JPH04314983A - 高強度アルミニウム合金製ポンプロータ - Google Patents
高強度アルミニウム合金製ポンプロータInfo
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- Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)
Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
例えばA/T(Automatic Transmis
sion)用オイルポンプに使用されるロータとして適
するものである。
自動車部品の軽量化が進められている中、そのひとつと
してオイルポンプの軽量化が重要視されている。従来の
オイルポンプは、鉄系の材料で作られており(ポンプケ
ースは主として鋳物もしくはダイカスト)、そのため、
例えば、A/T用オイルポンプではその重量が5kgを
越えている。これをAl合金化するとポンプ重量は2k
g以下となり、約60%の軽量化が図れる。
ース用としては使用できるものがあるが、ポンプロータ
用材料としては適切なものが無く(いずれも後述する課
題を有する)、また、溶製法(鋳造法、ダイカスト法)
では要求特性を満足するAl系材料を作ること自体が難
しかった。そこで、ポンプケースのみをAl合金化する
ことが考えられるが、この場合には次のことが問題とな
る。即ち、Al合金製のポンプケースを、これまでの鉄
製ロータと組合わせて使用すると、140〜160℃の
摺動条件下では両者の熱膨張率の差でケースとロータ間
に15〜20μm程度の隙間が生じてポンプ性能が著し
く低下する。また、逆にロータの熱膨張計数がポンプケ
ースのそれより大きいと、ケースとロータ間のクリアラ
ンスが無くなってロータの回転に支障が生じることから
、A/T用ポンプ等のAl合金化はまだ実現していなか
った。
の材料でオイルポンプロータ用として検討の対象になる
ものとしては、ピストンや軸受等の摺動部材として使用
されているAC8BやA390等に代表されるAl溶製
合金(I/M:Ingot Metallugy)、急
冷凝固粉末冶金法で作られるAl−高Si系の粉末合金
(P/M:Powder Metallugy) やA
l−高Zn系のP/M合金、或いは近年、新素材の1つ
として注目を集めているSiCやAl2 O3 等のセ
ラミック繊維或いはセラミックス粒子で強化されたAl
金属基複合材料(MMC:Metal Matrix
Composites)などがある。
材料をロータ材として使用すると次のようなことが問題
となる。
Al合金同志の摺動摩耗や面圧疲労に対する強度不足の
ため、歯面においてはピッチング摩耗を出発点とする著
しい摩耗損傷が生じ、また、端面や外周部ではポンプケ
ースとの焼付きから生じる著しい摩耗が発生する。さら
に、高速回転下においてはシャフト接合部での強度不足
による疲労破壊を生じる。また、精密・複雑な形状創成
に対しては冷間鍛造加工等では不十分であるため切削加
工が必要となるが、耐摩耗性を高めるためにSi含有量
を増やすと高Si化に伴って初晶Siが粗大化するため
切削性が悪化し、強度の低下をも生じる。さらに、高温
強度を向上させるために必要なFeの含有量は3〜10
%であるが、5%を越えて添加すると粗大な針状組織と
なるため合金の靱性が低下し、従って、高温強度も満足
に確保できない。
Si含有のため熱膨張率が低下し、要求される熱膨張特
性を満足しなくなる。また、この系の合金は高温強度に
問題があることから高温環境下で使用するロータへの適
用は困難である。
造時の著しい時効硬化により高温強度は有するものの、
耐熱性、耐摩耗性に問題があるため、やはり高温環境下
で使用するロータには適していない。
強度に優れるが、Al合金に比べ材料の信頼性が乏しく
、また、切削性が極端に悪く、コストも高いことからロ
ータに利用するのは難しい。
するためには、このような問題を生じない材料が必要に
なる。
ついて考えると、上記の温度即ち140〜160°の温
度下での高速耐久試験(例えば5000〜7000rp
m ×100時間)においてロータの摺動部が損傷しな
いこと、いわゆる高速耐摩耗性が重要となる。また、熱
膨張特性がポンプケースのそれとほぼ同等であることも
必要である。これ等から今、ポンプケースをA390、
B390、AC2B等で作ることを想定すると、ロータ
用Al合金に求められる不可欠の特性として次の3つの
条件が考えられる。
6℃−1。
m2 以上、140〜160℃下で50kgf/mm2
以上。
〜105以上、HV にて220〜240以上。
のAl合金製ポンプロータを提供しようとするものであ
る。
、上記の課題を解決するため、アウターロータとインナ
ーロータの少なくとも一方を、重量基準でFe:5〜1
2% Ni:3〜10% の範囲において両元素の合計含有量が8〜15%であり
、これとSi:8〜20%、Cu:1〜3.5%、Mg
:0.5〜2%、Mn:0.2〜1%、Cr:0.5〜
2%、Mo:0.3〜2%、Zr:0.5〜1.5%、
残部Alと不純物とからなる組成の粉末アルミニウム合
金で作ったものである。
求されるポンプロータに対しては、摺動部の表面に電解
Ni−P−BNメッキ処理もしくは無電解Ni−Pメッ
キ処理やアルマイト処理を施したり、表層部をレーザ、
電子ビーム等の高密度熱線で熱処理してその要求に応え
ることができる。
Al粉末に限定し、さらに、材料の組成をうまく定めて
要求特性を満足させたものである。以下に本発明ロータ
のAl合金における各成分の作用とその含有量について
説明する。Si:耐摩耗性を向上させ、かつ熱膨張率を
小さくする効果があり、その量が8%未満では耐摩耗性
が不足する。逆に、20%を越えると粉末の鍛造性が悪
くなり、合金の靱性も低下する。
、かつ熱膨張率を小さくする効果がある。その量が5%
未満ではこれらの特性改善に対する効果が不十分であり
、また12%を越えるとAlとの金属間化合物(例えば
FeAl3)が粗大化するため合金の靱性が低下する。 NiはFeと同様に高温強度を向上させ、かつ熱膨張率
を小さくする。その量が3%未満ではこれらの特性改善
に関する効果が不十分であり、また10%を越えるとA
lとの金属間化合物(例えば、NiAl、Ni2 Al
)が粗大化するため合金の靱性が低下する。両者の合計
含有量に関して高温強度の観点からはその量が8%未満
ではその効果が不十分であり、また、熱膨張性の観点か
らは15%を越えると要求される熱膨張率の範囲を下回
る。
、硬度等の機械的特性を向上させる。
不十分であり、また3.5%を越えてもその効果は向上
せず、耐食性はかえって低下する。Mgについては0.
5%未満では上記の効果は不十分であり、2%を越えて
もその効果は向上しない。
維組織化することにより強度を向上させる効果がある。 その量が0.2%未満では効果が不十分であり、また1
%を越えてもその効果は向上しないうえ粗大な晶出物が
生じるため逆に強度は低下する。
の晶出物を形成して強度を向上させる効果がある。0.
5%未満ではその効果が不十分であり、2%を越えても
その効果は向上しないうえ逆に晶出物が粗大化するため
に強度が低下する。
の改善に効果がある。0.3%未満ではその効果が不十
分であり、2%を越えてもその効果は向上しない。
強化により高温強度を向上させる効果がある。0.5%
未満ではその効果が不十分であり、1.5%を越えても
その効果は向上しない。
いため、本発明のロータ材料と同一組成であったとして
も高強度特性を確保できないが、本発明のロータは急冷
凝固粉末冶金法で作られたAl粉末を原材料としている
ので急冷凝固の効果も生かされ、熱膨張率、引張強度、
硬度について先に挙げた条件を全て満足させる。従って
、高温下での高速回転使用にも充分に耐えるものとなる
。
の急冷凝固Al合金粉末を作った。そして、その粉末を
用いて熱間鍛造でφ20×30mmのビレットを作製し
、各サンプルの特性を評価した。結果を表2に示す。
を冷間鍛造後、切削仕上げして図1に示すような歯面形
状を有する内接歯車ポンプ用のアウターロータ1、図2
に示すようなインナーロータ2をそれぞれ同一材料で作
成した。そして、これ等をAl合金(A390)製のポ
ンプケースに組込み、表3の条件下でポンプ性能の評価
を行った。その結果を表4に示す。IとIIの材料から
成るロータが本発明品である。
、インナーロータ、アウターロータのいずれかの側が、
トコロイド曲線、インボリュート曲線又はこれ等と同等
の性能を有する歯面形状となる。
プロータは使用材料に対して要求される特性を全て満た
す。従って、Al合金製のポンプケースと組合わせても
熱膨張差に起因したポンプ性能の低下を来たさず、かつ
高温下で使用しても充分な耐久性を示し、このために軽
量で信頼性の高いA/T用オイルポンプ等を実現するこ
とが可能となる。
を示す正面図
を示す正面図
Claims (1)
- 【請求項1】 歯面間にポンピングチャンバを作り出
すアウターロータとインナーロータのいずれか一方又は
双方が、重量基準で Fe:5〜12% Ni:3〜10% の範囲において両元素の合計含有量が8〜15%であり
、これとSi:8〜20%、Cu:1〜3.5%、Mg
:0.5〜2%、Mn:0.2〜1%、Cr:0.5〜
2%、Mo:0.3〜2%、Zr:0.5〜1.5%、
残部Alと不純物とからなる組成の粉末アルミニウム合
金で作られていることを特徴とする高強度アルミニウム
合金製ポンプロータ。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
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DE69221690T DE69221690T2 (de) | 1991-04-03 | 1992-04-03 | Rotor für ölpumpe aus einer aluminiumlegierung und dessen herstellungsverfahren |
US07/949,646 US5368629A (en) | 1991-04-03 | 1992-04-03 | Rotor for oil pump made of aluminum alloy and method of manufacturing the same |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US6382942B1 (en) * | 1999-11-09 | 2002-05-07 | Mitsubishi Materials Corporation | Internal gear oil pump made of aluminum alloys |
JP2003106265A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-09 | Aisin Aw Co Ltd | アルミ製オイルポンプ及びその製造方法 |
WO2009012872A1 (de) * | 2007-07-25 | 2009-01-29 | Joma-Hydromechanic Gmbh | Integrierte innenzahnradpumpeneinheit mit elektrischem motor |
CN113802034A (zh) * | 2021-08-23 | 2021-12-17 | 合肥工业大学 | 一种活塞用耐热铝合金、制备方法及性能 |
-
1991
- 1991-04-15 JP JP8247691A patent/JP2924263B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US5338168A (en) * | 1992-06-29 | 1994-08-16 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Oil pump made of aluminum alloys |
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US8113794B2 (en) | 2007-07-25 | 2012-02-14 | Joma-Polytec Kunststofftechnik Gmbh | Integrated internal gear pump with an electric motor |
CN113802034A (zh) * | 2021-08-23 | 2021-12-17 | 合肥工业大学 | 一种活塞用耐热铝合金、制备方法及性能 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2924263B2 (ja) | 1999-07-26 |
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