JP3051995B2 - 酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体 - Google Patents

酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、オキシダントに曝された後も活性を保持す
るトロンボモジュリンの可溶性類縁体の生産及び使用に
関する。これらの類縁体は、組換えDNA技術を用いて製
造され、例えば抗血栓療法等に有用である。新規の蛋白
質、核酸遺伝子配列、ベクター、薬剤及び血栓形成活性
の阻害方法が開示される。
情報開示 安全で有効な抗凝固剤/抗血栓剤により治療すれば利
益を得るであろう多くの疾患状態が存在する。これらの
状態の性質は種々である。例えば、抗凝固療法は、心筋
梗塞における又は、例えば敗血症等に関連した播種性血
管内凝固(DIC)の治療における、血栓溶解療法の際の
ような急性の状態において有用であろう。抗凝固剤はま
た、心臓弁埋め込みを受けた患者における慢性的な使用
又は深部静脈血栓症(DVT)のおそれを減少するための
手術患者への予防的使用のような、急性度の低い状態に
対しても有用である。現在ヒトに使用することが承認さ
れている抗凝固剤は、一様に有効というわけではなく、
より有効な化合物に対する需要が存在する(例えば、Pr
evention of Venous Thrombosis and Pulmonary Emboli
sm,Consensus Development Conference Statement,NIH,
1986,6(2):1−23.を参照)。
トロンボモジュリンは、実証された抗凝固作用を有す
る膜蛋白質である。ヒトにおいては、それは中枢神経径
を除き血管系及びリンパ関の内皮上に広く分布してい
る。それは、凝固カスケードにおける中心的酵素である
トロンビンの受容体として機能する。遊離のときは、ト
ロンビンは、フィブリノーゲンをフィブリンに変換しそ
して血小板を活性化することにより直接的にも、そして
凝固カスケード中の他の蛋白質(例えば、第V、第VII
I、第XIII因子)の活性化を通じて間接的にも、凝固を
促進する。トロンボモジュリンに結合したときは、しか
しながら、トロンビンの凝固促進活性は阻害され、その
主たる機能はプロテインCの活性化へと切り換えられ
る。活性化されたプロテインCは、今度は数カ所におい
て凝固過程を遮断する(例えば、N.Esmon,et al,(198
2)J.Biol.Chem.257:859−864,H.Salem,et al,(1983)
J.Biol.Chem.259:12246−12251.を参照)。
天然のトロンボモジュリンをコードしている遺伝子
は、数個の種より単離され、いずれもゲノムの形態で且
つcDNAとして配列が定められている(R.Jackman,et al,
(1986)PNAS 83:8834−8838及び(1987)84:6425−642
9.これらのいずれも参照によりここに導入する。)。LD
L受容体のような既知の蛋白質との比較は、機能的ドメ
インを示唆している(D.Wen,et al,(1987)Biochemist
ry 26:4350−4357)。ある研究は、5番目及び6番目の
表皮増殖因子(EGF)様ドメインがトロンビンに結合す
る能力を有することを示唆し(S.Kurosawa,et al,(198
8)J.Biol.Chem.263:5993−5996)、別の研究は、EGF様
ドメイン第4、5及び6が、トロンビン媒介プロテイン
C活性化活性のための補因子として働くに十分であるこ
とを示唆している(Zush,et al,(1989)J.Biol.Chem.2
64:10351−10353)。
天然形態におけるトロンボモジュリンは、固有のアミ
ノ酸配列のためそれが膜結合性であり、界面活性剤処理
なしでは不溶性であることから、抗凝固療法には適さな
い。それは、剖検又は生検サンプルからの精製が実際的
でないような僅かな量(約300mgトロンボモジュリン/
人)だけ存在している。
本発明者はまた、天然のトロンボモジュリンが酸化に
弱く、酸化されるとプロテインCの活性化を促進する能
力を失うことも発見した。抗凝固を必要としている疾患
状態の多くはまた、毒性酸素ラジカルの高いレベルとも
関係しており、それは生体分子を不活性化し且つ有意な
組織障害を引き起こし得る。これらの状態の例は、心筋
梗塞に関連した再潅流障害、敗血症に関連したDIC、及
び成人呼吸窮迫症候群に関連した肺胞繊維症である(Ot
ani,H.et al,(1984)Circ.Res.551:168−175,Saldeen,
T.,(1983)Surg.Clin.N.A.63(2):285−304、及びId
ell,S.,et al,(1989)J.Clin.Inv.84:695−705.を参
照)。加えて、手術操作において起こるようないかなる
外傷も、活性化された単球、多形核白血球等の流入を伴
い、それらはエラスターゼのような多数の蛋白分解酵素
を遊離するとともに、毒性酸素種を作り出し得る。内皮
細胞障害、炎症及び血栓症の間の関連は久しく認識され
てきた(例えば、The Molecular and Cellular Biology
of Wound Repair,Clark,R.A.F.及びP.M.Henson編、198
8.を参照)。しかしながら、本発明者は、トロンボモジ
ュリンが毒性酸素種に曝されることによって不活性化さ
れること及びこのことが多くの病原的状態において重要
な役割を演じているらしいということを認識した最初の
者である。
可溶性のトロンボモジュリン様分子が、ヒト血漿及び
尿中に非常に少量検出された。これらの分子は、プロテ
インCの活性化を促進する能力が低下しており、少なく
とも部分的な酸化のため、少なくとも部分的に不活性化
されている可能性がある。これらの分子が膜結合分子の
分解産物であることが示唆されている(H.Ishii and P.
Majerus,(1985)J.Clin.Inv.76:2178−2181)が、それ
らは特徴付けが困難な程に非常に少量(〜0.8mg/成人男
子)にしか存在しない。精製された天然分子の蛋白分解
フラグメントが、トリプシンまたはエラスターゼを用い
て製造された(Ishii,上記、Kurosawa,et al,(1988)
J.Biol.Chem.263:5593−5996.及びStearns,et al,(198
9)J.Biol.Chem.264:3352−3356)。これらのフラグメ
ントのいくつかは、in vitroでプロテインCのトロンビ
ン媒介活性化を促進する能力を保持している。
天然蛋白質の活性の全てではないとしても大部分を保
持しているトロンボモジュリンの可溶性類縁体が製造さ
れ、係属中の、共に譲渡された1989年2月17日に出願し
た米国特許出願第312,141号、1989年4月28日に出願し
た米国特許出願第345,372号、1989年9月13日に出願し
た米国特許出願第406,941及び1990年2月16に出願したW
O 90/00955に記述されており、ここに参照して導入す
る。更なる参照文献は、EP 290,419及びWO 88/05053を
含み、これらはヒトのトロンボモジュリン蛋白質をコー
ドしたcDNAを開示している。トロンボモジュリンの類縁
体はまた、WO 88/05053にも記述されており、これは種
々の数のEGF様ドメインを有する類縁体を開示してい
る。
トロンボモジュリンの抗凝固作用を示し、血漿に可溶
性であり、オキシダントへの曝露による不活性化に対し
て抵抗性であり、そして容易に大量に製造される、新し
い組成物への需要が存在する。本発明は、これらの及び
他の需要を満たしている。
発明の概要 本発明は、トロンボモジュリンの特徴的な抗血栓活性
を有するが、水性溶液に可溶性であり、オキシダントに
暴露された後も不活性化されないペプチドを提供する。
これらのペプチドは、類縁体と呼ぶが、少なくとも天然
トロンボモジュリンの膜架橋ドメイン及び細胞質ドメイ
ンを欠いており(表1を参照)、加えて、天然配列の特
異的アミノ酸が除去され又は1若しくはより多くの異な
るアミノ酸に置換されている。特に、除去又は置換され
たアミノ酸は、天然蛋白質配列の291番目又は388番目の
位置のメチオニン残基のいずれか又は双方である(表1
を参照)。好ましい1の具体例においては、これらのメ
チオニンのいずれか又は双方が、アミノ酸であるアラニ
ン、ロイシン又はグルタミンに置換されている。これら
のメチオニンの置換は、オキシダントに曝露された後も
活性を保持するペプチドを作り出すのみならず、該新規
ペプチドは、アミノ酸を置換していない等価ペプチドに
比較して増大して特異的活性を示し得る。更に提供され
るのは、酸化抵抗性トロンボモジュリン(TM)類縁体ペ
プチドをコードしたヌクレオチド配列、及び、これらの
新規ヌクレオチド配列を含有する組換えベクターであ
る。これらのペチドを原核細胞及び真核細胞中において
製造するための方法が開示される。
特に、本発明は、天然トロンボモジュリンの生物学的
活性を実質的に除去してしまう濃度及び条件下にてオキ
シダントに曝露した後にも生物学的活性を保持する、ト
ロンボモジュリン類縁体ペプチドを提供する。トロンボ
モジュリン類縁体ペプチドは、天然ペプチド配列のアミ
ノ酸の少なくとも1つが1つ又はより多くの異なるアミ
ン酸によって置換されているペプチドよりなることが好
ましい。好ましいアミノ酸置換は、上述のメチオニン残
基の置換である。最も好ましいのは、ペプチド結合によ
る(除去)又は1つ若しくはより多くのオキシダントに
影響されないアミノ酸による、388番目のメチオニンの
置換である。メチオニン残基のための好ましい置換基
は、ロイシン、グルタミン及びアラニンよりなる群より
選ばれるアミノ酸である。上述の類縁体が天然トロンボ
モジュリンと同じ又はより高い特異的活性を有している
こともまた好ましい。特異的活性は、トロンビンに結合
しプロテインCのトロンビン媒介活性化を促進するペプ
チドの能力によって典型的に測定される。
本発明はまた、上述のような及び第2の機能的構成要
素を含んでなる、多機能性トロンボモジュリン(TM)類
縁体をも提供する。第2の機能的構成要素はt−PA様蛋
白質のようなフィブリン溶解活性を有することが好まし
い。第2の機能的構成要素は、ペプチドを生体適合性ポ
リマーに結合する手段であってもよい。
本発明は、更に、オキシダントへの曝露の後に活性を
保持するトロンボモジュリン類縁体をコードする核酸の
配列を提供する。該ペプチドは上述の通りであり、プラ
スミノーゲン活性化因子様の蛋白質のような、タンパク
質性の第2の機能的構成要素をコードする配列を含むこ
とができる。該配列は、当該組替えベクターを宿す細胞
のゲノム中に導入される能力を有する、染色体外プラス
ミド又はトランスフェクションベクターのような組替え
ベクターに組み込まれることができる。該配列は、ホス
ト細胞に所望の類縁体ペプチドを表現させるようプロモ
ーターに作動可能にリンクさせるさせることができる。
原核細胞及び真核細胞の双方が、これらの組替えベクタ
ーに適したホスト細胞として開示される。
本発明は更に、上述のトロンボモジュリン類縁体ぺプ
チドの単位投与量の無菌適調製物よりなる、抗血栓活性
を有する薬剤学的組成物を提供する。更に、該組成物の
有効量を投与することによる、哺乳類における血栓形成
活性を制御するための該焼剤学的組成物の使用方法も提
供される。該薬剤学的組成物はまた、上記の多機能構成
要素をも含有する。加えて、これらの組成物はまた、天
然トロンボモジュリンの生物学的活性を実質的に除去し
てしまう濃度及び条件下にてオキシダントに暴露した後
にも生物学的活性を保持する、トロンボモジュリン類縁
体ペプチドを結合させた表面を有する生体適合性ポリマ
ーをも含有する。
人の血栓症を防止するための更なる方法がここに開示
される。該方法は、酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁
体ペプチドを薬剤学的に許容し得る塩溶液中において体
重1kg当たり0.001乃至0.1mgの投与量で静脈内投与する
ことによりなる。該類縁体は上記の通りである。
図面の簡単な説明 図1A及び1Bは、天然トロンボモジュリンのドメイン、
本発明の可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン(TM)
類縁体に含まれる天然分子の各領域、各類縁体ペプチド
中の蓋然的突然変異部位、及び多機能性突然変異類縁体
ペプチドを概念的に示す。
図2は、ここに記載のトロンボモジュリン(TM)類縁
体のための野生型(非突然変異)遺伝子配列とクローニ
ングプラスミドpUCpcrTM7とを作り出すためにPCR反応に
おいて使用するプライマーの2つを示す。
図3は、本発明にて記述される酸化抵抗性トロンボモ
ジュリン類縁体を作り出すために使用される、部位指向
性突然変異生成の方法を概念的に示す。
図4は、バキュロウイルス(baculovirus)伝達ベク
ターpTMHY101、及び、部位指向性突然変異生成反応にお
いて使用するための単鎖DANを作るためのベクターpTHR1
4を示す。
図5は、可溶性トロンボモジュリン類縁体DNFL(wt)
及びDNFL(M388L)のクロラミンTによる酸化を示す。
図6は、Cos 7細胞上におけるクロラミンTによる全
長トロンボモジュリン、FT−TMの酸化を示す。
図7は、Met388が他の全てのアミノ酸に置換されてい
るSTM−6EGF突然変異体のAPCアッセイにおける活性を示
す。
詳細な説明 本発明は、天然トロンボモジュリンの性質の実質的に
全てを示すが、しかし血漿に可溶性でありオキシダント
に曝露後も活性を保持する新規の組成物を提供する。ま
た、これらの組成物を製造する方法も提供する。以下の
詳細な説明は、本発明のこれらのそして他の面を提示す
る。
トロンボモジュリンすなわちTMは、トロンビンの受容
体として働く内皮細胞膜蛋白質である。それは、十分な
界面活性剤の存在下において細胞膜から遊離されること
ができ、溶液中におけるトロンビンに結合する能力を保
持する。トロンボモジュリンに結合すると、トロンビン
は凝固促進性酵素から抗凝固酵素へと変換される。特
に、プロテインCのトロンビン媒介活性化は、トロンビ
ンがトロンボモジュリンに結合すると大きく高められ
る。すなわちプロテインCの活性化速度はトロンビンが
トロンボモジュリンに結合すると少なくとも1000培増大
する。
本発明者は、トロンボモジュリンの活性が、オキシダ
ントに暴露された後は実質的に除去されることを発見し
た。生理学的オキシダントの例は、スーパーオキシド及
びヒドロキシルラジカル並びに過酸化水素及び次亜ハロ
ゲン酸塩のような関連種である。スーパーオキシド及び
ヒドロキシルラジカルのような酸素フリーラジカル中間
体は、正常の及び病理的な代謝過程により産生される。
他の重要な毒性オキシダントは、クロラミン類であり、
次亜塩素酸塩のアンモニア又はアミン類との反応によっ
て形成される。Dvorak,H.F.,et al,The Molecular Biol
ogy of Wound Repair,Clark,R.A.F.and P.M.Henson編,
(1988)の165−172頁を参照のこと。トロンボモジュリ
ンの様な生物学的巨大分子は、これらのオキシダントの
障害作用の標的として働き得る。
「実質的に除去され」は、トロンボモジュリン活性が
約50%、より好ましくは約60、そして最も好ましくは70
%またはより多く減少することを意味する。
組織への酸化障害は、急性呼吸窮迫症候群、再潅流傷
害、肺及び腎臓への免疫傷害、脳外傷又は虚血、動脈硬
化、及び慢性関節リウマチを含む、多くのヒト疾患の病
態生理学に関与することが知られている。種々の可溶性
蛋白質並びに膜脂質の酸化的不活性化は、正常の過程及
び疾患状態の双方の制御に関連づけられてきた。例え
ば、愛煙家の肺のα−1−プロテアーゼインヒビターの
酸化的不活性化は、肺気腫に特徴的な肺の蛋白分解への
重要な寄与因子である(Carp,H.,et al,(1982)PNAS 7
9:2041−2045.)。血栓溶解療法に続いて再潅流を受け
た心筋組織は、障害組織中における酵素反応によって生
成されたスーパーオキシドラジカルによる、重大な傷害
を被る。虚血後組織の炎症は、好中球及び単球を含む貧
食細胞の浸潤をもたらし、これらはそれ自身多量のスー
パーオキシドラジカル、並びにヒドロキシルラジカル、
過酸化水素、次亜ハロゲン酸及び長寿命N−クロラミン
類を産生する(McCord,J.M.,(1987)Fed.Proc.46:2402
−2406,Henson,P.M.and R.B.Johnston,(1987)J.Clin.
Inv.79:669−674,Weiss,S.J.,et al,(1983)Science 2
22:623−628)。
発明者は、トロボモジュリンがオキシダントとの反応
に弱く、そのような反応はトロンボモジュリンの抗血栓
作用を破壊することを発見した。例えば、培養ヒト細胞
(A549)は、活性化された単球又はクロラミンTのよう
な化学的オキシダントに曝された後、トロンビンを介し
てプロテインCの活性化を促進する能力を急速に失う。
A549細胞(CCL 185,Giard,et al,(1972)J.Natl.Cance
r Inst.51:1417−1423)は、細胞当たり約10,000分子の
膜結合トロンボモジュリンを有する。発明者はまた、可
溶化された、精製された天然トロンボモジュリンは、ク
ロラミンTと共にインキュベートすると活性を失うこと
も実証した。6個のEGF様ドメインを含む天然トロンボ
モジュリンのフラグメントを用いた実験は、トロンビン
への結合はトロンボモジュリンを酸化から保護しないこ
とを示した。2個の特異的アミノ酸、291番目及び388番
目のメチオニン(表1を参照)が酸化され、これらのア
ミノ酸が酸化されるとトロンボモジュリンフラグメント
は活性を失う。本発明のペプチドは、291番目及び/又
は388番目のメチオニンの代わりに置換された他のアミ
ノ酸を有する。
活性酸素ラジカル発生に関連する多くの病理学的状態
は、可溶性トロンボモジュリン類縁体のような抗血栓剤
が有用な治療薬となるであろう状態である。従って、例
えばプロテインC活性化補因子としてのような活性を、
オキシダントに暴露された後も保持する、安全で効果的
な抗血栓剤を有することが非常に望ましい。本発明にお
いては、これは、天然トロンボモジュリン配列中の酸化
に対して弱い1つまたより多くのアミノ酸を、該ペプチ
ドの生物学的活性を変化させることなく酸化に対して抵
抗性であるアミノ酸で置換すること(又は完全に除去す
ること)によって達成される。当業者は、蛋白質中の単
一のアミノ酸を置き換えるために使用できるアミノ酸の
全数の限界がありそしてこの限界は、活性の保持によっ
て定められることを理解することができよう。これらの
ペプチドは、高められたin vivo有用性と安定性並びに
貯蔵寿命を有するであろう。特異的活性は、野性型(非
突然変異)トロンボモジュリン類縁体ペプチドに比して
高められているであろう。
ヒトのトロンボモジュリンをコードするDNA配列は単
離されている。それは、575個のアミノ酸よりなる蛋白
質(〜60.3kDa)をコードし、18個のアミノ酸のシグナ
ル配列を含む。種々の種(ウマ、マウス、ヒト)より単
離されたトロンボモジュリン遺伝子配列は、高度の配列
相同性を示す。ヒトのトロンボモジュリンの全DNA及び
アミノ酸配列を表1を示す。ここに用いるトロンボモジ
ュリンの定義は、個体間に存在するであろう天然の対立
遺伝子的変種を包含する。
他の既知の蛋白質の配列との比較及び類推により、ト
ロンボジュリンは6個の機能的ドメインに分けることが
できる。各ドメインは3次元の、蛋白質分子の自己組立
式アミノ酸列であり、その蛋白質の特異的な生物学的活
性に必要な構造的要素を含む。凡そのアミノ酸部位 ドメイン −18−1 シグナルペプチド 1−226 N−末端ドメイン: いくつかの レクチンに相同 227−462 EGF様ドメインの反復 463−497 作動可能にリンクしたグリコシレ ーションドメイン 498−521 伝達停止ドメイン: 膜架橋 522−557 細胞質ドメイン いずれも参照によりここに導入するC.S.Yost,et al,
(1983)Cell 34:759−766及びD.Wen,et al,(1987)Bi
ochemistry 26:4350−4357を参照のこと。
オキシダントは、一般的に、高度に反応性の化学種で
ある。電子を求めて、オキシダントは、生物学的及び非
生物学的いずれもの種々の分子と反応する。蛋白質を構
成するアミノ酸のうちで、ヒスチジン、メチオニン、シ
ステイン、トリプトファン及びアルギニンは、最も酸化
されやすい。トロンボモジュリンの場合、291位及び388
位にあるメチオニンのメチオニンスルホキシドを形成す
る反応は、トロンボモジュリンの抗血栓活性の喪失をも
たらす特別の問題である。この活性の喪失は凝固過程を
抑制なしに進行させるのみならず、酸化された蛋白質は
プロテアーゼによって一層急速に消化されて(Starke−
Reed,P.E.and C.N.Oliver,(1989)Arch.Biochem.Bioph
ys.275:559−567及びDavies,K.J.A.,et al,(1987)J.B
iol.Chem.262(20):9914−9920)、膜結合トロンボモ
ジュリンが、例えば、活性化好中球に分泌されるエラス
ターゼ等によって切断除去されることを許容することも
あり得よう。
本発明の蛋白質はトロンボモジュリン(TM)の類縁体
である。この語は、それらが下記の天然トロンボモジュ
リンと実質的に同じ特徴的な生物学的活性を有する蛋白
質であって、更に、それらが水性溶液に可溶性であるこ
とにより及びそれらのアミノ酸配列中の特異的な人工的
に誘導された突然変異の存在によって特徴づけられるこ
とを意味する。
アミノ酸、特にメチオニンを酸化に抵抗性にする方法
は、技術的に周知である。チオール基を例えばヨード酢
酸で化学的に修飾して、酸化に抵抗性のスルホニウムを
形成することが可能である(Gundlach,H.G.,et al,(19
59)J.Biol.Chem.234:1754)。好ましい方法は、該不安
定なアミノ酸を除去し又はそれをオキシダントとは反応
しない1つ若しくはより多くの異なるアミノ酸に置換す
ることである。アミノ酸ロイシン、アラニン及びグルタ
ミンは、それらのサイズ及び中性の性質のため、特に好
ましいアミノ酸である。
蛋白質配列中のアミノ酸を除去し又は置換できる方法
は周知である。変更されたアミノ酸配列を有するペプチ
ドをコードする遺伝子は、例えば合成的に、作ることが
できる。好ましい方法の1つは、部位指向性in vitro突
然変異生成の使用である。部位指向性突然変異生成は、
単鎖標的DNAの核酸配列を特異的に変更するよう設計さ
れた、所望の核酸の置換、挿入又は除去を含む合成的オ
リゴデオキシリボ核酸の使用を伴う。単鎖の鋳型へのこ
のオリゴヌクレオチド(プライマーともよばれる)のハ
イブリダイゼーション及びこれに続くプライマー・エク
ステンションは、ヘテロデュプレックスDNAを生成し、
これは形質転換細胞中で複製させたとき、所望の突然変
異を有する蛋白質配列をコードする。この方法は、下記
の実施例3に詳しく概説され、図3に描がれている。
勿論、除去又は置換が突然変異ペプチドの生物学的活
性を保持することを許容すべきことは決定重要性を有す
る。トロンボモジュリン活性は、トロンビンの作用の変
化に基づく種々のアッセイにて測定することができる。
特に好ましい活性は、トロンビンに触媒されるプロテイ
ンCの活性化をトロンボモジュリン又はその可溶性類縁
体が促進する能力であり、これは、この能力がトロンボ
モジュリンに特異的だからである。プロテインC補因子
活性は、Salem,et al,(1984)J.Biol.Chem.259(19):
12246−12251及びGalvin,et al,(1987)J.Biol.Chem.2
62(5):2199−2205によって記述されたアッセイにて
測定することができる。簡単にいえば、このアッセイは
2つの段階よりなる。第1は、試験する酸化抵抗性トロ
ンボモジュリン類縁体をトロンビン及びプロテインCと
所定の条件下にインキュベーションすることである(下
記の実施例を参照)。第2の段階においては、トロンビ
ンはヒルジン(hirudin)又は抗トロンビンIII及びヘパ
リンによって不活性化され、新たに活性化されたプロテ
インCの活性が、色素原性基質の使用により定量される
が、それにより、活性化されたプロテインCの蛋白分解
性によって発色団が遊離される。このアッセイは、精製
された試薬を用いて行われる。
代わりに、酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、
血漿を用い、活性化部分トロンボプラスチン時間(APT
T)、トロンビン凝固時間(TCT)及び/又はプロトロン
ビン時間(PT)のような、凝固時間アッセイにて測定す
ることができる。これらのアッセイは、凝固阻害の異な
ったメカニズム間を識別し、そして、プロテインCの活
性化を伴う。これらのいずれのアッセイにおける凝固時
間の長期化も、該分子が血漿中で凝固を阻害できること
を実証するものである。
酸化によるトロンボモジュリン活性の喪失に対する抵
抗性を定量するために、試験試料(100−250μg/ml)が
先ず、例えばクロラミンT、5−10mMのクロラミンT下
での過酸化水素、又は200−1000mMの過酸化水素のよう
なオキシダントと共に、0.2%のN−エチルモルフォリ
ン及び0.008%のTween80を含むpH7.0の緩衝液中で室温
にて20分間インキュベートされる。そのようなオキシダ
ント曝露の後、試験材料は、上記のアッセイのいずれか
を用いて評価される。オキシダントに曝露前に有してい
た活性の少なくとも60%、及び好ましくは90%の活性を
保持しているそれらの突然変異トロンボモジュリン類縁
体は、野性型(非突然変異)トロンボモジュリン類縁体
又は天然トロンボモジュリンに比して酸化抵抗性である
と考えられる。突然変異トロンボモジュリン類縁体のい
くつかは、オキシダントに暴露しない野生型ペプチドに
比してさえ特異的活性の増大を示すであろう。これは、
野生型ペプチド中の低レベルの固有の酸化の結果、又
は、アミノ酸の変化によるトロンビンと突然変異類縁体
との間の相互作用が実際に変化した結果であろう。これ
らのアッセイの詳細は下記の実施例に提示されている。
上記のアッセイは、精製システムと血漿培地中の双方
においてトロンビンに結合でき且つプロテインCを活性
化できる、可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁
体を同定するのに使用される。更なるアッセイは、次い
で、トロンビンに触媒されるフィブリノーゲンからのフ
ィブリン生成の阻害(Jakubowski,et al,(1986)J.Bio
l Chem.216(8):3876−3882)、第V因子のトロンビ
ンによる活性化の阻害(Esmon,et al,(1982)J.Biol.C
hme.257:7944−7947)、抗トロンビンIII及びヘパリン
補因子IIによるトロンビンの抑制の促進(Esmon,et al,
(1983)J.Biol.Chem.258:12238−12242)、第XIII因子
のトロンビンによる活性化の阻害(Polgar,et al,(198
3)Thromb.Haemostas.54:140)、プロテインSのトロン
ビン媒介不活性化の阻害(Thompson and Salem,(198
6)J.Clin.Inv.78(1):13−17)及びトロンビン媒介
血小板活性化及び凝集の阻害(Esmon,et al,(1983)J.
Biol.Chem.258:12238−12242)のような、トロンボモジ
ュリンの他の活性の喪失に対する抵抗性を評価するため
に用いられる。
抗凝固剤/抗血栓剤としての酸化抵抗性トロンボモジュ
リン類縁体の使用 血栓性疾患の基礎にある病理は、例えば傷害血管壁の
ような刺激に応答して血餅が形成されることである。こ
の刺激がトロンビンを産生する凝固カスケードを始動す
るが、トロンビンはフィブリノーゲンをフィブリン、す
なわち血餅のマトリクスに変換する能力を有する。
全身投与された可溶性の酸化抵抗性トロボモジュリン
類縁体は、血栓形成に対して防禦するであろう。なぜな
らそれらは活性化されたプロテインC系を介してトロン
ビンの産生を阻害し、及び/又は、他の凝固パラメータ
ーを乱すことなくフィブリノーゲンに対するトロンビン
の作用を阻害するからである。こうして、可溶性の酸化
抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、望ましい血栓形成
を防止するのに安全且つ有効であろう。トロンボモジュ
リンの効果は、血管の重大な傷害によって産生された大
量のトロンビンによって凌駕され、止血栓の形成を許容
することができる。
血栓形成が重要な病因学的役割を演じている疾患に
は、心筋梗塞、播種性血管内凝固、深部静脈血栓症、肺
気腫、敗血症性ショック、急性呼吸窮迫症候群、不安定
狭心症並びに他の動脈及び静脈の閉塞状態が含まれる。
これらの全てにおいて、並びに血栓形成が病理学的であ
る他の疾患においても、可溶性の酸化抵抗性トロンボモ
ジュリン類縁体はそれのみで又は血栓溶解剤との組合せ
で、疾患の治療に又はより重症の状態へ進行することの
防止において、治療上有用である。可溶性の酸化抵抗性
トロンボモジュリン類縁体はまた、例えば心臓弁のよう
な人工器官を取りつけられる患者又は体外循環を必要と
する患者において、安全且つ有効な抗凝固剤を提供す
る。これらの化合物は、例えば肺気腫又は急性心筋梗塞
等において、ヘパリンやワーファリンに代わるであろ
う。
アンジオプラスティーは、閉塞した動脈中の開存を回
復するためにしばしば用いられる手順である。開存は回
復できるものの、この手順はしばしば動脈の内皮性の内
張りを傷つけ、その結果、血餅が形成し始める。内皮に
加えられた障害は、活性化された白血球が該部位に集め
られる過程を開始させる。これらの活性化された白血球
は、取り分け過酸化物のようなオキシダントを遊離し、
これは、傷害された領域にある膜結合天然トロンボモジ
ュリンの活性を破壊し、こうして局所的な凝固促進性状
態に寄与する。アンジオプラスティーと共に投与された
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、この
有害な副作用を防止するであろう。
多くの急性の血栓性及び塞栓性疾患は、現在、血栓を
除去する目的でフィブリン溶解療法により治療されてい
る。最も広く検討されてきた状態は、急性心筋梗塞(心
臓発作)である。急性心筋梗塞の治療のために現在使用
されている薬剤は、ストレプトキナーゼ、組織プラスミ
ノーゲンアクチベーター及び及びウロキナーゼを含む。
これらの薬剤の使用は、重篤な出血性合併症をもたらし
得る。フィブリン溶解療法によって血栓を除去されて血
流が回復した患者は、しばしば該障害血管が再閉塞す
る、すなわち、血餅が再形成される。血栓溶解剤の投与
量及び治療期間を増加することによって再閉塞を防止す
ることが試みられてきたが、そうすると出血症例は増加
する。
複合的心筋梗塞は、再潅流に関連した組織傷害であ
る。血栓が溶解されると、酸素ラジカルが血餅部位にお
いて産生され、周囲組織を破壊し、好中球依存性の炎症
性応答を開始させる(Simpson,P.J.,et al,An Upjohn S
ymposium on Oxygen Radicals,April 1987中第63−69
頁)。これらの酸素ラジカルによって不活性化されない
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の使用
は、その抗トロンビン活性により再閉塞に対する防禦を
与える。その特異的作用は、全身的というより局所的、
すなわち、トロンビンが産生され又は血餅から遊離され
ている部位に働く。従って、血栓溶解剤と組み合わせて
使用されると、その投与量は減らすことができ、出血の
危険を実質的に減少することができる。
抗凝固剤、抗血栓剤及び/又はフィブリン溶解性薬剤
の使用を必要とする、殆どではないとしても多くの状態
がまた、活性酸素ラジカルの産生に関連した状態である
ことに注意することが重要である。特定の蛋白質の酸化
に弱いか否かを確実性をもって予測することが不可能で
あり、またもし酸化されても、当業者は酸化が該蛋白質
の不活性化をもたらすと期待することはないであろう。
トロンボモジュリンは完全に不活性化される。活性の喪
失は、起こりうる副作用の増大を伴う投与量の増加を必
要とする。酸化による活性の喪失の生じない蛋白質薬剤
は、従って、これらの状態において使用するのに非常に
望ましいであろう。
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の投与
は、ボーラス静脈注射により、持続的静脈内注入によ
り、又はこれら双方の経路の組合せにより行われよう。
また、適当な賦形剤と混合した可溶性の酸化抵抗性トロ
ンボモジュリン類縁体もまた、筋肉内部位より循環中に
取り込まれよう。ここで用いるように、治療上有効な投
与量は、病理学的血餅の形成を阻止するのに必要な酸化
抵抗性トロンボモジュリン類縁体のレベルとして定義さ
れる。
酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体による全身的治
療は、患者から採取した一連の血液サンプルについての
活性化部分トロンボプラスチン時間(ATPP)のような止
血パラメーターを定量することによりモニターすること
ができる。このアッセイで観察される凝固時間は、十分
なレベルの酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体が循環
中に達成されると延長される。しかしながら、これは効
果の全身的測定であり、おそらく血餅の部位において有
効な投与量でAPTTを延長する効果はないであろう。投与
量レベルと養成法は、例えばAPTTアッセイ又はプロテイ
ンC活性化アッセイ等によって測定したとき活性蛋白質
の十分な濃度が維持されるよう、調整することができ
る。
本発明の一面において、上述の酸化抵抗性トロンボモ
ジュリン類縁体は、それらがその中で産生される真核細
胞から分泌される。薬理学的投与のためには、該酸化抵
抗性トロンボモジュリン類縁体は、所望により、薬理学
的処方化の当業者に周知のリン脂質小胞、界面活性剤又
は他の類似の化合物と組み合わせることができる。本発
明の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、血流中に
おいて可溶性であり、このことは該類縁体を種々の抗凝
固その他と治療において有用なものとしている。
完全長のトロンボモジュリンとは対照的に、本発明の
類縁体は、それらの可溶性、安定性及び一層優れた活性
によって、改良された薬剤を提供するであろう。これら
の類縁体は製造的見地、薬剤学的見地のいずれか又は双
方において、一層優れた特徴を提供するであろうと期待
される。
一般的方法 一般に、本出願において用いる術語の定義及び一般的
実験室手順の記述は、T.Maniatis et al.,Molecular Cl
oninng,A Laboratory Manual,(1982)Cold Spring Har
bor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York.に見出
すことができる。該マニュアルは、以下「Maniatis」と
いい、ここに参照により導入する。
全ての酵素は、メーカーの指示通りに使用した。
商業的に入手できないオリゴヌクレオチドは、S.L.Be
aucage and M.H.Caruthers,(1981)Tetrahedron Lett
s.,22(20):1859−1862によって最初に記述された固相
ホスホラミダイト・トリエステル法に従って、D.R.Need
ham−VanDevanter et al.(1984)Nucleic Acids Res.,
12:6159−6168.に記述された自動化された合成装置を使
用して化学合成することができる。オリゴヌクレオチド
の精製は、本来のアクリルアミドゲル電気泳動によるか
又は、J.D.Pearson and F.E.Regnier,(1983)J.Chro
m.,255:137−149.に記述された陰イオン交換HPLCによっ
た。ヌクレオチドのサイズは、キロ塩基(kb)又は塩基
対(bp)与えられた。これらは、アガロース又はアクリ
ルアミドゲル電気泳動から、又は報告されているDNA配
列から導かれる推定である。
クローン化した遺伝子及び合成的オリゴヌクレオチド
の配列は、A.M.Maxam et al.(1980)Methods in Enzym
ology,65:499−560の化学的分解法をもちいて検証する
ことができる。配列は、オリゴヌクレオチドフラグメン
トの二重鎖DNA配列への組立の後に、Maxam and Gilber
t,(上記)の方法により又はR.B.Wallace et al.(198
1)Gene,16:21−26の二重鎖鋳型の配列を決めるための
鎖停止法により確認することができる。サザンブロット
・ハイブリダイゼーション法は、Southern et al.(197
5)J.Mol.Biol.98:503.に従って行った。
本発明は、新規ペプチド及び遺伝子の、in vitro突然
変異形成による産生に関する。標的遺伝子は、中間ベク
ターにおいて単離され、E.coli,Bacillus又はStreptomy
cesのような原核細胞中において増幅のためにクローン
化される。最も好ましいのは、E.Coliである。なぜな
ら、この微生物は培養が容易であり、他の原核細胞に比
べ、より完全に理解されているからである。Maniatisマ
ニュアルは、下記に記述されたE.coliクローニングの全
てを実施するのに十分な方法論を含む。MH−1株は、別
に述べない限り好ましい。全てのE.Coli株を、ブドウ糖
を含むルリア(Luria)ブイヨンに、又は、ブドウ糖及
び酸加水分解カゼインアミノ酸強化M9培地に増殖させ
る。抗生物質に抵抗性の株は、Maniatisに記述された薬
物濃度に維持した。形質転換は、D.A.Morrison,(197
7)J.Bact.132:349−351により又はJ.E.Clark−Curtiss
and R.Curtiss,(1983)Methods in Enzymology,101:3
47−362,R.Wu et al.編,Academic Press,New Yorkによ
り記述された方法に従って実施した。代表的ベクター
は、商業的に入手できるpBR322及びpUCシリーズを含
む。
定義 本発明の目的のため、次の術語を以下の通りに定義す
る。
術語「ベクター」は、ウイルス発現システム、自律的
自己複製性環状DNA(プラスミド)をいい、発現及び非
発現プラスミドを含む。組替え微生物又は細胞培養が、
「発現ベクター」を宿していると記述される場合には、
これは、染色体外環状DNA及びホストの染色体中に導入
されたDNAの双方を含む。「伝達ベクター」なる語は、
昆虫細胞中に野生型バキュロウイルスと共にコトランス
フェクトされたベクターをいう。伝達ベクターは、バキ
ュロウイルスゲノムと伝達ベクターとの間の組替えを促
進し、バキュロウイルスのポリヘドリン遺伝子を異型の
標的遺伝子で置き換えるような方法で構成される。ベク
ターがホスト細胞によって維持されている場合には、ベ
クターは、自律的構造として有糸分裂に際して細胞によ
って安定に補製されるか、又はホストのゲノム内に導入
されるであろう。
「プロモーター」の語は、転写を開始するためにRNA
ポリメラーゼを結合させるのに関与するDNAの領域であ
る。
「作動可能にリンクした」の語は、各要素がそれらの
通常の機能を営むような形態を取っている並んだ位置を
いう。こうして、コード配列に作動可能にリンクした調
節配列又はプロモーターは、コード配列の発現を行わせ
ることができる。
「調節配列」の語は、所望のコード配列に適切に繋げ
られたとき、そのような配列と適合性のあるホスト内に
おいてその発現に影響することのできる、1つ又はより
多くのDNA配列をいう。そのような調節配列は、少なく
とも原核ホストと真核ホスト双方のプロモーターを含
み、所望により、転写終止シグナルを含む。発現を行わ
せるのに必要な又は役立つ追加の要素また同定されよ
う。ここに用いるように、「調節配列」は、単に、使用
した特定のホスト中において発現をもたらすのに有用で
あろうようないかなるDNA配列をもいう。
「オキシダント」の語は、分子(又は原子)から電子
を除去する化学的試薬をいう。生理学的オキシダントの
例は、取り分け、ヒドロキシルラジカル及び過酸化水素
である。
「天然」トロンボモジュリンの語は、自然の該蛋白
質、及び、膜結合又は界面活性剤可溶化(自然)トロン
ボモジュリンと終じ特徴的な生物学的活性を有する可溶
性ペプチドをいう。これらの可溶性ペプチドはまた、
「野生型」又は「非突然変異」類縁体ペプチドともい
う。「生物学的活性」は、トロンビンの受容体として働
き、プロテインCの活性を高める能力、又は、天然トロ
ンボモジュリンに関連した他の生物学的活性である。酸
化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、可溶性であるこ
とに加えてそれらのアミノ酸配列に特定の人工的に誘導
された突然変異を含む、これらの可溶性ペプチドであ
る。
「特定の人工的に誘導した突然変異」の語は、アミノ
酸配列における除去、挿入及び置換を含み、クローン化
したDNA配列の操作により導入し得る。突然変異トロン
ボモジュリン類縁体をコードするDNA配列は、「突然変
異DNA配列」という。
遺伝子合成 ヒトのトロンボモジュリンをコードする完全長のDNA
配列の公表は、遺伝子の調製を促進し、可溶性の突然変
異トロンボモジュリン類縁体をコードするDNA配列を構
成する出発点として用いられた。本発明の類縁体は、内
部のアミノ酸置換を有することに加えて、伝達停止配列
を欠く可溶性の誘導体である。更に、これらの類縁体
は、これらのポリペプチドをコードする遺伝子を含むプ
ラスミドでトランスフェクトされた又は形質転換された
真核細胞から分泌される。アミノ酸の置換、除去又はク
ローン化された遺伝子へのシグナル配列の追加のような
修飾のための方法は既知である。ここに用いる個々の方
法は以下に記述される。
トロンボモジュリンの完全長の遺伝子は、数種の方法
によって調製できる。ヒトゲノムライブラリーは商業的
に入手できる。トロンボモジュリン遺伝子に特異的なオ
リゴヌクレオチドプローブは、公表されている遺伝子配
列を用いて合成できる。オリゴヌクレオチドプローブに
よってゲノムライブラリーをスクリーニングする方法は
既知である。トロンボモジュリンの遺伝子配列の公表
は、コード領域内にイントロンが存在しないことを実証
している。従ってゲノムクローンは、既知の方法を用い
てトロンボモジュリンのための発現プラスミドを構成す
るために必要な出発材料を提供する。
トロンボモジュリンをコードするDNAフラグメント
は、遺伝子に並んで又は中に存在する領域中に同定され
ている制限酵素部位を利用することによって回収するこ
とができる〔R.W.Jackman et al.(1987)Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA.,84:6425−6429〕。
代わりに、完全長の遺伝子はcDNAバンクから得られ
る。内皮細胞から調製されたメッセンジャーRNAは、cDN
Aの調製の適切な出発材料である。トロンボモジュリン
をコードする遺伝子を含むcDNA分子は、上記のようにし
て同定される。cDNAバンクを作る方法は既知である(Ma
niatisを参照)。
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体をコー
ドする遺伝子は、全長トロンボモジュリンをコードする
遺伝子を用いて、最初に構成された野生型トロンボモジ
ュリン類縁体遺伝子を作ることができる。続く突然変異
形成のための野生型トロンボモジュリン類縁体遺伝子を
製造するための好ましい方法は、合成的オリゴヌクレオ
チドプライマーの使用とmRNA又はDNA鋳型上におけるポ
リメラーゼエクステンションとを組合せる。このポリメ
ラーゼ鎖反応(PCR)法は、所望の核酸配列を増幅す
る。米国特許第4,683,195号及び4,683,202号はこの方法
を記述している。制限酵素部位をプライマーに導入する
ことができる。PCR反応によって増幅された遺伝子は、
アガロースゲルにより精製でき、そして適当なベクター
中にクローン化することができる。天然遺伝子配列中に
おける変更は、in vitro突然変異生成の技術によって又
は適応な突然変異を導入するように設計されたプライマ
ーとのポリメラーゼ鎖反応の使用によって導入すること
ができる。
ここに記述した可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリ
ン類縁体は、培養真核細胞中で発現されると分泌され
る。分泌は、トロンボモジュリン遺伝子の天然のシグナ
ル配列の使用により達成され得る。代わりに、本発明の
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体をコード
する遺伝子は、適当な読み取りフレーム中において天然
トロンボモジュリン遺伝子に対応するもの以外のシグナ
ル配列に繋げられることができる。例えば、t−PAのシ
グナル配列(ここに参照して導入する、共に譲受された
1987年7月16日出願の継続中の米国特許出願第074,083
号を見よ。)又はヒポデルミンA若しくはB(ここに参
照して導入する、共に譲受された1989年1月27日出願の
継続中の米国特許出願第148,749号を見よ。)を、ポリ
ペプチドとリンクさせることができる(表2を参照)。
本発明の好ましい具体例においては、ヒトt−PA遺伝子
の第2のイントロンを含んだ、t−PAのシグナル配列の
使用がなされる。イントロンを含めることは、隣接する
構造遺伝子の生産性を高める(ここに参照して導入す
る、共に譲受された1987年1月14日出願の継続中の米国
特許出願第003,611号を見よ。)。
本発明の類縁体については、天然トロンボモジュリン
遺伝子のカルボキシル末端領域の、伝達停止及び細胞質
ドメインをコードする遺伝子部分は、除去されている。
従って、翻訳が所望の位置において終止するよう、停止
コドンを加える必要がある。代わりに、停止コドンは、
所望の発現プラスミドによって提供することができる。
加えて、真核細胞中において酸化抵抗性トロンボモジュ
リン類縁体をコードしたmRNAの適当なプロセシングを保
証するよう、ポリアデニル化配列が必要である。更に、
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の発現の
ために、開始コドンを、もしなければ、与えることが必
要であろう。そのような配列は、天然の遺伝子から又は
発現プラスミドによって与えられるであろう。
本発明のトロンボモジュリン類縁体はそのアミノ酸配
列によって及びDNA配列によって記述されているが、本
発明が該類縁体の生物学的性質に実質的に殆ど影響を与
えないアミノ酸の多少の又は意図しない置換及び除去を
含むよう、該類縁体はそれらの生物学的均等物を含むも
のであることは理解される。種々のホスト細胞中におい
て可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体を発現
させるためには、代わりの配列を使用できることもまた
理解されねばならない。更に、遺伝子コードの縮重のた
め、同じポリペプチド配列をコードするために等価なコ
ドンは置換できよう。
クローニングベクター 複製及び原核細胞又は真核細胞中への組み込みに適
し、そして可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁
体の発現を調節するのに有用な転写及び翻訳ターミネー
ター、開始配列及びプロモーターを含んだクローニング
ベクターがここに記述される。該ベクターは、少なくと
も1つの独立したターミネーター配列、真核細胞及び原
核細胞の双方においてプラスミドの複製を許容する配列
すなわちシャトルベクター、及び原核細胞システム及び
真核細胞システム双方のための選択マーカーを含む発現
カセットよりなる。
原核細胞中における可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュ
リン類縁体の発現 クローン化された配列の増幅のためのE.coli中におけ
るクローニング法の使用に加えて、原核細胞中において
酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体を発現させること
が望ましい。本発明者は、成熟蛋白質の炭水化物部分は
補因子としての活性には必須ではなく、循環中における
該分子の半減期に対する効果を有することを発見した。
E.coli中におけるトロンボモジュリン類縁体の発現は、
この問題の解析のための有用な道具を提供した。可溶性
の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体をコードした発
現プラスミドで形質転換したE.coliから、治療上機能的
な蛋白質を回収することが可能である。
クローン化された遺伝子の細菌中における発現の方法
は周知である。原核細胞システムにおいてクローン化さ
れた遺伝子の高いレベルの発現を得るためには、最小限
mRNA転写終止を導く強いプロモーターを含む発現ベクタ
ーを構成することが必須である。この目的に適した調製
領域の例は、E.coli β−ガラクトシダーゼ遺伝子のプ
ロモーター及びオペレーター領域、E.coliトリプトファ
ン生合成経路、又は、λファージからの左方のプロモー
ターである。E.coli中の形質転換されたDNAベクター中
に選択マーカーを含めることが有用である。そのような
マーカーの例としては、アンピシリン、テトラサイクリ
ン又はクロラムフェニコールに対する耐性を特定する遺
伝子が含まれる。
E.coli中において使用するための選択マーカー及びプ
ロモーターに関する詳細はManiatisを参照のこと。本発
明の記述した具体例においては、pUC19が、所望の遺伝
子配列のサブクローニング及び増幅のためのベクターと
して使用される。
真核細胞中における酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁
体の発現 当業者は所望の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体
の発現のために選択される発現システムについて知識が
あると期待されるから、真核細胞中における蛋白質の発
現のための既知の種々な方法を詳細に記述することはし
ない。
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体をコー
ドするDNA配列は、ホスト細胞培養を形質転換する際に
使用するための種々の発現ベクターに繋げることができ
る。該ベクターは典型的には、マーカー遺伝子及び、異
型遺伝子の転写及び翻訳を開始させるための遺伝子配列
を有する。
該ベクターは好ましくは、形質転換されたホスト細胞
の選択のための、ジヒドロ葉酸還元酵素、メタロチオネ
イン、ヒグロマイシン、又はネオマイシンホスホトラン
スフェラーゼのような表現型特性を与えるためのマーカ
ー遺伝子を含む。Autographa californicaからの核多面
性ウイルス蛋白質は、組換え体を同定するためにSpodop
tera frugiperda及びBombyx moriから形質転換された昆
虫細胞株をスクリーニングする上で有用である。酵母に
関しては、Leu−2、Ura−3、Trp−1及びHis−3が、
選択できるマーカーとして知られている(Gene(1979)
8:17−24)。上記の科学的原理を具現化する既知及び未
知の多くの他のマーカーがあり、それらの全てが、本発
明に包含されるベクターでトランスフェクトされたそれ
らの真核細胞を検出するためのマーカーとして有用であ
ろう。
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の発現
に有用な高等の真核細胞システムのうちには、選択でき
る非常に多くの細胞システムがある。哺乳類細胞株の具
体例には、PRMI 7932,VERO及びHeLa細胞、チャイニーズ
ハムスター卵巣(CHO)細胞株、WI38、BHK、COS−7、C
127又はMDCK細胞株が含まれる。好ましい哺乳類細胞株
はCHL−1である。HCL−1を使用するときは、真核細胞
選択マーカーとしてヒグロマイシンが含まれる。CHL−
1細胞は、直ちに入手できるヒト細胞株であるPRMI 793
2メラノーマ細胞から誘導される。CHL−1細胞株は、ブ
タペスト条約の条件に従って、1987年6月18日にATCCに
寄託されており、#CRL 9446の受託番号を付されてい
る。本発明において使用するに適する細胞は、Americen
Type Culture Collectionから商業的に入手できる。昆
虫細胞株の例には、Spodoptera frugiperda(fall Army
worm)及びBombyx mori(カイコ)が含まれる。
上に示したように、ホスト細胞の形質転換するのに使
用される発現ベクター例えばプラスミドは、可溶性の酸
化抵抗性トロンボモジュリン類縁体蛋白質遺伝配列の転
写を開始させ翻訳を調節する遺伝子配列を含む。これら
の配列は、発現調節配列という。ホスト細胞が昆虫又は
哺乳類起源の場合には、発現調節配列の例には次のもの
が含まれるがこれに限定はされない:レトロウイルスLT
R(long terminal repeat)プロモーター((1982)Nat
ure,297:479−483)、SV40プロモーター((1983)Scie
nce,222:524−527)、チミジンキナーゼプロモーター
(J.Banerji et al.(1982)Cell,27:299−308)又はβ
−グロビンプロモーター(P.A.Luciw et al.(1983)Ce
ll,33:705−716)。発現調節配列を含むレシピエントベ
クターの核酸は、必要に応じて又は所望により制限酵素
を用いて切断されそしてサイズ調整される。このセグメ
ントは、技術的に既知の手段を用いて可溶性の酸化抵抗
性トロンボモジュリン類縁体をコードするDNA配列に繋
げられる。
高等動物ホスト細胞を用いた場合には、ポリアデニル
化または転写停止配列がベクターに導入されねばならな
い。ポリアデニル化配列の例にはSV40からのポリアデニ
ル化配列が含まれ、これはまた転写ターミネーターとし
ても機能する。
適当なベクターに導入された遺伝子は、過度的発現シ
ステム又は安定クローンのいずれかにおいて、直接に蛋
白質を合成するのに使用することができる。前者の場合
には、収率が低いが、実験は速い。後者の場合には、高
産生性クローンを単離するのに一層時間がかかる。種々
のベクターを、これら2つ異なるタイプの実験のために
使用することができる。特に、過度的発現の場合におい
ては、配列は、プラスミドを細胞内において高いコピー
数に複製することを許容する配列をプラスミド内に含め
ることができる。これらの配列は、SV40(例えばC.Doyl
e et al.(1985)J.Cell Biol.,100:704−714)のよう
なウイルスから又はネズミ自立的複製配列のような染色
体複製配列(Weidle et al.(1988)Gene,73:427−43
7)から誘導することができる。過度的発現において使
用するためのベクターはまた、関係遺伝子の転写を調節
するためにSV40初期プロモーター(例えば、A.van Zenn
enfeld et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,83:46
70−4674)のような強いプロモーターをも含まなければ
ならない。過度的発現は遺伝子産物のアッセイのための
迅速な方法を提供する一方、そのプラスミドDNAはホス
ト細胞の染色体には導入されていない。従って、過度的
発現ベクターの使用は、安定なトランスフェクトされた
細胞株を与えない。過度的発現に適したプラスミドの記
述は、A.Aruffo & B. Seed,(1987)Proc.Natl.Acad.
Sci,USA.,84:8573−8577によって与えられている。
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、代
わりに、バキュロウイルスシステムを用いて上述の昆虫
細胞株中においても製造することができる。このシステ
ムは、V.A.Luckow and M.D.Summers(1988)Bio/Techno
logy,6:47−55.によって記述されている。一般的に、こ
の発現システムは、殆どの哺乳類システムによって提供
されるより高い発現レベルを提供する。バキュロウイル
スはホストの昆虫細胞に感染し、非常に多くのサイクル
を通してそのゲノムを複製し、そして次いで大量の多面
体結晶を産生する。この多面体遺伝子は酸化抵抗性トロ
ンボモジュリン類縁体遺伝子で置換することができる。
多面体ロモーターは、次いで培養ホスト細胞の感染及び
バキュロウイルスゲノムの複製に続いて、大量の類縁体
蛋白質を作る。該分泌されない遺伝子産物は、感染3乃
至7日後にホストより回収される。代わりに、もし適当
なシグナル配列が蛋白質上に存在すれば、酸化抵抗性ト
ロンボモジュリン類縁体蛋白質は分泌され得る。
ホスト細胞はトランスフェクションでき又は種々の手
段によってトランスフェクションできるようにされる。
動物細胞にDNAを導入する数種の周知の方法がある。こ
れらは次のものを含む:リン酸カルシウム沈殿法、DEAE
−デキストラン法、DNA含有細菌性プロトプラスとトレ
シピエント細胞との融合、DNA含有リポソームによるレ
シピエント細胞の処理、電気泳動及び細胞中へのDNAの
直接のマイクロインジェクション。B.Perbal,“Practic
al Guide to Molecular Cloning."第2版,John Wiley
& Sons,Nol York及びWigler,et al.(1987)Cell,16:7
77−785を参照のこと。
細胞の培養 ホスト細胞は迅速に細胞培養でき且つ発現した遺伝子
産物を適切にグリコシル化できることが好ましい。組織
培養における高密度増殖のために適していることが知ら
れている細胞は特に望ましく、種々の無脊椎動物又は脊
椎動物の細胞が、正常の又は形質転換した細胞株のいず
れの形でも、技術適に用いられてきた。
トランスフェクトされた細胞は、技術的に周知の方法
により増殖される。例えば、Cell Culture and Virolog
y,Kuchler,R.J.,Dowden,Hutchinson and Ross,Inc.(19
77).中のBiochemical Methodsを参照のこと。発現産
物は、蛋白質がホスト細胞から分泌される場合にはそれ
らのシステム中の細胞培地から、又は、例えば技術的に
周知の機械的又は酵素的手段等によりホスト細胞システ
ムを破裂させた後に細胞懸濁液から、回収される。
可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の精製 本発明は、培養組換え真核細胞により分泌される可溶
性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体を提供する。
該類縁体は、無血漿又は血漿補強培地中で産生され、無
傷で分泌される。原核細胞を用いた場合には、酸化抵抗
性トロンボモジュリン類縁体は細胞内に貯留されるであ
ろう。該類縁体はグリコシル化されていてもグリコシル
化されていなくてもよい。組換え細胞の増殖及びこれに
伴う培養培地中への酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁
体の分泌に続いて、この「条件付けられた培地」が回収
される。該条件付けられた培地は、次いで遠心又は濾過
によりにより透明化されて細胞及び細胞残滓を除去され
る。澄明化された培地中に含有される蛋白質は、例えば
Qセファロース若しくは金属キレート化剤のような任意
の適当な樹脂に吸着させることによって、又は、硫酸ア
ンモニウム分画、ポリエチレングリコール沈殿、又は限
外濾過を用いて濃縮される。技術的に既知の他の手段も
等しく適当であろう。可溶性の酸化抵抗性トロンボモジ
ュリン類縁体の異なる精製は、Galvin,J.B.,et al.(19
87)J.Biol.Chem.,262:2199−2205及びSalem,H.H.et a
l.(1984)J.Biol.Chme.,259:12246−12251に記述され
た仕方で並びにここに開示する具体例において記述され
た仕方で、達成することができる。培養細胞により分泌
された酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の精製は、
例えば、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交
換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー
又は他の蛋白質精製技術等の追加の使用を必要とするで
あろう。
組換え型の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、
非還元性クロマトグラフィー条件下において検出し得る
多くのコンフォメーション形にて産生され得る。低い特
異的活性を有する種の除去が望ましく、陰イオン交換樹
脂又はサイズ排除クロマトグラフィーを含む種々のクロ
マトグラフィー技術によって達成される。
組換え型の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、
加圧透析及び揮発性緩衝液(例えば、N−エチルモルフ
ィン(NEM)、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、及び酢酸ピリジン)へと直接交換された緩衝液によ
って濃縮することができる。加えて、サンプルは、その
ような既発性緩衝液から直接凍結乾燥することができ、
塩類及び界面活性剤を含まない安定な蛋白質粉末を与え
る。加えて、組換え型類縁体の凍結乾燥したサンプル
は、使用前に注入に適合性の緩衝液(例えば、リン酸緩
衝化食塩水)に効率的に再溶解することができる。他の
適当な緩衝剤には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢
酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、グリシ
ン、グルタミン酸塩及びアスパラギン酸塩が含まれる。
トロンボモジュリン類縁体の処方化及び使用 ここに記述した可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリ
ン類縁体は、凍結乾燥した又は液体処方の形態に調製す
ることができる。該材料は、注射用又は静脈内調製物の
としての薬剤学的使用に適した濃度で提供される。
これらの化合物は、単独で又は、一本鎖t−PAのよう
な他の生理学的に許容し得る活性材料と若しくは不活性
な材料、若しくは、例えば水又は生理食塩水のような適
当な担体との混合物として、投与することができる。こ
れらの化合物は、非経口的に、例えば注射によって投与
することができる。注射は、皮下的、静脈内又は筋肉内
であることができる。これらの化合物は、薬剤学的に有
効な量で及び、しばしば、酸付加塩のような薬剤学的に
許容しうる塩として投与される。そのような塩としては
例えば、取り分け、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、
硫酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、クエン酸
塩、グリシン、グルタミン酸塩及びアスパラギン酸塩が
含まれる。ここに記述した類縁体は、ミセル中への導入
によって、高められたin vivo活性を示す。イオン性界
面活性剤ミセル又はリン脂質ミセル中に導入するための
方法は既知である。
ここに記述した該可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュ
リン類縁体を用いて抗血栓症剤が製造でき、これは完全
に精製された類縁体のみ又は上述の血栓溶解剤と組み合
わせよりなることができる。上述の生理学的効果を有す
ることの示された本発明の化合物は、例えば血餅形成の
阻害のような多数の治療的応用に用途を見出すことがで
きる。従って、これらの化合物は、種々の循環性傷害、
例えば心臓又は呼吸器塞栓症、脳卒中、及び血栓溶解療
法後の再閉塞の防止等の治療において治療剤としての用
途を見出すことができ、これらの化合物は、梗塞発生に
際して血餅の更なる拡大を止めるのに使用される。更
に、開示した化合物は、しばしば敗血症、ある種の癌及
び妊娠中毒症と関連する播種性血管内凝固(DIC)のよ
うな全身的凝固疾患の治療に有用でありうる。
これらの化合物な、獣医学的用途のために家畜のよう
な哺乳類に、及びヒトの臨床的用途のために他の治療剤
と同様の仕方で、すなわち生理学的に許容し得る担体中
入れて投与することができる。一般に、投与量はホスト
の体重当たり約0.0001乃至100mg/kgの範囲、それより通
常は0.001乃至0.1mg/kgであろう。これらの投与量は、
所望の循環レベルが達成されるまで長時間かけた持続的
に注入によるか、又は好ましくはボーラス(bolus)注
射として投与する。
多機能性蛋白質 突然変異性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体蛋
白質は、それらのN−末端又はC−端末のいずれかに、
天然トロンボモジュリン配列からのアミノ酸に対応しな
いアミノ酸を有していてもよい。これらの末端アミノ酸
は翻訳後プロセシングの結果であり異型のシグナルペプ
チドに起源をもつものであろう。代わりに、該非トロン
ボモジュリンアミノ酸は、該突然変異トロンボモジュリ
ン類縁体に天然のトロンボモジュリンとは通常関連のな
い生物学的特徴を与える異型の蛋白質配列に対応してい
るものであってもよい。これらの多機能蛋白質は、天然
トロンボモジュリンの活性すなわち例えばトロンビン結
合又はプロテインC活性化補因子活性等に関連する第1
の機能性構成要素と、異型であるすなわち何か他の蛋白
質と関連のある生物学的活性を有する第2の機能性構成
要素とから構成される。第2の機能性構成要素は、多機
能性酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の局在化をも
たらし、細胞表面またはフィブリン血餅のようなin viv
oで起こる特定の組織構造に対する親和性を修飾するも
のであってよい。第2の機能性構成要素は、多機能性蛋
白質の循環半減期を変更してもよい。好ましい1の具体
例においては、第2の機能性構成要素は、蛋白分解活性
のような追加の生物学的活性を与える。好ましい蛋白分
解活性は、プラスミノーゲンのプラスミンへの酵素的切
断である。多機能性トロンボモジュリン類縁体に蛋白分
解活性を与える異型の蛋白質配列は、好ましくは、組織
プラスミノーゲンアクチベーター(t−PA)又はプロ−
ウロキナーゼより誘導される。特に好ましい具体例は、
ヒトt−PAのアミノ酸4−530を含む。第2の機能性構
成要素は、C−末端又はN−末端のいずれにおいて酸化
抵抗性トロンボモジュリン類縁体に結合させてもよい
(図1Bを参照)。
追加の1の具体例においては、多機能性蛋白質は、融
合蛋白質としてでなく化学的な結合によって作り出すこ
とができる。Ruger,et al,(1987)Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 84:7659−7662.及びSmith and Cassels(1988)F
ibrinolysis 2:189−195.はt−PAと他の分子との化学
的な結合を記述している。化学的な結合をさせるために
使用する方法は、しばしばオキシダントの使用を伴う。
従って、酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体はこの具
体例において特に好ましい。これらの分子は、細胞表面
に対する変化した親和性またはフィブリンに対する高め
られた親和性を有する。
抗血栓活性と共にフィブリン分解活性を与える追加の
ドメインを含む多機能性酸化抵抗性トロンボモジュリン
類縁体は、現行の入手できる化合物に比して追加のそし
て優れた有用性を与えるであろう。フィブリン溶解活性
(フィブリン血餅を溶解する能力)は、Haverketet and
Brakman,(1975)Prog.in Chem.Fibrin.Trhomb.1:15−
159に記述されているように、プラスミノーゲンに富ん
だフィブリンプレート上の帯状の透明化を用いてin vit
roで評価することができる。これらの多機能性蛋白質
は、多機能性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体を
フィブリン血餅の部位に導く。異型のドメインによって
本化合物に与えられたフィブリン分解活性は、より優れ
た血栓溶解剤を提供する。例えばt−PAドメインのフィ
ブリン分解作用により血餅が溶解されると、トロンボモ
ジュリンドメインが、トロンビンに結合し血餅マトリク
スのいかなるそれ以上の増大をも阻害するために正しく
必要な位置に配置される。このトロンビンは凝固経路に
よって新たに産生されたか又は溶解する血餅から遊離さ
れたものであろう。多機能性ペプチドの抗血栓活性は、
再潅流に際しては一般的であるような活性酸素中間体の
存在によっては減弱されないであろう。多機能性蛋白質
の治療上有効量は、単独で投与される各々の分子の投与
量より低く、トロンボモジュリン類縁体又はt−PAのい
ずれかの一層広汎な全身的作用についての懸念を減ら
し、結果として生ずるいかなる望ましくない副作用をも
減らすであろう。
t−PA遺伝子の好ましい源は、Bethesda,MarylandのA
merican Type Culture Collection(ATCC)に寄託さ
れ、受託番号第67,443を有するE.coli培養(株MH−1)
からt−PA遺伝子を単離することによって得ることがで
きる。標準的クローニング技術が、t−PAプラスミドを
得、そして上述のように、トロンボモジュリン類縁体を
コードする遺伝子中に異型のドメインを挿入するのに十
分である。
酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体による生体材料の
被覆 循環系のいずれの部位においても、変更された人工器
官としての血管内又は心血管系装置の使用は、変動する
流れ状態下における止血メカニズムの活性化の病理学的
結果としての血液から誘導された塊である、血栓形成を
もたらす。典型的には、人工器官としての血管内又は心
血管系装置に関連する血栓形成は、次の連鎖を含む。
(a) 循環血液への表面の曝露 (b) 血小板の吸着、凝集及び血小板成分の遊離 (c) トロンビン産生及びフィブリン形成 (d) プラスミン産生と繊維素溶解とを要するトロン
ビンの分解。一般的に、血液が人工的表面に接触する
と、該表面は素早く吸収された血漿蛋白質の層を獲得
し、これが、最終的には血栓形成をもたらす活性酸素種
の産生を同時に伴った炎症性応答を媒介する。この一連
の出来事はまた、血液が人工心肺のような体外装置を通
って循環するときにも起こる。
血栓抵抗性を高めるために、そのような血液接触装置
のポリマー性表面には種々の被覆を導入することが望ま
れてきた。酸化抵抗性トロンボモジュリンは、血栓抵抗
性表面をつくり出すのに適した新規の一群の分子を代表
する。それは、それにはインヒビターが知られていない
こと及びこの能力を長時間機能させることができること
から、そのような表面として特に適している。
ここに記載の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体
は、それらが炎症面において活性を失わないからこの目
的に特に有利であり、いくつかの類縁体は、完全長トロ
ンボモジュリン類縁体を豚膵臓エラスターゼで消化する
ときに誘導される蛋白質フラグメントに密接に関係づけ
られる。この固定化された蛋白質の長時間の安定性は、
最も重要えある。従って、より小さい、蛋白分解及びオ
キシダントに抵抗性のトロンボモジュリン類縁体は、血
液中の酵素によって蛋白分解されて生物材料表面からの
活性部分の消失並びにオキシダントによって不活性化の
可能性をもたらし得る完全長分子よりも有利である。固
定化した蛋白質の安定性はまた、抗血栓性有用性をなく
してしまう酸化に対して抵抗性を与える突然変異によっ
て、有意に高められる。酸化抵抗性トロンボモジュリン
類縁体は、取り分け、白血球エラスターゼを含む強力な
白血球プロテアーゼ及び活性酸素中間体が生体材料表面
にアクセスする生理学的ストレス、及び炎症等の期間に
おいては、完全長分子の使用より特に好ましい。
酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、動静脈シャ
ント、静脈内シャント(例えば、臍、血管造影の)、血
管移植組織、心臓弁、人工関節、ペースメーカー、左心
室補助装置その他を含む(しかしこれらに限定されな
い)広汎な生物学的応用において使用されるポリマーの
表面を被覆するのに使用することができる。
酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、生体適合性
ポリマーに結合される。生体適合性ポリマーは、ポリウ
レタン類、シリコンエラストマー類、ヒドロゲル類(例
えば、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート等)、ポ
リエステル類、ポリエーテル類、ポリビニルアルコール
その他のような、生物学的応用の技術において既知で使
用されているいかなる適当なポリマー性生体材料でも又
はそれらの組合せでもよい。
酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、生体ポリマ
ーの活性化の後、該ポリマー材料を被覆するために結合
されることができる。活性化方法は技術的に知られてお
り、被覆すべき化合物上のアミノ、カルボキシル、ヒド
ロキシル又はスルフヒドリル基を利用しうる。活性化
は、グルタルアルデヒド、カルボジイミド活性化COOH、
イソシアナート、シアヌール酸又はヒドロコハク酸イミ
ドエステル類を含む(ただしこれらに限定されない)種
々の既知の単−及び/又は二官能性試薬によって達成で
きる。ポリマーに結合された技術的に既知のスペーサア
ームを、所望により、使用することができる。本発明の
ペプチドの主要な配列に対して又はアミノ酸の化学構造
に対してなした修正は、該ペプチドを生体適合性ポリマ
ーに結合するための手段と呼ぶ。そのような手段は、ポ
リリジン部分、抗体/抗原及びビオチン/アジビン等の
リガンド/アンチリガンド結合ペアのようなスペーサー
アームを含む。
生体適合性ポリマーが一旦被覆されると、それは必要
に応じて手元の手順のための技術の教えるところに従っ
て哺乳類に埋め込まれるか、又は血液が抗凝固的に維持
されなければならない場合において血液と接触するいか
なる装置においても使用され得る。
以下の実施例は、説明として提示するものであり、限
定としてのものではない。
実施例 実施例1 − 酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の
遺伝子の構成 1. トロンボモジュリン類縁体配列の単離 組換えトロンボモジュリン類縁体ペプチドを産生する
ための遺伝子は、それぞれここに参照して導入する、19
89年2月17日に出願した米国特許出願第312,141号、198
9年4月28日に出願した米国特許出願第345,372号、1989
年9月13日に出願した米国特許出願第406,941号及び199
0年2月16日に出願したPCT SN 90/00955なる係属中の各
出願に記述されたところに従って単離された。要する
に、トロンボモジュリンのアミノ酸227−462に対応する
6個のEGF様ドメイン並びにトロンボモジュリンペプチ
ドの他の部分をコードする遺伝子を単離するためにヒト
DNAが使用された(表1を参照)。このDNAはBlin,N and
DW Stafford,(1976)Nucleic Acid Res.3:2302.に従
って、胎児肝臓より単離された。該DNAは、次いで所望
の領域を抱えるように選択された合成的に誘導されたプ
ライマーとのポリメラーゼ鎖反応において鋳型として使
用された(表3及び4、図1A及び2を参照)。
a. アミノ酸227−462をコーとする遺伝子の単離 次の各段階は、アミノ酸(aa)227−462をコードする
挿入DNA及び使用したプライマー#1033及び#1034を得
るための手段を提供する(図2を参照)。代わりのプラ
イマーを使用することによって以下に提示した手順を修
正することにより、他の可溶性の酸化抵抗性トロンボモ
ジュリン類縁体を得ることができることが理解される。
#1033及び#1034プライマーの配列は、所望のドメイ
ンの5′及び3′末端に対応する。しかしながら、それ
らはBamH I部位を含むよう修正されている。終止コドン
(TGA)は、塩基1586に続いて導入した。ポリメラーゼ
鎖反応は、アニーリングの初期温度を37℃とした以外は
Saiki,et al,(1988)Science 320:1350−1354により記
述された条件下において行わせた。10サイクル後、残り
の30サイクルについてはアニーリングの温度を45℃まで
高めた。反応生成物の小部分を5%ポリアクリルアミド
ゲルデ分離し、エチジウムブロマイド染色により可視化
した。予想したサイズ(700塩基対)が鮮やかに見られ
た。代わりに、このバンドの配列を決定し又はその同一
性を確証するために内部プローブニハイブリダイゼーシ
ョンさせることもできる。
b. トロンボモジュリンの他の領域をコードする遺伝子
の単離 ここに記述したポリメラーゼ鎖反応が、同じ仕方で、
表3に掲げた領域に対応するトロンボモジュリンの追加
のフラグメント(これらのいくつかは概念的に図1Aに示
した)を単離するために用いられた。特に、これらの領
域は、1個又はより多くのEGF様ドメイン及び作動可能
にリンクしたグリコシレーションドメインを抱える。所
望の領域を産生するよう選択されたプライマーの配列
は、表4に示す。
c.トロンボモジュリン類縁体遺伝子を含有するクローニ
ングプラスミド i. pUC19pcrTM7 上記a.)の部に記述したポリメラーゼ鎖反応混合物の
残りをBamH Iで制限的に切断し、5%ポリアクリルアミ
ドゲルで分離して、700塩基対のバンドが切り出され溶
出された。それは、BamH Iで制限的に切断されたpUC19
に繋げられ、新しいプラスミドはE.coli株DH5−α中に
導入された。組換えコロニーは、アンピシリン及び5−
ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラク
トシドを含有する培地で選別した。白のコロニーをグリ
ッド上にとり、ランダムプライミングにより32Pで標識
する前にEcoR I及びHind IIIでクローニングプラスミド
(pTM2.1)から切り取られた、トロンボモジュリンのア
ミノ酸283−352に対応する合成的に誘導した遺伝子と、
Grunstein−Hogness法により、ハイブリダイゼーション
した(Boehringer Mannheim)。
フィルターをX線フィルムに曝した後、pTM2.1プロー
ブ(pUC19pcrTM7、図2を参照)とハイブリダイゼーシ
ョンしたコロニーを選択し、培養物を増殖させた。DNA
を抽出し、正しい制限地図を有する挿入片の存在を確認
するため、BamH I又はBgl IIいずれかの制限酵素で切断
により解析した。切り取られた挿入片はまた、ニトロセ
ルロースに移され、標識したpTM2.1とハイブリダイゼー
ションすることにより解析も行った。いずれの方法も、
この700塩基対の挿入片がトロンボモジュリンの6個のE
GF様ドメインについてのコード配列を含むことを確認し
た。該挿入片は、PCRの間に偶発的に突然変異が導入さ
れていないことを確証するため、配列決定した。
ii.他のトロンビモジュリン類縁体遺伝子を含むクロ
ーニングプラスミド (i.)に記述したのと同様の方法を用いて、pTM309及
びpTM323のような他のクローニングプラスミドが構成さ
れた。プラスミドpTM309は、天然トロンボモジュリンの
350−426位のアミノ酸を含有し(EGF様ドメイン4、5
及び6)、pTM323は、227−497位のアミノ酸(EGF様ド
メイン1−6及び作動可能にリンクしたグリコシレーシ
ョンドメイン)を含む。
他のトロンボモジュリン類縁体遺伝子配列を含む追加
のプラスミドが構成された(表3を参照)。
d. AcNPV伝達ベクターの構成 下記の伝達ベクターはまた、ここに参照して導入する
1989年4月28日に出願した係属中の米国特許出願第345,
732号にも記述されている。
i. ヒポデルミンAシグナル配列:pHY1及びpSC716 2つのオリゴマー、COD#1198及びCOD#1199を合成し
た(表4を参照)。これらのオリゴマーはヒポデルミン
Aシグナル配列、翻訳開始コドン、Bgl IIクローニング
部位、BamH I 5′オーバーハンド(overhand)およびKp
nl 3′オーバーハング(overhang)を含む。COD#1198
及びCOD#1199をアニーリングし、pUC19誘導体であるpS
C654中にクローニングし、pHY1を作り出した。ヒポデル
ミンAのシグナルペプチドは表2に示す。
プラスミドpHY1はBamH I及びEcoR Iにより制限的に切
断し、ヒポデルミンAシグナル配列を遊離した。この配
列を、次いでpSC714と繋げてベクターpSC716を作り出し
た。プラスミドpSC714はpVL1393の誘導体であり、Summe
rs,et al.より得られた。両者間の唯一の相違は、pSC71
4においてはBgl II部位の1つが破壊されていることで
ある。
ii. pHY101の構成 pUC19pcrTM7からのBamH IフラグメントをpHY1のBgl I
I部位中にクローン化し、オリエンテーションはヒポデ
ルミンAシグナル配列がアミノ酸227に隣接するように
選択した。このプラスミドはpHY101である。
iii. AcNPV伝達ベクターpTMHY101の構成 プラスミドpHY101をBamH I/EcoR Iで処理し、これは
トロンボモジュリン類縁体コード配列に連結したヒポデ
ルミンAシグナル配列を遊離した。シャトルベクターpV
L1393は、部分的に除去されたAcNPVポリヘドリン(poly
hedrin)遺伝子及び独特のBamH I及びEcoR Iクローニン
グ部位を含む。pHY101からのこのBamH I/EcoR Iフラグ
メントを多面体プロモーターの下流に挿入し、こうして
プラスミドpTMHY101を作り出したが、その中ではハイブ
リッド遺伝子はポリヘドリンプロモーターの調節下にあ
る。このプラスミドを図4に示す。
iv. 他のACNPV伝達ベクターの構成 他のトロンボモジュリン類縁体遺伝子配列を含む伝達
プラスミドを、上に概説したのと同様の戦略を用いて構
成した。トロンボモジュリン類縁体遺伝子配列がヒポデ
ルミンAシグナル配列に融合するように上述のクローニ
ングプラスミドからのフラグメントを、フレーム中pSC7
16中にクローニングした。トロンボモジュリン遺伝子配
列を表3に掲げ、図1Aに概念的に示す。
2. 部位指向性突然変異生成 天然トロンボモジュリンの6個のEGF様ドメイン領域
(6EGF)は、291位に1個そして388位に1個の、2個の
メチオニン残基を有する(表1を参照)。部位指向性in
vitro突然変異生成を、これらのメチオニンのいずれか
又は双方を他のアミノ酸に変換するために使用した。部
位指向性突然変異生成は、単鎖鋳型DNAの核酸配列を特
異的に変更するために、所望の核酸の置換、挿入又は除
去を含む合成的DNA配列を使用する。この合成的DNAの鋳
型DNAへのハイブリダイゼーション及びこれに続くプラ
イマー・エクステンションは、所望の突然変異を生み出
すために細胞の形質転換をすることができるヘテロデュ
プレックスのDNAを産生する。この過程を描くダイアグ
ラムを図3に示す。
a. プラスミドpTHR14 Ase I−Sca Iフラグメント上に含まれた複製のF1起点
を、あらかじめNde I及びSca Iで消化した昆虫細胞伝達
ベクター、pTMHY101中に繋げることによって、単鎖DNA
コピーを作るためのプラスミドを構成した。プラスミド
pTMHY101は、トロンボモジュリンの6個のEGF様ドメイ
ンに対応するペプチド(アミノ酸227−462)を産生する
遺伝子配列を含む。数227−462は、天然トロンボモジュ
リン配列に対応するアミノ酸を指す(表1)。アミノ酸
227−462は、6個のEGF様ドメインよりなる。pTMHY101
は、継続中の米国特許出願第345,372号に完全に記述さ
れ、図4にダイアグラムとして示す。
b. 部位指向性突然変異生成 別に述べる場合を除き第2鎖の合成を開始させそして
メチオニンの一方又は双方が非酸化性アミノ酸に変更さ
れたトロンボモジュリン類縁体遺伝子を作り出すため
に、特異的な突然変異生成オリゴヌクレオチドプライマ
ーを合成し、MUTATOR TM−DNAポリメラーゼIII部位指向
性突然変異生成キット(カタログ#200500、Stratagen
e,La Jolla,CA)と共に使用した。好ましいアミノ酸で
あるロイシン、グルタミン又はアラニンへの変換を導く
プライマーを、表5に示す。これらのプライマーには、
突然変異生成が成功したか否かを判定するため有用な独
特の制限酵素部位を加えるが必ずしも対応するアミノ酸
配列に変更を生じないものである、遺伝子配列の置換も
含まれる。表5に示したプライマー中において核酸の置
換部には下線を付した。例えば、プラスミドpTHR28にお
いては、天然トロンボモジュリン蛋白質の388位のメチ
オニンはロイシンに置換され、その過程で独特なPvu II
部位が導入されている。他の代わりの非酸化性アミノ酸
が本発明において等しく有用であることは理解される。
他の既知の手順も等しく適するであろうが、精製され
た単鎖DNA鋳型をBio−Rad(Muta−Gene Phagemid in vi
tro Mutagnesis,Instruction Manual,Cat.no.170−357
6,p.33−34)により記述された手順を用いて調製した。
各突然変異生成プライマーの5′末端は、2mMのrAT
P、0.4U/μのポリヌクレオチドキナーゼを含む溶液中
の0.5ng/μのプライマーを、アニーリング緩衝液(20
mMトリス塩酸pH7.5、8mMのMgCl2及び40mMのNaCl)中に
て37℃で30分間インキュベートすることによって、リン
酸化した。反応混合物を65℃で15分間インキュベートす
ることにより、反応を熱不活性化した。リン酸化は突然
変異生成の成功率を高めた。100ngの鋳型と2.5ngのプラ
イマーとを25μのアニーリング緩衝液中で65℃にて5
分間加熱し、次いで混合物を冷却し室温にて10分間アニ
ーリングすることにより、リン酸化されたプライマーを
単鎖鋳型にアニーリングした。Tsurushit,N.,et al,198
8)Gene 62:135−139及びO'Donnell,M.E.,et al,(198
5)J.Biol.Chem.260:12875−12883に記述されたのと本
質的に同様に、二重鎖DNAをプライマー・エクステンシ
ョン法により作成した。要するに、鋳型/プライマー混
合物を、80μg/mlの牛血清アルブミン、2.5mMのジチオ
スレイトール、0.25mMの混合dNTP、2mMのrATP及び1%
のグリセリン並びに1μgの単鎖DNA結合蛋白質を添加
した10%のアニーリング緩衝液で希釈(1:1)した。結
合蛋白質が単鎖DNA鋳型を覆うことを許容するよう、反
応物は室温にて5分間インキュベートした。DNAポリメ
ラーゼIIIホロ酵素(E.coli、50単位溶液の1.7μ)を
添加し、反応物を30℃にて10分間インキュベートした。
T4 DNAリガーゼを添加し(0.5μ、2Weiss単位)そし
て、反応物を30℃にて更に5分間インキェベートした。
この混合物をE.coliを形質転換するために使用し、適正
に突然変異したクローンを制限消化パターンによ選別し
た。表3は、pTMHY101から作り出された新規プラスミド
を、各々の中のアミノ酸置換部と共に掲げる。
3. 他の遺伝子配列の部位指向性突然変異生成 上に概説した方法を用いて、表3に掲げたトロンボモ
ジュリン類縁体遺伝子配列中において類似のアミノ酸置
換を行う。
実施例2 − 酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体蛋
白質の製造 昆虫細胞(Spodoptera frugiperda(Sf9))中のAuto
grapha california核多面性ウイルス症ウイルス(AcNP
V)システムを用いて、酸化抵抗性蛋白質を製造した。
このシステムにおいて、相同的組換えによって、野生型
のAcNPVポリヘドリン遺伝子を外来遺伝子配列に置換し
た。
1. 純粋なファージのストックの製造 細胞のトランスフェクションは、Summers and Smith
に従って昆虫用に修正したリン酸カルシウム沈殿法を用
いて行った。要するに、T25フラスコに2×106のSf9細
胞を播種し、そして細胞を室温にて1時間接着させた。
2μgの伝達ベクター、例えばpTHR28、及び1μgのAc
NPV DNAをリン酸カルシウム中に共沈させ、細胞と共に
4時間インベートした。細胞を濯ぎ、再び増殖培地を与
え、次いで28℃にてインキュベーター中に3、4日置い
た。このインキュベーションの間、細胞は組換え及び非
組換えウイルスを産生し、これらは増殖培地中に蓄積し
た。混合ウイルスのストックを含有するこの培地を、プ
ロテインC補因子活性の存在につきアッセイした(下を
参照)。
組換えウイルスはプラークアッセイによって検出され
た。トランスフェクションの4乃至7日後にトランスフ
ェクションストックを希釈(10-4、10-5及び10-6)し、
プレートに播いた。プレートに播いて7日後に、閉塞陰
性(組換え型)プラークを採取し、再度プレートに播い
た(10-1、10-2及び10-3希釈)。7日後、プレートは10
0%純粋な閉塞陰性組換えプラークを示した。産生用に
各々からの単一のpfuを選別した。単一のpfuで5mlのSf9
細胞(Excell 400培地(JR Scientific)中1×106/m
l)を感染させ4、5日増殖させることにより、高いタ
イターのウイルスストックを増殖させた。このストック
の一部を次いで中間対数相まで増殖したSf9細胞中に1:5
0乃至1:100に希釈し、蛋白質ストックを製造させた。
2. 組換え蛋白質の製造 T25フラスコに、10%FBSを加えたTHN−FH培地又はExc
ell 400の5ml中2×106個の密度にSf9細胞を播種し、次
いで単離した組換えプラークを感染させた。3日後、ウ
イルスストックを回収した。フラスコ(30乃至100mlシ
ェーカーフラスコ又は100乃至300mlのスピンナーフラス
コ)に細胞を播種し(1−1.8×106/ml)、最終液量の1
/50乃至1/100に等しいウイルスストックの部分液で感染
させた。組換ええ型酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁
体蛋白質を含有する条件付けられた培地の回収前に、感
染した細胞培養物を4日間増殖させた。
実施例3 − トロンボモジュリン活性のアッセイ 突然変異型酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体によ
るトロンボモジュリン活性の保持は、該新規ペプチド
の、プロテインCのトロンビン媒介活性化のための補因
子として働く能力を評価することにより、最初にアッセ
イした。
1. 材料 家兎のトロンビン、ヒルジン及びヒトのプロテインC
はAmerican Diagnosticaにより提供された。ヒトのトロ
ンビンは、種々の非商業的及び商業的ソースから入手可
能である。牛トロンビンはMile Labs,Dallas,Texas.か
ら入手した。D−valyl−L−leucyl−L−arginine−
p−ニトロアニリド(S−2266)及びD−Phe−Pip−Ar
g−p−ニトロアニリド(S−2238)はKabi Diagnostic
aより入手した。牛血清アルブミン(第5分画)及びク
エン酸添加ヒト血漿は、Sigma Chemicalsより入手し
た。ミクロタイタープレートは、Corningより提供され
た(#25861−96)。他の全ての試薬は入手しうる最高
グレードのものであった。
2. アッセイ方法 プロテインC活性アッセイ(色素原性)は、ミクロタ
イタープレート中、次の蛋白質の各20μを混合するこ
とにより行った:トロンボモジュリンサンプル(未知又
は標準)、トロンビン(3nM)、及びプロテインC(0.1
5乃至1.5μM)。各蛋白質用のアッセイ希釈液は、20mM
トリス塩酸、0.1MのNaCl、2.5mMのCaCl2、5mg/mlのBS
A、pH7.4であった。ウェルは0.5乃至2時間の間37℃に
てインキュベートし、その後、アッセイ希釈液への20μ
のヒルジン(0.16単位/μ、370nM)の添加により
プロテインCの活性化を停止し、そして更に10分間イン
キュベートした。
形成された活性化プロテインCの量は、100μの1.0
mM S−2266(アッセイ希釈液中)を添加し、プレートを
37℃にてインキュベートし続けることによって検出し
た。Molecular Devices製プレートリーダーを用いて、
各ウェルの405nmの吸収を30分の間10秒毎に読みとっ
た。吸光度データを貯蔵し、そして各ウェルの1秒当た
りの吸光度変化(勾配)を計算した。1秒当たりの吸光
度の変化は、活性化プロテインCのpmole/mlに比例す
る。この比率は、総活性化プロテインCの変化する濃度
を用いて実験的に決定した。100%活性化プロテインC
を含有するサンプルは、0乃至1.5μMのプロテインC
を60nMの天然の家兎トロンボモジュリン及び30nMのトロ
ンビンと混合し、0乃至4時間インキュベートし、ヒル
ジンを加えS−2266の変換を上記のように測定すること
によって産生した。100%のプロテインCが活性化され
る条件を、S−2266変換(A405/秒)がプラトーに達す
る条件と定義した。
活性の単位は、上に定義した試験条件下において、1m
l当たり1分当たり1pmoleの活性化プロテインCの産生
として定義される。代わりに、報告した活性値は、家兎
のトロンボモジュリン又は野生型(非突然変異)のトロ
ンボモジュリン類縁体6h/227−462を標準として用いて
計算された。蛋白質分子量を導くのにアミノ酸分析を用
いることにより、1 nmoleの野生型トロンボモジュリン
類縁体(6H/227−462)が1 mmoleの家兎天然トロンボモ
ジュリンに等しい苛性を有することが決定された。
3. オキシダントに暴露した後の活性 オキシダントに対する突然変異トロンボモジュリン類
縁体ペプチドの抵抗性を特に実験するために、クロラミ
ンT(N−クロロ−p−トルエンスルホンアミドナトリ
ウム塩、Sigma)を使用した。突然変異トロンボモジュ
リン遺伝子配列又はpTMHY101(野生型、aa227−462)に
よりコードされたップチドを含むトランスフェクション
培養上澄(1ml)を、NAP−10カラム(LKB/Pharmacia)
上で脱塩してpH7.0で0.008%のTween 80を含む1.5mlの
0.2%N−エチルモルホリン(NEM)中に溶液とし、次い
で凍結乾燥しそして100μの上記緩衝液に再懸濁し
た。サンプルを均等に分割し、5μの水(対照)か又
は5μの0.1MクロラミンT(最終濃度9.1nM)を加え
た。サンプルを室温にて20分間インキュベートし、次い
でNAP−5カラムに移し、オキシダントを全て除去し
た。使用した脱塩緩衝液をプロテインCアッセイ希釈液
とした。下に示した結果は、クロラミンTに曝露した後
も突然変異ペプチドはその全ての活性を保持し、一方野
生型ペプチドは実質的に不活性化されたことを実証し
た。活性は天然トロンボモジュリンに対するnM等量で報
告されている。
蛋白質量の損失は、いずれのサンプルにおいても検出
されなかった。他の突然変異トロンボモジュリン類縁体
は、類似の結果を示した。
実施例4 − 精製及び特異的活性 酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、条件付けら
れた培地から細胞残滓を除去し、5つのクロマトグラフ
ィー段階によって精製された。すなわち、1)Qセファ
ロース、2)トロンビン親和性、3)ゲル濾過、4)陰
イオン交換、及び5)第2のゲル濾過段階である。各ゲ
ル濾過段階は、緩衝液の交換をもたらす。全てのクロマ
トグラフィー段階は4℃にて行った。
1. クロマトグラフィー樹脂のいくつかは、市販のもの
を入手した。Qセファロース及びセファデックスG25はS
igma(St.Louis,MO)より入手し、MonoQ 5/5TMはPharma
cia LKB(Piscataway,NJ)より入手した。
DFP−トロンビンアガロースは、凡そ次のようにして
調製した。100mlの20mMリン酸ナトリウム、pH7.5中の36
0mgの牛トロンビンを約100mlの50%Affigel 10樹脂懸濁
液に加え、4℃にて終夜混合した。Affigel 10は、メー
カーによる記載の通りにして使用のために準備しそして
サンプル装填用緩衝液と平衡化させた。残存活性エステ
ルは、100mlの0.1Mグリシン(pH5.6)の4℃1時間の添
加によりブロックした。ゲルは次いで30mMのトリス塩
酸、2MのNaCl、pH7.5で平衡化し、そしてDFPの最終濃度
約1mMを得るよう、20μのDFPを加えた。4℃にて16時
間の混合の後、追加の6μのDFPを加え、そして混合
を更に4時間続けた。次いで樹脂を20mMのトリス塩酸、
2MのNaCl、pH7.5で洗浄し、4℃に貯蔵した。
トロンビン活性は、Kabi S−2238基質を用いて測定し
たところ、86%を超えるトロンビンが溶液から除去さ
れ、そしておそらく樹脂に結合したことが示され、樹脂
1ml当たり約6mgのトロンビンの最終濃度を与えた。DFP
処理樹脂の酵素活性は、当初活性の1%未満であった。
2. 純粋なMet388Leuペプチドの製造 条件付けられた培地を回収し、1400×gで10分間遠心
することにより澄明化した。氷酢酸でpHを約6.0から約
5.2に調整した。調整した培地を次いでQセファロース
樹脂のカラムに載せた。カラムは、約4カラム体積分の
洗浄緩衝液1(117mMの酢酸ナトリウム、0.02%のNa
N3、pH5.0)で予め平衡化させておいた。載せた後、カ
ラムを洗浄緩衝液2(25mMの酢酸ナトリウム、0.1MのNa
Cl、pH5.0)で洗浄し、次いで酸化抵抗性トロンボモジ
ュリン類縁体を0.3MのNaClを含有するpH5.0の洗浄緩衝
液2で溶出させた。
プロテインC活性化アッセイ(上を参照)において測
定したとき活性を含有するカラム分画をプールし、次い
で0.3MのNaCl、20mMのトリス塩酸、0.5mMのCaCl2、0.02
%のNaN3、pH7.5、で希釈した。希釈した液のpHを測定
し、NaOHで約7.5に調整した。プールした液のイオン強
度は、凡そ約0.3MのNaClのイオン強度であった。この調
整したプールを、条件付けられた培地を希釈するのに用
いたのと同じ緩衝液で予め平衡化したトロンビンアガロ
ースカラムに、終夜、重力により載せた。カラムを希釈
緩衝液で洗浄し、そしてトロンボモジュリン類縁体を1.
5MのGuHCl、2.0MのNaCl、20mMのトリス塩酸、1mMのEDTA
ナトリウム、0.02%のNaN3、pH7.5で、マトリクスから
除去した。
実質的に純粋の、活性の酸化抵抗性トロンボモジュリ
ン類縁体をセファデックスG25カラムにかけ、0.2%の酢
酸N−エチルモルホリン(NEM)、pH7.0で回収した。こ
の段階はGuHCl及びNaClを除去する。
セファデックスG25カラムから回収した酸化抵抗性ト
ロンボモジュリン類縁体を、次いで、0.2%のN−エチ
ルモルホリン(NFM)、pH7.0、で予め平衡化させたMono
Qカラム(Pharmacia,10μm粒子、第4級アミン)にか
けた。この緩衝液で洗浄した後、種々の形態を0乃至0.
4MのNaCl勾配を用いて分離した。各分画のサンプルを、
非還元性条件下にSDS−PAGEゲル上で評価した。積み上
げゲルに3.3%のアクリルアミド、分離ゲルに12.5%の
アクリルアミドを用いてLaemmliの方法でSDSポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動を実施した。還元されていないサ
ンプルをLaemmliサンプル可溶化緩衝液(50mMのトリス
塩酸、pH6.8、25%のグリセリン、2%のSDS及び0.01%
のブロムフェノールブルー)で希釈し、ゲル上に直接載
せた。Pharmacia LMW Calibration Kit蛋白質標準を分
子量マーカーとして使用し、ゲルを銀染色した。これら
の条件下に、単一のバンドのみが銀染色によって見られ
た。
近似の可動性を有するペプチド分有分画をプールし、
次いで総蛋白質量及びプロテインC活性化アッセイにお
ける活性をアッセイした。最高の特異的活性を含有する
ピークを、同じ手順を用いて精製しておいた野生型トロ
ンボモジュリン類縁体ペプチド(突然変異のない天然配
列)を含有するペプチド分画と比較した。Met388Leu
トロンボモジュリン類縁体の特異的活性は、野生型トロ
ンボモジュリン類縁体の1.93培(3つのタイプの蛋白質
定量の平均)であった(803,000+/−79,000単位/mg対
416,000+/−19,000単位/mg)。
4. オキシダントに暴露した後の活性の保持 精製蛋白質(Me388Leu)を、クロラミンT及び過酸
化水素に暴露した後に活性を保持する能力につき評価し
た。pH7.0の0.2%NEM中に各精製サンプル蛋白質(5μ
、突然変異又は野生型)を含有する3つの部分液を、
50μのプロテインCアッセイ希釈液で希釈した。サン
プルに、5μの水、5μの0.1クロラミンT(CHT)
(最終濃度8.33mM)の又は5μの30%過酸化水素(最
終濃度0.74M)のいずれかを加えた。サンプルを室温に
て20分間インキュベートし、プロテインCアッセイ希釈
液で200培に希釈しプロテインC補因子活性につきアッ
セイした。表に示した結果は、突然変異トロンボモジュ
リン類縁体はオキシダントに暴露した後も活性を保持す
ることを確認している。
実施例5 − トロンボモジュリンのMet388Leu突然
変異体の酸化抵抗性及び特異的活性に関する追加データ 上に論じたように、クロラミンTは、in vivoで遭遇
し得るN−クロロアミン類及び他の強いオキシダント類
のモデルである。酸化的不活性化に対する抵抗性に関す
るMet388Leu突然変異の利点についての我々の最初の
観察は、更に2つの形態のトロンボモジュリンを試験す
ることによって拡張され且つ確認された。第1の形態は
N−末端ドメイン、6個のEGF様ドメイン、及び作動可
能にリンクしたグリコシレーションドメイン〔アラニン
1(APAEPQ...)からセリン497(...GLVHS)まで、すな
わちトロンボモジュリンの残基1−497〕よりなる、可
溶性の類縁体、DNFLであった。この可溶性トロンボモジ
ュリン類縁体は、従って、トロンボモジュリンの全ての
細胞外ドメインを有する。第2の形態は、Cos 7細胞の
表面に発現された完全長トロンボモジュリン(FL−TM)
であった。
1. 可溶性トロンボモジュリン類縁体、DNFLの酸化的不
活性化 DFNL(Ala1乃至Ser497)可溶性トロンボモジュリン類
縁体をコードするDNAを、複製のSV40起点及びCMVプロモ
ーターを有する哺乳類細胞発現ベクター中に挿入した。
ベクターpTHR324は、天然ヒトトロンボモジュリン配列
を含み、pTHR329はM388L突然変異を含む。
Cos 7細胞(SV40形質転換アフリカミドリザル腎臓細
胞)を、Opti−Mem培地(Gibco)中で増殖させた。
プラスミドpTHR324及びpTHR329を、リポフェクション
によりCos 7細胞中にトランスフェクションさせた。ト
ランスフェクション後48乃至72時間の間に細胞培地を回
収した。可溶性のトロンボモジュリン含有培地を、10mM
のクロラミンTで30分間酸化し、15mMのN−アセチルメ
チオニンを添加することにより酸化反応を停止させた。
酸化された培地を、トロンボモジュリン依存性プロテイ
ンC活性化についてアッセイした(H.Salem et al.,J.B
iol.Chem.,259:12246(1984).ここに参照して導入す
る。)。
活性化されたプロテインC(APC)アッセイには、ヒ
トのα−トロンビン(Sigma)、組換えプロテインC(G
enzyme)、ヒルジン及び色素原基質S−2266(KabiVitr
um)を使用した。全ての試薬を、96ウェルプレート中の
60μのアッセイ希釈液(20mMのトリス塩酸、0.1MのNa
Cl、2.5mMのCaCl2、0.5%のBSA、pH7.4)に希釈した(3
7℃)。プロテインCの最終濃度は0.5μM、トロンビン
のそれは1nMとした。希釈されたサンプルを、60分間イ
ンキュベートし、ヒルジンで停止させ、そしてS−2266
加水分解物405nm(体積180μ)で2回読んだ。
結果を図5に示す。
2. Cos 7細胞上の完全長トロンボモジュリンであるFT
−TMの酸化 完全長トロンボモジュリンをコードするDNA(Ala1乃
至Leu557)を、複製のSV40起点及びCMVプロモーターを
含む哺乳類細胞発現ベクター中に挿入した。ベクターpT
HR402は天然のヒトトロンボモジュリン配列を含み、pTH
R403はM388L突然変異を含む。
Cos 7細胞をOpti−MEM培地(Gibco)中で増殖させ
た。
プラスミドpTHR402及びpTHR403を、Cos 7細胞中にリ
ポフェクションでトランスフェクトした。トランスフェ
クション後48乃至72時間の間に、細胞を回収した。培養
をA549細胞による並列的アッセイ(I.Maruyama et al.,
Blood,69:1484(1987).ここに参照して導入する。)
に基づき、細胞当たりのFL−TMコピー数は100,000と20
0,000の間にあると評価した。リン酸緩衝液(PBS)(Gi
bco)を用いて細胞を遠心により洗浄し、そして2.5×10
6細胞/mlに再懸濁させた。細胞を、クロラミンTにより
25℃にて図6に示した時間及び濃度にて酸化した。酸化
の後、細胞PBSで洗浄し、細胞結合性トロンボモジュリ
ンについてアッセイした(I.Maruyama et al.(198
7).ここに参照により導入する。)。細胞を37℃で10
分間、3nMのヒトのトロンビンと共にインキュベート
し、PBSで洗浄し、次いでプロテインC(Genzyme)と共
に37℃にて1時間インキュベートした。プロテインC活
性化をヒルジンの添加により停止させた。遠心により細
胞を除去し、S−2266加水分解物を405nm(体積180μ
)にて2回読んだ。図6において、pPA045の記号を付
した棒は、pPA045すなわち、複製のSV40起点、CMVプロ
モーター及びヒトt−PAをコードしたDNAを含む対照プ
ラスミドで同じ手順によりトランスフェクトした、酸化
しなかった対照Cos 7細胞を示す。
3. STM−6EGFにおけるMet338の他の全てのアミノ酸に
よる置換及びAPC活性の測定 STM−6EGFの名称は、6個のEGF様ドメイン(すなわち
トロンボモジュリンアミノ酸227−462)を含有するトロ
ンボモジュリン類縁体をいう。STM−6EGFの突然変異体
は、E.coliにおいて次のようにして調製した。
単鎖DNAを調製し、前記のようにPromegaからのプラス
ミド及び方法を用いて突然変異生成を行った。Met
388は、複製のF1ファージ起点を含むpGEM3zfからのScal
−Saclフラグメントと共に、pSelect1(pS1)のEcoR V
−BamH1部位中に挿入された6個のEGF様ドメインを含
む、E.coli発現ベクターpTHR211中において他のアミノ
酸に変換された。Met388の、グルタミン、ロイシン又は
アラニンへの変更を有するSTM−6EGF突然変異体は、バ
ギュロウイルスベクターからMlu1−Not1フラグメントと
して採られ、E.coliベクター中に挿入された。
バキュロウイルスベクターは次のようにして調製し
た。前記したように特異的にアミノ酸を変化させ且つ突
然変異体の選別のための制限部位を作り出すために、突
然変異オリゴマー(27−55塩基対)を、6EGFドメインを
含む単鎖DNAベクターにハイブリッド化した。バキュロ
ウイルスベクターpTHR14は、pEMBL8+からの複製のF1起
点をNde1及びSca1で切断したpTMHY101中に挿入すること
により作られた。突然変異試験は、Stratageneより入手
した。形質転換体を、突然変異オリゴマー中に作られた
制限部位についてスクリーニングした。突然変異蛋白質
を発現すE.coli DH5α培養物のマッチさせたサンプル
をペレット化し、洗浄し、そして細胞ペレットを、20%
ショ糖、300mMトリス、pH8.0、1mMのEDTA、0.5mMのMgCl
2中にて培養(10分間、4℃)した。細胞ペレットを遠
沈し続いて0.5mMのMgCl2で処理(10分間、4℃)するこ
とによりショッケート(Shockate)上澄を調製し、そし
てAPCアッセイ(上述)にてアッセイした。ウエスタン
ブロット分析は、変換変異蛋白質が全ての例において発
現されていることを実証した。図7に示したデータは、
各突然変異体又は対照プラスミド、pS1についてアセン
ブルした、3つの独立した構成からの3つのショッケー
トのデータの平均である。
図5(部分的に精製した可溶性DNFLについて)及び図
6(細胞全体についてのFL−TMについて)における結果
が示すように、M388Leu突然変異(M388L)は、クロラ
ミンTによる酸化に対し、より高いレベル及びより長時
間の曝露に対するトロンボモジュリンの抵抗性をもたら
す。
DNEL及びFL−TMの双方とも、6EGF構造中のMet291に加
えて追加のアミノ酸として、メチオニン(Met42;Met 20
5;M532(FL−TMのみ))及びトリプトファン(Trp69;Tr
p92;Trp104;Trp135;Trp217;Trp225)を有し、これらは
酸化され得るということに注意しなければならない。こ
れらの酸化可能残基の存在にもかかわらず、単一のMet
388Leu部位突然変異は、不活性化的酸化に対するトロ
ンボモジュリンの抵抗性を大きく改善する。
実施例6 − 昆虫細胞から精製されたトロンボモジュ
リン類縁体の、トロンビンに関する解離定数(Kd)及び
動力学的パラメーター(プロテインCに関してはKM、複
合体に関してはkCat)、の測定 昆虫細胞からのSTM−6EGFのトロンボモジュリン精製
のサンプルの、トロンビンに関する解離定数(Kd)及
び、動力学的パラメーター(プロテインCに関しては
KM、複合体に関してはkCat)を測定するため、同じミク
ロタイタープレートにおいて並列的にアッセイし、また
アミノ酸分析にも付した。
測定は、修正アッセイ希釈液(20mMのトリス塩酸、0.
1MのNaCl、0.25mMのCaCl2、0.1%のNaN3、0.5%のBSA、
pH7.5)中96ウェルのプレート中で行った。Kd測定につ
いては、トロンビン(1nM)をトロンボモジュリン類縁
体(1乃至200mM)に加えた。反応はプロテインCの添
加(3μM)により開始した。いずれも最終濃度であ
る。各トロンボモジュリン濃度は3検体調製した。混合
物を10乃至15分間(75μ、20℃)インキュベートし、
そしてヒルジン(800nM)により停止させた。修正アッ
セイ希釈液中の100μ/ウェルのS−2266基質を次い
で添加した(2mM,fc)。
KM及びkCatの測定には、トロンビン(1nM,fc)、トロ
ンボモジュリン類縁体(100nM,fc)及び8濃度のプロテ
インC(2−12μM,fc)を使用した。プロテインCの各
濃度について、各時間点は、1分と9分との間1分間隔
で停止しAPCにつきアッセイした。APC濃度は、37℃に
て、38mMのトリス塩酸、0.1MのNaCl、1mMのCaCl2、0.2
%のBSA、0.06%のPEG−6000、0.05%のNaN3、pH7.8中
において、3.9mMのS−2266で、発生するp−ニトロア
ニリン(E=9920M-1cm-1)により、そして完全活性化
組換えプロテインCについて測定された762分-1のkCat
を用いて測定した。背景APCについて補正した後、速度
を決定するために、APC濃度は時間に対してプロットさ
れた。各動力学的パラメーターの測定は少なくとも2回
行った。
表6に結果を示す。STM−6EGF(wt)については、特
異的活性が232,000±72,000単位/mg(n=3)であり、
STM−6EGF−M388Lについては特異的活性は465,000±19,
000単位/mg(n=2)であった。この実験における特異
的活性の比率は2.0である。
実施例7 − 治療的応用 可溶性の酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体は、特
に人工股関節のような整形外科的手術を受ける患者にお
ける深部静脈血栓症の発生を防止するために使用される
であろう。酸化抵抗性トロンボモジュリン類縁体の投与
は、予防剤として意図する場合には手術前にするのが好
ましいが、しかし手術中又は術後にも患者に投与してよ
い。既に患者が種々の他の物質を投与されているとき
は、静脈内投与は便利な投与経路であるが、皮下又は筋
肉内投与は等しく効果的であろう。酸化抵抗性トロンボ
モジュリン類縁体は、例えば酸付加塩、グルタミン酸塩
又はアスパラギン酸塩のような薬剤学的に許容し得る担
体中にて投与されるであろう。投与量範囲は、患者体重
当たり約0.0001乃至100mg/kg、そしてより通常は0.001
乃至0.1mg/kgであろう。適切な投与量は、APTTアッセイ
において患者の血清のサンプルを評価することによりモ
ニターされる。治療上有効な投与量は、所望のレベルの
抗凝固が達成されるまで、ある時間にわたる一定の注入
によりこれらの患者に与えられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C12P 21/02 C12N 5/00 B (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ライト,デイビッド,リチャード アメリカ合衆国94402、カリフォルニア、 サンマテオ、サウスフレモントストリー ト 614 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 A61P 1/00 - 15/12 C07K 14/00 - 14/825 C12N 5/00 - 5/28 C12N 9/00 - 9/99 C12P 21/00 - 21/08 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) WPI(DIALOG)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然トロンボモジュリンの生物学的活性を
    実質的に除去する濃度及び条件下においてオキシダント
    に暴露した後生物学的活性を保持するトロンボモジュリ
    ン類縁体ペプチドであって、 表1に示したアミノ酸配列の291位又は388位に位置する
    メチオニンの一方又は双方がペプチド結合か又はメチオ
    ニン以外のアミノ酸によって置換されているアミノ酸配
    列を有するトロンボモジュリン類縁体ペプチド。
  2. 【請求項2】388位のメチオニンが置換されている請求
    項1のトロンボモジュリン類縁体ペプチド。
  3. 【請求項3】トロンビンに結合しそしてプロテインCの
    トロンビン媒介活性化を高める能力の測定により、388
    位のメチオニンが置換されていないトロンボモジュリン
    類縁体ペプチドより高い特異的活性を有する請求項2の
    トロンボモジュリン類縁体ペプチド。
  4. 【請求項4】291位のメチオニンが置換されている請求
    項1のトロンボモジュリン類縁体ペプチド。
  5. 【請求項5】トロンビンに結合しそしてプロテインCの
    トロンビン媒介活性化を高める能力の測定により、291
    位のメチオニンが置換されていないトロンボモジュリン
    類縁体ペプチドより高い特異的活性を有する請求項4の
    トロンボモジュリン類縁体ペプチド。
  6. 【請求項6】291位および388位のメチオニン残基の少な
    くとも一つがロイシン、グルタミン及びアラニンよりな
    る群から選ばれたアミノ酸残基によって置換されている
    請求項1のトロンボモジュリン類縁体ペプチド。
  7. 【請求項7】1)請求項1に記載のトロンボモジュリン
    類縁体ペプチド、及び 2)フィブリン溶解活性を有する第2の機能性成分 を含んでいる多機能性トロンボモジュリン類縁体分子。
  8. 【請求項8】第2の機能性成分がt−PAである請求項7
    の多機能性トロンボモジュリン類縁体分子。
  9. 【請求項9】1)請求項1に記載のトロンボモジュリン
    類縁体ペプチド、及び 2)ペプチドを生体適合性ポリマーへ結合することがで
    きる手段を提供する第2の機能性成分 を含んでいる多機能トロンボモジュリン類縁体分子。
  10. 【請求項10】請求項1記載のトロンボモジュリン類縁
    体ペプチドをコードする核酸配列。
  11. 【請求項11】請求項6記載のトロンボモジュリン類縁
    体ペプチドをコードする核酸配列。
  12. 【請求項12】請求項7記載の多機能性トロンボモジュ
    リン類縁体分子をコードする核酸配列。
  13. 【請求項13】請求項8記載の多機能性トロンボモジュ
    リン類縁体分子をコードする核酸配列。
  14. 【請求項14】請求項10記載の核酸配列を含んでいる組
    換えベクター。
  15. 【請求項15】請求項12記載の核酸配列を含んでいる組
    換えベクター。
  16. 【請求項16】発現調節配列へ作動的に連結されている
    請求項10の核酸配列。
  17. 【請求項17】発現調節配列へ作動的に連結されている
    請求項12の核酸配列。
  18. 【請求項18】請求項1記載のトロンボモジュリン類縁
    体ペプチドの単位投与量の無菌製剤よりなる抗血栓性薬
    剤組成物。
  19. 【請求項19】請求項1記載のトロンボモジュリン類縁
    体ペプチドが結合した表面を有する生体適合性ポリマー
    よりなる抗血栓性組成物。
  20. 【請求項20】請求項7記載の多機能性トロンボモジュ
    リン類縁体分子の単位投与量の無菌製剤よりなる抗血栓
    性薬剤組成物。
  21. 【請求項21】a)請求項1記載のトロンボモジュリン
    類縁体ペプチド、および b)請求項7記載の多機能性トロンボモジュリン類縁体
    分子 よりなる群から選ばれた蛋白質をコードする核酸配列を
    含む組換えベクターによって形質転換された細胞。
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