JPH0430471B2 - - Google Patents

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JPH0430471B2
JPH0430471B2 JP60222388A JP22238885A JPH0430471B2 JP H0430471 B2 JPH0430471 B2 JP H0430471B2 JP 60222388 A JP60222388 A JP 60222388A JP 22238885 A JP22238885 A JP 22238885A JP H0430471 B2 JPH0430471 B2 JP H0430471B2
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ferrite
single crystal
phosphoric acid
etching
aqueous solution
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Publication of JPH0430471B2 publication Critical patent/JPH0430471B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/53After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone involving the removal of at least part of the materials of the treated article, e.g. etching, drying of hardened concrete
    • C04B41/5338Etching
    • C04B41/5353Wet etching, e.g. with etchants dissolved in organic solvents

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は、Mn−Znフエライトの化学エツチン
グ方法に係り、特に磁気ヘツド用フエライトコア
の磁気ギヤツプを形成するのに好適に用いられる
化学エツチング方法に関するものである。 (従来技術とその問題点) 従来から、磁気ヘツド用コアとして、コア材料
にフエライトを用いて構成したフエライトコアが
知られている。このフエライトコアは、良く知ら
れているように、一般に、二つのフエライト部材
が突き合わされて環状の磁器(磁気回路)が形成
された構造を有するものであつて、それらフエラ
イト部材の間に形成される空間がコイル巻線用の
孔とされている一方、それらフエライト部材の一
方の突合せ部に、前記環状の磁路を横切る方向に
所定間隙の磁気ギヤツプが設けられており、この
磁気ギヤツプによつて、磁気テープや磁気デイス
ク等の磁気記録媒体に対して、周知の如く、所定
の記録や再生を行なうようになつている。 ところで、VTR用やコンピユータ用の磁気ヘ
ツドにあつては、その高性能化のために、かかる
磁気ギヤツプは1μm或いはそれ以下の幅であるこ
とが要請されている。一方、磁気ギヤツプを形成
する方法としては、薄いガラス片をフエライト部
材の突合せ面の間に置いて加圧加熱して、所定の
間隔を形成する方法が、一般に採用されている
が、この方法では、磁気ギヤツプの間隙幅が1μm
以上のオーデイオヘツドについては有用であつて
も、上述の如き所謂狭ギヤツプ磁気ヘツドの製造
には適していないのである。このため、スパツタ
リング法や真空蒸着法といつた薄膜製造技術を用
いて、突合せ面上にスペーサ材の所要の厚さに付
着させて、これをスペーサとして利用したり、更
にガラスの微粒子を突合せ面に沈降させてから焼
き付け、所要のスペーサを形成することも検討さ
れている。 しかしながら、前者の方法にあつては、装置が
大規模となり、しかも1回の処理で形成できる数
量或いは付着面積が限られ、所定の膜厚とするに
は、かなり長時間を要するために、経済性、量産
性に乏しい問題がある。また、スパツタリングの
場合、イオン密度の場所的なバラツキによつて、
生成するスペーサ材の膜厚にむらを生ずる問題が
ある。更に、後者の方法によれば、ガラス微粒子
の収率が極めて低いこと、また、ときによつて
は、微粒子間に存在する空気が気泡としてスペー
サ中に取り込まれることもあること、更には焼付
処理によつてガラスとフエライトとが反応して、
磁気ギヤツプの実効幅が変化する等といつた問題
が生じる。 一方、磁気ヘツド用コアを構成するフエライト
部材の磁気ギヤツプ構成面を、エツチング処理に
より所定深さに除去せしめ、以て目的とする間隔
(幅)を形成せしめる手法も考えられ、本発明者
等の一人は、先に、特願昭58−246261号及び特願
昭58−246262号等において、硫酸、リン酸の如き
無機酸からなるエツチング液を用い、所定のフエ
ライト部材のギヤツプ構成面を所定深さに化学エ
ツチングせしめる手法を明らかにした。 而して、このような化学エツチング手法にて、
フエライト部材、特に磁気ヘツド用コア材料とし
て好適に用いられるMn−Znフエライトの単結晶
面を所定深さエツチング処理して、磁気ギヤツプ
を形成せしめるに際しては、そのエツチング面を
より一層平滑化せしめ、またそのような平滑面を
より一層寸法精度よく安定して得ることが望まし
い。特に、前述のように、狭ギヤツプ磁気ヘツド
の製造において、Mn−Znフエライトのエツチン
グ面を平滑化、換言すればその面粗度を向上せし
めることは、ヘツド感度を高める上においても重
要なことである。 (解決手段) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景に
して為されたものであつて、その主たる目的とす
るところは、Mn−Znフエライトの単結晶面を、
寸法精度良く、且つ面粗度に優れたエツチング面
を与えるように化学エツチングする方法を提供す
ることにあり、また他の目的とするところは、磁
気ヘツド用コアの磁気ギヤツプの形成のために好
適に用いられるMn−Znフエライトの化学エツチ
ング方法を提供することにあり、そしてこのよう
な目的を達成するために、本発明にあつては、鏡
面研磨された単結晶面を有するMn−Znフエライ
トを、フエライトの平衡酸素濃度若しくはそれ以
下の酸素濃度の雰囲気中において、少なくとも
700℃以上の温度で焼鈍した後、このMn−Znフ
エライトの鏡面研磨された単結晶面に対して、少
なくとも20重量%の水分を含むリン酸主体水溶液
を接触せしめて、かかる単結晶面を化学エツチン
グするようにしたものである。 すなわち、本発明にあつては、エツチング液と
して濃リン酸(85%)を用いるのではなく、水分
量が20重量%以上のリン酸主体水溶液、換言すれ
ばリン酸を主体とする酸濃度が80%未満のリン酸
主体水溶液を用いて、特定の焼鈍処理が施された
Mn−Znフエライトの鏡面研磨単結晶面の化学エ
ツチングを行なうようにしたものであり、これに
よつて、かかる結晶面が寸法精度良くエツチング
されると共に、そのエツチング面の面粗度を高
め、且つ均質と為し得たのである。 なお、本発明におけるリン酸主体水溶液とは、
リン酸のみからなる酸の水溶液だけを意味するも
のではなく、リン酸に少量の硫酸等の他の酸を含
有する水溶液も意味するものである。また、リン
酸主体とは、リン酸が酸全体に対して80%以上含
有されることを意味する。 ところが、かかる本発明に従う化学エツチング
処理の施されるMn−Znフエライトとしては、そ
の全体が一つの単結晶体から構成されるものの
他、その一部に単結晶部分を有する単結晶・多結
晶複合Mn−Znフエライト部材がある。そして、
このようなMn−Znフエライトの単結晶部分の露
出された単結晶面は、それが磁気ヘツド用コア材
料として用いられる場合において磁気ギヤツプ構
成面として好適に利用されることとなるが、本発
明にあつては、そのような単結晶面に対して本発
明に従う化学エツチング処理が施されることとな
るのである。なお、Mn−Znフエライト単結晶部
分の結晶面は、(100)面、(211)面、(111)面、
(110)面があるが、本発明においては、特に
(100)結晶面に対するエツチング処理が好適に採
用され、これによつてMn−Znフエライト単結晶
部分の表面を、最も良く平滑化することが出来る
のである。 また、かかるエツチング処理の施されるMn−
Znフエライトの単結晶部分の単結晶面は、常法
に従つてダイヤモンド砥粒等にて鏡面研磨され、
予め平滑な被処理面とされていることが必要であ
る。けだし、エツチングの均一性の如何に拘わら
ず、エツチング処理されるべき単結晶面の表面形
態も、また、生じるエツチング面の表面性状に影
響をもたらすからである。 さらに、かかるMn−Znフエライトは、その単
結晶面が化学エツチングされるに先立つて、フエ
ライトの平衡酸素濃度若しくはそれ以下の酸素濃
度の雰囲気中において、少なくとも700℃、一般
に700〜1300℃の温度下で焼鈍(熱処理)される。
このような熱処理による表面調整により、研磨加
工面である単結晶面に生じた加工変質層が再結晶
化されること等によつて、単結晶内部(バルク)
と同様な表面状態となり、これによつて後の化学
エツチング処理が有効に行なわれ得て、エツチン
グ面が安定化し、また面粗度が効果的に向上せし
められ得るのである。なお、この焼鈍温度が低過
ぎたり、また焼鈍雰囲気がフエライトの平衡酸素
濃度よりも高い酸化性雰囲気の場合にあつては、
充分な焼鈍効果を期待することが困難となる。 ところで、かかる本発明に従う特定濃度のリン
酸主体水溶液による化学エツチング処理は、Mn
−Znフエライトの鏡面研磨された単結晶面に対
して、かかるリン酸主体水溶液が接触せしめられ
ることとなるならば、如何なる手法をも採用する
ことが可能であるが、本発明にあつては、一般
に、Mn−Znフエライトが前記リン酸主体水溶液
中に浸漬せしめられることによつて、そのような
接触状態が実現されることなる。 また、かかる化学エツチング処理に用いられる
リン酸主体水溶液は、前述のように、少なくとも
20重量%の水分を含み、且つ残部がリン酸が主体
である酸の水溶液である必要があり、その水分量
が20重量%よりも少なくなり、リン酸主体の酸濃
度が高くなると、エツチング面の面粗度が著しく
悪化し、またエツチング深さにバラツキを生じる
等の問題を惹起する。なお、このリン酸主体水溶
液中の水分量が多くなればなるほど、酸濃度は低
下し、エツチング処理に時間が掛かるようになる
ところから、一般に、水分量の上限としては95重
量%程度、換言すれば酸濃度の下限を5重量%程
度に止めることが望ましい。 さらに、このような特定濃度のリン酸主体水溶
液を用いたエツチング処理は、単結晶面の目的と
するエツチング量、即ちエツチング深さに応じ
て、適当な温度下において所定時間の間実施され
ることとなる。換言すれば、主としてリン酸主体
水溶液中の水分量、処理温度、処理時間によつ
て、Mn−Znフエライトの単結晶面のエツチング
深さが定められることとなるのである。尤も、エ
ツチング処理温度に関して、リン酸主体水溶液の
沸点までの温度が採用可能であるが、余りにも高
い温度の採用は、リン酸主体水溶液の水分量を変
化せしめることとなり、有効なエツチングを行な
い得なくなることがあるところから、一般に、常
温〜80℃程度、通常30〜70℃程度の範囲内の温度
でエツチングを行なうことが望ましい。 なお、かくの如き化学エツチングに際して、前
記Mn−Znフエライトを上記所定のリン酸主体水
溶液からなるエツチング液中に浸漬、静置せし
め、しかも、かかるリン酸主体水溶液を攪拌しな
い状態下において、該化学エツチング操作が実施
せしめられるようにすることによつて、エツチン
グ速度が著しく向上せしめられ、リン酸主体水溶
液を攪拌せしめた場合に比較して8〜10倍も早く
なり、生産性が著しく向上され得るのである。こ
のエツチング速度の向上の理由について、未だ充
分な解明は為されていないが、恐らく、Mn−Zn
フエライトから溶出した成分によつて或いはその
ような溶出成分によつてリン酸主体水溶液中に何
等かの新しい物質が形成される等して、フエライ
ト表面附近がエツチングされ易い環境下に保持さ
れるためであると、推察されている。尤も、この
ような推察によつて、上記のエツチング速度の向
上の事実が何等制限的に解釈されるものでないこ
とは、言うまでもないところである。 このように、本発明に従つて、Mn−Znフエラ
イトの単結晶面を、鏡面研磨し、次いで焼鈍処理
した後、所定のリン酸主体水溶液によつて化学エ
ツチングすることにより、面粗れの抑制された、
面粗度の良好なエツチング面を寸法精度良く形成
し得るところから、本発明は、磁気ヘツド用コア
の磁気ギヤツプの形成に好適に適用されることと
なる。即ち、磁気ヘツド用コアを構成するMn−
Znフエライトにおいて、その磁気ギヤツプ構成
面である単結晶面に対して、本発明に従う化学エ
ツチング処理が施され、以て寸法精度良く、所定
深さにエツチングされると共に、そのエツチング
面の面粗度が向上されて、平滑面と為されること
により、狭幅の磁気ギヤツプをも、正確に且つ安
定して得ることが出来るのである。 因みに、第1図には、本発明に従う化学エツチ
ング手法を用いて磁気ギヤツプを形成した磁気ヘ
ツド用フエライトコアの製造の一例が、概略的に
示されている。そこにおいて、先ず、所定の一方
のフエライト部材(Mn−Znフエライト単結晶体
ブロツク)2には、コイル巻線用の孔を形成する
ための溝4を加工する溝加工が施され、また同時
に磁気ギヤツプ構成面6を仕切る仕切溝8が設け
られ、これによつて磁気ギヤツプ構成面6を形成
する突起10を間にして、その両側に外側突起1
2,14が形成される。なお、この溝加工は、通
常ダイヤモンドカツタ等にてブロツク状のフエラ
イト部材2を切削することにより行なわれ得る
が、これに代えて、コイル巻線用の溝4等の形状
を有するフエライト部材を、プレス成形手法によ
つて直接に形成せしめ、それを公知の方法に従つ
て単結晶化せしめたものを用いることも可能であ
る。 次いで、かかる溝加工の施されて成るフエライ
ト部材2には、その磁気ギヤツプ構成面6に対し
て、所定深さ(厚さ):αだけ表面を除去せしめ
るギヤツプ加工が施されるのであるが、このギヤ
ツプ加工が前記した化学エツチング手法にて行な
われるのである。換言すれば、化学エツチング手
法によるギヤツプ加工は、突起10の高さをα分
のみ低くするものであつて、この除去された厚さ
(α)が、後述するようにフエライトコアの磁気
ギヤツプ(β)を形成することとなるのである。
このように、突起10のエツチング量が、目的と
する磁気ヘツド用コアの磁気ギヤツプ(β)を決
定することとなるところから、そのエツチング量
(深さ:α)は正確に定められなければならず、
またエツチング面の面粗度も向上せしめる必要が
あるのである。 なお、かかるフエライト部材2に対するギヤツ
プ加工工程と溝加工工程の順序は不同であり、例
えば、第1図に例示の方法とは異なり、先にギヤ
ツプ加工を行なつた後、溝加工を実施するように
することも可能である。 そして、このようなギヤツプ加工工程、溝加工
工程を経たフエライト部材2に対して、他方のブ
ロツク状のフエライト部材(好ましくは、磁気ギ
ヤツプ構成面部分が単結晶とされたMn−Znフエ
ライト)16が、それらフエライト部材の間に前
記溝4が位置するように、換言すればかかる溝4
が該他方のフエライト部材16によつて覆蓋され
るように、重ね合わされ、突き合わされるのであ
る。そして、この突き合わせによつて、一方のフ
エライト部材2の外側突起12,14が他方のフ
エライト部材16に当接することにより、前記ギ
ヤツプ加工工程において除去された厚さ:α分だ
けの隙間が二つのフエライト部材10と、16と
の間に形成され、これが磁気ギヤツプの隙間
(β)となるものである。 また、この二つのフエライト部材2と16の突
き合わせに際しては、公知のように、それらの当
接部分に適当な無機酸或いはフエライト成分を含
んだ無機酸塩の水溶液が介在せしめられることと
なる。そして、このように組み合わされて、突き
合わされたフエライト部材2及び16は、その状
態において加熱せしめられ、以てそれらの当接部
分において固相反応が惹起せしめられて、一体的
に焼結せしめられ、それらの接合が行なわれるの
である。なお、この一体的な接合体18はフエラ
イト部材2と16にて構成されるものであるが、
それらの当接部分には異相は認められず、実質的
に一体の連続的な組織となるものであり、そし
て、その中心部分に前記溝4によつてコイル巻線
用の孔20が形成される一方、フエライト部材2
部分の突起10と他方のフエライト部材16の対
向面との間に、所定間隙β(α)の磁気ギヤツプ
22が形成されるのである。 次いで、この固相反応によつて直接に接合さ
れ、一体化せしめられた接合体18には、その磁
気ギヤツプ22部分の保護のために、通常その間
隙がガラス24にて充填せしめられ、さらにその
後、磁気ギヤツプ22を外側に露出せしめて磁気
テープ等の磁気記録媒体が摺接せしめられるよう
に、仕切り溝8側の外側突起12の接合部分を該
突起12を含んで切除する切除操作が施され、摺
接面28が形成される。これにより、他方の外側
突起14部分のみにて二つのフエライト部材2,
16が接合されて所定の環状の磁路が構成され
た、目的とするフエライトコア26が形成される
のである。そして、かかるフエライトコア26の
中心部に設けられたコイル巻線用の孔20を介し
て、所定のコイルが巻き付けられることによつ
て、目的とする磁気ヘツドが完成されることとな
る。 このように、本発明に従う化学エツチング手法
により、Mn−Znフエライトの磁気ギヤツプ構成
面をエツチング処理することにより、目的とする
磁気ヘツド用コア26を有利に製造することが出
来るものであるが、本発明は、上例の如き磁気ヘ
ツド用コアの製造例のみに適用されるものでは決
してなく、本発明者等の一人が先に出願した特願
昭58−246261号や特願昭58−246262号等に開示さ
れている磁気ヘツド用コアの製造手法の何れにも
適用され得、更には磁気ヘツド用コアの製造の場
合以外の他のエツチング操作にも有利に適用され
得るものである。また、それらの出願に開示され
ているフエライト単結晶を少なくとも一部分に有
するフエライト部材が、本発明におけるMn−Zn
フエライト部材として、更には磁気ヘツド用コア
を製造するためのMn−Znフエライト部材とし
て、好適に使用され得るものである。 なお、本発明は、以上の具体的説明並びに好ま
しい実施態様のみに限定されるものでは決してな
く、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当
業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良
などを加えた形態において実施され得るものであ
り、本発明が、また、そのような実施形態のもの
をも含むものであること、言うまでもないところ
である。 (発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従つ
て、Mn−Znフエライトの鏡面研磨された単結晶
面を焼鈍処理した後、特定のリン酸主体水溶液に
て化学エツチング処理することにより、面粗度の
著しく優れたエツチング面を得ることが出来、ま
たエツチングを寸法精度良く、且つ安定して行な
うことが出来ることとなつたのである。 また、かかる化学エツチング手法を用いて、磁
気ヘツド用コアの磁気ギヤツプを形成せしめるよ
うにすれば、簡単な装置で、寸法精度の良い磁気
ギヤツプ幅を与えるMn−Znフエライト部材を大
量に製造することが出来、以て磁気ヘツド用コア
の量産性や経済性を著しく高めることが出来るの
である。 (実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明の幾つかの実施例を示すが、本発明
が、また、かかる実施例の記載によつて何等制限
的に解釈されるものではないこと、言うまでもな
いところである。なお、実施例中の百分率は特に
断わりのない限り重量基準によるものである。 実施例 1 Fe2O3:53モル%、MnO:30モル%及びZnO:
17モル%からなるMn−Znフエライト単結晶体を
用いて、その単結晶面を鏡面研磨して、面粗さを
Rmax:0.02〜0.03μmとした後、フエライトの平
衡酸素濃度以下の酸素濃度(O2=20ppm)のN2
雰囲気中において、800℃、60分の焼鈍処理を実
施し、次いでこの焼鈍処理された単結晶面に対し
て、下記第1表に示される如き各種の水分量のリ
ン酸水溶液中で、それぞれ化学エツチング処理を
行なつた。また、比較のために、焼鈍処理の施さ
れていない単結晶面に対しても、同様な化学エツ
チング処理を施した。 そして、それぞれのエツチング条件下において
得られた各種のエツチング試料について、表面粗
さ計(東京精密株式会社製)にて面粗度をそれぞ
れ測定し、その結果を、エツチング量と共に、第
1表に併せ示した。 なお、第1表中の総合判定の記号は、下記の意
味を有するものである。 ◎:面粗度が優れている ○:面粗度が良好である ×:面粗度不良
【表】 上記第1表から明らかなように、エツチング液
として水分量が20%よりも少ない高濃度のリン酸
水溶液を用いた場合においては、エツチング面の
面粗度が大となり、面粗れが著しいことが理解さ
れる。これに対して、本発明に従つて、リン酸水
溶液中の水分量を20%以上とすると、エツチング
面の凹凸が小さく、著しく平滑なエツチング面が
得られるのである。 実施例 2 実施例1で用いたMn−Znフエライト単結晶体
の100面に対して鏡面研磨を施した後、O2濃度が
20ppmのN2ガス中において、800℃、1時間の焼
鈍処理を実施し、次いで該単結晶体を水分量が23
%のリン酸水溶液中に浸漬せしめ、かかるリン酸
水溶液を攪拌した場合と、攪拌せずに単に静置し
た場合とにおける、化学エツチング作用を評価し
た。 その結果、リン酸水溶液を攪拌した場合におけ
るエツチング量は0.3μmであつたのに対して、フ
エライト単結晶体を単にリン酸水溶液中に静置し
て、攪拌しなかつた場合にあつては、そのエツチ
ング量は2.2μmとなり、後者の場合において大き
な化学エツチング作用を期待し得ることが明らか
となつた。なお、リン酸水溶液を攪拌した場合と
単なる静置した場合の何れにおいても、エツチン
グ面は面粗度の良好な平滑な表面であつた。 実施例 3 実施例1で用いられたのと同様なMn−Znフエ
ライト単結晶体の鏡面研磨及び焼鈍処理(O2
度20ppmのN2ガス中、800℃×1時間)された、
(111)面若しくは(100)面に対して、それぞれ
化学エツチング処理を施し、得られたエツチング
面に対する表面粗さ計による測定図をそれぞれ第
2図a及びbに示した。なお、エツチング条件と
しては、水分量が23%のリン酸水溶液を用いて、
(111)面に対しては50℃×30分間浸漬処理する条
件が、また(100)面に対しては50℃×15分の間
侵漬処理する条件が採用された。 第2図a及びbの比較から明らかなように、化
学エツチング処理される単結晶面としては、
(111)面より(100)面の方がより平滑なエツチ
ング面が得られることが認められる。なお、
(111)面のエツチング面はその表面粗さが0.4〜
0.5μmであり、一方(100)面のエツチング面は、
その表面粗さは0.008μm以下であつた。 なお、比較のために、同様な鏡面研磨及び焼鈍
処理された(111)面の単結晶面に対して、水分
量が15%のリン酸水溶液を用いて、エツチング温
度:50℃×エツチング時間:130分、未攪拌の条
件下において、化学エツチングした表面の表面粗
さ図を第2図cに示した。この時のエツチング量
は1.5μmであり、またその表面粗さRaは0.4μmで
あつた。 実施例 4 実施例1で用いられたMn−Znフエライト単結
晶体の単結晶面を、常法に従つて、ダイヤモンド
砥粒により鏡面研磨した後、下記第2表に示され
る各種の条件下において、焼鈍処理した。次い
で、この得られた焼鈍条件の異なるフエライト単
結晶体を、水分量が23%のリン酸水溶液中に侵漬
せしめ、50℃×45分の化学エツチング処理を施
し、それぞれのエツチング面を評価して、下記第
2表に示した。 この第2表から明らかなように、Mn−Znフエ
ライト単結晶体を鏡面加工した後、それに、フエ
ライトの平衡酸素濃度若しくはそれ以下の酸素濃
度の雰囲気中において、焼鈍処理を行なうことに
より、得られるエツチング面の表面性状が効果的
に改善され、また酸化状態で熱処理されたフエラ
イトはエツチング量が減少し且つ面状態が悪化す
ることが理解される。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は磁気ヘツド用コアの製造例を工程的に
概説するための説明図であり、第2図a,b及び
cはそれぞれ実施例3において得られたエツチン
グ面の表面粗さを示すグラフである。 2,16:フエライト部材、4:溝、6:磁気
ギヤツプ構成面、10:突起、18:接合体、2
0:孔、22:磁気ギヤツプ、26:フエライト
コア。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鏡面研磨された単結晶面を有するMn−Znフ
    エライトを、フエライトの平衡酸素濃度若しくは
    それ以下の酸素濃度の雰囲気中において、少なく
    とも700℃以上の温度で焼鈍した後、該Mn−Zn
    フエライトの単結晶面に対して、少なくとも20重
    量%の水分を含むリン酸主体水溶液を接触せしめ
    て、かかる単結晶面を化学エツチングすることを
    特徴とするMn−Znフエライトの化学エツチング
    方法。 2 前記単結晶面が(100)面である特許請求の
    範囲第1項記載の化学エツチング方法。 3 前記Mn−Znフエライトが前記リン酸主体水
    溶液中に浸漬され、該Mn−Znフエライトの単結
    晶面が化学エツチングされる特許請求の範囲第1
    項又は第2項記載の化学エツチング方法。 4 前記Mn−Znフエライトを前記リン酸主体水
    溶液中に静置せしめ、該リン酸主体水溶液を攪拌
    しない状態下において、前記化学エツチングが行
    なわれる特許請求の範囲第3項記載の化学エツチ
    ング方法。 5 前記Mn−Znフエライトが磁気ヘツド用コア
    構成部材の一つであり、且つ前記化学エツチング
    の施される単結晶面が該磁気ヘツド用コアの磁気
    ギヤツプ構成面である特許請求の範囲第1項乃至
    第4項の何れかに記載の化学エツチング方法。
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