JP4855627B2 - 医薬用途のためのトロンボモジュリン - Google Patents

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、プロテインCのトロンビン仲介活性化を促進する能力を有するが、トロンビン活性化可能な線維素溶解阻害剤(TAFI)の活性化を著しく減じる能力を有し、結果として線維素溶解を増加して凝固を減らす、トロンボモジュリン(TM)類似体の使用に関する。これらの類似体は、たとえば抗血栓治療に有益である。新規タンパク質、核酸遺伝子配列、医薬品、および血栓性活性を阻害する方法を開示する。
【0002】
発明の背景
多くの病状は、安全で有効な抗凝固薬/抗血栓薬による治療により利益を得る。これらの状態の性質は様々である。たとえば、抗凝固薬治療は、心筋梗塞の血栓溶解治療中のような急性期、またはたとえば敗血症にかかわる播種性血管内凝固の治療において有効である。抗凝固薬はまたそれほど急性でない状態でも有効である。たとえば、心臓弁移植を受けた患者での長期使用、または深部静脈血栓症(DVT)の危険を減少するために手術患者に予防的に使用する場合である。
【0003】
トロンボモジュリンは、抗凝固的性質を示す膜タンパク質である。人間においては、それは血管系およびリンパ管の内皮に広く分布している。その生理学的重要性は、広範囲にわたって研究されている。(たとえば、Esmon et. al. (1982) J. Biol. Chem. 267:859-864、およびSalem et. al. (1983) J. Biol. Chem. 259: 12246-12251を参照)。
【0004】
トロンボモジュリンは、凝固カスケードの中心的酵素であるトロンビンの受容体として機能する。トロンビンは、遊離時にはフィブリノーゲンをフィブリンに転換することにより直接的に、および凝固カスケードにおける他のタンパク質(たとえば、因子V、VIIIおよびXIII)の活性化を通じて間接的に、の両方で、ならびに血小板の活性化を通じて凝固を促進する。トロンボモジュリンに結合している時には、しかしながら、トロンビンートロンボモジュリン複合体は、プロテインCの活性化プロテインCへの活性化に関与する。
【0005】
これは次に、必須補因子ファクターVaおよびファクターVIIIaをタンパク質分解的に不活性化することにより凝固カスケードを低下調節し(Esmon et al., Ann. N. Y. Acad. Sci. (1991), Vol. 614, pp. 30-43)、その結果抗凝固活性を増大する。トロンビンートロンボモジュリン複合体はまた、トロンビン活性化線維素溶解阻害剤(TAFI)の活性に関与し、TAFIは線維素溶解を阻害する(図1参照)。
【0006】
天然トロンビンをコードする遺伝子は幾つかの種から、遺伝子型およびcDNAクローンとして、単離され配列順序付けられている(Suzuki et. al., (1987)EMBO Journal 6:1891-1897; Jackman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:8834- 8838 および84: 6425-6429、これらの全ては参照によりここに組み入れられている)。
【0007】
既知のタンパク質、たとえばLDL受容体、との比較により、機能分域の存在が示唆されている(Wen, D., et. al., (1987) Biochemistry 26:4350-4357)。5番目と6番目の上皮細胞成長因子(EGF)-様分域がトロンビンに結合する能力を有することを示唆する研究がある(Kurosawa, S., et al., (1988) J. Biol. Chem. 263:5993-5996); 他の研究は、EGF-様分域4、5および6がトロンビン仲介プロテインC活性化活性に対する補因子として働くのに充分であることを示唆している (Zushi, et. al., (1989) J. Biol. Chem. 264:10351-10353)。
【0008】
より最近の研究では、トロンビン-トロンボモジュリン複合体によるプロテインCおよびトロンビン活性化可能線維素溶解因子(TAFI)活性化に必要とされるトロンボモジュリンのEGF様分域内の構造要素が調べられた(Kokame et al., (1998) J. Biol. Chem. 273:12135-12139; Wang wt al., (1998) Intl. Soc. Fibrin. Throm. Pg 11; Wang et al. (2000) J. Biol. Chem. 275:22942-22947)。
【0009】
トロンビンの直接的な親凝固薬活性(フィブリノーゲンのフィブリンへの転換)の阻害は、部分的にトロンボモジュリン分子のグリコサミノグリカン置換基に帰せられる(Bourin, M.C. et al., (1986) Pro. Natl. Acad. Sci. USA 83:5924-5928)。トロンボモジュリンのO-結合した糖鎖形成分域は、この型の糖硫酸塩の付加に対する潜在的な位置を含む。さらに、トロンボモジュリンは、プロテインC阻害剤のような血漿における天然阻害剤によるトロンビンの直接阻害を加速する(Rezale et al., (1995) J. Biol. Chem. 270:25336-25339)。
【0010】
天然タンパク質の、全部で無いにしても、大部分の活性を保持した、トロンボモジュリンの可溶性類似体が製造されている。さらに、酸化抵抗力があり、タンパク質分解に抵抗力があり、または循環系内でより長い半減期を有するように、他の方法で修飾されているトロンボモジュリンの可溶性類似体が開発されている(Glaser et al.。これらの修飾については、米国特許N0.5,256,770(酸化抵抗力)、No.5,863,760(プロテアーゼ抵抗力)、およびNo.5,466,668(変更された糖鎖形成位置)に記述されている)。これらの全ては、参照によりここに組み入れられている。
【0011】
然しながら、可溶性でかつ膜に覆われた、新規に改良されたトロンボモジュリンが必要である。このトロンボモジュリンは、基質プロテインCおよびTAFIに対するトロンビン-トロンボモジュリン複合体の変更された選択性を有し、結果として全般的な抗凝固活性が増加する。トロンビンに結合した時に、天然のトロンボモジュリンに比較して、プロテインCの活性化を増し、かつTAFIの活性化を減ずる、新規のトロンボモジュリン類似体がこの必要性を満たし得る。
【0012】
発明の要約
本発明は、血栓性疾患の治療に使用できる、新規のTM類似体、方法、および成分を提供する。本発明者らは、遺伝子組換え技術により製造された従来技術の抗血栓薬成分を、広範囲にわたり研究し、米国特許No.5,256,760、No.5,863,760およびNo.5,466,668に記述されている、改良された類似体を導いた。本発明は、本発明の新規なTM類似体をこの複合体を生成するために使用する時に生成する、トロンビン-トロンボモジュリン複合体の基質特異性の修飾に集中している。
【0013】
本発明は、トロンビンに結合した時に、天然のトロンボモジュリン(図4、配列番号:2)と比較して、プロテインCの100%の活性化より大きくかつTAFIの50%の活性化より小さい活性化を示すトロンビン-トロンボモジュリン複合体を生じる新規のTM類似体を提供する。該類似体は、トロンボモジュリンの6 EGF-様ドメイン内の数箇所で、アミノ酸置換を有する。この数箇所は、少なくとも2箇所である。
【0014】
これらのトロンボモジュリン類似体の好ましい具体例は、天然トロンボモジュリン(配列番号:2)に従って番号付けされている類似体が、天然のトロンボモジュリン(配列番号:2)の第3のEGF-様ドメイン4のc-環の340、341もしくは343位で、またはEGF-様ドメインに存在する381位で、あるいはこれらの位置の組合せで修飾されたアミノ酸配列を有するものである。特に好ましいトロンボモジュリン類似体は、下記の修飾:V340A、D341AまたはE343Aのうちの1つとの組合せで、H381Gの修飾を含む。
【0015】
さらに好ましいTM類似体の具体例は、可溶性類似体である。
特に好ましいTM類似体の具体例は、類似体に酸化耐性があり、そして388位のメチオニンがロイシンで置換されるものである。この場合、類似体は、天然のトロンボモジュリン(配列番号:2)に従って番号付けられる。
さらに好ましいこれらTM類似体の具体例は、プロテアーゼ開裂に対する耐性を賦与する付加的修飾を含み、そして糖鎖形成の変更されたパターンを示す。
好ましい類似体は、以下の修飾を含むものである:アミノ酸1-3の除去、H381G、M388L、R456G、H457Q、S474Aおよび下記の置換:V340A、D341AまたはE343Aのいずれか1個。
【0016】
特に好ましい類似体は、下記の修飾を含むものである:アミノ酸1-3の除去、H381G、M388L、R456G、H457Q、S474A、P490の終端、および下記の置換:V340A、D341AまたはE343Aのいずれか1個。
本発明はさらに、上述のTM類似体をコードするDNA配列を提供するし、同様に原核生物または真核生物において前記TM類似体の産生するためのベクターおよび宿主細胞を提供する。
本発明はさらに、抗凝固薬治療を必要とする患者に有効量の前記トロンボモジュリン類似体を投与することを含み、血栓性疾患を、治療したりまたは予防したりするための方法を提供する。
【0017】
発明の詳細な記述
定義
明細書および請求に使用されている如く、反対を明記していない限り、以下の術語は示された意味を有する:
「残基」という術語は、ペプチドに組み込まれているアミノ酸に関する。該アミノ酸は、天然由来のアミノ酸であろうし、他に制限しない限り、天然由来のアミノ酸と同様に機能できる天然アミノ酸の既知の類似体を含むであろう。本開示の目的のために、アミノ酸残基は、一般に受容されている3字または1字略語、あるいはアミノ酸残基の存在を意味する「AA」という表示法により、ここに指定される。ここに参照されるアミノ酸は、以下の様に略号で記述される:
【0018】
表1: アミノ酸術語集
名前 3 1
アラニン Ala A
アルギニン Arg R
アスパラギン Asn N
アスパラギン酸 Asp D
システイン Cys C
グルタミン酸 Glu E
グルタミン Gln Q
グリシン Gly G
ヒスチジン His H
イソロイシン Ile I
ロイシン Leu L
リジン Lys K
メチオニン Met M
フェニルアラニン Phe F
プロリン Pro P
セリン Ser S
スレオニン Thr T
トリプトファン Trp W
チロシン Tyr Y
バリン Val V
【0019】
アミノ酸置換を記述する時、本開示の目的のために、置換は、天然トロンボモジュリン(配列番号O:2)に存在するアミノ酸、次いでトロンボモジュリン配列内のアミノ酸の位置(Suzuki et al., (1987) EMBO J 6:1891-1897の番号付け法を使用して)、さらに元のアミノ酸を置換したアミノ酸、を与えることにより記述する。すなわちM388Lは、388位置のメチオニンをロイシンで置換することを意味する。
【0020】
「天然トロンボモジュリン」は、それが天然に存在する時の(4図:配列番号:)完全長のタンパク質に関する。天然トロンボモジュリンは、ある残基で天然に起こる多形を含むことが知られている。たとえば455の位置には、この位置で発見されるアミノ酸の天然に起きる変動により、アラニンが82%、バリンが18%存在する(Van der Velden et al. (1991) Throm Haemeostasis 65: 511-513)。本発明の目的のためには、示されている天然トロンボモジュリン配列(4図、SEQ ID NO:2)は、Suzuki et al., (1987) EMBO J 6:1891-1897により記述される如く、455の位置にバリンを含む。
【0021】
しかしながら、すべての天然に起きる多形は、請求類似体の範囲内に含まれる。生物学的活性は、天然のTMに関して記述する時に、該術語は界面活性剤を用いて溶解した水溶液形を含む。活性を比較する文脈において、形質移入された可溶なポリペプチドは、しばしば、本質的に同一の性質を示すであろう。
【0022】
「トロンボモジュリン類似体」は、上記に議論したごとく、天然TMの生物学的活性を本質的に保持するペプチドであり、かつ天然版のTMのものとは異なる分子構造を有する。たとえば、該術語は天然トロンボモジュリン(配列番号:2)のそれと同一または相同性のアミノ酸配列を有するタンパク質に関し、および不溶性および可溶性トロンボモジュリンペプチドまたはその構成体に関し、ならびに酸化抵抗力のあるTM種に関するものであって、全てトロンボモジュリン様活性を有する。これらの類似体はまた、天然TMと比較した時に、タンパク質のプロテインC活性化補因子の性質を著しく減少しないアミノ酸の変更を含む誘導体および分子をも含む。
【0023】
「TM突然変異体」という術語は、(上述した如く)指定した置換または他の指示された修飾を含むTM類似体に関する。
「ペプチド」および「ポリペプチド」は、そのα炭素が1個のアミノ酸のα炭素カルボキシル基と他のアミノ酸のアミノ基の間の、縮合反応により生成されるペプチド結合を通じて結合しているアミノ酸鎖に関する。鎖の一端(アミノ末端)の端末アミノ酸は、従って遊離なアミノ基を有する。一方、鎖の他の端(カルボキシ末端)の端末アミノ酸は、遊離カルボキシル基を有する。
【0024】
「プロテアーゼ部位」は、アミノ酸または認識、結合、開裂またはプロテアーゼ活性に感受性のある他の部位を定義づけるTMポリペプチドのアミノ酸に関する。たとえば、この部位により囲まれた1またはそれ以上のアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基により置換されたりまたは取り除かれる時に、該プロテアーゼは、最早その部位でTMを開裂できない。この術語はまた、たとえば、構造的に露出しおよびプロテアーゼ活性に役立つことにより、プロテアーゼに本来感受性のあるTM分子の領域を囲む。
「プロテアーゼ開裂部位」は、プロテアーゼがTMポリペプチド類似体を開裂する正確な場所に関する。
【0025】
「1個のN-末端」および「1個のC-末端」は、組成の性質に機能的に関する文字通りの意味を有し、たとえば、通常の逐次的なアミノ酸配列分析法の際に、各分解サイクルのアミノ酸残基の除去は、異なるアミノ酸残基を本質的に欠いたものになる。かくて、N-末端アミノ酸の段階的除去の数サイクル後、たとえば10サイクル後には、本質的にただ1個のアミノ酸が各サイクルで回収される。特に、完全に純粋な単一鎖ポリペプチドから統計的に期待される以上の配列の不均一性を、使用する分析法手段により検知できない。
【0026】
「天然のトロンボモジュリンの生物学的活性を本質的に維持する」および同様な術語は、ここに用いられる如く、トロンボモジュリンが天然膜のついたTM分子と生物学的活性を共有することを意味する。一般的に、タンパク質のmg当たりの単位で表示した活性は、天然トロンボモジュリン(SEQ ID NO:2)の活性の少なくとも約50%、通常は75%、典型的には85%、より典型的には95%、好ましくは100%、より好ましくは100%以上である。
【0027】
この生物学的活性は、プロテインCのトロンビン仲介活性化(APC)の、活性化された部分的トロンボプラスチンの凝固時間(aPTT)の、トロンビン凝固時間(TCT)の、またはTMの生物学的な、好ましくは治療的な活性の、いずれかの活性でありえる。比較の天然標準は、完全長膜が結合したTMであるが、多くの場合、レクチン/EGF/O-結合分域(TM.sub.LEO)を含む可溶性TMが、より便利な標準として使用できる。
【0028】
「グリコシル化成部位」は、真核細胞により糖残基の付加用の場所として認識されるアミノ酸残基に関する。糖が付加するアミノ酸は、典型的にAsn(N-結合糖に対して)、スレオニンまたはセリン(O-結合糖に対して)残基である。付加の特定の部位は、アミノ酸の配列により典型的に標識される。たとえば、大抵のN-結合付加に対してAsn-X-(ThrまたはSer)および大抵のO-結合付加に対して(ThrまたはSer)-X-X-Proである、ここでXはどのアミノ酸でもよい。グリコサミノグリカン(特定の型の硫酸塩糖)の認識配列は、一般的にSer-Gly-X-Glyであるが、X-Ser-Gly-X-Varでもありえる。N-結合およびO-結合という術語は、糖部分とアミノ酸残基の間の付加部位として働く化学基に関する。N-結合糖は、アミノ基を通じて付加し、O-結合糖は、水酸基を通じて付加する。
【0029】
「in vivo循環半減期」は、哺乳動物に投与された血漿活性が半分に減少するのに要する平均時間に関する。
「O-結合グリコシル化部位」は、表2に叙述されている如く、天然トロンボモジュリン配列の463から497番のアミノ酸配列に関する。
「酸化耐性類似体」は、酸素ラジカル、クロラミンT、過酸化水素、または活性中性好性白血球のような酸化剤への暴露後、相当量の生物学的活性を維持できるトロンボモジュリン類似体に関する。
【0030】
「医薬品添加物」は、医学的治療を完成するために使用される非毒性の、医学的に受容できる物質に関する。これらの物質は、水および塩のような不活性、または抗生物質もしくは麻酔薬のような生物学的に活性、でありえる。
「減じられた能力」は、生物学的性質の統計的に有意な低下に関する。該性質は無制限であり、性質の測定または定量化は標準的手法による。
「糖残基」は、グルコサミンおよび他の炭水化物誘導体を含む6炭糖および5炭糖炭水化物、ならびにタンパク質に共有結合的につながっている部分である。
「硫酸塩置換基」は、5炭糖または6炭糖上での硫黄含有置換基に関する。
【0031】
「フィブリノーゲンのフィブリンへのトロンビン介在変換」は、トロンビンが前駆体タンパク質フィブリノーゲンを開裂してフィブリン単体を生じ、後者は次いで重合し凝結塊を生成する酵素的活性に関する。
「血栓性疾患」は、哺乳動物の健康にとって有害である、またはありうる1個またはそれ以上の血栓の生成により特徴付けられる、哺乳動物における病原性の状態に関する。
「治療的な有効量」は、哺乳動物の血栓性疾患の徴候または状態を改善するTM類似体の量に関する。
【0032】
「伝達ベクター」は、他の細胞、たとえば昆虫細胞に、たとえば野生型のかん状ウィルスで、一緒に形質移入したベクターに関する。伝達ベクターは、ウィルス、たとえばかん状ウィルスのゲノムと、たとえばかん状ウィルス多面体遺伝子を異種目標遺伝子で置換すると伝達ベクターとのあいだの再結合を促進するような方法で構成されている。ベクターが宿主細胞により維持されているところでは、ベクターは自律的構造としての有糸分裂中に細胞により安定的に複製されるか、または宿主のゲノム内に組み入れられている。
【0033】
「可溶性のTM類似体」は、水溶液で可溶なTM類似体であり、典型的に細胞により分泌されえる。薬理的な投与のためには、可溶性TM類似体または不溶性類似体は、リン脂質の膜胞、界面活性剤、または薬理的処方の同業者の熟練者に良く知られた他の同様な化合物と、任意に組み合わせられるだろう。本発明の好ましいTM類似体は、血流中に可溶であり、したがって類似体を種々の抗血液凝固剤および他の治療において有用にする。TMを可溶性にする修飾は、天然のトロンボモジュリン(配列番号:2)に比較して多くの活性、たとえばトロンビンに対する親和性またはプロテインC活性化における活性に、典型的には重大には影響しない。
【0034】
本発明出願に関する専門語および一般的研究室的手順の多くは、Sambrook et.al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (第2版), Vol 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1989またはBerger and Kimmel, Guide to Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology 152 (Academic Press, Inc., San Diego, CA)に見出す事ができる。マニュアルは、これ以後夫々「Sambrook」または「Berger」として参照され、夫々は参照によりここに組み入れられている。
【0035】
発明の詳細な記述
トロンボモジュリンの生物学的活性
血栓性の疾患の基礎的な病理学は、たとえば障害を受けた血管のような刺激物に反応して凝血塊が生成する。この刺激物は、凝固カスケードを引き起こし、次いでフィブリノーゲンを凝血塊の母体であるフィブリンへ変換する能力のあるトロンビンを生成する。
【0036】
トロンボモジュリンは、トロンビンに対する受容体として働く内皮細胞膜タンパク質である。ヒトにおいては、それは血管の内皮と全器官のリンパ管に分布している。トロンビンは、トロンボモジュリンに可逆的に結合する能力がある。トロンビンは、トロンボモジュリンに結合すると、親血液凝固酵素から抗血液凝固酵素に変換する。トロンビン/トロンボモジュリン複合体は、少なくとも2つの異なる方法で凝固カスケードを阻害する。
【0037】
第1に、トロンビンのトロンボモジュリンへの結合は、酵素前駆体を活性セリンプロテアーゼに変換する、プロテインCのトロンビン仲介活性化を可能にする(Foster et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci, USA 82: 4673-4677)。活性化プロテインCは、ファクターVaおよびVIIIaのような凝固カスケードの他の親血液凝固成分をタンパク質分解的に不活性化し、これは今度はさらなるプロトロンビンのトロンビンへの変換を阻害する。プロテインCのトロンビン仲介活性化は、トロンビンがトロンボモジュリンに結合する時に、大きく促進される、すなわちプロテインCの活性化速度は、少なくとも1000倍増加する。
【0038】
第2に、トロンボモジュリンへの結合は、フィブリノーゲンのフィブリンへのトロンビン仲介変換の阻害ならびに血小板のトロンビン仲介活性化および凝集のような直接的な抗血液凝固剤効果を有する。さらに、トロンビン-トロンボモジュリン複合体もまた、プロテインCのような、トロンビン-トロンボモジュリン複合体に対する巨大分子基質である、血漿タンパク質のTAFIの活性化を通じて抗線維素溶解的効果を有する。TAFIは、カルボキシ端末アルギニンおよびリジン残基に対する特異性を有するカルボキシペプチダーゼである活性化TAFIを生成するための単一のタンパク質分解的開裂により活性化される。
【0039】
事実、最初に発見された時、TAFIは血漿カルボキシペプチダーゼBのための pCPB、と指定された(Eaton et al. (1991) J. Biol. Chem. 266:21833-21828; 米国特許No. 5,206,161参照)およびこれは、Nesheim et al.((1985)J. Biol. Chem. 270: 14477-14484)により、TAFI(トロンビン活性化可能線維素溶解阻害剤)と名付けられたタンパク質と同一である事が示された。活性化TAFIは、線維素溶解を非常に強力に阻害する。
【0040】
可溶性トロンボモジュリン類似体の使用は、血栓生成を予防するのに効果的であろうし、また天然のトロンボモジュリンおよび当業者で知られた他の抗血栓剤より安全である。本発明の好ましいトロンボモジュリン類似体は、全身に投与された時に、血栓生成を防ぐ。なぜなら、一旦トロンビンに結合すると、生成されたトロンビン-トロンボモジュリン複合体が、天然トロンボモジュリン(SEQ ID NO:2)に比較して、増大した抗血液凝固活性および増大した線維素溶解活性を示すからである。
【0041】
血栓生成が重要な疫学的役割を演じる疾患は、心筋梗塞、播種性血管内凝固、深部静脈血栓症、肺塞栓、敗血症性ショック、急性呼吸窮迫症候群、不安定狭心症、および他の動脈性または静脈性閉塞症を含む。本発明のトロンボモジュリン類似体は、血栓生成が病理学的である他の疾患におけると同様に、これらの全てに有効である。有効であるにより意味するのは、化合物が、疾患を予防するか、またはより重篤な状態への進行を予防するための、治療に有効であることである。本発明の化合物はまた、たとえば心臓弁のような生物補填物を受けた患者に、安全で効果的な抗血液凝固剤を提供する。これらの化合物は、たとえば肺塞栓または急性心筋梗塞の治療におけるヘパリンおよびワルファリンを置換するだろう。
【0042】
ことに、これらの化合物は、たとえば術後の、深部静脈血栓症(DVT)の予防に役割を見出すであろう。下肢の血栓生成は、それ自身は致命的状態ではないが、肺塞栓(PE)への発展に非常に緊密に結びついており、これは診断が困難であり、致命的でありえる。幾つかの予防的治療計画の研究および使用にもかかわらず、DVTおよびその結果のPEは、多くの患者群、ことに整形外科手術を受ける患者において重大な問題である。ヘパリン、ワルファリン、およびデキストランのような現存する予防的治療法は、整形外科手術を受けた患者のDVT発現率を、典型的に何らの予防法も受けない50%以上から、治療患者の25〜30%に減少する。
【0043】
しかしながら、重大な副作用、主として出血性合併症がある。現在、毎日の実験室検査および投与量の調整が、有効性を保ちながら出血を最小にするために必要である、現存予防法の欠点に基づいて、患者に出血を生じさせずにDVTを予防するのに有効な抗血栓薬が、患者の回復と福利に重大な影響を与えるであろう。
【0044】
血管形成術は、閉塞した動脈の開通を復活するためにしばしば使用される手段である。開通は復活するだろうが、血管形成術において動脈の内皮ライニングが著しく損傷するのは避けがたく、凝血塊がしばしば形成し始める。血管形成術と共に投与される可溶性トロンボモジュリン類似体は、この有害な副作用を予防するだろう。
【0045】
多くの急性血栓性および塞栓性疾患は、現在血栓を除去するために線維素溶解治療法を用いて治療される。最も多く研究されている状態は、急性心筋梗塞(心臓麻痺)である。急性心筋梗塞の治療に現在使用されている薬剤は、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子、およびウロキナーゼを含む。これらの薬剤の使用は、重大な出血性合併症をもたらす。線維素溶解治療により血栓を除去した患者、および血流が再開された患者は、しばしば影響を受けた血管の再閉塞、すなわち凝血塊の再生に苦しむ。線維素溶解剤の投与量または治療期間を増加して再閉塞を防止する試みがあるが、出血の発現率は増加する。かくてこれらの薬剤の治療指数は狭い。
【0046】
播種性血管内凝固(DIC)は、種々の器官の微小血管に血栓をもたらし、最終的には多器官不全の発生に寄与する血管内凝固の全身的な活性化により特徴付けられる、後天的症候群である。DICは、敗血症、重度の外傷、悪性病変および手術のような多くの疾患および種々の臨床状態に高度に関わっている。DICの初期においては、凝固の活性化は阻害剤の存在により補償されて、臨床で余り発見されない。然しながら、トロンビン-抗トロンビン(TAT)複合体のような、凝固活性化標識の増加した血漿水準は、実験室分析法で検知できる。
【0047】
DICの第2期および第3期においては、プロトロンビン時間(PT)および活性化部分的トロンボプラスチン時間(aPTT)は、著しく増加するが、一方血小板数、フィブリノーゲン濃度および阻害剤濃度は、著しく減少する。進行中の凝固のための凝固タンパク質および血小板の消耗は、幾つかの出血合併症を誘発するだろう。ことにDICの初期段階で与えられるトロンボモジュリン類似体は、トロンビン産生の増幅を防止し、結果としてフィブリンの消費を減少する。さらに、TAFIの併発的活性化無しに、優先的にプロテインCを活性化するTM類似体は、内生の線維素溶解経由で、より除去され易いフィブリン凝固をもたらすだろう。
【0048】
トロンボモジュリン類似体の使用は、その作用が局部的、すなわちトロンビンが生成されたりまたは凝固から放出される場所なので、再閉鎖を幾分防ぐ。それ故、その投与量を次いで減少出来る血栓溶解剤との組合せで使用すると、出血の危険性を著しく減少できる。
【0049】
トロンボモジュリン類似体の投与は、大量静脈注射、一定の静脈輸液または両方の組合せにより達成できる。また、適切な佐薬を混ぜた可溶性トロンボモジュリンは、筋肉注射場所から循環系に取りこまれるだろう。トロンボモジュリン類似体を用いた全身治療は、患者から採取した連続血液サンプルで活性化部分的トロンボプラスチン時間(aPTT)を測定して監視できる。この分析法で観察された凝固時間は、充分な水準のトロンボモジュリンが循環系で達成されると、長くなる。然しながら、これは効能の全身測定であって、発明者は、可溶性TM類似体が必ずしもaPTTに影響しないことを見出した。
【0050】
ここで使用された如く、治療的に有効な投与量は、病理学的凝固の生成を防止するに充分なTM類似体の水準として定義される。投与水準と治療計画は、通例当業者の通常の技術により調整できるので、トロンボモジュリンの適正濃度は、たとえば活性化部分的トロンボプラスチン凝固時間(aPTT)、トロンビン凝固時間(TCT)、またはタンパク質の活性化されたプロテインC(APC)への変換の分析により測定される如く維持される。
【0051】
血栓症疾患の検出と監視のための幾つかの方法が知られている。深部静脈血栓症は、たとえば静脈造影(Kerrigan, G. N. W., et al., (1974) British Journal of Hematology 26;469); Doppler 超音波(Barnes, R. W. (1982) Surgery Clinics in North America 62:489-500); .sup. 125I で標識したフィブリノーゲン取込走査 (Kakkar, V. V., et al., (1972) Archives of Surgery 104:156, Kakkar, V. V., et al., (1970) Lancet 1:540-542); インピーダンスプレチスモグラフィー (Bynum, L. J. et al., (1978) Annals of Internal Medicine 89: 162); およびトロンボシンチスキャン(Ennis, J. T. and Elmes, R. J. (1977) Radiography 125:441)で検知できる。これらの方法は、ここに記述された方法の効能および成分を監視するのに有効である。
【0052】
TMの分域構造
完全長の天然のヒトのトロンボモジュリンタンパク質をコードしているDNA配列(配列番号:1)は、単離されている(Suzuki, et. al., (1987) EMBO J 6:1891-1897は、参照としてここに取り入れられている)。この配列は、575のアミノ酸の60.3 kDaのタンパク質を符号付けしており、これは約18のアミノ酸のシグナル塩基配列を含む(4図;配列番号:2)。
【0053】
牛、マウスおよびヒトのトロンボモジュリンに対する配列は、お互いに高度の相同性を示す。他のタンパク質との類推で、トロンボモジュリンの構造は、推定によりドメインに分割できる。「ドメイン」という術語、特定の機能または特徴と関連できる特定のアミノ酸配列に関する。典型的には、ドメインは特徴的な3次元構造単位を示す。完全長トロンボモジュリン遺伝子は、下記のドメインを含む前駆物質ペプチドをコードする:
【0054】
2 TM ドメイン
Figure 0004855627
C. S. Yost et. al., (1983) Cell, 34:759-766およびD. Wen et al., (1987) Biochemistry, 26:4350-4357を参照、両方共参照としてここに取り入れられている。
【0055】
トロンボモジュリン - トロンビン複合体の活性に影響する修飾をもつ TM 類似体
トロンビンのトロンボモジュリンへの結合は、その活性が、凝固の溶解の遅れに関与するトロンビン活性化線維素溶解阻害剤(TAFI)と名付けられる血漿カルボキシペプチダーゼの活性化のみならず、最終的に血液凝固を阻害するプロテインCの活性化の両方にとり重要な、トロンビン-トロンボモジュリン複合体をもたらす。
【0056】
プロテインCおよびTAFIの活性化のみならず、トロンビン結合に必要なトロンボモジュリン分子内の構造要素は、色々なグループにより検討されている(Kokame et al., (1998) J. Biol. Chem. 273:12135-12139; Wang et al., (1998) Intl. Soc. Fibrin. Thom. Pg 11; Wang et al., (2000) J. Biol. Chem. 275: 22942-22947参照)。トロンボモジュリン構造内に含まれる6個の内部結合したEGF-様のドメイン内に、EGF-様ドメイン4、5、および6、ならびにEGF-様ドメイン3および4に結合している残基は、効率の良いプロテインCの活性化のために必要である。TAFIの活性化には、これら構造要素に加えて、第3のEGF-様ドメイン(残基333-344)のc-ループの存在が必要である。
【0057】
本発明の新規成分は、トロンボモジュリン類似体を産生するためにこの情報を利用している。この類似体は、トロンビンに結合すると、基質、プロテインCおよびTAFIのためのトロンボモジュリン-トロンビン複合体の変更された活性をもたらす。導入された修飾は、トロンビンと複合した時に、天然トロンボモジュリン(配列番号:2)を使って生成された複合体と比較して、プロテインCの100%の活性化より大きく、TAFIの50%の活性化より低い活性を示すトロンビン-トロンボモジュリン複合体を生成するトロンボモジュリン類似体を生成する。
EGF-様ドメイン4-6への好ましい修飾は、H381Gである。第3のEGF-様ドメインのcループへの好ましい修飾は、V340A、D341AまたはE343Aである。
【0058】
トロンボモジュリン類似体に関する本発明者による以前の仕事は、TM分子の酸化を通じたトロンボモジュリンの不活性化の問題を表明し、トロンボモジュリンの388の位置のメチオニンをロイシンで置換して(M388L)酸化耐性のあるTM類似体を提供した。この修飾は、米国特許No.5,256,770に記述されており、ここに参照として取り入れられている。
ことに好ましいTM類似体成分は、トロンビン-トロンボモジュリン複合体の特異性に影響する修飾に加えて、類似体を酸化耐性にするM388L置換を有する。
【0059】
トロンボモジュリンへの他の可能な修飾
上述した修飾に加えて、天然トロンボモジュリン(配列番号:2)分子への他の修飾は、本発明のトロンボモジュリン類似体の治療効果を増加するのに有用であろう。
ことに好ましいTM類似体成分は、上述した修飾に加えて、下記の特徴の1またはそれ以上を有するものである:
【0060】
(i) プロテアーゼ抵抗性を示す、
(ii) 同質なN-またはC-端末を有する、
(iii) 天然トロンボモジュリン(SEQ ID NO:2)の糖鎖形成部位の、たとえば少なくとも数箇所の糖鎖形成により、後転写的に修飾されている、
(iv) 直線的2重相対的なトロンビン結合の性質を有する、
(v) 比較的少量の界面活性剤で水溶液に可溶であり、典型的に膜横断的配列に欠ける。
【0061】
これらの修飾は、米国特許No.5,256,770 、No.5,863,760およびNo.5,466,668に記述されており、夫々参照によりここに組み入れられている。
ことに、これらの特徴に関するTM分子への好ましい修飾は、アミノ酸1-3の除去、P490の停止、以下の置換:R456GおよびH457Q(両者共タンパク質分解抵抗のため)ならびにS474A(グリコサミノグリカン付加を阻害しおよび除去を遅らせる)を含む。
【0062】
TM 類似体産生の一般法
本発明は、種々の既知の方法で達成できる分子遺伝子操作を包含する。組換え型細胞、プラスミド、および本発明のDNA配列は、医薬的に有益な化合物を製造するための方法を提供する。ここで、組換え型細胞から分泌された化合物は、トロンボモジュリンの可溶性誘導体である。
【0063】
一般的に、本発明に用いられる命名法の定義および一般実験室的手段は、J. Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, (1989) Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N. Y. に見出される。マニュアルは、以下にSambrook として参照され、ここに参照により組み入れられている。さらに、Ausubel et al., 編, Current Protocols in Molecular Biology, (1987および定期的更新) Greene Publishing Associates, Wiley-Interscience, New Yorkは、本出願に有益な方法を開示している。
【0064】
全ての酵素は、製造業者の指示に従って使用される。商業的に入手されないオリゴヌクレオチドは、D. R. Needham-Van Denvanter et al., (1984) Nucleic Acids Res., 12:6159-6168に記述されている如き自動合成機を用いて、S. L. Beaucage and M. H. Caruthers, (1981) Tetrahedron Letts., 22(20):1859-1862 によって最初に記述された固相ホスホアミドトリエステル法に従って化学的に合成できる。オリゴヌクレオチドの精製は、Pearson, J. D., and Regnier, F. E. (1983) J. Chrom., 255:137-149に記述されている如く、天然のアクリルアミドゲル電気泳動または陰イオン交換HPLCによる。ヌクレオチドの大きさは、キロ塩基(kb)または塩基対(bp)のいずれかで与えられる。これらは、アガロースもしくはアクリルアミド電気泳動または出版されたDNA配列から誘導される推測値である。
【0065】
クローン化された遺伝子および合成オリゴヌクレオチドの配列は、Maxam, A. M., et al., (1980) Methods in Enzymology, 65:499-560または同様な方法の化学的劣化法を用いて立証できる。配列は、MaxamおよびGilbert、supra、の方法、またはWallace, R. B., et al., (1981) Gene, 16:21-26の配列する2重鎖鋳型に対する鎖停止法を用いて、2重鎖DNA配列へのオリゴヌクレオチド構成体の組み立て後に確認できる。サザンハイブリッド法は、Southern et al., (1975) J. Mol. Biol., 98:503に従って実施される。
【0066】
本発明の具体例は、しばしば新規ペプチドの創造とin vitroの変異誘発による遺伝子を含む。目標遺伝子は、中間ベクター中に単離され、増幅のために大腸菌、かん菌属またはストレプトマイセスのような原核生物中にクローン化される。生物が培養し易く、他の原核生物種よりもより完全に理解されているので、大腸菌が最も好まれる。Sambrookマニュアルには、大腸菌に全ての引き続き記述されたクローン化を行うために充分な方法論が含まれる。別途言及しない限り、MH-1株が好ましい。全ての大腸菌株は、ブドウ糖入りLuria培養液またはブドウ糖および酸加水分解カゼインアミノ酸で補充したM9培養地で生育する。
【0067】
抗生物質に抵抗性のある株は、Sambrookに記述されている薬品濃度に維持された。形質変換は、Morrison, D. A. (1977) J. Bact., 132:349-351またはClark-Curtiss, J.E., and Curtiss, R. (1983) Methods in Enzymology, 101: 347-362, 編集R. Wu et al., Academic Press, New Yorkに記述された方法に従い実施した。代表的なベクターは、商業的に入手できるpBR322およびpUCシリーズを含む。
【0068】
アミノ酸を除去したりまたはタンパク質の配列で置換する方法は、よく知られている。たとえば、Sambrook et al., supra; Ausbel et al., supra; 米国特許No.4,737,462;米国特許No.4,588,585; 英国特許No.0285 123; およびここに引用した参照を参照せよ。変更したアミノ酸配列を持つペプチドをコードする遺伝子は、たとえば合成的に作れる。好ましい方法は、部位指定のin vitro変異誘発の使用である。
【0069】
部位指定の変異誘発は、一本鎖目標DNAのヌクレオチド配列を特に変更する様に設計された望ましいヌクレオチド置換、挿入、または除去を含む合成オリゴデオキシリボヌクレオチドの使用に関わる。先駆体とも呼ばれるこのオリゴクレオチドの一本鎖の鋳型へのハイブリダイゼーションおよび引き続く先駆体の延伸は、形質転換された細胞に複製された時に、望ましい突然変異をしたタンパク質配列をコードするヘテロ二重鎖DNAを産生する。引き続く部位指定変異誘発の繰返しにより、複数の置換を有する類似体を産生できる。
【0070】
遺伝子合成
天然のトロンボモジュリン(SEQ ID NO:1)をコードする遺伝子を単離し、遺伝子形およびcDNAの両方で、幾つかの種から配列した(Suzuki et al., (1987) EMBO Journal 5:1891-1897; Jackman, R., et al., (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 83:8834-8838 および(1987)84:6425-6429。これらの全ては、ここに参照として組み入れられている)。
【0071】
ヒトのトロンボモジュリンおよびトロンビンをコードする完全長のDNA配列の発表は遺伝子の調製を促進し、TMペプチドをコードするDNA配列を組み立てる出発点として使われる。たとえば、Gene Bank Register c/o IntelliGenetics, Inc., Mountain View, Calif.を参照せよ。本発明のペプチドは、停止伝達配列を含む誘導体が視野にあるが、内部アミノ酸置換を有する事に加えて、TMの停止伝達配列に欠ける、好ましくは可溶性の誘導体である。さらに、これらの類似体は、これらのポリペプチドをコードする遺伝子を含むプラスミドで形質移入したりまたは変換される真核細胞から分泌される。アミノ酸置換、削除、またはクローンされた遺伝子へのシグナル塩基配列の付加のような、修飾を行う方法は、知られている。ここに使用されている特定の方法は、下記に記述されている。
【0072】
トロンボモジュリンの完全長遺伝子は、幾つかの方法で調製できる。ヒトの遺伝子ライブラリーが商業的に入手できる。これらの遺伝子に特定のオリゴヌクレオチドプローブは、公表された遺伝子配列を使って合成できる。オリゴヌクレオチドプローブを有するゲノムライブラリーを検索する方法は、知られている。トロンボモジュリンに対する遺伝子配列の出版物は、コード域内に仲介配列は存在しない事を示している。かくて、ゲノムクローンは、既知の方法を用いてトロンボモジュリンのための発現プラスミドを組み立てるのに必要な出発物質を提供する。
【0073】
DNA構成体をコードするトロンボモジュリンは、遺伝子に接しているかまたは内部にある領域に同定されている制限エンドヌクレアーゼ部位を利用して検索できる。(Jackman, R. W.., et al., (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 84: 6425-6429)。代わりに、完全長遺伝子は、cDNAライブラリーからも入手できる。たとえば、内皮細胞から調製されたメッセンジャーRNAは、cDNAの調製に適した出発物質を提供する。トロンボモジュリンをコードする遺伝子を含むcDNA分子は、上述の如く同定できる。cDNAライブラリーを作る方法は、良く知られている(Sambrook, supra参照)。
【0074】
TMペプチドをコードする遺伝子は、完全長トロンボモジュリンをコードする遺伝子を用いて最初に組み立てられた野生型TM遺伝子から作られるだろう。引き続いての突然変異のための野生型TMペプチド遺伝子を産生するための好ましい方法は、合成オリゴヌクレオチド先駆体の使用をmRNAまたはDNA鋳型にポリメラーゼ延伸と組み合わせることである。合成酵素連鎖反応(PCR)法は、好ましいヌクレオチド配列を増幅する。米国特許No.4,683,195およびNo.4,683,202は、この方法を記述している。制限エンドヌクレアーゼ部位は、先駆体に取り入れられる。PCR反応で増幅された遺伝子は、アガロースゲルから精製され、適切なベクターにクローンされる。天然遺伝子配列の変更は、in vitro変異誘発技術または適切な突然変異を組み入れるために設計された先駆体を使った合成酵素連鎖反応の使用により導入できる。(Innis, M. et al., 編 (1990), PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press)。
【0075】
本発明のTM類似体を産生するための部位指定変異誘発に使われた特定のオリゴヌクレオチドの配列が提供されているが(例1参照)、当業者の熟練者は、同じアミノ酸をコードする他のコードンを使うためにオリゴヌクレオチドを変更できるであろう。
【0076】
ここに記述されたTM類似体は、真核細胞培地に発現された時に典型的に分泌される。分泌は、トロンボモジュリンの天然シグナル塩基配列の使用により得られるだろう。代わりに、本発明のTMペプチドをコードする遺伝子は、天然トロンボモジュリン遺伝子に相当する以外のシグナル塩基配列に対して適切な読取り枠に結び付けられるだろう。たとえば、t-PA(ここに参照として取り入れられているWO 89/00605参照)またはヒポダーミン AまたはB(ここに参照として取り入れられている英国特許No.326,419を参照)のシグナル塩基配列は、ポリペプチドに結合できる(表2参照)。本発明の好ましい1具体例で、ヒトt-PA遺伝子の第2の仲介配列を含むt-PAのシグナル塩基配列が使用される。仲介配列の取り込みで、隣接構造遺伝子の発現水準が上がる。
【0077】
本発明の幾つかの類似体で、天然トロンボモジュリン遺伝子のカルボキシル端末域の停止伝達および細胞質ドメインをコードする遺伝子の部分が削除されている。それゆえ、望ましい位置で転写が終わるように、停止コードンを加える必要がある。代わりに、停止コードンは、望ましい発現プラスミドにより提供されえる。さらに、ポリアデニル化配列は、TM類似体をコードする真核細胞でmRNAの適切な処理を保証するために使用できる。また、TMペプチドの発現のために、開始コードンを、もし存在しないなら、与える事が有益である。そのような配列は、天然遺伝子からまたは発現プラスミドにより提供されるだろう。
【0078】
原核細胞または真核細胞における複写および統合に適し、TMペプチド発現の制御に有益な転写および変換ターミネーター配列、開始配列、ならびに促進因子を含むクローンベクターは、ここに記述されている。ベクターは、少なくとも1個の独立ターミネーター配列、原核細胞および真核細胞両方でプラスミドの複写を許す配列、すなわちシャトルベクター、および原核細胞および真核細胞系両方に対する選択標識を含む。
【0079】
原核細胞での TM ペプチドの発現
クローン化核酸配列の増幅に対する大腸菌におけるクローニング法の使用に加えて、原核細胞でTM類似体を発現することが望ましいだろう。以下に、より詳細に記述する如く、成熟したタンパク質の炭水化物部分は、プロテインCの活性化に対する補因子としての活性に本質的ではないが、しかし循環系における分子の半減期同様、TM類似体の直接的な抗凝固薬的性質に影響する。大腸菌でのトロンボモジュリン類似体の発現は、この件の解析に有益な道具を提供している。可溶性TM類似体をコードする発現プラスミドで変換する大腸菌から治療上機能的なタンパク質を回収する事が可能である。
【0080】
バクテリアでのクローン化遺伝子の発現のための方法は、良く知られている。原核細胞系でのクローン化遺伝子の高水準の発現を得るために、mRNA転写停止を指示するために最小限、強い促進剤を含む発現ベクターを組み立てることがしばしば必須である。この目的のために適した制御域の例は、大腸菌のベータガラクトシダーゼ遺伝子の促進因子および作動遺伝子領域、大腸菌トリプトファン生合成経路、またはファージラムダからの前進促進因子である。大腸菌に変換されたDNAベクターでの選択標識の取り込みは有用である。そのような標識の例は、アンピシリン、テトラシリン、またはクロラムフェニコールに対する抵抗力を指定する遺伝子を含む。
【0081】
大腸菌での使用に対する選択標識および促進因子に関する詳細については、Sambrook, supraを参照せよ。本発明に記述された1具体例において、pUC19は、好ましい遺伝子配列のサブクローニングおよび増幅に対するベクターとして使われている。
【0082】
真核細胞における TM ペプチドの発現
当業者の熟練者は、好ましいTMペプチドの発現のために選ばれた発現系についての知識があることが期待されるので、真核細胞タンパク質の発現のために知られている種々の方法の詳述は試みない。
可溶性のTM類似体をコードするDNA配列は、変換宿主細胞培養で使用される種々の発現ベクターに結び付けられる。ベクターは、典型的に異種遺伝子の転写および変換を開始するための標識遺伝子および遺伝子配列を含む。
【0083】
ベクターは、好ましくはジヒドロ葉酸塩リダクターゼ、メタロチオネイン、ヒグロマイシン、またはネオマイシンのリン酸転移酵素のような変換した宿主細胞の選択に対して表現型形質を提供するための標識遺伝子を含む。キンウワバ科からの核多面体ウィルス性タンパク質は、組替え体を同定するためにSpodoptera frugiperdaおよびカイコガからの形質移入された昆虫の細胞株を選択するのに有益である。酵母に対しては、Leu-2、Leu-3、Ura-3、Trp-1、およびHis-3が、既知の選択できる標識である(Gene (1979)8:17-24)。上述の科学的原則を具体化する、既知および未知の、数多くの他の標識が存在し、それらは全て、本発明に包含されるベクターで形質移入された真核生物細胞を検知する標識として有用であろう。
【0084】
TM類似体の発現に有用な高次の真核細胞系から、数多くの細胞系が選択できる。哺乳動物の細胞株の実例は、RPMI 7932 、VERO、および HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、W138、BHK、COS-7、C127、またはMDCK細胞株を含む。好ましい哺乳動物の細胞株は、CHL-1またはCHOである。CHL-1細胞が使われた時に、ヒグロマイシンが真核細胞選択標識として含まれる。CHL-1細胞は、容易に入手できるヒトの細胞株であるRPMI 7932黒色腫細胞から誘導される。CHL-1細胞株は、ブタペスト条約の条件に従って、ATCCに供託し、1987年6月18日供託、#CRL 9446を割り当てられた。本発明の使用に適した細胞は、American Type Culture Collection から商業的に入手できる。実例の昆虫細胞株は、Spodoptera frugiperda (コアオヨトウ)およびカイコガ(蚕)を含む。
【0085】
上記に示した如く、宿主細胞を変換するのに使われる発現ベクター、たとえばプラスミドは、好ましくは転写を開始する遺伝子配列およびTMペプチド遺伝子配列の変換を制御する配列を含む。これらの配列は、発現制御配列として言及される。宿主細胞が昆虫または哺乳動物起源である時は、具体的な発現制御配列は、これに限定されるものではないが、以下のものを含む:レトロウィルス長端末繰返し促進因子(1982) Nature, 297: 479-483)、SV40 促進因子 (1983) Science, 222:524-527)、チミジンキナーゼ促進因子(Banerji, J.., et al., (1982) Cell, 27:299-308)、またはベータグロビン促進因子(Luciw, P. A., et al., (1983) Cell, 33:705-716)。発現制御配列を含む受容体ベクター核酸は、制限酵素を用いて開裂され、必要なまたは望ましい大きさに調整される。この部分は、当業者に良く知られている方法により、TMペプチドをコードするDNA配列に結び付けられる。
【0086】
より高等な動物の宿主細胞を用いる時は、通常ポリアデニル化または転写終結配列をベクターに組み入れる必要がある。ポリアデニル化配列の例は、SV40からのポリアデニル化配列であり、それはまた転写停止剤として機能する。
【0087】
適切なベクターに組み込まれた遺伝子は、過渡発現系または安定なクローンのいずれかにタンパク質の合成を指示するのに使える。前者の場合の収率は低いが、実験は早い。後者の場合には、高収率で得られるクローンを単離するのに時間がかかる。2つの異なる型の実験のために、異なるベクターが用いられるだろう。ことに、過渡発現の場合に、配列は、プラスミドに細胞内で数多くの複写をさせるプラスミド内に含まれるだろう。これらの配列は、SV40のようなウィルスから(たとえば、Doyle, C. et al., (1985) J. Cell Biol., 100:704-714)、またはマウスの自律的複製配列のような染色体複製配列から(Weidle et al., (1988) Gene, 73:427-437)得られるだろう。
【0088】
過渡発現の使用のためのベクターは、関心事の遺伝子の転写を制御するために、SV40早期促進因子(たとえば、van Zonnenfeld, A. et al., (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 83:4670-4674)のような強い促進因子もまたしばしば含む。一方で過渡発現は遺伝子産物の分析法のための迅速な方法を提供するが、プラスミドDNAは宿主細胞染色体に組み込まれない。かくて、過渡発現ベクターの使用は、安定的に形質移入された細胞株を提供しない。Aruffo, A., and Seed, B. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 84:8573-8577は、過渡発現に適したプラスミドを記述している。
【0089】
TM類似体は、かん状ウィルス系を使って上述した昆虫細胞株で選択的に産生されるだろう。この系は、Luckow, V. A., and Summers. M. D. (1988) Bio/ Technology, 6:47-55により記述されている。一般的には、発現系は大概の哺乳動物系により提供されるものより高い発現水準を提供する。かん状ウイルスは、宿主昆虫細胞に感染し、数多くのサイクルを通じてゲノムを複写し、そうして大量の多面体結晶を製造する。多面体遺伝子は、TMペプチド遺伝子で置換できる。多面体促進因子は、培養宿主細胞の感染およびかん状ウイルスゲノムの複製に引き続いて、大量の類似体タンパク質を作る。
【0090】
非分泌遺伝子産物は、感染後3〜7日で宿主から回収される。代わりに、もし適切なシグナル塩基配列がタンパク質に存在すれば、TMペプチドが細胞から分泌されるだろう。宿主細胞は、形質移入の能力がありまたは種々の方法により能力を与えられる。DNAを動物細胞に導入する幾つかの良く知られた方法がある。これらは以下のものを含む:リン酸カルシウム沈殿、DEAE-デキストラン技術、受容体細胞のDNAを含むバクテリア原形質体との融合、受容体細胞のDNAを含むリポソームでの処理、エレクトロポレーション、および細胞内へのDNAの直接微小注入。Perbal, B. “Practical Guide to Molecular Cloning,” 2版, John Wiley & Sons, New York および Wigler, et al., (1987) Cell, 16:777-785を参照せよ。これらは夫々参照によりここに組み入れられている。
【0091】
培養細胞
宿主細胞は、迅速な細胞培養能力を有し、かつ発現した遺伝子産物を適切に糖鎖形成できることが好ましい。組織培養で高密度の成長に適していることが知られている細胞はことに望ましく、種々の、正常および変換された、無脊椎動物または脊椎動物細胞が、当業者で使用されている。ことに、組換え型TM発現のために適切であり、培養条件下で、天然トロンボモジュリンの開裂をもたらすプロテアーゼを産出するかまたは含む細胞は、突然変異プロテアーゼ非感受性TM類似体を開裂するのに何ら問題を生じない。その様な細胞の例には、CHO、CHL-1(ヒト黒色腫細胞として特徴付けられる)、Sf9細胞、などがあり、これらはATCCから公に入手される。
【0092】
形質移入された細胞は、当業者で良く知られた方法で成長できる。たとえば、Kuchler et al., (1977) Biochemical Methods in Cell Culture and Viologyを参照せよ。発現産物は、タンパク質が宿主細胞から分泌されるこれらの系の細胞培地から、または当業者に良く知られている、たとえば機械的または酵素的手段により、宿主細胞系の破壊後の細胞懸濁物から回収される。
【0093】
TM類似体の精製
本発明のTM類似体は、培養された組換え型真核細胞により分泌される事が好ましい。TM類似体は、無血清または血清補充培地で産生され、完全なまま分泌される。もし原核細胞が使われれば、TM類似体が細胞内に産生される。ペプチドは、完全にまたは部分的に糖鎖形成されまたは非糖鎖形成される。組換え型細胞の成長および培養培地へのTM類似体の付随的な分泌に引き続いて、「条件付き培地」が回収される。条件付き培地を、次いで細胞または細胞破砕物を除去するために遠心分離または濾過により清澄にする。
【0094】
清澄にされた培地に含まれるタンパク質を、適切な樹脂、たとえばQ Sepharose もしくは金属キレート剤、への吸着、または硫酸アンモニウム分別、ポリエチレングリコール沈殿、あるいは限外濾過により濃縮する。当業者で知られている他の方法も同様に適切であろう。TM類似体のさらなる精製は、Galvin, J. B.., et al., (1987) J. Biol. Chem., 262:21999-2205 and Salem, H. H. et al., (1984) J. Biol. Chem., 259:12246-12251に記述された方法、ならびにここに開示された具体例に記述された方法で達成できる。
【0095】
培養細胞により分泌されたTM類似体の精製には、たとえば、親和性クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイジングクロマトグラフィー、または他の通常のタンパク質精製技術の追加的な使用が必要だろう。たとえば、Deutscher 編, “Guide to Protein Purification” in Methods in Enzymology, Vol. 182 (1990)を参照せよ。
【0096】
複数の組換え型TM類似体は、非還元的クロマトグラフィー条件下で、識別可能な異なる形で見出されるだろう。低い比活性を有するこれらの種の除去は、望ましく、陰イオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィーを含む種々のクロマトグラフィー技術により達成される。組換え型TM類似体は、圧力透析により濃縮され、緩衝液は直接揮発性緩衝液に交換されるだろう(たとえば、N-エチルモルホリン(NEM)、重炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、および酢酸ピリジン)。
【0097】
さらに、試料はそのような揮発性緩衝液から直接凍結乾燥でき、塩および界面活性剤を含まない安定なタンパク質粉末になる。加えるに、組換え型類似体の凍結乾燥試料は、輸液(たとえばリン酸塩で緩衝した生理食塩水)と適合する緩衝液に使用前に効率的に再溶解できる。他の適切な塩または緩衝液は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、グリシン、グルタミン酸塩、およびアスパラギン酸塩を含むだろう。
【0098】
TM 活性測定用実験室分析法
TM活性を測定するための多くの実験室分析法がある。プロテインC補因子活性は、Salem et al., (1984) J. Biol. Chem. 269(19):12246-12251 および Galvin, et al., (1987)J. Biol. Chem. 262(5):2199-2205に記述された分析法で測定できる。要するに、この分析法は、2段階からなる。最初は、定められた条件下で、トロンビンおよびプロテインCと共にTM類似体試験物をインキュベーションする(下記例を参照)。第2段階で、トロンビンは、ヒルジンまたは抗トロンビンおよびヘパリンで不活性化され、新たに活性化されたプロテインCの活性は、発色団が活性化プロテインCのタンパク質分解活性により遊離するので、色素原基質の使用により測定される。この分析法は、精製試薬を用いて実施する。
【0099】
代わりに、TM類似体の効果は、活性化部分的トロンボプラスチン時間(aPTT)、トロンビン凝固時間(TCT)、および/またはプロトロンビン時間(PT)のような凝固時間分析法で血漿を用いて測定できる。aPTT分析法は、トロンビンの直接阻害同様、プロテインCの活性化に依存する、一方TCTおよびPT分析法は、トロンビンの阻害にのみ依存する。これらの分析法のいずれにおいても、凝固時間の延長は、分子が血漿中の凝固を阻害できることを示している。分析は、製造者規格に従って、自動凝固時間測定器で行う:Medical Laboratory Automation Inc. 社製、American Scientific Products, McGaw Park, Ill販売。(H. H. Salem et al., (1984) J. Biol. Chem., 259:12246-12251。これは、参照によりここに組み入れられている)。
【0100】
TAFI活性化は、活性化TAFIはカルボキシペプチダーゼであるという事実を用いて、Wang et al.,((2000) J. Biol. Chem.)による記述の如く測定できる。この分析法で、問題のTM類似体を含む抽出物は、トロンビンとインキュベーションされ、混合物はついで精製TAFIとインキュベーションされる。発色団が活性化TAFIのタンパク質分解作用により遊離されるので(例2参照)、産生された活性化TAFIの量を、色素原基質の使用により測定する。代わりに、TAFI活性化は、精製タンパク質を使用した限定された系かまたは血漿環境で、血漿凝固溶解分析により分析できる(Nagashima et al., (2000) Throm. Research 98: 333-342)。
【0101】
上述した分析法は、トロンビンに結合できる可溶性TM類似体を同定し、これらの類似体を活性プロテインCまたはTAFIと、精製系および血漿環境の両方で、生成したトロンビン-トロンボモジュリン複合体の能力を評価するために使われる。さらに分析法は、天然トロンボモジュリンの他の作用を評価するために使われる。たとえばトロンビンが触媒するフィブリノーゲンからフィブリンの生成の阻害(Jakubowski, et al., (1986) J. Biol. Chem. 261(8):3876-3882)、ファクターVのトロンビン活性化の阻害(Esmon, et al., (1982) J. Biol. Chem. 257:7944-7947)、抗トロンビンIIIおよびヘパリン補因子IIによるトロンビンの加速された阻害(Esmon, et al., (1983) J. Biol. Chem. 258:12238-12242)、ファクターXIIIのトロンビン活性化の阻害(Polgar, et al., (1987) Thromb. Haemostas. 58:140)、プロテインSのトロンビン仲介非活性化の阻害(Thompson and Salem, (1986) J. Clin. Inv. 78(1):13-17)およびトロンビン仲介血小板活性化および凝集の阻害(Esmon, et al., (1983) J. Biol. Chem. 258:12238- 12242)である。
【0102】
トロンボモジュリン類似体の処方および使用
ここに記述された可溶性TM類似体は、凍結乾燥または液状処方で調整されるだろう。物質は、注射用または静注用調製品として医薬用途に適した濃度で供給されるべきである。
【0103】
これらの類似体は、単独で、または他の生理学的に受容できる活性物質、たとえば、抗生物質、他の抗凝固剤、一本鎖のt-PA、もしくは不活性物質、または適切な担体、たとえば水または通常の生理食塩水、との混合物として、投与できる。類似体は、非経口的に、たとえば注射で投与できる。注射は、皮下、静脈内、または筋肉内にできる。これらの類似体は、医薬的な有効量で、およびしばしば医薬的に受容できる塩、たとえば酸付加塩、として投与される。その様な塩は、他にも沢山あるが、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、グリシン、グルタミン酸塩、およびアスパラギン酸塩である。
【0104】
たとえば、Remington’s Pharmaceu- tical Sciences (17版), Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, and Goodman & Gilman’s, The Pharmacological Bases of Therapeutics, 8版., Per- gamon Press, 1985を参照、両者共参照によりここに組み入れられている。ここに記述されている類似体は、ミセルおよび/またはリン脂質凝集体に取り込むことで、促進されたin vivo活性を示すだろう。イオン性界面活性剤凝集体またはリン脂質ミセルへの取り込み法は、知られている。
【0105】
抗血栓剤は、ここに記述した可溶性TM類似体を用いて調製でき、完全に精製した類似体単独で、または上述した如く血栓溶解剤との組合せからなる。上に再引用した生理学的効能を有する事を示す本発明の類似体は、たとえば血栓生成の阻害のような数多くの治療応用に使用を見出せる。かくて、これらの化合物は、種々の循環障害、たとえば冠状血管または肺の塞栓症、卒中の治療の治療薬として、また血栓溶解治療後の再閉鎖の防止にも同様に、使用を見出せる。そうしてこれらの化合物は、梗塞発生中の血栓のさらなる拡大の停止に有用である。さらに、開示された類似体は、敗血症、ある種の腫瘍、および妊娠の毒素血症としばしば関連している、播種性血管内凝固(DIC)のような全身性凝固疾患の治療に有効である。
【0106】
これらの類似体は、獣医の使用で哺乳動物に、たとえば家畜に、および生理学的に受容できる担体につけて、他の治療剤と同様に、ヒトの臨床使用のために投与できる。一般的に、TM類似体の投与量の範囲は、宿主の体重当たり、少なくとも約0.0002μg/kgから、より一般的には0.02μg/kg以上、および5000μg/kg以下、通常2000μg/kg以下、より通常には500μg/kg以下、通常0.02から2000μg/kg、ならびにより通常には0.02から500μg/kgである。
これらの用量は、望ましい循環水準に到達するまで、時間をかけて一定輸液で、または好ましくは大量注射として投与できる。特定の患者に対する最適用量は、当業者の通常の技術により定例的に決定できる。
【0107】
遺伝子治療
本発明のトロンボモジュリン類似体は、「遺伝子治療」としばしば言及される理学療法において、in vitroおよびin vivoでのその様なポリペプチドの発現により本発明に従って使用されるだろう。
【0108】
かくてたとえば、患者からの細胞は、ex vivoでポリペプチドをコードする、DNAまたはRNAのような、ポリヌクレオチドで改変されるだろう。かくして改変された細胞は、ポリペプチドで治療されるべき患者に提供される。たとえば、細胞は、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウィルスのプラスミドベクターの使用によりex vivoで改変されるだろう。その様な方法は、当業者によく知られ、本発明のその使用はここでの教えから明白である。
【0109】
同様に、細胞は、当業者に知られた手法によりin vivoのポリペプチドの発現のために in vivoで改変されるだろう。たとえば、本発明のポリヌクレオチドは、上で議論した如く、複製した欠陥レトロウィルスベクターでの発現のために改変されるだろう。単離され包装細胞に導入されるであろうレトロウィルス発現の構成は、包装細胞が関心事の遺伝子を含む伝染性ウィルス粒子を産生するように、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウィルスプラスミドベクターで改変される。これらの産生細胞は、in vivoで細胞を改変し、またin vivo でのポリペプチド発現のために患者に投与されるだろう。本発明の教えから、当業者の熟練者には明白なその様な方法により、本発明のポリペプチドを投与するこれらの、および他の方法が存在する。
【0110】
上述したレトロウィルスプラスミドベクターが誘導されるだろうレトロウィルスは、これだけに限定されるものではないが、Moloneyマウス白血病ウィルス、脾臓壊死ウィルス、レトロウィルスたとえば、Rous肉腫ウィルス、Harvey肉腫ウィルス、ニワトリ白血病ウィルス、テナガザル白血病ウィルス、ヒト免疫不全症ウィルス、Lentiウィルス、骨髄増殖性肉腫ウィルス、および乳癌ウィルスを含む。1具体例において、レトロウィルスプラスミドベクターは、Moloneyマウス白血病ウィルスから誘導される。
【0111】
レトロウィルス以外のウィルスは、選択されたTMポリヌクレオチド、すなわちDNAウィルス、たとえばアデノウィルスおよびアデノ関連ウィルスおよびヘルペスウィルス、ならびにそれらの誘導体、を与えるのにも使われる。関心のあるヌクレオチド配列を含むプラスミドもまた、リピドまたはリピド誘導体との複合体で、およびin vitroまたは in vivoで細胞へのポリヌクレオチドの送達を容易に行う事で知られている種々の他の生化学的および化学的試薬との複合体で、送達されるだろう。
【0112】
その様なベクターは、ポリペプチドを発現するための1またはそれ以上の促進因子を含む。採用されるだろう適切な促進因子は、これに限定されるものではないが、レトロウィルスLTR、SV40促進因子、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)促進因子を含む(Miller et al., Biotechniques 7:980-990, 1989)または他の促進因子(たとえば、これに限定されるものではないが、ヒストン、RNAポリメラーゼIII、およびβアクチン促進因子を含む真核細胞促進因子のような細胞促進因子)である。採用される他のウィルス促進因子は、これだけに限定されるものではないが、アデノウィルス促進因子、チミジンキナーゼ(TK)促進因子、およびB19パルボウィルス促進因子を含む。促進因子はまた、ポリペプチドをコードする遺伝子を制御する天然促進因子であろう。適切な促進因子の選択は、ここに含まれる教えから当業者の熟練者には明白であろう。
【0113】
レトロウィルスプラスミドベクターは、産生細胞株を生成するために包装細胞株を変換するために使われる。形質移入されるだろう包装細胞の例は、これだけに限定するものではないが、Miller, A., Human Gene Therapy 1: 5-14, 1990に記述されている如く、PE5OI、PA317 Y-2、Y-AM、PA12、T19-14X、VT-19-17-H2、YCRE、YCRIP、GP+E-86、GP+envAmI2、およびDAN細胞株を含む。ベクターは、当業者に知られているいかなる方法でも包装細胞に変換されるだろう。その様な方法は、これだけに限定するものではないが、エレクトロポレーション、リポソームの使用、およびリン酸カルシウム沈殿を含む。1選択肢では、レトロウィルスプラスミドベクターは、リポソームにカプセル封じ込めをし、またはリピドに結び付けられ、そうして宿主に投与されるだろう。
【0114】
産生細胞株は、伝染性のレトロウィルスベクター粒子を産生し、それはポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。その様なレトロウィルスベクター粒子は、次いでin vitro または in vivoで、真核細胞を変換するために使用されるだろう。変換された真核細胞は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現する。変換される真核細胞は、これだけに限定されるものではないが、胚幹細胞、胚性癌腫細胞、造血幹細胞もまた同様に、肝細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、ケラチン細胞、内皮細胞、および気管支上皮細胞を含む。
【0115】
上述した種類のウィルスおよび非ウィルスベクターは、選択したトロンボモジュリン類似体をコードするポリヌクレオチド配列を送達するのに使われるだろう。ポリヌクレオチドは完全長トロンボモジュリン類似体のmRNAまたはその構成体をコードするだろう。バイパス手術後の患者にその様なポリヌクレオチド配列を送達すると、移植部での加速したアテローム性動脈硬化症を予防するのみならず凝固を予防することにより内皮を保護するだろう。
【0116】
これ以上の詳述無しに、当業者の熟練者は前述を用いて、本発明をその極限まで利用できると信じられる。以下の好ましい特定の具体例は、それ故、単に例証的と解釈されるべきで、開示の他の部分を如何なる意味においても限定するものではない。
既述および後述の例において、全ての温度は摂氏℃で非補正で述べられており、また他に指定しない限り、全ての部分および百分率は、重量による。前述および後述の、全ての出願、特許、および出版物の全体の開示は、参照によりここに組み入れられている。
【0117】
本発明は、それを特定の具体例に関して記述しているが、発明の真の精神および範囲から離れること無く、種々の変更がなされるであろうし、また同意語は置換されるであろうことは、当業者の熟練者により理解されるべきである。さらに、発明の真の精神および範囲から離れること無く、多くの変更がなされるであろうし、また同意語は置換されるであろう。さらに、多くの変更が特定の状況、物質、物の成分、プロセス、プロセスの1工程または多工程を本発明の目的、精神および範囲に、合わせるためになされるであろう。全てのその様な変更は、ここに添付された請求の範囲内にあることが意図されている。
【0118】
1. TM 類似体配列の単離および発現
クローン化
組み換え型トロンボモジュリン類似体ペプチドを産生する遺伝子は、夫々参照によりここに組み入れられている米国特許No. 5,258,770および No.5,466,668に記述された如く単離された。手短には、ヒトDNAは、アミノ酸227-462に対応するトロンボモジュリンの6−EGF-様分域をコードする遺伝子を単離するために使われた。トロンボモジュリンペプチドの他の部分も同様である(表2参照)。
【0119】
このDNAは、Blin, N. and Stafford, D.W.((1976) Nucleic Acids Res. 3:2303-2308)の方法に従って胎児の肝臓から単離された。該DNAは、ついで望ましい部位を持つために選ばれた、合成的に誘導された先駆体と、合成酵素連鎖反応の鋳型として使われた。たとえば、Innis et al., (1990) PCR Protocol, A Guide to Methods and Applications, Academic Pressを参照せよ。
【0120】
アミノ酸 227-462 をコードする遺伝子の単離
下記の工程は、アミノ酸227-462をコードするDNAインサートを得るための方法を提供し、先駆体#1034 (5’CCGGGATCCTCAACAGTCGGTGCCAATGTGGCG3’)(配列番号:3)および#1033 (5’CCGGGATCCTGCAGCGTGGAGAACGGCGGCTGC3’)(配列番号:4)を用いる。代わりの先駆体を使う事により下記に述べる手順を変更して、他の可溶性TM類似体を得ることが出来ることが理解される。
【0121】
先駆体#1034および#1033の配列は、望ましい分域(6 EGF-様分域)の5’および3’端に相当するが、それらは修飾されてBamHI部位を含んでいる。端末コードン(TGA)は、塩基1590の後に導入された。合成酵素連鎖反応は、徐冷の初期温度を37℃とした点を除いて、Saiki, et al.,(1988) Science 320: 1350-1354により記述された条件下で行われた。10サイクル後、徐冷温度を残りの30サイクルのために45℃に上げた。反応生成物の1部を5%ポリアクリルアミドゲル上に分割し、臭化エチジウム染色により目に見えるようにした。予知した幅の帯(700 bp)が明瞭に見えた。代わりに、その同一性を確認するために、この帯を配列するか、または内部プローブに交配できる。
【0122】
一連の中間構造物を通じて、この構成体は、β-ラクタマーゼ促進因子およびpKT279のシグナル塩基配列の制御下におかれた。生成プラスミドのEcoR5-BgI2 構成体および複写のf1オリジンを含むpGEM-3ZfDNAのScal-Sacl構成体は、6-EGF-様分域(TMg)を含むTM類似体をコードする、大腸菌発現ベクター、pTHR211を構成するために、EcoR5-BamHIおよびScal-Sacl部位で夫々pSELECT-1ベクターに挿入された。プラスミドpTHR211は、下記の如く部位指定変異誘発を用いて、388の位置でメチオニンに対するロイシン置換(M388L)を含む、プラスミドpMJM57を生成するために使われた。
【0123】
部位指定変異誘発
TM突然変異体をコードするプラスミドは、Kunkel et al., ((1987) Methods in Enzym. 154:367-382)またはQuikChangeTM部位指定変異誘発キット(Stratagene, LaJolla, CA)用実験計画書に記述されている部位指定変異誘発を用いて産生された。最初の実験計画書で、R408ヘルパーファージと大腸菌株CJ236から調製された、一本鎖ウラシルDNA鋳型は、T4 DNAポリメラーゼおよびT4 DNAリガーゼと特定オリゴヌクレオチドの存在下変異誘発鎖の合成のために使われた。用いられた特定のオリゴヌクレオチドを、下表に示す(全て5’から3’の方向へ記す)。
【0124】
M388Lに対して:CCC CAC GAG CCG CAC AGG TGC CAG CTG TTT TGC AAC CAG ACT GCC TGT CCA GCC G(配列番号:5);
Y334Aに対して:CGA GTG CCA CTG TGC ACC TAA CTA CGA C(配列番号:6)
N336Aに対して:CAC TGC TAC CCT GCA TAT GAC CTG GTG GAC(配列番号:7);
Y337Aに対して:CCA CTG CTA CCC GAA TGC CGA CCT GGT GGA (配列番号:8);
D338Aに対して:CTA CCC TAA CTA TGC ATT GGT GGA CGG CG(配列番号:9);
L339Aに対して:CCT AAC TAC GAC GCG GTC GAC GGC GAG TGT(配列番号:10);
V340Aに対して:ACT ACG ACC TGG CGG ACG GCG AAT GCG TGG AGC CCG TG(配列番号:11);

【0125】
D341Aに対して:ACG ACC TGG TGG CCG GCG AAT GCG TGG AGC CCG TG(配列番号:12);
E343Aに対して:TGG TGG ACG GCG CAT GCG TGG AGC CCG TG(配列番号:13);
D349Aに対して:GGC GAG TGT GTG GAG CCC GTG GCG CCG TGC TTC AGA GCC AAC TGC G(配列番号:14);
E357Aに対して:CCC GTG CTT CAG AGC CAA CTG CGC ATA CCA GTG CCA GCC CCT GAA CC(配列番号:15);
Y358Aに対して:GCC AAC TGC GAG GCC CAG TGT CAA CCC CTG AAC CAA(配列番号:16)。
【0126】
制限酵素認識部位は、アミノ酸配列を変更せずに各オリゴヌクレオチドに組み込めた、そうしてその結果の形質変換体は、制限酵素消化とそれに続くDNA配列の確認により特徴付けられた。
第2の方法で、2重鎖DNAは、製造者の規格に従って特定のオリゴヌクレオチドの存在下、合成酵素連鎖反応(PCR)の鋳型として使われた。H381Gの産生のために使われた先駆体は、5’GCG CCC ATT CCC GGC GAG CCG CAC AG3’(配列番号:17)および5’CTG TGC GGC TCG CCG GGA ATG GGC GC3’(配列番号:18)であった。PCR産物は、制限酵素、Dpn1で消化され、能力のあるDH5α細胞に変換された。形質変換体は、DNA配列解析により特徴付けられた。
【0127】
複数の配列修飾を含む類似体は、逐次的に記述された方法を使って産生された。第1回目の変異誘発およびDNA配列解析のあとで、1度修飾されたDNAが、次の回の変異誘発のための鋳型として使われた。
【0128】
周縁細胞質抽出物の調製
TM突然変異体を発現するDH5α細胞を、37℃で、アンピシリン(50μg/mL)を含む1.5 mLのL-培養液で飽和まで成長させた。細胞を、微小遠心分離機で25 s間14,000 rpmで遠心分離して回収し、0.5 mLの100 mM Tris-HCl、pH 8.0、50 mM NaClで1回洗浄した。細胞を、0.5 mLの300 mM Tris-HCl、pH 8.0、20% スクロース、1 mM EDTA、0.5 mM MgCl2中に、室温で10分間懸濁した。細胞を、先ほどの様に遠心分離後、0.15 mLの氷冷した0.5 mM MgCl2で10分間再懸濁した。周縁細胞質抽出物を、遠心分離で捕集した。
【0129】
例2 . TM 活性の分析法
プロテイン C 活性化
全試薬を、2.5 mM CaCl2 100 mM NaCl、5 mg/mL BSA、20 mM Tris-HCl、pH 7.4中に希釈した。15 μLの各周縁細胞質抽出物を、プロテインC(最終1 μM)およびトロンビン(最終3.6 nM)と、37℃で1時間インキュベートした。過剰のヒルジン(最終2 U/mL)を、活性化を停止するために添加した。37℃で5分間、色素原基質、S-2266(最終0.5 mM)、を添加後、Vmax Kinetic Microplate Reader およびSoftmax programs (Molecular Devices, Menlo Park, CA)を用いて、405nm (mOD/min)で吸光度の増加速度を測定した。
【0130】
TAFI 活性化分析法
TAFIの活性化のために、20 μLの、各突然変異体からの周縁細胞質抽出物を、20 mM HEPES、pH 7.5/150 mM NaCl/5 mM CaCl2 中で、室温で5分間、トロンビン(最終13 nM)と前インキュベートした。混合物は、次いで精製組換え型TAFI(最終18 nM)および基質、アルギニン馬尿酸塩(最終1.0 mM)と総容積60μLで60分間インキュベートした。活性化TAFIの量は、アルギニン馬尿酸塩の馬尿酸への加水分解、引き続く馬尿酸の80μLのリン酸塩緩衝液(0.2 M、pH 8.3)および60μLの塩化シアヌルの3%ジオキサン溶液(w/v)とでの色素体への変換を、測定して定量した。完全混合後、清澄な上澄み液の吸光度を382nmで測定した。TAFIのトロンビン依存活性化の量は、各突然変異体に対してトロンビンの不在下でのバックグラウンド吸光度を差し引いて計算した。
【0131】
プロテインCおよびTAFI活性化の両方に対する分析法は、内部統制として、pSelect-1 ベクター(TMg無し)、野生型(TMgM388(pTHR211)、またはTMgM388L(pMJM57)のいずれかで形質変換されたDH5α細胞の抽出物を含む。TMg(M388L)アラニン突然変異体の補因子活性は、TMg(M388L)活性の百分率で表した。各TM突然変異体は、抽出物の3個の独立の調製品を用いて、プロテインCおよびTAFI活性化両方に対して、2度繰返し分析をした(図3参照)。
【0132】
例3 . TM 類似体抗原の測定
マウス単クローン性抗体43Bおよび531を、TMg(Sf9)WTでの免疫形成後(Clarke et al., (1993) J. Biol. Chem. 268:6309-6315)、Eamon et al., (1987) Dev. Biol. Stand. 67:75-82)の手法に従って産生した。Dynatech Immulon 4 microtiter plates を抗TM単クローン性43Bで被覆した。0.1 M MOPS中の100μLの7.5μg/mL 43B 、150 mM NaCl、5 mM CaCl2、pH 7を各孔に加え、4℃で一晩インキュベートした。プレートを、次いでPBST(PBS+0.05% Tween 20, v/v)で5回洗浄し、各PBST/孔当たり200μLの0.1% BSAにより37℃で2時間塞ぎ、次いで上述の如く洗浄した。
【0133】
TM標準(TMs(Sf9)WT)または3〜30 ng/mLの範囲の未知物質をPBST中100μLの0.1% BSAに加え、37℃で1時間インキュベートし、上述の如く洗浄した。PBST/孔当たり0.1% BSA中に100μLの500 ng/Mlのビオチン化した抗TM 531を37℃で1時間インキュベートし、次いで洗浄した。PBST中0.1% BSAを含むストレプトアビジン-アルカリ性ホスファターゼ(100μLの0.3 μg/mL)を加え、37℃で1時間インキュベート後、洗浄した。孔当たり100μLの リン酸p-ニトロフェニル基質を、基質緩衝液(Zymed Laboratories Inc., South San Francisco, CA)に、1 mg/mLで加え、室温で30分間インキュベートした。プレートを、微小滴定プレートリーダー上405 nmで読んだ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、トロンビン-トロンボモジュリン複合体とプロテインCおよびTAFIとの相互作用を示す。下記の略語が使用されている:APC=活性化プロテインC; pCPB=血漿カルボキシペプチダーゼ BまたはTAFI; pCPBa=活性化血漿カルボキシペプチダーゼ B;TAFIa=活性化TAFI;PA=プラスミノーゲン活性化因子;FDP=フィブリン劣化ペプチド。
【図2】 図2は、周縁細胞質抽出物に存在するTM突然変異体の水準を示す。
【図3】 図3(AおよびB)は、プロテインCおよびTAFIのトロンビンで触媒された活性化に対するトロンボモジュリン突然変異体の周縁細胞質抽出物の補因子活性を示す。
【図4】 図4は、Suzuki et al., (1987) Embo J, 6: 1891-1897の番号付け方式を用いた、天然トロンボモジュリン(配列番号:2)のアミノ酸配列を示す。
【配列表】
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Claims (13)

  1. 配列番号2で示される天然トロンボモジュリンのアミノ酸配列において、340の位置のバリンがアラニンで置換されているトロンボモジュリン類似体。
  2. 配列番号2で示される天然トロンボモジュリンのアミノ酸配列において、341の位置のアスパラギン酸がアラニンで置換されているトロンボモジュリン類似体。
  3. 配列番号2で示される天然トロンボモジュリンのアミノ酸配列において、381の位置のヒスチジンがグリシンで置換されているトロンボモジュリン類似体。
  4. 配列番号2で示される天然トロンボモジュリンのアミノ酸配列において、340の位置のバリンがアラニンで置換されており、そして381の位置のヒスチジンがグリシンで置換されているトロンボモジュリン類似体。
  5. 配列番号2で示される天然トロンボモジュリンのアミノ酸配列において、341の位置のアスパラギン酸がアラニンで置換されており、そして381の位置のヒスチジンがグリシンで置換されているトロンボモジュリン類似体。
  6. 可溶性である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトロンボモジュリン類似体。
  7. 酸化耐性を有し、そして388の位置のメチオニンがロイシンで置換されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトロンボモジュリン類似体。
  8. 天然トロンボモジュリン(配列番号:2)のO-結合グリコシル化ドメインの糖残基において修飾されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトロンボモジュリン類似体。
  9. O-結合グリコシル化ドメインにコンドロイチン硫酸塩を含まないように修飾されている、請求項8に記載のトロンボモジュリン類似体。
  10. プロテアーゼ開裂に対して耐性である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のトロンボモジュリン類似体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のトロンボモジュリン類似体を含んで成る医薬組成物。
  12. 血栓性疾患又は血栓性状態を治療するための請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 血栓性疾患を治療するための請求項12に記載の医薬組成物。
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