JP2023516369A - アルミニウム缶シートを生成する方法及び設備 - Google Patents

アルミニウム缶シートを生成する方法及び設備 Download PDF

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Abstract

Figure 2023516369000001
アルミニウム缶シートを生成する方法は、アルミニウム合金タイプAA3004、AA3104、又はアルミニウム缶シートを作るのに適する他のアルミニウム合金で作られた本体を与える段階と、本体を均質化温度まで加熱する段階と、熱間圧延シートの再結晶化を実質的に回避するように選択された熱間圧延出口温度で熱間ミル出口ゲージで熱間圧延ミルを出る熱間圧延シートを生成するために、本体を熱間圧延ミル内で熱間圧延する段階と、冷間圧延を適用して熱間ミル出口ゲージよりも小さい冷間ミル出口ゲージを有する冷間圧延シートを生成するために、熱間圧延シートを冷間圧延ミル内で冷間圧延する段階と、再結晶化された焼鈍シートを取得するために、冷間圧延シートの再結晶化を可能にするように選択された中間温度範囲で冷間圧延シートを焼きなます段階と、冷間圧延を適用して最終ゲージを有する冷間圧延シートを生成するために、再結晶化された焼鈍シートを冷間圧延する段階とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルミニウム缶シートを生成する方法及び本方法を実行するように構成された設備に関する。
アルミニウム缶シートがカップ形状物品に形成される時に、「耳発生」として知られる現象が何らかの程度で通常は発生する。耳発生は、形成されたカップの上端の周りの波形外観として観察することができる。「耳」としても知られる波形突出部分は、カップの製作での深絞り段階中に形成され、物品の望ましくない特徴を表すものである。アルミニウム缶体ストック(CBS)において、カップは、その後に複数のリング内でアイロンがけされ、これは、波形耳を目立たせる可能性がある。高い耳発生は、カップに関する搬送問題、並びにアイロンがけ後の不十分なトリミング、損傷耳、及びトリマー詰まりを生じる可能性がある。これらのアーチファクトは、アルミニウム缶製造では望ましくない。すなわち、これらの問題を回避してカップの品質を向上させるために耳発生を最小にすることが望ましい。
AA3004、AA3104、又は他のアルミ合金のような缶体ストック材料は、適切な製造工程を確立することができれば、耳発生特性の低いアルミニウム缶シートを作るのに基本的に適切であることが知られている。
缶体ストックに適切なアルミニウムストリップを生成するためのアルミニウム業界で確立された周知の工程が存在する。この工程は、粗選機ミルを通り、次にマルチスタンド熱間圧延ミルを通り、自己焼鈍工程を通して得られる完全に再結晶した材料を保証するために通常は高温で出るアルミニウムインゴットの熱間圧延を含む。この周知の方法は、耳発生が低くて望ましい機械特性を有する最終製品を生成する。しかし、そのような熱間連続ミルの設備及び運用は、大きな設備投資を必要とする。
単一スタンドリバースミルから商業的に受容可能な耳発生特性を有する缶シートを生成するために、既に修正が過去に提案されている(例えば、米国特許第5,362,340号明細書及び米国特許第5,362,341号明細書を参照されたい)。米国特許第5,362,340号明細書によれば、アルミ合金インゴットが提供され、約527℃から571℃の間の温度まで加熱される。この後に、インゴットは、中間ゲージシートを生成するために単一スタンドリバース熱間ミル内で熱間圧延される。自己焼鈍又はバッチ焼鈍された中間ゲージシートは、次に、低い発生特性を有する最終ゲージアルミニウム缶シートを生成するために冷間圧延される。制御不能な再結晶を回避するために、相対低温均質化(527℃から571℃)が、単一スタンドリバースミルでの熱間圧延中に適用される。
米国特許出願公開第2002/0062889号明細書は、缶製造のための熱間圧延アルミニウムストリップを生成するための工程及びプラントを開示している。プラントは、高温で使用されるフィード材料のためのリバース荒削ステージと、その直後のストリップの仕上げ圧延とを含み、これにコイルに巻かれたストリップの熱処理が続く。最終仕上圧延パス中に、圧延材料内の再結晶化は、熱間ストリップの制御式温度管理を用いて抑制される。実施形態では、温度は、再結晶を回避するために260℃から280℃の非臨界温度範囲に維持される。再結晶化は、圧延トレーンの外側だけにもたらされる。この目的に対して、熱間圧延材料は、仕上圧延に続いて連続炉に直接に移送される。この直接の移送は、再結晶化だけに使用される炉が、圧延温度と再結晶化温度間の比較的小さい温度差(例えば、約40℃-60℃)を印加すればよく、すなわち、好ましいエネルギ平衡を達成するという利点をもたらす。
国際公開第2015/140833号として公開された国際特許出願は、アルミニウム缶体を作るのに適する低い耳発生率を有するアルミニウム合金シートを開示している。この目的に対して言及された合金は、タイプA3004及びA3104合金を含む。好ましい工程は、インゴットを鋳造する処理段階、インゴットを均質化する処理段階、熱間圧延する処理段階、1次冷間圧延する処理段階、中間焼きなます処理段階、及び2次冷間圧延する処理段階を含む。熱間圧延する段階は、2つの別々の段階、すなわち、「熱間粗圧延段階」及び「熱間仕上げ圧延段階」に分割される。熱間仕上げ圧延ステージでは、終了温度は、好ましくは、330℃と380℃の間である。再結晶化の駆動力は、終了温度が330℃よりも低い場合に不十分であることが観察されている。
米国特許第5,362,340号明細書 米国特許第5,362,341号明細書 米国特許出願公開第2002/0062889号明細書 国際公開第2015/140833号
アルミニウムシートが深絞り段階の後で好ましい耳発生特性を示し、かつ薄い壁厚を有する安定した缶を生成することを更に可能にする、アルミニウム缶を作るのに適するアルミニウム缶シートを生成する方法及び設備を提供することが本発明の目的である。
この目的は、請求項1の特徴を備える方法及び請求項9の特徴を備える設備によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項に定められている。
アルミニウム缶シートを生成する方法により、アルミニウム合金で作られた本体(インゴットとも呼ばれる)を提供する。アルミニウム合金は、それがアルミニウム缶シートを作るのに適するように選択される。具体的には、アルミニウム合金は、AA3204合金のようなアルミニウム缶シートを作るのに適するタイプAA3004、AA3104、又は他のアルミニウム合金のものである。
アルミニウム缶シートを作るのに適するアルミニウム合金に対する典型的な要件は、例えば、「Virtual Fabrication of Aluminium Products」、Wiley-VCH 2006(ISBN:3-527-31363-X),chapterI-4におけるJ.Hirschによる文献「AlMn1Mg1 for Beverage Cans」に説明されている。一般的に、材料は、強度及び十分な形成特質の最適組合せを提供しなければならない。アルミニウム(Aluminum)に関して、強度は、最良固溶体硬化のための適切な合金追加(例えば、Mg及びMnによる)と事前変形(すなわち、高度に圧延されたシート)との組合せによって達成される。更に、強度は、その後の塗料焼付サイクルの後でも十分に高く留まらなければならない。良好な成形性は、良好な加工硬化のための合金追加(Mg)と一部の粒子強化効果(Mn)との最適組合せによって達成される。後者はまた、均一変形を維持し、ダイの洗浄効果を提供し、有害な酸化物蓄積及び摩耗を防止する。その結果、缶体の生成に使用される一般的なアルミニウム合金は、缶強度及び成形性の要件を最良に満足するAlMg1Mn1=EN-AW 3004及びAlMg1Mn1(Cu)=EN-AW 3104である。
好ましい実施形態では、以下の化学組成(全ての数は重量%):約0.0-0.60重量%のSi(珪素)、好ましくは0.15-0.5重量%のSi、約0.10-0.80重量%のFe(鉄)、好ましくは0.25-0.70重量%のFe、約0.70-1.50重量%のMn(マンガン)、好ましくは0.80-1.40重量%のMn、約0.80-1.50重量%のMg(マグネシウム)、好ましくは0.90-1.30重量%のMg、約0.05-0.25重量%のCu(銅)、好ましくは0.10-0.25重量%のCu、0.10重量%までのTi(チタン)、0.25重量%までのZn(亜鉛)、0.15重量%までの不純物、好ましくは0.05重量%未満の不純物の各々、Al(アルミニウム)としての残りを含む、アルミニウム合金が使用される。
他方、他の目的に対して最適化された多くのアルミニウム合金は、この出願の文脈ではアルミニウム缶シートを作るのに適すると考えられない。それらは、例えば、1XXXシリーズ合金(本質的に最小99重量%のアルミニウム含有量を有する純粋アルミニウム)、基本合金元素としての銅と合金化されて鋼に比する強度まで沈殿硬化されることが可能な2XXXシリーズ合金、基本合金元素としての珪素と合金化された4XXXシリーズ合金、優れた耐食性を提供するために基本合金元素としてのマグネシウムと合金化された5XXXシリーズ合金、基本合金元素としてのマグネシウム及び珪素と合金化された6XXXシリーズ合金、基本合金元素としての亜鉛と合金化されて沈殿硬化することができる7XXXシリーズ合金、又はアルミニウム-リチウム合金のような他のシリーズによって網羅されない他の元素と合金化される8XXXシリーズを含む。
一般的に、AA3004、AA3104、AA3204、又はアルミニウム缶シート、並びに他のアルミニウム合金を作るのに適する他のアルミニウム合金の化学組成は、当業者に知られており、かつ例えばアルミニウム協会のティールシートで入手可能である。
本体は、更に別の処理に適する本体を取得するために引き続き研削されたものである鋳造アルミニウムで作ることができる。本体は、均質化温度まで加熱される。この加熱段階の主要な目的は、材料を均質化することである。均質化温度は、例えば次の処理段階に対する望ましい温度に依存して約500℃から約600℃の範囲にある場合がある。本体は、熱間圧延に適する温度まで冷却することができる。
次の段階では、本体は、熱間圧延シートを生成するために熱間圧延ミル内で熱間圧延される。熱間圧延ミルを出る熱間圧延シートは、熱間圧延出口温度で熱間圧延ミルを出る。熱間圧延段階は、熱間圧延後の圧延アルミニウムシートの厚みである熱間ミル出口ゲージを有する熱間圧延シートを生成する。熱間圧延段階では、温度制御が行われ、そのために熱間圧延出口温度は、熱間圧延シートの再結晶化を実質的に回避するように選択される。この出願の関連では、用語「再結晶化」は、金属本体内の変形粒子が、本質的に欠陥のない新しい1組の粒子によって置換され、かつ核形成して本来の粒子が完全に消費されるまで成長する工程を指す。再結晶化は、材料の強度及び硬度を低減し、一方で同時に延性が増大される。本発明の工程では、熱間圧延出口温度は、熱間圧延ミルを出るシートが、転位などのような高密度の欠陥と比較的高い強度及び硬度とを示し、一方で同時に延性は比較的低いとすることができるように選択される。
指針として、熱間圧延後に実質的に再結晶化されなかったシートは、例えば190MPaから240MPaの範囲の引張強度を示す場合があり、一方で同じ材料は、再結晶化状態では、例えば完全に再結晶化された材料に対する約150MPaまで下がる有意により低い引張強度値を示すと考えられる。硬度値は、ビッカース硬度試験によって決定することができ、次に、MPa(又はN/mm2)で与えられるビッカース錐体番号(HV)として表すことができる。硬度はまた、アルミニウム合金に対する公知の関係UTS≒3*HVによって最高引張強度(UTS)値から近似することができる。
次の段階では、熱間圧延シートは、冷間圧延ミル内で冷間圧延される。この処理段階の目的は、冷間圧延を達成することであり、シートのゲージ(又は厚み)が更に低減されることを意味する。冷間圧延は、熱間圧延ミル出口ゲージよりも小さい冷間圧延ミル出口ゲージを有する冷間圧延シートを生成するために実行される。冷間圧延は、シートが約100℃又はそれよりも低い、例えば、50℃から60℃ほども低い温度まで冷却された後で熱間圧延段階に続く。
冷間圧延シート(冷間圧延ミル出口ゲージを有する)は、次に、冷間圧延シートの再結晶化を可能にするように選択された温度を有する中間温度範囲内で冷間圧延シートを焼きなますために炉に移送される。焼鈍段階は、冷間ミル出口ゲージを有する再結晶化シートをもたらす。再結晶化シートの微細構造は、典型的に、冷間圧延によって得られた欠陥微細構造を置換する新しい1組の比較的欠陥のない粒子を示す。実施形態では、引張強度値は、例えば150MPaから約200MPaの範囲にある場合がある。
それに続く段階では、再結晶化シートは、冷間圧延を適用するために冷間圧延され、冷間ミル出口ゲージよりも小さい最終ゲージを有する冷間圧延シートを生成する。
新しい工程を開発する時に、本発明者らは、従来方法のある一定の欠点を識別しており、従来技術の欠点を回避する経済的な方法でアルミニウム缶シートを生成する新しい方法をここで提案する。例えば、米国特許第5,362,340号明細書に開示された工程を精査して、比較的低温の均質化処理は、アルミニウム合金の化学組成と組み合わせると、一部の場合に焼鈍段階に続く冷間圧延工程が平衡することができない強力な立方体組織を焼鈍時に(熱間ミル出口ゲージでの自己焼鈍又はバッチ焼鈍のいずれか)生成する可能性があると考えられることが見出されている。これは、0°/90°耳発生又は非常に低い45°耳発生を伴うアルミニウム缶シートをもたらすと考えられる。この耳発生特性は、それに続く絞り及びアイロンがけ工程中に、圧延方向に対して0°/180°で挟まれた耳を有する缶を発生させ、それと同時にちぎれた缶の増大及び缶メーカーでのパフォーマンス低下を生じる場合がある。
これに加えて、単一スタンドリバースミルの一部の制限は、従来工程の問題を引き起こす場合がある。単一スタンドリバースミルからの熱間圧延出口ゲージは、典型的に、約2.0mmの値までその範囲が下がる場合がある。単一スタンドリバースミルからより低い出口ゲージを生成することは、一般的に困難であり、かつシートのクラウン、楔、及び平面度を制御する際の困難に起因して実施可能ではない場合がある。他方、缶メーカーの傾向は、シートの厚みを低減することであり、この傾向は、「ダウンゲージング」としても公知である。今日の通常の厚みと比較した時に類似の耳発生及び強度特質を有するより低い厚みの最終製品を生成することが望ましい場合に、熱間ゲージ厚みでの中間焼鈍(自己焼鈍又はバッチ焼鈍のいずれか)の後に材料に適用されるのと同じ全冷間圧延を保つことが必要である。この目標を達成することは、熱間ミル出口ゲージを2mmよりも有意に低い値まで下げることを必要とすると考えられる。新しい工程は、従来工程で識別されたこれらの問題を実質的に回避することができる。
本発明の以上の定式化による工程は、先行する熱間圧延段階とそれに続く中間焼鈍段階の間に挿入される冷間圧延段階を導入する。段階の新しいシーケンスは、少なくとも2つの有意な効果を有する。第1の効果は、最終製品を考察することによって理解することができ、他方の効果は、熱機械工程自体を考察する時に理解することができる。
最終製品は、比較的低い耳発生値を一般的に示すことが見出されている。得られる耳は、約45°(圧延方向に対して)でより顕著である。この耳発生の向きは、最終顧客の観点、すなわち、缶メーカーの観点からは通常は好ましい。新しい本方法は、一般的に、缶メーカーの観点から望ましくなく米国特許第5,362,340号明細書のような従来技術で説明される工程で得られる可能性が非常に高い0°/90°での高い耳を、回避又は低減する。冶金の観点から、熱間圧延の後で導入されて本質的に再結晶化されていない材料に対して実行される冷間圧延は、材料が中間焼鈍の後で有することになる立方体テクスチャ密度を下げる粒子誘起核形成(PSN)機構を高めることができると考えられる。焼鈍後のより低い立方体テクスチャは、最終製品に対して0/90°ではなく45°に向かう耳発生をもたらすことになる。
第2の効果(熱機械工程の機能に対する)に関して、材料及び耳発生の最終強度は、熱間ゲージでの中間焼鈍の後の冷間加工の量に非常に依存することが観察されている。例えば、今日の従来工程では、最終ゲージ0.26mmを有する材料が生成される場合に、中間焼鈍は、約2mmゲージで実行される場合がある。従って、全冷間圧延は、約87%である。ここで最終顧客が0.24mm最終ゲージを求める場合を考えてみる。この耳発生及び特質を生成するために、約1.85mmで中間焼鈍を行うことが必要であると考えられる。この比較的小さい厚みは、多くの場合に、平面度及び厚み範囲制限に起因して単一スタンドリバースミルで満足に達成することはできない。これらの制限は、新しい本方法には存在しない。新しい本方法を適用することは、生産者が、熱間ミルからより厚い材料(例えば、約2.5mm)を生成し、所要の中間焼鈍ゲージ(この仮想的な例では1.85mm)までの軽い冷間圧延を行い、かつシートをこのゲージで中間焼鈍時に焼鈍して材料をそれが最終ゲージまで冷間圧延される前に完全に軟質にすることを可能にする。換言すると、熱間圧延ミルとしての単一スタンドリバースミルを使用することの一部の限界は、全体工程の機能をもはや制限しない。単一スタンドリバースミルが熱間圧延ミルとして使用される場合に、本方法はまた、単一スタンド熱間ミルがより厚いゲージを生成しているので、その生産量を大きく増大することができる。
別の観点からは、冷間圧延が2つの別々の段階で実行されるという事実であって、第1の冷間圧延段階は、熱間圧延の後でかつ中間焼鈍(非再結晶化材料に対する)の前に実行され、第2の冷間圧延段階は、再結晶化された材料に対する再結晶化焼鈍(中間温度での)の後に実行されるという事実から、この新しい工程の利点が少なくとも部分的にもたらされる。その結果として、好ましい耳発生特性及び強度、並びに小さい最終ゲージは、熱間圧延が単一スタンドリバースミルを用いて実行される時でさえも取得することができる。
上述の工程の利点を考慮すると、単一スタンドリバースミルは、工程及び設備の好ましい実施形態で熱間圧延ミルとして使用される。直列ミルは、熱間圧延段階を実行するのに単一スタンドリバースミルの代わりに使用することができるが、単一スタンドリバースミルの使用は、典型的に遙かに廉価であり、そのために最終製品を経済的様式で作ることができる。
好ましい実施形態では、単一スタンドリバースミルは、2つの異なる作動モードで利用され、第1の作動モードは、1又は2以上の平坦パスを含み、第1の作動モードの後に利用される第2の作動モードは、熱間ミル出口ゲージを有するコイル巻きシートを生成する1又は2以上のコイル巻きパスを含む。
熱間圧延段階は、熱間圧延シートの再結晶化が実質的に回避されるように実行されるものとする。好ましい工程では、熱間圧延出口温度は、約200℃から約320°の範囲にあり、好ましい熱間圧延出口温度は、290℃よりも低い。タイプAA3004、AA3104のアルミニウム合金、又はアルミニウム缶シートを作るのに適する他のアルミニウム合金に関して、これらの温度は、再結晶化を完全に回避するのに通常は適切であり、これは、全体工程の利点を高める。再結晶化を完全に回避する正しい温度は、合金タイプに応じて選択される場合があり、かつ合金間で異なる場合がある。
冷間圧延段階を設計する時に、5%と70%の間の冷間圧延が、熱間圧延シートを圧延する冷間圧延ミルに好ましくは適用されることが見出されている。この範囲の冷間圧延は、特に、焼鈍済み材料内の立方体テクスチャ密度を下げると考えられている粒子誘起核形成(PSN)を強化することができる。
冷間圧延段階は、冷間圧延シートのコイルが単一スタンドリバースミルで取得されるように少なくとも最終圧延パス内で実行することができる。この場合に、冷間圧延シートの焼鈍は、バッチ炉内で実行されることが好ましい場合がある。代替として、再結晶化シートを取得するために連続炉を中間温度範囲で焼鈍段階に使用することができる。
全体工程は、高度の全体圧延を可能にするので、70%よりも多い全体圧延が、熱間ミル出口ゲージと最終ゲージの間でアルミニウムシートに適用される。全体圧延は、80%又はそれよりも多い又は更に85%又はそれよりも多い場合がある。これは、部分的には、ゲージを低減するための冷間圧延が1つの単一段階の代わりに2つの段階で実行されるという事実に起因する。
本発明はまた、アルミニウム缶シートを生成するための設備に関連し、設備は、本発明による方法を実行するように構成される。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
カップ形物品を作るのに適するアルミニウム缶シートを製造するように構成された設備の一部分の概略図である。 初期熱間圧延のシート材料の再結晶化の程度と冷間圧延を最終ゲージに適用した後の耳発生の量及びタイプとの間の関係を示す図である。 最終ゲージに対する中間焼鈍の前の冷間圧延の影響と冷間圧延の後の耳発生のタイプ及び程度に対する効果とを示す図である。
十分に高い強度及び成形性(制限された耳発生を含む)は、アルミニウム缶体シートの主要要件の1つである。高強度は、十分な構造安定性をもたらし、かつ高い内部圧力を受けた缶底部の座屈(ドーム反転)を回避するのに要求される。高強度はまた、アイロンがけ後に非常に薄い缶壁を有する安定した缶を取得するのに要求される。良好な成形性は、材料が重い成形作動を受けるので必要とされる。熱間ストリップ立方体と冷間圧延テクスチャとを平衡化することによって制御されるシートのテクスチャに起因する異方性材料流れは、深絞り及びアイロンがけ作動中に缶の不均一リムを常に形成する。この不均一性は「耳発生」としても公知である。高度に不均一なカップリムは、缶体の搬送に有害であり、又は耳がアイロンがけ中に延伸して欠け落ちた時に全体工程に影響を与え、機械休止時間に至り、効率を下げる。
本発明の実施形態は、経済的に実施可能な生成工程を使用する満足できる方法で両方の要件に対処することができる。
図1は、カップ形物品を作るのに適するアルミニウム缶シートを製造するように構成された設備100の一部分の概略図を示している。概略図は、生成経路で利用されるデバイスの一部のみを示している。
生成設備は、典型的に、溶融したアルミニウム合金から大きい鋳造インゴットを生成する鋳造デバイスを含む。鋳造インゴットは、典型的に、樹状突起構造及びランダムテクスチュアを有する粗粒子から構成される。アルミニウム、及びFe、Mn、及びSiのような他の成分を含む堆積物が、鋳造インゴット内に不均質に分布される。
次の段階では、鋳造インゴットは、均質化炉(又は予熱炉と呼ばれ、図1では図示せず)で均質化される。均質化処理には、典型的に、シート生成中に再結晶化、粒度、及びテクスチャに後で影響を与える溶質含有量及び沈殿微細構造の特徴的な変化が伴う。
均質化されたインゴットは、次に、熱間圧延ステージに移送される。単一スタンドリバースミル120が、好ましい設備で熱間圧延に使用される。単一スタンドリバースミル120は、概略図1で別に描かれた2つの異なる作動モードで作動することができる。第1の作動モードHR-FP(単一スタンドリバースミル120の左側に示す)では、入って来るインゴットは、平坦パスを使用して厚みが低減され、材料は、ロールのいずれ側でもコイル巻きされることなく前後に圧延される。単一スタンドリバースミル120を表す図の右手側に示す第2の作動モードHR-CPでは、ミルスタンドMSの両側の巻き取りリールCRは、相互に反対の圧延方向に実行されたコイル巻きパスの間にシートSHを巻き取るのに使用される。いずれのコイル巻きパスでも、リールの一方は、入ってくるストリップをミルスタンド内に形成された圧延間隙に供給する払い出しリールとして作動する。他方のリールは、回転経路の後で引出しストリップを巻き付けているテンションリールとして使用される。単一スタンドリバースミルは、一般的に当業技術で公知であるので、詳細説明はこの出願では不要であると考えられる。
熱間圧延材料は、次に、冷却後に材料流れ方向に熱間圧延ステージの下流に配置された冷間圧延ステージ130にコイルとして移送される。冷間圧延ミルは、単一スタンド又はマルチスタンド冷間圧延ミルとすることができる(図示のように)。
バッチ炉140は、冷間圧延ステージ130の下流に配置される。バッチ炉は、冷間圧延の後に複数のコイルを受け入れ、かつシート材料の完全な再結晶化をもたらすために冷間材料の中間焼鈍を実行するように構成される。
更に別の冷間圧延ステージ150は、更に別の処理段階に望ましい最終ゲージで冷間圧延材料を例えばH1X材料として、代替的にさら詳しくはH19材料として取得するために、冷間圧延を再結晶化された材料に適用するために中間焼鈍バッチ炉140の下流に配置される。冷間圧延ミル150は、図1の実施形態では単一スタンドを含む。
アルミニウム缶シートを設備100で生成する例示的工程は、以下のように実行される。
予備段階では、アルミニウム合金は、鋳造品を形成するために鋳造され、次に、更に別の処理に適する鋳造面切削アルミニウム合金の本体を取得するために研削される。この本体はまた、以下ではインゴットと呼ばれる。アルミニウム合金は、アルミニウム缶シートを製造するのに基本的に適するAA3004、AA3104、又は他のアルミニウム合金のような缶体ストック材料とすることができる。
例示的工程に使用されるアルミニウム合金は、約0.30重量%のSi、約0.50重量%のFe、約0.95重量%のMn、約1.10重量%のMg、約0.20重量%のCu、0.05重量%未満のTi、0.10重量%未満のZn、及び0.05重量%までの不純物を含み、好ましくは、不純物の各々は、0.05重量%未満であり、残りはAlであった。
鋳造及び面切削後に、インゴットは、約500から595℃で例えば5から20時間の均熱時間にわたって均質化され、次に、約490から530℃まで冷却される。
均質化されたインゴット(アルミニウム本体)は、次に、インゴットの熱間圧延がこの温度、すなわち、約490から530℃で始まるように有意な中間冷却なしに熱間圧延ミルに移送される。単一スタンドリバースミル120が、この設備環境で熱間圧延ミルとして利用される。
いくつかの平坦パスが、約25から45mmゲージまでを使用して実施される。最終平坦パス後のインゴット温度は、約290から350℃であった。平坦パスの数は、例えば、15から50の範囲にある場合がある。
平坦パス後に、材料の厚みは、材料が各パス(コイル巻きパス)後にコイル巻きされる違いを有して、熱間圧延で同じ単一スタンドリバースミル120で更に低減される。コイル巻きパスの数は、2から8であった。
最終コイル巻きパス後の材料の厚みは、約1.7mmから約5mmであった。ここで報告する実験では、熱間圧延の後の材料の出口温度、すなわち、熱間圧延出口温度THREXは、再結晶化なしを保証するほどの低さであった。典型的には、熱間圧延出口温度は、約200℃から約340℃、好ましくは、約220℃から約280℃の間の範囲にあった。各コイル巻きパスの圧延は、20から70%の間であった。
熱間圧延材料は、冷却され、次に、冷間圧延ミルに移動される。
5%から70%の冷間圧延は、再結晶化材料ではない熱間バンドで直接に冷間圧延ミル内で材料に適用された。
冷間圧延シートは、次に、中間焼鈍のために、コイル巻き形態でバッチ炉140に移送される。次に、中間焼鈍段階は、冷間圧延シートに適用される。焼鈍温度及び焼鈍時間は、焼鈍済み材料が完全に再結晶化され、強い立方体テクスチャを成長させることができるように選択される。焼鈍温度の典型的な範囲は、280℃から450℃であり、保持時間は、1から12時間である。
再結晶化された焼鈍シートは、次に、冷間圧延シートを最終ゲージで生成するのに適切な冷間圧延を適用するために冷間圧延を受ける。好ましくは、70%から95%の圧延による冷間圧延が、再結晶化シートに適用され、材料に所要の強度が得られ、立方体テクスチャは、圧延テクスチャと平衡化される。熱間バンドの厚みでの再結晶化(部分的な又は完全な)が生じた場合に(自己焼鈍又はバッチ焼鈍の後)、焼鈍の後に成長した立方体テクスチャは弱く、最終製品に高い45°の耳発生があった。
上述の方法を用いて、非再結晶化熱間バンドは、比較的低い冷間圧延を受け、次に、中間焼鈍が、完全に軟質になるために材料に適用される。本方法を用いて、焼鈍の後の強力な立方体テクスチャの劣化なしに、冷間圧延を用いた中間焼鈍厚み低減がある。
完全に再結晶化された材料を生成するための熱間圧延及びバッチ焼鈍直後の非再結晶化構造への低い冷間圧延の組合せも、缶体ストックを直列熱間圧延ミルを通して生成する従来の方法に適用することができると考えられる。換言すると、代替実施形態では、直列熱間圧延ミルは、冷間圧延段階の前に熱間圧延段階を実行するために単一スタンドリバースミルの代わりに使用することができる。
以下では、新しい有益な工程の一部の特徴的態様を図2及び図3の概略図に関連して説明する。図2は、初期熱間圧延段階の後のシート材料の再結晶化の程度と冷間圧延を最終ゲージに適用した後の耳発生の量及びタイプとの技術的な関係を概略的に示している。図3は、中間焼鈍の前の冷間圧延の段階の重要度、及び、最終ゲージに対する冷間圧延の後の耳発生のタイプ及び程度に及ぼす影響を示している。
図2及び図3の各図では、x軸は、中間焼鈍の後に適用された冷間圧延の程度(パーセントでの)を表している。換言すると、x軸は、中間焼鈍炉140の下流に位置する冷間圧延ミル150を使用して達成された冷間圧延の量を表している。y軸は、耳発生のタイプ及び量(パーセントでの)を表している。基線BLの上方の領域は、0から90°の耳発生に対応し、一方で基線BLの下方の領域は、45°の耳発生を表している。図のy方向の基線からのデータポイントの絶対距離は、それぞれの耳発生の量又は強度を表し、基線BL上の点は、耳発生を全く示さないシートに対応することを意味する。図の曲線は、多くの実験で確立された一般的な傾向を表している。図3の模式的ボックスプロットBPは、線によって表された傾向が有意であると考えられることを示している。
図2は、基本的に、熱間圧延シートの再結晶化をできる限り回避しなければならないように熱間圧延出口温度を選択する必要があるという要件の重要度を示している。
実線は、圧延シートが熱間圧延作動を終えた後に実質的に再結晶化されない事例を表している。これは、特許請求の範囲に記載した本発明の実施形態である。比較のために、下の曲線(破線)は、シートが熱間圧延段階を終えた後に部分的に再結晶化された参考事例を表し、換言すると、再結晶化は、図示の参照工程では十分には回避されなかったことを意味する。実線は、中間焼鈍の後で及び冷間圧延が始まる前に(冷間圧延=0%の値で)完全に再結晶化された材料で0から90°の高い耳発生があることを示している。冷間圧延が進むにつれて、0から90°の耳発生の程度が連続的に低減し、その結果、最終ゲージを取得する直前では(冷間圧延の最高点で)識別可能な耳発生がない(実曲線が基線と交差する)。完全な冷間圧延がシートに適用された後の最終製品では、何らかの45°の耳発生を識別することができるが、耳発生の程度は絶対的には低い。
これとは対照的に、材料が熱間圧延段階(破線)を終えた後に有意な量の再結晶化を示す場合に、0から90°の耳発生の程度は、本発明の実施形態による事例よりも低い。冷間圧延が進むにつれて、0から90°耳発生の程度は低減し、より薄い最終ゲージを取得するほど十分ではない冷間圧延時に完全に消えると考えられる。冷間圧延の量が、より薄い最終ゲージを取得するために増大されると、耳発生の特性は、0°から90°耳発生から主として45°耳発生に変化し、45°耳発生の量は、特許請求の範囲に記載の工程(実線)による材料でのものよりも絶対値で非常に高いレベルまで増大する。これは、熱間圧延段階の後の再結晶化の程度が最終製品の耳発生の量及び特性に有意な効果を与えることを示している。
図3の図は、同様な方法で読むことができる。図は、中間焼鈍の前に適用された冷間圧延の段階の重要度を示している。図では、上の曲線(破線)は、冷間圧延が焼鈍の前に適用されなかった事例に対応する。これは、本出願の最初に言及した従来技術で説明した工程と類似の工程とすることができる。0°から90°の高い耳発生が中間焼鈍の直後に存在することを見ることができる。材料が最終ゲージまで最後に冷間圧延された時に(最大量の冷間圧延)、最終製品に大体において耳発生はほとんどない。何らかの45°の耳発生が存在する場合でも絶対量は小さい。
それとは対照的に、破線の下方の点線は、本発明の実施形態による工程を表し、冷間圧延は、材料が中間焼鈍に移送される前に、熱間圧延状態を出る(本質的に再結晶化されていない)材料を圧延する冷間圧延ミルにおいて適用される。冷間圧延が適用される前の初期において、0から90°耳発生の量は、焼鈍の前の冷間圧延なしの事例よりも少ない。シートが最終ゲージまで厚みが低減されると(最大冷間圧延で)、有意な量の45°耳発生があり、これは、極薄アルミニウムシートを扱う多くの缶メーカーによって望まれる性質である。
本特許出願の開示はまた、アルミニウム缶シートを生成する方法の方法段階を備えるアルミニウム缶を作る方法に関連し、最終ゲージを有する冷間圧延シートは、アルミニウム缶を作るのに適するカップ形物品に成形される。

Claims (12)

  1. アルミニウム缶シートを生成する方法であって、
    アルミニウム合金タイプAA3004、AA3104、又はアルミニウム缶シートを作るのに適する他のアルミニウム合金で作られた本体を与える段階と、
    前記本体を均質化温度まで加熱する段階と、
    熱間圧延シートの再結晶化を実質的に回避するように選択された熱間圧延出口温度で熱間ミル出口ゲージで熱間圧延ミルを出る前記熱間圧延シートを生成するために、前記本体を前記熱間圧延ミル内で熱間圧延する段階と、
    冷間圧延を適用して前記熱間ミル出口ゲージよりも小さい冷間ミル出口ゲージを有する冷間圧延シートを生成するために、前記熱間圧延シートを冷間圧延ミル内で冷間圧延する段階と、
    再結晶化された焼鈍シートを取得するために、前記冷間圧延シートの再結晶化を可能にするように選択された中間温度範囲で前記冷間圧延シートを焼きなます段階と、
    冷間圧延を適用して最終ゲージを有する冷間圧延シートを生成するために、前記再結晶化された焼鈍シートを冷間圧延する段階と、
    を有する方法。
  2. 前記アルミニウム合金は、
    約0.05-0.60重量%のSi、好ましくは、0.15-0.5重量%のSi、
    約0.10-0.80重量%のFe、好ましくは、0.25-0.70重量%のFe、
    約0.70-1.50重量%のMn、好ましくは、0.80-1.40重量%のMn、
    約0.80-1.50重量%のMg、好ましくは、0.90-1.30重量%のMg、
    約0.05-0.25重量%のCu、好ましくは、0.10-0.25重量%のCu、
    0.10重量%までのTi、
    0.25重量%までのZn、及び
    0.15重量%までの不純物、好ましくは、各々が0.05重量%未満の不純物を含み、
    残余をAlとする、請求項1に記載の方法。
  3. 単一スタンドリバースミルが、熱間圧延ミルとして利用される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記単一スタンドリバースミルは、2つの異なる作動モードで利用され、
    第1の作動モードが、1又は2以上の平坦パスを含み、前記第1の作動モードの後で利用される第2の作動モードが、前記熱間ミル出口ゲージを有するコイル巻きシートを生成する1又は2以上のコイル巻きパスを含む、
    請求項3に記載の方法。
  5. 前記熱間圧延出口温度は、200℃から320℃の範囲にあり、
    好ましくは、前記熱間圧延出口温度は、290℃よりも低い、
    請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  6. 5%と70%との間の冷間圧延が、前記熱間圧延シートを圧延する前記冷間圧延ミル内で適用される、請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
  7. 前記冷間圧延シートを焼きなます段階は、バッチ炉内で実行される、請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
  8. 70%よりも多い全圧延が、熱間ミル出口ゲージと前記最終ゲージとの間で前記アルミニウムシートに適用される、請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
  9. 特に請求項1から8の何れか1項に記載の方法によりアルミニウム缶シートを生成するための設備(100)であって、
    アルミニウム合金で作られた本体を均質化温度まで加熱するための予熱炉と、
    熱間圧延シートを生成するために前記本体を熱間圧延するために前記予熱炉の下流に配置され、前記熱間圧延シートが前記熱間圧延シートの再結晶化を実質的に回避するように選択された熱間圧延出口温度で熱間ミル出口ゲージで熱間圧延ミルを出るように構成された、熱間圧延ミル(120)と、
    前記熱間圧延ミル(120)の下流に配置され、前記熱間圧延シートを受け入れて冷間圧延を適用して前記熱間ミル出口ゲージよりも小さい冷間ミル出口ゲージを有する冷間圧延シートを生成するように構成された冷間圧延ミル(130)と、
    再結晶化された焼鈍シートを取得するために前記冷間圧延シートの再結晶化を可能にするように選択された中間温度範囲で前記冷間圧延シートを焼きなますための、前記冷間圧延ミルの下流に配置された焼鈍炉(140)と、
    冷間圧延を適用して最終ゲージを有する冷間圧延シートを生成するために前記再結晶化された焼鈍シートを冷間圧延するための、前記焼鈍炉(140)の下流に配置された冷間圧延ミル(150)と、
    を備える、設備(100)。
  10. 前記熱間圧延ミル(120)は、前記熱間圧延出口温度が200℃から320℃の範囲にあるように構成され、
    好ましくは、前記熱間圧延出口温度は、290℃よりも低いように設定される、
    請求項9に記載の設備。
  11. 熱間圧延ミルが、単一スタンドリバースミル(120)として構成される、請求項9又は10に記載の設備。
  12. 前記焼鈍炉は、バッチ炉(140)として構成される、請求項9から11の何れか1項に記載の設備。
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