JPH04305489A - 感熱記録用組成物の製造法 - Google Patents

感熱記録用組成物の製造法

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JPH04305489A
JPH04305489A JP3096299A JP9629991A JPH04305489A JP H04305489 A JPH04305489 A JP H04305489A JP 3096299 A JP3096299 A JP 3096299A JP 9629991 A JP9629991 A JP 9629991A JP H04305489 A JPH04305489 A JP H04305489A
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JP
Japan
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heat
imino
anhydride copolymer
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maleic anhydride
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JP3096299A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Matsushita
松下 壽彦
Shunsuke Takahashi
俊介 高橋
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高感度、且つ耐薬品性
に優れた感熱記録用組成物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は、一般に基材上に電子供
与性の無色染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分
とする感熱記録層を設けたもので、熱ヘッド、熱ペン、
レーザー光等で加熱することにより、電子供与性の無色
染料前体と電子受容性の顕色剤とが瞬時反応し、記録画
像が得られるもので、特公昭43−4160号、特公昭
45−14039号公報等に開示されている。
【0003】このような感熱記録材料は、比較的簡単な
装置で記録が得られ、保守が容易であること、騒音の発
生がないことなどの利点があり、計測用記録計、ファク
シミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル
、乗車券等自動券売機などの広範囲の分野に利用されて
いる。
【0004】電子供与性の無色染料前駆体と電子受容性
の顕色剤を用いた感熱記録材料は、外観がよい、感触が
よい、発色濃度が高い、各種の発色色相が得られる等々
の優れた特性を有している反面、感熱発色部(記録画像
部)がポリ塩化ビニルなどのプラスチックと接触して、
プラスチック中に含まれる可塑剤や添加剤などにより消
失したり、あるいは食品や化粧品に含まれる薬品と接触
して容易に消失したり、あるいは短時間の日光曝露で容
易に退色するなど、記録の保存性が劣るという欠点を有
し、この欠点の故に、その用途に一定の制約を受けてい
るのが現状であり、その改良が強く望まれている。
【0005】また、2成分が加熱されることにより反応
し、保存性の良い記録画像が得られる感熱記録材料とし
て、例えば特開昭58−38733号、特開昭58−5
4085号、特開昭58−104959号、特開昭58
−149388号、特開昭59−115887号、特開
昭59−115888号の各公報及び米国特許4,52
1,793号明細書には2成分がイミノ化合物とイソシ
アナ―ト化合物からなる感熱記録材料が開示されている
【0006】近年に至っては、短時間で印字できるよう
な高速印字装置が開発され、それに合った熱応答性に優
れ、低エネルギーでも十分な発色画像が得られる高感度
の感熱記録材料が要求されるようになってきている。上
述した発色系、即ち染料前駆体と顕色剤、または芳香族
イソシアナ―ト化合物とイミノ化合物においても、これ
ら高感度化の改良要望があった。
【0007】一方、マイクロカプセルを利用した感熱記
録材料として、本発明者らが先に出願したものに特開昭
59−19193号公報(特公平2ー2440号公報)
がある。同公報では、「同一カプセル内に少なくとも発
色性無色染料と顕色剤及び常温で固体であり加熱時熔融
するワックス状物質とを含有したマイクロカプセルを支
持体に塗布して成る感熱記録紙」を開示している。これ
は、発色性無色染料、顕色剤、ワックス状物質(発色助
剤)を含有させたマイクロカプセルを使用した感熱記録
紙に関するもので、カプセルを破壊せず、カプセル内で
発色させようとするものである。
【0008】ここでは、カプセル化方法として次の例示
がある。 (1)発色性無色染料または顕色剤、と発色助剤とを混
融し、乳化して得た発色性無色染料−発色助剤の乳化物
、顕色剤−発色助剤の乳化物を混合してカプセル化する
方法。この方法では、発色助剤中に融解させる発色性無
色染料または顕色剤の濃度が低くく、多量に融解させる
と析出してしまう欠点がある。また、乳化物の混合では
、それぞれ単一の乳化粒子によるカプセルが形成して効
率が悪い。
【0009】(2)発色性無色染料または顕色剤、と発
色助剤とを混融し、乳化して得た発色性無色染料−発色
助剤の乳化物及び顕色剤−発色助剤の乳化物をそれぞれ
疑似カプセル化(極く薄い膜厚)し、それぞれの疑似カ
プセルを混合してカプセル化する方法。
【0010】(3)微分散した発色性無色染料または顕
色剤をそれぞれ疑似カプセル化し、加熱熔融した発色助
剤中にそれぞれの疑似カプセルを混合分散してカプセル
化する方法。この(2)及び(3)の方法では、疑似カ
プセル化の工程が必要であり、効率が悪い。
【0011】また、本発明者らは、平成2年11月15
日付特願平2−310389号による感熱記録用組成物
及びその製造法において、芳香族イソシアナート化合物
及びイミノ化合物に増感剤を加えた3成分を必須成分と
して、これをカチオン系分散剤により凝集化して凝集粒
子を得、アニオン性保護コロイド物質中に投入し、乳化
分散し、マイクロカプセル壁材を投入してマイクロカプ
セル化する方法を特許出願している。
【0012】しかし、この特許出願では、凝集粒子の形
成のためにカチオン系分散剤を使用し、これをアニオン
性保護コロイド物質中に投入して乳化分散し、マイクロ
カプセル化することを特徴としている。マイクロカプセ
ルの作成には、カチオン系分散剤を用いた工程とアニオ
ン性保護コロイド物質による乳化分散の工程が必要とな
り、工程の効率化をする上で改良の余地があった。
【0013】さらに、本発明者らは、平成3年2月13
日付で特許出願した感熱記録用組成物及びその製造法に
おいて、芳香族イソシアナート化合物及びイミノ化合物
に増感剤を加えた3成分を必須成分として、これを無水
マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩又はアンモニウム
塩により凝集化して凝集粒子を得、乳化分散し、マイク
ロカプセル壁材を投入してマイクロカプセル化する方法
を特許出願している。
【0014】しかし、この特許出願では、芳香族イソシ
アナート化合物、イミノ化合物、増感剤からなる必須3
成分は、アニオン系分散剤により平均粒径0.5〜1.
0μmに分散したものを使用することを特徴としている
。形成された凝集粒子は、その内部では空隙が存在し、
また表面では個々の分散粒子による凹凸を生じて、無定
形の凝集粒子であった。製造されたマイクロカプセルは
、無定形の形状を有するためにマイクロカプセル表面の
凹凸部では、外圧に対して壊れ易いという欠点が観察さ
れ、その改良の必要性があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、従来の
感熱記録材料は、高感度化や記録画像の耐薬品性につい
て未だ改善の余地があった。また、本発明者らが先に出
願した感熱記録紙や感熱記録用組成物及びその製造法で
は、上述したような欠点があった。
【0016】本発明においては、これらの問題点を解決
し、高感度化や耐薬品性の特性が優れている感熱記録用
組成物の製造法を提供することを目的とするものである
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、高感度、且つ耐薬品性の優れた感熱記録
用組成物の製造法を提供するものである。
【0017】即ち、本発明によって提供される感熱記録
用組成物の製造法は、加熱時互いに接触して発色する芳
香族イソシアナート化合物体及びイミノ化合物を主とし
て内包するマイクロカプセルからなる感熱記録用組成物
の製造法において、 1)アニオン系分散剤により該芳香族イソシアナート化
合物、該イミノ化合物並びに増感剤からなる3成分を平
均粒径0.5〜1.0μmになるまでそれぞれ単分散、
又は共分散した分散物を混合する工程 2)該3成分の分散物中に水溶性高分子を混合する工程
3)上記2)の混合物をポリ無水マレイン酸共重合体の
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩中に混合して凝集化
して凝集粒子を形成させ、且つ乳化分散させる工程4)
乳化分散液中にマイクロカプセル壁材を投入し、マイク
ロカプセル化する工程により感熱記録用組成物を製造す
るものであり、該工程の少なくとも1工程中に該マイク
ロカプセル内包物100重量部に対して、0.75〜1
5.0重量部のアンモニア水溶液(固形分)を添加する
ことからなるものである。
【0018】本発明の感熱記録用組成物の製造法におい
て、アンモニア水溶液(固形分)の添加量は、該マイク
ロカプセル内包物100重量部に対して、好ましくは1
.0〜10.0重量部、更に好ましくは1.5〜7.5
重量部である。
【0019】ここで、アンモニア水溶液の添加量が0.
75重量部未満では、芳香族イソシアナート化合物、イ
ミノ化合物並びに増感剤からなる3成分の凝集粒子の空
隙を水溶性高分子によって充填させるには不十分である
。また、アンモニア水溶液の添加量が15.0重量部を
超えると凝集粒子が形成しなかったり、形成した凝集粒
子が再分離するなどの悪影響を及ぼすことになる。
【0020】本発明の水溶性高分子は、水に溶解させた
高分子水溶液として該3成分の凝集粒子空隙部の充填作
用に使用されるものである。
【0021】本発明の芳香族イソシアナート化合物、イ
ミノ化合物並びに増感剤に対する水溶性高分子の混合割
合は、芳香族イソシアナート化合物、イミノ化合物並び
に増感剤の総量100重量部に対して、水溶性高分子が
、25〜200重量部、好ましくは50〜150重量部
、さらに好ましくは、75〜125重量部である。ここ
で、水溶性高分子が25重量部未満では、凝集粒子内部
の空隙が残って好ましくない。言い替えれば、凝集粒子
内部の充填状態が低くくなり、耐薬品性を低下させる方
向となる。一方、250重量部を超えると、発色反応に
係わる芳香族イソシアナート化合物及びイミノ化合物の
比率が下がり印字濃度が低下してくる。また、塗工量を
多くしなければならず不経済である。
【0022】水溶性高分子としては、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、
ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、
ポリエステルなどの合成高分子、メチルセルロース、エ
チルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロースなどの半合成高分子、ゼラチン、
アラビアゴム、プルランなどの天然高分子、等が挙げら
れ、単独または2種以上で使用することができる。
【0023】さらに、本発明では水溶性高分子に代えて
、カルボキシル化エマルションや可溶化エマルションの
ような平均粒径0.2μm以下のマイクロエマルション
を単独または2種以上で使用してもアンモニア水溶液に
よる効果があることから何ら制限するものではない。
【0024】以下、本発明の感熱記録用組成物の製造法
について、具体的に説明する。
【0025】従来、平均粒径0.5〜1.0μmに分散
された芳香族イソシアナート化合物、イミノ化合物並び
に増感剤からなる3成分で凝集粒子を形成した場合、平
均粒径0.5〜1.0μmの成分同志の凝集では粒子間
に空隙ができる。また、凝集粒子表面は、凹凸状態を示
し、全体的には、無定形の粒子として観察される。マイ
クロカプセル化工程を経た後でも、形態は無定形である
。このため、マイクロカプセルを塗設した感熱記録材料
は、時として外部圧力が掛かると歪を生じて薬品類の浸
透を許すことになる。記録画像は、薬品類により濃度低
下(減感)を招く。
【0026】このような無定形のマイクロカプセルの欠
点を改善するためには、マイクロカプセル化工程前の凝
集粒子形成段階で粒子内部の空隙を水溶性高分子で充填
させる必要がある。しかし、水溶性高分子を使用して凝
集粒子の内部充填を行う場合、その種類や条件(温度、
攪拌スピードなど)で内部充填の出来、不出来があった
【0027】本発明の感熱記録用組成物の製造法は、こ
れを解決したものである。即ち、前述したマイクロカプ
セル化工程の少なくとも1工程中にアンモニア水溶液を
添加することにより、凝集粒子の内部充填が速やかに行
われる。この理由については、未だ十分に解明されてい
ないが、次のように推定される。凝集粒子形成と乳化分
散の作用を持つ無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属
塩又はアンモニウム塩は、アンモニア水溶液の添加によ
って水溶化現象が一層高められる。その結果、該無水マ
レイン酸共重合体は、水溶化が進むに従って、粘性も下
がってくる。このため、低粘度化した該無水マレイン酸
共重合体は、該3成分と水溶性高分子との混合物を凝集
化して凝集粒子を形成し、更にその凝集粒子を取り囲ん
でゲル化状態になり、水媒体中で相分離現象の状態を呈
する。互いの凝集粒子は、該無水マレイン酸共重合体の
ゲル状態として囲まれているために個々に安定化状態に
ある。続いて、マイクロカプセル化と共に凝集粒子の内
部は濃縮された状態となり、完全に水溶性高分子で充填
される。また、内部充填した余剰の水溶性高分子は、凝
集粒子表面の凹凸部を滑らかにする。このように、アン
モニア水溶液は、該無水マレイン酸共重合体の水溶化を
促進させ、形成された凝集粒子の内外に影響するものと
考えられる。
【0028】アンモニア水溶液は、次の4つの工程のい
ずれの工程中に添加しても良いが、2)又は3)の工程
が好ましい。この工程では、アンモニア水溶液が該無水
マレイン酸共重合体に対して与える効果として、より直
接的であるためである。 1)アニオン系分散剤により該芳香族イソシアナート化
合物、該イミノ化合物並びに増感剤からなる3成分を平
均粒径0.5〜1.0μmになるまでそれぞれ単分散、
又は共分散した分散物を混合する工程 2)該3成分の分散物中に水溶性高分子を混合する工程
3)上記2)の混合物をポリ無水マレイン酸共重合体の
アルカリ金属塩又はアンモニウム塩中に混合して凝集化
して凝集粒子を形成させ、且つ乳化分散させる工程4)
乳化分散液中にマイクロカプセル壁材を投入し、マイク
ロカプセル化する工程
【0029】本発明の感熱記録用組成物の製造法におい
て、アンモニア水溶液の添加は、前述したように各工程
のいずれの工程中でも良く、アンモニア水溶液を本発明
の範囲内であれば1回或は数回に分割して添加をしても
その効果が失われるものではない。
【0030】本発明によって製造された感熱記録用組成
物は、特に耐薬品性に顕著な効果を発揮するものである
。平均粒径0.5〜1.0μmに分散された芳香族イソ
シアナート化合物、イミノ化合物並びに増感剤と、水溶
性高分子とを組み合わせて凝集化させた凝集粒子は、そ
の内部空隙が水溶性高分子で充填され、さらにその外部
表面の凹凸部を均して凝集粒子全体を滑らかにしたもの
となる。形成された凝集粒子を内包するマイクロカプセ
ルは、無定形(前述)から丸味を帯びた球形や紡錘形の
ものとなる。マイクロカプセル化は、凝集粒子が丸味を
帯びる程、膜材の被覆が容易となる。完全被覆されたマ
イクロカプセルは、有機溶剤のような薬品類に晒しても
浸透することがない。また、丸味を帯びたマイクロカプ
セルは、平均化した強度を持つために外的圧力に対して
破壊しにくい。
【0031】感熱記録用組成物を基材に塗設した感熱記
録材料は、サーマルヘッドを使用して記録画像を得るこ
とができる。記録画像は、個々のマイクロカプセルから
なる感熱記録用組成物によるマイクロカプセル内発色の
集合体である。マイクロカプセルの破壊がないために記
録画像は、薬品類の浸透がなく濃度低下(減感)を起こ
さない。また、未記録部ではカブリを生じない。さらに
、長期間でもマイクロカプセル壁膜で内包物が遮断され
ているため保存性に優れている。
【0032】本発明の感熱記録用組成物において、マイ
クロカプセル中に内包する凝集粒子は、平均粒径2〜3
0μm、好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは5
〜10μmとして用いる。芳香族イソシアナート化合物
、イミノ化合物並びに増感剤からなる3成分の各々は予
め単分散又は共分散(芳香族イソシアナート化合物−増
感剤、或はイミノ化合物−増感剤の組合せ)により平均
粒径0.5〜1.0μmとしたものを使用する。3成分
の平均粒径は、0.5〜1.0μmの大きさにすること
が凝集粒子の形成にとって制御しやすく且つ分散工程の
効率面で好ましいが、この範囲を超えた平均粒径のもの
でも良い通常、これらの3成分は、より微小であればあ
る程、高感度化の方向になると考えられている。しかし
、感熱記録用の基材は、その表面において完全には平滑
化されておらず、パルプ繊維による凹凸がみられる。 微小に分散された粒子は、パルプ繊維の凹凸部に入り込
み、微小化の長所が十分に生かされていない。
【0033】一方、本発明の感熱記録用組成物を使用し
た場合は、上記パルプ繊維の凹凸部への入り込みを防止
して、基材の表面上に均一に配列されるため、高感度化
が達成されるのである。
【0034】また、無機系顔料や有機系顔料などを用い
てアンダーコート層を塗設した基材では、本発明の感熱
記録用組成物を使用したとき、感熱記録層がより均一な
塗面となって高感度化に一層の効果を持つことができる
。微小分散された3成分は凝集粒子として近接した状態
でマイクロカプセル内に存在するため、サーマルヘッド
による印加エネルギーが与えられた時、マイクロカプセ
ル内の凝集粒子が瞬時に融解し、発色することから熱効
率の点で優れたものとなる。
【0035】マイクロカプセルの壁膜は、メラミン−ホ
ルムアルデヒド重合体または尿素−ホルムアルデヒド重
合体からなる熱硬化性樹脂であるために、印字時の熱で
マイクロカプセルが破壊せず、サーマルヘッドに対する
カス、スティッキングも生じることがない。
【0036】マイクロカプセル化方法は、例えば、コン
プレックス・コアセルベーション法イン−サイチュ法(
in  situ法)、界面重合法などの公知の方法で
よいが好ましくは、イン−サイチュ法である。イン−サ
イチュ法では、壁材としてメラミン−ホルムアルデヒド
重合体、尿素−ホルムアルデヒド重合体を使用した方法
が特に好ましい。しかし、他の壁材を使用することは何
ら制限を加えるものではない。
【0037】本発明の芳香族イソシアナート化合物、イ
ミノ化合物並びに増感剤の3成分と水溶性高分子の組合
せにおいて、3成分自体の混合比率は、次のとおりであ
る。芳香族イソシアナート化合物100重量部に対して
、イミノ化合物は、50〜300重量部、好ましくは1
00〜200重量部である。また、増感剤は、10〜3
00重量部、好ましくは30〜200重量部である。 ここで、イミノ化合物が50重量部未満の場合、芳香族
イソシアナート化合物の未反応物が、逆に300重量部
を超えた場合、イミノ化合物の未反応物が多量に残り不
経済である。
【0038】本発明の発色系として、芳香族イソシアナ
ート化合物及びイミノ化合物について具体的に例示する
【0039】本発明に用いられる芳香族イソシアナ―ト
化合物は、常温固体の無色または淡色の芳香族イソシア
ナ―ト化合物または複素環イソシアナ―ト化合物であり
、例えば、下記の1種以上が用いられる。
【0040】2,6−ジクロロフェニルイソシアナ―ト
、p−クロロフェニルイソシアナ―ト、1,3−フェニ
レンジイソシアナ―ト、1,4−フェニレンジイソシア
ナ―ト、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソシ
アナ―ト、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイソ
シアナ―ト、1−メトキシベンゼン−2,4−ジイソシ
アナ―ト、1−メトキシベンゼン−2,5−ジイソシア
ナ―ト、1−エトキシベンゼン−2,4−ジイソシアナ
―ト、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシ
アナ―ト、2,5−ジエトキシベンゼン−1,4−ジイ
ソシアナ―ト、2,5−ジブトキシベンゼン−1,4−
ジイソアナ―ト、アゾベンゼン−4,4´−ジイソアナ
―ト、ジフェニルエ―テル−4,4´−ジイソシアナ―
ト、ナフタリン−1,4−ジイソシアナ―ト、ナフタリ
ン−1,5−ジイソシアナ―ト、ナフタリン−2,6−
ジイソシアナ―ト、ナフタリン−2,7−ジイソシアナ
―ト、3,3´−ジメチルビフェニル−4,4´−ジイ
ソシアナ―ト、3,3´−ジメトキシビフェニル−4,
4´−ジイソシアナ―ト、ジフェニルメタン−4,4´
−ジイソシアナ―ト、ジフェニルジメチルメタン−4,
4´−ジイソシアナ―ト、ベンゾフェノン−3,3´−
ジイソシアナ―ト、フルオレン−2,7−ジイソシアナ
―ト、アンスラキノン−2,6−ジイソシアナ―ト、9
−エチルカルバゾ―ル−3,6−ジイソシアナ―ト、ピ
レン−3,8−ジイソシアナ―ト、ナフタレン−1,3
,7−トリイソシアナ―ト、ビフェニル−2,4,4´
−トリイソシアナ―ト、4,4´,4″−トリイソシア
ナ―ト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、p−
ジメチルアミノフェニルイソシアナ―ト、トリス(4−
フェニルイソシアナ―ト)チオフォスフェ―ト等がある
【0041】これらのイソシアナ―ト化合物は、必要に
応じて、フェノ―ル類、ラクタム類、オキシム類等との
付加化合物である、いわゆるブロックイソシアナ―トの
かたちで用いてもよく、ジイソシアナ―トの2量体、例
えば1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアナ―トの
2量体、および3量体であるイソシアヌレ―トのかたち
で用いてもよく、また、各種のポリオ―ル等でアダクト
化したポリイソシアナ―トとして用いることも可能であ
る。
【0042】本発明に用いられるイミノ化合物とは、化
1(φは、隣接するC=Nと共役系を形成しうる芳香族
性化合物残基)で表わされる如き化合物で、常温固形の
無色または淡色の化合物である。以下に具体例を示す。 目的に応じて2種以上のイミノ化合物を併用することも
可能である。
【0043】
【化1】
【0044】3−イミノイソインドリン−1−オン、3
−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリ
ン−1−オン、3−イミノ−4,5,6,7−テトラブ
ロモイソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,5,
6,7−テトラフルオロイソインドリン−1−オン、3
−イミノ−5,6−ジクロロイソインドリン−1−オン
、3−イミノ−4,5,7−トリクロロ−6−メトキシ
イソインドリン−1−オン、3−イミノ−4,5,7−
トリクロロ−6−メチルメルカプト−イソインドリン−
1−オン、3−イミノ−6−ニトロイソインドリン−1
−オン、3−イミノイソインドリン−1−スピロ−ジオ
キソラン、1,1−ジメトキシ−3−イミノイソインド
リン、1,1−ジエトキシ−3−イミノ−4,5,6,
7−テトラクロロイソインドリン、1−エトキシ−3−
イミノイソインドリン、1,3−ジイミノイソインドリ
ン、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロ
イソインドリン、1,3−ジイミノ−6−メトキシイソ
インドリン、1,3−ジイミノ−6−シアノイソインド
リン、1,3−ジイミノ−4,7−ジチア−5,5,6
,6−テトラヒドロイソインドリン、7−アミノ−2,
3−ジメチル−5−オキソピロロ〔3,4b〕ピラジン
、7−アミノ−2,3−ジフェニル−5−オキソピロロ
〔3,4b〕ピラジン、1−イミノナフタル酸イミド、
【0045】1−イミノジフェン酸イミド、1−フェニ
ルイミノ−3−イミノイソインドリン、1−(3´−ク
ロロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1
−(2´,5´−ジクロロフェニルイミノ)−3−イミ
ノイソインドリン、1−(2´,4´,5´−トリクロ
ロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(2´−シアノ−4´−ニトロフェニルイミノ)−3−
イミノイソインドリン、1−(2´−クロロ−5´−シ
アノフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1
−(2´,6´−ジクロロ−4´−ニトロフェニルイミ
ノ)−3−イミノイソインドリン、1−(2´,5´−
ジメトキシフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリ
ン、1−(2´,5´−ジエトキシフェニルイミノ)−
3−イミノイソインドリン、1−(2´−メチル−4´
−ニトロフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン
、1−(5´−クロロ−2´−フェノキシフェニルイミ
ノ)−3−イミノイソインドリン、1−(4´−N,N
−ジメチルアミノフェニルイミノ−3−イミノイソイン
ドリン、1−3´−N,N−ジメチルアミノ−4´−メ
トキシフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、
1−(2´−メトキシ−5´−N−フェニルカルバモイ
ルフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、
【0
046】1−(2´−クロロ−5´−トリフルオロメチ
ルフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(5´,6´−ジクロロベンゾチアゾリル−2´−イミ
ノ−3−イミノイソインドリン、1−(6´−メチルベ
ンゾチアゾリル−  2´−イミノ)−3−イミノイソ
インドリン、1−(4´−フェニルアミノフェニルイミ
ノ)−3−イミノイソインドリン、1−(p−フェニル
アゾフェニルイミノ)−3−イミノイソインドリン、1
−(ナフチル−1´−イミノ)−3−イミノイソインド
リン、1−(アンスラキノン−1´−イミノ)−3−イ
ミノイソインドリン、1−(5´−クロロアンスラキノ
ン−1´−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−
(N−エチルカルバゾリル−3´−イミノ)−3−イミ
ノイソインドリン、1−(ナフトキノン−1´−イミノ
)−3−イミノイソインドリン、1−(ピリジル−4´
−イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(ベンズ
イミダゾロン−6´−イミノ)−3−イミノイソインド
リン、1−(1´−メチルベンズイミダゾロン−6´−
イミノ)−3−イミノイソインドリン、1−(7´−ク
ロロベンズイミダゾロン−5´−イミノ)−3−イミノ
イソインドリン、1−(ベンズイミダゾリル−2´−イ
ミノ)−3−イミノイソインドリン、
【0047】1−
(ベンズイミダゾリル−2´−イミノ)−3−イミノ−
4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1−(
2´,4´−ジニトロフェニルヒドラゾン)−3−イミ
ノイソインドリン、1−(インダゾリル−3´−イミノ
)−3−イミノイソインドリン、1−(インダゾリル−
3´−イミノ)−3−イミノ−4,56,7−テトラブ
ロモイソインドリン、1−(インダゾリル−3´−イミ
ノ)−3−イミノ−4,5,6,7−テトラフルオロイ
ソインドリン、1−(ベンズイミダゾリル−2´−イミ
ノ)−3−イミノ−4,7−ジチアテトラヒドロイソイ
ンドリン、1−(4´,5´−ジシアノイミダゾリル−
2´−イミノ)−3−イミノ−5,6−ジメチル−4,
7−ピラジイソインドリン、1−(シアノベンゾイルメ
チレン−3−イミノイソインドリン、1−(シアノカル
ボンアミドメチレン)−3−イミノイソインドリン、1
−(シアノカルボメトキシメチレン)−3−イミノイソ
インドリン、1−(シアノカルボエトキシメチレン)−
3−イミノイソインドリン、1−(シアノ−N−フェニ
ルカルバモイルメチレン)−3−イミノイソインドリン
、1−〔シアノ−N−(3´−メチルフェニル)−カル
バモイルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、1−
〔シアノ−N−(4´−クロロフェニル)−カルバモイ
ルメチレン〕−3−イミノイソインドリン、
【0048】1−〔シアノ−N−(4´−メトキシフェ
ニル)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノイソイン
ドリン、1−〔シアノ−N−(3´−クロロ−4´−メ
チルフェニル)−カルバモイルメチレン〕−3−イミノ
イソインドリン、1−(シアノ−p−ニトロフェニルメ
チレン)−3−イミノイソインドリン、1−(ジシアノ
メチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(シアノ
−1´,2´,4´−トリアゾリル−(3´)−カルバ
モイルメチレン)−3−イミノイソインドリン、1−(
シアノチアゾイル−(2´)カルバモイルメチレン−3
−イミノイソインドリン、1−(シアノベンズイミダゾ
リル−(2´)−カルバモイルメチレン)−3−イミノ
イソインドリン、1−(シアノベンゾチアゾリル−(2
´)−カルバモイルメチレン)−3−イミノイソインド
リン、1−〔(シアノベンズイミダゾリル−2´)メチ
レン〕−3−イミノイソインドリン、1−〔(シアノベ
ンズイミダゾリル−2´)−メチレン〕−3−イミノ−
4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、1−〔
(シアノベンズイミダゾリル−2´)−メチレン〕−3
−イミノ−5−メトキシイソインドリン、1−〔(シア
ノベンズイミダゾリル−2´)−メチレン〕−3−イミ
ノ−6−クロロイソインドリン、
【0049】1−〔(
1´−フェニル−3´−メチル−5−オキソ)−ピラゾ
リデン−4´〕−3−イミノイソインドリン、1−〔(
シアノベンズイミダゾリル−2´)−メチレン〕−3−
イミノ−4,7−ジチアテトラヒドロイソインドリン、
1−〔(シアノベンズイミダゾリル−2´)メチレン〕
−3−イミノ−5,6−ジメチル−4,7−ピラジイソ
インドリン、1−〔(1´−メチル−3´−n−ブチル
)−バルビツル酸−5´〕−3−イミノイソインドリン
、3−イミノ−1−スルホ安息香酸イミド、3−イミノ
−1−スルホ−6−クロロ安息香酸イミド、3−イミノ
−1−スルホ−5,6−ジクロロ安息香酸イミド、3−
イミノ−1−スルホ−4,5,6,7−テトラクロロ安
息香酸イミド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,6,
7−テトラブロモ安息香酸イミド、3−イミノ−1−ス
ルホ−4,5,6,7−テトラフルオロ安息香酸イミド
、3−イミノ−1−スルホ−6−ニトロ安息香酸イミド
、3−イミノ−1−スルホ−6−メトキシ安息香酸イミ
ド、3−イミノ−1−スルホ−4,5,7−トリクロロ
−6−メチルメルカプト安息香酸イミド、3−イミノ−
1−スルホナフトエ酸イミド、3−イミノ−1−スルホ
−5−プロモナフトエ酸イミド、3−イミノ−2−メチ
ル−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン−1
−オン等がある。
【0050】また、芳香族イソシアナート化合物、イミ
ノ化合物の発色系において、必要に応じて通常使用され
る電子供与性の染料前駆体や電子受容性の顕色剤を混合
しても良い。
【0051】本発明の増感剤として、具体例を挙げると
、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステアリ
ン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、
エチレン・ビスステアリン酸アマイド、リシノール酸ア
マイド、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワ
ックス、ポリエチレンワックス、ライスワックス、カル
ナバワックスなどのワックス類、2ーベンジルオキシナ
フタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニ
ル、4ーアリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体
、1,2ービス(3ーメチルフェノキシ)エタン、2,
2’ービス(4ーメトキシフェノキシ)ジエチルエーテ
ル、ビス(4ーメトキシフェニル)エーテル等のポリエ
ーテル化合物、炭酸ジフェニルシュウ酸ジベンジル、シ
ュウ酸ジ(p−フロルベンジル)エステル等の炭酸また
はシュウ酸ジエステル誘導体等を挙げることができる。 これらの増感剤は、単独又は2種以上で使用することが
できる。
【0052】本発明の感熱記録用組成物を使用し、各種
素材と共に感熱記録層を基材上に塗設することにより感
熱記録材料を製造する。各種素材は、次のとおりである
【0053】顔料として、ケイソウ土、タルク、カオリ
ン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウ
ム、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が使用される。
【0054】ヘッド摩耗防止、スティッキング防止など
の目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等
の高級脂肪酸金属塩、パラフィンワックス、酸化パラフ
ィンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレ
ンワックス、ステアリン酸アミド、カスターワックス等
のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナト
リウム等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系などの紫外線吸収剤、さらに界面活性剤、蛍光染
料などが必要に応じて添加される。
【0055】感熱記録層に用いられる接着剤としては、
通常用いられる種々の接着剤を用いることができる。例
えば、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン
、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド−
アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アク
リル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン−無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性接着剤、
ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステ
ル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテック
ス等が挙げられる。
【0056】本発明に使用される基材としては紙が主と
して用いられるが不織布、プラスチックフィルム、合成
紙、金属箔等、或は、これらに顔料等を塗設したシート
、或は、これらを組み合わせた複合シートを任意に用い
ることができる。また、上記の基材に無機系顔料や有機
系顔料などによりアンダーコート層を塗設したものを使
用してもよい。
【0057】なお、本発明の感熱記録用組成物は、これ
をインク化することにより印刷機を利用した部分印刷用
にも使用し得る。感熱記録用組成物は、マイクロカプセ
ルとして芯物質が被覆されているため、インク化する場
合、耐薬品性があり効果的な用途である。
【0058】
【作用】本発明の感熱記録用組成物の製造法は、平均粒
径0.5〜1.0μmの芳香族イソシアナート化合物、
イミノ化合物並びに増感剤と、水溶性高分子とを組み合
わせて凝集化した凝集粒子を芯物質として内包したマイ
クロカプセルを製造する場合、マイクロカプセル化工程
中にアンモニア水溶液を添加することからなるものであ
る。
【0059】マイクロカプセル化工程中にアンモニア水
溶液を添加することによって、該無水マレイン酸共重合
体の水溶化現象を促進させ、凝集粒子の内部充填効果と
凝集粒子表面の凹凸をなくして滑らかな表面とし、丸味
ある凝集粒子を内包するマイクロカプセルとするもので
ある。
【0060】この結果、製造したマイクロカプセルは、
外部圧力にも容易に破壊せず、有機溶剤などの薬品類に
接しても影響を受けず耐薬品性に優れた効果を持つ。ま
た、マイクロカプセルに対してサーマルヘッドの熱が効
率よく伝達されるために高感度の感熱記録材料を得るこ
とができる。
【0061】以上の理由から、本発明の感熱記録用組成
物の製造法は、従来の技術にみられない作用を持つもの
である。
【0062】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0063】実施例1 1.3成分の分散 次の組成からなる混合物をそれぞれサンドミルで平均粒
径が約0.7μmになるまでアニオン系ポリビニルアル
コールを使用して粉砕分散した。   [A液]芳香族イソシアナート化合物の分散   
 4,4’,4”−トリイソシアナート−2,5−ジメ
トキシフェニルアミン               
                         
                      100
部    2.5%ポリビニルアルコール水溶液   
                     400部
  [B液]イミノ化合物−増感剤の共分散    1
,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソイ
ンドリン                     
                         
                150部    ベ
ンジルオキシナフタレン              
                    150部 
   2.5%ポリビニルアルコール水溶液     
                   700部  
【0064】2.マイクロカプセルの製造予め、上記1
で粉砕分散した20%A液(芳香族イソシアナート化合
物の分散液)50部と30%B液(イミノ化合物−増感
剤の共分散液)100部を均一になるまで混合しておく
。均一にしたAB混合液に水溶性高分子として40%ポ
リアクリル酸エステル共重合体からなる水溶液100部
を混合し、均一化して芯物質とした。芯物質の混合液に
28%アンモニア水溶液14部(マイクロカプセル内包
物100重量部に対して5重量部に相当)を加えて均一
にした。次に、pH4.0に調製した5%スチレン−無
水マレイン酸共重合体のNa塩水溶液160部中にアン
モニア調整したA液−B液−水溶性高分子の混合液42
4部を攪拌下少量づつ添加する。約30分攪拌を続けて
平均粒径10μmの丸味を帯びた凝集粒子ができ、同時
に乳化分散できたことを確認した。一方、メラミン21
.3部、37%ホルムアルデヒド水溶液53.3部、水
138.4部からなる混合液を水酸化ナトリウムにより
pH9.0に調製してのち、60℃で攪拌しながら加熱
して溶解させ、透明なメラミン−ホルムアルデヒド初期
縮合物213部を調製した。このメラミン−ホルムアル
デヒド初期縮合物213部を先に乳化分散した液424
部中に静かに添加して、60℃に設定した恒温槽にて4
時間攪拌させながら反応させ、その後室温まで冷却して
マイクロカプセルを製造した。製造したマイクロカプセ
ルは、凝集粒子とほぼ同じ平均粒径10μmであり、丸
味を帯びた紡錘形の形態であることを確認した。マイク
ロカプセル水性分散液の固形分濃度は、21%であった
【0065】3.感熱塗液の調製 上記2で製造した平均粒径10μmのマイクロカプセル
水性分散液を使用し次の配合にて感熱塗液を調製した。       マイクロカプセル水性分散液(20%に調
製)          200部      10%
ポリビニルアルコール水溶液            
          90部      炭酸カルシウ
ム                        
                20部      
    水                    
                         
   35部  このようにして調製した20%感熱塗
液を坪量40g/m2の原紙にメイヤーバーを用いて塗
工量(乾燥固形分)11.5g/m2となるように塗工
し、乾燥して後スーパーカレンダーで処理して感熱記録
材料を得た。光学顕微鏡により塗工面を観察したところ
マイクロカプセルは、スーパーカレンダーの加圧処理に
対して何ら損傷されていなかった。
【0066】作成した感熱記録材料について、GIII
FAX試験機を使用して発色濃度を測定した。試験機は
大倉電機製(TH−PMD)でドット密度が8ドット/
mmヘッド抵抗は1300Ωのサーマルヘッドを使用し
、ヘッド電圧22V通電時間10msで印字した。マク
ベスRD−918型反射濃度計にて発色濃度を測定した
ところ、1.21の値であった。また、光学顕微鏡では
、発色部はマイクロカプセルの破壊がなく、マイクロカ
プセル内で発色していることが観察できた。
【0067】別の評価として、作成した感熱記録材料の
塗工面(未印字部)にアセトンを滴下し、耐薬品性につ
いて観察した。マクベスRD−918型反射濃度計にて
塗工面(地肌)とアセトン滴下部分の白色度を測定した
結果、いずれの白色度も0.06の値を示した。また、
発色部についても同様にしてアセトンを滴下したが、発
色部の発色濃度1.21に対して、アセトン処理した部
分の発色濃度は、1.21の値であった。これより、発
色成分がマイクロカプセル壁膜で完全被覆されていると
いう効果を確認できた。
【0068】実施例2〜4 実施例1の2.マイクロカプセルの製造による28%ア
ンモニア水溶液の使用量(マイクロカプセル内包物10
0重量部に対して5重量部に相当)に代えて、その使用
量をマイクロカプセル内包物100重量部に対して、0
.75重量部、10重量部、15重量部とした以外は同
様の方法でマイクロカプセルを製造した。製造したマイ
クロカプセルを使用して、実施例1と同様に感熱塗液を
調製して感熱記録材料を作成した。また、比較例1及び
2では、それぞれアンモニア水溶液をマイクロカプセル
内包物100重量部に対して0重量部、16重量部にて
マイクロカプセルを製造し、実施例1と同様に感熱塗液
を調製して感熱記録材料を作成した。マイクロカプセル
内包物100重量部に対するアンモニア水溶液の使用量
、感熱塗液(乾燥固形分)を表1に掲げた。また、作成
した感熱記録材料の評価は、実施例1と同様にGIII
 FAX試験機を使用して発色させ、発色部と未発色部
にアセトンを滴下し、揮発させた後にマクベスRD−9
18反射濃度計にて濃度を測定し変化をみた。
【0069】
【表1】
【0070】上記の表1より、内部充填用として水溶性
高分子を使用した場合、アンモニア水溶液を加えた実施
例2〜4では、発色部及び未発色部(地肌部)共に初期
の濃度を維持しているが、殆ど低下していない。一方、
アンモニア水溶液を加えていない比較例1では、発色部
の濃度が1.21から1.06に低下(減感)し、未発
色部(地肌部)の濃度が0.06から0.13へと高く
なり地肌カブリを起こしていることがわかる。マイクロ
カプセル化に当たって、アンモニア水溶液を使用してい
ないために被膜形成が不十分であり、耐薬品性が劣って
いる。比較例2では、アンモニア水溶液をマイクロカプ
セル内包物100重量部に対して、16重量部と本発明
の範囲外である。マイクロカプセル化において、過剰の
アンモニア水溶液の影響によって凝集粒子形成後、再分
離してマイクロカプセル化が不完全であった。また、膜
材のメラミン乳化粒子が単独で形成し、マイクロカプセ
ルとの混合状態が観察された。このため、発色濃度は、
所定の塗工量を塗設したにもかかわらず、低い値であっ
た。アセトンを滴下した発色部及び未発色部は、それぞ
れ発色濃度の低下(減感)、地肌カブリを起こしている
ことがわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明は、芳香族イソシアナート化合物
、イミノ化合物並びに増感剤の3成分に、水溶性高分子
を組み合わせて凝集化した凝集粒子を内包したマイクロ
カプセルからなる感熱記録用組成物の製造法であり、該
マイクロカプセル化製造工程中にアンモニア水溶液を添
加して感熱記録用組成物を製造するもので、これを使用
した感熱記録材料は、高感度、且つ耐薬品性に優れた特
徴を持つ。以上より、本発明の感熱記録用組成物の製造
法は、実用的価値の極めて高いものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  加熱時互いに接触して発色する芳香族
    イソシアナート化合物及びイミノ化合物を主として内包
    するマイクロカプセルからなる感熱記録用組成物の製造
    法において、 1)アニオン系分散剤により該芳香族イソシアナート化
    合物、該イミノ化合物並びに増感剤からなる3成分を平
    均粒径0.5〜1.0μmになるまでそれぞれ単分散、
    又は共分散した分散物を混合する工程 2)該3成分の分散物中に水溶性高分子を混合する工程
    3)上記2)の混合物をポリ無水マレイン酸共重合体の
    アルカリ金属塩又はアンモニウム塩中に混合して凝集化
    して凝集粒子を形成させ、且つ乳化分散させる工程4)
    乳化分散液中にマイクロカプセル壁材を投入し、マイク
    ロカプセル化する工程により感熱記録用組成物を製造す
    るものであり、該工程の少なくとも1工程中に該マイク
    ロカプセル内包物100重量部に対して、0.75〜1
    5.0重量部のアンモニア水溶液(固形分)を添加する
    ことを特徴とする感熱記録用組成物の製造法。
  2. 【請求項2】  マイクロカプセル内包物100重量部
    に対して、1.0〜10.0重量部のアンモニア水溶液
    (固形分)を添加することを特徴とする請求項1記載の
    感熱記録用組成物の製造法。
  3. 【請求項3】  マイクロカプセル内包物100重量部
    に対して、1.5〜7.5重量部のアンモニア水溶液(
    固形分)を添加することを特徴とする請求項1記載の感
    熱記録用組成物の製造法。
  4. 【請求項4】  ポリ無水マレイン酸共重合体のアルカ
    リ金属塩又はアンモニウム塩が、エチレン−無水マレイ
    ン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸
    共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、ブタ
    ジエン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水
    マレイン酸共重合体、イソブテン−無水マレイン酸共重
    合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルアセ
    テート−無水マレイン酸共重合体、メタクリルアミド−
    無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩又はアンモニ
    ウム塩から挙げられたものの少なくとも1種からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の感熱記録用組成物の製造
    法。
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