JPH04294124A - 二軸配向積層ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフイルム

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JPH04294124A
JPH04294124A JP3082973A JP8297391A JPH04294124A JP H04294124 A JPH04294124 A JP H04294124A JP 3082973 A JP3082973 A JP 3082973A JP 8297391 A JP8297391 A JP 8297391A JP H04294124 A JPH04294124 A JP H04294124A
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JP
Japan
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particles
layer
film
less
biaxially oriented
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Application number
JP3082973A
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English (en)
Inventor
Hidehito Minamizawa
南沢 秀仁
Iwao Okazaki
巌 岡崎
Koichi Abe
晃一 阿部
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Priority to CA002062480A priority patent/CA2062480A1/en
Priority to EP92301933A priority patent/EP0502745B9/en
Priority to DE69213052T priority patent/DE69213052T2/de
Priority to KR1019920003753A priority patent/KR100194060B1/ko
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向積層ポリエス
テルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気媒体用等の基材フイルムの表面に微
小凹凸を形成した二軸配向フイルムとして、ポリエステ
ルにコロイド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ
粒子を含有せしめたフイルムが知られている(たとえば
特開昭59−171623号公報)。しかし、このよう
なフイルムにおいては、フイルムの加工工程、特に磁気
媒体用途における磁性層塗布・カレンダー及び巻取、カ
セット組み込み工程などの工程速度の増大に伴い、接触
するロールやガイドでフイルム表面、とくに微小凹凸を
有するフイルム表面が削り取られやすかったり、傷が付
きやすいという欠点があった。また、従来のものでは、
高速磁界転写などによるダビングの増速化にともない、
ダビング時の画質低下のために、画質すなわちS/N(
シグナル/ノイズ比)も不十分という欠点があった。
【0003】そこで、上記の如き従来フイルムの欠点を
解消すべく、先に本出願人より、フイルムを積層構成と
し、外層の薄層フイルム中に所定の粒子を含有せしめ、
含有粒子の種類、粒径等と薄層フイルム層の厚さ等との
関係を特定することにより、所望高さでかつ均一な表面
突起を形成し、しかも高速工程でも傷付きにくくダビン
グ時等の画質低下も少ない優れた表面形態の二軸配向フ
イルムについて、一連の提案を行っている。そしてこれ
ら一連の提案では、上記微小表面突起の形成を、上記薄
層フイルム中に外部粒子を含有させることにより、ある
いは内部析出粒子を形成せしめることにより、行ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記本出願人提案によ
る二軸配向フイルムにおいては、表層に微小突起を形成
する場合、外部粒子による方法では粒子の粒径を整えや
すく均一な高さの突起を形成しやすいという利点がある
反面、粒子含有量が多くなりすぎると、該粒子含有層自
身が脆くなるおそれがある。内部析出粒子は、基材との
親和性がよく、基材との間に強固な結合を達成できるも
のである。したがって、内部析出粒子により表面突起を
形成する方法では、より強靱な表面としつつ微小突起を
形成できるという利点があるが、粒径をコントロールし
にくく、突起高さを整えることが外部粒子による方法よ
りも難しいという問題がある。
【0005】本発明は、前述の従来フイルムにおける問
題点を解決するとともに、先に本出願人が提案した積層
フイルムの表面特性をより向上するために、より微細で
かつ均一な表面突起を形成できるようにし、特に高速工
程でフイルム表面に傷が付きにくく(以下高速スクラッ
チ性に優れるという)、しかも磁気媒体用途とした時に
ダビング時等の画質低下の少ない、つまり電磁変換特性
のよい(以下電磁変換特性に優れるという)フイルム表
面形態を有する二軸配向積層フイルムを提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層フイルムは、少なくとも2層以上の積層構
造からなる二軸配向積層ポリエステルフイルムにおいて
、その少なくとも片面の層に粒子を含有し、該粒子はモ
ース硬度6以上の平均一次粒径0.005μm以上0.
3μm未満の無機粒子Aを核とする内部析出粒子、およ
び、平均一次粒径0.1μm以上3.0μm以下の不活
性粒子Bであり、該粒子含有層に対する粒子の含有量は
、無機粒子Aは0.05重量%以上2.0重量%以下、
不活性粒子Bは0.05重量%以上2.0重量%以下で
あり、かつ不活性粒子Bの平均一次粒径d(μm)と粒
子含有層の厚さt(μm)との比d/tが0.05以上
3以下であるものから成る。
【0007】まず、本発明のポリエステルフイルムは少
なくとも2層以上の積層構造である必要がある。2層以
上であれば、3層でも4層でもかまわない。しかし、単
層のフイルムでは高速スクラッチ性や電磁変換特性を満
足させることはできない。
【0008】次に、本発明のポリエステルフイルムは、
これを構成する上記各層の少なくとも一層が二軸に配向
している必要がある。2層以上の積層構造の内、全部の
層が二軸に配向していると特に好ましい。全ての層が無
配向や一軸配向では本発明の特性を満足することはでき
ない。
【0009】本発明を構成するポリエステルは特に限定
されないが、エチレンテレフタレート、エチレンα,β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジ
カルボキシレート、エチレン2,6─ナフタレート単位
から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分
とする場合に特に好ましい。中でもエチレンテレフタレ
ートを主要構成成分とするポリエステルの場合が特に好
ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、2種以上
のポリエステルを混合しても良いし、共重合ポリマを用
いても良い。
【0010】本発明のポリエステルフイルムの少なくと
も片面の最表層部には、モース硬度6以上の平均一次粒
径0.005μm以上0.3μm未満、好ましくは0.
007μm以上0.2μm未満の無機粒子Aが含有され
ている必要がある。この無機粒子Aは、内部析出粒子形
成用の核剤として機能し、該無機粒子を核として内部析
出粒子が形成され、それによって最表層表面に微小突起
が形成される。モース硬度6以上の無機粒子としては、
例えば結晶形態がα、β、γまたはδ型であるアルミナ
や窒化チタン、ジルコニア、シリカなどを用いることが
できる。モース硬度が6未満である場合には高速スクラ
ッチ性が不良となるので好ましくない。
【0011】無機粒子Aの平均一次粒径が上記範囲より
小さいと、内部析出粒子の核にはなりにくくなり、上記
範囲より大きいと形成される内部析出粒子が大きくなり
すぎ粗大突起が形成されるおそれがあり、表面突起高さ
の均一化が難しくなる。
【0012】上記無機粒子Aの最表層部に対する含有量
は、0.05〜2.0重量%好ましくは0.07〜1.
5重量%である必要がある。上記範囲よりも少ないと、
内部析出粒子の核となる粒子Aの数が少ないため表面突
起高さの均一化が難しく、また後述の、表面素地補強効
果が薄れる。上記範囲よりも多くなると、粒子Aの凝集
をまねき粗大な突起を形成するため、突起が削れやすく
なり高速スクラッチ性が不良となり、また表面が粗れす
ぎるため電磁変換特性が悪化するおそれがある。
【0013】上記内部析出粒子含有層はまた、平均一次
粒径0.1μm以上3.0μm以下好ましくは0.2μ
m以上2.0μm以下の不活性粒子Bを含有する必要が
ある。この不活性粒子Bは、外部粒子であり、薄層の最
表層部に含有されることにより、その表面に均一な高さ
の微小突起を形成する。
【0014】不活性粒子Bの含有量も、0.05〜2.
0重量%、好ましくは0.07〜1.5重量%であり、
上記範囲よりも少ないと、粒子含有による最表層部表面
の粗面化の効果が薄れ、表面摩擦係数が高くなって傷が
付きやすくなり高速スクラッチ性が不良となる。上記範
囲よりも多くなると、粒子含有量が多くなりすぎ、薄層
の最表層部自身が脆くなって削り取られやすくなり、や
はり高速スクラッチ性が不良となる。
【0015】不活性粒子Bの平均一次粒径d(μm)と
粒子含有層の厚さt(μm)との比d/tは、0.05
以上3以下、好ましくは0.07以上3以下である必要
がある。この関係を保つことにより、不活性粒子Bが最
表層に適切に保持されつつ、該層表面に所望の微小均一
突起を形成することが可能となる。d/tが0.05未
満では、フイルム表面の突起高さが不均一になり、電磁
変換特性が低下し、d/tが3を越えると、最表層部の
粒子保持力が小さくなり、高速スクラッチ性が低下する
【0016】上述のような無機粒子Aと不活性粒子Bを
含有する最表層部においては、その表面の、無機粒子A
を核とする内部析出粒子によって形成された微小突起は
、主としてフイルム素地補強の役目を果たし、併せて、
無機粒子Aの核剤効果により内部析出粒子が形成する突
起の高さが均一となり、また、不活性粒子Bは、上記内
部析出粒子による突起とは別の表面位置に突起を形成し
、該不活性粒子Bにより形成された微小突起は、突起高
さの整った均一な表面突起を形成する。したがって、こ
れら二種の突起は、共に表面粗面化の効果を増大しつつ
、最表層表面は、極めて高速スクラッチ性の高いものと
なり、しかも所望かつ均一な突起高さでかつ高密度に形
成された表面微小突起は、磁気媒体用途での電磁変換特
性についても大幅に向上する。
【0017】また、本発明フイルムにおいては、上述の
如き粒子含有層の表面の突起高さ分布の相対標準偏差が
1.2以下、好ましくは1.1以下であることが好まし
い。この値よりも大きいと、望ましくない粗大突起等が
混在することとなり高速スクラッチ性が低下するととも
に、電磁変換特性が低下するおそれがある。
【0018】本発明フイルムの上記粒子含有層の表面の
粗さパラメータP10は300nm以下、好ましくは2
50nm以下であることが好ましい。粗さパラメータP
10が上記範囲より大きいと電磁変換特性が低下するお
それがあるため好ましくない。
【0019】また、本発明のフイルム中には、本発明の
目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレンドして
もよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸
収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加されて
いてもよい。
【0020】さらに、本発明の積層フイルムの無機粒子
Aと不活性粒子Bを含有する層のポリマIVは、0.4
〜0.9の範囲であると高速スクラッチ性をより一層良
好とするので特に好ましい。さらに無機粒子Aと不活性
粒子Bを含有しない層とのポリマIVの差が0.1以内
であるとより一層高速スクラッチ性が良好となるので非
常に好ましい。
【0021】本発明フイルムにおいて、無機粒子Aを核
とする内部析出粒子および不活性粒子Bを含有しない層
は、特に限定されないが、いわゆるリサイクルポリマを
含有させてもかまわない。ここでリサイクルポリマとは
、ポリエステルの末端カルボン酸が55当量/106 
g以上でポリマの溶液ヘイズが18%以下のものをいう
【0022】次に本発明フイルムの製造方法について説
明するが、これに限定されるものではない。まず、内部
析出粒子形成用核剤としての無機粒子Aは、ポリマ重合
時に添加し、所定の高濃度ペレットを作製して、無機粒
子Aを含有しないペレットと混合して所定粒子濃度とす
ることが、含有量調整、均一分散の点で好ましい。
【0023】一方不活性粒子Bについては、ポリエステ
ルに該粒子を含有せしめる方法として、例えばジオール
成分であるエチレングリコールにスラリーの形で分散せ
しめ、このエチレングリコールを所定のジカルボン酸成
分と重合せしめる方法が好ましい。不活性粒子Bを添加
する際には、例えば、該粒子を合成時に得られる水ゾル
やアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると
粒子の分散性が非常によく、高速スクラッチ性、電磁変
換特性を共に良好とすることができる。また粒子の水ス
ラリーを直接所定のポリエステルペレットと混合し、ベ
ント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り
込む方法も本発明の効果をより一層良好とするのに非常
に有効である。粒子の含有量を調節する方法としては、
上記方法で高濃度の粒子マスターを作っておき、それを
製膜時に粒子を実質的に含有しないポリエステルで希釈
して粒子の含有量を調節する方法が有効である。
【0024】次に上記無機粒子Aと不活性粒子Bをそれ
ぞれ所定量含有するポリエステルのペレットを用いて2
層以上の積層構造をもったポリエステルフイルムとする
。上述の方法にて得られたポリエステルのペレットを所
定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押
出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し
、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フ
イルムを作る。すなわち、2台以上の押出機、2層以上
のマニホールドまたは合流ブロック(例えば角型合流部
を有する合流ブロック)を用いて積層し、口金から2層
以上のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却
して未延伸フイルムを作る。この場合、ポリマ流路にス
タティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効
である。また、最表層積層部側のポリマーを押出す押出
機の溶融温度を基層部側より5〜10℃低くすることが
、有効である。
【0025】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は特に好まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、その1段目を50〜1
30℃とし、2段目以降はそれより高くすることが有効
である。長手方向延伸速度は5000〜50000%/
分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステ
ンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率は、3.0
〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、
1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の
範囲が好適である。次にこの延伸フイルムを熱処理する
。この場合の熱処理温度は170〜220℃、特に18
0〜200℃、時間は0.2〜20秒の範囲が好適であ
る。
【0026】[物性の測定方法ならびに効果の評価方法
]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。 (1)粒子の平均一次粒径 粒子を含有したフイルムを厚さ方向に1000Å〜80
00Å程度の超薄切片とし、透過型電子顕微鏡(例えば
日本電子製JEM−1200EXなど)を用いて粒子を
観察する。10万倍程度の倍率で粒子を観察するとこれ
以上粒子を分割できない最小の粒子径(一次粒子径)を
観察することができる。この観察を100視野について
行ない、平均した値を平均一次粒径とした。
【0027】(2)粒子の含有量 ポリマ(ポリエステル)を溶解し粒子は溶解させない溶
媒を選択し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子
の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量
とする。また、必要に応じて熱分解ガスクロマトグラフ
ィーや赤外分光法や、蛍光X線分析法、ラマン散乱、S
EM−XMAなどを利用して定量することもできる。積
層部および基層部の粒子の含有は、各積層部を削りとる
ことにより区別できる。また、必要に応じてTEMを用
いて各断面に観察される粒子の個数から計算することも
できる。
【0028】(3)最表層部の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フイル
ム中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素とポリ
エステルの炭素元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子
濃度とし、ポリエステルA層の表面から深さ(厚さ)方
向の分析を行なう。表層では表面という界面のために粒
子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高く
なる。本発明フイルムの場合は深さ[I]で一旦極大値
となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲
線をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II
](ここでII>I)を積層厚さとした。なお、フイル
ム中にもっとも多く含有する粒子が有機高分子粒子の場
合はSIMSでは測定が難しいので、表面からエッチン
グしながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分
光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、その粒子
濃度のデプスプロファイルを測定し、上記同様の手法か
ら積層厚さを求めても良い。さらに上述のデプスプロフ
ァイルからではなく、フイルムの断面観察あるいは薄膜
段差測定機等によって求めることができる。
【0029】(4)モース硬度 フイルムに添加する粒子と同じ組成、構造をもった試験
片を測定し、または粒子に粉砕する前の鉱物を試験片と
し、モース硬度測定用の標準鉱物と互いに引っかいて、
引っかきが行われるかどうかで硬さ数を0.1の単位ま
で測定する。
【0030】(5)ポリマIV o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定した
【0031】(6)表面突起の高さの相対標準偏差2検
出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリ
オニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高
さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処
理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]
に送り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を再構
築する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化し
て得られた個々の突起の面積から円相当径を求めこれを
その突起の平均径とする。また、この2値化された個々
の突起部分の中で最も高い値をその突起の高さとし、こ
れを個々の突起について求める。この測定を場所をかえ
て500回繰返し、測定された突起についてその平均突
起高さと標準偏差を求め、相対標準偏差を算出する。ま
た走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の
間を選択する。
【0032】(7)高速スクラッチ性 1/2インチにスリットしたテープを高速型テープ走行
性試験機を使用して、ビデオカセットのガイドピン上を
巻付角60°で走行させる(走行速度250m/分、張
力30g、走行回数1パス)。このとき走行開始から9
0mの地点のフイルム上の傷を顕微鏡を用いて目視で観
察し、次の基準で判定した。 全く傷の無いもの      1級 浅い傷のあるもの      3級 深い傷の多数あるもの  5級 また、1級と3級の間を2級、3級と5級の間を4級と
した。この測定を10回行ない平均し、3級以上を高速
スクラッチ性良好とした。
【0033】(8)電磁変換特性 フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cm で
カレンダー処理した後、70℃、48時間キュアリング
する。 上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パンケー
キを作成した。このパンケーキから長さ250mの長さ
をVTRカセットに組み込みVTRカセットテープとし
た。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄                :
100重量部・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:  
10重量部・ポリウレタンエラストマ        
:  10重量部・ポリイソシアネート       
     :    5重量部・レシチン      
                :    1重量部
・メチルエチルケトン            :  
75重量部・メチルイソプチルケトン        
:  75重量部・トルエン            
          :  75重量部・カーボンブラ
ック              :    2重量部
・ラウリン酸                   
 :1.5重量部このテープに家庭用VTRを用いてテ
レビ試験波形発生器により100%クロマ信号を記録し
、その再生信号からカラービデオノイズ測定器でクロマ
S/Nを測定した。比較例3を基準値(0dB)として
評価を行った。
【0034】(9)粗さパラメータP10(nm)光干
渉式3次元表面形状解析装置(WYKO社製TOPO−
3D、対物レンズ:20〜100倍、高解像度カメラ使
用)を用いて、画像処理装置上にフイルム表面突起画像
を構築する。この表面突起画像で最も高い突起から10
点の平均と、最も低い凹みから10点の平均の差を粗さ
パラメータP10とした。このような測定を20回行な
い平均値をとった。
【0035】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。 実施例1(表1) 平均一次粒径dが0.007μm、モース硬度が9であ
る酸化アルミニウムを無機粒子Aとし、ガラスビーズを
メディアとしてエチレングリコール中に分散させ、ガラ
スビーズを除去したのちテレフタル酸と重合し、無機粒
子A含有内部析出粒子のマスターペレットを得た。
【0036】次に不活性粒子Bとして、平均一次粒径d
が0.60μmのジビニルベンゼン−エチルビニルベン
ゼン共重合体粒子の水スラリーを用いベント式2軸混練
押出機により実質的に粒子を含有しないポリエステルと
混練し、不活性粒子Bのマスターペレットを得た。
【0037】上記両ポリエチレンテレフタレートマスタ
ーペレットと、粒子を含有しないポリエチレンテレフタ
レートのペレットを、所定割合で混合し、ベント式二軸
混練押出機1に供給し、280℃で溶解した(ポリマI
)。更に、もう一台の押出機2を用意し、粒子を含有し
ないペレットを180℃で3時間減圧乾燥(3Torr
)し、押出機に供給して290℃で溶解した(ポリマI
I)。この2つのポリマを、それぞれ高精度濾過した後
、矩形積層部を備えた3層合流ブロックにて、基層部に
ポリマIIを、その両面表層積層部にポリマIがくるよ
うに積層し、フィッシュテール型の口金よりシート状に
して押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温
度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化
し、厚さ約160μmの未延伸フイルムを作った。この
時のドラフト比は6.5であった。
【0038】この未延伸フイルムを長手方向に3段階に
分け、123℃で1.2倍、126℃で1.45倍、1
14℃で2.3倍それぞれ延伸した。この一軸フイルム
をステンタを用いて幅方向に2段階に分け、111℃で
3.7倍、113℃で1.2倍延伸し、定長下で200
℃にて5秒間熱処理し、厚さ13μmのフイルムを得た
。得られたフイルムの最表層部積層厚さtと不活性粒子
Bの平均一次粒径dとの関係は、d/t=2.0であっ
た。また、無機粒子Aの含有量は、0.15重量%、不
活性粒子Bの含有量は0.12重量%、フイルム表面の
突起高さの相対標準偏差は0.60であった。
【0039】このフイルムの電磁変換特性を測定すると
、+3.7dBであった。また、高速スクラッチ性も2
級と良好であった。このように、最表層積層部に含有さ
れる粒子の種類、粒子径、含有量、及び積層厚さが本発
明の範囲内である場合には、電磁変換特性、高速スクラ
ッチ性ともに良好なフイルムとすることができる。
【0040】実施例2〜6、比較例1〜10(表1)実
施例1と同様にして、最表層部に含有される粒子の種類
、粒子径、含有量及び積層厚さを種々変えて二軸配向積
層ポリエステルフイルムとした。最表層積層部に含有さ
れる粒子の種類、粒子径、含有量及び積層厚さの関係が
本発明の範囲内でない場合には、電磁変換特性、高速ス
クラッチ性ともに良好なフイルムとすることができなか
った。
【0041】
【表1】
【0042】本発明の二軸配向積層ポリエステルフイル
ムによれば、薄層最表層部に所定含有量、所定粒径の無
機粒子と不活性粒子を含有させ、該最表層表面に、無機
粒子を核とする内部析出粒子による突起と外部粒子であ
る不活性粒子による突起の両方を形成して、均一かつ削
れにくい微小突起形成表面形態にできるので、高速での
優れた耐スクラッチ性を発揮させつつ、磁気媒体用とし
ての優れた電磁変換特性を発揮することができる。そし
て単に内部析出粒子、あるいは外部粒子含有の場合に比
べ、これら高速スクラッチ性、電磁変化特性を大幅に向
上できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  少なくとも2層以上の積層構造からな
    る二軸配向積層ポリエステルフイルムにおいて、その少
    なくとも片面の層に粒子を含有し、該粒子はモース硬度
    6以上の平均一次粒径0.005μm以上0.3μm未
    満の無機粒子Aを核とする内部析出粒子、および、平均
    一次粒径0.1μm以上3.0μm以下の不活性粒子B
    であり、該粒子含有層に対する粒子の含有量は、無機粒
    子Aは0.05重量%以上2.0重量%以下、不活性粒
    子Bは0.05重量%以上2.0重量%以下であり、か
    つ不活性粒子Bの平均一次粒径d(μm)と粒子含有層
    の厚さt(μm)との比d/tが0.05以上3以下で
    あることを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフイル
    ム。
  2. 【請求項2】  前記粒子含有層の表面の突起高さの相
    対標準偏差が1.2以下である請求項1の二軸配向積層
    ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】  表面の粗さパラメータP10が300
    nm以下である請求項1又は2の二軸配向積層ポリエス
    テルフイルム。
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