JPH04313403A - 成形用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

成形用アルミニウム合金板の製造方法

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JPH04313403A
JPH04313403A JP3106702A JP10670291A JPH04313403A JP H04313403 A JPH04313403 A JP H04313403A JP 3106702 A JP3106702 A JP 3106702A JP 10670291 A JP10670291 A JP 10670291A JP H04313403 A JPH04313403 A JP H04313403A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形用アルミニウム合金
板の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、ピ
ックアップ、グレインストリーク等の表面品質に優れ、
絞り加工においてリビングマークおよび肌荒れが生じず
、さらに耳率が低く、その値のコイル内でのばらつきが
少ない成形用アルミニウム合金板の製造方法を提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】フィン、缶等の成形用と
して使用される工業純度の純アルミニウム系合金板は通
常プレスやスピニング等の絞り加工を受ける。その特性
としてはピックアップやグレインストリークといった表
面品質、絞り加工時に生じるリビングマークおよび肌荒
れ、さらに耳率に優れていることが要求される。ところ
でこのような成形用アルミニウム合金板は、水冷鋳造し
た合金鋳塊を均質化処理した後、熱間圧延、冷間圧延、
焼鈍の工程により製造されているが、上記の要求特性を
満足するために、それぞれ以下の製造方法がとられてい
る。まずはピックアップは、熱間圧延中にロールコーテ
ィングがはがれて板に埋め込まれたり、板の表面の一部
が局所的にロールに付着しむしり取られたもので、アル
マイト処理等を行うと明瞭になる欠陥である。これを防
止する対策として、圧延油の管理、ブラシロールの駆動
が行われ、さらに熱間圧延温度を高くしない等の熱間圧
延条件の適正化が行われている。グレインストリークは
製品にアルマイト処理を行ったときに表面に筋状に生じ
る欠陥であり、リビングマークは製品に絞り加工を行っ
た際に圧延方向に沿って生じるしま状の凹凸である。こ
の2つはいずれも熱間圧延で生じる繊維状組織が、焼鈍
を行うだけでは集合組織として残存することが原因とさ
れており、熱間圧延のパスとパスの間で再結晶を起こさ
せ、繊維状組織を消滅させることが有効とされている。 具体的には、熱間圧延の各パスの圧下量を上げ、圧延温
度を上げることで達成されている。肌荒れは絞り加工時
に生じるものであるが、これは製品の再結晶粒径が大き
いと生じるものである。最終冷間圧延率や最終焼鈍時の
昇温速度によって微細な粒径の組織が得られるようにコ
ントロールされている。耳率は、均質化処理条件や最終
冷間圧延率(熱間圧延終了板厚)を適正化し、低耳材が
得られている。
【0003】さて、以上のように条件の適正化が行われ
ているが、現在次の2つの大きな問題が生じている。ま
ず、上記すべてを完全に満足する製造条件が得られてい
ないことである。すなわち、ピックアップレベルを向上
させるには、熱間圧延温度の低温化が望ましいが、これ
は、グレインストリークやリビングマークを悪化させる
傾向にある。第2の問題は、同一圧延材において、幅方
向や長手方向で特性の差が生じることである。具体的に
は耳率において顕著に生じ、製品コイルの板幅、長手の
中心では0%程度の耳率のものが、板幅、長手の端部で
は−6%〜+6%にばらつくことがしばしば生じる。さ
らに、板幅の端部のみでグレインストリークが生じたり
、板幅中央部のピックアップレベルが悪化することもあ
る。このようなばらつきが生じた場合製品の歩留りが極
端に低下し、製造上好ましくない。ここで、鋳造時の冷
却速度が幅方向の端部の方が大きいことや熱間圧延時に
幅方向、長手方向で温度差が生じることが原因であると
考えられるが、このような発生原因を防止することは困
難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題点を
解決するためになされたもので、ピックアップやグレイ
ンストリークといった表面品質に優れ、さらに絞り加工
においてリビングマークおよび肌荒れが生じず、さらに
耳率が低くかつコイル内でばらつきが少ないアルミニウ
ム合金板の製造方法を開発したものである。すなわち、
本発明は、0.5wt%以下のSi、0.8wt%以下
のFeを含有し、必要に応じてさらに0.5wt%以下
のCuを含有し残部Alと不可避的不純物とからなるア
ルミニウム合金鋳塊を均質化処理後、熱間圧延、冷間圧
延および焼鈍を行う成形用アルミニウム合金板の製造方
法において、熱間圧延の際120mm以下の板厚での圧
延を8パス以上のパス数で行い、30mm以上60mm
以下の圧延開始板厚で行う圧延パスのうち少なくとも1
パスを120mm以下で数えるパスの5パス目以降で圧
延率30%以上で行い、熱間圧延の終了温度を280℃
以下とし、最終製品板厚までの冷間圧延率を25%以上
70%以下とし、最終板厚で焼鈍を行うことを特徴とす
る成形用アルミニウム合金板の製造方法である。
【0005】
【作用】まず、本発明の合金組成について説明する。S
iは製品の強度を向上させ、さらに限界絞り比(LDR
)等の成形性を向上させる働きを有する。しかし、その
量を0.5wt%を超えて添加しても成形性の向上は望
めないばかりか、耳率が0−90°方向に大きくなり、
さらにAl−Fe−Si系の金属間化合物を生じ、アル
マイト色調にむらが生じやすくなる。Feは製品の焼鈍
時に生じる再結晶粒を微細化する作用を有しており、成
形性の向上と肌荒れの防止に効果的である。しかし、そ
の量が0.8wt%を超えると耳率が45°方向に大き
くなる。本発明合金の主たる添加元素はFeとSiであ
るが、それ以外にCuを0.5wt%以下添加した場合
、耳率のばらつきの減少、強度や成形性の向上に効果が
ある。Fe、Si、Cu以外に、0.5wt%以下のM
gを強度向上等の目的で添加したり、0.5wt%以下
のMn、Znを耳率の安定化や成形性向上のために、0
.3wt%以下のCr、Zrを結晶粒の安定化等のため
に、鋳造組織微細化のために0.2wt%以下のTiや
Bを添加しても、本発明の製造工程は影響を受けない。 上記以外の添加元素として、または不可避的不純物とし
て、それぞれ0.05wt%以下でかつ全部で0.15
wt%以下であれば、その元素は本発明に影響をおよぼ
さないので添加されてもかまわない。
【0006】次に製造方法について説明を行う。本発明
に用いる合金鋳塊は通常の半連続鋳造法によればよい。 鋳造時に幅方向に冷却速度差が生じ、幅方向でFe、S
iの固溶量差が生じ、特性をばらつかせていたが、本発
明方法によればこれを原因とするばらつきは生じない。 この鋳塊にまず均質化処理を施す。均質化処理は面削後
に熱間圧延前の加熱をかねて行ってもよいし、均質化処
理として熱間圧延の加熱の前に別に行ってもよい。なお
、均質化処理を行いその後面削し再加熱し熱間圧延を行
うと、圧延前の鋳塊表面の酸化皮膜が少なく表面品質の
向上に効果的である。また、均質化処理温度は600℃
以下が望ましく、特に560℃付近で優れた耳率特性を
示す。熱間圧延は、120mm以下の板厚での圧延を8
パス以上のパス数で行い、熱間圧延の終了温度が280
℃以下となるように行う。これは、ピックアップレベル
の向上および製品特性のコイル内ばらつきをなくするた
め行われる。圧延のパス数を増やすことで各パスの圧延
率を下げ、また終了温度を通常の300℃付近よりも低
くする効果によりピックアップレベルは極めて向上する
。さて、上記の熱間圧延条件によって特性のコイル内ば
らつきを防止できる理由について、以下に説明する。 まず、ピックアップであるが、前述のような理由で全体
的に向上するため、いずれの位置でも優れた特性となる
。グレインストリークおよびリビングマークに関しては
、上記熱間圧延条件だけではこれらの特性を非常に悪化
させる条件である。これは、本熱間圧延条件は熱間圧延
最終パス近傍で再結晶を生じない条件であるためである
。このような場合、冷間圧延・焼鈍の工程で焼鈍を2回
以上行うことでこれを回避しているが、本発明で焼鈍を
2回以上行うと耳率は強い0−90°耳を示してしまう
。したがって本発明では、30mm以上60mm以下の
圧延開始板厚で行う圧延パスのうち少なくとも1パスを
120mm以下より数えるパスの5パス目以降で圧延率
30%以上で行う条件を付け加える。この圧延パスによ
り、板の極表層部分にのみ微細な再結晶を生じさせ、グ
レインストリークおよびリビングマークを向上させる。 上記パスは120mm以下で数える5パス目以降で行う
が、5パス未満で行った場合そこまでの圧延パスによる
ひずみの蓄積効果が十分でないため、再結晶が十分に生
じず、グレインストリークは改善しない。また、圧延率
が30%未満の場合同様に再結晶が十分に進行しない。 肌荒れは最終製品の再結晶粒径が大きい場合に生じる現
象であり、最終冷間圧延率によりほとんど決定されてし
まう特性であり、熱間圧延条件の影響は実質的にほとん
ど受けない。したがって熱間圧延条件によってばらつき
は発生しない。最後に耳率であるが、本発明の熱間圧延
条件を行うことで耳率の幅、長手方向の耳率のばらつき
をなくすことができる。すなわち、従来は耳率は冷間圧
延と焼鈍条件によって低耳とすることができると考えら
れており、熱間圧延条件はピックアップ、グレインスト
リーク、リビングマークと生産性によって決められてき
た。 そうすることで確かに幅、長手の中心部の耳率を低くす
ることはできるが、コイル内の耳率の値に差が生じてい
る。そこで、発明者らが耳率のばらつきの発生機構につ
いて詳細に検討を行ったところ、ばらつきの発生原因は
熱間圧延での最終圧延パスの近傍のパスでの■:再結晶
挙動と■:析出挙動にあることが分かった。すなわち、
■:熱間圧延においては、圧延パス中に動的な回復が生
じ、再結晶開始前に板材中に蓄積されている歪量が少な
いことが原因で、熱間圧延での圧延パスとパスとの間で
生じる再結晶挙動は再結晶するときの板の温度や固溶・
析出状態の影響を非常に受けやすいのである。そのため
、鋳造によって生じる固溶元素量の幅方向のばらつきや
、熱間圧延中の幅、長手方向の温度差によって再結晶挙
動に差が生じ、これが耳率のばらつきを生み出すのであ
る。■についてさらに説明すると、熱間圧延の最終パス
の近傍で再結晶を生じさせることはグレインストリーク
やリビングマークレベルの向上のために一般に行われて
いるが、板幅端部での温度は板幅中心部より低いため、
圧延パスとパスとの間で生じる再結晶が端部で完全に完
了しない場合が生じ、このような場合、完全に再結晶が
完了している板幅中心部と比較し端部では圧延集合組織
が多く残存するため、45°耳が強く生じるのである。 また、たとえ板の温度が全体的に高く熱間圧延の最終パ
スの近傍で板全面に再結晶を生じたとしても、板材内の
温度差や固溶・析出状態の差があると、板幅端部の再結
晶組織が立方体方位を多く含んだものになり、これは板
端部の耳率を0−90°耳とする。そして、このような
耳率の差が一旦生じた場合に、後の工程で差をなくすこ
とは容易でない。以上のように熱間圧延時に耳率のばら
つきが生じ、そのばらつきが最終製品まで残存すること
に加え、最終焼鈍時に生じる再結晶集合組織が焼鈍前の
固溶量、析出状態の影響をうけやすいこともコイル内の
耳率のばらつきを大きくしている原因となっている。こ
れは、熱間圧延の最終パス近傍の板厚で再結晶を生じた
場合に顕著であるが(最終パスで再結晶組織が形成され
、そこでの板厚から焼鈍時の板厚までの加工量が少ない
ため、焼鈍は圧延集合組織が十分に発達していない状態
で行われるため影響を受けやすい)、熱間圧延での板の
固溶・析出状態に違いを解消できなければ焼鈍時に形成
される再結晶集合組織は大きく変化するのである。さて
、本発明の熱間圧延条件は上記検討に基づいて決定され
たもので、圧延パス数を増やすことにより、少なくとも
120mm以下の板厚で再結晶を生じにくく圧延しかつ
圧延での析出量を多くすることで耳率の幅方向の差をな
くする方法である。すなわち、熱間圧延中に再結晶を生
じなければ、熱間圧延中に耳率の差が生じることはなく
、さらに再結晶を生じさせないことで圧延集合組織を強
く集積させ、かつ熱間圧延板の析出状態の差をなくすこ
とにより、固溶・析出状態が原因となって焼鈍時に生じ
る耳率のばらつきをなくすることができるのである。熱
間圧延の開始温度は480℃以下で380℃以上が望ま
しい。これは前者がピックアップレベルの向上のためで
あり、後者が板厚30mm〜60mmで表層部に微細な
再結晶粒を生じさせるためである。そして、さらに43
0℃以下の温度が最も推奨される。熱間圧延開始温度を
430℃以下とすると熱間圧延の初期のパスでの再結晶
を防止できるため、120mmよりも厚い板厚から圧延
集合組織が形成されることになり、焼鈍前の圧延集合組
織が強く集積されることになり、耳率のばらつきがより
減じるためである。本発明では120mm以下の板厚で
の圧延の圧延パス数を8パス以上と定める。なお、ここ
でいう120mmとは圧延パスの開始板厚である。通常
は5パスまたは6パスで行われているが、8パス未満の
場合、圧延パス毎の圧延率が増しかつ最終パスまでの温
度低下が不十分であり、熱間圧延の最終パス近傍で板全
体に再結晶しやすくなり、耳率のばらつきを生じる。さ
らに、圧延パス数が少なく析出量が少ないので、析出が
進むことで、幅・長手の析出量の差をなくする効果が不
十分であり冷間圧延後の焼鈍において再結晶挙動が異な
り耳率のばらつきが生じる。ここで各パスの圧下率は特
に定めないが、圧下率を40%以下で行った場合に圧延
による再結晶が防止され、特に安定した特性となる。な
お、各圧延パスの圧下率とは1つの圧延パス前後の板厚
をそれぞれtn、tn+1 とすると、(tn −tn
+1 )/tn ×100(%)で表したものである。 120mmまでの圧延条件は本発明では特に規定しない
が、各パスの圧延率を120mmを超えた板厚の圧延に
おいても40%以下とした場合、120mmよりも厚い
板厚から圧延集合組織が形成されることになり、焼鈍前
の圧延集合組織が強く集積されることになり、耳率のば
らつきを減じるためにより効果的である。120mm以
下の板厚での温度は430℃以下が推奨される。これは
、ピックアップレベル向上と耳率の安定化のためであり
、後者については各圧延パスのパス間で再結晶が進行し
ないようにするためである。430℃を超えた温度で圧
延を行う場合には、各圧延パスの圧下量を30%以下と
し、パスとパスとの間の時間を5分以内に行うことが推
奨される。本発明では120mm以下の圧延について定
めるが、特に30mm以上60mm以下の板厚で圧延率
30%以上で圧延を行う際にそのパスの圧延終了温度が
330℃以上400℃以下が望ましい。温度が330℃
未満では再結晶が十分に進行しない可能性があり、40
0℃を超えると再結晶粒が粗大化し、グレインストリー
クやリビングマーク特性が低下することがある。なお、
本発明の耳率に関し、熱間圧延で再結晶が生じていない
状態とは、再結晶率が40%以下の状態をいうものであ
る。これは、熱間圧延の再結晶について問題としている
のは、圧延集合組織の集積が再結晶によって減じる効果
についてであり、再結晶率が40%以下であるとき、再
結晶粒の大部分は圧延集合組織と同じ方位を有する再結
晶粒であり、圧延集合組織の集積の減少はほとんど生じ
ないためである。したがって、30mm以上60mm以
下の圧延開始板厚で行う圧延パスのうち少なくとも1パ
スを120mm以下で数えるパスの5パス目以降でかつ
圧延率30%以上で行っても、この場合は最大で表面か
ら20%程度しか再結晶しないので耳率に対してはばら
つきを減じる点で問題がなく、逆に、熱間圧延終了時の
圧延集合組織が過度に発達することを防止し、最終製品
の耳率を低くする働きを有する。熱間圧延は終了温度が
280℃以下になるように行う。280℃を超えた温度
で圧延が終了した場合、コイルの冷却中に冷却されにく
い中心部で再結晶を生じ、耳率のコイル内ばらつきを惹
き起こすためである。熱間圧延の終了板厚は、製品板厚
により定まるが本発明の冷間圧延条件を実施できる板厚
であればよく、通常3mm〜12mm程度であり、適用
される製品は1mm〜6mm程度である。なお、熱間圧
延は熱間粗圧延、仕上げ圧延と異なった圧延機で行って
もよく、また1つの圧延機で行ってもよい。熱間圧延を
終了したコイルは冷間圧延・焼鈍を行うが、本発明では
、最終製品板厚までの冷間圧延率を25%以上70%以
下とし、最終板厚で焼鈍を行うこととする。本発明では
最終製品板厚まで冷間圧延を行う途中で中間焼鈍を行う
必要がない。これは、グレインストリーク、リビングマ
ークの発生を防止するためや耳率を低くするためには熱
間圧延条件をコントロールしているためである。冷間圧
延率を25%以上70%以下とする理由は耳率を低くす
るためである。本発明の熱間圧延条件で圧延を行った板
材は、焼鈍を行う前は圧延集合組織が強く発達し、析出
量のばらつきが小さい。そのため、焼鈍を行ったときに
、コイルの幅、長手に多少の組織差があってもほとんど
その影響を受けないため、耳率はコイル内でほぼ同じ値
となるのである。しかし、圧延集合組織が強く発達した
状態で焼鈍を行うので、冷間圧延率を70%以下にしな
いと45°方向で強い耳が発生してしまう。また、25
%未満の場合、焼鈍時の再結晶駆動力が小さく、耳率が
0−90°方向に高い値を示し、さらに再結晶粒径が大
きくなり肌荒れが発生する。通常は、肌荒れ防止には4
0%以上の最終冷間圧延率が必要であるが、本発明では
熱間圧延時にひずみが蓄積された状態で冷間圧延が行わ
れるので25%の冷間圧延率でも肌荒れを生じないので
ある。ここでの最終冷間圧延率は耳率と表面品質との観
点から、50%程度が推奨される。なお、ここで冷間圧
延は1パスで行う必要はないが生産性の観点からは1パ
スが推奨される。焼鈍条件であるが、完全に再結晶を生
じる条件であれば特に規定しない。通常、バッチ式の焼
鈍であれば300℃〜450℃で0.5〜6時間程度で
あればよいし、連続式の焼鈍であれば、430℃〜58
0℃で0.5〜60秒程度であればよい。
【0007】
【実施例】以下に実施例にもとづき本発明を詳細に説明
する。表1に示す組成のアルミニウム合金を、通常の水
冷鋳造により、厚さ500mm、幅1000mmの鋳塊
を各1〜5本鋳造した。これを表2、3の均質化処理、
面削、熱間圧延の工程で熱間圧延コイルを作製した。こ
こで120mmまでの熱間圧延の各圧延パスの圧延量は
30〜90mmとした。得られた熱間圧延コイルを、表
4の条件にて冷間圧延、焼鈍を行い、O材コイルを作製
した。 得られたコイルの長手方向の前、中、後部での、幅方向
の端部と中心部の6箇所について、ピックアップ、グレ
インストリーク、リビングマーク、肌荒れおよび耳率の
特性について調べた。結果を表5、6、7に示す。ここ
でピックアップは板表面を目視で、グレインストリーク
は板を王水でエッチング後目視で、リビングマーク、肌
荒れおよび耳率についてはブランク径61mm、ポンチ
径33mmでカップを絞り、リビングマーク、肌荒れに
ついては目視で、耳率については0−90°耳を+耳と
し、45°耳を−耳として評価した。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】
【表3】
【0011】
【表4】
【0012】
【表5】
【0013】
【表6】
【0014】
【表7】
【0015】表5、6、7より明らかなように本発明法
を行ったものは、ピックアップ、グレインストリーク品
質に優れ、絞り加工においてリビングマークおよび肌荒
れが生じず、さらに耳率が低く、これら特性のばらつき
が少ないことが判る。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明製造方法によれ
ば、ピックアップ、グレインストリーク等の表面品質に
優れ、絞り加工においてリビングマークおよび肌荒れが
生じず、さらに耳率が低く、それら特性のコイル内での
ばらつきが少ない成形用アルミニウム合金板の製造が可
能であり、工業上顕著な効果を奏するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  0.5wt%以下のSi、0.8wt
    %以下のFeを含有し、残部Alと不可避的不純物とか
    らなるアルミニウム合金鋳塊を均質化処理後、熱間圧延
    、冷間圧延および焼鈍を行う成形用アルミニウム合金板
    の製造方法において、熱間圧延の際120mm以下の板
    厚での圧延を8パス以上のパス数で行い、30mm以上
    60mm以下で開始する熱間圧延パスのうち少なくとも
    1パスを120mm以下より数えて5パス目以降かつ圧
    延率30%以上で行い、熱間圧延の終了温度を280℃
    以下とし、最終製品板厚までの冷間圧延率を25%以上
    70%以下とし、最終板厚で焼鈍を行うことを特徴とす
    る成形用アルミニウム合金板の製造方法。
  2. 【請求項2】  0.5wt%以下のSi、0.8wt
    %以下のFe、0.5wt%以下のCu、を含有し、残
    部Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金鋳
    塊を均質化処理後、熱間圧延、冷間圧延および焼鈍を行
    う成形用アルミニウム合金板の製造方法において、熱間
    圧延の際120mm以下の板厚での圧延を8パス以上の
    パス数で行い、30mm以上60mm以下で開始する熱
    間圧延パスのうち少なくとも1パスを120mm以下よ
    り数えて5パス目以降かつ圧延率30%以上で行い、熱
    間圧延の終了温度を280℃以下とし、最終製品板厚ま
    での冷間圧延率を25%以上70%以下とし、最終板厚
    で焼鈍を行うことを特徴とする成形用アルミニウム合金
    板の製造方法。
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JP2773989B2 (ja) 1998-07-09

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