JPH043273Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電子機器の構造に関するものである。
近年電子腕時計、電卓、その他小型情報機器等の
電子機器が数多く出回つている。特にデジタル腕
時計は多くのメーカーが参入し、しかもその構造
も多種多様である。以下デジタル腕時計の構造を
例に説明していくが、他の電子機器に置きかえる
ことも可能である。以下図面に基づいて説明す
る。

第１図は従来のデジタル腕時計の一般的な構造
である。１は液晶パネル（反射板付）、２はパネ
ル枠、３はコネクタ、４はIC、回路素子等を実
装している回路基板、５は電池、６は電池マイナ
ス端子、７は回路ケースである。前記パネル枠２
には複数の金属ピン８が打ち込まれており回路基
板４、電池マイナス端子６、回路ケース等を案内
して複数の止めネジ９で固定してムーブメントを
構成している。ムーブメントは上ケース１０、下
ケース１１に収納されて完成品となる。この構造
の場合、せつかく上ケース１０、下ケース１１と
いう収納ケースがあるにもかかわらず、パネル枠
２、回路ケース７という全く別な収納ケースを二
重に持つていることになる。これでは部品点数が
増え、型代、組立費等が大幅にアツプする。しか
も肉のたつぷり付いた部品であるのでトータルの
厚みがかなり大きくなる。またパネル枠２には複
数の金属ピン８が打ち込まれており、これにより
回路基板４、電池マイナス端子６等を案内して最
後に複数の止めネジ９でガツチリと締め付ける構
造は一見して過剰と思えるものであつた。

本考案はこのデジタル腕時計の例に代表される
様な電子機器の構造上の欠点を解決するため、プ
ラスチツクケースに形成した突起部を利用してム
ーブメント部品の位置決め及び固定をすることに
より無駄な部品は徹底的に削除し、コストダウ
ン、薄型化を可能にしかつ電気導通は確実に得ら
れる構造を提供するものである。

以下実施例に基づいて本考案を詳しく説明す
る。

尚、本考案の実施例では、電池端子板を電池マ
イナス端子で説明する。

第２図は本考案の実施例であり、回路基板４、
電池マイナス端子６は上ケース１０に形成した突
起部（ダボ部）１０ａにより案内され、かつ上ケ
ース１０と回路基板４を熱カシメ固定することに
より電池マイナス端子６の導通ばね部は確実に回
路基板４とばね接触し、導通を確保している。こ
れにより、第１図で記載したパネル枠２、回路ケ
ース７、複数の金属ピン８、止めネジ９等は不要
となり、部品点数削減による大幅なコストダウン
が可能となる。またムーブメント部品の固定も止
めネジによるものから熱カシメに替わるため、こ
れでもコストダウンできる。さらに肉厚の大きい
部品が不要となることにより完成品として大幅な
薄型化が可能となる。またこれだけの部品点数削
減、薄型化を計つたにもかかわらず、電気導通は
確実に得られ、かつ最も頻繁に行なう電池交換時
も電池以外の部品は確実に固定されていて容易に
電池交換ができるという効果も有する。

また本実施例はデジタル腕時計を例に説明して
きたが、もちろん本考案は電子機器全般に採用で
きる構造である。

以上説明したように本考案による電子機器の構
造は、従来品と比べ部品点数を大幅に削減し、コ
ストダウン、薄型化を可能にし、かつ止めネジ等
を一切使用せずに確実な電気導通が得られる。ま
たアフターサービス上も電池交換時に他の部品が
全く飛び出さずに容易に交換できる等のすぐれた
効果を有するものである。

又、マイナス端子板が突起部の周辺を支点とし
て垂直面内で揺動可能に配置される構成にしたこ
とにより、電池を装着した時にマイナス端子板の
一端が電池に押圧されると同時にマイナス端子板
は支点を中心に回動方向に付勢されるためマイナ
ス端子板の他端は回路基板に押圧される。

したがつて、マイナス端子板と回路基板の接続
が確実にできるため、信頼性の高い電子機器の構
造を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電子機器の構造を示す断面図。
第２図は本考案の一実施例を示す断面図である。 １……液晶パネル（反射板付）、２……パネル
枠、３……コネクタ、４……回路基板、５……電
池、６……電池マイナス端子、７……回路ケー
ス、８……金属ピン、９……止めネジ、１０……
上ケース、１１……下ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも回路基板と電池とマイナス端子板よ
   り成るムーブメント部品と、前記ムーブメント部
   品を収納する上ケース及び下ケースとより成り、
   前記ケースはプラスチツク製であり、前記上ケー
   スには突起部を形成されてなり、前記マイナス端
   子板と前記回路基板の２部品は順次積層され前記
   突起部に挿通配置され平面方向に位置決めされる
   とともに、前記突起部を熱カシメすることにより
   前記回路基板が垂直方向に位置決めされてなり、
   前記マイナス端子板は前記突起部の周辺を支点と
   して垂直面内で揺動可能に配置されるとともに、
   前記支点をはさんで一端が前記回路基板との接続
   部に伸長し、他端が前記電池の端子に対向する位
   置に伸長して配置され、かつ前記マイナス端子板
   は前記電池の装着により前記他端が押圧されたと
   き前記支点を中心に回動方向に付勢されて前記一
   端が前記回路基板に押圧されてなることを特徴と
   する電子機器の構造。