及び周囲に
新しい血管の形成を誘導する(新血管形成と称されるプロセス)。これらの新し
い血管は、転移した腫瘍に栄養分を供給して、腫瘍を増殖させる。これらの工程
の何れかをブロックする処置は、転移を阻害するように働くはずである。
【0003】 癌細胞上のインテグリンは、腫瘍の浸潤と広がりに重要な役割を果たしている
。それらは、細胞間の相互作用、及び細胞とそれらの周囲との相互作用を媒介す
る多くの細胞種の細胞表面上に見出されるタンパク質のファミリーである。CN
は、血液の血小板表面上にある特定のインテグリンに結合し、血小板が互いに接
着する能力(血小板凝集と称されるプロセス)をブロックする。血小板は、血流
中に見出される骨髄細胞の小さな断片である。それらは、有益な働きと有害な働
きの両者を併有している。それらの有用な作用は、血餅の形成を促進することに
よって、負傷後の出血を止めることである。しかし、ある条件下では、それらは
、心臓への栄養を供給する動脈をブロックするのに関与しており、この作用は、
心臓発作をもたらすことがある。インテグリンは、細胞−細胞及び細胞−基層相
互作用に関与するαサブユニットとβサブユニットから構成されるヘテロダイマ
ーである。インテグリンは、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、ビトロネク
チン、コラーゲン、及びラミニン(laminen)のような細胞外マトリック
スタンパク質に対する受容体として働く。これらの相互作用のうちの幾つかは、
マトリックスタンパク質中に存在するArg−Gly−Asp(RGD)配列を
介して媒介されることが示されている。αサブユニットとβサブユニットの両者
が、フィブリノーゲンの結合に必要とされる。例えば、インテグリン細胞表面受
容体のスーパーファミリーのメンバーの1つは、血小板の凝集で血漿フィブリノ
ーゲンと相互作用する血小板膜糖タンパク質(GP)IIb/IIIaである。イン
テグリン細胞表面受容体は、急性心筋梗塞の発症で、血小板が冠状動脈の血栓症
と再血栓症を媒介する役割について調べられてきた[Zucker,M.B.,
Sci.American 242:86(1990)]。血小板の凝集に関し
ては、フィブリノーゲン中に存在するRGD配列が、(GP)IIb/IIIaとの
相互作用に不可欠である[Ginsberg,M.H. et al.,Thr
ombos.Haemostas.59:1(1988)]。その血小板凝集の
阻害故に、ヘビ毒は、様々な研究の対象になってきた。
【0004】 Crotalidae及びViperidae科のヘビの毒から精製された多
くのタンパク質は、糖タンパク質(GP)IIb/IIIaを介した血小板の凝集を
阻害することが見出されている[例えば、Huang,T.F. et al.
,J.Biol.Chem.262;16157(1987);Gan,Z.R
. et al.,J.Biol.Chem.263:19827(1988)
;Yasuda,T.et al.,J.Am.Coll.Cardiol.1
6:714(1990);Trikha,M.et al.,Fibrinol
ysis 4(Suppl.1):105(1990);Trikha,M.
et al.,Blood 76(Suppl.1):479a(1990);
Holahan,M.A.et al.,Pharmacology 42:3
40(1991);Shebuski,R.J. et al.,Circul
ation 82:169(1990);Yasuda,T.et al.,C
irculation 83:1038(1991)参照]。ディスインテグリ
ンとして分類されるこれらのタンパク質は、典型的には、ジスルフィドが豊富で
ある。さらに、バルブリン(barbourin)を除く[Scarborou
gh,R.M. et al.,J.Biol.Chem.266:9359(
1991)]これまでに単離された全てのディスインテグリンは、インテグリン
によって媒介される相互作用の阻害への関与が示されているRGD(Arg−G
ly−Asp)配列を含有する。特に、ディスインテグリンのRGD配列は、血
小板の膜上にあるフィブリノーゲン結合部位を競合することにより、ADP又は
他の媒介物によって誘導された血小板の凝集を阻害するかもしれない。
【0005】 それにもかかわらず、ディスインテグリンが、RGD部位のみに基づく機序と
は異なる機序によって、インテグリンとの相互作用を促進するユニークな表面構
造を有するかもしれないというますます多くの証拠が存在するようである。例え
ば、(RGD配列中のアルギニンがアラニンに置換された)エキスタチンの変異
し、化学的に合成された誘導体が、なお、幾らかの生物活性を保持するという発
見は、このタンパク質の他の領域が結合に関与しているかもしれず、RGD結合
部位には幾らかの柔軟性が存在し得ることを示唆している[Connolly,
T.M. et al.,Circulation 82(Suppl.III)
:660(1990)]。合成RGDペプチドは、一般的には、それらの小さな
サイズのためにディスインテグリンの分子構造的特徴を有していないので、ディ
スインテグリンの結合に関与しているであろう複数の機序を介して相互作用する
ことができない。
【0006】 他の研究では、イヌのモデル系で組織型のプラスミノーゲン活性化因子を用い
た血栓溶解後の再閉塞の防止が、3μg/kg/分のビチスタチン(Bitis
arietansの毒に由来する83アミノ酸のディスインテグリン[She
buski et al.,上記])、又は15μg/kg/分、静脈内、エチ
スタチン(Echis carinatusの毒に由来する49アミノ酸のディ
スインテグリン)を加えた30μg/kgを用いて報告されてきた[Holah
an et al.,上記]。報告された方法では、対照と比べて活性化部分ト
ロンボプラスチン時間を少なくとも1.5倍に増加させるために、ヘパリンの初
回大量瞬時投与(100U/kg i.v.)とその後の1時間毎の50U/k
gの大量瞬時投与が使用された。以前には、組織型プラスミノーゲン活性化因子
(tPA)と組み合わせたヘパリンは、このモデル系で、急性再閉塞の発生に影
響を与えないことが観察されてきたが、エチスタチン又はビチスタチンを加える
と、急性血栓症の再閉塞の発生の劇的な減少がもたらされる。しかしながら、ヘ
パリンの投与は、急性血栓症の再閉塞を防止するのに、明らかに必要であった。
【0007】 同様に、重層した高度の狭窄を有する冠状動脈血栓のイヌのモデルで、キスト
リン(Agkistrodon rhodostomaの毒に由来する68アミ
ノ酸のディスインテグリン)は、組換え組織型プラスミノーゲン活性化因子と組
み合わせて評価された[Yasuda et al.,(1991)、上記]。
4μg/kg/分の有効量が、再閉塞を防ぐのに十分であることが決定された。
同時全身治療用のヘパリン抗凝固が使用された。ヘパリンの用量は、実験観察期
間を通じて、2倍を超える活性化部分トロンボプラスチン時間を維持するように
選択した。
【0008】 Huangらの米国特許第5、066、592号は、ヒトの血小板へのフィブ
リノーゲンの結合を阻害することにより、フィブリノーゲンによって誘導される
ヒト血小板の凝集を阻害するために、Trimeresurus gramin
eusの毒から単離された72アミノ酸のディスインテグリンであるトリグラミ
ン(trigramin)の使用を記載している。トリグラミンは、フォンビル
ブラント因子の血小板への結合を阻害することも報告されている。トリグラミン
は、濃度依存的に、2.8〜5.6×10−8MのIC50で、125I−フィ
ブリノーゲンのADP(10μM)刺激された血小板への結合を阻害することが
報告されている。
【0009】 Agkistrodon piscivorus piscivorusの毒
からの抗血小板因子アプラジン(applagin)の単離も報告されている[
Chao,B.H. et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 86:8050(1989);Savage,B.et al.,J.
Biol.Chem.265:11766(1990)]。トリグラミンとは異
なり、アプラジンは、用量依存的に、血小板凝集の阻害と同時に密顆粒分泌を阻
害することが報告されている。最初は、少なくとも2つの鎖間ジスルフィド架橋
を有するホモダイマーとして記載されたが[Chao et al.,(198
9)上記]、その後の報告は、質量分析器による精製されたアプラジンの分析は
、7,666ダルトンの質量を有するアプラジンモノマーの存在を示し、二量体
化の証拠がないことを示した[Wencel−Drake,J.D.et al
.,Blood 81:62(1993)]。
【0010】 特に興味深いディスインテグリンの1つが、Agkistrodon con
tortrix contortrix(ミナミアメリカマムシ)の毒から単離
されたCNである。最初に報告された精製操作は、セファデックスG−100
SF上での分子ふるいクロマトグラフィー、セファデックスG−25F上での脱
塩、及び逆相HPLCを含んでいた。ヒト血小板が豊富な攪拌されたのADPで
増強された凝集とCNによるその阻害が、37℃でモニターされた。血小板が豊
富な血漿(3×10/mm)を、セファデックスG−100 SF後の低分
子量のピーク5μLとともに1分間プレインキュベートすると、10μMのAD
Pによって誘導された血小板の凝集が76%阻害されることが見出された[Tr
ikha et al.(1990)、上記]。
【0011】 その後の報告で、未精製の毒では、血小板凝集活性が存在するために、阻害剤
は容易に検出することができないが、精製の第1工程(疎水性相互作用HPLC
)後には、凝集活性と前記毒の中に存在するα鎖分解性繊維素溶解酵素の両者か
ら阻害活性が分離されることが明らかとなった。HPLC後に、阻害活性がプー
ルされ、ヒドロキシルアパタイトHPLCカラムにアプライされた。精製の最終
工程では、C逆相HPLCクロマトグラフィーが使用された。均一なタンパク
質の収量は、毒1g当たり3〜5mgであった。CNは、非還元条件下では、1
8〜21kDaの分子量を有し、還元条件下では、9kDaの分子量を有するこ
とが報告された。このため、該分子は、ジスルフィド結合によって互いに固定さ
れた2つのサブユニットを有するホモダイマーであると考えられた。等電点電気
泳動は、該タンパク質が酸性のpIを有することを示した。CNは、分子サイズ
と血小板凝集阻害の速度論に基づいて、繊維素溶解活性を示さず、5’−ヌクレ
オチダーゼ又はホスホリパーゼでないことが報告された。1分間プレインキュベ
ートすると、約100nMのCNが、ADPによって誘導された血小板の凝集を
完全に阻害することが報告された[Trikha et al.(1990)、
上記]。
【0012】 さらに、CNは、5〜6個のジスルフィド架橋を持つ70アミノ酸を有し、C
Nの配列は、アプラジン(Agkistrodon piscivorus p
iscivorusの毒から得られる血小板凝集阻害剤)の10アミノ酸下流か
ら始まるようであるということが報告されてきた。CNは、9つのアミノ酸の挿
入及び/又はC末端の伸張を有するかもしれないと推測された。0.8μg/m
LのCNで、及びイヌの血小板とともに2.2μg/mLで、血小板が豊富な血
漿中のヒト血小板凝集の50%阻害(IC50)が観察されることがさらに報告
された[Trikha,M.et al.,Journal of Cellu
lar Biochem.16F:180(1992)]。
【0013】 CNは、ヒトの繊維肉腫(HT−1080)及びc−Ha−rasをトランス
フェクトしたラットの胚(4R)細胞のフィブロネクチンがコートされたプレー
トへの結合を阻害するが、マトリゲルがコートされたプレートへの結合は阻害し
ないことが報告された。1μg/mLと5μg/mLのCNの存在下での、4R
細胞のフィブロネクチンへの結合の阻害は、それぞれ、46%及び88%であり
、HT1080細胞の阻害では、それぞれ、89%と85%であった[Trik
ha,M.et al.,Proceedings of the Ameri
can Association for Cancer Research:
33:34(1992)]。
【0014】 CNは、インテグリンとそれらの受容体間の相互作用を阻害することができ、
これらの相互作用が関連する疾病の処置に有用であり得るようなので、他のヘビ
毒の成分が実質的に存在しない、精製されたコントートロスタチンをより多量に
製造するための改良された方法に対する要求がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
発明の概要 本発明は、血小板凝集、細胞の増殖、接着、転移、及び新血管形成のような生
物学的プロセスを阻害するために使用できる、より多量のコントートロスタチン
に対する要求を満足させる。天然のコントートロスタチンを精製し、エドマン分
解によってアミノ酸の一部を決定した。この情報により、cDNAのクローニン
グ戦略が可能となり、完全長のcDNA配列とコントートロスタチンの前駆体タ
ンパク質の推定アミノ酸配列が得られた。コントートロスタチンの前駆体は、プ
ロタンパク質領域、メタロプロテイナーゼ領域、及びディスインテグリン領域を
含む。メタロプロテイナーゼ領域は金属結合モチーフを含み、ディスインテグリ
ン領域は、インテグリンアンタゴニストとして作用することができるRGDルー
プを含む。天然のコントートロスタチンの配列は、ディスインテグリン領域の中
に含まれている。
【0016】 本発明は、コントートロスタチン前駆体、生物学的に活性な変種、それらの断
片を含む精製されたコントートロスタチンタンパク質を含む。前記コントートロ
スタチンタンパク質は、好ましくは、天然のコントートロスタチンモノマー(配
列番号2のアミノ酸番号419〜483)、前記メタロプロテイナーゼ領域(配
列番号2のアミノ酸番号191〜410)、前記プロタンパク質領域(配列番号
2のアミノ酸番号1〜190)、又は前記コントートロスタチン前駆体全体(配
列番号2)と一致するアミノ酸配列を含む。最も好ましい精製されたタンパク質
は、ホモダイマーを形成する、それぞれ約5〜約7kDaの分子量を有するコン
トートロスタチンモノマーから構成される。
【0017】 インテグリンアンタゴニストとして作用し得る精製されたコントートロスタチ
ンは、一般的には、各モノマー中に、配列番号2のアミノ酸番号457〜469
を含むアミノ酸配列のように、2つのCys残基が隣接した約13アミノ酸残基
の柔軟なペプチドループの端に、拘束されたArg−Gly−Asp(RGD)
配列を含むであろう。
【0018】 生物学的に活性な変種は、アミノ酸の置換、欠失、及び挿入を含み得るが、一
般的には、前駆体タンパク質のプロタンパク質、メタロプロテイナーゼ、ディス
インテグリン、及び/又はコントートロスタチン領域と少なくとも90%相同で
あるアミノ酸配列を有するであろう。変種は、コントートロスタチンに対する抗
体によって認識されるペプチドも含み得る。
【0019】 本発明のタンパク質は、合成による方法を用いて作ることもできる。合成のプ
ロセスには、好ましくは、形質転換された宿主細胞内で、本明細書に開示されて
いるコントートロスタチンcDNA分子を転写し、翻訳することを含み得る。あ
るいは、前記プロセスは、本明細書に開示したコントートロスタチンのアミノ酸
配列を有するポリペプチドを合成することを含む。
【0020】 組換えDNA法によって調製されたタンパク質は、一般的に、配列番号1のよ
うな、発現時に、コントートロスタチンをコードするDNA配列を含む組換えD
NA分子の使用を含むであろう。好ましくは、前記組換えDNA分子は、メタロ
プロテイナーゼ(例えば、配列番号1のヌクレオチド番号657〜1316)、
又はディスインテグリン(例えば、配列番号1のヌクレオチド番号1341〜1
535)のような少なくとも1つの生物活性を有する配列をコードする。さらに
、組換えDNA分子は、プロタンパク質をコードする配列(例えば、配列番号1
のヌクレオチド番号87〜656)、前駆体タンパク質全体(配列番号1のヌク
レオチド番号87〜1535)、又は単に天然のコントートロスタチンモノマー
をコードする配列(配列番号1のヌクレオチド番号1341〜1535)も含み
得る。
【0021】 本発明は、さらに、原核又は真核宿主細胞を形質転換するために使用できる前
記組換えDNA分子を含むベクターを提供する。宿主細胞は、哺乳類細胞、植物
細胞、昆虫細胞、酵母及び他の真菌又は細菌であり得る。組換えコントートロス
タチンを製造する方法は、一般的には、宿主細胞を培養することと宿主細胞によ
って発現されたコントートロスタチンを回収することの等の工程を含むであろう
【0022】 本発明のコントートロスタチンタンパク質は、薬学的に許容される担体と精製
されたタンパク質を含む薬学的に許容される組成物として処方できる。続いて、
該薬学的組成物は、インテグリン受容体に結合するリガンドが関連する疾病を有
する患者を治療する方法で使用できる。治療は、一般的に、インテグリン受容体
に結合するインテグリンが実質的に阻害され、患者が治療されるように、該患者
に前記組成物を投与することを含む。該治療方法は、血小板の凝集、腫瘍の転移
、血管新生、新血管形成、細胞の接着、浸潤性、又は増殖を阻害するために使用
できる。
【0023】 発明の詳細な記述 CNの性質決定、クローニング、及び発現 我々は、ディスインテグリン:A.c.contortrix毒からのコント
ートロスタチン(CN)を精製し、性質決定した。天然タンパク質の場合、CN
は、13,505の質量のホモダイマーであり、還元され、ピリジルエチル化さ
れたタンパク質の場合、6,956の質量である。血小板(GP)IIb/IIIa
(フィブリノーゲン受容体)への結合親和性をテストするために、ヒト血小板が
豊富な血漿(PRP)を用いて、(GP)IIb/IIIAに対して誘導された抗体
である[125I]7E3とのCNの拮抗を分析した。CNは、25nMのIC
50を示した。このように、CNは、強力なβ3インテグリンアンタゴニストで
ある。
【0024】 λgt10に構築したA.c.contortrix毒腺細胞のライブラリー
から、CNのcDNAを増幅した。CNのアミノ酸組成と部分アミノ酸配列は、
エドマン分解によって決定した。図1を参照。この情報を用いて、コントートロ
スタチン前駆体タンパク質をコードする2,027ヌクレオチドの完全長cDN
A(配列番号1)をクローニングし、配列を決定した。
【0025】 ディスインテグリンスーパーファミリーのメンバーとして、CNは、ヌクレオ
チド配列が公知であったトリグラミンを含む他のディスインテグリンと高度の類
似性を共有している。図1Aは、エドマン分解アッセイに基づくCNの部分アミ
ノ酸配列を示している。部分配列は、表記されている他のディスインテグリンと
も比較されている。RGD配列は、ボールド体である。高度に保存され、それに
対してPCRプライマーがデザインされたPCCDAATCKL配列には下線が
付されている。図1Aと1Bは、CNのcDNAが、ディスインテグリンファミ
リーの間で高度に相同な配列とcDNAインサートに隣接する公知のλgt10
配列に基づいたプライマーを用いたPCRによって、どのようにクローニングさ
れたかを示している。PCRプライマー対は、配列番号5(λgt10フォワー
ドプライマー)と下線が付されている保存された配列の一部をコードするトリグ
ラミンcDNAのアンチセンスである配列番号3(PCR−1)5’−GATT
ACAGGTTGCAGCATCGC−3’(図1Aと1B)、PCR−1と相
補的な配列番号4(PCR−2)と配列番号6(λgt10リバースプライマー
)である。配列番号5と3は、下線が付されている部分の上流のアミノ酸をコー
ドするDNAを増幅する。配列番号4と6は、CNの下流部分をコードするアミ
ノ酸を増幅する。完全長のcDNAは、2つのPCR産物の重複伸張によって得
られた(図1Cと2参照)。コントートロスタチン前駆体のcDNA配列と推定
アミノ酸配列は、図3に示されている。完全長の配列は、2,029ヌクレオチ
ドから構成される(配列番号1)。5’末端の86ヌクレオチド未翻訳領域、4
83アミノ酸をコードするオープンリーディングフレーム(配列番号2)、及び
3’非コード領域から構成される。
【0026】 図4は、他の4つのヘビ毒出血性タンパク質:トリグラミン;Cat(Cro
talus atrox毒から得られたカトロコラスタチン(catrocol
lastatin));ハラルハジン(Bothrops jararaca毒
から得られる);、及びHt−e(C.Atrox毒から得られる)の構造と比
較したコントートロスタチンのマルチドメイン構造を示している。ヘビ毒メタロ
プロテイナーゼの構造的な分類によれば、コントートロスタチンの前駆体は、プ
ロタンパク質(配列番号1又は2のアミノ酸残基1〜190)、メタロプロテイ
ナーゼ(配列暗号1又は2の残基191〜410)、及びディスインテグリン(
配列番号1又は2の残基419〜483)ドメインに分けることができる。天然
のディスインテグリンの成熟したモノマーは、D419、すなわち419位のア
スパラギン酸残基から始まる。図4の下線を付した部分は、コントートロスタチ
ンとトリグラミンの両者のRGD配列と、各分子のメタロプロテイナーゼドメイ
ン中の亜鉛結合モチーフの保存されたHEMGHNLGIHH配列を示している
【0027】 それ故、本発明によれば、実質的に精製されたコントートロスタチン、又はデ
ィスインテグリンの特性を保持した精製されたコントートロスタチンの変種、又
はプロタンパク質、メタロプロテイナーゼ、及びディスインテグリンドメインを
有するコントートロスタチンの前駆体からなるタンパク質も提供される。このタ
ンパク質は、ヘビ毒のような天然の採取源から精製することができ、又は、本明
細書の開示を参照することにより当業者が理解できるであろう組換え技術によっ
て作ることができる。 さらに、本出願は、天然と合成のアミノ酸及びヌクレオチド配列の両者について
権利を主張する。特に修正がなければ、本明細書で使用する「タンパク質」とい
う語は、天然と合成のポリペプチド及びペプチドの両者を包含する。合成タンパ
ク質には、組換えタンパク質と化学的に合成されたタンパク質を含む。特に示さ
れていなければ、「コントートロスタチン」という語は、天然と合成型のタンパ
ク質の両者を含む。「ヌクレオチド配列」という語は、DNAとRNA配列の両
者を含む。例えば、コントートロスタチンタンパク質のヌクレオチド配列は、(
「コントートロスタチンヌクレオチド配列」)は、天然及び前駆体タンパク質を
コードする遺伝子(「コントートロスタチン遺伝子」)、その相補的DNA、及
び前記のものに対応するRNAを含む。コントートロスタチンタンパク質をコー
ドするメッセンジャーRNA、その相補的RNAと、及び前記のものに対応する
DNAも含まれる。さらに、本出願で使用するヌクレオチド配列には、(1)コ
ントートロスタチンタンパク質をコードするDNA配列、(2)上記配列と相補
的なヌクレオチド配列(RNA又はDNAであり得る)、(3)開示されたDN
A配列中のチミジン(「T」)がウラシル(「U」)に置換されたDNA配列に
対応するRNA配列、(4)前記配列中のヌクレオチドが、ヌクレオチド類縁体
のような本分野で公知の他のヌクレオチドに置き換わった、例えば、シトシンが
5−メチルシトシンに置き換わっているヌクレオチド配列、及び(5)例えば、
前記ヌクレオチド配列が20%、好ましくは10%以内変異したヌクレオチド配
列が含まれる。
【0028】 ヌクレオチドコドンは縮重しているので、コントートロスタチンタンパク質、
それらのタンパク質変種、機能的な均等物、又は誘導体をコードするか、又はそ
れらに翻訳され得るヌクレオチド配列を含む均等なヌクレオチド配列も本発明の
範囲に属する。これらのヌクレオチド配列は、本発明の実施においても使用され
得る。
【0029】 上記に加えて、コントートロスタチンヌクレオチド配列には、(1)ストリン
ジェントなハイブリダイゼーション条件下で、それぞれのヌクレオチド配列のコ
ード配列にハイブリダイズできるヌクレオチド配列、及び(2)それぞれのコン
トートロスタチンタンパク質と実質的に同一の生物学的特性/活性、例えば、イ
ンテグリンアンタゴニスト、亜鉛結合、プロテイナーゼ、抗血管新生因子、及び
別の実施態様と例で本明細書に開示されているような活性を有するタンパク質を
コードし、又はタンパク質に翻訳され得る本明細書に開示されているものの断片
又は変異したヌクレオチド配列も含まれる。
【0030】 タンパク質と関連して使用される「コントートロスタチンタンパク質」という
語には、以下の例の部で記載されている各タンパク質、本発明の方法によって得
ることができる前駆体タンパク質、最も好ましくは以下の例の部の単離法から得
ることができるディスインテグリンの特性を示すタンパク質、及び(1)これら
のタンパク質のタンパク質変種;例えば、これらのタンパク質変種は、例えば、
プロタンパク質、メタロプロテイナーゼ、ディスインテグリン、及び/又は前記
タンパク質の天然のコントートロスタチン領域の配列と、それらの少なくとも9
0%、又は、より好ましくは少なくとも95%が一致するアミノ酸を有するアミ
ノ酸配列を含有し得る;(2)それぞれ、これらのタンパク質の機能的な均等物
及びそれらの変種;並びに(3)それぞれ、コントートロスタチンタンパク質及
びそれらの変種の断片を含む誘導体が含まれる。
【0031】 前記変種は、例えば、コントートロスタチンタンパク質のアミノ酸配列の置換
、挿入、又は欠失から得ることができる。タンパク質及びそれらの変種の誘導体
は、コントートロスタチンに対する抗体と特異的に結合するこれらのタンパク質
及び免疫反応性(immunorective)ペプチドの断片を含む。
【0032】 2つのアミノ酸配列は、インテグリン受容体への結合能のような実質的に同一
の生物活性を有すれば、機能的に均等である。前記タンパク質は、他のタンパク
質に融合させてもよく、例えばシグナル配列融合は、組換えコントートロスタチ
ンタンパク質の分泌を、より迅速に誘導するために利用し得る。
【0033】 本明細書に開示されたタンパク質の置換変種は、開示された配列中の少なくと
も1つの残基が除去され、その場所に異なる残基が挿入されたものである。好ま
しくは、アミノ酸の変化は保存的である。このように、コントートロスタチンタ
ンパク質の一次アミノ酸配列の修飾は、保存的な変異も含む。本明細書で使用す
る「保存的な変異」という語は、別の、生物学的に類似する残基によるアミノ酸
残基の置換を示す。保存的な変異の例には、イソロイシン、バリン、ロイシン、
又はメチオニンのようなある疎水性残基を別の疎水性残基に置換すること、又は
、アルギニンをリシンに、グルタミン酸をアスパラギン酸に、又はグルタミンを
アスパラギンに置換するなど、ある極性残基を別の極性残基に置換することが含
まれる。「保存的な変異」という語は、ポリペプチドがその生物活性を保持して
いるという条件で、置換されていない親アミノ酸に代えて、置換されたアミノ酸
を使用すること、例えば、置換されていないポリペプチドとも免疫反応する、置
換されたポリペプチドに対して作成された抗体も含む。
【0034】 さらに、全てのタンパク質においてよくあることだが、正確な化学構造は、多
数の要素に依存する。分子中には、イオン化できるアミノ基とカルボキシル基が
存在するので、このタンパク質は、酸性若しくは塩基性塩、又は中性形態で得ら
れ得る。適切な環境状態に置いたときに、それらの活性を保持するこのような調
製物は全て、この定義の中に含まれる。さらに、一次アミノ酸配列は、糖部分を
用いた誘導体化(グリコシル化)によって、又は脂質、リン酸、アセチル基など
のような他の補充的な分子によって、より一般的には、糖を用いた結合によって
拡張し得る。一次アミノ酸構造は、凝集して、複合体、最も多くの場合には二量
体を形成し得る。この拡張のある種の側面は、産生宿主の翻訳後修飾系を介して
、達成される。他のこのような修飾は、インビトロで導入され得る。何れにして
も、このような修飾は、タンパク質の活性が破壊されない限り、定義に含まれる
。このような修飾は、様々なアッセイにおけるタンパク質の活性を増加し、又は
減弱することによって、定量的に、又は定性的に活性に影響を与え得ると予想さ
れる。
【0035】 鎖中の各アミノ酸残基は、酸化、還元、又は他の誘導体化によっても修飾され
得、活性を保持している断片を得るためにタンパク質を切断してもよい。活性を
破壊しないこのような改変は、前記定義からこのタンパク質を除去しない。以下
では、例示のために、さらに詳細に幾つかの修飾について述べる。
【0036】 このように、グリコシル化変種は、コントートロスタチンタンパク質の範囲に
含まれる。それらは、グリコシル化を完全に欠く変種(非グリコシル化)と天然
の型と比べて、グリコシル化された部位が少なくとも1つ少ない変種(脱グリコ
シル化)、及びグリコシル化が変化した変種を含む。
【0037】 例に示されているように、天然のCNは、相対的に分かりやすい方法で、Ag
kistrodon contortrix contortrixの毒から単
離され得る。あるいは、CNは、組換えDNA技術等の現在使用されている様々
な生化学的な方法を利用することによって調製してもよい。さらに、本明細書に
報告された配列情報は、CN及びその前駆体と実質的な相同性を有する変種、断
片、保存されたドメイン、又はプロタンパク質を同定するためのプローブを作る
ために使用することができる。一旦同定されると、遺伝子は、単離し、さらに操
作し、発現ベクターの中にクローニングしてもよい。
【0038】 本明細書の開示を参照することによって当業者により理解される技術に従って
作られたコントートロスタチンタンパク質をコードするDNA分子を含有するベ
クターも提供される。本発明では、コントートロスタチンヌクレオチド配列は、
組換え発現ベクター中に挿入され得る。「組換え発現ベクター」という語は、コ
ントートロスタチンの遺伝配列の挿入又は取り込みによって操作された本分野で
公知のプラスミド、ウイルス、又は他の媒体を指す。このような発現ベクターは
、宿主中での挿入された遺伝配列の効率的な転写を促進するプロモーター配列を
含有する。発現ベクターは、典型的には、複製起点、プロモーター、及び形質転
換された細胞の表現型による選択を可能とする特定の遺伝子を含有する。これら
のベクターは、コンピテント宿主を形質転換して、ヘビ毒タンパク質を産生でき
る形質転換体を製造するために使用され得る。
【0039】 さらに、前記ベクターによって安定に形質転換又はトランスフェクトされた原
核又は真核宿主細胞、コントートロスタチンタンパク質又はその生物学的変種を
作る方法を提供する。該方法は、まず、コントートロスタチンタンパク質をコー
ドするDNAで形質転換した原核又は真核宿主細胞を培養することと、続いて、
前記コントートロスタチンタンパク質を回収することという工程を含む。前記宿
主細胞は、哺乳類細胞、植物細胞、昆虫細胞、酵母及び他の真菌又は細菌であり
得る。
【0040】 前記タンパク質をコードするDNA配列の採取源には、適切な細胞又は細胞株
から得た単離されたDNA、ヘビ毒ゲノムライブラリーからクローニングされた
DNA、又は相補的DNAライブラリーからクローニングされたDNAが含まれ
、ここで全相補的DNAは、DNAに逆転写され、クローニングされる。目的の
タンパク質をコードするDNA配列が一旦同定されると、塩基の配列は、公知の
手段[例えば、Maxam and Gilbert,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 74:560(1977)]によって決定され得る。
さらに、発現を得るために、ハイブリッドDNA技術が利用され得る。前記DN
A配列の制限地図を作成して、切断のための適切な部位を決定してもよい。この
ように、前記配列を切り出して、適切な制御シグナルを有するベクター中に導入
してもよい。ディスインテグリン遺伝子の同定及び発現のための適切な技術につ
いてのさらに詳細な考察は、例えば、Maraganoreらの米国特許第5,
182,260号、及び第5,196,403号に記載されており、その開示全
体は、参照文献として本明細書に組み込まれる。
【0041】 さらに、天然のタンパク質をコードする配列は、続いて、1以上のアミノ酸の
変化が導入された修飾タンパク質を得るために、本分野で周知の方法で(例えば
、単一又は複数の変異又は欠失により)取り扱ってもよい。次に、本明細書に記
載されている操作に従って、あるポリペプチドがCNに特異的な活性プロフィー
ルを示すかどうかを決定することが、定型的な実験作業であろう。従って、本発
明は、本明細書に明記されている特徴的な活性プロフィールを示す天然のCNと
その変異体の両者を想定している。さらに、CNは、適切な血栓溶解剤との融合
タンパク質の形態で利用してもよい。この種の融合タンパク質は、Maraga
noreらの上記米国特許第5,182,260号、及び第5,196,403
号に、血小板凝集阻害剤/抗トロンビンポリペプチド融合タンパク質の形成につ
いて記載されている方法と類似の方法で調製し得る。
【0042】 他のディスインテグリン(図1Aに示されている)[Niewiarowsk
i,S.,McLane,M.A.,Kloczewiak,M., and
Stewart,G.J. Disintegrins and Other
Naturally Occurring Antagonists of P
latelet Fibrinogen Receptors, Semina
rs in Hematology. 31:289−300(1994)]と
の高度の配列相同性にかかわらず、コントートロスタチンは、約8アミノ酸の末
端切断を有するユニークなアミノ末端配列を示す。他のディスインテグリンと比
べて、コントートロスタチンのアミノ末端には、2つのシステイン残基が喪失し
ている。モノマーのディスインテグリンが偶数のシステインを有することは十分
に確立されており、それらの全ては、ジスルフィド結合の形成に関与している。
コントートロスタチン前駆体中の喪失した2つのシステインは、ジスルフィド結
合対の崩壊を生じせしめ得る。その結果、これによって、2つの同じ鎖の間に、
2つの分子間ジスルフィド結合が形成されて、ホモダイマー構造のコントートロ
スタチンの形成を導き得る。図5は、そのジスルフィド結合の位置が公知である
ディスインテグリン、キストリン[Adler,M.,Carter,P.,L
azarus,R.A., and Wagner,G. Cysteine
pairing in the glycoprotein IIb/IIIa a
ntagonist kistrin using NMR, chemica
l analysis, and structure calculatio
ns, Biochemistry 32:282−9(1993)]と比較し
た、ダイマーのディスインテグリンの構造の仮定的なモデルを示している。図5
Aには、2つのインテグリンの配列が比較されている。キストリンは、12の半
シスチンが6つのジスルフィド結合を形成していることが容易に分かるであろう
。比較すると、2つの対を成していないシステイン残基を有するコントートロス
タチンは、図5Bに示されているホモダイマーの構造を形成することができる。
我々は、現段階では、何れの配列が好ましいか確信を得ていないが、天然及び還
元されたコントートロスタチンの質量分析とSDS−PAGEに基づいて、我々
は、示されている2つのうち1つと同一である可能性が最も高いホモダイマー構
造が形成されていると信じている。
【0043】 CNは、明らかにアプラジンとは全く異なっている。何故なら、後者は、間違
いなくモノマーであると実証されている[Wencel−Drake et a
l.,(1993)、上記]からである。さらに、CNは、上記Maragan
oreらの米国特許第5,182,260号、及び第5,196,403号でア
プラジンに関して実証されているように、血小板放出反応を阻害しない。最後に
、配列の類似性にもかかわらず、開始部位とその後に続く配列の両者に関して、
配列の間には有意な差も存在する。
【0044】 使用方法 CNは、ヒト、ウサギ、及びイヌのインビトロでの血小板凝集の強力な阻害剤
であることが明らかとなっている。しかしながら、アプラジンとは異なり、CN
は、血小板放出反応を阻害しない。血小板は、α顆粒、及び密顆粒を含む、血小
板が凝集したときに内容物が放出される様々な複数の顆粒を含む。CNは、(密
顆粒からのATPを含む)顆粒内容物の血小板放出を阻害しないという発見は、
凝集の阻害にもかかわらず、血小板は、それらの内容物をまだ放出し得ること(
それ故、正常な生理活性の幾つかの外見を維持すること)を意味している。対照
的に、アプラジンが血小板の凝集を阻害すると、例えば、密顆粒からのセロトニ
ンの放出の阻害によって測定した)血小板の放出も阻害する。このため、アプラ
ジンの投与により、正常な血小板の生理的プロセスはさらに必然的に擾乱される
【0045】 幾つかの証拠は、(GP)IIb/IIIaインテグリン受容体に特異的に結合す
ることによって、CNが血小板の凝集を阻害することを示している。例えば、固
定化されたフィブリノーゲンに結合した精製(GP)IIb/IIIaの程度を定量
できるフィブリノーゲン−(GP)IIb/IIIa ELISA[Dennis,
M.S. et al., Proc.Natl.Acad.Sci.(USA
) 87:2471(1990)]では、CNは、(GP)IIb/IIIa結合を
効果的にブロックする。さらに、CNの部分アミノ酸配列は、(GP)IIb/II
Iaに結合することが知られている他のディスインテグリンとのかなりの類似性
を示している。最後に、CNは、7E3の(GP)IIb/IIIaへの結合をブロ
ックする。7E3は、(GP)IIb/IIIaに特異的に結合することにより、ヒ
ト及びイヌの血小板凝集を阻害するマウスのモノクローナル抗体である[Col
ler,B.S. et al.,J.Clin.Invest. 72:32
5(1983)]。低濃度のCNの存在下では、7E3の血小板への結合は著し
く阻害される。
【0046】 3つのヘビ毒ディスインテグリン、キストリン[Yasuda et al.
(1990)、上記]、エチスタチン[Holahan et al.(199
1)、上記]、及びビチスタチン[Shebuski,R.J. et al.
,(1990)、上記]は、組換え組織プラスミノーゲン活性因子と組み合わせ
て動脈の血栓溶解を増大し、維持することによる血栓溶解療法で使用するための
抗血栓剤としての潜在的な役割が実証されている。CNの低いIC50値に基づ
いて、抗血栓剤としてのそのインビボでの効力が調べられた。イヌの再閉塞頚動
脈血栓症モデルを用いて、CNは、アニソイル化プラスミノーゲンストレプトキ
ナーゼ活性化因子複合体(APSAC;anisoylated plasmi
nogen streptokinase activator comple
x)と組み合わせると、頚動脈の開通路を効果的に維持することが見出された。
APSACのみでは、頚動脈の迅速な再閉塞を防止するには不十分であることが
見出された。APSACと共にCNを投与すると、ヘパリンは、開通を維持する
ためには必要でなかった。これは、冠状動脈の血栓症のモデルで評価された他の
ディスインテグリン(例えば、エチスタチン、ビチスタチン、及びキストリン)
と比べて、有意な差である。
【0047】 本発明の組成物は、単独で、又は1以上の血栓溶解剤と組み合わせて、哺乳類
の血栓症を治療するのにとりわけ有用である。特に、本発明の組成物は、動脈、
静脈、及び毛細血管の血栓症及び血栓塞栓症を治療し、又は防止するのに有用で
ある。このように、前記組成物は、発作、一過性の虚血性発作、動脈硬化症、ア
テローム性動脈硬化症、肺塞栓症、動脈瘤、及び狭心症を治療するのに有用であ
る。とりわけ、前記組成物は、心筋梗塞を防止し、又は治療するのに有用である
【0048】 本発明の組成物は、メラノーマ、がん腫、及び肉腫患者の転移を阻害するのに
も有用である。CNは、ヒトメラノーマM24met細胞上の少なくとも2つの
部位:1.1(±0.7nM)の解離定数(Kd)と細胞当たり96,000(
±39,000)部位を有する高親和性部位と、41(±13)nMのKdと細
胞当たり480,000(±90,000)部位を有する、より低親和性の部位
に結合することが観察された。さらに、CNは、ヒトメラノーマM24met細
胞が、フィブロネクチン及びビトロネクチンに接着するのを阻害し、これらに比
べて程度は低いが、コラーゲン及びラミニンに接着するのを阻害することが見出
された。このように、メラノーマ、がん腫、及び肉腫患者の転移を防止する方法
及び組成物も、本発明の範囲に含まれることが想定される。
【0049】 本発明によれば、ディスインテグリンのユニークな特性は、がん腫、肉腫、及
びメラノーマ患者の転移を防止するための方法及び組成物で利用される。ある態
様では、乳癌患者の転移を防止するための肢位と方法が提供される。
【0050】 さらなる態様では、我々は、強力な抗腫瘍活性を有するミナミアメリカマムシ
毒からのタンパク質コントートロスタチンを提供する。ミナミアメリカマムシの
毒に見出されるタンパク質の複雑な混合物からの該タンパク質を精製するための
洗練された技術を開発した。上述のように、CNは、まず、血小板凝集の阻害剤
として性質決定された。我々は、ヘビ毒から幾つかのディスインテグリンを精製
した。コントートロスタチン(CN)は、ミナミアメリカマムシから精製した。
ディスインテグリンは、柔軟なペプチドループの端に、Cys残基が隣接した約
13アミノ酸残基の、主要なタンパク質のコアから突出した拘束されたArg−
Gly−Asp(RGD)配列を含有する。例えば、配列番号1又は2のアミノ
酸残基457〜469を参照。この露出したRGD配列は、ディスインテグリン
が、高い親和性でインテグリンに結合するのを可能にする。
【0051】 我々は、マウス乳腺の脂肪パッド中にヒト乳癌細胞を移植することにより、転
移性の乳癌モデルを開発した。我々が使用するマウスは、それらの免疫系が欠損
し、移植したヒトの癌細胞を拒絶できないように遺伝学的に操作された。我々は
、癌細胞の移植から2週間後に、乳腺の脂肪パッド中に触診可能な腫瘍の塊が発
育し、12週以内に、未処置の動物の肺に腫瘍細胞が広がることを観察した。異
なる数グループのマウスの腫瘍に、CN又はプラセボを毎日投与した。処置後に
、我々は、CN処置したマウスで腫瘍の塊のサイズが、プラセボ処置したマウス
のものと比べて、有意に小さくなっていることを見出した。意味深いことに、C
N処置群は、プラセボ群と比べて、身体の他の部位への腫瘍の広がり(転移)に
関して90%を超える阻害を示した。我々の研究は、CNが血管壁の必須成分で
あるタンパク質への乳癌細胞の接着をブロックすることを示している。CNは、
絨毛尿膜と呼ばれるニワトリ胚の膜状呼吸器官上でのインキュベーション後に、
乳癌細胞によって誘導される新しい血管の形成(新血管形成)も阻害したが、プ
ラセボ処置は、阻害しなかった。新血管形成は、増殖する腫瘍が増殖し続けるの
に極めて重要なので、新しい血管の増殖を阻害する能力は、CNの重要な抗癌作
用である。
【0052】 これらの研究に基づくと、ヘビ毒タンパク質コントートロスタチンのようなデ
ィスインテグリンは抗転移活性を有しているものと思われる。我々の発見は、C
Nが転移における幾つかの重要なステップをブロックし、それ故、単一のステッ
プを阻害するだけの他の物質より強力であることを示唆する。本発明のディスイ
ンテグリン含有組成物は、骨粗鬆症の治療にも有用である。破骨細胞は、脊椎動
物の石化した組織を再吸収する直径400μmまでの多核細胞である。骨の再吸
収は、骨への接着、酸及びプロテアーゼの偏向した分泌、並びに骨基質に沿った
破骨細胞の活発な移動を含むプロセスの組合せによって進行するようであり、破
骨細胞は、骨の再吸収における必須のステップとして、RGD配列を介して骨に
結合し、このRGD結合性インテグリンは、接着構造のところにある[Sato
,M. et al.,J.Cell Biol.111:1713(1990
)]。破骨細胞が骨に接着する分子的な機序はよく理解されていないが、他の細
胞から類推することにより、二価の陽イオン依存性の接着分子のインテグリンス
ーパーファミリーのメンバーが、この相互作用を媒介していると考えられている
。エチスタチン[Sato,M. et al.,上記]と、おそらくはCNの
ように、ディスインテグリンは、分離した破骨細胞による骨の再吸収を阻害する
。作用機序は、おそらく、接着構造を崩壊することによる。従って、破骨細胞に
よる骨の再吸収を阻害するのに有効な量のCNを用いた骨粗鬆症の治療用組成物
及び方法も、本発明の範囲に属すると想定される。
【0053】 最後に、CNは、創傷治癒の促進において有用である。創傷治癒に関与する事
象には、インテグリンの発現又は機能的な活性の変化が含まれることが知られて
おり、インテグリン受容体のモジュレーションが、創傷の回復と炎症において中
心的な役割を果たしていることが示唆されている。フィブロネクチンも、創傷治
癒プロセスにおいて多くの役割を果たすことが知られている。フィブロネクチン
機能は、効果的な創傷治癒にとって重要であると考えられているが、少なくとも
1つのその活性(細菌の結合)は逆効果であり得るという報告があり[Grin
nell,F.,J.Cell.Biochem.26:107(1984);
Clark,R.A.F.,Arch.Dermatol.124:201(1
988)]、このため、創床(wound bed)におけるフィブロネクチン
の存在は、細菌の接着と感染を促進するかもしれない。フィブロネクチンは、ケ
ロイドの形成に密接に関係しているようにも思われる。ケロイドは、かなりの割
合の非白人患者を冒す創傷治癒の病的な結果である。ケロイドは、元の創傷の境
界を超えて増殖し、フィブロネクチンとI型コラーゲンが豊富な結合組織の良性
腫瘍である[Sible,J.C.& Oliver,N.,J.Cell.B
iochem.Suppl.16F:170(1992)]。それらの細胞−細
胞及び(フィブロネクチンとの相互作用を含む)細胞−細胞外マトリックス相互
作用の阻害によって、CNのようなディスインテグリンは、ケロイドの形成を含
む創傷の回復に関わるプロセスに対して強い効果を有すると予想されるであろう
【0054】 分娩及び婦人科手術後の主な問題は、癒着の形成である。腹腔の創傷の回復で
観察される、この広く見られる現象は、痛み(pain)、腸閉塞、及び不妊の
主要な原因である。癒着の形成には、繊維素溶解性炎症反応と繊維素増殖性の炎
症反応の不均衡が関わっているようであり、細胞−細胞又は細胞−細胞外マトリ
ックス相互作用の調節も関わっているかもしれない。癒着の形成の最初の段階に
おけるフィブリンの重要な役割には強固な証拠が存在する[diZerega,
G.S.,Prog.Clin.Biol.Res.381:1(1993)]
。血小板を含む細胞要素の存在は、さらに、フィブリンの役割を悪化させる。癒
着の形成における血小板とフィブリンの役割に照らせば、CNのようなディスイ
ンテグリンの潜在的な治療剤としての使用は、最も魅力的である。
【0055】 非処置動物に創傷治癒の間に癒着の形成を誘導するために、癒着形成のウサギ
のモデルでの予備的研究では、ウサギの子宮角(uterine horn)の
掻爬及び血管除去(devascularization)が使用された[Ro
dgers,K. et al.,Int.J.Fertil.35:40(1
990)]。10μL/時間(36μg/mL)の速度で、CNを継続的に送り
込むためにアルゼット(alzet)ポンプを使用した。このモデル系では、対
照に比べて、被処置動物で減少した癒着の形成が観察された。それ故、癒着の形
成を防止するのに有効な量のCNを、このような治療を必要としている患者に投
与することによって、癒着の形成を防止するための組成物及び方法も、本発明の
範囲に属するものと想定される。
【0056】 本発明の組成物は、最小限、所望の効果(すなわち、血栓形成を防止する、癌
患者での転移を防止する、癒着の形成を防止するなど)を達成するのに有効な量
のCNと、適切な担体又は賦形剤を含む。一般的に、これらの組成物では、約0
.01mg/kg/日〜約50mg/kg/日、好ましくは約0.1mg/kg
/日〜約5.0mg/kg/日、最も好ましくは約0.1mg/kg/日〜約0
.5mg/kg/日、を与えるのに十分な量で存在する。このような組成物は、
血栓形成の防止に特に有用である。
【0057】 あるいは、CNは、血栓溶解を達成するのに有効な量で存在する少なくとも1
つの血栓溶解剤と組み合わせて投与される。適切な血栓溶解剤には、以下のもの
:アニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体(APS
AC)、組織型プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、ウロキナーゼ型プラス
ミノーゲン活性化因子(uPA)、Markland,Jrらの米国特許第4,
610,879号に記載されているヘビ毒血栓溶解剤フィブロラーゼが含まれる
が、これらに限定されない。
【0058】 CNは、血流中への相当量でのその送達に適した、様々なこれまでに知られて
いる手段によって投与され得る。ここでは、適切な液体媒体又は賦形剤中のCN
の静脈内投与が、好適な投与経路として想定されている。CNは、水に可溶性で
あり、それ故、適切な水溶液(例えば、リン酸緩衝化生理的食塩水)中で効果的
に投与され得る。あるいは、CNは、(適切な結合剤若しくは賦形剤成分と調合
した錠剤若しくはカプセルの形態で、又は水性若しくは油性の懸濁物、溶液、エ
マルジョン、シロップ、若しくはエリキシル剤の形態で)経口で、又は、非経口
懸濁物として投与し得る。本分野で周知であるように、これらの調合物には何れ
も、局所麻酔、防腐剤、緩衝剤、潤滑剤、湿潤剤、着色剤、香料、賦形剤、及び
希釈剤のようなアジュバントを適切に含有させてもよい。
【0059】 例 これらの更なる実施態様は、添付の例を参照することによって、よりよく理解
され得るであろうが、この例は、説明のみを目的とするものであり、いかなる意
味においても、本明細書に付された特許請求の範囲に明記された本発明の範囲を
限定するように解釈してはならない。
【0060】 以下の例を実施する際には、Biotoxins社、St.Cloud,FL
から、Agkistrodon contortrix contortrix
から凍結乾燥した毒を取得した。全ての化学薬品は、入手可能な最高級のもので
あった。タンパク質濃度を決定するためには、ビシンコニン酸を用いたピアース
のタンパク質アッセイキットを使用した[Smith,P.K.et al.,
Anal.Biochem.150:76(1985)]。
【0061】 疎水性相互作用(HIC)HPLCのためには、LC−95UV/VIS検出
器とともに、Perkin Elmer 410LCポンプを使用した。逆相H
PLCのためには、SP8450UV/VIS検出器とともに、Spectra
Physics LC8810ポンプを用いた。HIC−HPLCの吸光度は
280nmでモニターし、RP−HPLCの吸光度は215nmでモニターした
。疎水性相互作用HPLCには、ポリプロピルアスパルタミド(250×21m
m)カラム(Poly LC,Columbia,MD)を使用した。逆相(R
P)HPLC(Vydac,Hesperia,CA)には、C18(218T
P54と218TP510)カラムを使用した。陽イオン交換クロマトグラフィ
ーには、CM(カルボキシメチル)300カラム(SynChrom,Inc.
,Lafayette,IN)を使用した。
【0062】 例1 CNの精製と性質決定 CNは、4工程のHPLC操作を用いて、Agkistrodon cont
ortrix contortrix(ミナミアメリカマムシ)の毒から精製し
た。精製の第1段階では、1Mの硫酸アンモニウムpH6.8(緩衝液A)を含
有する0.1Mのリン酸緩衝液の中に、未精製の毒(1g)を溶かして、ポリプ
ロピルアスパルタミドHIC−HPLCカラムにアプライした。溶出は、以下の
ように行った:100%の緩衝液Aで50分間イソクラティック、0.1Mリン
酸pH6.8(緩衝液B)まで90分間の直線グラジエント、100%緩衝液B
で40分。5mL/分の流速を用いて、4℃で、Pharmacia Frac
100フラクションコレクターに10mLの画分を採集した。血小板凝集阻害
活性を含有する画分をプールし、YM3膜を備えたAmicon stir c
ellを用いた限外濾過によって濃縮した。タンパク質は、280nmで検出し
た。血小板凝集阻害活性は、フロースルー中に観察された。
【0063】 さらなる精製は、C18RP−HPLCによって達成された。この第2の工程
のために、血小板凝集阻害活性を含有する画分をプールし、濃縮した。水中の0
.1%TFA(溶媒A)95%と水中0.1%アセトニトリル中の80%アセト
ニトリル5%でC18カラム(218TP510)を平衡化した。溶出は、以下
のように行った:95%の溶媒Aと5%の溶媒Bで10分間イソクラティック、
65分で40%の溶媒Bまで直線グラジエント、20分で100%の溶媒Bまで
直線グラジエント、100%の溶媒Bで25分間イソクラティック。画分は、7
mL/分の流速で、1分ごとに手で採集した。CNは、28%のアセトニトリル
(66分)で溶出した。
【0064】 血小板凝集阻害活性を含有する画分をプールし、より緩いグラジエントを用い
て、同じC18RP−HPLAに再度流した。溶出は、以下のように達成した:
80%の溶媒Aと20%の溶媒Bで20分間イソクラティック、90分以上で3
0%の溶媒Bまで直線グラジエント、25分で100%の溶媒Bまで直線グラジ
エント。CNは、22%のアセトニトリル(82分)で溶出した。CNの直前に
溶出する小さなピークも血小板凝集阻害活性を含み、CNの分子量と同様の分子
量を有していたが、低収率のために、このピークは、さらに性質決定しなかった
【0065】 最後の精製工程は、前の工程からのプールした画分を用いて行った。陽イオン
交換CM300HPLCカラムに、これらのプールされた画分をアプライし、徐
々に増加する塩化ナトリウムのグラジエントによって溶出を達成した。CNは、
52.5分(160mM NaCl)で溶出する。この工程によって、CNのそ
のイソフォームからの分離が達成された。1gの未精製毒当たり、1〜2mgの
収量の4工程精製されたCNが得られた。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)のために、還元及び非還元条件下で、発表されたプロ
トコール[Schagger,H. & Von Jagow,G.,Anal
.Biochem.166:368(1987)]に従って、Tris−Tri
cineの16.5%ゲルを用いた。BioRadミニゲルシステムを用いて、
このゲルを展開し、銀[Morrisey,J.H.Anal.Biochem
.117:307(1981)]又はクマシーブルーR250で染色した。
【0066】 CNのSDS−PAGE分析によって、CNは、非還元条件下で、約15,0
00ダルトンの分子量を有し、還元条件下で5,000〜7,000ダルトンの
分子量を有することが明らかとなった。このことは、CNが2つのサブユニット
から構成されることを強く示唆している。あり得にくいことであるが、別の可能
性は、大きな移動度の差は、非還元条件と還元条件下で、SDSの取り込みが異
なることに由来するかもしれないということである。
【0067】 CNの分子量は、エレクトロスプレーイオン源を有する3重4極子装置を用い
た質量分析によって確認した。天然のCNについては、13,507ダルトンの
質量が決定された・この分析も高度の精製を示した。還元され、ピリジルエチル
化されたタンパク質の質量分析は、7,996ダルトンの質量を与えた。6つの
還元されたジスルフィド結合中に取りこまれた12のピリジルエチル基の1,2
48質量単位を考慮に入れると(公知のディスインテグリンとの相同性に基づけ
ば、6つのジスルフィド結合が存在するはずである)、これは、この分子量のホ
モダイマーの各鎖について予想された値である。これらの発見は、二量体として
存在する点で、これまでに報告された全てのディスインテグリンの中で、CNを
ユニークな位置に置くものである。活性化されていないヒト血小板へのCN結合
のスキャッチャード分析によって、37nMの解離定数(K)を有する単一の
結合部位と100,000に等しい結合部位の数(B)が明らかとなった。ジ
スルフィド結合の還元は、IC50の10倍の濃度においてさえ、血小板凝集阻
害活性を完全に喪失せしめ、活性を維持するためには構造的なパラメーターが重
要であることを示唆した。
【0068】 例2 ポリメラーゼ連鎖反応を用いたコントートロスタチンのcDNAクローニング エドマン分解法を用いたコントートロスタチンの部分アミノ酸配列分析によっ
て、コントートロスタチンのサブユニットとRGD配列が、システイン残基を並
列した他のディスインテグリンと相同である(図1A)ことが示唆された[Ni
ewiarowski,S.,McLane,M.A.,Kloczewiak
.M., and Stewart,G.J. Disintegrins a
nd Other Naturally Occurring Antagon
ists of Platelet Fibrinogen Receptor
s, Seminars in Hematology 31:289−300
(1994)]。PCRを用いたコントートロスタチンcDNAのクローニング
戦略は、ディスインテグリンファミリー間の構造的な相同性に基づいている。P
CRプライマーのデザインは、図1に図式的に示されている。図1A中の下線を
付した配列は、ディスインテグリンファミリーの間で高度に保存されている。P
CRプライマーは、この領域に基づいて合成した。プライマーPCR−1とPC
R−2を合成するために、Trimeresurus gramineusから
のトリグラミンのcDNA中のこの領域をコードするヌクレオチド配列を使用し
た(図1B)。PCR−1とPCR−2は、ディスインテグリン間のコンセンサ
ス配列PCCDAATCKLのコーディング配列に相当する相補的なプライマー
である。それらのヌクレオチド配列は、 PCR−1:5’−GTTTACAGGTTGCAGCATCGC−3’ (配列番号3) PCR−2:5’−GCGATGCTGCAACCTGTAAAC−3’ (配列番号4) である。
【0069】 PCRのために、ベクターのEcoRI部位に隣接するλgt10フォワード
及びリバースプライマーを使用した。該プライマーのヌクレオチドを以下に記す
【0070】 λgt10フォワードプライマー:5’−AGCAAGTTCAGCCTGG
TTAAG−3’(配列番号5) λgt10リバースプライマー:5’−CTTATGAGTATTTCTTC
CAGGGTA−3’(配列番号6) オリゴヌクレオチドプライマーは、ミナミカリフォルニア大学総合癌センター
の微量化学中心施設によって合成した。プライマーは、脱保護された凍結乾燥形
態で調製され、使用前に、水で再懸濁し、適当な濃度まで希釈した。
【0071】 例3 コントートロスタチンcDNAのPCR増幅 我々は、λgt10ベクターのEcoRI部位に構築したAgkistrod
on piscivorus piscivorus毒のcDNAライブラリー
を使用した。該ライブラリーの概算の力価は、1010プラーク形成単位(pf
u)であり、複雑性は50,000であった。このcDNAライブラリーファー
ジ溶液500μLを、エッペンドルフチューブ中の500μLの20%ポリエチ
レングリコール(PEG)/1M NaCl溶液と混合した。エッペンドルフチ
ューブを2回逆さまにし、室温で30分間インキュベートした。続いて、この溶
液を、14,000rpmで10分間遠心した。上清を捨て、100μLの滅菌
水の中に沈降物を再懸濁した。50℃で1時間、10μLのプロテイナーゼK(
10mg/mL)とともに、この懸濁物をインキュベートした。フェノール/ク
ロロホルムを用いて、ファージ粒子懸濁物を2回抽出し、1/10容量の3M酢
酸ナトリウムと2倍量の無水エタノールでDNAを沈殿した後、80%エタノー
ルで洗浄した。PCRの準備のため、10μLの滅菌水の中にDNAを再懸濁し
た。
【0072】 PCR反応は、以下のようにセットアップした。5μLのDNA溶液を、1μ
Lの25mM dNTP(Pharmacia)、各1μL(100ng/μL
)のフォワード及びリバースPCRプライマー、並びに5μLの10×PCR緩
衝液と混合した。反応液の最終容量は、水で50μLにした。混合した後、液体
の上にミネラルオイルを一滴加えた。エッペンドルフチューブを98℃まで5分
間、予め加熱した後、室温まで冷える前に、70℃と60℃で、それぞれ1分間
インキュベートした。2.5ユニットのTaq DNAポリメラーゼ(Phar
macia)を各混合物に加えた。サーマルサイクラーは、以下のようにプログ
ラムした:96℃15秒間、55℃30秒間、72℃1分間。PCR増幅は、3
0サイクル行った。最後のサイクルに続いて、7分間の最後の72℃での延長工
程を与えた。アガロースゲル電気泳動によって分析する前に、クロロホルムでP
CR産物を抽出した。直接DNA配列決定用の製造者のマニュアルに従って、G
eneclenaキット(Bio 101社)を用いて、アガロースゲルから、
電気泳動によって分離したバンドを回収した。
【0073】 接着部位の上流領域を増幅するために、λgt10フォワードプライマーとP
CR−1プライマーを使用した(図1B)。同様に、cDNAの下流部分を増幅
するために、PCR−2プライマーとλgt10フォワードプライマーを対にし
た(図1B)。第1のプライマーのペアにより、約1300bpの主要なバンド
(CN−Nと表記した)が得られ(図2、レーン1)、後者のプライマー対を用
いたPCRからは、約700bpの主要なバンド(CN−Cと表記した)が得ら
れた(図2、レーン2)。重複伸張の前に、CN−NとCN−Cは、ヌクレオチ
ド配列決定分析にかけた。予想どおり、CN−Nは、そのN末端のシグナルペプ
チドをコードするトリグラミンのcDNAと高度な類似性を示した。CN−Cヌ
クレオチドの推定アミノ酸配列は、RGD部位をコードするディスインテグリン
のC末端の配列と極めて似ていた。
【0074】 PCR−1とPCR−2は相補的なので、CN−NとCN−Cは、この部位で
重複し、それ故、完全長のcDNAに集合することができる。この目標を達成す
るために、我々は、図1Cに示した重複伸長法を使用した。簡潔に述べれば、等
モル量の二本鎖のPCR産物CN−NとCN−Cを、λgt10フォワード及び
リバースプライマーと混合した。両二本鎖の変性後、続く再アニ−リングによっ
て、2種類の分子が得られる。1つは、接着部位に逆行性の(recessiv
e)末端が3’末端であるアニ−リングしたCN−NとCN−Cである。この分
子は、PCRを用いて、自動的に、完全長の二本鎖に伸長させることができる。
他方の分子は、同様にアニ−リングしているが、逆行性の末端が5’末端である
。これらの分子は、自己伸長しないが、各末端でのλgt10プライマーによる
プライミングを用いて埋めることができる。図2のレーン3は、アガロースゲル
電気泳動によって分離された重複伸長の産物を示している。主要なバンドのサイ
ズは、CN−NとCN−Cの合計に等しい2,000bpであると見積もられ、
このため、「完全長」と表記される。完全長のバンドをゲルから回収し、Eco
RIで処理した。続いて、プラスミドベクターpcDNA3.1(+)の中に、
このDNA片をサブクローニングした。
【0075】 例4 プラスミドベクター中へのPCR産物のサブクローニング EcoRI(Pharmacia)でプラスミドpcDNA3.1(+)を消
化した後、T4ホスファターゼ(Boehringer−Mannheim)を
用いて脱リン酸化した。PCR重複伸長産物も、EcoRIで消化した。16℃
で1晩のT4リガーゼを用いた連結反応によって、直鎖化したベクター中にPC
R産物を挿入した。全ての反応は、標準的なプロトコールに従ってセットアップ
し、実施した。成功した連結は、アンピシリンを含有するプレート上に形質転換
したE.Coli(DH5α)を播種することによって選択した。インサートを
含有するプラスミドは、E.Coli中で増幅した。精製したプラスミドDNA
は、Qiagene DNA Miniprepカラムを用いて得た。
【0076】 例5 cDNAの配列決定 自動DNA配列決定は、微量化学中心施設によって行った。PCRプライマー
は、PCR産物の直接配列決定用の配列決定プライマーとして使用した。プラス
ミドpcDNA3.1(+)中のインサートの配列分析のために、アッセイを始
めるために、複クローニング部位(MCS;multiple cloning
site)に隣接するT7プロモータープライマーとBGHリバースプライマ
ーを使用した。典型的な反応は、400〜600bpの読み取り可能な配列を与
えた。プラスミドDNAの場合には、配列決定反応は、二本鎖DNAに対して行
った。新しい配列決定プライマーを合成して、別の配列を取得し、これらは、D
NAsisコンピュータープログラムを用いて、重複する連続配列に集められた
【0077】 図3は、EcoRI部位の間に挿入された完全長のヌクレオチド配列を示して
いる。それは、2,029ヌクレオチドから構成され、重複伸長の完全長のバン
ドのサイズである(図2、レーン3)。86ヌクレオチドの5’末端未翻訳領域
(5’−NTR)に続いて、ヌクレオチド番号87と1535の間には、オープ
ンリーディングフレームが見出される。ヌクレオチド1536〜1538は終止
コドンである。3’―NRTは、3’末端の非コード領域にAATAAA部位を
有し、ポリ(A)テールで終結しており、重複伸長で我々が得たcDNAが確か
に完全なcDNAであったことを示唆している(図3)。前記オープンリーディ
ングフレームは、483アミノ酸をコードする。cDNAから推定されるアミノ
酸配列の構造は、3つのドメインに分けることができる。メチオニンから始まる
最初の190アミノ酸は、多くのクローニングされたヘビ毒タンパク質と非常に
類似している(図4に比較が示されている)。アミノ酸191〜418は、亜鉛
結合モチーフHEMGHNLGISH(アミノ酸334〜344)を含むメタロ
プロテイナーゼドメインである。残りの65アミノ酸は、エドマン法によって決
定されたコントートロスタチンの公知の部分アミノ酸配列と同一であるコントー
トロスタチンモノマーに属する。この配列は、その配列が決定されている多くの
ディスインテグリンと極めて似ている(図4及び1A)。計算された前記ディス
インテグリンの分子量は6.77kDaであり、CNモノマーの分子量と等しい
。RGD(アミノ酸461〜463)配列は、ボールド体で記載されている。3
ドメイン構造は、Kiniら[Structural Domains in
Venom Proteins:Evidence that Metallo
proteinases and Nonenzymatic Platele
t Aggregation Inhibitors(Disintegrin
s) from Snake Venoms are Derived by
Proteolysis from a Common Precursor,
Toxicon 30:265−296,(1992)]によって提案されたヘ
ビ毒メタロプロテイナーゼの前駆体モデルと一致している。ディスインテグリン
は、翻訳後タンパク質分解を行う複ドメイン前駆体として、ヘビ毒腺細胞で合成
され、折り畳まれて成熟したディスインテグリンになるという証拠がある。
【0078】 例6 血小板凝集阻害活性のアッセイ 少なくとも2週間薬物治療を全く受けていないヒトのボランティアから得た血
液から調製した新鮮なヒトの血小板が豊富な血漿(PRP)を用いて、精製中に
得られたカラム画分の活性をアッセイした。4mLの0.1Mクエン酸の中に血
液(36mL)を取り出し、150×gで20分間遠心した。上清、PRPを除
去し、血小板が少ない血漿(PPP;platelet poor plasm
a)を得るために、10,000RMPで残った血液を遠心した。血小板の数は
、Coulterカウンターを用いて、250,000血小板/μLに調節した
。血小板の凝集をモニターするために、Helena4チャンネルの血小板凝集
計を用いた。ADPで誘導された血小板凝集の阻害は、ADPを添加する1分前
に、毒画分を加えることによって(10〜20μMの最終濃度)、37℃でモニ
ターした。血小板凝集阻害活性を示す画分をプールし、さらに精製した。同じ手
順によって、ウサギとイヌのPRPを調製し、以下に記載した研究で使用した。
【0079】 CNは、ヒト、イヌ、及びウサギPRPにおけるADPで誘導される血小板凝
集を阻害した(図6)。白抜きの円はヒトの血小板が豊富な血漿を表し、黒の円
はイヌの血小板が豊富な血漿を表し、白抜きの三角はウサギのPRPを表してい
る。ADPを加える前に、様々な濃度のCNを1分間プレインキュベートした。
CN(0.73μg/mL)は、10μMのADPで誘導されるヒトの血小板の
凝集を50%阻害した(IC50)。20μMのADPで誘導されるイヌの血小
板の凝集に対するIC50は、CNについては1.8μg/mLであった。興味
深いことに、CNを媒介したウサギの血小板の凝集の阻害のIC50は、かなり
高く、20μMのADPで誘導されるウサギの血小板の凝集に対するIC50
、CNについては17.3μg/mLであった。
【0080】 例7 (GP)IIb/IIIA特異的な結合の測定 血小板(GP)IIb/IIIa受容体へのCNの結合の測定は、ヒトのボランテ
ィア又はオスの雑種犬から得た血液から調製したPRPを用いて実施した。上述
のように、PRPを調製し、H−10細胞カウンター(Texas Inter
national Laboratories,Inc.,Houston,T
X)を用いて血小板数を決定した。20μLの様々な濃度のCNとともに、PR
P(180μL)を室温でインキュベートした。続いて、(GP)IIb/IIIa
に特異的な、放射線標識した抗体(125I−7E3 IgG、20μL、18
mg/mL、80,000rpm)を加えて、混合物を30分間インキュベート
した。平衡結合を確立するために、一定分量の50μLの結合アッセイ混合物を
、0.4mLの遠心チューブ中の30%ショ糖200μLの上に重層し、血小板
が結合した抗体を遊離の抗体と分離するために、スイングバケットローターの中
で、4分間10,000RPMで回転させた。沈降物と上清を分離し、Pack
ard Minaxi5000シリーズガンマカウンターで計数した。以下の式
: ((4)×0.9μg7E3×3.76×1012分子7E3/μg)/(5
)(ここで、(1)=沈降物の計測数、(2)=上清の計測数、(3)全CPM
(1)+(2)、(4)=結合した画分(1)/(3)、(5)=μL当たりの
血小板計測数×45μL)を用いて、CNの存在下及び不存在下での、血小板当
たりの結合した125I−7E3を計算した。
【0081】 7E3を用いた拮抗結合研究は、ヒト(図7A)とイヌ(図7B)の両者の血
小板とCNの特異的な血小板(GP)IIb/IIIa受容体結合を実証した。ヒト
(GP)IIb/IIIaへの7E3の結合を50%阻害するためのCNの濃度(I
50)は、0.4μg/mLである。イヌの(GP)IIb/IIIaに対するC
NのIC50は、0.24μg/mLである。これらの研究は、CNが(GP)
IIb/IIIaへの結合による血小板の凝集を阻害することを確認する。
【0082】 例8 CNのインビボでの血栓溶解能 動脈血栓症のイヌの再閉塞モデルで、CNを研究した。その相対的な効果を決
定するために、まず、異なる用量での全身注入によって、このタンパク質を研究
した。このデータによって、効果的な抗血栓(抗血小板)活性に必要な全身用量
の評価が可能となった。生理的なパラメーターと循環する凝固因子に対する影響
もモニターした。
【0083】 記載の麻酔したイヌでの頚動脈血栓のモデルは、実験的に誘導された冠状動脈
血栓の研究のために開発されたものを改造したものである[Romson,J.
L. et al.,Thromb.Res.17:841(1980)]。こ
の実験操作は、遠位の動脈狭窄症に近い、電気分解で誘導された内皮の障害部位
に、血小板が豊富な血管内血栓の形成をもたらす。この実験モデルに頚動脈を選
択することにより、一方の血管を対照として使用し、他方の血管を血栓溶解及び
抗血栓療法の実行後に使用することが可能となる。このモデルでは、APSAC
(アニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体)が有効
な血栓溶解剤として使用されてきた。電気分解の障害に対する頚動脈の応答は、
イヌの冠状動脈で観察されたものと似ているが、各イヌが両側性の閉塞性血栓を
形成する能力を示すという利点を有する。次に、閉塞した血管の1つだけに溶解
−抗血栓を組み合わせた薬剤を投与してもよい。これは、内部標準となり、血管
壁の障害、その後の閉塞性の血栓の形成、すなわち、少ない循環血小板数、増大
した自発的血栓溶解、ハートワーム(heart worm)の存在とは無関係
の原因によって血栓を形成しないかもしれない動物を除去する。記録されるパラ
メーターには、独立した動物の群へのAPSAC又はAPSAC+CNの投与前
と投与後における、超音波フロープローブを用いた相及び平均頚動脈血流速度、
血栓性の閉塞までの時間、再カニューレ挿入までの時間、エクスビボでの血小板
の凝集、プロトロンビン時間、トロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン
時間、赤血球と白血球の数、ヘマトクリット、EKGプロフィール、及び体温の
測定が含まれる。全てのインビボ研究には、条件に慣らしたオスの雑種犬(8〜
10kg)を使用した。ペントバルビタールナトリウムでイヌを麻酔し、挿管し
、陽圧下で部屋の空気を呼吸させた。動脈の血液ガスとpHの決定は、45分毎
に行い、血液ガスと動脈のpHを正常な限界以内に維持するために適切な調整を
行った。総頚動脈と右内頚静脈を露出させる。血液の採取と試験薬物の投与のた
めに、頚静脈にカテーテルを挿入する。血圧変換器を使用して、挿管した大腿動
脈から動脈の血圧をモニターする。動脈内電極の挿入点と機械的圧縮装置の近位
の各総頚動脈上にドップラーフロープローブを置く。圧縮装置は、平均血流量を
変化させずに、脈流パターンが50%減少するまで調整する。頚動脈の血流速度
は、連続的にモニターする。図8は、頚動脈への器具の取り付けを図示したもの
である。
【0084】 各頚部血管の脈管内膜表面への電気分解による障害は、血管内電極の使用によ
って達成される。各動脈内電極は、二重チャンネル刺激装置の陽極(アノード)
に接続する。陰極は、離れた皮下部に接続する。各血管に運ばれた電流を継続的
にモニターし、300μAに維持する。陽極の電極は、絶縁されていない部分が
血管の内皮表面と近接するように置かれる。各頚動脈へ電極が適切に置かれるこ
とは、各実験の最後に眼で調べることによって確認する。陽極の電流は、最長3
時間与えられ、又は、安定な閉塞性の血栓の形成が達成されたことを確かめるた
めに、関与する血管中の流速が流速ゼロで安定になってから30分後に終了する
。右頚動脈は対照用の欠陥として機能するのに対して、左頚動脈は試験用の血管
として機能する。血管壁の障害は、各頚動脈に同時に誘導される。
【0085】 APSAC(0.05U/kg)は、大量瞬時投与として、左頚動脈のみに血
栓の近位に注入する。APSACの用量は、全身的な溶解効果を生じずに、局所
的に注入した頚部の血栓を一定して溶解するであろう用量として決定した。この
ため、投与していない右の頚部には溶解は起こらないはずである。CNは、AP
SAC直後に10%の大量瞬時投与を静脈内に与え、1時間にわたって残りの9
0%を注入する。CNの投与量は、0.155〜0.40mg/kgの範囲であ
った。この物質は、20mLの用量の注射用の滅菌生理的食塩水中に、適切な用
量で溶かした。再潅流は、ベースライン値の20%への頚動脈血流の復活として
定義される。開通は、測定可能な頚動脈の流速として定義される。血圧、心拍数
、及び頚動脈の流速は、6時間、又は再血栓症が起こるまでモニターする。
【0086】 血小板の研究のために、抗凝固剤として3.2%のクエン酸ナトリウムを含有
するプラスチックシリンジの中に、頚部カニューラから血液(20mL)を引き
出した(1/10クエン酸/血液、vol/vol)。ベースライン、CNの投
与から60、120、180、240、及び300分後の血小板の凝集及び全血
液細胞数のために血液を採取した。血小板の数は、細胞カウンターで決定した。
200,000/mmの血小板数を達成するために、血小板が少ない血漿で、
血小板が豊富な血漿、すなわち抗凝固化された全血の140×g、5分間の遠心
後に存在する上清を希釈した。血小板が少ない血漿は、血小板が豊富な血漿を除
去した後に、残った血液を12,000×gで10分間遠心し、底の細胞相を捨
てることによって調製した。エクスビボでの血小板の凝集は、4チャンネルの血
小板凝集計を用いて、37℃に維持された血小板が豊富な血漿の攪拌された懸濁
液を通した光の透過の増加を記録することによる、確立された分光光度法によっ
て測定した。凝集は、アラキドン酸(0.65mMと0.325mM)とADP
(20μMと5μM)で誘導した。刺激前に血小板を準備させるために、凝集を
起こさない用量のアドレナリン(550nM)を使用した。値は、それぞれ、0
%と100%の光透過を生じる血小板が豊富な血漿の試料と血小板が少ない血漿
の試料に標準化された光透過のパーセントに相当する凝集のパーセントとして表
した。
【0087】 研究プロトコールの最後に、障害点の近位及び遠位で、各血管セグメントを結
紮し、血管内の血栓を乱さないように除去した。血管セグメントを開いて、無傷
の血栓を持ち上げて取り、秤量する。
【0088】 ここまでに、CN+APSACで5匹の動物、APSACのみで6匹、APS
AC+7E3抗(GP)IIb/IIIaモノクローナル抗体で6匹のイヌのポジテ
ィブコントロール群を調べた。CNの注入後には、平均動脈血圧又は平均心拍数
に実質的に変化が存在しなかった。さらに、APSAC注入のみと比べて、AP
SAC+CNの注入後には、頚動脈流速は高いレベルに留まった。APSACの
みを注入した動物群では、溶解剤の注入後に2〜3分間頚動脈を開いたが、その
後再び閉じて、研究の間、閉じたままにした。ポジティブコントロール群では、
動物は、動脈内にAPSAC(0.1U/kg)を注入し、この後に、7E3抗
−(GP)IIb/IIIaF(ab’)2の大量瞬時投与(0.8mg/kg)を
行った。これらの3匹の動物では、APSACと7E3の組合せの注入後に頚動
脈を開放し続け、実験のプロトコールが終了するまで、開放しつづけた。APS
AC+CNを注入した5匹の動物群では、7E3とAPSACの組合せを注入し
たものと実質的に同じであった。しかしながら、表1は、残余血栓重量の点で、
APSAC+CNの組合せに有意な利点が存在したことが明らかである。表1で
は、CTTX=CN、RCA=右頚動脈である。この薬剤の組合せで処置した5
匹の動物群では、イヌのkg体重当たり残余血栓重量は1.5であったのに対し
て、APSAC+7E3群の6匹の動物では2.4であり、APSACのみの群
(6匹の動物)では4.1であった。最後に、APSAC+CN(0.155m
g/kg)で処置したイヌのうちの1匹では、血小板の凝集と血小板数を追った
(図9)。CNの注入はゼロ時間に開始し、その後60分間継続した。
【0089】
【表1】
【0090】 これらの結果は、この群のイヌの典型的な結果である。血小板の凝集が、毒タ
ンパク質での処理によって弱められたが、実験の終わりには、凝集が復活してい
るようであることが分かるであろう。同様に、実験の間には、血小板の数も減少
した。血小板は、脾臓のような避難場所に隠れ、続いて、短い滞在時間後に放出
されると考えられる。循環中に戻っている血小板は機能的なようである。少ない
血小板数のために凝集能が幾分変動しながら、ベースライン値の10〜20%ま
で血小板数が減少している。しかしながら、残りの血小板における血小板凝集能
は、実験操作の最後には正常に戻るようにみえることが分かる。
【0091】 例9 乳癌の接着と浸潤に対するCNの影響 高度の転移性ヒト乳癌細胞、MDA−MB−435細胞株のECMタンパク質
への結合に対するCNの影響を調べた。96ウェルのマイクロタイタープレート
のウェルの中にヒトのフィブロネクチンとビトロネクチンを固定化した。図3と
4を参照すると、CNは、用量依存的に、MDA−MB−435の両ECMタン
パク質への接着を阻害した。フィブロネクチンへの接着に対するIC50は18
nMであり(図10)、ビトロネクチンに対しては、IC50は1.5nMであ
る(図11)。CNは、MDA−MB−435細胞によるヒトのI型コラーゲン
に対する、又MDA細胞が相対的に強い親和性を有するラットのI型コラーゲン
への弱い接着に対しては、最少の影響しか有さなかった。上記実験の変形では、
CNを固定化した。CNは、用量依存的に、MDA−MB−435細胞の結合を
支持できることが見出された。固定化したCNへのMDA−MB−435細胞の
結合は、RGDペプチド、GRGDSP(IC50=0.4mM)、及びEDT
A(IC50=0.8mM)によってブロックされる。インテグリン受容体は、
それらのサブユニットの非共有的な会合に金属イオンを必要とするので、我々の
発見は、CNが、RGDを媒介した機序を介して、MDA−MR−435細胞の
表面上にあるインテグリン受容体に結合することを示している。固定化したCN
がMDA−MB−435細胞の接着を支持できるという発見は、この結合には、
腫瘍細胞上の細胞表面受容体が関与していることを示唆する。図12と13を参
照すると、 ヒト乳癌細胞の固定化されたCNへの結合を阻害するために、様々な濃度のGR
GDSP(図12)又はEDTA(図13)を使用した。CNは、0.1μg/
ウェルであった。各データ点の縦線は、y軸の誤差線を示している。全ての実験
は、各データ点について3回を3セット行った。
【0092】 MDA−MR−435細胞の固定化されたCNへの接着は、GRGDSPによ
り、及びEDTAにより完全にブロックされるので(図12と13)、CNは、
RGD依存性の機序を介して、専らMDA−MR−435細胞のインテグリン受
容体に結合する。
【0093】 図14を参照すれば、我々は、Matrigelをコートした浸潤チャンバー
を用いて、MDA−MR−435細胞による合成基底膜の浸潤に対するCNの影
響も実証した。Matrigelの層を横切るように、様々な濃度のCNで処理
した2.5×10のMDA−MB−435細胞を48時間移動させた。各CN
濃度でのアッセイは、3回行った。Matrigelフィルターを介して浸潤し
た細胞を固定し、染色した。3つのランダムに選択した視野中の細胞数の平均に
よって、顕微鏡で、浸潤した細胞を定量した。
【0094】 例10 CNは、ヌードマウス実験モデルで、MDA−MB−435乳癌の増殖と転移
を阻害する ヌードマウスの自発的な(同所)転移モデルは、乳腺の脂肪パッド(mfp;
mammary fat pad)にMDA−MB−435細胞(0.1mL中
5×10)を移植することによって確立した。移植から10日後に、触診可能
な腫瘍が現れた。移植から14日後に開始して、各群の腫瘍塊中に毎日CNの投
与を実行する。移植から8週間後までに、腫瘍を除去した。動物は、CNを投与
せずに、2週間生存させた。その後、動物を屠殺し、肺の転移を注意深く調べた
。図15を参照すれば、我々の発見は、CNの局所投与が、腫瘍の増殖速度をか
なり阻害したことを示している。対照(黒い棒)の腫瘍塊の体積(平均±S.D
.)、低用量(0.5μg/日、灰色の棒)のCN処置群、及び高用量(5μg
/日、灰色の棒)のCN処置群が示されている。左から右への7つの群の棒は、
投与前(PI、移植から14日後)と投与の第1〜第6週のデータを表している
。スチューデントのt検定を利用した。**は、それぞれ、P<0.05と
p<0.01を示している。高用量(5μg/日)のCNで処理した腫瘍の平均
重量は、 対照群(P<0.05)と比べて有意に低い。表1は、肉眼による検査と表面の
小結節の計数に基づく肺転移の発生を示している。対照群での転移の広がりは、
90%を超える転移の阻害を示した高用量のCN群に比べて、ずっと広範である
。これらのデータは、ヒト乳癌の治療におけるCNの潜在的な治療的役割を実証
している。
【0095】
【表2】
【0096】 例11 CNは、MDA−MB−435腫瘍によって誘導されたCAM中の血管新生を
阻害する 腫瘍の増殖に対する阻害的な効果が、おそらくは、少なくとも部分的には、C
Nによる血管新生の阻害から生じるという仮説は、ニワトリ胚絨毛尿膜(CAM
)上の腫瘍によって誘導された血管新生に対するCNの効果を観察することによ
って予備的に確認された。MDA−MB−435腫瘍塊を、10日のニワトリ胚
のCAMに接種した。様々な用量のCNを、接種から2日後に、CAMの中に静
脈内投与した。腫瘍によって誘導された血管新生と血管新生に対するCNの阻害
的な効果は、インキュベーションから3日後に、容易にCAMに観察することが
できる。図16に示されているように、血管は、対照胚中の腫瘍塊を中心として
、集中的に分布している。ニワトリの胚は免疫不全であり、このため、移植した
MDA−MB−435腫瘍の増殖を可能とする。胚は、37℃、60%の湿度で
インキュベートされる。接種から2日後に、様々な用量のCNをCAMの中に静
脈内投与した。第3日目の腫瘍によって誘導された血管新生が写真に示されてい
る。上(図16A)が対照胚である。血管は、腫瘍塊を中心として、集中的に分
布している。真中(図16B)は、20μgのCNで処置したCAMである。下
(図16C)は、150μgのCNで処置したCAMである。20μgのCNを
処置した胚の血管は、対照と比べて、より薄く、密度が低い。対照のCAMと比
べて、腫瘍塊はより小さい。150μgのCNによって処置したCMAでは、血
管は、ずっと薄く、集中的な分布パターンは完全に消失している。おそらくは、
血液供給の欠如のために、対照及び低用量のCNと比べて有意に小さな体積の壊
死した腫瘍塊が存在する(図16)。
【0097】 例12 CNは、インビトロでのMDA−MB−435細胞の増殖には全く効果がない 1/100希釈のMatrigelでコートした6ウェルの細胞培養プレート
に、MDA−MB−435細胞(0.3×106/mL)を加えた。続いて、様
々な濃度のCNで細胞を処理した。CNなし(円)、100nMのCNあり(三
角)、及び500nMのCNあり(菱形)での、MDA−MB−435細胞のイ
ンビトロでの増殖曲線が示されている。Matrigel(1/100希釈)で
コートされた6ウェルの細胞培養プレートに、3mLのMDA−MB−435細
胞の懸濁物(0.3×10/mL)を播種した。細胞の密度は、24時間毎に
決定した。図17を参照すれば、CNの存在下で、対照細胞と同じように増殖し
ている。この結果は、CNが、MDA−MB−435細胞のインビトロ培養中に
、直接的な細胞毒性を有しないことを示している。
【0098】 例13 CNは、インビボで有効であり、よく許容される 上記のヌードマウスを用いた慢性実験から、CNは毒性がないと結論付けるこ
とができる。その血小板凝集阻害活性にもかかわらず、実験中には、自発的な出
血は全く観察されない。しかしながら、CN処置した動物の投与部位には幾らか
の出血が見られた。
【0099】 CNは、新しい抗転移剤である。我々は、CNが癌の転移と進行における幾つ
かの重要な工程(例えば、接着、浸潤、血管新生)をブロックすると仮定してい
る。それ故、単一の工程をブロックする他の物質よりも、強力である。
【0100】 上記の記述から、当業者であれば、本発明の本質的な特徴を容易に探知するこ
とができ、本発明の精神と範囲から逸脱せずに、本発明を様々な用途と条件に採
用することができる。情況が適宜であることを示唆し、又は適宜であり得るので
あれば、形式の片か及び均等物の置換が想定されている。本明細書では具体的な
用語が用いられているが、それらは、説明的な意味を意図したものであり、限定
を意図したものではない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図面の簡単の記述
【図1】 本発明は、添付の図面を参照することにより、よりよく理解され得る。図1は
、コントートロスタチンcDNAをクローニングする戦略を示している。図1A
は、共通のRGD配列と高度に保存された配列を示している、他のディスインテ
グリンと比較したエドマン分解アッセイに基づくCNの部分アミノ酸配列(CN
)を示しており、図1BはPCRプライマーを示し、図1Cは、コントートロス
タチンの完全長cDNAを作製するために使用された重複伸張反応の原理を示し
ている。
【図2】 図2は、PCR産物の電気泳動を示しており、約1300bpの主要なバンド
は、λgt10フォワードとPCR−2によって開始されたPCRで増幅され(
レーン1)、約700bpのバンドはPCR−2とλgt10リバースによって
開始されたPCRから生じ(レーン2)、約2000bpの分子サイズを有する
2つの断片の重複する産物はレーン3に示されている。
【図3A】 図3は、86ヌクレオチドの5’末端未翻訳領域(NTR)、ヌクレオチド8
7と1535の間のオープンリーディングフレーム、ヌクレオチド1536〜1
538の終止コドン、及びAATAAA部位を含み、ポリAテールで終了する3
’NTRを含むCN cDNAの完全長ヌクレオチド配列と推定アミノ酸を示し
ている。
【図3B】 図3は、86ヌクレオチドの5’末端未翻訳領域(NTR)、ヌクレオチド8
7と1535の間のオープンリーディングフレーム、ヌクレオチド1536〜1
538の終止コドン、及びAATAAA部位を含み、ポリAテールで終了する3
’NTRを含むCN cDNAの完全長ヌクレオチド配列と推定アミノ酸を示し
ている。
【図3C】 図3は、86ヌクレオチドの5’末端未翻訳領域(NTR)、ヌクレオチド8
7と1535の間のオープンリーディングフレーム、ヌクレオチド1536〜1
538の終止コドン、及びAATAAA部位を含み、ポリAテールで終了する3
’NTRを含むCN cDNAの完全長ヌクレオチド配列と推定アミノ酸を示し
ている。
【図3D】 図3は、86ヌクレオチドの5’末端未翻訳領域(NTR)、ヌクレオチド8
7と1535の間のオープンリーディングフレーム、ヌクレオチド1536〜1
538の終止コドン、及びAATAAA部位を含み、ポリAテールで終了する3
’NTRを含むCN cDNAの完全長ヌクレオチド配列と推定アミノ酸を示し
ている。
【図4】 図4は、トリグラミン前駆体と他のヘビ毒の出血性タンパク質と比較したコン
トートロスタチン前駆体のマルチドメイン構造を示している。
【図5A】 図5は、コントートロスタチンのホモダイマーの形成を示している。図5Aは
、N末端に6アミノ酸の末端切断を有し、2つの不対システイン残基を与える2
つの半シスチン残基を含むコントートロスタチンと比較したディスインテグリン
、キストリンのアミノ酸配列とジスルフィド結合パターンを示している。
【図5B】 図5Bは、不対システインが、2つの分子間ジスルフィド結合の形成に関与し
て、ユニークなホモダイマー構造を形成し得ることを示している。2つのモノマ
ーは、パラレル又はアンチパラレルパターンで連結され得る。
【図6】 図6は、ヒト、イヌ、及びウサギ血小板凝集のCN阻害の測定結果を示してい
る。
【図7A】 図7Aは、固定した飽和濃度のマウスモノクローナル抗体7E3の存在下での
ヒト(図7A)及びイヌ(図7B)(GP)IIb/IIIaへのCNの結合研究の
結果を示している。
【図7B】 図7Bは、固定した飽和濃度のマウスモノクローナル抗体7E3の存在下での
ヒト(図7A)及びイヌ(図7B)(GP)IIb/IIIaへのCNの結合研究の
結果を示している。
【図8】 図8は、超音波フロープローブ、機械的圧縮装置(狭窄症)、及び血栓形成を
開始するために血管壁に脈管内膜の傷害を誘導するための頚内陰電極の設置を示
す、器具を取り付けたイヌの頚動脈を図示したものである。
【図9】 図9は、アニソイル化プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体
(APSAC)とCNで処理したイヌのゼロ時の値のパーセントとして表した血
小板数と血小板の凝集性を示している。
【図10】 図10は、CNがMDA−MB−435のフィブロネクチンへの接着を阻害し
たことを示している。
【図11】 図11は、CNがMDA−MB−435のビトロネクチンへの接着を阻害した
ことを示している。
【図12】 図12は、GRG−DSPによる、ヒト乳癌細胞の固定化されたCNへの結合
の阻害を示している。
【図13】 図13は、EDTAによる、ヒト乳癌細胞の固定化されたCNへの結合の阻害
を示している。
【図14】 図14は、マトリゲルをコートした浸潤チャンバーを介したMDA−MB−4
35の浸潤の阻害を示している。
【図15】 図15は、実験用ヌードマウスでのMDA−MB−435腫瘍の増殖に対する
CNの影響を示している。
【図16A】 図16は、対照ニワトリ胚絨毛尿膜(CAM;chorioallantoi
c membrane)(図16A)、20μgのCNで処理したCAM(図1
6B)、及び150μgのCNで処理したCAM(図16B)での腫瘍によって
誘導された血管新生を示す写真である。
【図16B】 図16は、対照ニワトリ胚絨毛尿膜(CAM;chorioallantoi
c membrane)(図16A)、20μgのCNで処理したCAM(図1
6B)、及び150μgのCNで処理したCAM(図16B)での腫瘍によって
誘導された血管新生を示す写真である。
【図16C】 図16は、対照ニワトリ胚絨毛尿膜(CAM;chorioallantoi
c membrane)(図16A)、20μgのCNで処理したCAM(図1
6B)、及び150μgのCNで処理したCAM(図16B)での腫瘍によって
誘導された血管新生を示す写真である。
【図17】 図17は、インビトロでのMDA−MB−435細胞の増殖に対するCNの影
響を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月26日(2000.10.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/00 A61P 35/04 35/00 43/00 105 35/04 111 43/00 105 C07K 14/46 111 C12N 1/15 C07K 14/46 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/00 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN ,YU,ZA,ZW (72)発明者 ゾウ、キン アメリカ合衆国、カリフォルニア州 アル ハンブラ、ノース・プリムローズ・アベニ ュー 224、アパートメント・エー Fターム(参考) 4B024 AA01 BA63 CA01 4B064 AG30 CA19 CC24 4B065 AA90Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 4C084 AA02 AA06 BA01 BA08 BA22 BA23 CA43 DC50 NA14 ZA362 ZA402 ZA452 ZA542 ZA592 ZB212 ZB262 ZC022 4H045 AA10 BA10 CA53 DA83 EA20 FA74

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に精製されたコントートロスタチン、コントートロス
    タチン前駆体、又は生物学的に活性なそれらの変種からなるタンパク質。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組換えタンパク質。
  3. 【請求項3】 a)配列番号2のアミノ酸番号419〜483; b)配列番号2のアミノ酸番号191〜410; c)配列番号2のアミノ酸番号1〜190; d)配列番号2 からなる群から選択されたアミノ酸配列を有する請求項1に記載のタンパク質。
  4. 【請求項4】 前記コントートロスタチンが、約5〜約7kDaの分子量を
    有するモノマーを含む請求項1に記載の精製されたタンパク質。
  5. 【請求項5】 前記コントートロスタチンモノマーが、別のコントートロス
    タチンモノマーとホモダイマーを形成している請求項4に記載の精製されたタン
    パク質。
  6. 【請求項6】 2つのCys残基が隣接した約13アミノ酸残基の柔軟なペ
    プチドループの端に、拘束されたArg−Gly−Asp(RGD)配列を含む
    請求項1に記載の精製されたコントートロスタチンタンパク質であって、前記ペ
    プチドループが、配列番号2のアミノ酸番号457〜469を含むアミノ酸配列
    を有するインテグリンアンタゴニストである精製されたコントートロスタチンタ
    ンパク質。
  7. 【請求項7】 前記生物学的に活性な変種が、 a)配列番号2のアミノ酸番号419〜483; b)配列番号2のアミノ酸番号191〜410; c)配列番号2のアミノ酸番号1〜190; d)配列番号2 と少なくとも90%相同であるアミノ酸配列を有する請求項1に記載のタンパク
    質。
  8. 【請求項8】 コントートロスタチンに対する抗体によって認識されるペプ
    チド。
  9. 【請求項9】 配列番号1のヌクレオチド配列によってコードされるコント
    ートロスタチンタンパク質の調製物。
  10. 【請求項10】 前記調製物には、他のヘビ毒の成分が実質的に存在せず、
    前記コントートロスタチンが、配列番号1のヌクレオチド配列を有するcDNA
    分子を転写し、翻訳するプロセスによって作られる請求項9に記載のコントート
    ロスタチンタンパク質の調製物。
  11. 【請求項11】 前記転写及び翻訳が組換えDNAを含有する宿主細胞で行
    われる請求項10の調製物。
  12. 【請求項12】 前記コントートロスタチンが、配列番号2に記載のアミノ
    酸配列を有するポリペプチドを合成するプロセスによって作られる、他のヘビ毒
    の成分が実質的に存在しないコントートロスタチンの調製物。
  13. 【請求項13】 発現時にコントートロスタチンをコードするDNA配列を
    含む組換えDNA分子。
  14. 【請求項14】 発現時に、金属結合、プロテイナーゼ、又はディスインテ
    グリンからなる群から選択される少なくとも1つの生物活性を有するコントート
    ロスタチンタンパク質をコードする請求項13に記載の組換えDNA分子。
  15. 【請求項15】 実質的にコントートロスタチンをコードするヌクレオチド
    からなる精製され、且つ単離されたDNA分子であって、前記ヌクレオチド配列
    が、 a)配列番号1のヌクレオチド番号1341〜1535; b)配列番号1のヌクレオチド番号657〜1316; c)配列番号1のヌクレオチド番号87〜656; d)配列番号1のヌクレオチド番号87〜1535;及び e)配列番号1 からなる群から選択される精製され、且つ単離されたDNA分子。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載の組換えDNA分子を含むベクター。
  17. 【請求項17】 請求項16のベクターで形質転換された宿主細胞であって
    、前記宿主細胞が、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、酵母及び他の真菌、並びに
    細菌からなる群から選択される宿主細胞。
  18. 【請求項18】 請求項17の宿主細胞を培養する工程を備えたコントート
    ロスタチンを製造する方法。
  19. 【請求項19】 宿主細胞によって発現されたコントートロスタチンを回収
    することをさらに備えた請求項18の方法。
  20. 【請求項20】 a)宿主細胞を培養することと(前記宿主細胞は、哺乳類
    細胞、植物細胞、昆虫細胞、酵母及び他の真菌、並びに細菌からなる群から選択
    され、前記宿主細胞はベクターで形質転換されており、前記ベクターは、発現時
    にコントートロスタチンをコードするDNA配列を含んでいる) b)宿主細胞によって発現されたコントートロスタチンを回収すること という工程を備えた方法によって製造された組換えタンパク質。
  21. 【請求項21】 薬学的に許容される担体と請求項1に記載の精製されたタ
    ンパク質とを含む薬学的に許容される組成物。
  22. 【請求項22】 インテグリン受容体へのインテグリンの結合が関連する疾
    病を有する患者を治療する方法であって、インテグリン受容体へのインテグリン
    の結合が実質的に阻害され、前記患者が治療されるように、前記患者に請求項2
    1の組成物を投与する工程を備えた方法。
  23. 【請求項23】 前記方法が、血小板の凝集、腫瘍の転移、血管新生、新血
    管形成、細胞の接着、浸潤性、又は増殖を阻害する請求項22の方法。
  24. 【請求項24】 前記DNA配列が、 a)配列番号1のヌクレオチド番号1341〜1535; b)配列番号1のヌクレオチド番号657〜1316; c)配列番号1のヌクレオチド番号87〜656; d)配列番号1のヌクレオチド番号87〜1535;及び e)配列番号1 からなる群から選択される請求項20の組換えタンパク質。
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