JP2003521919A - プロテインc誘導体 - Google Patents

プロテインc誘導体

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JP2003521919A
JP2003521919A JP2001558008A JP2001558008A JP2003521919A JP 2003521919 A JP2003521919 A JP 2003521919A JP 2001558008 A JP2001558008 A JP 2001558008A JP 2001558008 A JP2001558008 A JP 2001558008A JP 2003521919 A JP2003521919 A JP 2003521919A
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ブルース・エドワード・ガーリッツ
ブライアン・エドワード・ジョーンズ
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Eli Lilly and Co
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Abstract

(57)【要約】 ヒトプロテインC誘導体を記載する。この誘導体は、野生型プロテインCと比較して亢進された抗凝固活性およびセルピンによる不活性化に対する耐性を有しており、野生型ヒトプロテインCの生物学的活性を保持している。この誘導体は、急性冠血管症候群、血管閉塞障害、凝固性亢進状態、血栓障害および血栓症にかかり易い疾患状態の処置において、野生型ヒトプロテインCよりも少ない頻度での投与および/または少ない投薬量のいずれかを要求しよう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、2000年2月2日に出願された仮出願番号60/179,801
、および2000年3月14日に出願された仮出願番号60/189,197の
優先権を主張する。
【0002】 本発明は、新規ポリヌクレオチド、それにコードされるポリペプチド、並びに
そのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用に関する。より具体的に
は、本発明は野生型の活性化プロテインCに比べて、セルピン不活性化に対する
耐性および亢進された抗凝固活性を有するヒトプロテインC誘導体、その調製方
法、およびこのヒトプロテインC誘導体を含む医薬組成物に関する。
【0003】 プロテインCはセリンプロテアーゼであり、凝血カスケードにおいて第Va因
子および第VIIIa因子を不活化することによって止血の調節に重要な役割を
果たす、天然の抗凝固剤である。ヒトプロテインCは、461アミノ酸の単一の
ポリペプチドとしてインビボにて創製される。このポリペプチドは、1)42ア
ミノ酸シグナル配列の切断;2)2鎖型不活性前駆体およびチモーゲン(ジスル
フィド結合を介して262アミノ酸残基重鎖に結合される155アミノ酸残基軽
鎖)を与える、リジン残基とアルギニン残基(156位および157位)の切断
;3)アミノ末端45残基内に位置する9個のグルタミン酸残基(glaドメイ
ン)のビタミンK依存性カルボキシル化;並びに4)4つの部位(軽鎖中に1つ
および重鎖中に3つ)における炭水化物の結合:を含む複数の翻訳後修飾を受け
る。最終的に、2鎖型チモーゲンは、重鎖のN末端におけるドデカペプチドの除
去により活性化され、2鎖型チモーゲンよりもより強い酵素活性を有する活性化
プロテインC(aPC)を生じる。
【0004】 血液凝固は、凝固促進(pro-coagulant)機構と抗凝固機構との間のバランス
により調節される、非常に複雑なプロセスである。このバランスは、正常な止血
か、あるいは異常な病理的な血栓、例えば急性冠血管症候群(ACS;例えば、
不安定狭心症、心筋梗塞)となる冠血栓症の形成および進行のいずれかの状態を
決定する。主に2つの因子、即ちフィブリンの生成と血小板の活性化および次の
凝集とがこのバランスを制御おり、この両プロセスは、凝血カスケードの活性化
に従って生じる酵素トロンビンの生成により制御される。また、トロンビンはト
ロンボモジュリンとの複合体において、プロテインCチモーゲンをaPCへと活
性化し、その後のトロンビン生成を阻害するので、強力な抗凝固剤として機能す
る。それゆえ、aPCは、第Va因子および第VIIIa因子の不活性化を介し
たトロンビン生成のフィードバック調整を通じて、血液凝固のおそらく最も重要
な下方制御物質として機能し、血栓症に対する保護を与える。抗凝固効果に加え
て、aPCは抗炎症効果を有しており、血栓溶解を容易にする繊維素溶解促進(
profibrinolytic)特性を発揮する。
【0005】 動脈血栓症は、ACSにおいて内皮損傷に対する応答、典型的には脂質豊富プ
ラーク(lipid-rich plaque)の破壊の結果として生じる。この応答の初期段階
には、損傷部位および活性化血小板表面における、血小板接着、活性化および種
々の凝固促進因子(procoagulants)のアセンブリーが起こる。その結果のトロ
ンビン生成作用(elaboration)は、フィブリン沈着および血小板活性化の両方
による血栓形成の進行に重要な役割を果たし、このようにして凝固系の活性化が
増強される。ACSに対する従来の抗凝固療法(例えば、非分画型ヘパリン[U
FH])および現行の抗凝固療法(例えば、低分子量ヘパリン(LMWH))は
、トロンビンおよび/または第Xa因子の阻害に依存する(例えば、ヘパリンは
、トロンビンおよび第Xa因子とアンチトロンビンIIIとの相互作用を劇的に刺
激することによりそれらを不活化する)。しかし、これらの物質が血塊結合型第
Xa因子またはトロンビンを阻害するのには、立体障害のために有効ではない。
血塊結合型Xa/Va複合体を標的とし、不可逆的にそれを不活性化するaPC
の能力は、局所的なトロンビン生成および血栓症の進行を減弱させる。従って、
トロンビン生成減少の効果はaPC濃度が減衰した後も持続するので、aPCは
現行のトロンビンまたはXa阻害物質に比べて有利である。
【0006】 また、止血を制御する際のaPCの重要な役割は、異型接合性欠損症における
血栓形成速度の亢進、プロテインC耐性(例えば、共通の第V因子Leiden
変異型に起因する)、および未処置の同型接合性プロテインC欠損症の致死的結
果により裏付けられている。血漿由来および組換え的に調製されたaPCは、静
脈血栓症および動脈血栓症の両方の種々の動物モデルにおいて、有効かつ安全な
抗血栓剤であることが示されている。
【0007】 また、以下の疾患および状態ではプロテインCレベルが異常に低いことが示さ
れた:播種性血管内凝固(DIC)[Fourrier等、Chest 101:816-823、1992]
、敗血症[Gerson等、Pediatrics 91:418-422、1993]、重大な外傷/重大な外
科手術[Thomas等、Am J Surg. 158:491-494、1989]、火傷[Lo等、Burns 20
:186-187(1994)]、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)[Hasegawa等、Chest 10
5(1):268-277、1994]および移植[Gordon等、Bone Marrow Trans.11:61-6
5(1993)]。加えて、処置するにあたって、aPCが有用な場合がある血栓異常
または合併症を伴う多数の疾患がある:例えば、ヘパリン誘発性血小板減少症(
HIT)[Phillips等、Annals of Pharmacotherapy 28:43-45、1994]、鎌状赤
血球病またはサラセミア[Karayalcin等、The American Journal of Pediatric Hematology/Oncology 11(3):320-323、1989]、ウィルス性出血熱[Lacy等、A dvances in Pediatric Infectious Diseases 12:21-53、1997]、血栓性血小板
減少性紫斑病(TTP)および溶血性尿毒性症候群(HUS)[Moake、Seminars in Hematology 34(2):83-89、1997]。さらに、殺菌性透過亢進タンパク質(
(BPI)と組合わせたaPCは、敗血症の処置に有用な場合がある[Fisher等
、Crit.Care Med.22(4):553-558、1994]。
【0008】 血小板阻害が血栓疾患の予防および処置の両方に有効であることは、非常によ
く立証されている。しかし、抗血小板剤、例えばアスピリンの使用は出血の危険
性を増大させるため、薬剤の投与量および処置期間が制限される。aPCおよび
抗血小板剤の組合わせは、aPCおよび抗血小板剤(群)の両方の投薬量の減少
を可能にする相乗効果を生じさせる。次に、この併用療法における薬剤の投与量
の減少は、抗凝固/抗血小板併用療法の際にしばしば観察される出血の増加など
の副作用を減少させる。
【0009】 血漿からプロテインCを入手するための種々の方法、および組換えDNA技術
を介してプロテインC、aPCおよびプロテインC/aPCポリペプチドを入手
するための種々の方法は、当分野において公知であり、記載されている。例えば
、米国特許第4,775,624号および第5,358,932号を参照のこと。組
換えDNA技術によりaPCを生産する方法は改善されているにも拘わらず、a
PCおよびそのポリペプチドを生産することは困難であり、費用がかかる。
【0010】 プロテインCチモーゲンとは異なり、活性化プロテインCの半減期は非常に短
い。半減期の短い主な理由は、セルピン(セリンプロテアーゼ阻害物質)として
知られる分子がaPCに共有結合し、不活性なセルピン/aPC複合体を形成す
ることによって、aPCの血液レベルを調節するためでる。このセルピン/aP
C複合体は、aPCが結合し、セルピン内の反応部位ループをタンパク分解的に
切断すると形成され;セルピンは切断されると、aPCを不可逆的に不活性化す
る構造変化を受ける。その後、このセルピン/aPC複合体は、セルピン/aP
C複合体に対する肝臓レセプターを介して、血流から取り除かれる。結果として
、aPCの半減期はチモーゲンと比較して相対的に短い;ヒトプロテインCチモ
ーゲンがおよそ10時間であるのに対して、aPCはおよそ20分である(Okaj
ima等、Thromb Haemost 63 (1) : 48-53, 1990)。
【0011】 従って、aPCの所望の生物活性(例えば、抗凝固活性、繊維素溶解活性およ
び抗炎症活性)を保持しつつ、セルピン不活性化に対して耐性を示すaPC誘導
体は、増大した血漿半減期を有し、治療適用について十分に減少した投薬レベル
しか必要しないために、親化合物よりも潜在的にさらに有効な化合物を提供する
。この潜在的な利点は、セルピンレベルが上昇している疾患状態において特に重
要である。
【0012】 科学的な実験、分析および革新技術を通じて、本発明者等は、セルピン/aP
C複合体の形成に必須のセルピンおよびプロテインCの結合部位を同定した。a
PC分子中の標的アミノ酸残基を修飾し、驚いたことに、それがaPCの本来の
基質(例えば、第Va因子および第VIIIa因子)に対するaPC誘導体の特
異性を保持すると同時に、セルピン/aPC複合体(この複合体は、aPCを不
可逆的に不活性化する)の形成を阻害した。加えて、セルピン/ヒトaPC誘導
体結合の阻害が、配列番号:1のアミノ酸194(Leu)、195(Ala)
、228(Leu)、249(Tyr)、254(Thr)、302(Tyr)
、および316(Phe)の1つまたはそれ以上を、Ser、Ala、Thr、
His、Lys、Arg、Leu、Asn、Asp、Glu、GlyおよびGl
nから選択されるアミノ酸(群)と置換(ただし、194位はLeuで置換せず
、254位はThrで置換しない)することによって生じることを見出した。
【0013】 加えて、aPCの他の生物活性(例えば、繊維素溶解活性および抗炎症活性)
を保持しつつ、亢進された抗凝固活性を示すaPC誘導体は、治療適用について
十分に減少した投薬レベルしか必要としないために、親化合物よりもさらに有効
に強力な化合物を提供する。
【0014】 gla−ドメインの部位特異的変異誘発によるヒトプロテインCのカルシウム
および膜結合活性の増大は、幾人かの研究者により報告されている、例えば、Sh
en等(J Biol. Chem.、273(47)31086-91、1998)およびShen等(Biochemistry 、36(51)16025-31、1997)がある。本発明者等は継続的な科学実験、分析およ
び革新技術を通じて、aPC分子のglaドメイン中の特定の部位を同定し、標
的アミノ酸残基を修飾した。驚いたことに、特定の部位特異的突然変異を行った
場合に、生じたaPC誘導体の抗凝固活性が亢進することが観察された。特に、
配列番号:1の10位(His)、11位(Ser)、12位(Ser)、32
(Gln)および33(Asn)のアミノ酸での置換は、単独またはそれらの組
合わせにおいて、野生型aPCと比較した場合に、抗凝固活性が亢進することが
見出された。
【0015】 従って、本発明は新規ヒトプロテインC誘導体を記載する。このヒトプロテイ
ンC誘導体は、野生型プロテインCの重要な生物学的活性を保持し、野生型aP
Cよりも高い抗凝固活性を有し、ヒト血液中において野生型aPCよりも長い半
減期を有する。それゆえ、本化合物は種々の利点、例えば、より少ない頻度での
投与および/またはより少ない投与量、それによる全体的な調製費用および治療
費用の減少を提供する。さらに、本化合物は、ACSのような疾患状態における
従来の抗凝固療法を超える利点を示す。重要なことは、ヒトプロテインC誘導体
の抗凝固活性およびセルピン不活性化に対する耐性の亢進は、好ましくは2〜6
個のアミノ酸置換を介して達成され得るということであり、これらの分子はおそ
らく、6個よりも多くのアミノ酸置換を有する分子と比較して免疫原性であるこ
とは相対的に少ないであろう(米国特許第5,358,932号;Holly等、Biochemistry 33:1876-1880,1994)。
【0016】 本発明は、以下のアミノ酸置換:10位のHisがGlnで置換されている;
11位のSerがGlyで置換されている;12位のSerがLysで置換され
ている;32位のGlnがGluで置換されている;33位のAsnがAspま
たはPheで置換されている;および、194、195、228、249、25
4、302または316位のアミノ酸が、Ser、Ala、Thr、His、L
ys、Leu、Arg、Asn、Asp、Glu、GlyおよびGlnから選択
されるアミノ酸で置換されている置換を、少なくとも2つ含む配列番号:1を包
含する、ヒトプロテインC誘導体を提供する。
【0017】 また、本発明は本発明のヒトプロテインC誘導体、特に配列番号:7、8、9
および10を包含するヒトプロテインC誘導体をコードする組換えDNA分子を
提供する。
【0018】 本発明のその他の側面は、上記ヒトプロテインC誘導体、特に配列番号:3、
4、5および6を包含するヒトプロテインC誘導体、並びにこれらのヒトプロテ
インC誘導体の活性型のタンパク質配列を提供する。
【0019】 本発明はさらに、敗血症、播種性血管内凝固、電撃性紫斑症、重大な外傷、重
大な外科手術、火傷、成人呼吸窮迫症候群、移植、深在静脈血栓症、ヘパリン誘
発性血小板減少症、鎌状赤血球病、サラセミア、ウィルス性出血熱、血栓性血小
板減少性紫斑病および溶血性尿毒症症候群を含む、血管閉塞障害および凝固性亢
進状態を処置する方法を包含する。
【0020】 本発明のその他の側面は、本明細書中にて規定するようなプロテインC誘導体
により引き起こされる、またはその結果生じる疾患および状態を処置することを
包含する。
【0021】 さらに、本発明は処置を必要とする患者に製薬的有効量のヒトプロテインC誘
導体を投与することによって、上記疾患または状態を処置することを提供する。
【0022】 さらに、本発明は以上に規定されるヒトプロテインC誘導体の活性型を用いて
、上述の疾患および状態を処置することを提供する。
【0023】 本発明のその他の態様には、敗血症の処置を必要とする患者に製薬的有効量の
本発明のヒトプロテインC誘導体を、殺菌性透過亢進タンパク質と組み合わせて
投与することを包含する、敗血症を処置する方法がある。
【0024】 本発明の他の態様には、血栓障害の処置を必要とする患者に製薬的有効量の本
発明のヒトプロテインC誘導体を、抗血小板剤と組み合わせて投与することを包
含する、血栓障害を処置する方法がある。
【0025】 本発明の他の態様には、冠動脈、脳動脈または末梢血管、あるいは代用血管に
おける急性動脈血栓閉塞症、血栓塞栓症または狭窄症を処置する方法であって、
それを必要とする患者に製薬的有効量のヒト活性化プロテインC誘導体を、血栓
溶解剤と組み合わせて投与することを包含する方法がある。
【0026】 さらに本発明の他の態様には、遺伝的にプロトロンビン症にかかり易い障害を
有する患者に、プロテインC誘導体をコードする組換えDNA分子を投与するこ
とを含む、該患者を処置する方法がある。遺伝的にプロトロンビン症にかかり易
い障害の例としては、プロテインC欠損症、第V因子ライデン(Leiden)突然変
異およびプロトロンビン遺伝子G20210A突然変異がある。
【0027】 また、本発明は製薬的に許容される担体または希釈剤、および本発明のヒトプ
ロテインC誘導体を含む、医薬組成物を提供する。
【0028】 また、本発明は上記適応症の処置用の医薬品を製造するための、本発明のヒト
活性化プロテインC誘導体の使用を提供する。
【0029】 また、新規ヒトプロテイン誘導体を産生する方法および側面も、本発明の側面
である。
【0030】 本明細書中に開示し、特許請求する本発明の目的のために、下記の用語を以下
に定義する。
【0031】 抗血小板剤−血小板の凝集能力を減少させる、1つまたはそれ以上の薬剤の単
独またはその組合わせ。当分野において理解され、そして評価される薬剤には、
例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第19版、第II
巻、924〜25頁、Mack Publishing Co.(引用により本明細書中に包含され
る)に記載されているものがある。そのような薬剤としては、これらに限定され
ないが、アスピリン(ASA)、クロピドグレル(clopidogrel)、ReoPr
o(登録商標)(アブシキマブ(abciximab))、ジピリダモール、チクロピジンお
よびIIb/IIIaアンタゴニストが挙げられる。
【0032】 チモーゲン−本明細書中にて用いるプロテインCチモーゲンは、分泌型、不活
性形態である、1本鎖または2本鎖のいずれかのプロテインCまたはその誘導体
を意味する。
【0033】 活性化プロテインCは、活性化プロテインCを与える、重鎖のN末端にあるド
デカペプチドの除去後に産生される、プロテインCチモーゲンの活性型を意味す
る。
【0034】 活性化プロテインCまたはaPCは、組換えaPCを意味する。aPCには組
換えヒトaPCが含まれ、それが好ましいが、aPCにはプロテインCタンパク
質分解活性、アミド分解活性、エステル分解活性および生物学的(抗凝固、抗炎
症または繊維素溶解促進)活性を有する他の種を含む場合もある。
【0035】 ヒトプロテインC誘導体(群)は、野生型ヒトプロテインCとは異なるが、活
性化されると、本質的な特性、即ちタンパク質分解活性、アミド分解活性、エス
テル分解活性および生物学的(抗凝固、抗炎症または繊維素溶解促進)活性を保
持する、組換え的に調製された本発明の誘導体を意味する。また、本明細書中に
て用いるヒトプロテインC誘導体の定義には、以上に定義されるヒトプロテイン
C誘導体の活性型も含まれる。
【0036】 処置とは、疾患、状態または障害を排除するか、あるいは疾患、状態または障
害の徴候または合併症の発症を予防的に防ぐために、疾患、状態または障害と戦
うための患者の管理および介護を意味する。
【0037】 連続注入−特定の期間の実質的に中断されない連続する溶液または懸濁液の静
脈内への導入。
【0038】 ボーラス注射−約120分までの期間にわたる、規定量(ボーラスと称する)
の薬物の注射。
【0039】 投与に適した−治療薬剤として投与されるのに適している、凍結乾燥製剤また
は溶液。
【0040】 単位投薬形態−ヒト被験体のための単一投薬として適した物理的に分離された
単位を意味し、各単位には所望の治療効果が得られるように計算され、予め決定
された量の活性物質を適当な製薬賦形剤と共に含有する。
【0041】 凝固性亢進状態−播種性血管内凝固、プレトロンビン性状態、凝固活性化、ま
たはaPCのような凝固因子の先天性若しくは後天性欠損症と関連した過度の凝
固能。
【0042】 プロテインC欠損症−本明細書中にて用いるプロテインC欠損症は、先天性ま
たは後天性の場合がある。いずれのタイプについても、循環中のプロテインCレ
ベルは正常範囲の下限値未満である。当業者であれば、プロテインCレベルを決
定するためのFDAにより認可された装置および診断用キットを用いる標準的な
プロトコルにより、正常範囲が確立されることを知っている。
【0043】 製薬的有効量−医薬化合物の治療的に効果のある量。本発明に基づき投与され
る化合物の特定の投薬量は、当然のことながら、投与される化合物、処置される
特定の状態、患者の特性および類似する考慮を含む症例を取り巻く特定の環境を
、医師が評価することにより決定されよう。
【0044】 急性冠血管症候群−冠プラーク破裂により悪化した冠アテローム動脈硬化症、
重複(superimposed)冠血栓症、並びに冠虚血および/または心筋梗塞を生じる
危険な冠血流の臨床症状。急性冠血管症候群のスペクトルには、不安定狭心症、
非Q波(すなわち、STセグメント上昇なし)心筋梗塞、およびQ波(すなわち
、STセグメント上昇あり)心筋梗塞が挙げられる。
【0045】 遺伝子治療−治療用タンパク質をコードするDNAを含むベクターを、直接治
療用タンパク質を産生させようとする発症した細胞(affected cell)に投与す
ることを含む治療レジメ。遺伝子送達のための標的組織としては、例えば、骨格
筋、血管平滑筋および肝臓が挙げられる。ベクターとしては、例えば、プラスミ
ドDNA、リポソーム、タンパク質−DNA複合体およびアデノウィルスまたは
ヘルペスウィルスに基づくベクターが挙げられる。遺伝子治療は、例えば、Kess
ler等、PNAS、USA、93:14082-87、1996に記載されている。
【0046】 血栓障害−血管内の血塊の形成または存在に関連した、またはその影響を受け
る障害。そのような障害には、発作、血管形成術またはステント配置に続く急激
な閉塞、および末梢血管手術の結果としての血栓症が挙げられるが、これらに限
定されない。
【0047】 電撃性紫斑病−斑状出血皮膚損傷、発熱、細菌性敗血症、ウィルス性感染、細
菌性感染または原性動物性感染と関連する低血圧。播種性血管内凝固が通常存在
する。
【0048】 組織因子経路阻害剤(TFPI)は、天然または組換え型のTFPIを意味す
る。このタンパク質は、臓器不全および死を引き起こす可能性がある、小血管中
の組織媒介性の凝固をブロックすると考えられている。
【0049】 セルピン−阻害活性が超可変および可動ペプチドループ内の活性部位によって
与えられる、典型的にはセリンプロテアーゼ阻害物質である、プロテインC阻害
物質(PCI)およびα1−抗トリプシン(α1−AT)などの(これらに制限さ
れない)、構造的に関連のあるタンパク質群のいずれか。
【0050】 阻害物質認識配列S2:PCIまたはα1−ATの開裂部位に対して、2番目
のN末端側残基。 阻害物質認識配列S3':PCIまたはα1−ATの開裂部位に対して、3番目
のC末端側残基。 阻害物質認識配列S4':PCIまたはα1−ATの開裂部位に対して、4番目
のC末端側残基。
【0051】 野生型プロテインC−プロテインCの天然または実験室の突然変異ポリペプチ
ド型とは対照的に、ヒトの自然個体群において支配的な型のプロテインC。
【0052】 殺菌性透過亢進タンパク質には、次のものが含まれる:天然または組換え的に
調製された殺菌性透過亢進(BPI)タンパク質;BPIタンパク質の生物学的
に活性な天然、合成および組換えポリペプチド断片;ハイブリッド融合タンパク
質およびダイマーを含む、BPIタンパク質の生物的に活性なポリペプチド改変
体、またはその断片;システイン置換アナログを含む、BPIタンパク質の生物
学的に活性な改変型アナログまたはその断片あるいはその改変型;並びにBPI
由来のペプチド。ヒトBPIの完全なアミノ酸配列、およびBPIをコードする
DNAのヌクレオチド配列は、Gray等、1989、J.Biol.Chem 264:9505により
説明されている。BPIホロタンパク質およびBPIの断片を含む、BPIタン
パク質をコードする組換え遺伝子およびその発現方法は、米国特許第5,198,541
号に開示されている(引用により本明細書中に包含される)。
【0053】 アミノ酸略語は、37C.F.R.1.822 (d)(1)(1998)に記載の
ように米国特許商標庁により承認されている。
【0054】 本発明は、野生型プロテインCと比較して、亢進された抗凝固活性およびセル
ピン不活性化に対する耐性を有する、活性型を含むヒトプロテインC誘導体を提
供する。aPCまたはヒトaPC誘導体の活性型は、組換えヒトプロテインCチ
モーゲン若しくは組換えヒトプロテインC誘導体チモーゲンをインビトロにて活
性化することにより、または活性型のプロテインCの直接分泌により調製できる
。活性化を起こす手段は重要ではなく、本発明のプロセスの側面には、任意およ
びすべての活性化手段が含まれる。ヒトプロテインC誘導体は、真核生物細胞、
トランスジェニック動物、またはトランスジェニック植物において調製でき、例
えば、ヒト腎臓293細胞またはAV12細胞からチモーゲンとして分泌させ、
次いで当業者に既知の技術により精製および活性化することが挙げられる。
【0055】 本発明の好ましいヒトプロテインC誘導体には、S11G:Q32E:N33
D:L194S、S11G:Q32E:N33D:L194S:T254S、H
10Q:S11G:Q32E:N33D:L194S、H10Q:S11G:Q
32E:N33D:L194S:T254S、およびその活性型が含まれる。
【0056】 ヒトプロテインC誘導体S11G:Q32E:N33D:L194Sは、通常
11位に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常32位に見出され
るグルタミン残基の代わりにグルタミン酸残基、通常33位に見出されるアスパ
ラギン残基の代わりにアスパラギン酸残基、および通常194位に見出されるロ
イシン残基の代わりにセリンを含有する。194位における他の好ましいアミノ
酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、Gly、Ser、Ly
s、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0057】 ヒトプロテインC誘導体S11G:Q32E:N33D:L194S:T25
4Sは、通常11位に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常32
位に見出されるグルタミン残基の代わりにグルタミン酸残基、通常33位に見出
されるアスパラギン残基の代わりにアスパラギン酸残基、通常194位に見出さ
れるロイシン残基の代わりにセリン残基、および通常254位に見出されるスレ
オニン残基の代わりにセリン残基を含有する。194位および254位における
他の好ましいアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、G
ly、Ser、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる(ただ
し、11位はSerではなく、32位はGlnではなく、33位はAsnではな
く、194位はLeuでなく、そして254位はThrではない)。
【0058】 ヒトプロテインC誘導体H10Q:S11G:Q32E:N33D:L194
Sは、通常10位に見出されるヒスチジン残基の代わりにグルタミン残基、通常
11位に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常32位に見出され
るグルタミン残基の代わりにグルタミン酸残基、通常33位に見出されるアスパ
ラギン残基の代わりにアスパラギン酸残基、および通常194位に見出されるロ
イシン残基の代わりにセリン残基を含有する。本発明の教示を用いれば、これら
の位置における他のアミノ酸置換が、結果として生じる誘導体分子に、亢進され
た抗凝固活性およびセルピン不活性化に対する耐性を与えることは、当業者には
明らかである。そのようなアミノ酸置換の例としては、Ala、Arg、Asn
、Asp、Glu、Gly、Ser、Lys 、Gln、Leu、Thrおよび
Hisが挙げられる。
【0059】 ヒトプロテインC誘導体H10Q:S11G:Q32E:N33D:L194
S:T254Sは、通常10位に見出されるヒスチジン残基の代わりにグルタミ
ン残基、通常11位に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常32
位に見出されるグルタミン残基の代わりにグルタミン酸残基、通常33位に見出
されるアスパラギン残基の代わりにアスパラギン酸残基、通常194位に見出さ
れるロイシン残基の代わりにセリン残基、および通常254位に見出されるスレ
オニン残基の代わりにセリン残基を含有する。194位および254位における
他の好ましいアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、G
ly、Ser、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0060】 本発明のさらなる態様には、ヒトプロテインC誘導体:S12K:L194S
、S12K:L194S:T254S、H10Q:S11G:S12K:L19
4S、H10Q:S11G:S12K:L194S:T254S、S11G:L
194S、H10Q:S11G:L194S、S11G:L194S:T254
S、H10Q:S11G:L194S、S11G:L194S:T254S、お
よび野生型の活性化プロテインCと比べて抗凝固活性が亢進され、セルピン不活
性化に対して耐性である、それらの活性型が含まれる。
【0061】 ヒトプロテインC誘導体S12K:L194Sは、通常12位に見出されるセ
リン残基の代わりにリシン残基、通常194位に見出されるロイシン残基の代わ
りにセリン残基を含有する。194位における他の好ましいアミノ酸残基には、
Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、Gly、Ser、Lys、Gln、
Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0062】 ヒトプロテインC誘導体S12K:L194S:T254Sは、通常12位に
見出されるセリン残基の代わりにリシン残基、通常194位に見出されるロイシ
ン残基の代わりにセリン残基、および通常254位に見出されるスレオニン残基
の代わりにセリン残基を含有する。194位および254位の他の好ましいその
ようなアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、Gly、
Ser、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0063】 ヒトプロテインC誘導体H10Q:S11G:S12K:L194Sは、通常
10位に見出されるヒスチジン残基の代わりにグルタミン残基、通常11位に見
出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常12位に見出されるセリン残
基の代わりにリシン残基、および通常194位に見出されるロイシン残基の代わ
りにセリン残基を含有する。194位の他の好ましいアミノ酸置換には、Ala
、Arg、Asn、Asp、Glu、Gly、Ser、Lys、Gln、Leu
、ThrおよびHisが含まれる。
【0064】 ヒトプロテインC誘導体H10Q:S11G:S12K:L194S:T25
4Sは、好ましくは、通常10位に見出されるヒスチジン残基よりもグルタミン
残基であり、通常11位に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常
12位に見出されるセリン残基の代わりにリシン残基、通常194位に見出され
るロイシン残基の代わりにセリン残基、および通常254位に見出されるスレオ
ニン残基の代わりにセリン残基を含有する。194位および254位における他
の好ましいアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、Gl
y、Ser、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0065】 ヒトプロテインC誘導体S11G:L194Sは、通常11位に見出されるセ
リン残基の代わりにグリシン残基、および通常194位に見出されるロイシン残
基の代わりにセリン残基を含有する。194位の他の好ましいアミノ酸置換には
、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、Gly、Ser、Lys、Gln
、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0066】 ヒトプロテインC誘導体H10Q:S11G:L194Sは、好ましくは、通
常10位に見出されるヒスチジン残基よりもグルタミン残基であり、通常11位
に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、および通常194位に見出さ
れるロイシン残基の代わりにセリン残基を含有する。位置についての他の好まし
いアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、Gly、Se
r、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0067】 ヒトプロテインC誘導体S11G:L194S:T254Sは、通常11位に
見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常194位に見出されるロイ
シン残基の代わりにセリン残基、および通常254位に見出されるスレオニン残
基の代わりに見出されるセリン残基を含有する。194位および254位の他の
好ましいこのようなアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Gl
u、Gly、Ser、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる
【0068】 加えて、本発明の好ましい態様には、プロテインC誘導体:S11G:Q32
E:L194S、S11G:Q32E:L194S:T254S、S11G:Q
32E:N33F:L194S、およびS11G:Q32E:N33F:L19
4S:T254S、および野生型の活性化プロテインCに比べて抗凝固活性が亢
進され、セルピン不活性化に対して耐性であるこれらの活性型が含まれる。
【0069】 ヒトプロテインC誘導体S11G:Q32E:L194Sは、通常11位に見
出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常32位に見出されるグルタミ
ン残基の代わりにグルタミン酸残基、および通常194位に見出されるロイシン
残基の代わりにセリン残基を含有する。194位における他の好ましいこのよう
なアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、Gly、Se
r、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0070】 ヒトプロテインC誘導体S11G:Q32E:L194S:T254Sは、通
常11位に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常32位に見出さ
れるグルタミン残基の代わりにグルタミン酸残基、通常194位に見出されるロ
イシン残基の代わりにセリン残基、および通常254位に見出されるスレオニン
残基の代わりにセリン残基が含有される。194位および254位における他の
好ましいこのようなアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Gl
u、Gly、Ser、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる
【0071】 ヒトプロテインC誘導体S11G:Q32E:N33F:L194Sは、通常
11位に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常32位に見出され
るグルタミン残基の代わりにグルタミン酸残基、通常33位に見出されるアスパ
ラギン残基の代わりに見出されるフェニルアラニン残基、および通常194位に
見出されるロイシン残基の代わりにセリン残基を含有する。194位における他
の好ましいアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、Gl
y、Ser、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0072】 ヒトプロテインC誘導体S11G:Q32E:N33F:L194S:T25
4Sは、通常11位に見出されるセリン残基の代わりにグリシン残基、通常32
位に見出されるグルタミン残基の代わりにグルタミン酸残基、通常33位に見出
されるアスパラギン残基の代わりにフェニルアラニン残基、通常194位に見出
されるロイシン残基の代わりにセリン残基、および通常254位に見出されるス
レオニン残基の代わりにセリン残基を含有する。194位および254位におけ
る他の好ましいアミノ酸置換には、Ala、Arg、Asn、Asp、Glu、
Gly、Ser、Lys、Gln、Leu、ThrおよびHisが含まれる。
【0073】 加えて、本発明のヒトプロテインC誘導体は、さらに上記プロテインC誘導体
のアミノ酸残基の欠失、付加または置換を含むが、本発明の基本的な特徴に影響
を及ぼさない。アミノ酸置換は、関与する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、
親水性および/または両親媒性の性質に基づいて行なうことができる。従って、
本発明の誘導体には、保存的置換(conservative substitution)、即ちある残基
を類似の特徴を持つその他の残基と置換することにより、配列番号3、4、5お
よび6から改変したアミノ酸配列を有する誘導体が含まれる。典型的な置換は、
Ala、Val、LeuおよびIle間;SerおよびThr間;酸性残基As
pおよびGlu間;AsnおよびGln間;並びに塩基性残基LysおよびAr
g間;または芳香族残基PheおよびTyrである。他の誘導体には、任意の組
合せにて、幾つかの、5〜10、1〜5または1〜2アミノ酸を置換、欠失また
は付加した誘導体がある。好ましい態様は図1にて示し、配列番号2に見られる
ような、42アミノ酸シグナルペプチド(プレ−プロリーダー)配列の付加を含
む配列番号:1に基づく。
【0074】 本発明のヒトプロテインC誘導体は、さらなる置換または改変を行なわないこ
とが好ましい。これは、置換が本発明の誘導体に制限されるためである。
【0075】 また、本発明はヒトプロテインC誘導体を調製する際に使用するDNA化合物
を提供する。これらのDNA化合物には、ヒトプロテインCチモーゲンまたはヒ
トプロテインC誘導体チモーゲンのプレプロペプチド配列に対してすぐ横に、そ
の下流に、およびその翻訳読み取り枠に位置する、ヒトプロテインCチモーゲン
またはヒトプロテインC誘導体チモーゲンの軽鎖のコード配列が含れる。DNA
配列はプロテインC分子、活性型ペプチドおよびヒトプロテインC誘導体の重鎖
を成熟化する間にプロセシングされる、Lys−Argジペプチドをコードする
ことが好ましい。このように、本発明のヒトプロテインC誘導体は、少なくとも
2つ、好ましくは1〜6つのアミノ酸を含有する改変型または変異型ポリペプチ
ドであり、配列番号1(42アミノ酸シグナル配列を含まない)として規定され
ている野生型プロテインC配列、または配列番号2(42アミノ酸シグナル配列
を含む)中の相当する野生型アミノ酸とは異なる。従って、当業者であれば、配
列番号:1として同定される野生型プロテインC配列のアミノ酸配列と異なるヒ
トプロテインC誘導体が、42アミノ酸シグナル配列を除去した後に規定される
アミノ酸位置において、配列番号:2として規定される野生型プロテインC配列
に、本質的に相当することは理解しよう。さらに、当業者であれば、活性化の前
に、リシン残基およびアルギニン残基(156位および157位)の開裂が生じ
ることは理解しよう。
【0076】 当業者であれば、遺伝子コードの縮重のために、種々のDNA化合物が上記の
誘導体をコードできることは認識できよう。米国特許第4,775,624号(この全教
示は全て引用により本明細書中に包含される)は、野生型のヒトプロテインC分
子を開示する。当業者であれば、DNA配列中のどの変化が本明細書中に開示さ
れる正確な誘導体をコードし得るかを容易に決定することができる。本発明は、
開示された特定のDNA配列に限定されるものではない。結果的に以下に記載す
る、および好ましいDNA化合物に関する添付の実施例中の構築物は単なる例示
であり、本発明の範囲を限定しない。
【0077】 本発明のDNA化合物の全ては、部位特異的変異誘発を用いて、ヒトプロテイ
ンCチモーゲン内の特定の位置を変化させることにより製造した。部位特異的変
異誘発によりヌクレオチド配列を修飾する技術は、当業者に周知である。例えば
、Sambrook,Fritsch & Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual
,第2版(1989)を参照のこと。
【0078】 ヒトプロテインC誘導体は、真核細胞株、トランスジェニック動物またはトラ
ンスジェニック植物を利用する、当分野において周知の技術により調製すること
ができる。当業者であれば、適切な宿主真核細胞株には、HepG2、LLC−
MK2、CHO−K1、293またはAV12細胞(これらの例としては、米国
特許第5,681,932号に記載されているされる(引用により本明細書中に包含され
る))が含まれるが、これらに制限されないことは容易に理解しよう。さらに、
組換えタンパク質のトランスジェニック産物の例は、米国特許第5,589,604号お
よび同第5,650,503号(引用により本明細書中に包含される)に記載されている
【0079】 当業者であれば、種々のベクターが真核生物宿主細胞中での目的のDNA配列
の発現に有用であることを認識する。哺乳動物細胞中での発現に適しているベク
ターとしては、以下に限定されるわけではないが、pGT−h、pGT−d;p
CDNA3.0、pCDNA3.1、pCDNA3.1+ZeoおよびpCDNA
3.1+Hygro(インビトロゲン);並びにpIRES/Hygroおよび
pIRES/neo(クローンテック)が挙げられる。本発明の好ましいベクタ
ーは、実施例2に記載するようにpIG3である。
【0080】 また、宿主細胞の増殖に関連しているタンパク質配列の発現の調節を可能とす
る他の配列も望ましいであろう。そのような調節配列は当業者に既知であり、例
としては、調節化合物の存在を含む、化学的刺激または物理的刺激に反応してス
イッチがオンまたはオフになり、遺伝子の発現を引き起こす配列が挙げられる。
また、他のタイプの調節エレメント、例えば、エンハンサー配列がベクター中に
存在してもよい。
【0081】 制御配列および他の調節配列を、ベクター、例えば上記クローニングベクター
などのベクター中へ挿入する前に、コード配列に連結することができる。あるい
は、コード配列は、すでに制御配列および適切な制限部位を含有する発現ベクタ
ーに直接クローニングすることができる。
【0082】 ある場合には、適切な配向をもって制御配列に結合させ得る、即ち、適切な読
み取り枠を維持させる場合に、コード配列を修飾することが必要な場合がある。
【0083】 これらの方法のいずれかにより調製されるヒトプロテインC誘導体は、翻訳後
修飾、例えば、10個のγ−カルボキシ−グルタメートの付加、1個のエリスロ
−β−ヒドロキシ−Aspの付加(β−ヒドロキシル化)、4個のAsn−結合
型オリゴサッカライドの付加(グリコシル化)およびリーダー配列(42アミノ
酸残基)の除去を受けなければならない。このような翻訳後修飾は、哺乳動物細
胞からの十分な生産およびプロテインC誘導体の十分な分泌に必要である。
【0084】 組換えタンパク質、例えば本発明のヒトプロテインC誘導体の翻訳後修飾が、
組換えタンパク質の発現に使用される宿主細胞株に依存して変化し得ることは、
当該分野において周知である。例えば、本発明のヒトプロテインC誘導体の抗凝
固活性に関して必須である翻訳後修飾のγ−カルボキシル化は、使用される宿主
細胞株に依存して、プラスミド由来の野生型プロテインCγ−カルボキシル化よ
りも高いか、わずかに低いか、または非常に低い場合がある(Yan等、Bio/Techn ology 8(7):655-661,1990)。γ−カルボキシル化におけるこのような差異は、
抗凝固活性の亢進を生じる結果となるであろう、ヒトプロテインC分子内の特定
の位置を変化させる部位特異的変異誘発の使用についての基礎を提供する。
【0085】 本発明の一態様には、実施例1に記載するように、正確にγ−カルボキシル化
されたプロテインCの増大された産生レベルおよび上昇した比活性、および/ま
たは12位のセリン残基のリン酸化を阻害することにより得られる亢進された抗
凝固活性およびセルピン不活性化に対する耐性を有するプロテインCがある。こ
のリン酸化の阻害は、12位のセリン残基を部位特異的変異誘発法によりリン酸
化可能ではないアミノ酸、即ちSer、TyrまたはThr以外のアミノ酸で置
換することにより、12位のセリン残基のリン酸化に係るキナーゼを阻害するこ
とにより、例えば宿主細胞系を増殖させるために用いる組織培養培地中に非毒性
のキナーゼ阻害物質を含ませることによって行なうことができる。
【0086】 それゆえ、本発明の一態様は、ヒトプロテインC誘導体をコードする核酸を含
有するベクターで宿主細胞を形質転換し;この宿主細胞を該ヒトプロテインC誘
導体の発現に適した培地中で培養し;この培養培地から該ヒトプロテインC誘導
体を単離し;そして該ヒトプロテイン誘導体を活性化する過程を含む方法により
産生される野生型の活性化プロテインCと比較して亢進された抗凝固活性および
セルピン不活性化に対して耐性を有するヒトプロテインC誘導体である。
【0087】 ヒトプロテインCおよびヒトプロテインC誘導体チモーゲン型を、活性型ヒト
プロテインCおよび活性型ヒトプロテインC誘導体へと活性化する方法は、古く
から当分野において周知である。ヒトプロテインCはトロンビン単独により、ト
ロンビン/トロンボモジュリン複合体により、RVV−X、ラッセルクサリヘビ
毒由来のプロテアーゼにより、膵臓由来トリプシンにより、または他のタンパク
質分解性酵素により、活性化され得る。
【0088】 加えて、さらに本発明は、野生型aPCと比較して亢進された抗凝固活性およ
びセルピン不活性化に対する耐性を有するaPC誘導体を用いた、心筋梗塞およ
び不安定狭心症を含む急性冠血管症候群の処置に関する。
【0089】 また、本発明の組換えヒトプロテインC誘導体は、卒中、血管形成術またはス
テント配置に続く急激な閉塞、および末梢血管外科手術の結果としての血栓症の
ような血栓障害の処置にも有用である。
【0090】 加えて、本発明の組換えヒトプロテインC誘導体は、敗血症、播種性血管内凝
固、重大な外傷、重大な外科手術、火傷、成人呼吸窮迫症候群、移植、深部静脈
血栓症、ヘパリン誘発性血小板減少症、鎌状赤血球病、サラセミア、ウィルス性
出血熱、血栓性血小板減少性紫斑病および溶血性尿毒症候群に関連する血管閉塞
障害または凝固性亢進状態の処置に有用である。その他の態様において、本発明
の組換えヒトプロテインC誘導体は、殺菌性透過亢進タンパク質と組合わせての
敗血症の処置に有用である。本発明のさらに別の側面において、本発明の活性型
ヒトプロテインC誘導体は、抗血小板物質(群)と併用して、種々の血栓障害を
処置または予防する。
【0091】 本発明の組換えヒトプロテインC誘導体は、組織プラスミノーゲン活性化因子
、ストレプトキナーゼおよび関連する化合物またはそれらのアナログなどの血栓
溶解剤と併用して、冠動脈、脳動脈または末梢血管、あるいは代用血管における
急性動脈血栓閉塞症、血栓塞栓症または狭窄症の処置に有用である。
【0092】 その他の態様について、本発明の組換えヒトプロテインC誘導体は、組織因子
経路阻害剤と併用して、敗血症の処置に有用である。
【0093】 本発明のその他の側面には、本明細書中に規定するようにプロテインC欠損症
から引き起こされる、または生じる疾患および症状を処置することが含まれる。
本発明の側面には、野生型aPCと比較して亢進された抗凝固活性およびセルピ
ン不活性化耐性の結果を生じる、任意のaPC分子に対する任意のおよび全ての
修飾が考えられる。
【0094】 ヒトプロテインC誘導体は、活性薬剤としてaPC誘導体、および製薬上許容
される充填剤を含有する医薬組成物を調製するための周知の方法に従って処方で
きる。例えば、所望の製剤は、ショ糖、トレハロースまたはラフィノースなどの
充填剤、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムなどの塩、クエン酸ナトリウム、ト
リス酢酸またはリン酸ナトリウムなどの約5.5〜約6.5のpHの緩衝剤、並び
に活性型ヒトプロテインC誘導体を含有する、高純度の安定な凍結乾燥製剤であ
る。
【0095】 本発明のヒトaPC誘導体は、当分野において理解され、評価される適当な用
量レベルにて投与することができ、その事例を取り囲む特定の状況を医師が評価
することによって決定され得る。好ましくは、投与されるヒトaPC誘導体の量
は、約0.01μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間であろう。より好ま
しくは、投与されるヒトaPC誘導体の量は、約0.1μg/kg/時間〜約2
5μg/kg/時間であろう。さらに好ましくは、投与されるヒトaPC誘導体
の量は、約0.1μg/kg/時間〜約15μg/kg/時間であろう。さらに
より好ましくは、投与されるヒトaPC誘導体の量は、約1μg/kg/時間〜
約15μg/kg/時間であろう。最も好ましくは、投与されるヒトaPC誘導
体の量は、約5μg/kg/時間〜約10μg/kg/時間であろう。
【0096】 ヒトaPC誘導体は、有効な形態において血流中への送達を確実にするために
、1日に1〜6回の0.01mg/kg/日〜約1.0mg/kg/日の用量を、
1〜10日間注射することによって、非経口的に投与することが好ましいであろ
う。ヒトaPC誘導体を、3日間、B.I.D(1日に2回)を投与することがよ
り好ましいであろう。
【0097】 あるいは、ヒトaPC誘導体は、約0.01μg/kg/時間〜約50μg/
kg/時間の用量にて、1〜240時間の連続注入によって投与されよう。
【0098】 投与されるヒトプロテインC誘導体の量から得られる好ましい血漿範囲は、0
.02ng/ml〜100ng/ml未満であろう。
【0099】 その他の代替法として、ヒトaPC誘導体は、1時間当たりの適当な用量の一
部(1/3〜1/2)を、ボーラス注射として約5分〜約120分の間にわたり
注射によって投与し、続いて240時間までの間に、適当な用量を連続注入する
ことにより投与される。
【0100】 その他の代替法について、ヒトaPC誘導体は、危険性の高い血管形成術(ス
テント術を用いるおよび用いない、並びに抗血小板剤を用いた併用療法を伴うお
よび伴わない)に対する補助として、冠内カテーテルを通じる局所的な送達によ
って投与しよう。投与されるヒトaPC誘導体の量は、連続注入、ボーラス注射
、またはそれらの組合せにより約0.01mg/kg/日〜約1.0mg/kg/
日であろう。
【0101】 さらにその他の代替法について、ヒトaPC誘導体は、よりゆっくりな血流へ
の放出を確実にするために、0.01mg/kg/日〜約1.0mg/kg/日
の用量で皮下投与されよう。皮下用調製物のための処方は、このような医薬組成
物を調製すための周知の方法を使用して行われよう。
【0102】 本明細書中で使用する語句「〜と組合わせて(〜と併用して)」は、追加の薬
剤をaPCと、同時に、連続的にまたはこれらを組合わせのいずれかにて投与す
ることを意味する。追加の薬剤の例としては、抗血小板剤、血栓溶解剤およびB
PIタンパク質が挙げられる。
【0103】 本発明に記載のヒトaPC誘導体は、野生型ヒトaPCと比較して、実質的に
亢進された抗凝固活性および亢進された血漿半減期を有する。それゆえ、本化合
物は、より少ない頻度での投与および/またはより少ない用量を必要としよう。
最終的に、ヒトaPC誘導体抗凝固活性およびセルピン不活性化に対する耐性に
おけるより優れた亢進は、2〜6個のアミノ酸置換を介して達成することができ
、これは、おそらく3個より多くのアミノ酸置換を有するaPC誘導体よりも免
疫原性が少ない。
【0104】 以下の実施例は、単に、本発明をさらに例示するために提供される。本発明の
範囲は、単に以下の実施例から構成されるものと解釈されるべきではない。
【0105】 実施例1 プロテインC誘導体の構築および産生 標準的な方法に従いポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、ヒトプロテ
インC誘導体を構築した。野生型コード配列の供給源は、プラスミドpLPCで
ある(Bio/Technology 5:1189-1192,1987)。用いたユニバーサルPCRプライ
マーには、 PC001b;
【化1】 [これは、サブクローニングに使用するXbaI制限部位(下線部)、Koza
kコンセンサス配列(小文字)(Kozak, J Cell Biol 108(2):229-41,1989)、
およびプロテインCのコード領域の5'末端をコードする]、 PC002E;
【化2】 [これは、ヒトプロテインCのコード領域の3'末端をコードし、サブクローニ
ング用のBclI制限部位(下線部)を含む]が含まれる。確立したPCR方法
により、所望の配列変更を含む相補的オリゴヌクレオチドを使用して、全ての部
位特異的変異誘発を行なった。PCRの1回目は、プロテインC遺伝子の2個の
断片を増幅するのに用いた:PC001bおよびアンチセンス変異原性プライマ
ーを用いて5'断片を調製し、PC002eおよびセンス変異原性プライマーを
用いて3'断片を調製した。得られた増幅産物を標準的手段により精製した。こ
れらの断片を合わせ、次いで、プライマー、PC001bおよびPC002eを
用いる2回目のPCRについての鋳型として使用した。最終的なPCR産物をX
baIおよびBclIを用いて消化し、同様に消化した発現ベクターpIG3に
サブクローニングした。2個のユニバーサルプライマーおよび鋳型としてプラス
ミドpLPCを用いてPCRを行ない、野生型構築物を同様に調製し、続いてp
IG3にサブクローニングした。コード鎖および非コード鎖の両方のDNA配列
決定により、変異を確認した。pIG3ベクターは、「内部リボソーム進入部位
(internal ribosome entry site)」(IRES)(Jackson等、Trends Biochem Sci 15(12):447-83,1990)およびグリーン蛍光タンパク質(GFP)(Cormack等
Gene 173:33-38,1996)遺伝子を、哺乳動物発現ベクターであるpGTD(Ger
litz等、Biochem J 295(Pt1):131-40,1993)へ挿入することにより調製された。
目的のcDNAがpIG3のマルチクローニングサイトにクローニングされた場
合に、GBMTプロモータ(Berg等、Nucleic Acids Res 20(20):5485-6,1992)
は、2シストロン性のmRNA(5'−cDNA−IRES−GFP−3')の発
現を誘導する。第1シストロンの効率良い翻訳は、mRNAの5'−メチル化キ
ャップ構造上でのリボソームサブユニットの古典的なアセンブリにより開始され
;同時に、第2シストロンの通常不充分な翻訳は、mRNAにおける内部リボソ
ームアセンブリを可能にするIRES配列により克服される。別々のタンパク質
として翻訳される、cDNAおよび単一のmRNA上のレポーターのカップリン
グにより、蛍光強度に基づいて最も産生の高いクローンについてスクリーニング
できる。また、発現ベクターは、プラスミドを大腸菌内に維持するためのアンピ
シリン耐性カセット、並びに哺乳動物の組織発現における選択および増幅目的の
ための適切な発現配列を有するマウスDHFR遺伝子を含有する。
【0106】 アデノウィルスで形質転換したゴールデンハムスターAV12−664細胞株
を、10%ウシ胎仔血清、50μg/mLゲンタマイシン、200μg/mLジ
ェネテシン(G418)および10μg/mLビタミンK1を補充したダルベッ
コ改変イーグル培地中で増殖させた。トランスフェクションの1日前に、細胞を
約105細胞/25cm2の密度でプレーティングした。FspI線状化プラスミ
ドを、リン酸カルシウム法(ProFection,Gibco BRL-Life Technologies)または
FuGene−6(Boehringer Mannheim)のいずれかを使用して、製造業元の
指示に従いトランスフェクトした。トランスフェクションのおよそ48時間後、
選択のために250nMメトトレキサートを含有する培地を用いて培地を交換し
た。メトトレキサート耐性コロニーを、薬剤選択を適用した後2〜3週間プール
し、増殖させた。このプールを、GFP蛍光強度に基づく蛍光活性型細胞ソーテ
ィングにかけ(Cormack,1996)、蛍光細胞のうち最も強い5%を保持し、増殖さ
せた。精製用の材料を得るために、組換え細胞を、1μg/mLヒトインシュリ
ン、1μg/mLヒトトランスフェリンおよび10μg/mLビタミンK1を含
むダルベッコ改変イーグル培地およびHam's F−12培地の改変型混合物(
1:3)中で増殖させた。条件培地を回収し、最終濃度を5mM ベンズアミジ
ンおよび5mM EDTA、pH8.0に調節し、プロテインCを、上記のように
アニオン交換クロマトグラフィーを介して精製した(Yan等、Bio/Technology 8:
655-661,1990)。精製したタンパク質を、バッファーA(150mM NaCl
、20mM トリス−HCl、pH7.4)を用いるウルトラフリー(Ultrafree
)−CL30,000NMWLろ過ユニット(Millipore)中にて脱塩/濃縮し、
標準物質としてウシ血清アルブミン(BSA)を用いるピアス(Pierce)BCA
アッセイにより定量した。
【0107】 実施列2 セルピン耐性変異体 セルピンによる不活性化を減少させるヒトプロテインC内の特定の部位を変更
することで血漿半減期が延長する結果となる、部位特異的突然変異誘発の使用を
記載する。2つの一次的なaPC阻害物質であるα1−ATおよびPCIにおけ
る認識配列は、その配列と相互作用するaPC中の残基を改変することによって
活用できる幾つかの差異を明らかにする。表Iは、aPCによって認識される配
列を表す。開裂部位は、イタリック体で示した2つの残基の間で生じる。特定の
サブサイト、S2、S3'およびS4'を占める残基を、下線で表す。
【0108】 一般に、第Va因子の認識部位は、第VIIIa因子またはその阻害物質のい
ずれの部位とも異なる、そのため、より重要な第Va因子を優先的に開裂する一
方で、同時にセルピンによる阻害のaPCの可能性を減少させる、aPCの活性
部位を調製することが可能である。
【表1】
【0109】 特に、活性部位内の3つの認識部位は、基質認識配列および阻害物質認識配列
:S2(開裂部位に対して2番目のN末端残基)、S3'部位およびS4'の間で
は、特徴的に異なることを示す。S2部位は、この部位に疎水性残基を有するP
CIおよびα1−ATとは異なり、第Va因子配列における極性残基により本来
占有されている。全ての基質配列においてS3'部位は、極性側鎖により占有さ
れるが、α1−AT整列においては疎水性側鎖により占有されていることは際立
っている。S4'部位は、第Va因子の3つ全ての配列において、荷電残基によ
って占有されているが、第VIIIa因子配列および阻害物質配列における疎水
性残基によって占有されている。
【0110】 PPACK阻害されたaPC(Mather等、EMBO J. 15(24):6822-6831,1996)
およびHirulog 3阻害されたトロンビン(Qiu等、Biochemistry 31(47):
11689-97,1992)の結晶構造に基づき、2つのaPC基質モデル構造を提唱し、
CHARMmプロトコル: (1)第Va因子R506開裂配列を表す配列。 (2)ArgをMetで置換した、α1−ATの認識配列(aPCに非常に高
い親和性を示すα1−ATのポリペプチドに相当する) を用いてエネルギーを最小にした。
【0111】 これらのモデルは、この3つの特定の部位における重要な接触を形成する残基
の同定を可能にする。活性部位内で特定の接触を形成することができる残基、並
びに特異性および/または活性の向上を提供することが期待される置換の要約を
、表IIにまとめる。一般に、活性部位の特定のサブサイト内で接触を形成する残
基の突然変異は、環境における変化を反映し、2つの第一の生物学的阻害物質の
認識を避けるヒトaPC誘導体の特異性を導くために設計され、ヒトaPC誘導
体のタンパク質分解活性を潜在的に向上させる。
【表2】
【0112】 実施例3 組換えプロテインCの活性化 プロテインCおよびプロテインC誘導体のチモーゲン型の完全な活性化は、ト
ロンビン−セファロースとのインキュベーションにより達成される。トロンビン
−セファロースをバッファーAで徹底的に洗浄した。パックしたトロンビン−セ
ファロース200μLを、同じバッファー1mL中の250μgのプロテインC
と混合し、37℃にて4時間、攪拌プラットホーム上で穏やかに攪拌した。イン
キュベーションの経過の間、トロンビン−セファロースを簡単にペレット化し、
色素原性基質であるS−2366(DiaPharma)を用いるaPC活性について少
量の上清の部分標本をアッセイすることで、プロテインC活性化の程度をモニタ
ーした。完全に活性化した後、トロンビン−セファロースをペレット化し、上清
を回収した。aPC濃度をPierceBCAアッセイにより検証し、aPCを
直接アッセイするか、または部分標本を−80℃で凍結させた。完全な活性化を
確認するために、全ての誘導体をクマシーブルー染色またはウェスタンブロット
分析のいずれかを用いて、SDS−PAGEにより分析した(Laemmli, Nature
227:680-685,1970)。
【0113】 実施例4 機能的な特徴づけ 組換えヒトaPC誘導体のアミド分解活性を、トリペプチド基質であるS−2
366(Glu−Pro−Arg−p−ニトロアニリド)、S−2238(Pi
p−Pro−Arg−p−ニトロアニリド)およびS−2288(Ile−Pr
o−Arg−p−ニトロアニリド)の加水分解により測定した。
【0114】 1mg mL-1BSA、3mM CaCl2および0.5nM aPCを含有する
バッファー A中にて25℃で、アッセイを行った。反応(200μL/ウェル
)を96穴マイクロタイタープレート中で行い、アミド分解活性をThermo
maxキネティックマイクロタイタープレートリーダーでモニターし、405n
mでの吸光度(ユニット/分)の変化として測定した。反応動力学定数は、種々
の基質濃度(16μM〜2mM)での速度データをミカエリス−メンテンの式に
当てはめることにより導き出した。0.53cmの経路長(Molecular Devices T
echnical Applications Bulletin 4-1)および遊離p−ニトロアニリドの吸光係
数、9620M-1cm-1(Pfleiderer、Methods Enzymol 19:514-521,1970)を
用いてA405における変化を、mmolの生成物に変換した。活性型部分的トロ
ンボプラスチンタイム凝固アッセイ(activated partial thromboplastin time
clotting assay)(Helena Laboratories)において凝固時間の延長を測定するこ
とにより、抗凝固活性を評価した。凝固反応はThermomaxキネティック
マイクロタイタープレートリーダーでモニターし、濁度変化においてVmaxまで
の時間を測定した。
【0115】 実施例5 aPC誘導体の不活性化 aPC誘導体の不活性の速度を、ラビット血漿または正常なヒト血漿(ヒーラ
研究所)を、20nM aPC(または誘導体)と共に37℃にてインキュベー
トすることによって決定した。血漿濃度は、150mM NaCl、20mM ト
リス、pH 7.4および1mg mL-1 BSAを含有する最終反応バッファー中
90%(v/v)であった。選ばれた時間に部分標本を取り出し、最終濃度1m
MにおけるS−2366を用いて、アミド分解活性として測定した。aPC誘導
体S11G:Q32E:N33D:L194S(GEDS)、S11G:Q32
E:N33D:L194S:T254S(GEDSS)、H10Q:S11G:
Q32E:N33D:L194S(QGEDS)およびH10Q:S11G:Q
32E:N33D:L194S:T254S(QGEDSS)について測定した
半減期を、以下の表IIIにまとめる。
【表3】
【0116】 実施例6 インビボ薬物動態 突然変異の結果としてインビボにおいて観察される半減期の効果を検証するた
めに、正常なラビットにおいてインビボ薬物動態実験を行なった。意識のあるラ
ビットにおいて、辺縁の耳静脈および中心の耳動脈をカニューレ処理した。バッ
ファーA中の活性化プロテインC誘導体(300μg/ml)を用いて、100
μg/kgまたは0.1mg/kgボーラス用量を、辺縁の耳静脈カテーテルを
通じて投与した。ベンズアミジンを含む3.8%シトレート0.05mlを含有す
るシリンジ中に血液(0.45ml)を採取し、シリンジ/ニードルの隙間を補
充するために調整を行い、シトレート/ベンゾアミジン:血液を1:9の最終濃
度にした。処置後、0、2、5、10、15、30、45、60、90、120
、180、240、300および360分に、試料を採取し、採取後都合がつき
次第すぐに遠心し、血漿200μlを96穴プレート中に部分標本した。活性化
プロテインC誘導体のレベルを、以上に記載するように(Gruber等、Blood 79(9
):2340-2348, 1992)、プールしたラビット血漿中に1〜250ng/mLの範
囲に希釈した標準物と比較して、酵素捕獲(enzyme capture)アッセイ(ECA
)を用いて決定した。
【0117】 ラビットにおける静脈内ボーラス投与後の薬物動態学的なaPC誘導体S11
G:Q32E:N33D:L194S(GEDS)、S11G:Q32E:N3
3D:L194S:T254S(GEDSS)、H10Q:S11G:Q32E
:N33D:L194S(QGEDS)およびH10Q:S11G:Q32E:
N33D:L194S:T254S(QGEDSS)の半減期を表IVに示す。T 1/2 平均値は、aPC誘導体の全てが野生型aPCと比較した場合に、亢進され
た半減期を有することを示している。
【表4】
【0118】 実施例7 ラビットにおける血栓症のモデルについての抗血栓効果 血栓症の動静脈(AV)シャント(shunt)モデルは、心肺バイパス機器または
腎臓透析機器などの人工装置を通じて血液を循環する、臨床状態を模した血栓症
の頻繁に用いられる、再現性の高いモデルである。AVシャント血栓症の麻酔し
たラビットモデルにおいて、頚動脈から3部のプラスチックチューブシャントを
通じて、頚静脈に固定している間、血液を分岐する。チューブの中央部には、血
栓性の物質が沈着する針を含む。フィブリンおよび血小板は血栓を構成する一方
で、フィブリンが優勢である。抗血栓効果は、活性部位を修飾した変異体の機能
的な半減期がラビットにおいて引き延ばされるために、ラビットのAVシャント
モデルにおいて決定された。
【0119】 野生型活性化プロテインCと比較して、セルピン不活性化に対する耐性および
亢進された抗凝固活性を有するヒトプロテインC誘導体を評価した。変異型それ
ぞれを75分間、流速0.15mg/kg/時間にて注入した。血栓症の15分
期間が60〜75分の間に生じた。aPTTよびaPC濃度を決定するために、
血液を採取した。この試料を、aPTTを用いて全血液において抗凝固活性、並
びに免疫捕獲(immunocapture)およびアミド活性を用いてaPCの血漿濃度につ
いて測定した。
【0120】 変異型それぞれおよび野生型(wt)aPCについての平均血栓重量を表Vに
まとめるように、初速度0.15mg/Kg/時間用量の抗血栓効果を表した。
この結果は、セルピン不活性化に対する耐性および亢進された抗凝固活性を有す
るヒトプロテインC誘導体が、野生型aPCよりもより効能があることを実証し
ている。
【表5】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プレ−プロ(pre-pro)リーダー(シグナル)配列を含
む、プロテインC分子の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列の概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 7/02 A61P 9/10 9/00 31/04 9/08 C12N 1/15 9/10 1/19 31/04 1/21 C12N 1/15 9/50 1/19 C12R 1:91 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A 9/50 A61K 37/02 //(C12N 9/50 37/48 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ブライアン・エドワード・ジョーンズ アメリカ合衆国46032インディアナ州カー メル、ビーコン・パーク・ドライブ14772 番 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA14 CA02 DA02 EA04 GA11 HA01 4B050 CC01 CC04 DD11 DD20 FF11E LL01 4B065 AA90X AA93X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA33 CA44 4C084 AA02 AA07 AA13 AA14 AA19 BA01 BA08 BA22 BA23 BA35 BA44 CA18 CA53 CA56 CA59 DC03 MA02 NA05 NA14 ZA362 ZA392 ZA542 ZB352

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10位のHisがGlnで置換されている;11位のSer
    がGlyで置換されている;12位のSerがLysで置換されている;32位
    のGlnがGluで置換されている;33位のAsnがAspまたはPheで置
    換されている;および、194、195、228、249、254、302また
    は316位のアミノ酸がSer、Ala、Thr、His、Lys、Leu、A
    rg、Asn、Asp、Glu、GlyおよびGlnから選択されるアミノ酸で
    置換されている;から成る群から選択されるアミノ酸置換を少なくとも2つ有す
    る配列番号1を含む、ヒトプロテインC誘導体。
  2. 【請求項2】 該ヒトプロテインC誘導体がその活性型である、請求項1に
    記載のヒトプロテインC誘導体。
  3. 【請求項3】 11位のSerがGlyで置換されている;32位のGln
    がGluで置換されている;33位のAsnがAspで置換されている;および
    194位のLeuがSerで置換されている(配列番号:3)、請求項1に記載
    のヒトプロテインC誘導体。
  4. 【請求項4】 11位のSerがGlyで置換されている;32位のGln
    がGluで置換されている;33位のAsnがAspで置換されている;および
    194位のLeuがSerで置換されている、および254位のThrがSer
    で置換されている(配列番号:4)、請求項1に記載のヒトプロテインC誘導体
  5. 【請求項5】 10位のHisがGlnで置換されている;11位のSer
    がGlyで置換されている;32位のGlnがGluで置換されている;33位
    のAsnがAspで置換されている;および194位のLeuがSerで置換さ
    れている(配列番号:5)、請求項1に記載のヒトプロテインC誘導体。
  6. 【請求項6】 10位のHisがGlnで置換されている;11位のSer
    がGlyで置換されている;32位のGlnがGluで置換されている;33位
    のAsnがAspで置換されている;および194位のLeuがSerで置換さ
    れている、および254位のThrがSerで置換されている(配列番号:6)
    、請求項1に記載のヒトプロテインC誘導体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のヒトプロテインC誘導体を
    コードする、組換えDNA分子。
  8. 【請求項8】 急性冠血管症候群、および血栓症にかかり易い疾患状態を処
    置する方法であって、それを必要とする患者に製薬的有効量の請求項1に記載の
    ヒトプロテインC誘導体を投与することを包含する方法。
  9. 【請求項9】 急性冠血管症候群、および血栓症にかかり易い疾患状態が、
    心筋梗塞および不安定狭心症から成る群から選択される、請求項8に記載の方法
  10. 【請求項10】 血管閉塞障害および凝固性亢進状態を処置する方法であっ
    て、それを必要とする患者に製薬的有効量の請求項1に記載のヒトプロテインC
    誘導体を投与することを包含する方法。
  11. 【請求項11】 敗血症を処置する方法であって、それを必要とする患者に
    製薬的有効量の請求項1に記載のヒトプロテインC誘導体を、殺菌性透過亢進タ
    ンパク質と組み合わせて投与することを包含する方法。
  12. 【請求項12】 血栓障害を処置する方法であって、それを必要とする患者
    に製薬的有効量の請求項1に記載の単離されたヒトプロテインC誘導体を、抗血
    小板剤と組み合わせて投与することを包含する方法。
  13. 【請求項13】 プロテインC欠損症を処置する方法であって、それを必要
    とする患者に製薬的有効量の請求項1に記載のヒトプロテインC誘導体を投与す
    ることを包含する方法。
  14. 【請求項14】 冠動脈、脳動脈または末梢血管、あるいは代用血管におけ
    る急性動脈血栓閉塞症、血栓塞栓症または狭窄症を処置する方法であって、それ
    を必要とする患者に製薬的有効量の請求項1に記載のヒト活性化プロテインC誘
    導体を、血栓溶解剤と組み合わせて投与することを包含する方法。
  15. 【請求項15】 遺伝的にプロトロンビン症にかかり易い障害を有するヒト
    患者を処置する方法であって、該患者に請求項1に記載のプロテインC誘導体を
    コードする組換えDNA分子を用いて遺伝子療法を施すことを包含する方法。
  16. 【請求項16】 血栓障害を処置する方法であって、請求項1に記載のヒト
    活性化プロテインC誘導体を、冠内カテーテルを通じる局所的な送達によって投
    与することを包含する方法。
  17. 【請求項17】 敗血症を処置する方法であって、それを必要とする患者に
    、製薬的有効量の請求項1に記載のヒトプロテインC誘導体を、組織因子経路阻
    害剤と組み合わせて投与することを包含する方法。
  18. 【請求項18】 該ヒトプロテインC誘導体が、S11G:Q32E:N3
    3D:L194S、S11G:Q32E:N33D:L194S:T254S、
    H10Q:S11G:Q32E:N33D:L194S、およびH10Q:S1
    1G:Q32E:N33D:L194S:T254Sから成る群から選択される
    、請求項8〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 製薬的に許容される希釈剤中に、請求項1〜6のいずれか
    に記載のヒトプロテインC誘導体を含む、医薬組成物。
  20. 【請求項20】 該ヒトプロテインC誘導体が、S11G:Q32E:N3
    3D:L194S、S11G:Q32E:N33D:L194S:T254S、
    H10Q:S11G:Q32E:N33D:L194S、およびH10Q:S1
    1G:Q32E:N33D:L194S:T254Sから成る群から選択される
    、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. 【請求項21】 急性冠血管症候群、血管閉塞障害および凝固性亢進状態、
    殺菌性透過亢進タンパク質を組み合わせた敗血症、血栓障害、抗血小板剤と組み
    合わせた血栓障害、遺伝的にプロトロンビン症にかかり易い障害、および組織因
    子経路阻害剤と組み合わせた敗血症の処置用の医薬品を製造するための、請求項
    1に記載のヒト活性化プロテインC誘導体の使用。
  22. 【請求項22】 請求項7に基づく核酸を含む、ベクター。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載のベクターによって形質転換された、宿
    主細胞。
  24. 【請求項24】 請求項1に記載のヒトプロテインC誘導体を調製する方法
    であって、(a)ヒトプロテインC誘導体をコードする核酸を含有するベクター
    を用いて宿主細胞を形質転換し、(b)該ヒトプロテインC誘導体の発現に適し
    た培地にて、該宿主細胞を培養し、(c)その培養培地から該ヒトプロテインC
    誘導体を単離し、そして(d)該ヒトプロテインC誘導体を活性化することを包
    含する方法。
  25. 【請求項25】 該核酸が、S11G:Q32E:N33D:L194S、
    S11G:Q32E:N33D:L194S:T254S、H10Q:S11G
    :Q32E:N33D:L194S、およびH10Q:S11G:Q32E:N
    33D:L194S:T254Sから成る群から選択されるヒトプロテインC誘
    導体をコードする、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 該宿主細胞が293細胞およびAV12細胞から成る群か
    ら選択される、請求項24に記載の方法。
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